JP6524527B2 - 計測システム、計測処理装置及び計測方法 - Google Patents
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Description
図1は、本実施形態における計測システムの構成例を示している。同図に示される本実施形態の計測システムは、掘削工事が行われるトンネルの坑内において備えられる。また、本実施形態の計測システムは、トンネルの切羽、側壁などのトンネル坑内の壁面(トンネル壁面)の立体形状を計測し、壁面の立体形状の計測結果に基づいて掘削(変形の一例)が必要な箇所(掘削必要領域)を判定する。そして、計測システムは、判定した掘削必要領域の位置範囲を示す画像を、トンネル壁面に投射する。この際、投射画像における掘削必要領域の領域は、壁面における実の掘削必要領域と位置範囲が合致する状態で表示される。
ルータ300は、例えば無線LAN(Local Area Network)に対応する無線通信を介して通信機器間のルーティングを行う通信機器である。この場合のルータ300は、PC200と計測処理装置400とが無線通信経由で接続されるようにルーティングを行う。このようにルーティングが行われることで、計測処理装置400がトータルステーション100により計測された位置計測投射装置500の位置及び方向の情報をPC200、ルータ300を経由して受信することができる。
ここで、トンネル壁面の3次元形状を計測する計測装置には、3次元スキャナが用いられる。3次元スキャナは、測域センサとして2軸走査を行うことで3次元の空間データを計測することのできる装置である。本実施形態における位置計測投射装置500の3次元スキャナは、トンネル側壁の3次元形状を計測する。3次元スキャナによる3次元形状についての計測結果は、前述のように計測処理装置400が掘削必要領域を判定するのに利用される。
そこで本実施形態の計測処理装置400は、投射画像としてトンネル壁面に投射された段階の画像における掘削必要領域を、トンネル壁面における実の掘削必要領域と位置範囲を合致させるために、トンネル壁面の3次元形状に対応させて変形させた(歪ませた)投射用画像を生成する。
3次元スキャナ530は、図2(C)に示される矢印Yaで示す方向を計測方向として、計測対象範囲における3次元形状を計測する。
プロジェクタ540は、矢印Ybで示す方向を投射方向として画像を投射する。ここで、プロジェクタ540は、投射範囲が3次元スキャナ530の計測範囲とほぼ一致するように設定される。
例えば、計測システムにおけるトータルステーション100、PC200、ルータ300、計測処理装置400及び位置計測投射装置500の各装置は、それぞれ、同図に示されるようにトンネルTN内にて設置される。同図の例の場合、各装置は、作業にできるだけ支障が無いように、また、重機などと重なることなく計測がしやすいように壁面寄りに設置されている。なお、同図における各装置の配置は一例であり、トンネルTNの坑内の重機、機材の配置などの状況に応じて適宜異なる。
本実施形態において、トンネルTNの坑内の位置は、3軸の直交座標系(x,y,z)により表される。同図の例では、x軸はトンネルTNの坑内における幅方向に対応し、y軸はトンネルTNの坑内の延伸方向に対応し、z軸はトンネルTNの坑内における鉛直方向に対応する。
また、本実施形態においては、投射用画像の生成にあたり、プロジェクタのレンズを原点とする直交座標系(ξ,η,ζ)が用いられる。
同図においては、トンネルの側壁面に対して鋼製の支保工TMが設けられた場合を示している。この場合において、位置計測投射装置500は、固定具のマグネットMGを磁力で支保工に固定させ、フレキシブルアームAMを調整して、開口部511が所望の方向に向くように位置計測投射装置500の向きを調整する。
即ち、この場合には図示するように位置計測投射装置500を三脚FTに固定したうえで、三脚FTごと位置計測投射装置500を動かして開口部511が所望の方向を向くように調整する。
まず、作業者は、現場での計測システムの使用に先立って、事前に、プロジェクタ540により予め定めた規定の投射画像サイズが得られる投射距離Lを算出する。投射距離Lを算出する工程は、トンネルTNの坑内にて行われなくともよい。むしろ、外部からの振動や接触などの外的要因が少ない室内などで行われることが好ましい。
生成された投射用画像Ppcsはプロジェクタ540に入力され、プロジェクタ540は、投射用画像Ppcsを投射平面PLに投射させる(図6(A)、図6(B))。ここで、投射平面PLは、例えばスクリーンなどであればよい。
