JP6528835B2 - 光学システム - Google Patents

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Description

本発明は光学システムに関するものであり、例えば、デジタル・マイクロミラー・デバイス(digital micromirror device)等の反射型表示素子と、色分解合成プリズムと、を備えた画像投影用光学システムに関するものである。
プロジェクターに搭載される反射型表示素子として、デジタル・マイクロミラー・デバイスが知られている。デジタル・マイクロミラー・デバイスは、複数の微小なマイクロミラーからなる画像表示面を有しており、その画像表示面で各ミラー面の傾きを制御して、照明光を強度変調することにより画像を形成する。つまり、デジタル・マイクロミラー・デバイスの各画素のON/OFFは、例えば、画像表示面の各辺に対して45°の角度をなす回転軸を中心とする±12°のミラー面の回動(つまり、1軸に関するマイクロミラー駆動)により表現される。そのマイクロミラーの動きに関しては、直交する2軸に関してマイクロミラー駆動を行う新しい動作タイプのデジタル・マイクロミラー・デバイス(Tilt & Roll Pixel DMD)も、非特許文献1で提案されている。
デジタル・マイクロミラー・デバイスのような反射型表示素子と色分解合成プリズムとを用いたプロジェクターにおいては、色分解合成プリズム内のダイクロイックコーティングへの入射角が照明光と投影光(ON光)とで異なるため、ダイクロイックコーティングの角度特性差により光量損失が生じてしまう。このような光量損失を低減するため、ダイクロイックコーティングに対する光の入射角度を工夫したプロジェクターが、特許文献1〜3で提案されている。
特許文献1〜3で提案されているプロジェクターには、RGBの3色のうちGを先に分離するプリズムユニットが搭載されており、BRの分離カットオフはGの反射帯域のほぼ中央に設定されている。Gを先に分離するタイプのプリズムユニットは、ビデオ光学系用,LCOS(反射型液晶)方式プロジェクター用等として知られているが、その色合成では投影光のみを考慮すればよいことから、BRの分離波長がG波長域のどこであっても性能に影響することはない。
特開平10−104763号公報 特開平10−319344号公報 特開平11−142992号公報
DLP Tilt & Roll Pixel Architecture and DLP IntelliBrightTM、インターネット<URL:http://www.dlp.com/pico-projector/pico-product-developers/2trp-chip.aspx>
例えば、前記新しい動作タイプのデジタル・マイクロミラー・デバイスに対応したプロジェクター光学系では、照明光路と投影光路でBRの分離・合成時の入射角度が異なる。ダイクロイックコーティングでは入射角度によってカットオフ波長が変わるため、投影光路のみを考慮した膜構成のBRダイクロイックコーティングを用いて立ち上がりの波長位置を設定すると、照明光路で極端に効率が低下する可能性がある。したがって、特許文献1〜3に記載されているようなダイクロイックコーティングの角度特性では、照明光の光量損失を十分に低減することが困難である。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであって、その目的は、小型で簡単な構成でありながら、ダイクロイックコーティングでの光量損失が低減された輝度効率の高い光学システムを提供することにある。
上記目的を達成するために、第1の発明の光学システムは、イクロイックコーティングを有する色分解合成プリズムと、前記イクロイックコーティングで反射した照明光が入射する第1反射型表示素子と、前記イクロイックコーティング透過した照明光が入射する第2反射型表示素子と、を備え、前記色分解合成プリズムで照明光を色分解し、その色分解により得られた照明光で各反射型表示素子の画像表示面を照明し、照明された各反射型表示素子からの反射光のうち画像投影に用いられる投影光を前記色分解合成プリズムで色合成する像投影用光学システムであって、各画像表示面に対する照明主光線の入射角と投影主光線の出射角とが異なり、前記第2反射型表示素子の画像表示面での照明光軸及び投影光軸を含む平面を第1平面とし、前記イクロイックコーティングの面法線と前記第2反射型表示素子の中心を通る面法線とを含む平面を第2平面とすると、前記第1平面と第2平面とが、直交した状態から、前記イクロイックコーティングに対する照明光軸の入射角度が小さくなる方向へと、相対的に回転した状態にあることを特徴とする。
