JP6527234B2 - 車両用シートロック装置 - Google Patents

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Description

本発明は、開き位置と閉じ位置との間で開閉可能な乗車用シートに設けられるシートフックと、そのシートフックに係合可能な施錠爪を有するとともに前記乗車用シートが閉じ位置にある状態での前記シートフックに前記施錠爪を係合させる係合位置ならびに前記シートフックとの前記施錠爪の係合を解除する係合解除位置間での作動を可能としつつ車両ユーザの操作に伴って前記係合位置から前記係合解除位置に駆動される係合部材と、前記係合位置側に向けて前記係合部材を付勢することを可能とした付勢手段とを備え、前記乗車用シートの前記閉じ位置側への移動に伴う前記シートフックの作動に応じて前記係合部材の前記施錠爪を前記シートフックに係合させるようにした車両用シートロック装置に関する。
自動二輪車の乗車用シートのシートロック装置が、特許文献1で開示されており、このものでは、シートロック装置が、乗車用シートに設けられるシートフックに係脱可能に係合する施錠爪と、車両ユーザの操作に応じて回動する中継アームと、中継アームおよび施錠爪間に設けられる引っ張りばねとを有するように構成されている。
日本特開平10−203443号公報
上記特許文献1で開示されたもののシートロック装置は、車両ユーザの操作に応じて中継レバーが回動すると、中継レバーの施錠爪との係合が解除され、施錠爪が引っ張りばねの弾発力で回動することで乗車用シートがポップアップして開くように構成されているが、構造をより簡素化することが望まれる。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、簡易な構造でシートロック状態を維持し得るようにした車両用シートロック装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、開き位置と閉じ位置との間で開閉可能な乗車用シートに設けられるシートフックと、そのシートフックに係合可能な施錠爪を有するとともに前記乗車用シートが前記閉じ位置にある状態での前記シートフックに前記施錠爪を係合させる係合位置ならびに前記シートフックとの前記施錠爪の係合を解除する係合解除位置間での作動を可能としつつ車両ユーザの操作に伴って前記係合位置から前記係合解除位置に駆動される係合部材と、前記係合位置側に向けて前記係合部材を付勢することを可能とした付勢手段とを備え、前記乗車用シートの前記閉じ位置側への移動に伴う前記シートフックの作動に応じて前記係合部材の前記施錠爪を前記シートフックに係合させるようにした車両用シートロック装置において、前記付勢手段は、前記係合部材の移動方向と直交する軸線を有して前記係合部材のスライド作動をガイドするホルダに支持される軸を囲繞するコイル部と、前記閉じ位置にある前記シートフックに当接するシートフック付勢部とを有し、該付勢手段は、前記乗車用シートおよび前記シートフックの前記開き位置から前記閉じ位置への作動に応じて生じる付勢力を前記係合位置側に向けて係合部材に付与しつつ前記施錠爪が係合した状態の前記シートフック前記施錠爪側に押圧する方向に向けて前記シートフックに付与するように構成されることを第1の特徴とする。
また本発明は、第1の特徴の構成に加えて、前記施錠爪が、前記係合位置および係合解除位置間での直線的な作動を可能とした前記係合部材の前記係合位置側の一端部に設けられ、車両ユーザによる解錠操作を可能とした解錠操作装置から延出される操作ケーブルが、前記係合部材の前記係合解除位置側の他端部に連結されることを第2の特徴とする。
本発明は、第1または第2の特徴の構成に加えて、前記ホルダは、前記閉じ位置にある前記乗車用シートの下方に固定配置されることを第3の特徴とする。
本発明は、第3の特徴の構成に加えて、前記係合部材に、前記付勢手段の一部を収容する収容凹部が形成されることを第4の特徴とする。
