JP2012065744A - 衛生用被覆材 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い吸水性、低膨潤性、低害性の全ての条件を満足させることができるポリウレタンフォームを吸水体とする衛生用被覆材の提供を目的とする。
【解決手段】ポリオール類とポリイソシアネートとを触媒、発泡剤、整泡剤及び添加剤の存在下に反応させて得られるポリウレタンフォームを吸水体21とする衛生用被覆材であって、ポリオール類はポリエステルポリオールを含み、整泡剤はアニオン系界面活性剤であって添加量がポリエステルポリオール100重量部に対して0.7〜2.8重量部であり、添加剤として無機多孔質体を含み、ポリイソシアネートのイソシアネートインデックスを100以上とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、創傷被覆材などに使用される衛生用被覆材に関する。
傷口を被覆するための創傷被覆材などの衛生用被覆材には、滲出液を吸収あるいは薬液等を保持させる吸収体を備えるものがある。前記吸収体を備える衛生用被覆材としては、吸収体に液体が外部へ滲出するのを防ぐための包皮材が積層された構成のもの、あるいは吸収体単独のものが提案されている。前記吸収体としては、ポリウレタンフォーム等の発泡体や繊維体が用いられ、又、包皮材としては不織布やプラスチックフィルムが用いられている(特許文献1〜3)。
前記吸収体は、滲出液や薬液の吸収性、すなわち吸水性がより高く、滲出液や薬液等による膨潤性がより低く、かつ人体に対する害の低いものが求められる。
しかしながら、従来の吸収体には、高い吸水性、低膨潤性、低害性の全ての条件を満足するものが無かった。
なお、吸水性に優れるポリウレタンフォームとしては、ポリオールにポリエステルポリオールを用い、整泡剤にはアニオン系界面活性剤を用いて製造されるものが提案されている(特許文献4)。
しかしながら、前記の吸水性に優れるポリウレタフォームは、イソシアネートインデックスが低い場合に細胞毒性が大きくなって人体に対する低害性に劣り、一方、イソシアネートインデックスが高い場合にはポリエチレングリコールのような低分子量ポリオールを添加してもセル(気泡)のオープン(連通化)が不十分になって、吸水性が低下するようになるため、高い吸水性、低膨潤性、低害性の全ての条件を満足させることが難しかった。
特開2005−68086号公報 特開2003−38633号公報 特開2010−12177号公報 特開2005−187788号公報
本発明は前記の点に鑑みなされたものであって、高い吸水性、低膨潤性、低害性の全ての条件を満足させることができるポリウレタンフォームを吸水体とする衛生用被覆材の提供を目的とする。
請求項1の発明は、ポリオール類とポリイソシアネートとを触媒、発泡剤、整泡剤及び添加剤の存在下に反応させて得られるポリウレタンフォームを吸水体とする衛生用被覆材であって、前記ポリオール類はポリエステルポリオールを含み、前記整泡剤はアニオン系界面活性剤であって添加量が前記ポリエステルポリオール100重量部に対して0.7〜2.8重量部であり、前記添加剤として無機多孔質体を含み、前記ポリイソシアネートのイソシアネートインデックスが100以上であることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1において、前記ポリオール類は、前記ポリエステルポリオールと共に平均官能基数が2〜3で、数平均分子量が50〜1000の低分子ポリオールを含有することを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は2において、前記無機多孔質体は銀イオンと亜鉛イオンの何れか一方又は両方を担持したゼオライトであることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1〜3の何れか一項において、前記無機多孔質体の添加量は、前記ポリエステルポリオール100重量部に対して0.05〜3重量部であることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、優れた吸水性を有し、細胞毒性試験(ISO 10993−5(L929 MEM ELUTION TEST −1SO)準拠)において、Grade2以下の低害性を発揮することができる。
請求項2の発明によれば、さらに良好な吸水性及び通気性が得られ、創傷被覆材などに一層好適な衛生用被覆材となる。
さらに請求項3、4の発明では、無機多孔質体によって吸水性が良好になると共に、無機多孔質体として銀イオンと亜鉛イオンの何れか一方又は両方を担持したゼオライトを
用いることによって抗菌性を付与することができる。
吸水体のみからなる衛生用被覆材と吸水体に包皮材が積層された衛生用被覆材の断面図である。
