JP2005316087A - 変調光学系および映像投影装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 照明光を反射型の変調素子に導いて映像光と不要光を生成して、映像光を取り出す変調光学系における、不要光による悪影響を防止する。
【解決手段】 変調光学系(1)は、照明光(L1)を反射して映像を表すオン光(L2)と不要なオフ光(L3)とする変調素子(10)と、第1のプリズム(11)と、微小な空隙を介してプリズム(11)に対向する第2のプリズム(12)より成る。照明光(L1)は、プリズム(12)とプリズム(11)を透過して変調素子(10)に入射する。オン光(L2)はプリズム(11)に入り、面(11a)で全反射されて面(11c)から出射する。オフ光(L3)はプリズム(11)に入り、一部が面(11a)で全反射されて面(11c)から出射し、残りが面(11c)で全反射されて、面(11a)のうちプリズム(12)に対向しない部位から出射する。
【選択図】 図1
【解決手段】 変調光学系(1)は、照明光(L1)を反射して映像を表すオン光(L2)と不要なオフ光(L3)とする変調素子(10)と、第1のプリズム(11)と、微小な空隙を介してプリズム(11)に対向する第2のプリズム(12)より成る。照明光(L1)は、プリズム(12)とプリズム(11)を透過して変調素子(10)に入射する。オン光(L2)はプリズム(11)に入り、面(11a)で全反射されて面(11c)から出射する。オフ光(L3)はプリズム(11)に入り、一部が面(11a)で全反射されて面(11c)から出射し、残りが面(11c)で全反射されて、面(11a)のうちプリズム(12)に対向しない部位から出射する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、照明光を変調して異なる方向に進む映像光と不要光を生成し、映像光と不要光を分離する変調光学系、および、これを備える映像投影装置に関する。
映像をスクリーンに拡大投影する映像投影装置では、小型の変調素子によって照明光を変調して映像を表す映像光を生成するのが一般的である。変調素子には、照明光を透過させつつ変調する透過型と、照明光を反射しつつ変調する反射型がある。反射型の変調素子としては、米国テキサスインスツルメンツ社のDMD(Digital Micromirror Device)が広く知られ、多くの映像投影装置で採用されている。
DMDは、2次元に配列された多数の微小なミラー素片の向きを個別に制御することが可能な素子であり、ミラー素片の向きを個別に変えて反射光の進行方向に変化をもたらすことにより、照明光を変調する。ミラー素片の向きの可変範囲は、例えば±12゜であり、あまり大きくないが、可変範囲の一端の向きにある状態(オン状態という)での反射光(オン光という)の進行方向と、可変範囲の他端にある状態(オフ状態という)での反射光(オフ光という)の進行方向に差異を生じさせて、オン光とオフ光を分離することができる。
オン光は映像光として投影光学系によってスクリーンに投影され、オフ光は不要光として捨てられる。各ミラー素片は映像の1画素に相当し、映像信号に応じて各ミラー素片のオン状態とオフ状態の時間を調節することで、オン光に階調をもたせることができる。
DMDを用いる映像投影装置では、DMDの特性によってオン光とオフ光を分離することができるが、その分離を確実にするとともに、光路に大きな角度差のないオン光と照明光を分離する必要がある。しかも、装置の小型化のためには、オン光とオフ光の分離およびオン光と照明光の分離を、小さな空間内で行わなければならない。そのため、間に微小な空隙が生じるように接合された2つのプリズムから成る光学系を用いて、全反射を利用することが行われている。この構成を図18に模式的に示す。
図18において、60はDMD、61、62はそれぞれプリズムである。プリズム61は3つの面61a、61b、61cを、また、プリズム62は3つの面62a、62b、62cを有する。図には現れていないが、プリズム61の面61aとプリズム62の面62aの間には空隙が存在する。照明光L1(細い実線で示す)は、DMD60に近い側のプリズム61に面61cから導き入れられ、面61aに対して臨界角を超える入射角で入射して、全反射される。面61aで全反射された照明光L1は、面61bを透過してDMD60に入射し、反射されてオン光L2(太い実線で示す)とオフ光L3(点線で示す)になる。
オン光L2とオフ光L3は、面61bから再びプリズム61に入射し、面61aに達する。面61aに対するオン光L2とオフ光L3の入射角は臨界角未満であり、オン光L2とオフ光L3は面61aを透過し、空隙を通過して、面62aよりプリズム62に入射し、面62bより出射する。プリズム62を出射したオン光L2とオフ光L3の進行方向には角度差があり、オン光は投影光学系(不図示)に入射して投影され、オフ光は投影光学系に入射することなく捨てられる。
プリズム61の面61bとプリズム62の面62bは平行であり、空隙を挟む面61aと面62aも平行である。また、空隙の厚さは10μm程度とごく微小に設定される。したがって、オン光L2は、概ね単一の平行平板を透過するとみなすことができる。しかしながら、DMD60の各ミラー素片からのオン光L2は拡がりながら進行するため、オン光L2に含まれる光線が通過する空隙の距離には、光線ごとに差異があり、また、面61aや面62aに対する角度にも、光線ごとに差異がある。これらの差異は僅かではあるものの、収差を招いて映像の質を低下させる要因となっている。
そこで、近年では、空隙を介して接合された2つのプリズムを用いながら、オン光が空隙を通過しないようにした光学系が提案されている(例えば、米国特許6,461,000、米国特許5,309,188)。
米国特許6,461,000
米国特許5,309,188
