JP6519664B2 - 止め輪、回転機械、及び止め輪の装着方法 - Google Patents

止め輪、回転機械、及び止め輪の装着方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば内側部材に外嵌された軸受用内輪や外側部材に内嵌された軸受用外輪等の軸方向の位置決めに使用される止め輪と、止め輪を組み込んだ回転機械と、止め輪の装着方法とに関する。
各種機械装置に於いて、回転軸等の内側部材に外嵌した軸受用内輪等の軸方向の位置決めの為に、図13に示す様な、欠円環状の止め輪1が使用されている(例えば特許文献1参照)。
止め輪1は、ばね鋼、ステンレスばね鋼等の、十分な弾性を有する金属製であり、円周方向の1箇所に不連続部2を有する欠円環状の止め輪本体3と、止め輪本体3の外周面の円周方向両端部に径方向外側に突出する状態で設けられた1対の耳部4、4と、両耳部4、4に軸方向に貫通する状態で設けられた1対の係合孔5、5とを備える。この止め輪1は、止め輪本体3の径方向内端部を、回転軸等の内側部材の外周面に円周方向に形成された係止溝に係止した状態で使用される。この為、自由状態で、止め輪本体3の内径寸法は、内側部材の外周面の外径寸法よりも少しだけ小さい。
上述の止め輪1を係止溝に対して装着する際には、両係合孔5、5の内側に、1対の工具片(スナップリングプライヤを構成する1対の先端爪部等)を挿入した状態で、これら両工具片により両耳部4、4同士の間隔(不連続部2の幅)を弾性的に拡げて、止め輪本体3の内径寸法を弾性的に拡げる事により、止め輪本体3の内径寸法を内側部材の外径寸法よりも大きくする。そして、この状態で、止め輪1を係止溝の径方向外側に位置(重畳)させる。そして、この状態で、止め輪本体3を弾性的に復元させる(縮径させる)事により、止め輪本体3の径方向内端部を係止溝に係止する。
上述の止め輪1は、係止溝に対する装着作業の容易化を図る面から、改良の余地がある。
即ち、係止溝に対して止め輪1を装着する際に、止め輪本体3の拡径量が大きくなり過ぎると、止め輪本体3に塑性変形が生じて、止め輪本体3の内径寸法が元の大きさまで弾性的に復元しなくなる。
従って、この様な不都合が生じない様にする為に、係止溝に対して止め輪1を装着する際には、止め輪本体3の拡径量を規制する(拡径量が大きくなり過ぎない様にする)必要がある。
しかしながら、止め輪1の装着作業を作業者の手で行う場合、上述の様な拡径量の規制を、作業者の力加減のみで行う事は面倒である。
又、止め輪1の装着作業を機械装置を用いて自動で行う場合で、上述の様な拡径量の規制を、当該機械装置の構造のみを工夫する事によって行う場合には、当該機械装置の構造が過度に複雑化する可能性がある。これに対し、止め輪1にも、上述の様な拡径量の規制を容易に行える様にする為の工夫が施されていれば、機械装置の構造の複雑化を緩和する事ができる。
又、止め輪には、外側部材の内周面に円周方向に形成された係止溝に係止した状態で使用される止め輪も存在するが、この止め輪に関しても、上述した止め輪1の場合と同様の理由により、係止溝に対する装着作業の容易化を図る面から改良の余地がある。
日本国特開平10−574号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑み、相手部材の周面に形成された係止溝に対して装着する際に、止め輪本体の径寸法の変化量を容易に規制する事ができる、止め輪の構造を提供する。
一実施形態に係る止め輪は、止め輪本体と、1対の耳部と、1対の係合孔とを備える。
前記止め輪本体は、円周方向の1箇所に不連続部を有する欠円環状である。
又、前記1対の耳部は、前記止め輪本体の円周方向両端部における径方向一端部に径方向片側に突出する状態で設けられている。
又、前記1対の係合孔は、前記1対の耳部に軸方向に貫通する状態で設けられている。
又、前記1対の耳部の円周方向側縁に、前記止め輪本体の径方向他端部を相手部材の周面に円周方向に形成された係止溝に対して装着する際にこの止め輪本体の径寸法が過度に変化する事を防止する為の変位量規制部が、それぞれ設けられている。
上記止め輪において、前記1対の係合孔のうちの少なくとも一方の係合孔を、前記止め輪本体の中心軸に直交する仮想平面内に於いて所定方向に伸長する長孔としている。また、前記所定方向は、前記1対の耳部同士の対向方向としている。
又、上記止め輪において、例えば、前記1対の係合孔のそれぞれが長孔になっており、
且つ、これら長孔の伸長方向が、前記止め輪本体の径寸法が自由状態から弾性的に所定量だけ変化した状態で、互いに一致する構成としている。
上記止め輪において、例えば、前記1対の耳部の変位量規制部は、これら耳部の内側に凹入する状態で設けられた係合凹部であってもよい。この係合凹部の形状は、特に問わない。
又、上記止め輪において、例えば、前記1対の耳部の変位量規制部は、互いに非平行となる様に組み合わせられた第一直線縁部と第二直線縁部とを有してもよい。