さらに本発明は、第4の特徴の構成に加えて、前記付勢手段は、前記係合部材および前記ホルダ間に設けられるねじりばねであり、前記軸が、前記係合部材の底面近傍に配置されることを第5の特徴とする。
本発明の第1の特徴によれば、シートロック装置の付勢手段が、乗車用シートおよびシートフックの閉じ位置側への作動に応じて生じる付勢力を、係合位置側に向けて係合部材に付与するとともに、施錠爪が係合した状態のシートフック施錠爪側に押圧する方向に向けてシートフックに付与するので、簡易な構造でシートロック状態を維持することが可能であり、車両ユーザの操作によって施錠爪のシートフックとの係合を解除すると、付勢手段からシートフックに作用していた付勢力によって乗車用シートを開き側にポップアップさせることができる。
また本発明の第2の特徴によれば、係合部材が係合位置および係合解除位置間で直線的に作動し、その係合部材の係合位置側の一端部に施錠爪が設けられ、操作ケーブルが係合部材の係合解除位置側の他端部に連結されるので、係合部材の作動のために必要とするスペースを小さくしてシートロック装置のコンパクト化を図ることができるとともに、特に操作ケーブルの係合部材からの取り出し方向と、係合部材の作動方向とを一致させてシートロック装置を、係合部材の作動方向と直交する方向でコンパクト化が可能である。
本発明の第3の特徴によれば、閉じ位置にある乗車用シートの下方に固定配置されるホルダで係合部材のスライド作動がガイドされるようにして、シートロック装置の一部を構成するホルダのコンパクト化を図ることができる。
本発明の第4の特徴によれば、係合部材に形成される収容凹部に付勢手段の一部が収容されるので、シートロック装置をよりコンパクト化することができる。
さらに本発明の第5の特徴によれば、付勢手段が、係合部材およびホルダ間に設けられるねじりばねであるので、係合部材およびシートフックの双方にばね力を付与するようにしたコンパクトなレイアウトが可能となる。
図1は自動二輪車の左側面図である。(第1の実施の形態) 図2はロック状態でのシートロック装置の縦断面図である。(第1の実施の形態) 図3はロック状態でのシートロック装置を係合部材の省略状態で示す斜視図である。(第1の実施の形態) 図4は乗車用シートが開き位置にあるときのシートロック装置の斜視図である。(第1の実施の形態) 図5は乗車用シートが開き位置にあるときの図2に対応した縦断面図である。(第1の実施の形態) 図6はロック状態でのシートロック装置の図2に対応した縦断面図である。(第1の実施の形態) 図7はポップアップ直前の状態でのシートロック装置の図2に対応した縦断面図である。(第1の実施の形態)
16・・・乗車用シート
25・・・解錠操作装置
27・・・シートフック
28・・・施錠爪
29・・・係合部材
29a・・・係合部材の底面
30・・・付勢手段
30a・・・コイル部
30b・・・シートフック付勢部
33・・・ホルダ
36・・・軸
37・・・収容凹部
42・・・操作ケーブル
以下、本発明の実施の形態について図1〜図7を参照しながら説明する。なお以下の説明で前後、上下および左右の各方向は自動二輪車に搭乗した乗員から見た方向を言うものとする。
第1の実施の形態
先ず図1において、この車両は、乗車用シート16に座った乗員が足を載せるための低床式のフロア10を有するスクータ型自動二輪車であり、その車体フレームFは、前輪WFを軸支するフロントフォーク11ならびに該フロントフォーク11に連結される操向ハンドル12を操向可能に支承するヘッドパイプ13と、該ヘッドパイプ13から後下がりに延びるダウンチューブ14と、該ダウンチューブ14の下端部に前端部が接合される左右一対のサイドフレーム15とを備える。
前記サイドフレーム15は、前記ダウンチューブ14の下端部から下方に垂下されるダウンフレーム部15aと、該ダウンフレーム部15aの下端部から前記フロア10の下方で後方に延びるロアフレーム部15bと、ロアフレーム部15bの後端から後上がりに延びるライズフレーム部15cとを一体に有し、単一のパイプが屈曲成形されて成る。