このように投射距離Lを求めることで、プロジェクタ540の仕様等の相違にかかわらず事前に適切な投射距離Lを把握できる。
上記のように計測された位置計測投射装置500の位置及び方向の情報(計測投射位置方向情報)は、トータルステーション100から、PC200、ルータ300の通信を経由して計測処理装置400に送信される。計測処理装置400は、送信された計測投射位置方向情報を取得する。
このように計測処理装置400に計測投射位置方向情報を取得させる工程は、現場(トンネルTNの坑内)における計測システムについての初期設定の工程に含まれる。
本実施形態においては、作業者が掘削ガイド動作の開始を指示する操作を行うことに応じて、計測処理装置400の制御によって掘削ガイド動作が行われる。
計測対象範囲OBJとしてはトンネルTNの壁面部分であればよく、特に制限はない。具体的には、計測対象範囲OBJとしてのトンネルTNの壁面部分は、トンネルTNの坑内における切羽の部分であってもよいし、左右の側壁のいずれかであってもよい。さらには、計測対象範囲OBJとしてのトンネルTNの壁面部分は、切羽から左側壁または右側壁の少なくともいずれかにわたってまたがっていてもよい。
3次元形状の計測にあたり、3次元スキャナ530は、図7(B)に示される計測点MPごとの座標(位置)を計測する。計測点MPは、同図に示すように計測対象範囲OBJに対してマトリクス状に一定間隔で配置されるように設定される。3次元スキャナ530は、計測点MPごとに計測した座標値の情報を、計測対象範囲位置情報として計測処理装置400に出力する。
同図において、判定対象となる計測点MPについて計測された位置は、点P(x1、y1、z1)として表されている。また、同図において、点Q(x2、y1、z2)は、トンネルTNの坑内の延伸方向において定められた中心を通る線上に位置し、点Pと同じトンネルTNの断面において、トンネルTNの坑内の延伸方向において設定された中心位置を通る線上に位置する基準点である。
c<d−e・・・(式2)
d−e≦c≦d+e・・・(式3)
c>d+e・・・(式4)
式3が成立する場合、点Qから点Pまでの実際の距離は、最長で誤差eの分だけ掘削半径dより長くなるが、最短では(d−e)の長さにまで短くなる可能性がある。本実施形態においては、掘削半径d未満となる状態の掘削箇所の存在は許容されないが、掘削半径dを或る程度越えた状態の掘削は許容される。そこで、計測処理装置400は、式3が成立する場合には掘削が必要であると判定する。
また、式4が成立する場合、点Qから点Pまでの実際の距離は、誤差eを考慮して短めに見積もったとしても掘削半径dより長いということがいえる。そこで、計測処理装置400は、式4が成立する場合には掘削が不要であると判定する。
このように、本実施形態の計測処理装置400によっては、3次元スキャナ530によって計測点MPごとに測定された位置(座標)について、掘削が必要であるか否かについての判定が行われる。
図9を参照して、本実施形態の計測処理装置400による掘削必要領域の判定手法例について説明する。図9(A)は、同図では、計測対象範囲において、3×3による9個の計測点MPが存在する単位計測対象範囲OBJuの一部を抜き出して示している。単位計測対象範囲OBJuにおいては、互いに隣接する3つの計測点MPを含む1つの実掘削必要領域PTが存在している。ここで、白抜きの四角形による計測点MPは、未だ掘削の要否判定が行われていないことを示す。
計測処理装置400は、計測点MPのうちから選択した1つの注目点と、当該注目点に隣接する隣接点とのそれぞれについて、前述のように掘削要否判定を行う。図9(B)においては、9つの計測点のうち、中央の計測点MPを注目点とし、注目点に隣接する周囲の8つの計測点MPを隣接点として、これら注目点及び隣接点について掘削要否判定を行った結果が示されている。
ここで、同図及び以降の図10〜図13の説明にあたり、白抜きの三角形による計測点MPは、掘削が必要と判定された注目点を示す。また、同図においては示されていないが、黒色の三角形による計測点MPは、掘削が不要と判定された注目点を示す。また、白い丸による計測点MPは、掘削が必要と判定された隣接点を示す。黒い丸による計測点MPは、掘削が不要と判定された隣接点を示す。
同図では、注目点としての計測点MPと2つの隣接点としての計測点MPとを結んだことによる三角形の単位掘削必要領域DARuが形成される。
図13(A)においては、計測対象範囲OBJの一例が示されている。同図の計測対象範囲OBJにおいては、2つの実掘削必要領域PT1、PT2が存在している。また、同図の計測対象範囲OBJに対しては5行×10列による50個の計測点MPが配置されている。