上記止め輪において、例えば、前記係合凹部を、前記第一直線縁部及び前記第二直線縁部を有するものとしてもよい。
又、上記止め輪において、例えば、前記1対の耳部の変位量規制部を構成する第一直線縁部が、前記止め輪本体の径寸法が自由状態から弾性的に所定量だけ変化した状態で互いに平行となる様にしてもよい。
上記止め輪において、例えば、前記止め輪本体の軸方向両側面のうちの軸方向片側面にのみ、径方向他端部に向かうに従って前記止め輪本体の軸方向厚さ寸法が小さくなる方向に傾斜したテーパ面部が設けられており、且つ、前記1対の耳部の形状が、前記止め輪本体の内周面の中心軸を含み且つ前記不連続部の中央部を通過する仮想平面を挟んで非対称な形状になっている構成としてもよい。
別の実施形態に係る回転機械は、相手部材と、軸受用軌道輪と、止め輪とを備える。
前記相手部材は、前記係止溝を径方向片側の周面に有する。
又、前記軸受用軌道輪は、前記相手部材の径方向片側の周面に嵌合されている。
又、前記止め輪は、前記係止溝に装着された状態で前記軸受用軌道輪の軸方向側面に当接させている。
特に、前記止め輪が、上述した止め輪である。
更に、前記一対の係合孔は、前記1対の係合孔に挿入した1対の工具片により前記1対の耳部同士の間隔を弾性的に変化させる事に基づいて、前記止め輪本体の径寸法を弾性的に拡げた場合に、前記1対の工具片が前記止め輪本体の中心軸に近づかないようにされていてもよい。
さらに別の実施形態に係る止め輪の装着方法は、上述した止め輪を、前記係止溝に対して装着する方法である。
この止め輪の装着方法は、前記1対の係合孔に挿入した1対の工具片により前記1対の耳部同士の間隔を弾性的に変化させる事に基づいて、前記止め輪本体の径寸法を弾性的に変化させる事により、前記変位量規制部をストッパ部材に係合させる事によって、前記止め輪本体の径寸法の変化量を規制しつつ、前記止め輪本体を前記係止溝に対して径方向に重畳させた状態で、前記止め輪本体の径寸法を弾性的に復元させる事により、前記止め輪本体を前記係止溝に係止する。
尚、上記1対の工具とは、止め輪の装着作業を行う作業者の手で扱う1対の工具片、又は、止め輪の装着作業を自動で行う機械装置を構成する1対の工具片であってもよい。
又、上記装着方法において、前記ストッパ部材による前記止め輪本体の径寸法の変化量の規制量は、前記係止溝が設けられた相手部材の周面の直径寸法や、前記止め輪のサイズ(径寸法、円周方向長さ等)に応じて、適宜の大きさに設定する事ができる。
上述の構成を有する実施形態の止め輪、回転機械、及び止め輪の装着方法の場合には、相手部材の周面に形成された係止溝に対して止め輪を装着する際に、止め輪本体の径寸法の変化量の規制を容易に行える。
即ち、上記実施形態において、前記止め輪は、1対の耳部の円周方向側縁に、それぞれ変位量規制部を有している。この為、前記係止溝に対して前記止め輪を装着すべく、1対の係合孔に挿入した1対の工具片同士の間隔を変化させる事により、前記1対の耳部同士の間隔を弾性的に変化させる事に基づいて、前記止め輪本体の径寸法を弾性的に変化させる際に、前記変位量規制部をストッパ部材に係合させる事によって、前記止め輪本体の径寸法の変化量を容易に規制する(前記止め輪本体の塑性変形を防止する)事ができる。
本発明の実施の形態の第1例に関する、電動式パワーステアリング装置の部分切断側面図。 同じく、一部を省略して示す、図1のa部の拡大断面図。 同じく、出力軸に対する前側の玉軸受を構成する内輪の組み付け部の拡大図。 同じく、止め輪を自由状態で示す平面図(A)及び弾性的に拡径させた状態で示す平面図(B)。 同じく、図4の(A)のb部拡大図。 本発明の実施の形態の第2例に関する、図4と同様の図。 本発明の実施の形態の第3例に関する、図4と同様の図。 本発明の実施の形態の第4例に関する、図4の(A)と同様の図。 本発明の実施の形態の第1例及びその変形例を示す、図4の(A)と同様の図。 本発明の実施の形態の第5例に関する、前側ハウジング素子に対する前側の玉軸受を構成する外輪の組み付け部の拡大図。 同じく、止め輪を自由状態で示す平面図(A)及び弾性的に縮径させた状態で示す平面図(B)。 同じく、ストッパ部材の平面図(軸方向から見た図)。 止め輪の従来構造の1例を示す、図4の(A)と同様の図。
[実施の形態の第1例]
本発明の実施の形態の第1例に就いて、図1〜5を参照しつつ説明する。
尚、本例は、本発明の止め輪1aを、自動車用の電動式パワーステアリング装置に組み付けた例である。
尚、本例の電動式パワーステアリング装置に関して、前後方向は、特に断らない限り、車両の前後方向を言う。
