JP6521942B2 - 樹脂変性フィラー、エポキシ樹脂組成物、およびその硬化物 - Google Patents

樹脂変性フィラー、エポキシ樹脂組成物、およびその硬化物 Download PDF

Info

Publication number
JP6521942B2
JP6521942B2 JP2016504099A JP2016504099A JP6521942B2 JP 6521942 B2 JP6521942 B2 JP 6521942B2 JP 2016504099 A JP2016504099 A JP 2016504099A JP 2016504099 A JP2016504099 A JP 2016504099A JP 6521942 B2 JP6521942 B2 JP 6521942B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
epoxy resin
resin
filler
present
epoxy
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016504099A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2015125760A1 (ja
Inventor
政隆 中西
政隆 中西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Kayaku Co Ltd filed Critical Nippon Kayaku Co Ltd
Publication of JPWO2015125760A1 publication Critical patent/JPWO2015125760A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6521942B2 publication Critical patent/JP6521942B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09CTREATMENT OF INORGANIC MATERIALS, OTHER THAN FIBROUS FILLERS, TO ENHANCE THEIR PIGMENTING OR FILLING PROPERTIES ; PREPARATION OF CARBON BLACK  ; PREPARATION OF INORGANIC MATERIALS WHICH ARE NO SINGLE CHEMICAL COMPOUNDS AND WHICH ARE MAINLY USED AS PIGMENTS OR FILLERS
    • C09C1/00Treatment of specific inorganic materials other than fibrous fillers; Preparation of carbon black
    • C09C1/28Compounds of silicon
    • C09C1/30Silicic acid
    • C09C1/3072Treatment with macro-molecular organic compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K9/00Use of pretreated ingredients
    • C08K9/08Ingredients agglomerated by treatment with a binding agent
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01PINDEXING SCHEME RELATING TO STRUCTURAL AND PHYSICAL ASPECTS OF SOLID INORGANIC COMPOUNDS
    • C01P2004/00Particle morphology
    • C01P2004/30Particle morphology extending in three dimensions
    • C01P2004/32Spheres

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)
  • Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)