以下、本発明の衛生用被覆材の実施形態について説明する。本発明の衛生用被覆材は、ポリオール類とポリイソシアネートとを触媒、発泡剤、整泡剤及び添加剤の存在下に反応させて得られるポリウレタンフォームを吸水体とするものである。また、本発明の衛生用被覆材としては、図1の(A)に示すように、吸水体21単独で構成された衛生用被覆材10A、あるいは図1の(B)に示すように吸水体21に包皮材31が積層された衛生用被覆材10Bがある。前記包皮材31としては不織布やプラスチックフィルムが用いられる。なお、図示の例では前記包皮材31は、前記吸水体21の周縁から外方へ突出したものとされているが、前記吸水体21と同じ平面寸法として吸水体21の周縁から外方へ突出しないようにしてもよい。また、前記包皮材31は、前記吸水体21の周縁から外方へ突出した部分の人体側となる面に粘着剤を設けてもよい。
本発明において使用するポリオール類には、ポリエステルポリオールが含まれる。前記ポリエステルポリオールとしては、カルボキシル基を複数有するポリカルボン酸を、水酸基を複数有するポリオール類と反応させることによって得られる化合物(縮合系ポリエステルポリオール)等が用いられる。ポリカルボン酸としては、アジピン酸、フタル酸、セバチン酸等が用いられる。ポリオール類としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン等が用いられる。このポリエステルポリオールとしては、水酸基の平均官能基数が2〜3のジエチレングリコールアジピン酸エステルポリオールが好ましい。このジエチレングリコールアジピン酸エステルポリオールの分子量は1000〜5000程度であることが望ましい。又、前記ポリエステルポリオールは単独使用であるいは複数種類のポリエステルポリオールを併用してもよい。
前記ポリオール類には、前記ポリエステルポリオールと共に水酸基の平均官能基数が2〜3で、数平均分子量が50〜1000の低分子ポリオールを用いるのが好ましい。前記平均官能基数及び数平均分子量の低分子ポリオールを含有させることにより、ポリウレタンフォームの吸水性及び通気性が一層良好なものとなり、一層良好な衛生用被覆材が得られる。平均官能基数が2の低分子ポリオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。平均官能基数が3の低分子ポリオールとしては、グリセリン、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
前記平均官能基数が2〜3で、数平均分子量が50〜1000の低分子ポリオールの配合量は、ポリエステルポリオール100重量部に対して0.2〜10重量部であることが好ましく、0.5〜5.0重量部がより好ましく、1.0〜3.0重量部が最も好ましい。この配合量が0.2重量部未満の場合、ポリウレタンフォームの吸水性が低下する。一方、配合量が10重量部を越える場合、発泡安定性が低下し、気泡が潰れて良好なポリウレタンフォームを得ることが難しくなる。
ポリイソシアネートとしては、イソシアネート基を2以上有する化合物であれば、特に限定されるものではなく、ポリウレタンフォーム用のものが使用可能であり、1種類の単独でも2種類以上の併用であってもよい。前記ポリイソシアネートとして、芳香族系、脂肪族系、脂環族系のイソシアネート化合物、及びこれらの変性物を挙げることができる。
芳香族系イソシアネート化合物としては、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、粗製ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート(TDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、p−フェニレンジイソシアネート(PPDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシレンジイソジアネート(TMXDI)、トリジンイソシアネート(TODI)等が挙げられる。脂肪族系イソシアネート化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、リシンジイソシアネート(LDI)、リシントリイソシアネート(LTI)等が挙げられる。脂環族系イソシアネート化合物としては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、シクロヘキシルジイソシアネート(CHDI)、水添化XDI(HXDI)、水添化MDI(H12MDI)等が挙げられる。変性イソシアネート化合物としては、イソシアネート化合物のウレタン変性体、2量体、3量体、カルボジイミド変性体、アロファネート変性体、ビュレット変性体、ウレア変性体、イソシアヌレート変性体、オキサゾリドン変性体、イソシアネート基末端プレポリマー等が挙げられる。
