JP6773280B2 - トンネル掘削の管理方法および管理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、3Dスキャナを用いたトンネル掘削の管理方法および管理装置に関するものである。
従来、施工中の山岳トンネルでは、内空変位や沈下の計測、鋼製支保工の建込み位置の指示等はトータルステーションにより行われており、トータルステーションの自己位置は、座標が既知である2箇所に設置したプリズムの位置計測結果から推定している(例えば、特許文献1を参照)。
上記の方法はプリズム同士やプリズムとトータルステーションの距離が近すぎると、自己位置の推定に大きい誤差が含まれやすいため、各機材の距離をある程度取らなければならず、プリズムや機材を設置する箇所に制約があるという課題がある。
こうしたトンネル掘削の管理技術に関して、本出願人は「3Dスキャナとプロジェクタを組み合わせたトンネル掘削の管理方法」を既に提案している。この方法は、位置座標が既知であるトータルステーションを用いて、プリズムを2個設置した3Dスキャナの位置を計測することにより3Dスキャナに位置座標を与えるものである。
特開2003−262090号公報
上記の方法は位置座標が既知であるトータルステーションが必要であるということ、トータルステーションに位置座標を与えなければならないということ、3Dスキャナに設置するプリズムが必要であるということ、そのプリズムの位置計測を行わなければならないという問題があった。
さらに、3Dスキャナに設置したプリズム同士の距離が、トータルステーションの自己位置推定を行うためにトンネル内に設置しているプリズム同士の距離に比べ近いため、3Dスキャナの位置推定に大きい誤差が含まれやすいという問題があった。
このため、施工中のトンネル内においてトータルステーションを用いずに、3Dスキャナの位置計測結果から3Dスキャナの自己位置の推定を行える技術の開発が求められていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、3Dスキャナの位置計測結果から3Dスキャナの自己位置の推定を行うようにしたトンネル掘削の管理方法および管理装置を提供することを目的とする。
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るトンネル掘削の管理方法は、掘削面の3次元位置データを取得して施工中のトンネルの位置計測を行う3Dスキャナと、3Dスキャナの計測結果から3Dスキャナの自己位置を推定するための演算を行う演算装置と、3Dスキャナの設置姿勢を制御するために、3Dスキャナの傾斜を計測する傾斜計とを備えた管理装置を用いてトンネル掘削を管理する方法であって、3Dスキャナをトンネル内に所定の姿勢で設置した後、3Dスキャナでトンネル内を位置計測するステップと、3Dスキャナによる位置計測結果から、トンネルの座標系における3Dスキャナのセンサー中心位置の座標値を推定するステップとを備えることを特徴とする。
また、本発明に係る他のトンネル掘削の管理方法は、上述した発明において、トンネル内の既知の座標値を利用して、トンネルの座標系における3Dスキャナのセンサー中心位置の座標値を推定することを特徴とする。
また、本発明に係るトンネル掘削の管理装置は、掘削面の3次元位置データを取得して施工中のトンネルの位置計測を行う3Dスキャナと、3Dスキャナの計測結果から3Dスキャナの自己位置を推定するための演算を行う演算装置と、3Dスキャナの設置姿勢を制御するために、3Dスキャナの傾斜を計測する傾斜計とを備えた管理装置を用いてトンネル掘削を管理する装置であって、トンネル内に所定の姿勢で設置された3Dスキャナでトンネル内を位置計測し、3Dスキャナによる位置計測結果から、トンネルの座標系における3Dスキャナのセンサー中心位置の座標値を推定することを特徴とする。
また、本発明に係る他のトンネル掘削の管理装置は、上述した発明において、トンネル内の既知の座標値を利用して、トンネルの座標系における3Dスキャナのセンサー中心位置の座標値を推定することを特徴とする。