Description

本発明は流動性に優れ、またハンドリング特性に優れたエポキシ樹脂組成物を与える樹脂変性フィラー、それを用いたエポキシ樹脂組成物、およびその硬化物に関する。
本発明は高機能が要求される電気電子材料用途、特に半導体の封止剤、薄膜基板材料として好適な樹脂変性フィラー、エポキシ樹脂組成物、およびその硬化物に関する。
エポキシ樹脂組成物は作業性及びその硬化物の優れた電気特性、耐熱性、接着性、耐湿性(耐水性)等により電気・電子部品、構造用材料、接着剤、塗料等の分野で幅広く用いられている。
しかし近年、電気・電子分野においてはその発展に伴い、樹脂組成物の高純度化をはじめ耐湿性、密着性、誘電特性、フィラー(無機または有機充填剤)を高充填させるための低粘度化、成型サイクルを短くするための反応性のアップ等の諸特性の一層の向上が求められている。又、構造材としては航空宇宙材料、レジャー・スポーツ器具用途などにおいて軽量で機械物性の優れた材料が求められている。特に半導体封止分野、基板(基板自体、もしくはその周辺材料)においては、その半導体の変遷に従い、薄層化、スタック化、システム化、三次元化と複雑になっていき、そのワイヤ配線の狭ピッチ化、細線化がますます進んできており、高流動性が無いとワイヤスィープを誘発してしまう。さらにはワイヤの接続部に悪影響を及ぼすようになってきた。
さらには、フリップチップタイプのパッケージにおいて、安価製造方法という側面からアンダーフィルを使用せず、一気に封止してしまうというMUFという手法が注目されている。本用途においてはチップとパッケージ基板の非常に狭い隙間を樹脂が通り抜ける必要があり、フィラーの微細化が重要となっており、この微細化により、系の粘度が上昇、ボイドの原因となる。
さらにはウエハーレベルパッケージなど再配線層に使用する封止樹脂や、ビルドアップ層に使用される相関絶縁膜等においては層の厚みが薄いこと、また線膨張率を下げるため、微細フィラーの充填が必要となる。したがって、本用途においても先と同様、系の低粘度が必要となる(非特許文献1)。
"2008年 STRJ報告 半導体ロードマップ専門委員会 平成20年度報告"、第8章、p1−17、[online]、平成21年3月、JEITA (社)電子情報技術産業協会 半導体技術ロードマップ専門委員会、[平成24年5月30日検索]、インターネット<URL:http://strj−jeita.elisasp.net/strj/nenjihoukoku−2008.cfm>
一般にエポキシ樹脂組成物の低粘度化の手法としては、使用する樹脂の低分子量化が用いられるが、低分子量化すると軟化点が低下し、室温での形状が流動性を持ちやすくなってしまうため室温での取り扱いが難しい、さらには組成物とした際にベタツキが出てしまい貯蔵やハンドリングが困難となる等の不具合が生じる。
そこで、こういった用途に対し、結晶性のエポキシ樹脂の提供が検討されているが、樹脂自体のハンドリング特性が良くても溶融混練した後に結晶化が進まず、ベタツキを持つ場合がある。これは混練時に均一にしているつもりであっても、工業的な製造においては混練のクリアランスが大きく、均一に混練が難しいことから表面に樹脂塊が残ってしまい、これによるブロッキングが促進される等の問題が生じるためである。
このような従来の問題点に鑑み、本発明はエポキシ樹脂組成物の流動性に寄与し、耐ブロッキング性に優れた樹脂変性フィラー、それを用いたエポキシ樹脂組成物、その硬化物を提供することを課題とする。
本発明者らは前記したような実状に鑑み、鋭意検討した結果、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、下記[1]〜[4]に関する。
[1] 無機フィラー(a)と、一分子内に平均2〜10個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(b)とを含む樹脂変性フィラーであって、
(a)と(b)の重量比が(a):(b)=70:30〜98:2であり、長径が5cm以下である樹脂変性フィラー。
[2] エポキシ樹脂(b)の軟化点が35〜75℃である[1]に記載の樹脂変性フィラー。
[3] [1]または[2]に記載の樹脂変性フィラーと、エポキシ樹脂用硬化剤および/または重合触媒とを含むエポキシ樹脂組成物。
[4] [3]に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化して得られる硬化物。
本発明の樹脂変性フィラーはエポキシ樹脂組成物の流動性に寄与するフィラーであり、該フィラーを含有する硬化性のエポキシ樹脂組成物は、電気電子部品用絶縁材料及び積層板(プリント配線板、ビルドアップ基板など)やCFRPを始めとする各種複合材料、接着剤、塗料等に有用である。特に半導体素子を保護する半導体封止材料にきわめて有用である。
図1は本発明の塊状の樹脂変性フィラーの拡大写真である。 図2は本発明の粉状の樹脂変性フィラーの拡大写真である。 図3はエポキシ樹脂と無機フィラーの混合物の拡大写真である。 図4は実施例8で得られた樹脂変性フィラーの拡大写真(拡大率200倍)である。 図5は実施例8で得られた樹脂変性フィラーの拡大写真(拡大率800倍)である。 図6は実施例8で得られた樹脂変性フィラーの拡大写真(拡大率50000倍)である。 図7は実施例9で得られた樹脂変性フィラーの拡大写真(拡大率200倍)である。 図8は実施例9で得られた樹脂変性フィラーの拡大写真(拡大率800倍)である。 図9は実施例9で得られた樹脂変性フィラーの拡大写真(拡大率50000倍)である。
本発明の樹脂変性フィラーは無機フィラー(a)と、一分子内に平均2〜10個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(b)とを含む。
本発明において無機フィラー(a)とはシリカゲル(結晶シリカ、溶融シリカ、ナノシリカ、ゾルーゲルによる酸化ケイ素重合体等)、アルミナ、ジルコン、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、ジルコニア、フォステライト、ステアタイト、スピネル、チタニア、タルク等の粉体またはこれらを球形化したビーズ等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。本発明においては特にシリカゲルやアルミナ、窒化ホウ素、窒化アルミなどが好ましく、特にシリカゲル、アルミナが好ましい。
その粒径においては種々挙げられるが、その平均粒径が0.1〜100μmが好ましく、0.1〜60μmがより好ましく、特に0.1〜30μmが好ましい。平均粒径の測定としては、例えば、レーザー回折・散乱式粒度分布測定器(乾式)(株式会社セイシン企業製:LMS−30)等を使用して測定することができる。
