JP4168337B2 - スプライン継手 - Google Patents

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    • F16C3/035Shafts; Axles telescopic with built-in bearings

Description

この発明は、自動車の操舵装置等に用いられるスプライン継手に関する。
例えば、自動車の操舵装置には、ステアリングホイールに連結されるステアリングシャフトと舵取り装置との間にインターミディエイトシャフトが設けられる。このインターミディエイトシャフトは、互いに嵌合される筒状の外軸と内軸とを有する。内軸と外軸との間には、ステアリングホイールからの操舵トルクを伝達可能で且つ内軸と外軸とを軸方向に相対移動可能に互いに連結するために、上述のスプライン継手が用いられている。
従来の第1のスプライン継手では、外軸の内周および内軸の外周に、互いに噛み合うスプライン歯がそれぞれ形成される。外軸の端部に、開口端に開放されて軸方向に所定長さで延びる複数のスリットが形成され、これとともに、スリット間に片持ち状の弾性変形可能な複数の舌片が形成される。舌片は、断面形状が軸方向について一定で円弧形状をなす。舌片の外周には、この外周を弾力的に締め付ける締め付け部材が嵌められる。締め付け部材により外軸を介して内軸を締め付ける状態で、スプライン歯同士の間にがたつきが生じないようになり、この状態でスプライン歯同士を相対摺動させて、内軸と外軸とを軸方向に相対移動させる(例えば、特許文献1参照。)。
また、従来の第2のスプライン継手としては、周方向に連続した筒状の外軸および内軸に、互いに対向して軸方向に延びる溝状の軌道をそれぞれ設け、この軌道間に同一径の複数の球状の転動体を遊びをもって介在させているものがある。
また、従来の第3のスプライン継手として、従来の第2のスプライン継手の転動体の遊びを除去するために、内軸の軌道を薄板状の板ばねにより形成し、この板ばねを内軸に対して径方向に移動可能に設け、板ばねにより転動体を付勢して予圧を付与するものがある(例えば、特許文献2,3参照)。また、外軸の軌道を同様に構成したものもある。
また、従来の第4のスプライン継手として、従来の第3のスプライン継手の板ばねに代えて、内軸と別体で左右に分割された一対の棒状の軌道部材と、この一対の軌道部材よりも径方向の内方から軌道部材を付勢するばねとを設け、ばねと一対の軌道部材を内軸に対して変位自在として、ばねにより軌道部材を介して転動体に予圧を付与するものがある(例えば、特許文献4参照)。また、外軸の軌道を同様に構成したものもある。
実公昭63−17862号公報 国際公開第WO03/031250A1号明細書 独国特許出願公開第DE3730393A1号明細書 特開2001−50293号公報
しかし、従来の第1のスプライン継手では、スプライン歯同士の相対摺動の移動抵抗が大きい。
また、従来の第2のスプライン継手では、転動体と軌道との間の遊びがあるので、この遊びが詰まるまでは、ハンドルに加えられた操舵トルクは舵取り機構に伝達されず、その結果、ドライバががたつきや剛性不足を感じ、また、操縦安定性が悪くなる。
また、従来の第3および第4のスプライン継手では、がたつきを防止するためのばねを、軌道ごとにその軌道内の全ての転動体を予圧できるように強くして設けてあるので、全転動体にかかる予圧が強くなる傾向にあり、予圧をかけない場合よりも、軸方向に両軸を相対移動させる際の移動抵抗が大きくなる傾向にある。
さらに、従来の第3のスプライン継手の薄板状の板ばねや従来の第4のスプライン継手の分割された軌道部材は、予圧状態で軌道の変形を生じ易く、転動体が転がり難くなるので、両軸を相対移動させる際の移動抵抗が大きくなる傾向にある。
そこで、この発明の目的は、がたつきの発生を抑制でき、両軸の移動抵抗を小さく抑制できるスプライン継手を提供することである。