図13(B)においては、1行1列の位置の計測点MPを注目点とし、隣接する1行2列、2行1列、2行2列の各位置の3つの計測点MPを隣接点として掘削必要判定を行った結果が示されている。
この場合、1行1列の位置の注目点は掘削不要と判定され、1行2列及び2行1列の各位置の隣接点は掘削不要と判定され、2行2列の位置の隣接点は掘削が必要であると判定される。なお、この段階においては、掘削が必要と判定された計測点MPは、2行2列の位置の1つのみであるため、掘削必要領域DARは形成されない。掘削必要領域DARの形成には、3以上の掘削が必要と判定された計測点MPが必要である。
ここで、1行1列、1行2列、2行1列、2行2列の各位置の計測点MPは、図13(B)に示したように、1行1列の計測点を注目点とした段階で掘削要否判定が完了している。従って、図13(C)の段階では、隣接点である2行3列、3行3列のそれぞれに対応する2つの計測点MPを要否判定対象として掘削要否判定を行えばよい。2行3列、3行3列の隣接点としての各計測点MPについては、それぞれ、掘削が必要と判定される。
ここまでの段階で、1行2列、2行2列及び2行3列の各位置における3つの計測点MPについて掘削が必要であると判定されたことになる。そこで、計測処理装置400は、これら3つの計測点MPを結ぶことにより、同じ図13(C)に示すように、単位掘削必要領域DARuを形成する。このように形成される単位掘削必要領域DARuは、2行2列の計測点MPを注目点とした場合に対応するものであり、また、実掘削必要領域PT1の一部領域に対応する。
同図に示されるように、ここまで掘削要否判定が行われた段階では、実掘削必要領域PT1に対応しては、掘削必要領域DAR1が形成されている。掘削必要領域DAR1は、これまでに実掘削必要領域PT1に対応して掘削が必要と判定された10個の計測点MPに基づいて形成された複数の単位掘削必要領域の集合により形成されたものである。
また、実掘削必要領域PT2に対応しては、掘削必要領域DAR2が形成されている。掘削必要領域DAR2は、これまでに実掘削必要領域PT2に対応して掘削が必要と判定された4個の計測点MPに基づいて形成された複数の単位掘削必要領域の集合により形成されたものである。
このようにして計測処理装置400は、3次元スキャナ530により計測された計測点MPごとの位置(座標)に基づいて、計測対象範囲OBJにおける掘削必要領域DARを形成することができる。
ここで、前述のようにトンネルTNの壁面は一般的なスクリーンのような平面ではなく、凹凸や湾曲などにより変形している。このために、投射画像における掘削必要領域を、実際のトンネルTNの壁面における掘削必要箇所の位置範囲に合致させるためには、投射用画像について、通常の四角形の形状からトンネル壁面の形状に対応させて歪ませればよい。
図14においては、座標A1(ξ1,η1,ζ1)と座標A’1(L,y1,z1)との関係が明示的に示されている。また、図15においては、或る1つの任意の座標Ai(ξi,ηi,ζi)と座標A’i(L,yi,zi)との関係が示されている。
なお、原点0の座標は、3次元スキャナ530の計測基準点及びプロジェクタ540のレンズ位置に対応する。3次元スキャナ530の計測基準点とプロジェクタ540のレンズ位置とは物理的に異なる。そこで、計測処理装置400は、掘削必要領域画像Pdarの生成にあたり、3次元スキャナ530の計測基準点とプロジェクタ540の投射レンズの位置との差分に基づいて、両者の座標が原点0として一致するように設定する。
このことから、掘削必要領域DARにおける任意の座標Ai(ξi,ηi,ζi)に対応する掘削必要領域画像Pdarの垂直方向における座標ziは、三角形の相似を用いて以下の式5により求められる。同様に、掘削必要領域画像Pdarの水平方向における座標yiは、三角形の相似を用いて以下の式6により求められる。
ここで、3次元スキャナ530の測定基準と投射レンズとはほぼ一致するようにされている。このため、プロジェクタ540が投射用画像Ppcsを投射することでトンネルTNの壁面にて表示される投射画像における掘削必要領域画像Pdarは、実掘削必要領域PTに対応する位置に存在する状態となる。そのうえで、掘削必要領域画像Pdarは、前述のように、掘削必要領域DARの形状に応じて歪みが与えられている。このために壁面に表示される投射画像に含まれる掘削必要領域画像Pdarの部分は、実掘削必要領域PTに対して位置や形状が大きくずれることなく、実掘削必要領域PTの位置範囲にほぼ合致した状態となる。