本発明に係るトンネル掘削の管理方法によれば、掘削面の3次元位置データを取得して施工中のトンネルの位置計測を行う3Dスキャナと、3Dスキャナの計測結果から3Dスキャナの自己位置を推定するための演算を行う演算装置と、3Dスキャナの設置姿勢を制御するために、3Dスキャナの傾斜を計測する傾斜計とを備えた管理装置を用いてトンネル掘削を管理する方法であって、3Dスキャナをトンネル内に所定の姿勢で設置した後、3Dスキャナでトンネル内を位置計測するステップと、3Dスキャナによる位置計測結果から、トンネルの座標系における3Dスキャナのセンサー中心位置の座標値を推定するステップとを備えるので、トータルステーションを用いずに、3Dスキャナの位置計測結果から3Dスキャナの自己位置の推定を行うことができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他のトンネル掘削の管理方法によれば、トンネル内の既知の座標値を利用して、トンネルの座標系における3Dスキャナのセンサー中心位置の座標値を推定するので、推定処理の効率を上げることができるという効果を奏する。
また、本発明に係るトンネル掘削の管理装置によれば、掘削面の3次元位置データを取得して施工中のトンネルの位置計測を行う3Dスキャナと、3Dスキャナの計測結果から3Dスキャナの自己位置を推定するための演算を行う演算装置と、3Dスキャナの設置姿勢を制御するために、3Dスキャナの傾斜を計測する傾斜計とを備えた管理装置を用いてトンネル掘削を管理する装置であって、トンネル内に所定の姿勢で設置された3Dスキャナでトンネル内を位置計測し、3Dスキャナによる位置計測結果から、トンネルの座標系における3Dスキャナのセンサー中心位置の座標値を推定するので、トータルステーションを用いずに、3Dスキャナの位置計測結果から3Dスキャナの自己位置の推定を行うことができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他のトンネル掘削の管理装置によれば、トンネル内の既知の座標値を利用して、トンネルの座標系における3Dスキャナのセンサー中心位置の座標値を推定するので、推定処理の効率を上げることができるという効果を奏する。
図1は、本発明に係るトンネル掘削の管理方法および管理装置の実施の形態を示す概略構成図である。 図2は、3Dスキャナの設置例を示す図であり、(a)は三脚に設置する場合、(b)は架台に設置する場合である。 図3は、トンネル内における機材の設置状況を示す図であり、(a)はxy断面図、(b)は正面図、(c)はxz断面図である。 図4は、本実施の形態の概略フローチャートを示す図である。 図5は、図3のように3Dスキャナを設置した場合に得られる点群データを示す図である。 図6は、点群データの投影を示す図であり、(a)はx、y軸の方向とξ、η軸の方向が一致している場合、(b)はx、y軸の方向とξ、η軸の方向が一致していない場合である。 図7は、点群データの処理を示す図であり、(a)は点群データが欠損箇所を含む場合、(b)は点群データの計測間隔が異なる場合である。 図8は、累積数が閾値以上となるグリッドの総数を用いる評価方法を示す図であり、(a)はx、y軸の方向とξ、η軸の方向が一致している場合、(b)はx、y軸の方向とξ、η軸の方向が一致していない場合である。 図9は、支保パターンの例を示す図である。 図10は、切羽近傍に3Dスキャナを設置した場合の位置計測結果の例を示す図である。 図11は、マーカー設置状況を示す図である。 図12は、3Dスキャナによるマーカーの位置計測結果の例を示す図である。
本発明は、施工中のトンネル内においてトータルステーションを用いずに、3Dスキャナの位置計測結果から3Dスキャナの自己位置の推定を行うことを目的とした発明である。従来の方法では座標が既知である2箇所に設置したプリズムの位置をトータルステーションで計測し、自己位置推定済みのトータルステーションを用いて、3Dスキャナを設置しプロジェクタを格納した保護容器に設置した2個のプリズムの位置計測を行い、3Dスキャナの位置推定を行う必要があった。これに対し、本発明によれば、保護容器に設置するプリズムやトータルステーションを用いずに、3Dスキャナの位置計測結果から自己位置推定をすることができ、使用する機材やトータルステーションの自己位置推定という手間を削減することができる。
以下に、本発明に係るトンネル掘削の管理方法および管理装置の実施の形態を図面に基づいて、施工中の山岳トンネル内に機材を設置した場合を例にとり詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
図1に示すように、本発明に係るトンネル掘削の管理装置100は、掘削面の3次元位置データを取得して施工中のトンネルの位置計測を行う3Dスキャナ1と、3Dスキャナ1の計測結果から自己位置推定を行うための演算装置2と、3Dスキャナ1の上部に互いに直交する方向に設置され、3Dスキャナ1のξ、η軸が水平方向に、ζ軸が鉛直方向になるように3Dスキャナ1を設置するために各方向の傾斜を計測する傾斜計3とからなる。