第2の発明の光学システムは、上記第1の発明において、前記第1平面と第2平面とが、直交した状態から、前記イクロイックコーティングに対する照明光及び投影光の入射角度が小さくなる方向へと、相対的に回転した状態にあることを特徴とする。
第3の発明の光学システムは、上記第1又は第2の発明において、前記ダイクロイックコーティングに対する入射角が投影主光線と照明主光線とで略等しくなるように配置されていることを特徴とする。
第4の発明の光学システムは、上記第1〜第3のいずれか1つの発明において、前記ダイクロイックコーティングが、緑色波長帯域の色光を反射することを特徴とする。
本発明の光学システムによれば、小型で簡単な構成でありながら、ダイクロイックコーティングでの光量損失が低減された輝度効率の高い光学システムを実現することができる。
プリズムユニットの一実施の形態を示す斜視図。 図1のプリズムユニットを示す上面図。 図1のプリズムユニットを示す側面図。 図1のプリズムユニットを示す正面図。 図1のプリズムユニットを搭載したプロジェクターの概略構成例を示す模式図。 直交する2軸に関してマイクロミラー駆動を行うデジタル・マイクロミラー・デバイスの動作を説明するための斜視図。 実施例1のプリズムユニットにおける第1,第2ダイクロイックコーティングの分光透過率特性を示すグラフ。 実施例2のプリズムユニットにおける第1,第2ダイクロイックコーティングの分光透過率特性を示すグラフ。 実施例3のプリズムユニットにおける第1,第2ダイクロイックコーティングの分光透過率特性を示すグラフ。 実施例4のプリズムユニットにおける第1,第2ダイクロイックコーティングの分光透過率特性を示すグラフ。 実施例5のプリズムユニットにおける第1,第2ダイクロイックコーティングの分光透過率特性を示すグラフ。 比較例1のプリズムユニットにおける第1,第2ダイクロイックコーティングの分光透過率特性を示すグラフ。 比較例2のプリズムユニットにおける第1,第2ダイクロイックコーティングの分光透過率特性を示すグラフ。 実施例1と比較例1のプリズムユニットにおける光利用効率を示すグラフ。 実施例4と比較例2のプリズムユニットにおける光利用効率を示すグラフ。
以下、本発明に係る光学システムの実施の形態等を、図面を参照しつつ説明する。
図1〜図4に、プリズムユニットとして色分解合成プリズムPB等を備えた光学システムPU1を示す。図1は光学システムPU1を斜め上方向から見た状態で示しており、図2は光学システムPU1を上面側から見た状態で示しており、図3は光学システムPU1を側面側から見た状態で示しており、図4は光学システムPU1を正面側から見た状態で示している。また図5に、光学システムPU1を搭載したプロジェクターPJの概略構成例を示す。プロジェクターPJは、図5に示すように、投影光学系LN,光学システムPU1,光源11,照明光学系12,制御部13,アクチュエーター14等を備えており、光学システムPU1はTIR(Total Internal Reflection)プリズムPA,色分解合成プリズムPB,デジタル・マイクロミラー・デバイスDP等からなっており、制御部13によりプロジェクターPJ全体の制御が行われる。
図5に示すように、光源11から射出した照明光L1は、照明光学系12,TIRプリズムPA及び色分解合成プリズムPBでデジタル・マイクロミラー・デバイスDPに導かれる。デジタル・マイクロミラー・デバイスDPは、光を変調して画像を生成する反射型表示素子であり、画像を表示する画像表示面DS上にはカバーガラスCGが設けられている。デジタル・マイクロミラー・デバイスDPの画像表示面DSでは、照明光の強度変調により2次元画像が形成される。
従来よりよく知られているデジタル・マイクロミラー・デバイスDPの画素は、画像表示面DSが構成する長方形の画像表示領域の各辺に対して45°の角度をなす回転軸を有しており、その軸回りに例えば±12°回動することにより、ON/OFFを表現する。そして、ON状態のマイクロミラー(画素面)で反射した光のみが、後述するように光学システムPU1及び投影光学系LNを通過することになる。一方、新しい動作タイプのデジタル・マイクロミラー・デバイスの場合(非特許文献1等参照。)、ミラー面の回動は1つの回転軸を中心とするものではなく、直交する2つの回転軸を中心とするものである。