前記ポリイソシアネートの配合量は、イソシアネートインデックスが100以上、より好ましくは100以上であって120以下となるようにされる。イソシアネートインデックスが100未満の場合、細胞毒性が大になって人体に対する低害性に劣るようになる。なお、イソシアネートインデックスは、ポリウレタンフォーム原料中の活性水素基(例えば、ポリオールの水酸基、発泡剤として用いられる水などの活性水素基)の合計に対するポリイソシアネートのイソシアネート基の当量比を百分率で示す値であり、ポリウレタフォームの分野で使用されている指標である。
前記触媒は、ポリオールとポリイソシアネートのウレタン化反応を促進するものであり、ポリウレタンフォーム用として用いられるアミン系触媒を使用することができる。アミン系触媒としては、具体的には、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジメチルアミノエタノール、N,N´,N´−トリメチルアミノエチルピペラジン、トリエチレンジアミン等が用いられる。このうち特にイソシアネート基と反応する活性水素基を有する反応型アミン系触媒の単独使用は、非反応型アミン系触媒と比べて細胞毒性が小さく低害性に優れ、衛生用被覆材の吸水体用ポリウレタンフォームの触媒として好適である。触媒の配合量は、前記ポリエステルポリオールを100重量部とした場合に0.05〜1.0重量部程度が好ましい。
前記発泡剤としては、水、炭化水素、ハロゲン系化合物等を挙げることができ、これらの中から1種類でもよく、又2種類以上でもよい。前記炭化水素としては、シクロペンタン、イソペンタン、ノルマルペンタン等を挙げることができる。又、前記ハロゲン系化合物としては、塩化メチレン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、ノナフルオロブチルメチルエーテル、ノナフルオロブチルエチルエーテル、ペンタフルオロエチルメチルエーテル、ヘプタフルオロイソプロピルメチルエーテル等を挙げることができる。これらの中でも発泡剤として水が特に好適である。水は、イオン交換水、水道水、蒸留水等の何れでもよい。前記発泡剤の配合量は、前記ポリエステルポリオールを100重量部とした場合、0.3〜2.0重量部が好ましい。発泡剤の含有量が前記範囲にあることにより、ポリウレタンフォームが衛生用被覆材の吸水体として好適なセル径、空隙率となる。
前記整泡剤としては、アニオン系界面活性剤が用いられる。アニオン系界面活性剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸塩等のスルホン酸塩、ラウリル硫酸塩等の硫酸エステル塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩等のスルホン酸塩、アルキルリン酸塩等のリン酸エステル塩等を挙げることができる。前記整泡剤の配合量は、前記ポリエステルポリオールを100重量部とした場合、0.7〜2.8重量部、より好ましくは1.0〜2.0重量部である。整泡剤の量が0.7重量部未満の場合、吸水性に劣るようになり、一方、2.8重量部より多い場合には細胞毒性が大になって人体に対する低害性に劣るようになる。
前記添加剤としては、少なくとも無機多孔質体が含まれる。無機多孔質体としては、シリカゲル、ゼオライト等を挙げることができる。特に銀イオンと亜鉛イオンの何れか一方の金属イオン又は両方の金属イオンを担持したゼオライトが、ポリウレタンフォームに抗菌性を付与することができるためにより好ましい。また、前記ゼオライトは、銀イオンを担持したゼオライトと亜鉛イオンを担持したゼオライトの両方を併用してもよい。本発明で使用される銀イオンあるいは亜鉛イオンの一方又は両方の金属イオンを担持したゼオライトは、担持した銀イオン及び亜鉛イオンのゼオライト全体に対する重量比率すなわち、[(金属イオンの重量+亜鉛イオンの重量)/ゼオライトの重量]×100の値が0.05〜3重量%のものが好ましい。ゼオライトに担持される銀イオン及び亜鉛イオンの量を前記範囲とすることにより、抗菌性をより効率よく高めることができる。無機多孔質体の平均粒子径は、1.0〜5.0μmとするのが好ましい。前記粒子径の範囲とすることにより、無機多孔質体のフォーム原料中での分散を良好にし、ポリウレタンフォームの発泡を良好なものにできる。前記無機多孔質体の配合量は、前記ポリエステルポリオール100重量部に対して0.05〜3重量部である。0.05重量部より少ない場合、無機多孔質体の効果が少なくなり、一方3重量部より多い場合、ポリウレタンフォームの良好な発泡が難しくなる。