そして、作業者は、実掘削必要領域PTに対して掘削必要領域画像Pdarが表示された状態のまま、実掘削必要領域PTに対応する箇所の掘削作業を行えばよい。この際、掘削必要領域画像Pdarが表示されていることから作業箇所を把握する際の目安となり、的確かつ効率よく作業を進めることができる。
ここで、計測対象範囲OBJにおいて掘削が必要な箇所が残っている場合、計測処理装置400により前回とは異なる形状の掘削必要領域DARが形成され、形成された掘削必要領域DARに対応して生成された投射用画像が再度投射される。作業者は、壁面に表示された投射画像における掘削必要領域画像Pdarの部分を確認し、さらに掘削作業を行えばよい。
そして、再度、3次元スキャナ530による3次元形状の計測と、計測処理装置400による掘削必要領域DARの形成を行わせた結果、掘削必要領域DARが形成されなかったのであれば、計測対象範囲OBJにおいて掘削が必要な箇所が残っていないことになる。この場合、作業者は、計測対象範囲OBJについての掘削作業が完了したとして、次の計測対象範囲OBJを対象として同様に掘削作業を行っていけばよい。
なお、時間監視部406は、後述の第2実施形態において備えられる機能部であることから、ここでの説明は省略する。
なお、同図においては、図1においてトータルステーション100と計測処理装置400との間で通信を介在するPC200とルータ300についての図示を省略している。
掘削必要領域判定部403は、先に図6〜図13により説明したようにして掘削必要領域を判定する。つまり、掘削必要領域判定部403は、計測結果取得部402により取得された計測対象範囲位置情報における計測点MPごとの座標値を利用して、注目点として順次設定した計測点MPごとに対応して単位掘削必要領域DARuを形成していき、形成された単位掘削必要領域DARuの集合により、実掘削必要領域PTに対応する掘削必要領域DARを形成する。このように、掘削必要領域判定部403は、掘削必要領域DARを形成することを以て、計測対象範囲OBJにおいて掘削必要領域DARの有ることを判定する。また、掘削必要領域判定部403は、掘削必要領域DARが形成されなかった場合には、計測対象範囲OBJにおいて掘削必要領域DARが無いと判定する。
画像出力部405は、画像生成部404により生成された投射用画像Ppcsをプロジェクタ540に出力し、プロジェクタ540により投射用画像Ppcsが投射されるようにする。プロジェクタ540が、画像出力部405から入力された投射用画像Ppcsを投射することで、トンネルTNの壁面には投射画像Pprjが表示される。この際、投射画像Pprjにおける掘削必要領域画像Pdarは、実掘削必要領域PTに対して位置範囲が合致する状態で表示されている。
まず、作業者は、図6にて説明したように、プロジェクタ540により予め定めた規定の投射画像サイズが得られる投射距離Lを算出する(ステップS101)。
次に、作業者は、例えば図3〜図5により説明したように、本実施形態の計測システムを構成する各装置をトンネルTNの坑内に設置する(ステップS102)。
次に、作業者は、トータルステーション100を用いて、位置計測投射装置500の位置と方向を計測する(ステップS103)。
計測処理装置400において、位置方向情報取得部401は、ステップS103により計測された位置計測投射装置500の位置と方向とを示す計測投射位置方向情報を、トータルステーション100から取得する(ステップS111)。
次に、計測結果取得部402は、3次元スキャナ530に計測対象範囲OBJの3次元形状の計測を実行させる(ステップS112)。なお、3次元スキャナ530に計測を実行させるにあたっては、計測処理装置400の制御によらず、作業者が3次元スキャナ530を操作することによって行われるようにしてもよい。
3次元スキャナ530は、計測結果として、計測対象範囲OBJにおける計測点MPごとの座標(位置)を得る。そこで、計測結果取得部402は、計測点MPごとの座標値を含む計測対象範囲位置情報を3次元スキャナ530から取得する(ステップS113)。
次に、掘削必要領域判定部403は、ステップS114により設定した注目点に応じて要否判定対象とされた計測点MPのそれぞれについて掘削要否判定を行う(ステップS115)。要否判定対象となる計測点MPは、図13にて説明したように、注目点及び注目点に隣接する隣接点としての各計測点MPのうち、未だ掘削要否判定が行われていない計測点MPである。
掘削必要領域判定部403は、ステップS115による掘削要否判定の結果に基づいて、対応の単位計測対象範囲OBJuにおける単位掘削必要領域DARuを形成する(ステップS116)。ただし、単位計測対象範囲OBJuにおいて掘削が必要であると判定された計測点MPの数が3未満である場合には、ステップS116にて単位掘削必要領域DARuは形成されない。