本例の電動式パワーステアリング装置は、運転者が操作するステアリングホイール6の回転をステアリングギヤユニット7の入力軸8に伝達し、入力軸8の回転に伴って左右1対のタイロッド9、9を押し引きして、車輪(前輪)に舵角を付与する。ステアリングホイール6は、ステアリングシャフト10の後端部に支持固定されている。ステアリングシャフト10は、円筒状のステアリングコラム11を軸方向に挿通した状態で、ステアリングコラム11に回転自在に支持されている。又、ステアリングシャフト10の前端部は、自在継手12を介して中間シャフト13の後端部に接続されている。中間シャフト13の前端部は、別の自在継手14を介して、入力軸8に接続されている。
又、ステアリングコラム11の前端部には、ハウジング15が結合固定されている。ハウジング15は、前側に配置された前側ハウジング素子16と、後側に配置された後側ハウジング素子17とが、複数本のボルト18により互いに結合固定されて成る。
又、ハウジング15の内側には、ステアリングシャフト10と同軸に配置されると共に、ステアリングシャフト10の前端部に対しトーションバー19を介して連結された出力軸20の後半部が、軸方向に離隔して配置された、それぞれが転がり軸受である1対の玉軸受21、22により、回転自在に支持されている。出力軸20の前半部は、ハウジング15の外側に突出している。自在継手12は、出力軸20の前端部に結合されている。
又、ハウジング15の内側で、両玉軸受21、22よりも後側に位置する部分に、運転者がステアリングホイール6を操作する事によってステアリングシャフト10に入力された操舵トルクの方向及び大きさを検出する為のトルクセンサ23が設けられている。
又、出力軸20の軸方向中間部の後端寄り部分で、両玉軸受21、22同士の間に挟まれた部分に、ウォームホイール24が外嵌固定されている。又、ウォームホイール24には、ハウジング15の内側に回転自在に支持された、図示しないウォームが噛合している。ウォームは、ハウジング15に支持固定された電動モータ25により、回転駆動を自在とされている。
電動モータ25は、トルクセンサ23が検出する、ステアリングシャフト10に入力された操舵トルクの方向及び大きさに応じて、ウォームを回転駆動する事により、ウォームホイール24を介して出力軸20に補助トルクを付与する。この結果、運転者がステアリングホイール6を操作する為に要する力が軽減される。
又、両玉軸受21、22のうち、前側の玉軸受21を構成する1対の軸受用軌道輪のうちの一方の軸受用軌道輪である外輪26は、前側ハウジング素子16の内周面に設けられた円筒状の嵌合面部40に内嵌されている。又、この状態で、外輪26は、前側ハウジング素子16の内周面のうち、嵌合面部40の前側に隣接して設けられた段部41と、嵌合面部40の後側に隣接する部分に全周に亙り(円周方向に)形成された係止溝42に装着された止め輪(スナップリング)43とにより、軸方向両側から挟持される事で、軸方向の位置決め及び変位防止を図られている。
これに対し、前側の玉軸受21を構成する1対の軸受用軌道輪のうちの他方の軸受用軌道輪である内輪27は、出力軸20の外周面の軸方向中央部に設けられた円筒状の嵌合面部28に外嵌されている。又、この状態で、内輪27は、出力軸20の外周面のうち、嵌合面部28の後側に隣接して設けられた段部29と、嵌合面部28の前側に隣接する部分に全周に亙り(円周方向に)形成された係止溝30に装着された止め輪(スナップリング)1aとにより、軸方向両側から挟持される事で、軸方向の位置決め及び変位防止を図られている。尚、本例の場合には、出力軸20の外周面に係止された止め輪1aに、本発明を適用している為、出力軸20が、特許請求の範囲に記載した相手部材に相当する。
止め輪1aは、ばね鋼、ステンレスばね鋼等の、十分な弾性を有する金属製であり、円周方向の1箇所に不連続部2aを有する欠円環状(欠円輪状)の止め輪本体3aと、止め輪本体3aの外周面の円周方向両端部に径方向外側に突出する状態で設けられた1対の耳部4a、4bと、両耳部4a、4bに軸方向に貫通する状態で設けられた1対の係合孔5a、5aとを備える。
止め輪本体3aは、円筒状の外周面の中心軸Ooutが、円筒状の内周面の中心軸Oinに対し、不連続部2aの中央部と径方向反対側(図4の上側)に偏心している。この為、止め輪本体3aの径方向幅寸法は、円周方向中央部(不連続部2aの中央部と径方向反対側に位置する部分)で最大値となり、円周方向中央部から円周方向両側に向かうに従って徐々に小さくなっている。両耳部4a、4bは、この止め輪本体3aの外周面の円周方向両端部から径方向外側に突出する状態で設けられている。
又、止め輪本体3aの軸方向片側面(係止溝30に装着した状態での前側面)のうち、両耳部4a、4bよりも径方向内側に位置する部分に、径方向内側に向かうに従って止め輪本体3aの軸方向厚さ寸法が小さくなる方向に傾斜したテーパ面部31が設けられている。止め輪1aの自由状態で、テーパ面部31の内径寸法(止め輪本体3aの内径寸法)は、係止溝30の外径寸法よりも小さくなっている。これに対し、同じく、テーパ面部31の外径寸法は、係止溝30(出力軸20のうち、係止溝30よりも前側に位置する部分)の外径寸法以上になっている。
