JP6530248B2 - 繊維製品の柔軟化処理方法 - Google Patents
繊維製品の柔軟化処理方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6530248B2 JP6530248B2 JP2015119516A JP2015119516A JP6530248B2 JP 6530248 B2 JP6530248 B2 JP 6530248B2 JP 2015119516 A JP2015119516 A JP 2015119516A JP 2015119516 A JP2015119516 A JP 2015119516A JP 6530248 B2 JP6530248 B2 JP 6530248B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- unilamellar
- vesicles
- structural
- acid
- vesicle
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
Description
前記凝集体の平均粒径が10000nmを超えない、
繊維製品の柔軟化処理方法に関する。
R2は、炭素数が2以上4以下のアルキレン基を示す。
R3は、炭素数1以上3以下のアルキル基、炭素数1以上3以下のヒドロキシアルキル基又は−R2−OC(=O)−R1を示す。
R5は、炭素数1以上3以下のアルキル基又は水素原子を示す。
Yは、−C(=O)O−又は−C(=O)NH−を示す。
m及びnは、独立して、0又は1の数を示す。
Z−は、有機又は無機の陰イオンを示す。)
本発明の処理方法では、同じ柔軟性を得るための陽イオン性化合物の量が低減できるため、吸水性の低下や油っぽい感触の発生も抑制することができる。
一般に、タオル、肌着といった繊維製品は、単繊維の集合体である糸を含んで構成されている。単繊維同士は、様々な間隔の空隙を形成している。そのうち、単繊維同士の距離が短い狭小部分は、単繊維の摩擦発現に寄与していると考えられる。
本発明では、ユニラメラ構造ベシクルが平均粒径10000nmを超えない範囲で凝集体となって粒径が大きくなっていることから、単繊維間の狭小部分に接触、捕捉される。その時点では、凝集体となっていることで単繊維の表面では積層せずに広い範囲に薄く分布していく。そして、この凝集体は、凝集力が弱いため、繊維への接触により凝集状態から開放され、ユニラメラ構造ベシクルとなる。更に、ユニラメラ構造ベシクルは、マルチラメラ構造ベシクルよりも凝集力が弱いため、ベシクル構造が破壊され陽イオン性化合物(A)の分子膜となって単繊維表面に付着する。
その結果、単繊維の狭小部分に陽イオン性化合物(A)が均一に効率よく付着し、単繊維同士の摩擦力が低減され、柔軟性が向上する。
一般式(a1)中、R1は、炭素数16もしくは18の直鎖のアルキル基又は炭素数16もしくは18の直鎖のアルケニル基が好ましい。
一般式(a1)中、R2は、独立してエチレン基又はプロピレン基が好ましい。
一般式(a1)中、R3は、メチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基又は−C2H4−OC(=O)−R1で表される基が好ましい。
一般式(a1)中、R4は、炭素数16もしくは18の直鎖のアルキル基、炭素数16もしくは18の直鎖のアルケニル基、又は水素原子が好ましい。
一般式(a1)中、R5は、メチル基が好ましい。
一般式(a1)中、Yが存在する場合は、−C(=O)O−が好ましい。
一般式(a1)中、mは1又は0であって、0が好ましい。
一般式(a1)中、nは1又は0であって、0が好ましく、更にはm及びnが同時に0であることがより好ましい。
ユニラメラ構造ベシクルの平均粒径は、実施例に記載の方法により測定する。
ユニラメラ構造ベシクルは、電子顕微鏡観察により確認することができる。
具体的には、マルチラメラ構造のベシクルを含有する液体混合物に超音波照射して、ユニラメラ構造ベシクルを調製する。
超音波法を用いた場合、マルチラメラ構造のベシクルを含有する液体混合物中のユニラメラ構造ベシクルの生成率を経時で光散乱測定により確認し、散乱光強度で重みづけした粒径分布のうち90%以上が100nm以下(但し90%以上が5nm以下にはならない)になった時点で照射終了することができる。ここで、ユニラメラ構造ベシクルの生成率は、開始時のマルチラメラ構造ベシクルの総量に対するユニラメラ構造ベシクル生成量の割合である。一般に、対象物の平均粒径が例えば100nm以下のように十分小さくなればマルチラメラ構造ベシクルがユニラメラ構造ベシクルに十分に変換されていると考えられる。
ベシクル凝集体の平均粒径は、実施例に記載の方法により測定する。