図6に、新しい動作タイプのデジタル・マイクロミラー・デバイスDPの要部、つまりマイクロミラーMRが矩形の画素反射面(マイクロミラー面)MSで構成する画素のON状態とOFF状態を示す。デジタル・マイクロミラー・デバイスDP(図6)は、複数の画素反射面MSからなる画像表示面DSにおいて、各画素反射面MSがON/OFF制御されて、マイクロミラーMRが画像表示状態(ON状態)と画像非表示状態(OFF状態)と、の2つの角度状態をとることにより、照明光L1を強度変調して所望の画像を形成することができる。
上記のようにマイクロミラー駆動は直交する2軸に関して行われるため、図6から分かるように、マイクロミラーMRの画素反射面MSは、ある一辺方向に傾斜した状態がON状態であり、それと直交する辺方向に傾斜した状態がOFF状態である。通常想定されるON/OFF制御では、画素反射面MSがON状態のとき、マイクロミラーMRに入射した照明光L1は、画像表示面DSの法線方向に反射されて、ON光(投影光)L2となる。また、画素反射面MSがOFF状態のとき、マイクロミラーMRに入射した照明光L1は、画像表示面DSの法線方向から大きな角度を持って反射されて、OFF光(不要光)L3となる。
光学システムPU1は、図1〜図4に示すように3板式の画像投影用光学システムである。つまり、光学システムPU1は、TIRプリズムPA及び色分解合成プリズムPBからなるプリズム光学系,第1〜第3のデジタル・マイクロミラー・デバイスD1〜D3(図5中のデジタル・マイクロミラー・デバイスDPに相当する。)等を備えたプリズムシステムであり、照明光L1と投影光L2との分離、及び投影光(ON光)L2と不図示の不要光(OFF光)との分離を行う。デジタル・マイクロミラー・デバイスDPに表示された画像は、投影光学系LNでスクリーンSCに拡大投影される。なお、投影光学系LN又はその一部の移動(例えば、ズーミング,フォーカシング)は、アクチュエーター14(図5)で行われる。
光学システムPU1では(図1〜図5)、TIRプリズムPAは略三角柱状の第4,第5プリズムP4,P5からなっており、プリズム斜面間にエアギャップ層が設けられている。このTIRプリズムPAによって、第1〜第3のデジタル・マイクロミラー・デバイスD1〜D3に対する照明光(入力光)L1と投影光(出力光)L2との分離が行われる。照明光学系12から射出した照明光L1は、TIRプリズムPAの第5プリズムP5に入射し、第4,第5プリズムP4,P5間のエアギャップ層を形成する斜面に全反射条件を満たした角度で入射し、全反射して色分解合成プリズムPBに入射する。
光学システムPU1において、色分解合成プリズムPBは、3つのプリズムP1,P2,P3が組み合わされることにより、3原色:R(赤)・G(緑)・B(青)の3色に対応した構成になっている。デジタル・マイクロミラー・デバイスDP(図5)としては、赤,緑,青の各色光に用いられる第1,第2,第3のデジタル・マイクロミラー・デバイスD1,D2,D3が設けられており、照明光L1は色分解合成プリズムPBで赤,緑,青の各色に分解される。
色分解合成プリズムPBを構成している3つのプリズムP1,P2,P3は、略三角柱状の2つのプリズムとブロック状のプリズムである。第1プリズムP1と第2プリズムP2との間には、第1の色光を反射する第1ダイクロイックコーティングC1(図2)、及びそれに隣接してエアギャップ層が設けられている。また、第2プリズムP2と第3プリズムP3との間には、第2の色光を反射する第2ダイクロイックコーティングC2(図2)、及びそれに隣接してエアギャップ層が設けられている。なお、図2中のβ1,β2は、第1,第2ダイクロイックコーティングC1,C2の面法線と第3のデジタル・マイクロミラー・デバイスD3の画像表示面DSの法線(投影光軸AX2に対して平行に位置する。)とがなす角度である。
色分解合成プリズムPBの第1プリズムP1に入射した照明光L1(図5)は、第1ダイクロイックコーティングC1(図2)で第1の色光が反射され、他の第2の色光及び第3の色光は透過する。第1ダイクロイックコーティングC1で反射された第1の色光は、全反射された後、色分解合成プリズムPBから射出し、第1のデジタル・マイクロミラー・デバイスD1を照明する。第1ダイクロイックコーティングC1を透過した第2,第3の色光のうち、第2の色光は第2ダイクロイックコーティングC2(図2)で反射され、第3の色光は透過する。