又、止め輪本体3aの円周方向に関する、両耳部4a、4bの両側縁のうち、互いに反対側(不連続部2aに対する遠位側)の側縁である、円周方向外側縁32、32は、基本的には、止め輪本体3aの径方向内側に向かうに従って不連続部2aから離れる方向に傾斜した(凹円弧形、S字曲線形の)傾斜縁になっている(図5参照)。但し、両円周方向外側縁32、32のうち、止め輪本体3aの径方向に関する中間部に、それぞれが変位量規制部である係合凹部33、33が、両耳部4a、4aの内側に凹入する状態で設けられている。これら両係合凹部33、33は、第一直線縁部34と第二直線縁部35とを互いに直角に(L字形に)組み合わせて成る。止め輪1aの自由状態で、第一直線縁部34は、止め輪本体3aの内周面の中心軸Oinを含み且つ不連続部2aの中央部を通過する仮想平面Sと平行に設けられている。又、止め輪1aの自由状態で、第二直線縁部35は、第一直線縁部34の径方向内端縁(図4の上端縁)から不連続部2aに対して遠ざかる方向に伸長する状態で、仮想平面Sに対して直交する別の仮想平面内に配置されている。
又、両耳部4a、4bに設けられた係合孔5a、5aは、止め輪本体3aの内周面の中心軸Oinに対して直交する仮想平面(図4の紙面)内に於いて、所定方向に伸長する長孔になっている。特に、図4の(A)に示す様な、止め輪1aの自由状態で、両係合孔5a、5aの伸長方向は、互いに一致しており、具体的には、両耳部4a、4b同士の対向方向(仮想平面Sに直交する方向で、図4の左右方向)となっている。又、両係合孔5a、5aには、両耳部4a、4b同士の間隔を弾性的に拡げる(止め輪本体3aの内径寸法を弾性的に拡げる)為に使用される1対の工具片36、36を挿入する(係合させる)事ができ、且つ、これら両工具片36、36を両係合孔5a、5aの内側で、これら両係合孔5a、5aの伸長方向に移動させる事ができる様になっている。別な言い方をすれば、止め輪1aの自由状態で、両係合孔5a、5aの伸長方向は、両係合孔5a、5aに係合させる両工具片36、36の移動方向(図4の左右方向)と一致している。
又、止め輪本体3aの円周方向に関する、両耳部4a、4bの両側縁のうち、互いに対向する側(不連続部2aに対する近位側)の側縁である、円周方向内側縁と、止め輪本体3aの径方向に関する、両耳部4a、4bの外端縁との連続部37a、37bの形状を、これら両耳部4a、4b同士で互いに異ならせている。即ち、両耳部4a、4bのうち、一方(図4の左方)の耳部4aの連続部37aの形状を、直角な角形状としているのに対し、他方(図4の右方)の耳部4bの連続部37bの形状を、R面取り形状としている。これにより、止め輪1aの形状(両耳部4a、4bの形状)を、仮想平面Sを挟んで非対称にする事により、止め輪1aの軸方向の向きを目視等で識別できる様にしている。
又、係止溝30の内面を構成する前側の側面を、止め輪本体3aのテーパ面部31を当接させる為の、径方向内側に向かうに従って係止溝30の軸方向幅寸法が狭くなる方向に傾斜した傾斜側面38としている。そして、止め輪本体3aの径方向内側部分を係止溝30に係止した状態で、止め輪本体3aのテーパ面部31を係止溝30の傾斜側面38に弾性的に当接させると共に、止め輪本体3aのうち係止溝30の外部に突出した部分の後側面を、内輪27の前側面に弾性的に当接させている。即ち、止め輪1aの径寸法を縮める方向の弾力に基づいて、テーパ面部31と傾斜側面38との当接部で発生する軸方向分力により、内輪27の前側面を押圧して、内輪27が軸方向にがたつかない様にしている。
止め輪1aを係止溝30に対して装着する際には、両係合孔5a、5aの内側に、1対の工具片36、36(止め輪1aの装着作業を行う作業者の手で扱う1対の工具片36、36、又は、止め輪1aの装着作業を自動で行う機械装置を構成する1対の工具片36、36)を挿入した状態で、両工具片36、36同士の間隔を拡げる事により、両耳部4a、4b同士の間隔(不連続部2aの幅)を弾性的に拡げる。これにより、止め輪本体3aの内径寸法を弾性的に拡げ、止め輪本体3aの内径寸法を、出力軸20のうち、係止溝30よりも前側に位置する部分の外径寸法よりも大きくする。
特に、この様に止め輪本体3aの内径寸法を弾性的に拡げた状態で、図4の(B)に示す様に、両耳部4a、4bの係合凹部33、33を、予め両耳部4a、4bを円周方向両側から挟む位置に所定の間隔をあけて配置しておいた1対のストッパ部材39、39に係合させる。これにより、止め輪本体3aの拡径量がそれ以上大きくなる事(止め輪本体3aの拡径量が過度に大きくなって塑性変形が生じる事)を防止する。尚、両ストッパ部材39、39は、両係合凹部33、33に係合した状態で、これら両係合凹部33、33を構成する第一、第二両直線縁部34、35に接触可能な形状を有している。従って、両係合凹部33、33を両ストッパ部材39、39に係合させた状態で、止め輪1aの円周方向及び径方向の位置決めを確実に図る事ができる。