その構成を図19に模式的に示す。図19において、70はDMD、71、72はそれぞれプリズムである。プリズム71は3つの面71a、71b、71cを、また、プリズム72は3つの面72a、72b、72cを有する。図には現れていないが、プリズム71の面71aとプリズム72の面72aの間には空隙が存在する。
照明光L1は、DMD70から遠い側のプリズム72に面72bから導き入れられ、面72aに対して臨界角未満の入射角で入射して、これを透過する。面72aを透過した照明光L1は、空隙を通過して、面71aからプリズム71に入射し、面71bを透過する。面71bを透過した照明光L1は、DMD70に入射し、反射されてオン光L2とオフ光L3になる。
オン光L2とオフ光L3は、面71bから再びプリズム71に入射する。オン光L2は、面71aに達し、オフ光L3は、一部が面71aに達し、残りが面71cに達する。面71aに対するオン光L2の入射角は臨界角を超え、オン光L2は面71aで全反射されて、面71cを透過し、投影光学系(不図示)に入射して投影される。
面71bから面71aに達するオフ光L3の面71aに対する入射角も臨界角を超え、このオフ光L3も面71aで全反射されて、面71cを透過する。ただし、このオフ光L3とオン光L2の進行方向には角度差があり、面71cを透過したオフ光L3は、投影光学系に入射しない。面71bから面71cに達するオフ光L3の面71cに対する入射角は臨界角を超え、このオフ光L3は、面71cで全反射されて、面71aを透過する。
この構成では、オン光L2はプリズム71、72間の空隙を通過せず、プリズム71のみを透過する。また、プリズム71の面71cを面71aで折り返して得られる仮想の面は、面71bに対して平行になるように設定されており、オン光L2に対するプリズム71は、平行平板と全く等価になる。したがって、オン光L2には収差が生じ難く、質の高い映像を提供することができると期待される。
ところが、プリズム71とプリズム72は、面71aの全体が面72aの全体に対向するように設定されており、したがって、プリズム71の面71cで全反射されて面71aを透過するオフ光L3は、面72aから再びプリズム72に入る。このオフ光L3の一部は、面72bで反射され、さらに面72a、72c等で反射されて散乱し、中には照明光L1に混入するものが生じる。また、プリズム72に入ったオフ光L3の残りは、面72bを透過して、光源からプリズム72に照明光L1を導く光学系に戻り、中にはその光学系で反射されて照明光L1に混入するものが生じる。
照明光L1に混入したオフ光L3は、照明光L1の強度のむら、フレア等となる。したがって、図19の光学系は、収差の発生を抑えることはできるものの、期待されるほど質の高い映像を提供することはできない。
さらに、光源からプリズム72に照明光L1を導く光学系は、照明光L1により高温になるが、これにオフ光L3が加わると、一層高温になってしまう。このため、その光学系を冷却するために高能力の冷却手段が必要となる。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、照明光を反射型の変調素子に導いて映像光と不要光を生成して、映像光を取り出す変調光学系における、不要光による悪影響を防止することを目的とする。また、質の高い映像を提供することが可能な映像投影装置を実現することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明では、照明光を反射して、所定の方向に進む映像光と、映像光とは異なる方向に進む不要光を生成する反射型の変調素子と、第1の面と第2の面と第3の面とを有し、第2の面が変調素子の反射面に対向する第1の光学素子と、第1の光学素子の第1の面に空隙を介して対向する第2の光学素子を備え、第2の光学素子が、外部から与えられる照明光を第1の光学素子の第1の面に導き、第1の光学素子が、第1の面から入射する第2の光学素子からの照明光を、第2の面より出射させて変調素子の反射面に導くとともに、第2の面から入射する変調素子からの映像光を第1の面で全反射して第3の面より出射させる変調光学系において、第1の光学素子が、第2の面から入射する変調素子からの不要光を第2の光学素子に入射させない構成とする。
この変調光学系では、第1の光学素子から第2の光学素子に不要光が入射しないため、第2の光学素子の内部や、光源から第2の光学素子に照明光を導く光学系で、不要光が照明光に混入することがない。したがって、映像の質の低下が防止される。また、光源から第2の光学素子に照明光を導く光学系が不要光によって温度上昇することもない。
上記目的を達成するために、本発明ではまた、照明光を反射して、所定の方向に進む映像光と、映像光とは異なる方向に進む不要光を生成する反射型の変調素子と、第1の面と第2の面と第3の面とを有し、第2の面が変調素子の反射面に対向する第1の光学素子と、第1の光学素子の第1の面に空隙を介して対向する第2の光学素子を備え、第2の光学素子が、外部から与えられる照明光を第1の光学素子の第1の面に導き、第1の光学素子が、第1の面から入射する第2の光学素子からの照明光を、第2の面より出射させて変調素子の反射面に導くとともに、第2の面から入射する変調素子からの映像光を第1の面で全反射して第3の面より出射させる変調光学系において、第1の光学素子の第1の面が、第2の光学素子に対向する対向部位と、対向部位よりも第3の面寄りに位置し、第2の光学素子に対向しない非対向部位とを有し、第1の光学素子が、第2の面から入射する変調素子からの不要光の一部を、第1の面で全反射して第3の面より映像光とは異なる方向に出射させ、第2の面から入射する変調素子からの不要光の残りを、第3の面で全反射して、そのうち変調素子の半分以上の領域で反射されたものを第1の面の非対向部位から出射させる構成とする。
この変調光学系では、第1の光学素子に入った不要光のうち第1の面に直接達するものは、第1の面で全反射されるため、第2の光学素子には入射しない。また、第1の光学素子に入った不要光のうち第3の面に直接達するものは、第3の面で全反射されるものの、全反射された後は、多くが、第1の面のうち第2の光学素子に対向しない非対向部位から出射して、第2の光学素子には入射しない。したがって、第2の光学素子に入射する不要光は少なく、映像の質の低下が軽減され、光源から第2の光学素子に照明光を導く光学系が不要光によって温度上昇することも抑えられる。