第2ダイクロイックコーティングC2で反射された第2の色光は、全反射された後、色分解合成プリズムPBから射出し、第2のデジタル・マイクロミラー・デバイスD2を照明する。第2ダイクロイックコーティングC2を透過した第3の色光は、色分解合成プリズムPBから射出し、第3のデジタル・マイクロミラー・デバイスD3を照明する。なお、図3中のαは、第3のデジタル・マイクロミラー・デバイスD3に対する照明光L1の入射角度である。
第1のデジタル・マイクロミラー・デバイスD1で反射された第1の色光からなる投影光L2(図5)は、色分解合成プリズムPBに入射して全反射された後、第1ダイクロイックコーティングC1で反射される。第2のデジタル・マイクロミラー・デバイスD2で反射された第2の色光からなる投影光L2は、色分解合成プリズムPBに入射して全反射された後、第2ダイクロイックコーティングC2で反射され、更に第1ダイクロイックコーティングC1を透過する。第3のデジタル・マイクロミラー・デバイスD3で反射された第3の色光からなる投影光L2は、色分解合成プリズムPBに入射して第2ダイクロイックコーティングC2及び第1ダイクロイックコーティングC1を透過する。このようにして、照明光L1を受けた3つのデジタル・マイクロミラー・デバイスD1〜D3からの出射光のうち、画像投影に用いられる投影光L2は第1,第2ダイクロイックコーティングC1,C2で色合成される。
光学システムPU1では、上記赤,緑,青の各色光からなる投影光L2が、同一光軸(図1〜図3中の投影光軸AX2,図5中の光軸AXに相当する。)に合成され、色分解合成プリズムPBから射出して、TIRプリズムPAに入射する。TIRプリズムPAに入射した投影光L2は、ここでは全反射条件を満たさないのでエアギャップ層を透過し、投影光学系LNによってスクリーンSCに投影される。なお、RGBの3色を分離したり合成したりする色分解合成プリズムPB等を備えたプリズム光学系は、画像表示装置(プロジェクター等)に限らず、画像記録装置(ビデオカメラ等)にも使用可能である。
図2〜4に示すように、第3デジタル・マイクロミラー・デバイスD3の画像表示面DSでの照明光軸AX1及び投影光軸AX2を含む平面を第1平面H1とし、第1,第2ダイクロイックコーティングC1,C2の面法線と第3デジタル・マイクロミラー・デバイスD3の中心を通る面法線とを含む平面を第2平面H2とする。光学システムPU1では、図4に示すように、第1平面H1と第2平面H2とが直交しないように配置されている。つまり、第1平面H1と第2平面H2とが、直交した状態から第1ダイクロイックコーティングC1又は第2ダイクロイックコーティングC2に対する照明光軸AX1の入射角度が小さくなる方向へと、相対的に回転した状態にある。図4中のθ(=20.8°)は、第1平面H1と第2平面H2との直交状態からの回転角度である。
照明光路と投影光路でダイクロイックコーティング面に対する入射角度が異なると、コーティングの分光特性にも差が生じる。入射角度が大きくなると、大まかには全体に短波長へシフトした分光特性となり、カットオフ波長は短くなる。照明光路と投影光路の分光特性差が大きくなると、照明光路と投影光路とで反射透過の条件が異なる波長が生じ、その波長の光はプリズム内で迷光となり光量損失が増えて光利用効率が低下することになる。光学システムPU1(図1〜図4)では、この問題点を解消するため、前述したように、第1平面H1と第2平面H2とが、直交した状態から第1ダイクロイックコーティングC1又は第2ダイクロイックコーティングC2に対する照明光軸AX1の入射角度が小さくなる方向へと、相対的に回転した状態になっている。この構成によれば、第1,第2平面H1,H2同士の相対的な傾きにより、第1又は第2ダイクロイックコーティングC1,C2に対する照明光L1の入射角度が変化するので、例えば、第1ダイクロイックコーティングC1では照明光路と投影光路とで入射角度が略等しくなるようにG光を反射させることにより、第2ダイクロイックコーティングC2ではカットオフ波長を適正に設定することにより、光利用効率を高めることができる。
なお、第1平面H1と第2平面H2とが、直交した状態から、第1ダイクロイックコーティングC1に対する照明光L1及び投影光L2の入射角度が小さくなる方向へと、相対的に回転した状態にあることが更に好ましい。