又、この状態で、止め輪1aの径方向内側に出力軸20の前半部を挿入する事により、止め輪1aを係止溝30の径方向外側に位置(重畳)させる。そして、この状態で、両工具片36、36同士の間隔を縮める事により、止め輪本体3aを弾性的に復元させる(縮径させる)事で、止め輪本体3aの径方向内端部を係止溝30に係止する。
上述した本例の場合には、出力軸20の外周面に形成された係止溝30に対して止め輪1aを装着する際に、止め輪本体3aの拡径量の規制を容易に行える。
即ち、止め輪1aは、両耳部4a、4bの円周方向外側縁32、32に係合凹部33、33を備えている。この為、係止溝30に対して止め輪1aを装着すべく、両係合孔5a、5aに挿入した1対の工具片36、36同士の間隔を拡げる事により、両耳部4a、4b同士の間隔を弾性的に拡げる事によって、止め輪本体3aの内径寸法を弾性的に拡げた状態で、両係合凹部33、33を両ストッパ部材39、39に係合させる事により、止め輪本体3aの拡径量を容易に規制する(止め輪本体3aの塑性変形を防止する)事ができる。
又、両係合孔5a、5aが、止め輪本体3aの内周面の中心軸Oinに対して直交する仮想平面内に於いて伸長する長孔になっている。この為、両係合孔5a、5aに対して両工具片36、36を挿入する作業の容易化を図れる。
以上の事から、本例の止め輪1aによれば、当該止め輪1aの装着作業を自動で行う機械装置の構造の簡素化を図れる。
尚、本例の構造を実施する場合には、両係合孔5a、5aを、両耳部4a、4bの円周方向内側縁に開口する状態で形成する事もできる。
[実施の形態の第2例]
本発明の実施の形態の第2例に就いて、図6を参照しつつ説明する。
本例の場合には、図6の(B)に示す様に、止め輪1bを自由状態から弾性的に所定量だけ拡径する事により、1対の係合凹部33a、33aが1対のストッパ部材39、39に係合した状態で、これら両係合凹部33a、33aを構成する第一直線縁部34a、34a同士が互いに平行に配置される(第二直線縁部35a、35a同士が仮想平面Sに対して直交する同一の仮想平面内に配置される)構成を採用している。
この構成を有する本例の場合には、両ストッパ部材39、39を互いに平行に配置できる。この為、これら両ストッパ部材39、39の配置作業(例えば、係止溝に対して止め輪1bを装着する作業を自動で行う機械装置を構成する1対のストッパ部材39、39の配置作業)の容易化を図れる。
その他の構成及び作用は、上述した実施の形態の第1例の場合と同様であるから、重複する図示並びに説明は省略する。
[実施の形態の第3例]
本発明の実施の形態の第3例に就いて、図7を参照しつつ説明する。
本例の場合には、図7の(B)に示す様に、止め輪1cを自由状態から弾性的に所定量だけ拡径する事により、1対の係合凹部33、33が1対のストッパ部材39、39に係合した状態で、それぞれが長孔である1対の係合孔5b、5bの伸長方向が、互いに一致する{これら両係合孔5b、5bに係合させた1対の工具片36、36の移動方向(図7の左右方向)と一致する}様にしている。
この構成を有する本例の場合には、止め輪1cを拡径すべく、両工具片36、36同士の間隔を拡げる(両工具片36、36を両係合孔5b、5b内の互いに近い側の端縁から互いに遠い側の端縁に向けて移動させる)際の、両工具片36、36と出力軸20(図2参照)とのクリアランスを確保する面で有利となる。即ち、前述した実施の形態の第1例の場合には、図4の(A)→(B)に示す様に、止め輪1aを拡径すべく、1対の工具片36、36同士の間隔を拡げると、これら両工具片36、36が止め輪1aの中心軸(出力軸20)に近づく(図4の上方に移動する)。しかし、本例の場合には、図7の(A)→(B)に示す様に、止め輪1cを拡径すべく、両工具片36、36同士の間隔を拡げても、これら両工具片36、36は止め輪1cの中心軸(出力軸20)に近づかない。この為、これら両工具片36、36と出力軸20とのクリアランスを確保する面で有利となる。従って、係止溝30に対して止め輪1cを装着する作業を自動で行う機械装置の設計が容易となる。
その他の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1例の場合と同様であるから、重複する図示並びに説明は省略する。
[実施の形態の第4例]
本発明の実施の形態の第4例に就いて、図8を参照しつつ説明する。
係止溝に対して止め輪を装着する作業を自動で行う機械装置を構成する場合には、1対の工具片同士の間隔を拡縮する際に、一方の工具片を非可動とし、他方の係合片のみを可動とする事も考えられる。
本例の止め輪1dは、この様な機械装置に対応可能なもので、1対の係合孔5、5aのうち、非可動の工具片を挿入する一方(図8の左方)の係合孔5を単なる円孔とし、可動の工具片を挿入する他方(図8の右方)の係合孔5aのみを長孔としている。これにより、他方の係合孔5aに対する可動の工具片の挿入を容易に行える様にしている。