3Dスキャナ1は対象物の位置計測を行った際に、3次元の位置情報を持った点群データを取得できる。これは3Dスキャナ1の位置計測センサー4の中心を原点Oとし、Oを通るξ、η、ζ軸からなる直交座標系をもとにした情報である。
図2に示すように、3Dスキャナ1は三脚5を用いてトンネルTの坑内に設置、または磁石6と架台7を用いて坑壁の鋼製支保工10に設置する。図3に示すように、この際に3Dスキャナ1は傾斜計3を用いてξ、η軸が水平方向に、ζ軸が鉛直方向になるように設置する。
一方、図3に示すように、トンネルTはx、y、zの直交座標系をもとに施工が行われていると仮定する。またξ、η軸はx、y軸に対してθ(°)傾いていると仮定する。
図4に、本発明による3Dスキャナの自己位置推定方法の手順を示す。最初に傾斜計3を用いて3Dスキャナ1のξ、η軸が水平になるように設置する。3Dスキャナの設置後、3Dスキャナでトンネル内の位置計測を実施すると(ステップS1)、図5のような点群データが得られる。
次に、トンネルのx、y軸の方向とξ、η軸の方向の傾きθを求めるために、上記の点群データを仮想の面に投影し、面のグリッドに累積される点の数dを求める。この方法は、トンネルが円筒状の形をした構造物であることを利用したトンネルの座標軸と3Dスキャナのセンサーの座標軸の傾きを求める方法である。
θは以下の手順により求める。図6に示すように、ξ軸に垂直な仮想の面に向けてξ軸方向から各点を投影し、グリッドに累積される点の数dとその最大値dmaxを求める(ステップS2)。その後、計測結果をζ軸回りに任意の角度Δθ(°)回転させ(ステップS8)、dとdmaxを求める。この作業をθ=−90〜90°の範囲内で行う(ステップS3)。図6(a)はx、y軸の方向とξ、η軸の方向が一致している場合の投影結果、図6(b)はx、y軸の方向とξ、η軸の方向が一致していない場合の投影結果を示している。θ−dmax関係からdmaxが最大となるθがξ、η軸に対するx、y軸の傾きである。
ただし、点群データが欠損している箇所や、点群の間隔が異なる箇所を含んでいる等、点群の分布に偏りがある場合は、適切でない方向においてdmaxが得られる場合があるため、図7に示すように、事前に点群は一定間隔に間引く、更には、評価対象の点群の領域を限定する等の処置を行うこととする。
また、上記評価に加えて、図8に示すように、累積数の閾値dlim以上となるグリッドの数Nを評価指標として、Nが最大になるθを求める角度とする評価方法を選択することもできる。これらの処置・評価は、計測対象の形状や計測結果によって選ぶものとする。
次に、θを用いた下記の式(1)の回転行列により、計測点(Ξi,Ηi,Ζi)をζ軸周りに回転し、点(ξi,ηi,ζi)に変換を行う。これにより、ξ、η軸とx、y軸の方向を一致させることができる(ステップS4)。
Figure 0006773280
次に、3Dスキャナの位置計測結果を用いて円の最小二乗法により、3Dスキャナのセンサーの中心の座標が、トンネルの横断面(yz平面)上でどの位置に存在するかを算出する(ステップS5)。位置計測結果はトンネルの軸と3Dスキャナのセンサーの軸の傾きを求める際に使用した位置計測結果を使用する。山岳トンネルの支保は一部の曲率が一定であるため、その部分の位置計測結果を円の最小二乗法に使用する。本自己位置推定例では、図9に示すように、上半支保工と下半支保工の片側の曲率が一定である支保パターンの山岳トンネルを仮定する。例えば上半支保工の位置計測結果を用いて、アーチの中心座標とアーチの半径を求める場合、3Dスキャナの位置計測結果からアーチの中心座標が求まると、その中心座標と3Dスキャナのセンサーの中心座標との相対関係が求まる。
一般にηζ平面上に存在し、中心の座標が(a,b)、半径rの円の方程式は式(2)で表される。
Figure 0006773280
円の最小二乗法では式(1)の右辺を0となるように変形し、2乗の総和を求める(式(3))。
Figure 0006773280
式(3)を展開すると式(4)が得られる。
Figure 0006773280
ただし、
Figure 0006773280
Figure 0006773280
Figure 0006773280
式(4)をA、B、Cについて偏微分すると、
Figure 0006773280
Figure 0006773280
Figure 0006773280
行列を用いて式(8)〜(10)を解くと、
Figure 0006773280
となり、A、B、Cが求まる。式(5)〜(7)にA、B、Cを代入することにより、円の中心(a,b)と円の半径rが求まる。ここでy、z軸の直交座標系における3Dスキャナのセンサーの中心座標は(y,z)=(−a,−b)となる。
次に、トンネルの直交座標系(xyz)における3Dスキャナのセンサーの中心のx座標値を求める。
(1.鋼製支保工の先端と切羽の掘削部の境界が計測できる場合:ステップS6でYes)
図10に切羽近傍に3Dスキャナを設置した場合の位置計測結果の例を示す。一番切羽に近い箇所に建て込んだ鋼製支保工の先端と、切羽の掘削部の境界には段差があるため、鋼製支保工の影になる部分は3Dスキャナ1で位置計測できず、点群データの欠損する箇所が存在する。データの欠損の始まる断面が、一番切羽に近い箇所に建て込んだ鋼製支保工の先端の部分となるので、この計測結果から鋼製支保工の先端と切羽の掘削部の境界のξ座標値cが得られる(ステップS7)。
ここで鋼製支保工の建て込みはトータルステーションにより管理されているため、この鋼製支保工の先端は設計図通りに建て込まれていると仮定しており、この境界のx座標は既知とする。この境界のx座標をeとすると、センサーのx座標fは式(12)より得られる。
Figure 0006773280
以上よりトンネルの直交座標系における3Dスキャナのセンサーの位置座標が(x,y,z)=(f,−a,−b)と求まる。
(2.鋼製支保工の先端と切羽の掘削部の境界が計測できない場合:ステップS6でNo)
鋼製支保工の先端と切羽の掘削部の境界が計測できない場合は、図11に示すように、トンネル既設部の断面の内空変位や沈下を計測するために吹付けコンクリート8に設置されているプリズム11に半球状のマーカー9を設置し、3Dスキャナ1により位置計測を行う(ステップS9)。ここでは球の最小二乗法と、プリズム11の座標値が既知であることを利用する。
図12にマーカー9をトンネル内に設置した際に3Dスキャナにより計測された点群データの例を示す。球の最小二乗法により半球状のマーカー9の中心座標を求めるので、点群データにおける評価点の抽出を行う。マーカー9の中心の座標はプリズム11の座標(g,h,j)と一致していると仮定する。
一般に直交座標系(ξηζ)の空間上に存在し、中心の座標が(k,l,m)、半径Rの円の方程式は式(13)で表される。
Figure 0006773280
円の最小二乗法では式(13)の右辺を0となるように変形し、2乗の総和を求める(式(14))。
Figure 0006773280
式(14)を展開すると式(15)が得られる。
Figure 0006773280
ただし、
Figure 0006773280
Figure 0006773280
Figure 0006773280
Figure 0006773280
式(15)をD、E、F、Gについて偏微分すると、
Figure 0006773280
Figure 0006773280
Figure 0006773280
Figure 0006773280
行列を用いて式(20)〜(23)を解くと、
Figure 0006773280
となり、D、E、F、Gが求まる。式(16)〜(19)にD、E、F、Gを代入することにより、半球の中心(k,l,m)と半球の半径Rが求まる。
プリズム11はトンネル既設部の内空変位量や沈下量の日常の計測に使用されているものを使用するため、トンネルの座標系(xyz)におけるプリズム11の座標(g,h,j)は既知とする。プリズム11のx座標値gと、球の最小二乗法により得られたプリズム11のξ座標値kの差により、3Dスキャナのセンサーのx座標値fは式(25)より得られる。
Figure 0006773280
以上よりトンネルの直交座標系(xyz)における3Dスキャナのセンサーの位置座標が(x,y,z)=(f,−a,−b)と求まる。
このように、本実施の形態によれば、3Dスキャナを用いたトンネルの既設部の位置計測結果から、円の最小二乗法を用いてトンネルにおける3Dスキャナのセンサー中心のy、z座標値を推定し、既設部の鋼製支保工と掘削箇所の境界、またはプリズムに設置したマーカーの位置計測結果から球の最小二乗法を用いて、トンネルにおける3Dスキャナのセンサー中心のx座標値を推定することができ、使用する機材やトータルステーションの自己位置推定という手間を削減することができる。
なお、上記の実施の形態では、山岳トンネルを対象とする場合を例にとり説明しているが、本発明の対象物は山岳トンネルに限定するものではなく、例えばシールドトンネル内における自己位置推定にも適用可能である。