次に、掘削必要領域判定部403は、ステップS116により形成された単位掘削必要領域DARuがこれまでにおいて形成されていると連結可能であれば、連結を行う(ステップS117)。
全ての計測点MPについての掘削要否判定が完了していない場合(ステップS118−NO)、掘削必要領域判定部403は、ステップS114に処理を戻す。これにより、次の注目点としての計測点MPが設定され、新たな要否判定対象の計測点MPについての掘削要否判定と、掘削要否判定結果に応じた単位掘削必要領域DARuの形成と、これまでに形成されている掘削必要領域DARへの単位掘削必要領域DARuの連結が行われる。このようにして、ステップS114〜S117の処理が繰り返されていくことで、実掘削必要領域PTに対応する形状に近づいていくようにして掘削必要領域DARが形成されていく。
そして、画像出力部405は、ステップS120により生成された投射用画像Ppcsをプロジェクタ540に出力する(ステップS121)。
そこで、作業者は、表示された掘削必要領域画像Pdarをガイドとして掘削すべき箇所を判断し、掘削作業を行う(ステップS105)。そして、例えば或る時間にわたって掘削作業を行った後、作業者は、例えば計測処理装置400に対して操作を行い、計測処理装置400にステップS112以降の処理を再開させる。
このようにステップS105による掘削の工程とともに、計測処理装置400によるステップS112〜S121の処理が繰り返されるうちに、或る段階にてステップS119にて掘削必要領域DARが形成されなくなった(掘削必要領域DARが無い)ことが判定されることになる。この場合、対応の計測対象範囲OBJについては掘削が完了したとして、同図の工程が完了する。
続いて、第2実施形態について説明する。本実施形態においては、3次元スキャナ530による測定から測定結果に基づく掘削必要領域DARの判定と掘削必要領域画像Pdarを含む投射用画像の投射までの工程が、掘削必要領域DARの無いことが判定されるまで一定時間ごとに繰り返し実行される。
時間監視部406は、一定時間ごとに3次元スキャナ530による計測が行われるように制御を行う。このために、時間監視部406は、一定時間が経過するごとに、計測結果取得部402に計測対象範囲位置情報の取得を指示する。
指示を受けた計測結果取得部402は、3次元スキャナ530による計測を実行させ、計測結果としての計測対象範囲位置情報を取得する。そして、掘削必要領域判定部403、画像生成部404及び画像出力部405は、計測結果取得部402により計測対象範囲位置情報が取得されたことに応じて、それぞれの処理を実行する。
上記のような処理が行われることで、本実施形態においては、一定時間ごとに掘削必要領域DARについての判定結果が更新され、これに伴って、掘削必要領域画像Pdarとして更新された判定結果が反映されるように投射画像Pprjの表示も更新される。なお、3次元スキャナ530が計測を開始してから掘削必要領域DARについての判定が行われ、投射画像Pprjの表示が更新されるまでには1分ほどを要する。
図19は、投射画像Pprjにおいて3次元スキャナ530による次の計測が開始されるまでの時間を表示させる態様の一例を示している。同図の例では、掘削必要領域画像Pdarにおいて、3次元スキャナ530による次の計測が開始されるまでの残り時間が2分15秒であることが示されている。時間経過にしたがって、掘削必要領域画像Pdarにおいて示される残り時間は少なくなっていく。作業者は、表示される残り時間を確認しながら掘削作業を行い、残り時間が「0」となるまでに掘削作業を中断させることができる。
このようにすれば、作業者が時計を見ながら3次元スキャナ530による次の計測が開始されるまでの残り時間を把握する必要はなくなり、作業効率を向上させることができる。
なお、図18においてステップS101〜S103として示した、投射距離Lの算出、計測システムの設置、トータルステーション100を用いた位置計測投射装置500の位置及び方向の測定の各工程は、本実施形態においても、同図の掘削ガイド動作対応処理(ステップS104A)が実行される前の段階にて行われる。
作業者は、計測時間間隔の値を指定する操作を行う。作業者は、例えばトンネルTNの坑内の壁面の硬さなどの状況を考慮して、例えば一回の計測に対応する掘削作業に適した時間長を決定し、決定した時間長に応じて計測時間間隔を決定すればよい。
時間監視部406は、操作によって指定された時間間隔の値を計測時間間隔として入力する。