ここで、第1の光学素子が、第2の面から入射する変調素子からの不要光の残りを、第3の面で全反射して、その全てを第1の面の非対向部位から出射させるようにすることもできる。このようにすると、第2のプリズムに入射する不要光はなくなり、映像の質の低下と、光源から第2の光学素子に照明光を導く光学系が不要光によって温度上昇することが、防止される。
また、第1の光学素子の第2の面と第3の面の成す角が90゜以上である構成とするとよい。このようにすると、第1のプリズムの大きさの増大を抑えながら、非対向部位を確保することが容易になる。
第1の光学素子の屈折率は、1.51以上とするのがよく、特に、1.58以上とするのが好ましい。第1の光学素子の屈折率を大きくすることで、第1の光学素子の第1の面での臨界角が小さくなり、この面に対して異なる角度で入射する映像光を全て全反射することが容易になる。
第1の光学素子の第1の面の非対向部位から出射した不要光を吸収または反射する遮光素子を備えるようにするとよい。このようにすると、光源から第2の光学素子に照明光を導く光学系に非対向部位を透過した不要光が入射するのを防止することができて、その光学系の温度上昇が抑えられる。
ここで、遮光素子は、第1の光学素子の第1の面の非対向部位に空隙を介して対向し、入射した不要光を内部で全反射する光学素子とすることができる。遮光素子としての光学素子と、第1の光学素子の第1の面の非対向部位との間に空隙を設けることで、非対向部位でも映像光を確実に全反射することができる。また、不要光を内部で全反射する光学素子を遮光素子とすることで、この光学素子と第1の光学素子とを一体化して、取り扱い易さを向上させることが容易になる。
第2の光学素子の屈折率を第1の光学素子の屈折率よりも大きくすることができる。このようにすると、変調素子を明るくかつ均一に照明するために、変調素子近傍での照明光の断面の形状および大きさを変調素子の反射面の形状および大きさに近づけることが容易になる。
第1の光学素子の屈折率を第2の光学素子の屈折率よりも大きくすることもできる。一般に、硝材は屈折率が大きいほど高価になるから、第1の光学素子の第1の面で映像光を全て全反射することを容易にするために、第1の光学素子の屈折率を大きくし、これに合わせて第2の光学素子の屈折率も大きくすると、コストが上昇する結果となる。第2の光学素子の屈折率を第1の光学素子の屈折率よりも小さくすることで、コストの上昇が抑えられる。
前記目的を達成するために、本発明ではまた、映像投影装置は、上記のいずれかの変調光学系と、変調光学系の第2の光学素子に照明光を導く照明光学系と、変調光学系の第1の光学素子の第3の面から出射した映像光を投影する投影光学系とを備える構成とする。第2の光学素子に入射する不要光がない、または僅かであるという変調光学系の特徴により、質の高い映像を提供することが可能な装置となる。また、照明光学系に戻る不要光もなくし、または僅かにすることができて、照明光学系の温度上昇が抑えられ、照明光学系を冷却するための手段を簡素にし、あるいは省略することができる。
本発明の変調光学系では、映像光に収差が発生し難く、しかも、不要光が照明光に混入することも抑えられるため、映像光が表す映像は質の高いものとなる。さらに、照明光を第2の光学素子に導く光学系が不要光によって温度上昇するのを防止することもできる。また、本発明の映像投影装置は、質の高い映像を提供することができる上、照明光学系を冷却する手段を簡素にし、または省略することができて、小型化が容易である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。第1の実施形態である変調光学系1の構成および光路を図1に示す。この変調光学系1は、DMD10、第1のプリズム11、および第2のプリズム12より成る。
DMD10は、横方向と縦方向の長さの比が4:3で、対角長が約23.9mm(0.94インチ)の長方形である。DMD10の反射面を成す各ミラー素片の向きは、DMD10の短辺および長辺に対して45゜の方向に可変である。DMD10は、ミラー素片の向きの可変方向が図1の紙面に対して平行になるように配置されている。なお、各ミラー素片の向きの可変方向を、DMD10の短辺および長辺に対して45゜以外の方向とすることも可能である。
DMD10の各ミラー素片の向きは映像信号に基づいて制御され、各ミラー素片は可変範囲の一端を向くオン状態と可変範囲の他端を向くオフ状態とをとり、DMD10はオン状態のミラー素片によってオン光(映像光)を生成し、オフ状態のミラー素片によってオフ光(不要光)を生成する。
第1のプリズム11は、面11a、11b、11cを有し、面11bがDMD10に対して平行となり、面11bの一部がDMD10に対向するように配置されている。プリズム11の面11a、11b、11cは、いずれも図1の紙面に対して垂直である。面11aと面11bの成す角は鋭角であり、面11aと面11cの成す角も鋭角である。また、面11bと面11cの成す角も鋭角である。面11cを面11aで折り返して得られる仮想の面は、面11bと平行である。
第2のプリズム12は、面12a、12b、12cを有し、面12aで第1のプリズム11の面11aに接合されている。図には現れていないが、第1のプリズム11の面11aと第2のプリズム12の面12aの間には、厚さ5〜10μm程度の微小な空隙が設けられている。面12aは、面11aに対して平行であり、また、面11aの一部にのみ対向している。プリズム12の面12aと面12bの成す角は鋭角であり、また、これらの面12a、12bはいずれも図1の紙面に対して垂直である。
第1のプリズム11の面11aのうち、第2のプリズム12の面12aに対向する部位(以下、単に対向部位という)は、面11cから遠くに位置し、面11aのうち、面11cに近い部位は、面12aに対向しない部位(以下、単に非対向部位という)となっている。