ベシクル凝集体は、好ましくはベシクルのゲル液晶温度よりも10℃以上低い温度、但し5℃以下にならない温度において、凝集剤(B)を添加し、100r/min以上、1000r/min以下で撹拌することにより調製できる。
有機酸塩としては、前記有機酸のアルカリ金属塩又はアンモニウム塩が挙げられる。
非イオン性高分子化合物としては、ポリアクリルアミドなどが挙げられる。
光散乱法により得られる散乱光強度で重みづけした粒径分布の99%以上が好ましくは150nm以上10000nm以下、より好ましくは200nm以上5000nm以下になっていることより、ユニラメラ構造ベシクルの凝集体が形成されていることを確認できる。
処理液は、水を含有することが好ましい。水は、水道水、イオン交換水などを使用することができる。
pHは、JIS K 3362;2008の項目8.3に従って30℃において測定する。
pHの調整は、アルカリ剤と酸剤によって調整されるが、酸剤は前記クエン酸、コハク酸などの有機酸やキレート剤の酸型を用いてもよい。
工程1:(A)成分のユニラメラ構造ベシクルを調製する工程
工程2:前記工程1で得られたユニラメラ構造ベシクルを、処理液となる液体中で凝集させて、(A)成分のユニラメラ構造ベシクルの凝集体を含む処理液を調製する工程
工程3:前記工程2で得られた処理液に、繊維製品を接触させる工程
工程1では、(A)成分のユニラメラ構造ベシクルと水とを含む液体混合物を調製することが好ましい。更に工程1では、(A)成分のユニラメラ構造ベシクルと水とを含む分散液を調製することが好ましい。
工程2では、(B)成分の凝集促進剤を用いて前記ベシクル凝集体を調製することが好ましい。すなわち、工程2では、前記工程1で得られたユニラメラ構造ベシクルを、凝集促進剤(B)を含む液体中で凝集させて、(A)成分のユニラメラ構造ベシクルの凝集体を含む処理液を調製することが好ましい。(B)成分の凝集促進剤の種類、使用量は前記と同様である。
<評価用タオルの前処理>
市販の木綿タオル(武井タオル製、TW−220)24枚を、日立全自動洗濯機NW−6CYで5回洗浄した。
洗浄には、非イオン界面活性剤(ラウリルアルコールのエチレンオキシド付加物(平均付加モル数8))を用いた。
洗浄条件は、非イオン界面活性剤使用量4.5g、標準コース、水量45L、水温20℃、洗浄時間10分、ため濯ぎ2回とした。
5回目の洗浄が終了した後、20℃、43%RHの条件下で乾燥し、評価用タオルを得た。
100mlのガラス製ビーカー(パイレックス:登録商標)に、(A)成分であるコータミンD86P〔花王(株)製、塩化ジメチルジ長鎖アルキルアンモニウム、有効分75質量%、一般式(a1)においてR1及びR4は炭素数16〜18の直鎖アルキル基(不飽和度0%)であり、R3及びR5はメチル基であり、m及びnは0であり、Z−は塩化物イオン(Cl−)である陽イオン界面活性剤〕1.33gを入れ、65℃のウォーターバスにて内容物が融解するまで加熱した。
次いで、撹拌子(長径30mm)を入れ、750r/minで撹拌しながら、あらかじめ65℃に加熱したイオン交換水を全量が100gになるまで徐々に加え、10分間撹拌した。
次いで、65℃のイオン交換水を超音波洗浄機(アズワン(株)製、型番US−1Rに加え、3時間超音波(40kHz、55W)を照射した。
その後、室温で3時間放冷し、ユニラメラ構造ベシクル分散液を得た。ユニラメラ構造ベシクルが形成されていることは、電子顕微鏡を用いて、ベシクルを形成する膜が単層になっていることで確認した。
National製電気バケツ式洗濯機(MiniMini、型番:NA−35)に、水道水及び(B)成分である塩化ナトリウムを表1に記載されている量で加え、1分間撹拌して完全溶解させた。
次いで、上記記載のユニラメラ構造ベシクル分散液を表1に記載した量添加し、30秒撹拌して、ユニラメラ構造ベシクルの凝集体を含む処理液を調製した。
前処理をした2枚の木綿タオル(150g)を、工程2で調製した処理液に投入して前記木綿タオルを完全に浸漬させ、5分間撹拌処理した。その後、処理した木綿タオルを、前記全自動洗濯機で脱水工程のみを2分間行い、その後、20℃、43%RHの条件下で12時間乾燥した。
乾燥後の木綿タオルについて、10人のパネラー(30代男性10人)が下記評価基準にて判定し、10人の平均点を算出した。この評価試験では評価点1.0以上を合格とする。
なお、評価基準に記載の「基準タオル1」は、基準組成1で処理した木綿タオルを意味し、「基準タオル2」は、基準組成2で処理した木綿タオルを意味する。
0:基準タオル1と同程度の柔らかさ
1:基準タオル1と基準タオル2の間の中間値程度の柔らかさ
2:基準タオル2と同程度の柔らかさ
3:基準タオル2よりも柔らかい
Claims (5)