RGBの3色の分離・合成の順序には色々な組み合わせが考えられるが、色分解合成プリズムPBとしてR光とB光との分離前にG光の分離を行うタイプを想定すると、第1ダイクロイックコーティングC1でG光がR光及びB光から分離し、第2ダイクロイックコーティングC2でR光とB光とが分離することになる。つまり、第1ダイクロイックコーティングC1では緑色波長帯域の第1の色光(G)が反射され、第2ダイクロイックコーティングC2では青色波長帯域の第2の色光(B又はR)が反射され、かつ、赤色波長帯域の第3の色光(R又はB)が透過される。
上記のように第1ダイクロイックコーティングC1が、緑色波長帯域の色光(G)を反射することが好ましく、第2ダイクロイックコーティングC2が、青色波長帯域の色光(B)を反射し、かつ、赤色波長帯域の色光(R)を透過するか、又は赤色波長帯域の色光(R)を反射し、かつ、青色波長帯域の色光(B)を透過することが更に好ましい。この構成によると、緑色波長帯域を先に分離し、その帯域で青色波長帯域と赤色波長帯域を分離することにより、第2ダイクロイックコーティングC2での角度特性が大きくなっても、その影響を受けなくなる。
前述の照明光L1の入射角度変化により、第1又は第2ダイクロイックコーティングC1,C2への最大入射角度を緩和し、第1又は第2ダイクロイックコーティングC1,C2に対する照明光L1と投影光L2の入射角度差によるコート分光特性での光量損失(つまり、色分解合成プリズムPBでの光量ロス)を減らすことができる。したがって、小型で簡単な構成でありながら、ダイクロイックコーティングC1,C2での光量損失を低減して、輝度効率を高くすることができる。そして、この光学システムPU1をプロジェクターPJ(図5)に備えることにより、3板式のプロジェクターPJの小型化・低コスト化とともに高い光利用効率を達成することができる。
具体的には、3原色RGBの3色の光を同一光軸に色合成するプリズムユニットにおいて、Gの光を反射しRとBの光を透過するG反射ダイクロイックコーティングと、R,Bのいずれか一方を反射し他方を透過するRBダイクロイックコーティングとを有し、以下の条件式(1)を満足することが好ましい。
λrg≧λrb≧0.67×λrg+0.33×λgb …(1)
ただし、
λgb:G反射ダイクロイックコーティングにおいて合成光軸でのGとBとの色合成を行ったときに透過率が50%となる波長、
λrg:G反射ダイクロイックコーティングにおいて合成光軸でのRとGとの色合成を行ったときに透過率が50%となる波長、
λrb:RBダイクロイックコーティングにおいて合成光軸でのRとBとの色合成を行ったときに透過率が50%となる波長、
である。
第2ダイクロイックコーティングC2のカットオフ波長は、条件式(1)を満たす構成により、投影光路と照明光路の両方の入射角においてG波長域内での立ち上がりとなるため、投影光L1と照明光L2の両方で光量ロスを効果的に低減して、明るさをより一層向上させることができる。
G反射ダイクロイックコーティングとRBダイクロイックコーティングが、高屈折率材料,中間屈折率材料,低屈折率材料のうちの少なくとも2つの蒸着材料からなり、前記高屈折率材料がTiO2,Nb25又はTa25であり、前記中間屈折率材料がAl23又はAl23とLa23との混合酸化物であり、前記低屈折率材料がSiO2であることが好ましい。これらの屈折率材料をG反射ダイクロイックコーティングとRBダイクロイックコーティングに用いることにより、第1,第2ダイクロイックコーティングC1,C2での光量損失を低減して、輝度効率を高くすることができる。
プリズムユニットと、RGBの画像をそれぞれ画像表示面に表示する3つの画像表示素子と、各画像表示面を照明する照明光学系と、各画像表示面に表示された画像をスクリーンに投影する投影光学系とを備え、前記プリズムユニットが照明光の色分解と投影光の色合成とを行う色分解合成プリズムであり、前記画像表示面に対する照明主光線の入射角と投影主光線の出射角とが異なるプロジェクターにおいて、前記G反射ダイクロイックコーティングに対する入射角が投影主光線と照明主光線とで略等しくなるように配置されていることが好ましい。その入射角の範囲は、数度程度、例えば±1°の範囲が更に好ましい。また、プリズムユニットの合成光軸と投影主光線とは一致することが好ましい。
また、上記プロジェクターは以下の条件式(2A)及び(2B)を満足することが好ましい。
λirg≧λprb≧0.67×λprg+0.33×λpgb …(2A)
0.5×λprg+0.5×λpgb>λirb≧λpgb …(2B)
ただし、
λirg:G反射ダイクロイックコーティングにおいて照明主光線でのRとGとの色分離を行ったときに透過率が50%となる波長、