左右一対の前記サイドフレーム15におけるロアフレーム部15b間にはフロア10で上方から覆われるようにして燃料タンク17が支持される。また前記サイドフレーム15におけるライズフレーム部15cには、それらのライズフレーム部15cで支持されるようにして収納ボックス18が配置されており、該収納ボックス18を覆う乗車用シート16が開き位置と閉じ位置との間での開閉可能として前記収納ボックス18に支持される。
前記サイドフレーム15におけるロアフレーム部15bおよびライズフレーム部15cの連設部にはブラケット19が設けられる。このブラケット19にはスイング式のパワーユニットPの前部がリンク機構20を介して上下に揺動可能に支承され、該パワーユニットPの後部右側に配置される後輪WRがパワーユニットPの後部に軸支され、左側の前記サイドフレーム15におけるライズフレーム部15cの後部および前記パワーユニットPの後端部間にはリヤクッションユニット21が設けられる。
前記パワーユニットPは、内燃機関Eと、該内燃機関Eおよび後輪WR間に設けられる伝動装置(図示せず)とで構成される。伝動装置は、内燃機関Eのクランクケース22に連設されて該クランクケース22から後方に延出される伝動ケース23に収納されるものであり、この伝動ケース23の後端部に前記後輪WRが軸支される。
前記乗車用シート16と、前記収納ボックス18の後部との間には、閉じ位置にある前記乗車用シート16の閉じ位置をロックするシートロック装置24が設けられる。また前記ヘッドパイプ13には、キーシリンダが取付けられ、前記シートロック装置24のシートロック状態を解除するための解錠操作装置25が、車両ユーザによる解錠操作を可能として前記キーシリンダに付設される。
図2〜図4を併せて参照して、前記シートロック装置24は、前記乗車用シート16に設けられるシートフック27と、そのシートフック27に係合可能な施錠爪28を有するとともに前記乗車用シート16が閉じ位置にある状態での前記シートフック27に前記施錠爪28を係合させる係合位置(図2で示す位置)ならびに前記シートフック27との前記施錠爪28の係合を解除する係合解除位置(図5〜図7で示す位置)間での作動を可能としつつ車両ユーザの操作に伴って前記係合位置から前記係合解除位置に駆動される係合部材29と、前記係合位置側に向けて前記係合部材29を付勢することを可能とした付勢手段30とを備えており、このシートロック装置24は、前記乗車用シート16の前記閉じ位置側への移動に伴う前記シートフック27の作動に応じて前記係合部材29の前記施錠爪28を前記シートフック27に係合させる。
前記シートフック27は、前記乗車用シート16の底板16aの後部に一体に連なって下方に延びるものであり、このシートフック27の車両前後方向の一方に臨む側面、この実施の形態では車両前後方向の後方に臨む側面には上下に延びる溝31が形成され、その溝31の下端部を閉じる端壁部27aが上方に臨む係止面32を形成するようにしてシートフック27の下端部に一体に設けられる。
ところで、前記係合部材29は、係合位置および係合解除位置間で直線的に作動するものであり、この係合部材29のスライド作動をガイドするホルダ33が、前記閉じ位置にある前記乗車用シート16の下方に固定配置されるものであり、このホルダ33は、前記収納ボックス18の後側上部内に配置されるようにして前記収納ボックス18に固定される。
前記ホルダ33は、前記係合部材29の底面29aを摺接させるようにして車両前後方向に延びるとともに車両前後方向の一端部(この実施の形態では前端部)には下方に凹む凹部34が形成される底壁部33aと、前記係合部材29を左右両側から挟むようにして前記底壁部33aの左右両側に直角に連設される左右一対の側壁部33bと、前記シートフック27が降下したときに前記端壁部27aの一部を収容するようにして上方に開いた略U字状の横断面形状を有しつつ前記底壁部33aの車両前後方向の一端部(この実施の形態では前端部)に連なるシートフック収容部33cと、当該シートフック収容部33cの前記底壁部33aと反対側の端部(この実施の形態では車両前後方向の前端部)に連なるとともに前記シートフック収容部33cに前記シートフック27をガイドするように傾斜して上方に延びるガイド壁部33dと、車両前後方向で前記ガイド壁部33dとは反対側で前記底壁部33aおよび左右一対の前記側壁33bに連設されるケーブル支持壁部33eとを一体に有するように形成される。この実施の形態では、前記ガイド壁部33dは上方に向かうにつれて前方位置となるように傾斜して形成される。