尚、本例の止め輪1dの場合には、両係合孔5、5aの形状が異なる為、止め輪1dの形状が、仮想平面Sを挟んで、より顕著に非対称になる。従って、止め輪1dの軸方向の向きを、より識別し易くできる。
その他の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1例の場合と同様であるから、重複する図示並びに説明は省略する。
[変形例]
前述した実施の形態の第1例の変形例に就いて、図9を参照しつつ説明する。
図9の(A)は、前述した実施の形態の第1例の止め輪1aである。
本発明を実施する場合には、この実施の形態の第1例の止め輪1aの変形例として、図9の(B)に示す止め輪1eの様に、全体形状(1対の耳部4a、4aの形状)を仮想平面Sを挟んで左右対称な形状とする事ができる。
又、図9の(C)に示す止め輪1fの様に、止め輪本体3bの内周面と外周面との中心軸同士を一致させる事もできる。
又、図9の(D)に示す止め輪1gの様に、全体形状(1対の耳部4a、4aの形状)を仮想平面Sを挟んで左右対称な形状とし、且つ、止め輪本体3bの内周面と外周面との中心軸同士を一致させる事もできる。
又、図9の(E)に示す止め輪1hの様に、止め輪本体3cの両側面にテーパ面部を設けない事もできる。
又、図9の(F)に示す止め輪1iの様に、止め輪本体3cの両側面にテーパ面部を設けず、且つ、全体形状(1対の耳部4a、4aの形状)を仮想平面Sを挟んで左右対称な形状とする事もできる。
又、図9の(G)に示す止め輪1jの様に、止め輪本体3dの両側面にテーパ面部を設けず、且つ、止め輪本体3dの内周面と外周面との中心軸同士を一致させる事もできる。
又、図9の(H)に示す止め輪1kの様に、止め輪本体3dの両側面にテーパ面部を設けず、且つ、全体形状(1対の耳部4a、4aの形状)を仮想平面Sを挟んで左右対称な形状とし、且つ、止め輪本体3dの内周面と外周面との中心軸同士を一致させる事もできる。
本発明を実施する場合には、前述した実施の形態の第2〜4例に就いても、上述した実施の形態の第1例の場合と同様の変形例を採用する事ができる。
[実施の形態の第5例]
本発明の実施の形態の第5例に就いて、図10〜12を参照しつつ説明する。
本例は、前述の図2に示した電動式パワーステアリング装置に於いて、係止溝42に装着する止め輪43aに、本発明を適用した例である。この為に、本例の場合には、前側ハウジング素子16が特許請求の範囲に記載した相手部材に相当する。
止め輪43aは、前述した実施の形態の第1例の止め輪1aの基本構成を、径方向に関して内外逆にした基本構成を有する。
即ち、止め輪43aは、ばね鋼、ステンレスばね鋼等の、十分な弾性を有する金属製であり、円周方向の1箇所に不連続部2bを有する欠円環状(欠円輪状)の止め輪本体3eと、止め輪本体3eの内周面の円周方向両端部に径方向内側に突出する状態で設けられた1対の耳部4c、4cと、両耳部4c、4cに軸方向に貫通する状態で設けられた1対の係合孔5c、5cとを備える。
又、止め輪本体3eは、円筒状の外周面の中心軸Ooutが、円筒状の内周面の中心軸Oinに対し、不連続部2bの中央部と径方向反対側(図11の上側)に偏心している。
又、止め輪本体3eの軸方向片側面(係止溝42に装着した状態での後側面)のうち、両耳部4c、4cよりも径方向外側に位置する部分に、径方向外側に向かうに従って止め輪本体3eの軸方向厚さ寸法が小さくなる方向に傾斜したテーパ面部31aが設けられている。又、止め輪43aの自由状態で、テーパ面部31aの外径寸法(止め輪本体3eの外径寸法)は、係止溝42の内径寸法よりも大きくなっている。これに対し、同じく、テーパ面部31aの内径寸法は、係止溝42(嵌合面部40のうち、係止溝42よりも後側に位置する部分)の内径寸法以下になっている。
又、止め輪本体3eの円周方向に関する、両耳部4c、4cの両側縁のうち、互いに対向する側(不連続部2bに対する近位側)の側縁である、円周方向内側縁44、44の径方向内半部に、円周方向に凹入する係合凹部33b、33bが設けられている。これら両係合凹部33b、33bは、第一直線縁部34bと第二直線縁部35bとが互いにほぼ直角に(L字形に)組み合わせられて成る。
又、両係合孔5c、5cは、止め輪本体3eの円周方向に伸長する長孔になっている。これら両係合孔5c、5cには、両耳部4c、4c同士の間隔を弾性的に拡げる(止め輪本体3eの内径寸法を弾性的に拡げる)為に使用される1対の工具片36、36を挿入する(係合させる)事ができ、且つ、これら両工具片36、36を両係合孔5c、5cの内側で、これら両係合孔5c、5cの伸長方向に移動させる事ができる様になっている。