前記添加剤には、その他のものとして架橋剤、難燃剤、着色剤、充填剤、安定剤、可塑剤等を配合することもできる。
本発明におけるポリウレタンフォームは、前記ポリオール類、ポリイソシアネート、触媒、発泡剤、整泡剤及び添加剤を含むフォーム原料を攪拌混合して反応させる公知の発泡方法によって製造することができる。又、発泡方法には、ポリオールとポリイソシアネートを直接反応させるワンショット法と、ポリオールの一部とポリイソシアネートを予め反応させて末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを形成し、このプレポリマーに更にポリオールを反応させるプレポリマー法とがあり、何れの発泡方法によってもよい。さらに、成形方法には、スラブ発泡とモールド発泡とがあり、何れの成形方法でもよい。スラブ発泡は、混合したフォーム原料をベルトコンベア上に吐出し、大気圧下、常温で発泡させる方法であり、一方、モールド発泡は、混合したフォーム原料をモールド(成形型)に充填してモールド内で発泡させる方法である。
なお、本発明における吸水体の厚みは、衛生用被覆材が使用される人体の部位等によって異なるが、例として0.5mm〜5.0mm程度を挙げる。
以下の原料から、表1に示す実施例及び表2に示す比較例のフォーム原料を調製し、300mm×300mmの型にフォーム原料500gを注入してポリウレタンフォーム(吸水体)を形成した。表1及び表2の各物質は以下の通りである。
・ポリエステルポリオールA1:DEG/AA縮合タイプのポリエステルポリオール、平均官能基数f=2.7、数平均分子量Mw=2500、商品名:E541、花王(株)製
・低分子ポリオールA2:エチレングリコール
・低分子ポリオールA3:数平均分子量300のポリエチレングリコール、商品名:PEG−300、三洋化成工業(株)製
・ポイイソシアネートB1:2,4−トリレンジイソシアネート/2,6−トリレンジイソシアネート=80/20、商品名:TDI−80
・発泡剤C1:水
・整泡剤D1:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含むアニオン系界面活性剤、商品名:B−8300、EVONIK社製
・整泡剤D2:シリコーン系界面活性剤、商品名:B−8324、EVONIK社製
・アミン系触媒E1:N,N−ジメチルアミノヘキサノール
・アミン系触媒E2:末端NH基の脂肪族アミン組成物、商品名:DABCO(登録商標)NE−300、Air Products社製
・金属触媒F1:スタナスオクトエート
・添加剤G1:銀及び亜鉛イオンを担持したゼオライト、商品名:ゼオミック(登録商標) AW−10N、(株)シナネンゼオミック製
・添加剤G2:シリカゲル、商品名:NIPGEL AZ−200、東ソー・シリカ(株)製
・添加剤G3:ステアリン酸
得られたポリウレタンフォームに対して、吸水時間、細胞毒性試験、抗菌試験、発泡安定性、密度、圧縮硬さ、通気性、線膨張率、VDA278アミン揮発量を下記に示す方法で測定し、それらの結果を表1及び表2に併せて記載した。
・吸水時間
厚み10mm×50mm×50mmにカットしたポリウレタンフォームの試験片を形成し、この試験片の表面に0.5ccの水を滴下した後、水が完全にポリウレタンフォーム中に吸い込まれるまでの時間(秒)を測定した。
・細胞毒性試験
ISO10993−5(L929 MEM ELUTION TEST−ISO)準拠
マウス数十匹の繊維芽細胞(細胞毒に非常に敏感)を、サンプル溶剤抽出分を染み込ませた培地上に乗せて、37℃中、一定時間(24時間、48時間)放置した後の細胞崩壊度合を目視にて観察する。調整サンプルは、A:テスト品、B:天然ゴム(細胞毒性有:陽性対照物質)、C:HDPE(細胞毒性無:陰性対照物質)であり、これらと細胞毒性Grade(良い方から0→4)を比較して判定する。
・抗菌試験
減菌生理食塩水40mlを300ml容3角コルベンに入れ、これに大腸菌を1ml当たり約10万個接種し、20℃に保持して振とうし、経時的に菌数を測定する。尚、検体は2×2×5cmの大きさに切断したものについて、1辺を約5mmに細切し、小塊として供試した。評価は、48時間後、菌数が0になっていた場合を合格○とし、48時間後に菌数が0になっていなかった場合を不合格×とした。
・発泡安定性
ポリウレタンフォームの発泡時におけるクリームタイム、ライズタイム、反応性、フォーム状態を観察し、以下の基準で判定した。
○:クリームタイムが12−25秒の範囲であって連続気泡となり、ダウン及び収縮が見られず、良好なポリウレタンフォームが形成された場合。
×:クリームタイムが7秒未満若しくは30秒より長かったか、収縮やダウンにより、評価できるポリウレタンフォームが得られなかった場合。