前記係合部材29の直線的な作動は、前記ホルダ33の前記底壁部33aおよび左右一対の側壁部33bでガイドされるものであり、この係合部材29の係合位置側の一端部(この実施の形態では車両前後方向の前端部)に施錠爪28が一体に設けられ、該施錠爪28は、前記シートフック収容部33cに端壁部27aの一部が収容されたシートフック27の前記係止面32に、該係止面32がホルダ33の底壁部33aの上面と面一となったときに係合する。
しかも前記施錠爪28の少なくとも上部の前記ガイド壁部33d側に臨む上面28aは、この実施の形態では、上方に向かうにつれて後方位置となるように傾斜して形成されている。これにより、前記シートフック収容部33c側に施錠爪28の一部がはみ出していたとしても、降下してくるシートフック27が前記上面28aに当接することで、施錠爪28および係合部材29はシートフック27から押し退けられることになる。
前記付勢手段30は、前記乗車用シート16および前記シートフック27の前記開き位置から前記閉じ位置への作動に応じて生じる付勢力を前記係合位置側に向けて係合部材29に付与しつつ施錠爪28が係合した状態の前記シートフック27前記施錠爪30側に押圧する方向に向けて前記シートフック27に付与するように構成されるものであり、図3で明示するように、前記付勢手段30は、前記係合部材29の移動方向と直交する軸線を有して前記ホルダ33に支持される軸36を囲繞する左右2つのコイル部30aと、前記閉じ位置にある前記シートフック27に当接するシートフック付勢部30bとを有しつつ、前記係合部材29および前記ホルダ33間に設けられるねじりばねである。
前記シートフック付勢部30bは、左右2つのコイル部30aから前方に平行に延びる一対の連結部30cの前端に連なるものであり、略矩形状に形成される。また前記付勢手段30の一端部30dは係合部材29と一体の施錠爪28に係合部材29側から当接、係合され、前記付勢手段30の他端部30eはホルダ33における底壁部30aの前部に上方から当接、係合される。
また前記軸36は、前記係合部材29の底面29a近傍に配置されるようにして前記ホルダ33の側壁33bに支持されつつ凹部34内に一部が収容されるように配置される。一方、前記係合部材29に、前記付勢手段30の一部を収容する収容凹部37が形成されており、この収容凹部37は、係合部材29の前記シートフック収容部33c側の半部に配置される深凹部分37aと、係合部材29の残余の半部に配置される浅凹部分37bとから成る。
前記施錠爪28の下端部の幅方向中央部には、前記付勢手段30におけるシートフック付勢部30bに上方から負荷がかかっていない状態からシートフック付勢部30bに上方からシートフック27が当接してシートフック付勢部30bがわずかに押し下げられるまでは前記付勢手段30の左右一対の連結部30cを挿通させるようにした開口部38が設けられる。一方、前記シートフック収容部33cの前記底壁部33a側の端部における上部の幅方向中央部には、前記シートフック付勢部30bが押し下げられることで前記開口部38から前記連結部30cを受け入れるようにした開口部39が設けられる。また前記シートフック27における端壁部27aの前記付勢手段30側の端部には、該シートフック27の降下によって前記シートフック付勢部30bが図2で示すように押し下げられるときにシートフック付勢部30bの全体にわたって当接するようにして傾斜した当接面40が形成されるとともに、矩形状である前記シートフック付勢部30b内に突入する突部41が前記当接面40の中央部から一体に突設される。
ところで前記解錠操作装置25を解錠操作するときの操作力は、アウターケーブル43内にインナーケーブル44が移動自在に挿通されて成る操作ケーブル42によって前記係合部材29に入力されるものであり、車両ユーザによる解錠操作を可能とした解錠操作装置25から延出される操作ケーブル42が、前記係合部材29の前記係合解除位置側の他端部に連結される。