照明光L1(細い実線で示す)は、面12bより第2のプリズム12に導き入れられ、面12aに達する。照明光L1の面12aに対する入射角は臨界角未満であり、照明光L1は面12aを透過し、さらに空隙を通過する。空隙を通過した照明光L1は、面11aより第1のプリズム11に入って、面11bに達する。照明光L1の面11bに対する入射角は臨界角未満であり、照明光L1は面11bを透過してDMD10の反射面に入射する。
DMD10の反射面に入射した照明光L1は、異なる方向に反射されてオン光L2(太い実線で示す)とオフ光L3(点線で示す)になる。オン光L2の光路とオフ光L3の光路は、オン光L2の光路の方が照明光L1の光路に近い。
DMD10からのオン光L2は、面11bを透過してプリズム11に再び入り、面11aに達する。オン光L2の面11aに対する入射角は臨界角を超え、したがって、オン光L2は面11aによって全反射される。面11aで全反射されたオン光L2は面11cに達する。オン光L2の面11cに対する入射角は臨界角未満であり、オン光L2は面11cを透過する。面11cを透過したオン光L2は、投影光学系(不図示)に入射して、スクリーン(不図示)に投影される。
DMD10からのオフ光L3は、面11bを透過してプリズム11に再び入り、一部(プリズム11の面11cから遠いミラー素片で反射されたもの)が、面11aに達し、残り(プリズム11の面11cに近いミラー素片で反射されたもの)が、面11cに達する。面11bから面11aに達するオフ光L3の面11aに対する入射角は臨界角を超え、したがって、このオフ光L3は面11aで全反射されて、面11cに達する。面11aから面11cに達するオフ光L3の面11cに対する入射角は臨界角未満であり、このオフ光L3は面11cを透過する。面11cを透過したオフ光L3とオン光L2の進行方向に角度差があり、面11cを透過したオフ光L3は投影光学系には入射しない。
面11bから面11cに達するオフ光L3の面11cに対する入射角は臨界角を超え、したがって、このオフ光L3は面11cで全反射される。面11cで全反射されたオフ光L3は、面11aに達する。このオフ光L3の面11aに対する入射角は臨界角未満であり、したがって、このオフ光L3は面11aを透過する。
ただし、第2のプリズム12の大きさは、照明光L1をDMD10の反射面全体に導くに足る範囲内で小さく設定されており、また、プリズム11の大きさ(図1の紙面の左右方向の大きさ)は、DMD10のミラー素片のうち面11cに最も近いものからのオフ光L3でも、面11cによる全反射の後、面11aの非対向部位に入射するように設定されており、したがって、面11cによって全反射されたオフ光L3は、全て面11aの非対向部位に入射する。照明光L1、オン光L2およびオフ光L3のうち、プリズム11の面11cに最も近いミラー素片に関するもの以外を省略して図2に示す。
面11cによって全反射され、面11aの非対向部位を透過したオフ光L3は、プリズム12の傍らを通過する。結局、変調光学系1では、第2のプリズム12に入射するオフ光L3は皆無となる。このため、オフ光L3がプリズム12内で散乱して照明光L1に混入することがなく、また、プリズム12の面12bを透過したオフ光L3が、プリズム12に照明光L1を導く光学系に入射して反射されて照明光L1に混入することもない。さらに、プリズム12の面12bを透過したオフ光L3によって、プリズム12に照明光L1を導く光学系の温度が上昇することもない。
第1のプリズム11と第2のプリズム12は、同じ硝材で作製されており、それらの屈折率は1.5である。また、第1のプリズム11の面11bと面11cの成す角は80°である。これらの条件とDMD10の前述の大きさを考慮すると、第1のプリズム11内でのオン光L2の主光線の光路長を59mmとすれば、面11cで全反射されたオフ光L3が面11aの非対向部位のみに入射するようにすることができる。なお、DMD10の反射面の中心に位置するミラー素片からのオン光L2に含まれる中央の光線をオン光L2の主光線という。本実施形態の変調光学系1では、オン光L2の主光線の面11b、面11cに対する入射角は90°である。
投影光学系のレンズバックをより短くするために、第1のプリズム11を相似形で小さくした修飾例の変調光学系1aを図3および図4に示す。図4は、照明光L1、オン光L2およびオフ光L3のうち、プリズム11の面11cに最も近いミラー素片に関するもの以外を省略したものである。この変調光学系1aでは、プリズム11内でのオン光L2の主光線の光路長を51mmとしている。他の条件は変調光学系1と同じである。
オン光L2の光路長を短くするためにプリズム11をこのように小さくすると、面11aの非対向部位が相対的に小さくなるとともに、オフ光L3が面11cのうち面11bに近い部位で反射されることになって、面11cで全反射されたオフ光L3の一部が、面11aの対向部位に入射する。ただし、変調光学系1aでは、非対向部位がない図19の光学系に比べてプリズム12に入射するオフ光L3ははるかに少なく、非対向部位を設けたことにより、オフ光L3の悪影響が大きく低減されている。
より具体的には、DMD10の反射面の中心に位置するミラー素片からのオフ光L3に含まれる全ての光線は、面11aの対向部位には入射せず(図3参照)、これより明らかなように、面11cで全反射されたオフ光L3のうち、DMD10の反射面の半分以上の領域(反射面の中心よりも面11cから遠い領域)からのものは、面11aの非対向部位に入射する。また、面11cに最も近いミラー素片からのオフ光L3であっても、その全てが面11aの対向部位に入射するわけではなく、約半分は面11aの非対向部位に入射する(図4参照)。したがって、プリズム12に入射するオフ光L3はごく僅かである。