- 下記一般式(a1)で表される陽イオン性化合物(A)のユニラメラ構造ベシクルの凝集体を含む処理液に、繊維製品を接触させる、繊維製品の柔軟化処理方法であって、
前記凝集体が、(A)のユニラメラ構造ベシクルを(B)凝集促進剤として無機塩を用いて凝集させたものであり、
前記凝集体の平均粒径が10000nmを超えない、
繊維製品の柔軟化処理方法。
(式中、R1及びR4は、それぞれ独立に、炭素数16以上22以下の炭化水素基又は水素原子を示す。但し、R1とR4は同時に水素原子であることはない。
R2は、炭素数が2以上4以下のアルキレン基を示す。
R3は、炭素数1以上3以下のアルキル基、炭素数1以上3以下のヒドロキシアルキル基又は−R2−OC(=O)−R1を示す。
R5は、炭素数1以上3以下のアルキル基又は水素原子を示す。
Yは、−C(=O)O−又は−C(=O)NH−を示す。
m及びnは、独立して、0又は1の数を示す。
Z−は、有機又は無機の陰イオンを示す。) - 前記凝集体の平均粒径が100nm以上3000nm以下である、請求項1記載の柔軟化処理方法。
- 前記ユニラメラ構造ベシクルの平均粒径が10nm以上200nm以下である、請求項1又は2記載の柔軟化処理方法。
- 下記工程1〜工程3を有する、請求項1〜3いずれか1項記載の柔軟化処理方法。
工程1:(A)のユニラメラ構造ベシクルを調製する工程
工程2:前記工程1で得られたユニラメラ構造ベシクルを、凝集促進剤(B)として無機塩を含む液体中で凝集させて、(A)のユニラメラ構造ベシクルの凝集体を含む処理液を調製する工程
工程3:前記工程2で得られた処理液に、繊維製品を接触させる工程 - 工程1で、(A)のユニラメラ構造ベシクルと水とを含有する分散液を調製する、請求項4記載の柔軟化処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015119516A JP6530248B2 (ja) | 2015-06-12 | 2015-06-12 | 繊維製品の柔軟化処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015119516A JP6530248B2 (ja) | 2015-06-12 | 2015-06-12 | 繊維製品の柔軟化処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017002440A JP2017002440A (ja) | 2017-01-05 |
JP6530248B2 true JP6530248B2 (ja) | 2019-06-12 |
Family
ID=57751582
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015119516A Active JP6530248B2 (ja) | 2015-06-12 | 2015-06-12 | 繊維製品の柔軟化処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6530248B2 (ja) |
Family Cites Families (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS53134784A (en) * | 1977-04-28 | 1978-11-24 | Kao Corp | Production of small hollow cell-containing material consisting of double layers of surface active agent |
JPH0649145B2 (ja) * | 1984-05-31 | 1994-06-29 | 株式会社資生堂 | 二分子膜小胞体の製造法 |
JPS61194274A (ja) * | 1985-02-22 | 1986-08-28 | 日本油脂株式会社 | 繊維用柔軟剤組成物 |
JPS63291999A (ja) * | 1987-05-25 | 1988-11-29 | Lion Corp | 柔軟仕上剤組成物 |
JP3218119B2 (ja) * | 1993-04-20 | 2001-10-15 | 花王株式会社 | 固体状柔軟仕上剤組成物 |
ATE401385T1 (de) * | 2003-10-16 | 2008-08-15 | Procter & Gamble | Wässrige zusammensetzungen mit vesikeln mit gewisser vesikeldurchlässigkeit |
US20090042765A1 (en) * | 2007-08-08 | 2009-02-12 | Yonas Gizaw | Fabric enhancers comprising nano-sized lamellar vesicle |