前記アウターケーブル43の前記シートロック装置24側の端部43aは、前記ホルダ33におけるケーブル支持壁33eに固定され、そのアウターケーブル43の端部43aから突出するインナーケーブル44の端部には、軸線を鉛直とした短円柱状の係合駒45が設けられ、この係合駒45が、前記係合部材29の上面に形成されたガイド凹部46内に、前記係合部材29への係合を可能として配置される。
前記ガイド凹部46は車両前後方向に長く伸びるようにして前記係合部材29の上面に形成されており、このガイド凹部46の長手方向の前記施錠爪28とは反対側の端部の左右両側面には、前記インナーケーブル44を貫通させるスリット47を相互間に形成する鍔部48が相互に近接する方向に突出するようにして一体に突設されており、前記係合駒45は、それらの鍔部48に係合可能である。
このようなシートロック装置24によれば、図5で示すように乗車用シート16が開き位置にある状態では、係合部材29には、付勢手段30の連結部30cが当接するとともに、付勢手段30の一端部30dが軸36の軸線まわりに相互に反対側から当接しており、それらの付勢力のバランスによって施錠爪28が収容凹部33c側に突出しないように係合部材29の位置が定められる。ここで乗車用シート16を開き位置から閉じ側に操作すると、図6で示すように、降下するシートフック27が付勢手段30のシートフック付勢部30bに上方から当接する。
シートフック27がさらに降下すると、シートフック付勢部30bが押し下げられ、係合部材29には施錠爪28をシートフック27側に移動させる付勢力が付勢手段30から作用し、シートフック27の係止面32がホルダ33の底壁部33aの上面と面一となったときに、図2で示すように、係合部材29は施錠爪28を係止面32に係合させるように係合位置まで移動し、乗車用シート16の閉じ状態がロックされる。この際、前記付勢手段30における前記シートフック付勢部30bは,係止面32が施錠爪28に係合する方向の付勢力をシートフック27の下端部の端壁部27aに付与することになる。このようなロック状態で前記操作ケーブル42の係合駒45は、係合部材29の鍔部48に施錠爪28側から当接もしくは近接する位置にある。
このロック状態で前記解錠操作装置25を操作して前記操作ケーブル42を牽引すると、図7で示すように、前記係合部材29が、前記シートフック27との係合を解除する係合解除位置まで移動する。この際、シートフック27には前記付勢手段30のシートフック付勢部30bが当接しており、この付勢手段30の弾発力によって前記シートフック27および前記乗車用シート16は開き位置側に向けてポップアップすることになる。
次にこの実施の形態の作用について説明すると、シートロック装置24が備える付勢手段30は、乗車用シート16およびシートフック27の開き位置から閉じ位置への作動に応じて生じる付勢力を係合位置側に向けて係合部材29に付与しつつ施錠爪28が係合した状態の前記シートフック27前記施錠爪28側に押圧する方向に向けて前記シートフック27に付与するように構成されるので、簡易な構造でシートロック状態を維持することが可能であり、車両ユーザの操作によって施錠爪28のシートフック27との係合を解除すると、付勢手段30からシートフック27に作用していた付勢力によって乗車用シート16を開き側にポップアップさせることができる。
また施錠爪28が、係合位置および係合解除位置間での直線的な作動を可能とした係合部材29の前記係合位置側の一端部に設けられ、車両ユーザによる解錠操作を可能とした解錠操作装置25から延出される操作ケーブル42が、係合部材29の前記係合解除位置側の他端部に連結されるので、係合部材29の作動のために必要とするスペースを小さくしてシートロック装置24のコンパクト化を図ることができるとともに、特に操作ケーブル42の係合部材29からの取り出し方向と、係合部材29の作動方向とを一致させてシートロック装置24を係合部材29の作動方向と直交する方向、この実施の形態では高さ方向でコンパクト化することができる。