尚、平均粒径はパッケージ形状によって選択することが好ましい。フリップチップタイプであれば、0.1〜10μmが好ましく、0.1〜5μmがより好ましい。また、ワイヤボンディングタイプであれば1〜30μmが好ましく、特には1〜25μmが好ましい。
本発明に使用するエポキシ樹脂(b)の具体例としては、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂などが挙げられる。具体的には、ビスフェノールA、ビスフェノールS、チオジフェノール、フルオレンビスフェノール、テルペンジフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジオール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシアセトフェノン、o−ヒドロキシアセトフェノン、ジシクロペンタジエン、フルフラール、4,4’−ビス(クロルメチル)−1,1’−ビフェニル、4,4’−ビス(メトキシメチル)−1,1’−ビフェニル、1,4−ビス(クロロメチル)ベンゼン、1,4−ビス(メトキシメチル)ベンゼン等との重縮合物及びこれらの変性物、テトラブロモビスフェノールA等のハロゲン化ビスフェノール類、アルコール類から誘導されるグリシジルエーテル化物、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂、等シルセスキオキサン系のエポキシ樹脂(鎖状、環状、ラダー状、あるいはそれら少なくとも2種以上の混合構造のシロキサン構造にグリシジル基、および/またはエポキシシクロヘキサン構造を有するエポキシ樹脂)等のエポキシ樹脂が挙げられるが、これらに限定されるものではない。ここで、中でもビフェニル型フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、フェニル型フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、フェノール類とジシクロペンタジエンとの重縮合物及びこれらの変性物、ノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。
ただし、本発明においては特にその樹脂の軟化点が35〜75℃であることが好ましく、特に35〜60℃が好ましい。一般にエポキシ樹脂は軟化点より30℃低い環境下での使用がエポキシ樹脂においてブロッキングを抑えながら固形状に保つことができる。エポキシ樹脂においては、特に軟化点より50℃低い温度での使用が好ましく、その場合通常75℃を超えると固形状となり、本手法をあえて用いる必要が少なく、その効果が少ないばかりか粘度が高くなってしまう場合がある恐れがある。また35〜75℃の軟化点の化合物が溶融粘度と耐熱性等の硬化特性とのバランスに優れる傾向にある。
また150℃における好ましい溶融粘度は0.2Pa・s以下である。溶融粘度が150℃よりも高いと成型性に課題が出る恐れがある。粘度が低ければ低いほど有用であるため、本発明においては下限を設けない(通常の粘度計では測定も困難となる。)
なお、本発明において使用するエポキシ樹脂は、一分子内に平均2〜10個のエポキシ基を有する。一分子内に含まれるエポキシ基の数の平均が2を切ると耐熱性等の硬化特性に悪影響を及ぼし、一分子内に含まれるエポキシ基の数の平均が10を超えた場合、粘度が非常に高くなりハンドリング特性に問題が生じる。
また本発明に使用するエポキシ樹脂のエポキシ当量は150〜750g/eq.であることが好ましく、特に好ましくは150〜500g/eq.である。本範囲内にあることで、組成物において流動性、硬化性が良好となる傾向にあり、またその硬化物において、耐熱性、熱分解特性、吸水特性、機械強度に優れる傾向にあり、良好な半導体装置の製造に好適に使用できる。
本発明において無機フィラー(a)とエポキシ樹脂(b)との比率は、重量比で(a):(b)=70:30〜98:2であり、より好ましくは70:30〜95:5である。
(a):(b)=70:30の比率と比べてフィラー量の割合が少なくなると、特に軟化点60℃以下のエポキシ樹脂を用いた場合、室温での取り扱いにおいてブロッキングが生じる可能性が高く、ハンドリングが非常に難しくなる。例えば軟化点50℃以下のエポキシ樹脂を用いた場合、細かく砕き、粒状、もしくはフレーク状もしくは小さなブロック状にすることも困難となる。すなわち、流動性、ハンドリング等の特性の面から(a):(b)=70:30〜98:2である。
本発明の樹脂変性フィラーは、さらにカップリング剤等の添加剤を含有することができる。カップリング剤は樹脂とフィラーとの馴染みを良くするため、混合時に添加することが好ましい。
好ましいカップリング剤としては、例えば3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、N−(2−(ビニルベンジルアミノ)エチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等のシラン系カップリング剤;イソプロピル(N−エチルアミノエチルアミノ)チタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、チタニウムジ(ジオクチルピロフォスフェート)オキシアセテート、テトライソプロピルジ(ジオクチルフォスファイト)チタネート、ネオアルコキシトリ(p−N−(β−アミノエチル)アミノフェニル)チタネート等のチタン系カップリング剤;Zr−アセチルアセトネート、Zr−メタクリレート、Zr−プロピオネート、ネオアルコキシジルコネート、ネオアルコキシトリスネオデカノイルジルコネート、ネオアルコキシトリス(ドデカノイル)ベンゼンスルフォニルジルコネート、ネオアルコキシトリス(エチレンジアミノエチル)ジルコネート、ネオアルコキシトリス(m−アミノフェニル)ジルコネート、アンモニウムジルコニウムカーボネート、Al−アセチルアセトネート、Al−メタクリレート、Al−プロピオネート等のジルコニウム、或いはアルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。
これらカップリング剤は1種又は2種以上を混合して用いても良い。
カップリング剤は、本発明のエポキシ樹脂組成物において通常0.05〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量部が必要に応じて含有される。