以上説明したように、本発明に係るトンネル掘削の管理方法によれば、掘削面の3次元位置データを取得して施工中のトンネルの位置計測を行う3Dスキャナと、3Dスキャナの計測結果から3Dスキャナの自己位置を推定するための演算を行う演算装置と、3Dスキャナの設置姿勢を制御するために、3Dスキャナの傾斜を計測する傾斜計とを備えた管理装置を用いてトンネル掘削を管理する方法であって、3Dスキャナをトンネル内に所定の姿勢で設置した後、3Dスキャナでトンネル内を位置計測するステップと、3Dスキャナによる位置計測結果から、トンネルの座標系における3Dスキャナのセンサー中心位置の座標値を推定するステップとを備えるので、トータルステーションを用いずに、3Dスキャナの位置計測結果から3Dスキャナの自己位置の推定を行うことができる。
また、本発明に係る他のトンネル掘削の管理方法によれば、トンネル内の既知の座標値を利用して、トンネルの座標系における3Dスキャナのセンサー中心位置の座標値を推定するので、推定処理の効率を上げることができる。
また、本発明に係るトンネル掘削の管理装置によれば、掘削面の3次元位置データを取得して施工中のトンネルの位置計測を行う3Dスキャナと、3Dスキャナの計測結果から3Dスキャナの自己位置を推定するための演算を行う演算装置と、3Dスキャナの設置姿勢を制御するために、3Dスキャナの傾斜を計測する傾斜計とを備えた管理装置を用いてトンネル掘削を管理する装置であって、トンネル内に所定の姿勢で設置された3Dスキャナでトンネル内を位置計測し、3Dスキャナによる位置計測結果から、トンネルの座標系における3Dスキャナのセンサー中心位置の座標値を推定するので、トータルステーションを用いずに、3Dスキャナの位置計測結果から3Dスキャナの自己位置の推定を行うことができる。
また、本発明に係る他のトンネル掘削の管理装置によれば、トンネル内の既知の座標値を利用して、トンネルの座標系における3Dスキャナのセンサー中心位置の座標値を推定するので、推定処理の効率を上げることができる。
以上のように、本発明に係るトンネル掘削の管理方法および管理装置は、3Dスキャナを用いたトンネル掘削の管理に有用であり、特に、施工中のトンネル内においてトータルステーションを用いずに、3Dスキャナの位置計測結果から3Dスキャナの自己位置の推定を行うのに適している。
1 3Dスキャナ
2 演算装置
3 傾斜計
4 センサー
5 三脚
6 磁石
7 架台
8 吹付けコンクリート
9 マーカー
10 鋼製支保工
11 プリズム
100 トンネル掘削の管理装置
T トンネル

Claims (4)

  1. 掘削面の3次元位置データとして3次元の位置情報を持った点群データを取得して施工中のトンネルの位置計測を行う3Dスキャナと、3Dスキャナの計測結果から3Dスキャナの自己位置を推定するための演算を行う演算装置と、3Dスキャナの設置姿勢を制御するために、3Dスキャナの傾斜を計測する傾斜計とを備えた管理装置を用いてトンネル掘削を管理する方法であって、
    3Dスキャナをトンネル内に所定の姿勢で設置した後、3Dスキャナでトンネル内を位置計測するステップと、
    3Dスキャナで取得した点群データを仮想の面に投影し、この面のグリッドに累積される点群データによる点の数の最大値dmaxを求め、このdmaxに基づいて、トンネルの座標軸と3Dスキャナの座標軸の傾きを求めるステップと、
    求めた座標軸の傾きから、トンネルの座標系における3Dスキャナの自己位置の座標値を推定するステップとを備えることを特徴とするトンネル掘削の管理方法。
  2. トンネル内の既知の座標値を利用して、トンネルの座標系における3Dスキャナの自己位置の座標値を推定することを特徴とする請求項1に記載のトンネル掘削の管理方法。
  3. 掘削面の3次元位置データとして3次元の位置情報を持った点群データを取得して施工中のトンネルの位置計測を行う3Dスキャナと、3Dスキャナの計測結果から3Dスキャナの自己位置を推定するための演算を行う演算装置と、3Dスキャナの設置姿勢を制御するために、3Dスキャナの傾斜を計測する傾斜計とを備えた管理装置を用いてトンネル掘削を管理する装置であって、
    トンネル内に所定の姿勢で設置された3Dスキャナでトンネル内を位置計測し、
    3Dスキャナで取得した点群データを仮想の面に投影し、この面のグリッドに累積される点群データによる点の数の最大値dmaxを求め、このdmaxに基づいて、トンネルの座標軸と3Dスキャナのセンサーの座標軸の傾きを求め、求めた座標軸の傾きから、トンネルの座標系における3Dスキャナの自己位置の座標値を推定することを特徴とするトンネル掘削の管理装置。
  4. トンネル内の既知の座標値を利用して、トンネルの座標系における3Dスキャナの自己位置の座標値を推定することを特徴とする請求項3に記載のトンネル掘削の管理装置。
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