まず、計測処理装置400における時間監視部406は、ステップS132により入力した計測時間間隔に応じたタイマ値が設定されるようにタイマをリセットしたうえで、タイマを起動し、タイマ値のダウンカウントを実行する(ステップS133)。
そして、ステップS141において掘削必要領域DARの形成されたことが判定された場合には、画像生成部404は投射用画像Ppcsの生成を開始する(ステップS142)。画像生成部404は、投射用画像Ppcsの生成にあたり、掘削必要領域DARの形状に応じて掘削必要領域画像Pdarを歪ませるとともに、現在においてタイマがカウントしているタイマ値に応じた残り時間の画像を合成する。
そして、画像出力部405は、ステップS141により生成された投射用画像Ppcsの出力を開始する(ステップS143)。これにより、以降において、図19に例示したように、次の3次元スキャナ530の計測開始までの残り時間が示される投射画像Pprjの表示が開始され、時間経過に応じて投射画像Pprjにおける残り時間が少なくなっていく。
作業者は、ステップS142により更新された投射画像Pprjの表示が開始され、表示される残り時間が「0」となるまでの間に掘削作業を進める。
そして、対応の計測対象範囲OBJにおける実掘削必要領域PTの掘削が完了すると、ステップS140において掘削必要領域DARが形成されなかったことが判定され、同図の処理が終了される。この場合にも、ステップS140にて掘削必要領域DARが形成されなくなったことが判定された場合には、対応の計測対象範囲OBJについての掘削が完了したことを作業者に通知するメッセージの画像がプロジェクタ540により投射されるようにしてもよい。
また、本実施形態の構成は、曲面切羽のような複雑な形状の掘削に対しても有効である。
さらに本実施形態の構成は、トンネルにおける壁面の管理だけではなく、例えば盛り土の工程にも有効に適用できる。
Claims (6)
- 3次元形状を計測する3次元スキャナと、計測処理装置と、入力された画像を投射する投射装置とを備え、
前記計測処理装置は、
前記3次元スキャナにより計測された計測対象範囲の3次元形状に基づいて、前記計測対象範囲において変形が必要な変形必要領域を判定する変形必要領域判定部と、
前記計測対象範囲に投射した際に、投射により表示された投射画像に含まれる前記変形必要領域の画像が実の変形必要領域の位置範囲と合致するように形状に歪みを与えた変形必要領域の画像を含む投射用画像を生成する画像生成部と、
前記画像生成部により生成された投射用画像が投射装置により投射されるように出力する画像出力部とを備える
計測システム。 - 前記画像生成部は、
前記変形必要領域判定部により変形必要領域の無いことが判定された場合には、前記変形必要領域の画像を含む投射用画像の生成を行わない
請求項1に記載の計測システム。 - 前記変形必要領域判定部は、
一定の時間間隔ごとに前記3次元スキャナが計測した計測対象範囲の3次元形状に基づいて変形必要領域を判定し、
前記画像生成部は、
前記変形必要領域判定部により一定の時間間隔ごとに変形必要領域が判定されることに応じて前記投射用画像を生成する
請求項1または2に記載の計測システム。 - 前記画像生成部は、3次元スキャナによる次の計測が開始されるまでの時間を示す前記投射用画像を生成する
請求項3に記載の計測システム。 - 3次元スキャナにより計測された計測対象範囲の3次元形状に基づいて、前記計測対象範囲において変形が必要な変形必要領域を判定する変形必要領域判定部と、
前記計測対象範囲に投射した際に、投射により表示された投射画像に含まれる前記変形必要領域の画像が実の変形必要領域の位置範囲と合致するように形状に歪みを与えた変形必要領域の画像を含む投射用画像を生成する画像生成部と、
前記画像生成部により生成された投射用画像が投射装置により投射されるように出力する画像出力部と
を備える計測処理装置。 - 3次元スキャナにより計測対象範囲の3次元形状を計測する形状計測ステップと、
前記形状計測ステップにより計測された計測対象範囲の3次元形状に基づいて、前記計測対象範囲において変形が必要な変形必要領域を判定する変形必要領域判定ステップと、
前記計測対象範囲に投射した際に、投射により表示された投射画像に含まれる変形必要領域の画像が実の変形必要領域の位置範囲と合致するように形状に歪みを与えた変形必要領域の画像を含む投射用画像を生成する画像生成ステップと、
前記画像生成ステップにより生成された投射用画像を投射装置により投射する投射ステップと
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