本発明の樹脂変性フィラーの製造方法としては、特に指定はないが、溶剤を用いた手法が好ましい。溶融混練による変性方法もあるが、フィラーに均一にエポキシ樹脂をコートおよび/または含浸することを考えた場合、溶剤により十分にフィラーになじませることが好ましい。具体的には、溶剤、樹脂、フィラーを混合し、その後溶剤を減圧下で留去することで本発明の樹脂変性フィラーが得られる。この際、溶剤にあらかじめ樹脂を溶解し、その後フィラーを入れて混合しても、溶剤にフィラーを分散させているところに樹脂を投入し混合しても構わず、同時に投入しても構わない。なお、混合する温度は特に規定しないが、0℃〜100℃が好ましく、特に好ましくは10℃〜80℃である。なお、加温して均一にした後、冷却するという手法を用いても構わない。
溶剤の留去は減圧下で行われる。溶剤の留去温度は通常50〜200℃、特に好ましくは50〜180℃である。この際、残溶剤が1%以下であることが好ましく、これを超えた場合、成型時にボイド・剥離の原因となる場合がある。
本発明において使用できる溶剤としてはトルエン、キシレン、ナフサに代表される芳香族炭化水素類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、カルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、γブチロラクトン等のエステル類、メタノール、エタノール、プロノールブタノール等のアルコール類、ジグライム、トリグライム、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、などが挙げられ、特に香族炭化水素類、ケトン類、エステル類がその樹脂の溶解性から好ましく、特にケトン類、エステル類を用いることが好ましい。なお、二種類以上の溶剤を合わせることも可能であり、樹脂の溶解性フィラーの分散性、留去時の揮発性を調整することもできる。例えばケトン類とアルコール類との組み合わせで溶解性を調整、ケトン類と芳香族炭化水素で揮発性を調整するということも可能である。
なお、本発明においてその沸点が150℃以下のものが好ましく、特に130℃以下が好ましい。沸点が高すぎると残溶剤が残りやすく好ましくない。
本発明においてはその溶剤の留去方法は特に限定されないが、撹拌しながら溶剤留去することが好ましく、具体的には、ナウターミキサー、リボコーン、コニカルドライヤ、減圧下でのプラネタリミキサー、エバポレータ、バキュームドライヤー(減圧条件下で使用できるチョッパー)、等の構造が好ましく、200torr以下での減圧ができる環境下で撹拌できるものがよい。ただし、激しく砕くような金属製の粉砕機の場合、金属がコンタミネーションする可能性が高いことから好ましくない。
本発明においては100μm以上の着磁金属異物は10gあたり1個以下であることが好ましく、さらに好ましくは30gあたり1個以下、特に50gあたり1個以下であることが好ましい。100gあたり1個以上着磁異物が混入した場合、出来上がった半導体装置に致命的な問題を与える恐れがある。
このようにして得られた樹脂変性フィラーは粒状、塊状、もしくは粉状を呈し、20℃において1cm以上重ねても1週間以上単一の塊とならず、粒状もしくは塊状(長径:0.1mm〜5cm)、もしくは粉状(長径:0.1μm〜0.1mm)の形状を示す。尚、塊状、粉状は両者を区分けする目安に留まる。ここにおいて単一の塊とならずとは多少のくっつきはあったとしても人の手の力でほぐれる程度のくっつきであることを示す。一般的なエポキシ樹脂を重ねた場合に通常生じ得るブロッキングが進むとほぼ単一となり人の手でほぐれる形状とならない。特に好ましい形状のものは、100℃で1時間以上保管しても単一の塊とならないものである。
本発明の樹脂変性フィラーは、例えば、無機フィラー同士がエポキシ樹脂によって結着したフィラーや無機フィラーにエポキシ樹脂が含浸されているような状態で存在している。そして、このような樹脂変性フィラーの粒径について長径は5cm以下であり、0.1μm〜1cmが好ましく、0.3μm〜5mmがより好ましい。ここで、長径は、粒状、塊状または粉状の粒子の一番直径が長い箇所の直径を示し、測定方法としては、定規を使用して測定するか、測定したい一定の大きさの網目を有するメッシュを通過させて通過の有無を確認することで測定することができる。また、顕微鏡を使用して長径を測定することも可能である。尚、平均粒径としては、通常5cm以下であり、0.1μm〜1cmが好ましく、0.3μm〜5mmがより好ましい。測定方法は同様である。
本発明の樹脂変性フィラーの形状の例としては、従来のエポキシ樹脂と無機フィラーの混合物(全体で一体化して板状の形態をしている:図3)のものと比較すると各々図1〜2に示された形状である。
以下、本発明の樹脂変性フィラーを含む本発明のエポキシ樹脂組成物について記載する。
本発明のエポキシ樹脂組成物においては、硬化剤および/または重合触媒を必須成分として使用する。尚、さらに別途エポキシ樹脂を含有させることも考えられ、その場合、使用できるエポキシ樹脂は特に限定されないが、例えば前述したエポキシ樹脂を使用できる。
本発明のエポキシ樹脂組成物が含有する硬化剤の具体例としては例えばフェノール樹脂、フェノール系化合物、アミン系化合物、酸無水物系化合物、アミド系化合物、カルボン酸系化合物などが挙げられる。用いうる硬化剤の具体例としては、フェノール樹脂、フェノール化合物;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、テルペンジフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジオール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシアセトフェノン、o−ヒドロキシアセトフェノン、ジシクロペンタジエン、フルフラール、4,4’−ビス(クロロメチル)−1,1’−ビフェニル、4,4’−ビス(メトキシメチル)−1,1’−ビフェニル、1,4’−ビス(クロロメチル)ベンゼン、1,4’−ビス(メトキシメチル)ベンゼン等との重縮合物及びこれらの変性物、テトラブロモビスフェノールA等のハロゲン化ビスフェノール類、テルペンとフェノール類の縮合物などのポリフェノール類が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