また前記閉じ位置にある前記乗車用シート16の下方に、前記係合部材29のスライド作動をガイドするホルダ33が固定配置されており、シートロック装置24の一部を構成するホルダ33のコンパクト化を図ることができる。
また前記係合部材29に、前記付勢手段30の一部を収容する収容凹部37が形成されるので、シートロック装置24をよりコンパクト化することができる。
さらに前記付勢手段30は、前記係合部材29の移動方向と直交する軸線を有して前記ホルダ33に支持される軸36を囲繞するコイル部30aと、前記閉じ位置にある前記シートフック27に当接するシートフック付勢部30bとを有しつつ、前記係合部材29および前記ホルダ33間に設けられるねじりばねであるので、係合部材29およびシートフック27の双方にばね力を付与することができ、しかも軸36が、係合部材29の底面29a近傍に配置されるので、コンパクトなレイアウトが可能となる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱することなく種々の設変更を行うことが可能である。

Claims (5)

  1. 開き位置と閉じ位置との間で開閉可能な乗車用シート(16)に設けられるシートフック(27)と、そのシートフック(27)に係合可能な施錠爪(28)を有するとともに前記乗車用シート(16)が前記閉じ位置にある状態での前記シートフック(27)に前記施錠爪(28)を係合させる係合位置ならびに前記シートフック(27)との前記施錠爪(28)の係合を解除する係合解除位置間での作動を可能としつつ車両ユーザの操作に伴って前記係合位置から前記係合解除位置に駆動される係合部材(29)と、前記係合位置側に向けて前記係合部材(29)を付勢することを可能とした付勢手段(30)とを備え、前記乗車用シート(16)の前記閉じ位置側への移動に伴う前記シートフック(27)の作動に応じて前記係合部材(29)の前記施錠爪(28)を前記シートフック(27)に係合させるようにした車両用シートロック装置において、
    前記付勢手段(30)は、前記係合部材(29)の移動方向と直交する軸線を有して前記係合部材(29)のスライド作動をガイドするホルダ(33)に支持される軸(36)を囲繞するコイル部(30a)と、前記閉じ位置にある前記シートフック(27)に当接するシートフック付勢部(30b)とを有し、該付勢手段(30)は、前記乗車用シート(16)および前記シートフック(27)の前記開き位置から前記閉じ位置への作動に応じて生じる付勢力を前記係合位置側に向けて係合部材(29)に付与しつつ前記施錠爪(28)が係合した状態の前記シートフック(27)前記施錠爪(28)側に押圧する方向に向けて前記シートフック(27)に付与するように構成されることを特徴とする車両用シートロック装置。
  2. 前記施錠爪(28)が、前記係合位置および係合解除位置間での直線的な作動を可能とした前記係合部材(29)の前記係合位置側の一端部に設けられ、車両ユーザによる解錠操作を可能とした解錠操作装置(25)から延出される操作ケーブル(42)が、前記係合部材(29)の前記係合解除位置側の他端部に連結されることを特徴とする請求項1に記載の車両用シートロック装置。
  3. 前記ホルダ(33)は、前記閉じ位置にある前記乗車用シート(16)の下方に固定配置されることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用シートロック装置。
  4. 前記係合部材(29)に、前記付勢手段(30)の一部を収容する収容凹部(37)が形成されることを特徴とする請求項3に記載の車両用シートロック装置。
  5. 前記付勢手段(30)は、前記係合部材(29)および前記ホルダ(33)間に設けられるねじりばねであり、前記軸(36)が、前記係合部材(29)の底面(29a)近傍に配置されることを特徴とする請求項4に記載の車両用シートロック装置。
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