DMD10の反射面の半分未満の領域からのオフ光L3が面11aの非対向部位に入射するようにすれば、投影光学系のレンズバックを一層短くすることができるが、そのようにすると、プリズム12に入射するオフ光L3が多くなって、その悪影響が大きくなる。質の高い映像を提供するためにも、また、プリズム12に照明光L1を導く光学系の温度上昇を抑えるためにも、本修飾例の変調光学系1aのように、面11cで全反射されて面11aに達するオフ光L3のうち、DMD10の反射面の半分以上の領域からのものが非対向部位に入射するようにするのが好ましい。
以下、本発明の他の実施形態について説明するが、第1の実施形態の変調光学系1の構成要素と同一または類似の機能を有する構成要素については同じ符号で表して、重複する説明は省略し、相違点についてのみ述べる。
第2の実施形態の変調光学系2の構成および光路を図5に示す。本実施形態の変調光学系2は、第1のプリズム11の面11bと面11cの成す角を90°とするとともに、第1、第2のプリズム11、12の屈折率を1.59にしたものである。このような屈折率の硝材としては、HOYA社のBACD5等がある。
変調光学系2では、また、DMD10に対する照明光L1の入射角を少し大きくして、オン光L2の主光線がDMD10の反射面の法線(鎖線で示す)に対して2°傾くようにしている。投影光学系の光軸に対してDMD10の反射面の法線を平行にする一般的な配置では、当然、オン光L2の主光線は投影光学系の光軸に対して2°傾くことになり、このようにすることで、コントラストの高い映像を提供することが可能になる。また、その際、映像の明るさが低下することも少ない。
照明光L1、オン光L2およびオフ光L3のうち、プリズム11の面11cに最も近いミラー素片に関するもの以外を省略して図6に示す。変調光学系2においても、面11cで全反射されたオフ光L3は、面11aの非対向部位のみに入射する。
プリズム11内のオン光L2の主光線の光路長は49mmである。したがって、第1の実施形態の変調光学系1に比べて、投影光学系のレンズバックを大幅に小さくすることができる。
第3の実施形態の変調光学系3の構成および光路を図7に示す。本実施形態の変調光学系3は、第1のプリズム11の面11bと面11cの成す角を92°とするとともに、第1、第2のプリズム11、12の屈折率を1.62にしたものである。このような屈折率の硝材としては、HOYA社のBACD15等がある。
変調光学系3でも、第2の実施形態の変調光学系2と同様に、オン光L2の主光線がDMD10の反射面の法線に対して2°傾くようにして、高コントラストかつ高輝度の映像を提供し得るようにしている。
照明光L1、オン光L2およびオフ光L3のうち、プリズム11の面11cに最も近いミラー素片に関するもの以外を省略して図8に示す。変調光学系3においても、面11cで全反射されたオフ光L3は、面11aの非対向部位のみに入射する。
プリズム11内のオン光L2の主光線の光路長は51mmである。したがって、第1の実施形態の変調光学系1に比べて、投影光学系のレンズバックを大幅に小さくすることができる。
第2、第3の実施形態のように、プリズム11の面11bと面11cの成す角を90°以上とすると、プリズム11をあまり大きくすることなく、面11cで全反射されたオフ光L3を非対向部位のみに入射させることが容易になる。この理由を図9を参照して説明する。図9において、(a)は第1の実施形態のように面11bと面11cの成す角を80°とし、(b)は第2の実施形態のように面11bと面11cの成す角を90°とし、(c)は第3の実施形態のように面11bと面11cの成す角を92°としたときのものであり、プリズム11、12の屈折率は(a)〜(c)で同じである。
図9(a)に示すように、面11bと面11cの成す角が小さいと、面11cで全反射されたオフ光L3は、照明光L1に対して大きな角度を成すことになり、DMD10から近い位置で照明光L1と交差する。したがって、面11cを第2のプリズム12から大きく離さなければ、面11cで全反射されたオフ光L3は面11aの対向部位に入射してしまう。
一方、図9(b)や図9(c)に示すように、面11bと面11cの成す角が大きいと、面11cで全反射されたオフ光L3は、照明光L1に対して小さな角度を成すことになり、DMD10から遠い位置で照明光L1と交差する。このため、面11cを第2のプリズム12から大きく離さなくても、面11cで全反射されたオフ光L3は面11aの対向部位に入射しなくなる。
また、第2、第3の実施形態のように、プリズム11の屈折率を大きくすると、オン光L2を面11aで全て全反射するという条件を満たしながら、明るい映像を提供することが容易になる。この理由を図10を参照して説明する。図10において、(a)〜(d)はいずれも、第2の実施形態と同様に、面11bと面11cの成す角を90°としたものである。
第1のプリズム11の屈折率をn、プリズム11の内部を通って面11aに入射する光線の面11aに対する入射角をθで表すと、次の式1が満たされるときに、光線は面11aで全反射される。
sinθ>1/n … 式1
したがって、屈折率nが小さいと、式1を満たし得る入射角θは大きくなり、入射角θの小さい光線は、面11aを透過してしまう。図10(a)はこの状態を表したものであり、光線L2aは面11cを透過したオン光L2である。なお、図10(a)では、オン光L2の拡がり角(頂角)を23゜とし、オン光L2の主光線をDMD10の法線に対して2゜傾けている。
したがって、屈折率nが小さいと、式1を満たし得る入射角θは大きくなり、入射角θの小さい光線は、面11aを透過してしまう。図10(a)はこの状態を表したものであり、光線L2aは面11cを透過したオン光L2である。なお、図10(a)では、オン光L2の拡がり角(頂角)を23゜とし、オン光L2の主光線をDMD10の法線に対して2゜傾けている。
プリズム11の屈折率nを小さくしたままで、オン光L2の一部の光線が面11cで全反射されないという事態が生じるのを防止するためには、オン光L2に含まれる全ての光線の面11aに対する入射角θを大きくしなければならない。このための方法としては次の2つが考えられる。