好ましいフェノール樹脂としては、フェノールアラルキル樹脂(芳香族アルキレン構造を有する樹脂)が挙げられ、特に好ましくはフェノール、ナフトール、クレゾールから選ばれる少なくとも一種を有する構造であり、そのリンカーとなるアルキレン部が、ベンゼン構造、ビフェニル構造、ナフタレン構造から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする樹脂(具体的にはザイロック、ナフトールザイロック、フェノールビフェニレンノボラック樹脂、クレゾール−ビフェニレンノボラック樹脂、フェノール−ナフタレンノボラック樹脂などが挙げられる。)である。
アミン系化合物、アミド系化合物;ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンより合成されるポリアミド樹脂などの含窒素化合物;
酸無水物系化合物、カルボン酸系化合物;無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ブタンテトラカルボン酸無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、シクロヘキサン−1,3,4−トリカルボン酸−3,4−無水物、などの酸無水物;各種アルコール、カルビノール変性シリコーン、と前述の酸無水物との付加反応により得られるカルボン酸樹脂;
その他;イミダゾール、トリフルオロボラン−アミン錯体、グアニジン誘導体の化合物などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。本発明においては特に信頼性の面からフェノール樹脂の使用が好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物において硬化剤の使用量は、全エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して0.7〜1.2当量が好ましい。エポキシ基1当量に対して、0.7当量に満たない場合、あるいは1.2当量を超える場合、いずれも硬化が不完全となり良好な硬化物性が得られない恐れがある。
本発明のエポキシ樹脂組成物においては、重合触媒を硬化剤と併用、もしくは硬化剤無しで使用しても差し支えない。用い得る重合触媒の具体例としては2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾ−ル類、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等の第3級アミン類、トリトリルフォスフィン、トリフェニルホスフィン等のホスフィン類、テトラブチルアンモニウム塩、トリイソプロピルメチルアンモニウム塩、トリメチルデカニルアンモニウム塩、セチルトリメチルアンモニウム塩などの4級アンモニウム塩、トリフェニルベンジルフォスフォニウム塩、トリフェニルエチルフォスフォニウム塩、テトラブチルフォスフォニウム塩などの4級フォスフォニウム塩が挙げられる。(4級塩のカウンターイオンはハロゲン、有機酸イオン、水酸化物イオンなど、特に指定は無いが、特に有機酸イオン、水酸化物イオンが好ましい。)、オクチル酸スズ等の金属化合物等が挙げられる。硬化促進剤を用いる場合は、エポキシ樹脂100重量部に対して0.01〜5.0重量部が必要に応じ用いられる。
本発明においては、特に3級アミン類、フォスフィン類、4級フォスフォニウム塩等が好ましい。
なお、3級アミン類などのアミン系の化合物を重合触媒として使用する場合、硬化剤無に、または硬化剤量を既定の量より少ない量で硬化させても構わず、アニオン重合により硬化させても構わない。
エポキシ樹脂組成物において本発明の樹脂変性フィラーに使用するエポキシ樹脂以外に他のエポキシ樹脂を併用しても構わない。併用する場合、本発明の樹脂変性フィラーに使用したエポキシ樹脂が全エポキシ樹脂中に占める割合は15重量%以上が好ましく、特に20重量%以上が好ましい。
他のエポキシ樹脂の具体例としては、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂などが挙げられる。具体的には、ビスフェノールA、ビスフェノールS、チオジフェノール、フルオレンビスフェノール、テルペンジフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジオール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシアセトフェノン、o−ヒドロキシアセトフェノン、ジシクロペンタジエン、フルフラール、4,4’−ビス(クロルメチル)−1,1’−ビフェニル、4,4’−ビス(メトキシメチル)−1,1’−ビフェニル、1,4−ビス(クロロメチル)ベンゼン、1,4−ビス(メトキシメチル)ベンゼン等との重縮合物及びこれらの変性物、テトラブロモビスフェノールA等のハロゲン化ビスフェノール類、アルコール類から誘導されるグリシジルエーテル化物、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂、等シルセスキオキサン系のエポキシ樹脂(鎖状、環状、ラダー状、あるいはそれら少なくとも2種以上の混合構造のシロキサン構造にグリシジル基、および/またはエポキシシクロヘキサン構造を有するエポキシ樹脂)等のエポキシ樹脂が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、リン含有化合物を難燃性付与成分として含有させることもできる。リン含有化合物としては反応型のものでも添加型のものでもよい。リン含有化合物の具体例としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシリレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、クレジル−2,6−ジキシリレニルホスフェート、1,3−フェニレンビス(ジキシリレニルホスフェート)、1,4−フェニレンビス(ジキシリレニルホスフェート)、4,4’−ビフェニル(ジキシリレニルホスフェート)等のリン酸エステル類;9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10(2,5−ジヒドロキシフェニル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド等のホスファン類;エポキシ樹脂と前記ホスファン類の活性水素とを反応させて得られるリン含有エポキシ化合物、赤リン等が挙げられるが、リン酸エステル類、ホスファン類またはリン含有エポキシ化合物が好ましく、1,3−フェニレンビス(ジキシリレニルホスフェート)、1,4−フェニレンビス(ジキシリレニルホスフェート)、4,4’−ビフェニル(ジキシリレニルホスフェート)またはリン含有エポキシ化合物が特に好ましい。リン含有化合物の含有量はリン含有化合物/全エポキシ樹脂=0.1〜0.6(重量比)が好ましい。0.1以下では難燃性が不十分であり、0.6以上では硬化物の吸湿性、誘電特性に悪影響を及ぼす懸念がある。