又、係止溝42の内面を構成する後側の側面を、止め輪本体3eのテーパ面部31aを当接させる為の、径方向外側に向かうに従って係止溝42の軸方向幅寸法が狭くなる方向に傾斜した傾斜側面38aとしている。そして、止め輪本体3eの径方向外側部分を係止溝42に係止した状態で、止め輪本体3eのテーパ面部31aを係止溝42の傾斜側面38aに弾性的に当接させると共に、止め輪本体3eのうち係止溝42の外部に突出した部分の前側面を、外輪26の後側面に弾性的に当接させている。即ち、止め輪43aの径寸法を拡げる方向の弾力に基づいて、テーパ面部31aと傾斜側面38aとの当接部で発生する軸方向分力により、外輪26の後側面を押圧して、外輪26が軸方向にがたつかない様にしている。
本例の場合、ハウジング15を構成する前側、後側両ハウジング素子16、17(図2参照)同士を組み合わせる前の状態で、止め輪43aを係止溝42に対して装着する際には、両係合孔5c、5cの内側に、1対の工具片36、36(止め輪43aの装着作業を行う作業者の手で扱う1対の工具片36、36、又は、止め輪43aの装着作業を自動で行う機械装置を構成する1対の工具片36、36)を挿入した状態で、両工具片36、36同士の間隔を狭める。これにより、両耳部4c、4c同士の間隔(不連続部2bの幅)を弾性的に狭め、止め輪本体3eの外径寸法を弾性的に縮め、止め輪本体3eの外径寸法を、嵌合面部40のうち、係止溝42よりも後側に位置する部分の内径寸法よりも小さくする。
特に、この様に止め輪本体3eの外径寸法を弾性的に縮めた状態で、図11の(B)に示す様に、両耳部4c、4cの係合凹部33b、33bを、予め両耳部4c、4c同士の間に配置しておいたストッパ部材39aに係合させる。これにより、止め輪本体3eの縮径量がそれ以上大きくなる事(止め輪本体3eの縮径量が過度に大きくなって塑性変形が生じる事)を防止する。
尚、ストッパ部材39aは、円周方向に関する幅寸法が大きい幅広部45と、同じく幅寸法の小さい幅狭部46とを、軸方向から見た形状がT字形となる様に組み合わせた部材である。このストッパ39aの円周方向両側縁(図11〜12に於ける左右方向両側縁)は、止め輪本体3eを縮径した状態で、図11の(B)に示す様に、両耳部4c、4cの円周方向内側縁44、44と合致する段付形状を有している。この様に、止め輪本体3eを縮径した状態で、両耳部4c、4cの円周方向内側縁44、44の全体が、ストッパ部材39aの円周方向両側縁に合致する様に係合する為、止め輪43aの円周方向及び径方向の位置決めを確実に図る事ができる。尚、本発明を実施する場合には、ストッパ部材39aのうち、幅狭部46を省略する事もできる。
又、図11の(B)に示す様に、止め輪43aを自由状態から弾性的に所定量だけ縮径する事により、両係合凹部33b、33bがストッパ部材39aに係合した状態で、これら両係合凹部33b、33bを構成する第一直線縁部34b、34b同士が互いに平行に配置される構成を採用している。
又、この状態で、嵌合面部40の径方向内側に止め輪43aを挿入する事により、この止め輪43aを係止溝42の径方向内側に位置(重畳)させる。そして、この状態で、両工具片36、36同士の間隔を拡げる事により、止め輪本体3eを弾性的に復元させる(拡径させる)事で、止め輪本体3eの径方向外端部を係止溝42に係止する。
上述の様に、本例の場合も、係止溝42に対して止め輪43aを装着する際に、止め輪本体3eの縮径量の規制を容易に行える。又、両係合孔5c、5cが長孔になっている為、これら両係合孔5c、5cに対して両工具片36、36を挿入する作業の容易化を図れる。
尚、本例の場合には、止め輪43aの装着時に1つストッパ部材39aを使用したが、これに代えて、両耳部4c、4c同士の間で円周方向に離隔配置された1対のストッパ部材を使用する事もできる。
又、本例の止め輪43aを係止溝42に装着すべく、この止め輪43aを縮径する際に、この止め輪43aが塑性変形しなければ、ストッパ部材を使用する事なく、両耳部4c、4cの円周方向内側縁44、44同士を直接当接させる事によって、止め輪本体3eの縮径量を規制する事もできる。この場合には、両耳部4c、4cの円周方向内側縁44、44が、それぞれ変位量規制部として機能する。
更に、本例の構造を実施する場合には、両係合孔5c、5cを、両耳部4c、4cの円周方向外側縁に開口する状態で形成する事もできる。
その他の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1例の場合と同様であるから、重複する図示並びに説明は省略する。
尚、本発明を実施する場合には、上述した実施の形態の第5例の変形例として、止め輪本体の内周面と外周面との中心軸同士が一致している構成や、止め輪本体の軸方向側面にテーパ面部を有しない構成や、1対の係合孔のうちの一方の係合孔のみが長孔になっている構成や、止め輪の自由状態で、それぞれが長孔である1対の係合孔の伸長方向が互いに一致している(1対の耳部の対向方向になっている)構成や、止め輪が自由状態から弾性的に所定量だけ縮径する事により1対の係合凹部がストッパ部材に係合した状態で、それぞれが長孔である1対の係合孔の伸長方向が互いに一致する構成などを採用する事もできる。