1つは、オン光L2の拡がりを小さくする、すなわち、DMD10の各ミラー素片に入射する照明光L1の角度範囲を小さくするものである。この方法を採用して、オン光L2の拡がり角を13゜とした状態を図10(b)に示す。しかし、オン光L2の拡がり角を小さくすると、明るい映像を提供することはできなくなる。たとえ、F数の小さい(明るい)投影光学系を用いて投影しても、オン光L2は投影光学系の光軸近傍の中央部のみを進行して、投影光学系の周辺部が投影に関与しなくなり、明るい映像を提供することはできない。
もう1つの方法は、オン光L2の主光線をDMD10の法線に対して大きく傾ける、つまり、照明光L1のDMD10に対する入射角を大きくする方法である。この方法を採用して、DMD10の法線に対するオン光L2の主光線の傾きを7゜とした状態を図10(c)に示す。しかしながら、DMD10の法線に対するオン光L2の主光線の傾きを大きくすると、投影光学系の光軸に対するオン光L2の主光線の傾きも大きくすることになって、F数の大きい投影光学系を用いると、オン光L2の一部を投影することができなくなる。すなわち、オン光L2の全てを投影するためには、F数の小さい光学系が必要になり、投影光学系が大きくなることが避けられない。
これに対し、屈折率を大きくすれば、式1を満たし得る入射角θは小さくなり、オン光L2の拡がり角を小さくしたり、DMD10の法線に対するオン光L2の主光線の傾きを大きくしたりすることなく、オン光L2の光線全てを面11aで全反射することができる。屈折率nを大きくして、他の条件を図10(a)と同じにした状態を図10(d)に示す。
なお、屈折率nが1.51のときは、オン光L2のF数を3.5とし、DMD10の法線に対するオン光L2の主光線の傾きを3゜とすることが可能である。また、屈折率nが1.58のときは、オン光L2のF数を2.5とし、DMD10の法線に対するオン光L2の主光線の傾きを3゜とすることが可能である。
第4の実施形態の変調光学系4の構成および光路を図11に示す。本実施形態の変調光学系4は、第2の実施形態の変調光学系2に、反射遮光板13を加えたものである。反射遮光板13は、第1のプリズム11の面11aの非対向部位を透過したオフ光L3を反射して、第2のプリズム12に照明光L1を導く光学系にオフ光L3が入射するのを防止する。
第2のプリズム12に照明光L1を導く光学系の配置によっては、面11aの非対向部位を透過したオフ光L3がその光学系に入射することがあるが、このように遮光板13を備えることで、プリズム12に照明光L1を導く光学系の配置に関わらず、その光学系へのオフ光L3の入射を確実に防止することができる。これで、照明光L1へのオフ光L3の混入、およびオフ光L3による光学系の温度上昇が確実に防止される。
第5の実施形態の変調光学系5の構成および光路を図12に示す。本実施形態の変調光学系5は、第3の実施形態の変調光学系3に、吸収遮光板14を加えたものである。吸収遮光板14は、第1のプリズム11の面11aの非対向部位を透過したオフ光L3を吸収して、第2のプリズム12に照明光L1を導く光学系にオフ光L3が入射するのを防止する。
第6の実施形態の変調光学系6の構成および光路を図13に示す。本実施形態の変調光学系6は、第2の実施形態の変調光学系2に、第3のプリズム15を加えたものである。第3のプリズム15は、3つの面15a、15b、15を有しており、面15aが第1のプリズム11の面11aの非対向部位全体に空隙を介して対向するように、プリズム11に接合されている。
プリズム15は、第3の実施形態で述べた反射遮光板13と同様に、第2のプリズム12に照明光L1を導く光学系にオフ光L3が入射するのを防止する。すなわち、第1のプリズム11の面11aの非対向部位を透過したオフ光L3は、空隙を通過し、面15aを透過してプリズム15の内部に入り、面15bに臨界角を超える入射角で入射する。面15bに入射したオフ光L3は全反射されて、面15cに臨界角未満の入射角で入射し、面15cを透過する。面15cを透過したオフ光L3は、第2のプリズム12に照明光L1を導く光学系から遠ざかる方向に進む。
第3のプリズム15と第1のプリズム11の間には空隙が存在するから、第1のプリズム11の面11aによるオン光L2の全反射には、第3のプリズム15は全く影響しない。また、第3のプリズム15は第2のプリズム12と共に第1のプリズム11に接合されて、これら3つのプリズム11、12、15は一体となっているため、取り扱いが容易である。
なお、第4〜第6の実施形態で示した反射遮光板13、吸収遮光板14、および第3のプリズム15は、プリズム11の面11bと面11cの成す角が鋭角、直角、鈍角のいずれの場合にも、採用することが可能である。
第7の実施形態の変調光学系7の構成を図14に示し、比較例の変調光学系7aの構成を図15に示す。本実施形態の変調光学系7(図14)は、第1のプリズム11と第2のプリズム12の屈折率を違えて、第2のプリズム12の屈折率を大きくしたものであり、比較例の変調光学系7a(図15)は、第1のプリズム11と第2のプリズム12の屈折率を同じにしたものである。
具体的には、変調光学系7では、第1のプリズム11の屈折率は1.52、第2のプリズム12の屈折率は1.64であり、変調光学系7aでは、第1のプリズム11の屈折率と第2のプリズム12の屈折率は共に1.52である。屈折率1.52および1.64の硝材としては、それぞれHOYA社のBSC7およびBACD18等を用いることができる。
図14および図15の上部に示したDMD10は、その法線方向から見たものである。また、四角形R、R’は、DMD10の反射面を含む平面上への照明光L1の入射範囲を表す。なお、図14に点線で示した四角形は、図15の四角形R’と同一のものである。
DMD10にはその対角方向に近い方向から照明光L1を入射させるため、DMD10の反射面を含む平面上での照明光L1の断面形状は、DMD10と同じ長方形にはならず、歪んでしまう。この歪みは、DMD10の照明むらや照明光量の低下の要因となるが、図15に示すように、比較例の変調光学系7aではこの歪みが大きい。