さらに本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて酸化防止剤を添加しても構わない。使用できる酸化防止剤としては、フェノール系、イオウ系、リン系酸化防止剤が挙げられる。酸化防止剤は単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。酸化防止剤の使用量は、本発明のエポキシ樹脂組成物中の樹脂成分100重量部に対して、通常0.008〜1重量部、好ましくは0.01〜0.5重量部である。
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、リン系酸化防止剤などが挙げられる。フェノール系酸化防止剤の具体例として、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−p−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、イソオクチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−o−クレゾール、等のモノフェノール類;2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−{β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルスルホン酸エチル)カルシウム等のビスフェノール類;1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス−(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト、1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)−S−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン、トコフェノール等の高分子型フェノール類が例示される。
イオウ系酸化防止剤の具体例として、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリルル−3,3’−チオジプロピオネート等が例示される。
リン系酸化防止剤の具体例として、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(オクタデシル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビ(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビ(2,4−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、ビス[2−t−ブチル−6−メチル−4−{2−(オクタデシルオキシカルボニル)エチル}フェニル]ヒドロゲンホスファイト等のホスファイト類;9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−デシロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド等のオキサホスファフェナントレンオキサイド類などが例示される。
これらの酸化防止剤はそれぞれ単独で使用できるが、2種以上を組み合わせて併用しても構わない。特に本発明においてはリン系の酸化防止剤が好ましい。
さらに本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて光安定剤を添加しても構わない。
光安定剤としては、ヒンダートアミン系の光安定剤、特にHALS等が好適である。HALSとしては特に限定されるものではないが、代表的なものとしては、ジブチルアミン、1,3,5−トリアジン、N,N’―ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1,6−ヘキサメチレンジアミンとN−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ〔{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)〔〔3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドリキシフェニル〕メチル〕ブチルマロネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、等が挙げられる。HALSは1種のみが用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
さらに本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じてバインダー樹脂を配合することも出来る。バインダー樹脂としてはブチラール系樹脂、アセタール系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ−ナイロン系樹脂、NBR−フェノール系樹脂、エポキシ−NBR系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、シリコーン系樹脂などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。バインダー樹脂の配合量は、硬化物の難燃性、耐熱性を損なわない範囲であることが好ましく、樹脂成分100重量部に対して通常0.05〜50重量部、好ましくは0.05〜20重量部が必要に応じて用いられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、更にシランカップリング剤、ステアリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の離型剤、界面活性剤、染料、顔料、紫外線吸収剤等の種々の配合剤、各種熱硬化性樹脂を添加することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、各成分を均一に混合することにより得られる。本発明のエポキシ樹脂組成物は従来知られている方法と同様の方法で容易にその硬化物とすることができる。