US7833961B2 (en) * | 2006-08-08 | 2010-11-16 | The Procter & Gamble Company | Fabric enhancing compositions comprising nano-sized particles and anionic detergent carry over tolerance |
US7928055B2 (en) * | 2007-08-08 | 2011-04-19 | The Procter & Gamble Company | Clear and/or translucent fabric enhancers comprising nano-sized particles |
-
2015
- 2015-06-12 JP JP2015119516A patent/JP6530248B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2017002440A (ja) | 2017-01-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
RU2612130C2 (ru) | Активная композиция мягчителя ткани | |
MX2009001447A (es) | Composiciones mejoradas de telas que comprenden nanoparticulas y tolerancia a la transferencia de detergente anionico. | |
WO2015150124A1 (de) | Flüssigwaschmittel enthaltend polymere zur verstärkung der duftstoffleistung | |
CA1103410A (en) | Cationic surfactant compositions | |
US5154838A (en) | Liquid softener | |
JPS6122068B2 (ja) | ||
JP6530248B2 (ja) | 繊維製品の柔軟化処理方法 | |
JP2006200116A (ja) | 液体柔軟剤組成物 | |
JP6018523B2 (ja) | 液体柔軟剤組成物 | |
JP6242195B2 (ja) | 殺菌方法 | |
JP4944756B2 (ja) | 繊維処理剤 | |
JP2013129922A (ja) | 液体柔軟剤組成物及びその製造方法 | |
JP2012224956A (ja) | 繊維処理剤 | |
JP6138674B2 (ja) | 衣料用液体洗浄剤組成物 | |
JP6231378B2 (ja) | 衣料用液体洗浄剤組成物 | |
JP4757515B2 (ja) | 繊維製品処理剤 | |
JP7421920B2 (ja) | 繊維製品用洗浄剤組成物 | |
JP2008163176A (ja) | 乳化組成物の製造方法 | |
JP4699135B2 (ja) | 繊維製品処理剤の製造方法 | |
JPS58149379A (ja) | 編織布の処理方法 | |
TW202233818A (zh) | 纖維製品之處理方法 | |
JPS58149380A (ja) | 編織布柔軟化用組成物 | |
JP2023089460A (ja) | 蒸散促進剤 | |
JP2024111829A (ja) | 洗浄剤物品 | |
JP2010138522A (ja) | 柔軟剤組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20180308 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20190123 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190129 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190227 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20190514 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20190516 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6530248 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |