JP6524436B2 - フード - Google Patents

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Description

本発明は、車両のフードに関する。
車両のフードは、ユーザーが通常使用することによってフードを開閉する際に歪まない程度の剛性を保つことが必要とされる。またその一方で不用意に車両の前部に歩行者の頭部が衝突した場合、歩行者の頭部の衝撃を緩和するためフードを潰れ易くして変形量を確保しながら、歩行者の衝撃荷重を抑制することが望ましい。特許文献1の車両のエンジンフードは、車両の意匠面を構成するフードアウタパネルと、フードの使用時の剛性を確保するためにフードアウタパネルの裏面に取り付けられているフードインナパネルとを備える。このフードインナパネルは、軽量化のために孔を開けて形成される複数の開口部を有する。この各開口部は、車幅方向に沿って並んでいる。このエンジンフードは、このくり抜かれた部分の各開口部によって低下したフード全体の剛性を、各開口部の間に形成されている硬い骨格の部分を残して使用時の剛性を維持していた。
特開2007−223433号公報
しかしながら、上記特許文献1の車両のエンジンフードは、歩行者の頭部がエンジンフードに衝突した場合、フードインナパネルの各開口部の間に残された硬い骨格の部分によりエンジンフードの変形が阻害され、歩行者の頭部の進入が妨げられて変形量を稼ぐことができなかった。即ち、エンジンフードの衝突荷重吸収量が低く歩行者頭部が受ける衝撃力が大きくなる恐れがある。
本発明は、上述の点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、使用時に要求されるフード全体の剛性を維持しながら、歩行者がフードに衝突した際のフードの変形量を確保して歩行者保護性能を向上することにある。
本発明のフードは、車両の外観意匠を構成するフードアウタパネルと、該フードアウタパネルの裏面に取り付けられるフードインナパネルと、フードと前記車両の車体とをロックするストライカとを有する。このフードインナパネルは、車両の車幅方向の一端側から他端側に亘って開口し、その前端が前記ストライカの後方に位置される開口部を有する。またフードは、該開口部の周縁に、該開口部側に向けて段を形成する段部と、前記開口部の前側のフードインナパネル前部とを備えている。そして、前記段部と前記フードインナパネル前部の後端は、前記開口部の周縁に沿って前記車両の車幅方向の一端側から他端側に亘って前記フードアウタパネルと離間して形成されており、前記フードインナパネルの前記開口部の周縁の後側は、前記フードアウタパネルに接合されている
また、このフードでは、フードインナパネルの開口部は、前記車両の車幅方向の一端側から他端側に亘って連続して開口している
さらに、このフードでは、フードインナパネルを補強するロックリインフォースを備えており、前記ロックリインフォースには、デントリインフォースを下方から支える傾斜部が設けられており、前記デントリインフォースにより前記フードアウタパネルが裏面側から支持される。
また、このフードでは、段部は、前記フードアウタパネルの裏面から80mm以上離れて配置されている。
この場合、フードインナパネルが、開口部を有し、その開口部が車両の車幅方向の一端側から他端側に亘って開口しているためフードへの衝突時における人の頭部の進入を妨げないので、衝撃をやわらげることができる。その一方で、開口部の周縁に沿って車両の車幅方向の一端側から他端側に亘って形成された開口部の周縁の段部によって、フードの使用時の剛性を維持できる。そして、この段部が、フードアウタパネルと離間されて形成されるので、歩行者がフードに衝突して、フードアウタパネルが変形したとき、フードインナパネルの段部に接触しにくく変形量を確保することできる。
このフードでは、段部は、開口部の周縁のうち、フードインナパネルの前部側に形成されていることが好ましい。この場合、開口部の周縁のうち、より歩行者が接触しやすいフードインナパネルの前部側にフードアウタパネルと離間した段部が形成されているので、歩行者がフードに衝突した際の変形量を必要な部分に応じてさらに効率よく確保しながら、フードの使用時の剛性を維持することできる。
またこのフードでは、開口部の周縁は、複数の段部を有し、各段部は、開口部の周縁に沿って車両の車幅方向の一端側から他端側に亘って形成されていることが好ましい。この場合、開口部の周縁は、複数の段部の形状によって、段部の面積をできるだけ小さくしながら、その各段部により剛性を向上することができる。段部の面積を大きくする必要がないため、段部をフードアウタパネルから離間させやすい。また開口部を広く確保しやすい。したがって、フードの使用時の剛性を維持しながら、歩行者がフードに衝突した際の変形量を確保することできる。
またこのフードは、車両の前後方向の長さより車両の車幅方向の長さが大きいことが好ましい。この場合、車両の車幅方向の一端側から他端側に亘って開口した開口部を有するフードインナパネルであっても、段部の長手方向がフードの長手方向に沿うため使用時の剛性を維持しやすい。したがって、バランスよく使用時のフード全体の剛性を維持しながら、歩行者がフードに衝突した際の変形量を確保することできる。
本発明によれば、使用時のフード全体の剛性を維持しながら、歩行者がフードに衝突した際でもフードの変形量を確保して歩行者保護性能を向上させることができる。
第1の実施形態に係る車両の前部斜視図である。 図1に示されるフードの上方から見たフードインナパネルの平面図である。 図2に示されるフードインナパネルのIII−III断面に対応して示したフード断面図である。 図2に示されるフードインナパネルのIV−IV断面に対応して示したフードの断面図である。 図2に示されるフードインナパネルのV−V断面に対応して示したフードの断面図である。 図3に示されるフードの部位における歩行者衝突時の歩行者頭部が受ける衝撃力の大きさ及び経過時間を示したグラフである。
第1の実施形態について説明する。本実施形態のフード10は、ミニバンタイプの車両Cのフード10に適用できる。なお、図中の前後左右及び上下は、車両Cにおける前後左右及び上下を表している。
図1に示されるフード10は、フード10の下部空間に設けられる車両CのエンジンルームERを覆うものである。フード10は、車両Cの前側における外観の意匠面の一部を構成している。フード10は、車両の前後方向の長さよりも車両の車幅方向(左右方向)の長さが大きくなるように形成されている。フード10の表面は、車両の前後方向の前端側が下方に曲げられて形成されている。フード10は、車両の前後方向の後端側がヒンジ(図示しない)を介して車両Cに連結されている。そのヒンジによってフード10の後端部を中心軸として回動され、エンジンルームERが開閉可能に構成されている。フード10は、図3及び図4に示すようにフードアウタパネル12と、フードインナパネル16とを備える。フード10は、図1に示すようにその前端の略中央部分にフードモール14が配置されている。
フードアウタパネル12は、図1、図3及び図4に示すようにフード10の表面を形成するパネルでフード10が閉じた状態で、意匠面を形成している。フードアウタパネル12は、厚さが0.6mm〜0.8mm程度で略平板状に形成されている。
フードインナパネル16は、図2〜図4に示すようにフード10の裏面を形成するものである。フードインナパネル16は、輪郭形状がフードアウタパネル12の輪郭形状と略同じであり、車両の前後方向の長さよりも車両の車幅方向の長さが大きくなるように形成されている。フードインナパネル16の外周縁は、フードアウタパネル12の外周縁(端縁)に対して裏側から接合されている。そのため、フード10の端縁の接合による剛性を確保できる。フードインナパネル16は、厚さが0.5mm〜0.6mm程度で略平板状に形成されている。
フードインナパネル16は、図2〜図4に示すようにフードインナパネル前部160と、フードインナパネル後部162と、開口部164とを備える。フードインナパネル前部160は、フードインナパネル16の前側を形成する部位である。フードインナパネル後部162は、フードインナパネル16の後側を形成する部位である。開口部164は、フードインナパネル前部160と、フードインナパネル後部162とを区分けする開口である。開口部164は、フードインナパネル16の略中央部分で略楕円状に開けられている。開口部164は、車両の車幅方向の一端側から他端側に亘って連続して開口されている。その開口の車両の前後方向における長さは、開口部164の略中央部分で、フードインナパネル16の前後両端における長さの4分の1〜3分の1程度を占めている。
フードインナパネル前部160は、図2に示すように車両の車幅方向の一端側から他端側に亘って連続して形成されている。フードインナパネル前部160は、その前端側(外周縁)がヘミング接合により、フードアウタパネル12と接合されている。そのヘミング接合された部位は、フードアウタパネル12が表面から折り返され、その折り返されたフードアウタパネル12がフードインナパネル前部160を挟むようにして形成されている。フードインナパネル前部160は、図2〜図4に示すように前壁部602と、底部604と、縁部606とを備える。
前壁部602は、図3及び図4に示すようにフードインナパネル前部160の前側(外周側)に形成される部位である。前壁部602は、断面視でフードアウタパネル12の表面に対して上端側から下端側にかけて傾斜した状態で配置されている。前壁部602は、上下方向の略中央部分が谷折り山折りの連続した屈曲部分を有して形成されている。その屈曲部分は、車両の車幅方向の一端側から他端側に亘って連続して形成されている。前壁部602は、一端側(上端側)がフードアウタパネル12と接合されている。前壁部602は、他端側(下端側)が底部604と接続されている。
縁部606は、図3及び図4に示すようにフードインナパネル前部160の後側(開口部164側)に形成される部位である。縁部606は、開口部164側に向けて段を形成し、開口部164の前側の周縁に沿って、車両の車幅方向の一端側から他端側に亘って連続して形成されている。縁部606は、第一曲部601と、第二曲部603と、第一延設部605と、第二延設部607とを備える。なお第一延設部605と第二延設部607は、本発明の「段部」に相当する。
第一曲部601は、図3及び図4に示すようにフードインナパネル前部160の裏面で凸状に形成している。その凸状による形状は、最下部が丸みを帯びている。なお谷折りのように最下部を屈曲させて形成してもよい。第一曲部601は、開口部164の周縁に沿って車両の車幅方向の一端側から他端側に亘って連続して湾曲状に形成されている。第二曲部603は、フードインナパネル前部160の表面(上面)で凸状に形成している。その凸状による形状は、最上部が丸みを帯びている。なお山折りのように最上部を屈曲させて形成してもよい。第二曲部603は、開口部164の周縁に沿って車両の車幅方向の一端側から他端側に亘って連続して湾曲状に形成されている。第二曲部603は、フードインナパネル前部160側で、かつ、開口部164の周縁の最も開口部164側で、曲がりラインを形成している。
第一延設部605は、図2〜図4に示すように第一曲部601と第二曲部603との間に形成される部位である。第一延設部605は、開口部164の周縁に沿って車両の車幅方向の一端側から他端側に亘って連続して形成されている。第二延設部607は、第二曲部603と、縁部606の先端部(縁部606と開口部164の境界部分)との間に形成され、この開口部164側に向けて段を形成する部位である。第二延設部607は、開口部164の周縁に沿って車両の車幅方向の一端側から他端側に亘って、フードアウタパネル12と離間した状態で形成されている。その第二延設部607は、フードアウタパネル12への人の頭部Hの衝突時における最大の侵入量(変形量)より下方に配置されている。フードアウタパネル12の面と略垂直方向に対して、フードアウタパネル12の裏面から第二延設部607までの距離は、80mm以上離れて配置されている。なお100mm以上離れて配置されていることが望ましい。また第二延設部607は、後述の底部604よりも高い位置に配置することが望ましい。その配置によって、エンジンやエンジンカバーの接触による損傷等を防止できる。第二延設部607は、図2に示すように同一面状に一対の幅広延設部607aを有する。一対の幅広延設部607aは、インシュレータを配設するためクリップを差し込むための孔609を設けるためにスペースをとった部位である。なお孔609の用途は、限定されない。幅広延設部607aは、他の第二延設部607の部位よりも幅を広くとっており、平面視で、なだらかな湾曲状に形成されている。なお孔609は、他に開口部164の周縁のフードインナパネル前部160とフードインナパネル後部162との境界部分に一対配置されており、フードインナパネル後部162の略中央にも配置されている。
底部604は、図3及び図4に示すようにフードインナパネル前部160の底で略平板状に形成される部位である。底部604は、前壁部602と縁部606との間に形成されている。底部604の前端側(一端側)は、前壁部602に接続されている。底部604の後端側(他端側)は、縁部606に接続されている。底部604は、図4に示すようにストライカ用開口部42を有する。ストライカ用開口部42は、ストライカ64を貫通して配置するために設けられた開口である。ストライカ用開口部42は、略十字状に縁取られて形成されている。ストライカ用開口部42は、車両の車幅方向に対してフードインナパネル前部160(フードインナパネル16)の略中央部分に形成されている。またストライカ用開口部42の上方には、ストライカリインフォース66やロックリインフォース62等が配置されている。
図2及び図4に示されるストライカ64は、フード10と車両Cの車体とをロックするための部材である。ストライカ64は、金属製で略U字状に形成されている。ストライカ64は、図2に示すように前後一対の基端部が車両の車幅方向の一方側と他方側とに各々曲げられており、その各基端部がフードインナパネル前部160の上方側でストライカリインフォース66とロックリインフォース62との間に挟まれるようにして固定されている。またストライカ64は、ストライカ用開口部42及びロックリインフォース開口部622を貫通した状態で配置されている。その配置されたストライカ64によって、車体側のフードロック(図示しない)と係合されてエンジンルームERが閉じられる。
図2及び図4に示されるストライカリインフォース66は、ストライカ64を支持する部材である。ストライカリインフォース66は、断面視で車両の前後方向に一対の凹部を有する部材である。ストライカリインフォース66は、その凹部にストライカ64を嵌合するようにして接合されている。そのストライカリインフォース66は、ロックリインフォース62の上面に接合されている。
図2及び図4に示されるロックリインフォース62は、フードインナパネル前部160(フードインナパネル16)の車両の車幅方向における略中央部分に配置されることで、ストライカ64が接合される部位を補強する部材である。ロックリインフォース62は、ロックリインフォース開口部622と、傾斜部684とを有し、平面視で略矩形状に形成されている。ロックリインフォース62は、厚さが1.1mm〜1.4mm程度で略平板状に形成されている。ロックリインフォース62は、底部604の上面側に接合されている。ロックリインフォース開口部622は、ストライカ64を貫通するために形成された開口である。その開口は、ロックリインフォース62の略中央部分に形成されている。ロックリインフォース開口部622は、ストライカ用開口部42に重なるようにして配置されている。その配置されたことによる接合によってストライカ64の取り付け部分の周囲が補強されている。傾斜部684は、舌状に形成された長細い部位である。その部位は、車両の車幅方向に沿って、ロックリインフォース62の後端で横並びに複数箇所配置されている。それらの各傾斜部684における長手方向の端部は、デントリインフォース68に重ね合わせられて接続されている。
図2及び図4に示されるデントリインフォース68は、フードアウタパネル12の前側の車幅方向における略中央部分を支持する部材である。デントリインフォース68は、フードインナパネル前部160(フードインナパネル16)の車両の車幅方向における略中央部分の上部に配置されている。その配置されたデントリインフォース68は、複数配置された前部マスチックシーラ680を介してフードアウタパネル12に接合されている。前部マスチックシーラ680は、デントリインフォース68とフードアウタパネル12を接合し、フード10を補強や防振するためのものである。前部マスチックシーラ680は、発泡材を主成分として形成している。なお他の樹脂製の素材を主成分としてもよい。前部マスチックシーラ680は、車両の車幅方向に沿って横並びに複数配置されている。その複数配置された前部マスチックシーラ680は、車両の前後方向に複数列(例えば、3列)に亘って配置されている。デントリインフォース68は、上面側がフードアウタパネル12に接合され、後端側が傾斜部684に重ね合わせられて接続されている。
フードインナパネル後部162は、図2に示すように車両の車幅方向の一端側から他端側に亘って連続して形成されている。フードインナパネル後部162は、図2〜図4に示すようにフードアウタパネル12の裏面に対して、フードインナパネル後部162の前側と、その後側とで接合されている。フードインナパネル後部162の前側(開口部164の周縁の後側)は、接合する部位と、接合しない部位とが交互に並んでいる。その接合する部位は、複数配置された後部マスチックシーラ682を介して、フードアウタパネル12と接合している。後部マスチックシーラ682は、フードインナパネル16とフードアウタパネル12を接合し、フード10を補強や防振するためのものである。後部マスチックシーラ682は、発泡材を主成分として形成している。なお他の樹脂製の素材を主成分としてもよい。またその一方で、接合しない部位は、フードインナパネル後部162とフードアウタパネル12とが離間した状態で、隙間を形成している。フードインナパネル後部162の後側(フードインナパネル16の後端側)は、ヘミング接合により、フードアウタパネル12と接合されている。そのヘミング接合された部位は、フードアウタパネル12の表面から折り返され、その折り返されたフードアウタパネル12がフードインナパネル後部162を挟むようにして形成されている。
図5に示されるフードアウタパネル12とフードインナパネル16とのヘミング接合は、断面視でより剥がれ難く、強固にするために接着剤100を使用したものである。その接着剤100を使用したヘミング接合により接合された領域HAは、図2に示すようにフードインナパネル16の外周縁に沿って、一方のフードインナパネル16の斜め前端から開始して、フードインナパネル16(フードインナパネル後部162)の後端を介して、他方のフードインナパネル16の斜め前端に亘って形成されている。即ち、領域HAは、フードモール14の配置部位を除くフード10の外周縁に形成されている。なおフード10の略全外周縁の領域は、フードアウタパネル12によって折り返された先端部分に、塗装のひびや劣化等を防止するシーラー110が塗布されている。
図6に示されるグラフは、歩行者衝突時の歩行者頭部が受ける衝撃力の大きさ及び経過時間を示したものである。そのグラフは、縦軸をG、横軸を時間(t)として示される。Gは、衝撃力の大きさを表す記号であり、この値が大きいほど衝撃力が大きいことを示している。時間(t)は、衝突時から衝突直後のある一定の時間までの経過時間を示している。点線で示した折れ線は、フードインナパネルの各開口部の間に残された硬い骨格のある従来の構成の結果を示したものである。実線で示した折れ線は、本実施形態の構成の結果を示したものである。グラフで示した通り、本実施形態の構成では、すべての時間(t)において、従来の構成よりGが小さいという結果であった。本実施形態の構成では、阻害していた各開口部の間に残された硬い骨格部分を有さないフードインナパネル16が、フード10への衝突時における人の頭部Hの進入を妨げないので、衝撃をやわらげることができる。そのため、頭部Hの障害を軽減できる。また本実施形態の構成では、従来の構成と比べてフード10の変形量が大きくなり、歩行者頭部が受ける衝撃力の大きさのピークが小さくなる。さらに本実施形態の構成では、従来の構成と比べて自動車が一定の速度で歩行者をはね歩行者頭部がフード10に衝突する際、その衝突開始時におけるフード10への衝突速度に比べて、その衝突直後、緩やかにその衝突速度が減速するため、歩行者頭部への衝撃荷重も小さくなる。
以上のように第1の実施形態は、次のような作用効果を奏する。本実施形態のフード10において、フードインナパネル16は、車両の車幅方向の一端側から他端側に亘って開口し、その前端がストライカ64の後方に位置される開口部164を有する。またフード10は、この開口部164の周縁に、この開口部164側に向けて段を形成する段部(第一延設部605又は第二延設部607)を備え、この段部は、開口部164の周縁に沿って車両の車幅方向の一端側から他端側に亘ってフードアウタパネル12と離間して形成されている。フードインナパネル16が、開口部164を有し、開口部164が車両の車幅方向の一端側から他端側に亘って開口しているためフードへの衝突時における人の頭部Hの進入を妨げないので、衝撃をやわらげることができる。そのため、頭部Hの障害を軽減できる。また開口部164の周縁に沿って車両の車幅方向の一端側から他端側に亘って形成された開口部164の周縁の段部によって、フード10の使用時の剛性を維持できる。さらに段部が、フードアウタパネル12と離間されて形成されるので、歩行者がフード10に衝突した際に、フードアウタパネル12が変形したときフードインナパネル16の段部に接触しにくく変形量を確保することできる。
このフード10では、段部は、開口部164の周縁のうち、フードインナパネル16の前部側に形成されている。そのため、開口部164の周縁のうち、より接触しやすいフードインナパネル16の前部側に形成されるので、必要な部分に応じてさらに効率よく、フード10の使用時の剛性を維持しながら、歩行者がフード10に衝突した際の変形量を確保することできる。
またこのフード10では、開口部164の周縁は、複数の段部(第一延設部605、第二延設部607)を有し、各段部は、開口部164の周縁に沿って車両の車幅方向の一端側から他端側に亘って形成されている。このように配置される段部は、段部の面積が大きくなればなるほど、段部の面積を稼ぐことができるため、使用時の剛性を向上させるためには、面積を稼ぐことが望ましい。一方、その場合、段部によってフードアウタパネル12とフードインナパネル16との間の空間部分が部分的に狭くなり衝突時の変形量の確保できなくなる恐れやフードアウタパネル12がフードインナパネル16へ接触し易くなる恐れがある。しかし、本実施形態では、段部を有する開口部164の周縁は、複数の段部の形状によって、段部の面積をできるだけ小さくしながら、その各段部により剛性を向上することができるので、段部の面積を大きくする必要がない。したがって、効率よく、フード10の使用時の剛性を維持しながら、歩行者がフード10に衝突した際の変形量を確保することできる。
またこのフード10は、車両の前後方向の長さより車両の車幅方向の長さが大きい。そうすることで、車両の前後方向の長さより車両の車幅方向の長さが小さいものに比べて、車両の車幅方向の一端側から他端側に亘って開口する開口部164を有する場合であってもフードインナパネル16の剛性を維持しやすい。また車両の前後方向の長さより車両の車幅方向の長さを大きくしてバランスよくフード10全体の剛性を維持しながら、歩行者がフード10に衝突した際の変形量を確保することできる。
本実施形態のフード10は、上述した実施形態に限定されるものではなく他の形態でも実施できる。本実施形態では、フード10は、ミニバンタイプの車両Cに適用したがこれに限られるものではない。他の車種や車両に適用してもよい。
また本実施形態のフードインナパネル16の段部は、ストライカ64の後方から、フロントガラスの下端とフード10との間に配設されたカウルルーバー(図示せず)のシールされている位置までの範囲に配置されることが好ましい。
また本実施形態のフード10は、デントリインフォース68を設けたがこれに限られるものではない。デントリインフォース68を有しない構成を適用してもよい。そうすることで、さらに衝突時の変形量を確保でき、歩行者をより安全に保護できる。
また本実施形態のフード10の段部は、第二延設部607としたがこれに限られるものではない。第二延設部607のない構成とし第一延設部605を下方に向けて湾曲させ、その第一延設部605の開口部164側の先端部分を段部として適用してもよい。この場合の第一延設部605は、適宜必要に応じて断面視の長さを調整できる。
また本実施形態のフード10では、第一延設部605と第二延設部607との2面の段部(複数の段部)が、車両の車幅方向の一端側から他端側に亘って連続して形成されているが、これに限られるものではない。車両の車幅方向の一端側から他端側に亘って連続して形成されている面を3面(3段)以上設けて複数の段部を形成してもよい。
10 フード
12 フードアウタパネル
14 フードモール
16 フードインナパネル
42 ストライカ用開口部
62 ロックリインフォース
64 ストライカ
66 ストライカリインフォース
68 デントリインフォース
100 接着剤
110 シーラー
160 フードインナパネル前部
162 フードインナパネル後部
164 開口部
601 第一曲部
602 前壁部
603 第二曲部
604 底部
605 第一延設部
606 縁部
607 第二延設部
609 孔
622 ロックリインフォース開口部
680 前部マスチックシーラ
682 後部マスチックシーラ
684 傾斜部

Claims (7)

  1. 車両の外観意匠を構成するフードアウタパネルと、
    該フードアウタパネルの裏面に取り付けられるフードインナパネルと、
    フードと前記車両の車体とをロックするストライカと、
    を備えるフードであって、
    前記フードインナパネルは、前記車両の車幅方向の一端側から他端側に亘って開口し、その前端が前記ストライカの後方に位置される開口部と、
    該開口部の周縁に、該開口部側に向けて段を形成する段部と、
    前記開口部の前側のフードインナパネル前部とを備え、
    前記段部と前記フードインナパネル前部の後端は、前記開口部の周縁に沿って前記車両の車幅方向の一端側から他端側に亘って前記フードアウタパネルと離間して形成されており、
    前記フードインナパネルの前記開口部の周縁の後側は、前記フードアウタパネルに接合されているフード。
  2. 請求項1に記載のフードであって、
    前記フードインナパネルの開口部は、前記車両の車幅方向の一端側から他端側に亘って連続して開口しているフード。
  3. 請求項1又は請求項2のいずれかに記載のフードであって、
    前記フードインナパネルを補強するロックリインフォースを備えており、
    前記ロックリインフォースには、デントリインフォースを下方から支える傾斜部が設けられており、
    前記デントリインフォースにより前記フードアウタパネルが裏面側から支持されるフード。
  4. 請求項1から請求項3に記載のフードであって、
    前記段部は、前記フードアウタパネルの裏面から80mm以上離れて配置されているフード。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載のフードであって、
    前記段部は、前記開口部の周縁のうち、前記フードインナパネルの前部側に形成されているフード。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載のフードであって、
    前記開口部の周縁は、複数の段部を有し、
    前記各段部は、前記開口部の周縁に沿って前記車両の車幅方向の一端側から他端側に亘って形成されているフード。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載のフードであって、
    前記車両の前後方向の長さより前記車両の車幅方向の長さが大きいフード。
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