例えば本発明の樹脂変性フィラーと硬化剤並びに必要により硬化促進剤、リン含有化合物、バインダー樹脂、無機充填材及び配合剤とを必要に応じて押出機、ニーダ、ロール等を用いて均一になるまで充分に混合してエポキシ樹脂組成物を得、そのエポキシ樹脂組成物をポッティング、溶融後(液状の場合は溶融無しに)注型あるいはトランスファー成型機などを用いて成型し、さらに80〜200℃で2〜10時間加熱することにより本発明の硬化物を得ることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物は各種用途に使用できる。好適には半導体の封止材料として用いられるが、それ以外に例えば、接着剤、塗料、コーティング剤、成形材料(シート、フィルム、FRP等を含む)、絶縁材料(プリント基板、電線被覆等を含む)、封止剤の他、他樹脂等への添加剤等が挙げられる。接着剤としては、土木用、建築用、自動車用、一般事務用、医療用の接着剤の他、電子材料用の接着剤が挙げられる。これらのうち電子材料用の接着剤としては、ビルドアップ基板等の多層基板の層間接着剤、ダイボンディング剤、アンダーフィル等の半導体用接着剤、BGA補強用アンダーフィル、異方性導電性フィルム(ACF)、異方性導電性ペースト(ACP)等の実装用接着剤等が挙げられる。
封止剤としては、コンデンサ、トランジスタ、ダイオード、発光ダイオード、IC、LSIなど用のポッティング、ディッピング、トランスファーモールド封止、IC、LSI類のCOB、COF、TABなど用のといったポッティング封止、フリップチップなどの用のアンダーフィル、QFP、BGA、CSPなどのICパッケージ類実装時の封止(補強用アンダーフィルを含む)へ好適である。
次に本発明を実施例により更に具体的に説明するが、以下において部は特に断わりのない限り重量部である。尚、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
以下に実施例で用いた各種分析方法について記載する。
・エポキシ当量: JIS K 7236(ISO 3001)に準拠
・ICI溶融粘度: JIS K 7117−2(ISO 3219)に準拠
・軟化点: JIS K 7234 に準拠
以下、実施例、比較例により本発明を具体的に説明する。
実施例1〜7、比較例1〜4
溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)、エポキシ樹脂として軟化点52℃のオルソクレオゾールノボラックタイプのエポキシ樹脂(EP1:日本化薬製 EOCN−1020−52)、軟化点55℃のオルソクレオゾールノボラックタイプのエポキシ樹脂(EP2:日本化薬製 EOCN−1020−55)、軟化点52℃のビフェニルノボラック型エポキシ樹脂(EP3:日本化薬製 NC−3000−L)、軟化点45℃のトリスフェノールメタン型エポキシ樹脂(EP4:トリスフェノールメタン(本州化学工業製 TrisP−M)をグリシジルエーテル化したもの)、軟化点40℃のビスフェノールフルオレンエチレンオキサイド付加物のエポキシ化物(EP5:大阪瓦斯化学製)、無機フィラーとして溶融シリカ(瀧森製 MSR−2122)を用いて下記表1の組成で以下の操作を行った。
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながら溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)、表1記載の各々のエポキシ樹脂、無機フィラーを投入後、25℃で1時間撹拌した。その後、ロータリーエバポレータで溶剤を留去、最終的に、120℃で20torrの減圧下で溶剤が出てこなくなるまで留去した。
得られた樹脂変性フィラーを取り出し、試料をプラチナスパッタ後に樹脂包埋し、CP3.5kVで断面試料を作成後、SEM(無蒸着低真空 加速電圧10kV)にて試料を観察した結果、いずれも粒度が5.0cm以下の粒径であり、樹脂とフィラーが集まった形状をしていることを確認した。また、25℃下で1週間かけてブロッキングテストを行った。結果を表1に示す。
Figure 0006521942
表1に記載した通り、本発明の樹脂変性フィラーは、製造直後および安定性テスト後の両方において、粉状又は粒状の形状を維持しブロッキングテストの結果も良好であった。一方、比較例のエポキシ樹脂と無機フィラーの混合物は製造直後ないしは安定性テスト後においてブロッキングが生じたものや、板状の形態となりハンドリング性に劣るものしか得ることができなかった。
実施例8,9
溶剤としてアセトンとメチルイソブチルケトン(1:1)溶液、エポキシ樹脂として軟化点58℃のビフェニルノボラック型エポキシ樹脂(EP6:日本化薬製 NC−3000)、無機フィラーとして球状シリカ(アドマファイン1030 アドマテックス株式会社製 平均粒径0.3μm)を用いて溶液150、エポキシ樹脂10、球状シリカ90の組成(実施例8)、および溶液150、エポキシ樹脂20、球状シリカ80の組成(実施例9)で以下の操作を行った。
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、各々上記の組成で投入後、25℃で30分撹拌した。その後、ロータリーエバポレータで溶剤を留去し、最終的に、120℃で20torrの減圧下で溶剤が出てこなくなるまで留去した。
得られた樹脂変性フィラーを取り出し、試料をプラチナスパッタ後に樹脂包埋し、CP3.5kVで断面試料を作成後、SEM(無蒸着低真空 加速電圧10kV)にて試料を観察した結果、いずれも粒度が1mm以下の粒径であり、樹脂とフィラーが集まった形状をしていることを確認した。図4〜9より、樹脂とフィラーが混在しており、最表面がフィラーで覆われている様子がわかる。また、25℃下で1週間かけてブロッキングテストを行ったところ、いずれもブロッキング(樹脂同士が多数、互いにくっ付き合っている状態)は見られなかった。
本発明を特定の態様を参照して詳細に説明したが、本発明の精神と範囲を離れることなく様々な変更および修正が可能であることは、当業者にとって明らかである。
なお、本出願は、2014年2月19日付で出願された日本国特許出願(特願2014−029097)に基づいており、その全体が引用により援用される。また、ここに引用されるすべての参照は全体として取り込まれる。
本発明の樹脂変性フィラーはエポキシ樹脂組成物の流動性に寄与するフィラーであり、該フィラーを含有する硬化性のエポキシ樹脂組成物は、電気電子部品用絶縁材料及び積層板(プリント配線板、ビルドアップ基板など)やCFRPを始めとする各種複合材料、接着剤、塗料等に有用である。特に半導体素子を保護する半導体封止材料にきわめて有用である。