本出願は、2015年11月13日出願の日本特許出願2015−222620および2016年9月12日出願の日本特許出願2016−177397に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
1、1a〜1k 止め輪
2、2a、2b 不連続部
3、3a〜3e 止め輪本体
4、4a〜4c 耳部
5、5a〜5c 係合孔
6 ステアリングホイール
7 ステアリングギヤユニット
8 入力軸
9 タイロッド
10 ステアリングシャフト
11 ステアリングコラム
12 自在継手
13 中間シャフト
14 自在継手
15 ハウジング
16 前側ハウジング素子
17 後側ハウジング素子
18 ボルト
19 トーションバー
20 出力軸
21 玉軸受
22 玉軸受
23 トルクセンサ
24 ウォームホイール
25 電動モータ
26 外輪
27 内輪
28 嵌合面部
29 段部
30 係止溝
31、31a テーパ面部
32 円周方向外側縁
33、33a、33b 係合凹部
34、34a、34b 第一直線縁部
35、35a、35b 第二直線縁部
36 工具片
37a、37b 連続部
38、38a 傾斜側面
39、39a ストッパ部材
40 嵌合面部
41 段部
42 係止溝
43、43a 止め輪
44 円周方向内側縁
45 幅広部
46 幅狭部

Claims (8)

  1. 円周方向の1箇所に不連続部を有する欠円環状の止め輪本体と、
    前記止め輪本体の円周方向両端部における径方向一端部に径方向片側に突出する状態で設けられた1対の耳部と、
    前記1対の耳部に軸方向に貫通する状態で設けられた1対の係合孔と
    を備え、
    前記1対の耳部の円周方向側縁に、前記止め輪本体の径方向他端部を相手部材の周面に円周方向に形成された係止溝に対して装着する際にこの止め輪本体の径寸法が過度に変化する事を防止する為の変位量規制部が、それぞれ設けられ、
    前記1対の係合孔のそれぞれが、前記止め輪本体の中心軸に直交する仮想平面内に於いて所定方向に伸長する長孔になっており、且つ、これら長孔の伸長方向が、前記止め輪本体の径寸法が自由状態から弾性的に所定量だけ変化した状態で、互いに一致する止め輪。
  2. 前記1対の耳部の変位量規制部が、これら耳部の内側に凹入する状態で設けられた係合凹部である
    請求項1に記載した止め輪。
  3. 前記1対の耳部の変位量規制部が、互いに非平行となる様に組み合わせられた第一直線縁部と第二直線縁部とを有している
    請求項1に記載した止め輪。
  4. 前記1対の耳部の変位量規制部を構成する第一直線縁部が、前記止め輪本体の径寸法が自由状態から弾性的に所定量だけ変化した状態で互いに平行となる
    請求項3に記載した止め輪。
  5. 前記止め輪本体の軸方向両側面のうちの軸方向片側面にのみ、径方向他端部に向かうに従って前記止め輪本体の軸方向厚さ寸法が小さくなる方向に傾斜したテーパ面部が設けられており、且つ、前記1対の耳部の形状が、前記止め輪本体の内周面の中心軸を含み且つ前記不連続部の中央部を通過する仮想平面を挟んで非対称な形状になっている
    請求項1〜4のうちの何れか1項に記載した止め輪。
  6. 前記対の係合孔は、
    前記1対の係合孔に挿入した1対の工具片により前記1対の耳部同士の間隔を弾性的に変化させる事に基づいて、前記止め輪本体の径寸法を弾性的に拡げた場合に、前記1対の工具片が前記止め輪本体の中心軸に近づかないようにされている
    請求項1〜5のうちの何れか1項に記載した止め輪。
  7. 前記係止溝を径方向片側の周面に有する相手部材と、
    前記相手部材の径方向片側の周面に嵌合された軸受用軌道輪と、
    前記係止溝に装着された状態で前記軸受用軌道輪の軸方向側面に当接させた止め輪と
    を備え、
    前記止め輪が請求項1〜6のうちの何れか1項に記載された止め輪である
    回転機械。
  8. 請求項1〜6のうちの何れか1項に記載した止め輪を、相手部材の周面に円周方向に形成された係止溝に対して装着する、止め輪の装着方法であって、
    前記1対の係合孔に挿入した1対の工具片により前記1対の耳部同士の間隔を弾性的に変化させる事に基づいて、前記止め輪本体の径寸法を弾性的に変化させる事により、前記変位量規制部をストッパ部材に係合させる事によって、前記止め輪本体の径寸法の変化量を規制しつつ、前記止め輪本体を前記係止溝に対して径方向に重畳させた状態で、前記止め輪本体の径寸法を弾性的に復元させる事により、前記止め輪本体の径方向他端部を前記係止溝に係止する、止め輪の装着方法。
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