なお、クリームタイムは、フォーム原料の混合及び撹拌を開始してから、泡化が終了するまでの時間を測定した。この時間が10秒未満の場合にはポリウレタンフォームに割れ等の不具合現象が発生することがあり、良好なポリウレタンフォームが得られなくなる。
・密度、圧縮硬さ
JIS K6401に従って測定した。
・通気性
ASTM D3574に従って測定した。
・線膨張率
厚み10mm×50mm×50mmにカットした試験片を純水中に3分間浸漬した前後の試験片1辺の寸法変化率(%)を次式によって求めた。線膨張率(%)=〔{(浸漬後の試験片1辺の長さ)−(浸漬前の試験片1辺の長さ)}/(浸漬前の試験片の1片の長さ)〕×100
なお、前記測定で得られる線膨張率の値が小さいほど低膨潤性の良好なものとなる。
・VDA278アミン揮発量
VDA278に準じ、7mgのポリウレタンフォームをガラスチューブに入れ、熱脱着装置(熱脱着条件:90℃×30分)にセットし、発生ガスをGC−MSにより分析し、検出されたアミン成分の総量(ppm)を測定値とした。
Figure 2012065744
表1に示すとおり、実施例1〜12は、吸水時間が2秒以下あるいは1秒以下、細胞毒性試験がGrade2(低毒性)であり、吸水性が高く、低害性であった。さらに、抗菌試験については、無機多孔質体としてシリカゲルを用いた実施例4のみが×となり、銀及び亜鉛イオンを担持したゼオライトを用いた他の実施例は抗菌試験が○であり、銀及び亜鉛イオンを担持したゼオライトからなる無機多孔質体を添加することによってポリウレタンフォームに抗菌性が付与されることがわかる。また、ポリオール類としてポリエステルポリオールと共にエチレングリコールを含む実施例7及びポリエステルポリオールと共に分子量300のポリエチレングリコールを含む実施例8は、エチレングリコール及び分子量300のポリエチレングリコールを含まない他の実施例と比べて、吸水時間が短く、かつ通気性が高くなっている。このことから、平均官能基数が2〜3で、数平均分子量が50〜1000の低分子ポリオールをポリオール類に含むことによって、吸水性及び通気性を一層高めることができることがわかる。なお、実施例1〜12は線膨張率が2%であり、低膨潤性のものであることもわかる。
Figure 2012065744
表2に示すとおり、添加剤の無機多孔質体を含まない比較例1と比較例3、整泡剤がアニオン系界面活性剤以外の界面活性剤からなる比較例2は、何れも吸水時間が20秒以上と長く、吸水性に劣るものであり、しかも抗菌試験が×であった。また、イソシアネートインデックスが本発明の範囲よりも低い95の比較例4は、細胞毒性のGradeが3であり、毒性が高くなっている。また、アニオン系界面活性剤からなる整泡剤の添加量が本発明の範囲よりも多い比較例5は、細胞毒性のGradeが3であり、毒性が高くなっている。一方、アニオン系界面活性剤からなる整泡剤の添加量が本発明の範囲よりも少ない比較例6は、吸水時間が20秒以上と長く、吸水性に劣るものである。
このように、本発明によれば、高い吸水性、低膨潤性、低害性の全ての条件を満足させるポリウレタンフォームを吸水体とする衛生用被覆材が得られる。また、請求項1から4の配合からなるフォーム原料から実施形態の製造方法のようにして衛生用被覆材を製造すれば、高い吸水性、低膨潤性、低害性の全ての条件を満足させるポリウレタンフォームを吸水体とする衛生用被覆材を容易に製造することができる。
10A 吸水体のみからなる衛生用被覆材
10B 吸水体に包皮材が積層された衛生用被覆材
21 吸水体
31 包皮材

Claims (4)

  1. ポリオール類とポリイソシアネートとを触媒、発泡剤、整泡剤及び添加剤の存在下に反応させて得られるポリウレタンフォームを吸水体とする衛生用被覆材であって、
    前記ポリオール類はポリエステルポリオールを含み、
    前記整泡剤はアニオン系界面活性剤であって添加量が前記ポリエステルポリオール100重量部に対して0.7〜2.8重量部であり、
    前記添加剤として無機多孔質体を含み、
    前記ポリイソシアネートのイソシアネートインデックスが100以上であることを特徴とする衛生用被覆材。
  2. 前記ポリオール類は、前記ポリエステルポリオールと共に平均官能基数が2〜3で、数平均分子量が50〜1000の低分子ポリオールを含有することを特徴とする請求項1に記載の衛生用被覆材。
  3. 前記無機多孔質体は、銀イオンと亜鉛イオンの何れか一方又は両方を担持したゼオライトであることを特徴とする請求項1又は2に記載の衛生用被覆材。
  4. 前記無機多孔質体の添加量は、前記ポリエステルポリオール100重量部に対して0.05〜3重量部であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の衛生用被覆材。
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