λprg:G反射ダイクロイックコーティングにおいて投影主光線でのRとGとの色合成を行ったときに透過率が50%となる波長、
λirb:RBダイクロイックコーティングにおいて照明主光線でのRとBとの色分離を行ったときに透過率が50%となる波長、
λprb:RBダイクロイックコーティングにおいて投影主光線でのRとBとの色合成を行ったときに透過率が50%となる波長、
λpgb:G反射ダイクロイックコーティングにおいて投影主光線でのGとBとの色合成を行ったときに透過率が50%となる波長、
である。
第2ダイクロイックコーティングC2のカットオフ波長は、条件式(2A)及び(2B)を満たす構成により、投影光路と照明光路の両方の入射角においてG波長域内での立ち上がりとなるため、投影光L1と照明光L2の両方で光量ロスを効果的に低減して、明るさをより一層向上させることができる。
以下、本発明に係る光学システムの構成等を、実施例1〜5及び比較例1,2を挙げて更に具体的に説明する。
表1〜表20に、G反射ダイクロイックコーティングG1〜G3及びRBダイクロイックコーティングRB1〜RB7の膜構成を示す。表1〜表20に示す膜構成では、左側の欄から順に、各層の層番号,成膜材料,物理膜厚(nm),屈折率及び光学膜厚である(設計主波長:λ0=550nm)。
実施例1は、第1ダイクロイックコーティングC1としてG反射ダイクロイックコーティングG1を有し、第2ダイクロイックコーティングC2としてRBダイクロイックコーティングRB1を有する。実施例2は、第1ダイクロイックコーティングC1としてG反射ダイクロイックコーティングG2を有し、第2ダイクロイックコーティングC2としてRBダイクロイックコーティングRB2を有する。実施例3は、第1ダイクロイックコーティングC1としてG反射ダイクロイックコーティングG3を有し、第2ダイクロイックコーティングC2としてRBダイクロイックコーティングRB3を有する。実施例4は、第1ダイクロイックコーティングC1としてG反射ダイクロイックコーティングG3を有し、第2ダイクロイックコーティングC2としてRBダイクロイックコーティングRB4を有する。実施例5は、第1ダイクロイックコーティングC1としてG反射ダイクロイックコーティングG2を有し、第2ダイクロイックコーティングC2としてRBダイクロイックコーティングRB5を有する。
比較例1は、第1ダイクロイックコーティングC1としてG反射ダイクロイックコーティングG1を有し、第2ダイクロイックコーティングC2としてRBダイクロイックコーティングRB6を有する。比較例2は、第1ダイクロイックコーティングC1としてG反射ダイクロイックコーティングG3を有し、第2ダイクロイックコーティングC2としてRBダイクロイックコーティングRB7を有する。
表21に、第1,第2ダイクロイックコーティングC1,C2の面角度β1,β2(°)と、第1,第2ダイクロイックコーティングC1,C2に対する照明光L1,投影光L2の光線入射角(°)を示す。表21において、角度(°)はガラス中(in glass)と空気中(in air)とに分けて示す。表22に、実施例1〜5及び比較例1,2における各条件式の対応値及び関連データを示し、表23に、各条件式との対応状態(○:満足,×:不満足)を示す。表23から分かるように、比較例1は条件式(2B)を満足しているが、比較例2は条件式(2B)を満足していない。
図7〜図13のグラフに、実施例1〜5及び比較例1,2の分光透過率(%)を示す。各グラフにおいて、実線(G投影Tave)はG反射ダイクロイックコーティングにおける投影光L2の透過率(S偏光とP偏光の平均値)を示しており、短い破線(G照明Tave)はG反射ダイクロイックコーティングにおける照明光L1の透過率(S偏光とP偏光の平均値)を示している。また、長い破線(RB投影Tave)はRBダイクロイックコーティングにおける投影光L2の透過率(S偏光とP偏光の平均値)を示しており、一点鎖線(RB照明Tave)はRBダイクロイックコーティングにおける照明光L1の透過率(S偏光とP偏光の平均値)を示している。
実施例1〜3と比較例1では、第2ダイクロイックコーティングC2(図2)を構成するRBダイクロイックコーティングにおいて、B光(第2の色光)は反射し、R光(第3の色光)は透過する。実施例4,5と比較例2では、第2ダイクロイックコーティングC2(図2)を構成するRBダイクロイックコーティングにおいて、R光(第2の色光)は反射し、B光(第3の色光)は透過する。