Claims (3)

  1. 無機フィラー(a)と、一分子内に平均2〜10個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(b)とを含み、長径が5cm以下である樹脂変性フィラーの製造方法であって、
    (a)はシリカゲルであって、
    (b)として軟化点が35〜58℃のものを使用し、
    (a)と(b)の重量比を(a):(b)=70:30〜98:2とし、(a)と(b)を溶剤と共に混練した後、減圧下、50〜200℃の温度で残溶剤を1%以下まで留去する樹脂変性フィラーの製造方法。
  2. 前記成分(a)の平均粒子径が0.1〜5μmである請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記溶剤がケトン類である請求項1又は2に記載の製造方法。
JP2016504099A 2014-02-19 2015-02-17 樹脂変性フィラー、エポキシ樹脂組成物、およびその硬化物 Active JP6521942B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014029097 2014-02-19
JP2014029097 2014-02-19
PCT/JP2015/054217 WO2015125760A1 (ja) 2014-02-19 2015-02-17 樹脂変性フィラー、エポキシ樹脂組成物、およびその硬化物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2015125760A1 JPWO2015125760A1 (ja) 2017-03-30
JP6521942B2 true JP6521942B2 (ja) 2019-05-29

Family

ID=53878262

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016504099A Active JP6521942B2 (ja) 2014-02-19 2015-02-17 樹脂変性フィラー、エポキシ樹脂組成物、およびその硬化物

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP6521942B2 (ja)
TW (1) TWI663220B (ja)
WO (1) WO2015125760A1 (ja)

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3176502B2 (ja) * 1993-07-30 2001-06-18 日東電工株式会社 半導体装置およびそれに用いる半導体封止用エポキシ樹脂組成物
JPH09216939A (ja) * 1996-02-09 1997-08-19 Shin Etsu Chem Co Ltd エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP4285491B2 (ja) * 2006-02-28 2009-06-24 Dic株式会社 エポキシ樹脂組成物、その硬化物、新規エポキシ樹脂、新規フェノール樹脂、及び半導体封止材料
JP5134824B2 (ja) * 2007-02-05 2013-01-30 日東電工株式会社 樹脂成形品製造方法
JP5473196B2 (ja) * 2007-05-16 2014-04-16 東レ・ダウコーニング株式会社 硬化性エポキシ樹脂組成物およびその硬化物
JP5246760B2 (ja) * 2007-09-14 2013-07-24 日本化薬株式会社 エポキシ樹脂組成物および半導体装置
JP6044096B2 (ja) * 2012-03-29 2016-12-14 住友ベークライト株式会社 封止用エポキシ樹脂組成物および電子機器の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2015125760A1 (ja) 2015-08-27
TWI663220B (zh) 2019-06-21
JPWO2015125760A1 (ja) 2017-03-30
TW201544553A (zh) 2015-12-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101229854B1 (ko) 에폭시 수지, 이를 함유하는 경화성 수지 조성물 및 그용도
JP6749887B2 (ja) 封止用フィルム及びそれを用いた電子部品装置
JP2020200478A (ja) 樹脂組成物、硬化物、封止用フィルム及び封止構造体
JP2017071706A (ja) エポキシ樹脂組成物、硬化性樹脂組成物およびその硬化物
JP6090765B2 (ja) フェノール樹脂、エポキシ樹脂、および硬化性樹脂組成物
JP6717005B2 (ja) 樹脂組成物、硬化物、樹脂フィルム、封止材及び封止構造体
WO2020218457A1 (ja) 硬化樹脂用組成物、該組成物の硬化物、該組成物および該硬化物の製造方法、ならびに半導体装置
JP6324317B2 (ja) エポキシ樹脂混合物、エポキシ樹脂組成物およびその硬化物
WO2018164042A1 (ja) 硬化性樹脂組成物、その硬化物及び硬化性樹脂組成物の製造方法
JP6521942B2 (ja) 樹脂変性フィラー、エポキシ樹脂組成物、およびその硬化物
JP6576001B2 (ja) エポキシ樹脂混合物、エポキシ樹脂組成物およびその硬化物
JP6284732B2 (ja) エポキシ樹脂混合物、および硬化性樹脂組成物
JP6427116B2 (ja) エポキシ樹脂混合物、エポキシ樹脂組成物、その硬化物、および半導体装置
JP6504709B2 (ja) フェノール樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、およびその硬化物
WO2015125780A1 (ja) エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物およびその硬化物
JP2015067615A (ja) エポキシ樹脂混合物、硬化性樹脂組成物、およびその硬化物
JP7160511B1 (ja) フェノール樹脂混合物、硬化性樹脂組成物及びその硬化物
JP6403554B2 (ja) フェノール樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、およびその硬化物
JP7160512B1 (ja) フェノール樹脂混合物、硬化性樹脂組成物及びその硬化物
JP2012087226A (ja) 液状封止材、それを用いた半導体装置
JP2017137374A (ja) エポキシ樹脂とその製造法、及び該樹脂に基づくエポキシ樹脂組成物
KR20160119750A (ko) 에폭시 수지 조성물, 그 경화물, 및 반도체 장치

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170922

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180605

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180706

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181030

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181206

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190409

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190423

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6521942

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250