本実施形態の変調光学系7では、第2のプリズム12の屈折率が第1のプリズム11の屈折率よりも大きいため、第2のプリズム12の面12aに対する照明光L1の入射角を変調光学系7aにおける入射角と同じにしても、プリズム12透過後の照明光L1のDMD10に対する入射角は小さくなる。したがって、第2のプリズム12に入射する前の照明光L1の幅Aを変調光学系7aにおける照明光L1の幅Aと同じにすれば、DMD10の反射面を含む平面上での照明光L1の断面の幅A'は、変調光学系7aにおける幅A''よりも小さくなる。
その結果、変調光学系7では、DMD10の反射面を含む平面上での照明光L1の断面形状は、歪みが少なくなって、DMD10の反射面の形状に近づき、DMD10の照明むらや照明光量の低下が抑えられる。
なお、ここでは、第1の実施形態のように、第1のプリズム11の面11bと面11cの成す角が鋭角の例を掲げたが、第2のプリズム12の屈折率を第1のプリズム11の屈折率よりも大きくして、DMD10の照明むらや照明光量の低下を抑えることは、第2、第3の実施形態のように、第1のプリズム11の面11bと面11cの成す角が直角や鈍角の場合にも、適用可能である。
ところで、一般に、屈折率の大きい硝材は価格が高いため、第2のプリズム12の屈折率を大きくすることは変調光学系のコストの上昇を招く。第1〜第6の実施形態では、第2のプリズム12の屈折率を第1のプリズム11の屈折率と同じにしたが、オン光L2やオフ光L3の全反射に関与するのは第1のプリズム11のみなので、第1のプリズム11のみを高屈折率として、本実施形態とは逆に、第2のプリズム12の屈折率を第1のプリズム11の屈折率よりも小さくしてもよい。その場合、DMD10の照明むらや照明光量の低下が大きくなるが、それが特に問題にならない用途では、このようにしてコストの上昇を抑えることは有用である。
第8の実施形態の変調光学系8の構成および光路を図16に示す。この変調光学系8は、第3の実施形態の変調光学系3を修飾して、第2のプリズム12に代えて、レンズ16を備えたものである。レンズ16は平面16aと凸面16bを有しており、平面16aがプリズム11の面11aに空隙を介して対向するように、プリズム11に接合されている。照明光L1は、面16bからレンズ16に入れられる。なお、レンズ16のうち、プリズム11の面11cから遠い端部(点線で示す)は、照明光L1に関与しないため切除されている。
変調光学系8は、光学的パワーを有するレンズ16を含むため、これに照明光L1を導く光学系を簡素にすることができる。なお、本実施形態のように、第2のプリズム12に代えてレンズ16を備えることは、第1、第2の実施形態のように、プリズム11の面11bと面11cの成す角が鋭角や直角の場合にも適用することが可能である。
第9の実施形態である映像投影装置9の構成を図17に示す。映像投影装置9は、光源20、照明光学系30、変調光学系40、および投影光学系50を備えている。
光源20は、変調光学系40のDMD10に導く照明光を供給するもので、白色光を発するランプ21と、回転放物面のリフレクタ22と、UV−IRカットフィルタ23より成る。ランプ21はその発光部がリフレクタ22の焦点上に位置するように配置されており、ランプ21が発した光はリフレクタ22によって反射されて、平行光となる。UV−IRカットフィルタ23は、ランプ21が発した光に含まれる紫外領域および赤外領域の光を遮断し、可視光のみを透過させる。
照明光学系30は、コンデンサレンズ31、インテグラルロッド32、カラーホイール33、リレーレンズ34、絞り35、およびミラー36より成る。コンデンサレンズ31は、光源20からの平行光をインテグラルロッド32の端面32aに収束させる。インテグラルロッド32は、断面が長方形の四角柱状であり、端面32aから内部に入った光を側面で全反射して他方の端面32bに導き、端面32bより出射させる。
入射面32aを透過した光源20からの照明光は、入射面32aに対する入射角に応じた回数だけインテグラルロッド32の側面で全反射されて出射面32bに達する。出射面32bのどの部位にも入射角の異なる光が略同一の割合で入射し、出射面32b上での照明光の強度分布は均一になる。出射面32bを透過した照明光は発散光となり、カラーホイール33を透過する。
カラーホイール33は、赤色光、緑色光、青色光をそれぞれ選択的に透過させる3種のカラーフィルターを有しており、回転することにより、いずれかのカラーフィルターがインテグラルロッド32から出射した照明光の光路上に位置する。このカラーホイル33により、白色光は時間的に赤色光、緑色光、青色光に分解され、カラー映像の提供が可能になる。
リレーレンズ34は、カラーホイール33を経たインテグラルロッド32からの照明光を、変調光学系40のDMD10の反射面に収束させて、インテグラルロッド32の出射面32bの像をDMD10の反射面上に形成する。前述のように、インテグラルロッド32の出射面32b上の照明光の強度分布は均一であるから、DMD10の反射面上でも照明光の強度分布は均一になる。
絞り35は、リレーレンズ34を透過した照明光の光束径を規制して、周辺部の不要な光を除去する。ミラー35は、リレーレンズ34から変調光学系40に至る照明光の光路を折り曲げる。
変調光学系40は、第1〜第7の実施形態の変調光学系1〜7のいずれかであり、DMD10、第1のプリズム11、および第2のプリズム12より成る。投影光学系50は、変調光学系40からのオン光すなわち映像光をスクリーン(不図示)に拡大投影して、スクリーン上にオン光が表す像を形成する。
本実施形態の映像投影装置9は、前述のように、DMD10からのオフ光すなわち不要光が第2のプリズム12に入射して照明光に混入することがないため、質の高い映像を提供することができる。また、DMD10からのオフ光が第2のプリズム12を経て照明光学系30に戻ることもないため、照明光学系30の温度上昇が抑えられ、これを冷却するための手段を備える必要がなく、また、たとえ備える場合でも、特に冷却能力の高いものを必要としない。