実施例1と比較例1は、第1ダイクロイックコーティングC1としてG反射ダイクロイックコーティングG1を有している。そこで、実施例1と比較例1とを比較すると、比較例1では一点鎖線(RB照明Tave)がB領域に入り込んでいるため、B領域の長波長側で光量ロスが発生していることが分かる。一方、第1ダイクロイックコーティングC1としてG反射ダイクロイックコーティングG3を有する実施例4と比較例2とを比較すると、比較例2では長い破線(RB投影Tave)がR領域に入り込んでいるため、R領域の短波長側で光量ロスが発生していることが分かる。つまり、比較例1の場合、RBダイクロイックコーティングでの立ち上がりがG領域の短波長側にはみ出る例であるのに対し、比較例2の場合、それとは逆にG領域の長波長側へはみ出る例である。
図14,図15のグラフに、色分解合成プリズムPBにおける光利用効率(各ダイクロイックコーティング特性によるRGBそれぞれの光利用効率)を示す。図14では実施例1と比較例1の色分解合成プリズムPBにおける光利用効率を示しており、図15では実施例4と比較例2の色分解合成プリズムPBにおける光利用効率を示している。図14,図15のグラフにおいて、実線はB光、破線はG光、一点鎖線はR光にそれぞれ対応しており、太い線は実施例1,4、細い線は比較例1,2にそれぞれ対応している。
図14のグラフから、実施例1では、比較例1と比較して、B領域の長波長側で光利用効率が改善していることが分かる。また図15のグラフから、実施例4では、比較例2と比較して、R領域の短波長側で光利用効率が改善していることが分かる。
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PJ プロジェクター
LN 投影光学系
PU1 光学システム
DP デジタル・マイクロミラー・デバイス(画像表示素子)
D1 第1のデジタル・マイクロミラー・デバイス(画像表示素子)
D2 第2のデジタル・マイクロミラー・デバイス(画像表示素子)
D3 第3のデジタル・マイクロミラー・デバイス(画像表示素子)
DS 画像表示面
MR マイクロミラー
MS 画素反射面
PA TIRプリズム
PB 色分解合成プリズム(プリズムユニット)
P1 第1プリズム
P2 第2プリズム
P3 第3プリズム
C1 第1ダイクロイックコーティング
C2 第2ダイクロイックコーティング
H1 第1平面
H2 第2平面
L1 照明光
L2 投影光
AX1 照明光軸
AX2 投影光軸(合成光軸)
11 光源
12 照明光学系
13 制御部
14 アクチュエーター
AX 光軸
SC スクリーン

Claims (4)

  1. イクロイックコーティングを有する色分解合成プリズムと、前記イクロイックコーティングで反射した照明光が入射する第1反射型表示素子と、前記イクロイックコーティング透過した照明光が入射する第2反射型表示素子と、を備え、前記色分解合成プリズムで照明光を色分解し、その色分解により得られた照明光で各反射型表示素子の画像表示面を照明し、照明された各反射型表示素子からの反射光のうち画像投影に用いられる投影光を前記色分解合成プリズムで色合成する像投影用光学システムであって、各画像表示面に対する照明主光線の入射角と投影主光線の出射角とが異なり、前記第2反射型表示素子の画像表示面での照明光軸及び投影光軸を含む平面を第1平面とし、前記イクロイックコーティングの面法線と前記第2反射型表示素子の中心を通る面法線とを含む平面を第2平面とすると、前記第1平面と第2平面とが、直交した状態から、前記イクロイックコーティングに対する照明光軸の入射角度が小さくなる方向へと、相対的に回転した状態にあることを特徴とする光学システム。
  2. 前記第1平面と第2平面とが、直交した状態から、前記イクロイックコーティングに対する照明光及び投影光の入射角度が小さくなる方向へと、相対的に回転した状態にあることを特徴とする請求項1記載の光学システム。
  3. 前記ダイクロイックコーティングに対する入射角が投影主光線と照明主光線とで略等しくなるように配置されていることを特徴とする請求項1又は2記載の光学システム。
  4. 前記ダイクロイックコーティングが、緑色波長帯域の色光を反射することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学システム。
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