ミラー36を省略して、リレーレンズ34からの照明光を第2のプリズム12に直接導く構成としてもよい。この場合、変調光学系40として、反射遮光板13、吸収遮光板14または第3のプリズム15を備える第4〜第6の実施形態の変調光学系4〜6を採用して、第1のプリズム11の非対向部位を透過したオフ光を、照明光学系30に入射する前に遮断するのが好ましい。
なお、変調光学系40として、第8の実施形態の変調光学系8を採用することも可能である。
1〜8 変調光学系
1a、7a 変調光学系
9 映像投影装置
10 DMD
11 第1のプリズム
11a、11b、11c プリズム表面
12 第2のプリズム
12a、12b、12c プリズム表面
13 反射遮光素子
14 吸収遮光素子
15 第3のプリズム
16 レンズ
16a、16b レンズ表面
20 光源
21 ランプ
22 リフレクタ
23 UV−IRカットフィルタ
30 照明光学系
31 コンデンサレンズ
32 インテグラルロッド
32a 入射面
32b 出射面
33 カラーホイール
34 リレーレンズ
35 絞り
36 ミラー
40 変調光学系
50 投影光学系
1a、7a 変調光学系
9 映像投影装置
10 DMD
11 第1のプリズム
11a、11b、11c プリズム表面
12 第2のプリズム
12a、12b、12c プリズム表面
13 反射遮光素子
14 吸収遮光素子
15 第3のプリズム
16 レンズ
16a、16b レンズ表面
20 光源
21 ランプ
22 リフレクタ
23 UV−IRカットフィルタ
30 照明光学系
31 コンデンサレンズ
32 インテグラルロッド
32a 入射面
32b 出射面
33 カラーホイール
34 リレーレンズ
35 絞り
36 ミラー
40 変調光学系
50 投影光学系
Claims (11)
- 照明光を反射して、所定の方向に進む映像光と、映像光とは異なる方向に進む不要光を生成する反射型の変調素子と、
第1の面と第2の面と第3の面とを有し、第2の面が変調素子の反射面に対向する第1の光学素子と、
第1の光学素子の第1の面に空隙を介して対向する第2の光学素子を備え、
第2の光学素子が、外部から与えられる照明光を第1の光学素子の第1の面に導き、
第1の光学素子が、第1の面から入射する第2の光学素子からの照明光を、第2の面より出射させて変調素子の反射面に導くとともに、第2の面から入射する変調素子からの映像光を第1の面で全反射して第3の面より出射させる変調光学系において、
第1の光学素子が、第2の面から入射する変調素子からの不要光を第2の光学素子に入射させないことを特徴とする変調光学系。 - 照明光を反射して、所定の方向に進む映像光と、映像光とは異なる方向に進む不要光を生成する反射型の変調素子と、
第1の面と第2の面と第3の面とを有し、第2の面が変調素子の反射面に対向する第1の光学素子と、
第1の光学素子の第1の面に空隙を介して対向する第2の光学素子を備え、
第2の光学素子が、外部から与えられる照明光を第1の光学素子の第1の面に導き、
第1の光学素子が、第1の面から入射する第2の光学素子からの照明光を、第2の面より出射させて変調素子の反射面に導くとともに、第2の面から入射する変調素子からの映像光を第1の面で全反射して第3の面より出射させる変調光学系において、
第1の光学素子の第1の面が、第2の光学素子に対向する対向部位と、対向部位よりも第3の面寄りに位置し、第2の光学素子に対向しない非対向部位とを有し、
第1の光学素子が、第2の面から入射する変調素子からの不要光の一部を、第1の面で全反射して第3の面より映像光とは異なる方向に出射させ、第2の面から入射する変調素子からの不要光の残りを、第3の面で全反射して、そのうち変調素子の半分以上の領域で反射されたものを第1の面の非対向部位から出射させることを特徴とする変調光学系。 - 第1の光学素子が、第2の面から入射する変調素子からの不要光の残りを、第3の面で全反射して、その全てを第1の面の非対向部位から出射させることを特徴とする請求項2に記載の変調光学系。
- 第1の光学素子の第2の面と第3の面の成す角が90゜以上であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の変調光学系。
- 第1の光学素子の屈折率が1.51以上であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の変調光学系。
- 第1の光学素子の屈折率が1.58以上であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の変調光学系。
- 第1の光学素子の第1の面の非対向部位から出射した不要光を吸収または反射する遮光素子を備えることを特徴とする請求項2から請求項6までのいずれか1項に記載の変調光学系。
- 遮光素子が、第1の光学素子の第1の面の非対向部位に空隙を介して対向し、入射した不要光を内部で全反射する光学素子であることを特徴とする請求項7に記載の変調光学系。
- 第2の光学素子の屈折率が第1の光学素子の屈折率よりも大きいことを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の変調光学系。
- 第1の光学素子の屈折率が第2の光学素子の屈折率よりも大きいことを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の変調光学系。
- 請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載の変調光学系と、変調光学系の第2の光学素子に照明光を導く照明光学系と、変調光学系の第1の光学素子の第3の面から出射した映像光を投影する投影光学系を備えることを特徴とする映像投影装置。
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