上記の目的を達成するため、本発明は、互いに軸方向に相対移動可能に且つトルク伝達可能に嵌め合わされる内軸および筒状の外軸と、内軸および外軸の対応する軌道溝間に介在する転動要素と、上記外軸の開口端から軸方向に所定長さで延びるスリットを形成することで外軸の開口端から上記所定長さの領域に設けられる弾性的に縮径可能な縮径可能部と、縮径可能部の周囲を取り囲んでこれを弾性的に締め付ける締め付け部材とを備え、上記縮径可能部は、締め付け部材の締め付けによって撓み易くするための薄肉部を含み、上記薄肉部は、縮径可能部に部分的に設けられ、上記外軸の軌道溝のうち縮径可能部の内周に形成された区間は、薄肉部の内周に形成された第1の区間と、上記第1の区間に隣接する第2の区間とを含み、上記転動要素は、上記第2の区間を転動する転動要素を含み、上記第2の区間を転動する上記転動要素は、外軸の軸方向に関して、上記第1の区間から所定距離離隔して配置されており、その結果、外軸および内軸が軸方向に相対移動したときに、上記第2の区間を転動する上記転動要素が上記第1の区間を転動しないようにされているスプライン継手であることを特徴とする。
本発明によれば、締め付け部材が、外軸の縮径可能部および転動要素を介して内軸を全周にわたって締め付けて、内軸と外軸との間のがたつきの発生を防止することができる。また、縮径可能部がスプライン嵌合の経年変化によるより大きながたつきに追従できるので、例えば、がたつきをより長期間にわたり防止できる。また、締め付け状態であっても、転動要素の転がりを利用して、両軸の相対移動抵抗を小さくできる。
また、部分的な薄肉部は、縮径可能部全体を薄肉に形成する場合に比べて、容易且つ安価に形成できる
以下では、この発明の実施の形態および参考例を、添付図面を参照して詳細に説明する。本実施形態および参考例では、本スプライン継手を車両用操舵装置の中間軸に適用する場合に則して説明するが、本スプライン継手を上述の中間軸以外の装置に適用することもできる。
図1は、本発明の実施形態のスプライン継手を有する車両用操舵装置の概略構成を示す模式図である。
図1を参照して、車両用操舵装置1は中間軸2を有する。中間軸2は、インターミディエイトシャフトとも呼ばれて、ステアリングホイール3に連結されるステアリングシャフト4と、車輪(図示せず)を操向するための舵取り機構5との間に設けられる。中間軸2は、車輪を操向するためにステアリングホイール3に加えられる操舵トルクを、ステアリングシャフト4から舵取り機構5の回転軸6へ伝達する働きをする。
また、車両用操舵装置1は、操舵トルクを伝達する上述のステアリングシャフト4と、このステアリングシャフト4を内部に通して回転自在に支持するステアリングコラム7とを有する。ステアリングシャフト4の一方の端部にステアリングホイール3が連結され、他方の端部に、第1の自在継手8、本中間軸2および第2の自在継手9を介して上述の舵取り機構5の回転軸6が連結される。ステアリングホイール3が操舵されると、その操舵トルクがステアリングシャフト4等を介して舵取り機構5に伝達され、これにより車輪を操向することができる。また、ステアリングコラム7には、ステアリングシャフト4を減速機10を介して駆動可能な操舵補助用の電動モータ11が設けられる。電動モータ11により、操舵トルクに応じた操舵補助力を得ることができるようになっている。また、車両用操舵装置1では、走行時に生じる舵取り機構5の位置の変化を吸収できるように、中間軸2は伸縮自在とされている。
中間軸2は、軸状をなしてその軸方向Sに伸縮可能に且つトルク伝達可能なスプライン継手12と、このスプライン継手12の一方の端部に設けられて第1の自在継手8を形成するための連結部13と、スプライン継手12の他方の端部に設けられて第2の自在継手9を形成するための連結部14とを有する。
スプライン継手12は、互いにスプライン継手12の軸方向S(以下、単に軸方向Sともいう。)に相対移動可能に且つトルク伝達可能に嵌め合わされる内軸15および筒状の外軸16を有する。内軸15と外軸16との一部分同士が、互いの間に遊びをもって互いに嵌め合わされている。
図2および図3を参照して、スプライン継手12は、内軸15および外軸16の互いに対向する位置にそれぞれ設けられ軸方向Sに延びる軌道としての複数対、例えば、4対の軌道溝17,18と、複数対をなす軌道溝17,18間にそれぞれ介在する転動要素としての複数、例えば、多数のボール19(一部のみ図示)とを有している。対応する軌道溝17,18ごとに、複数、例えば、6つのボール19が軸方向Sに並ぶ列をなして保持器20により保持される。対応する軌道溝17,18は、その間に介在するボール19の転動を案内する。
また、スプライン継手12は、外軸16の端部に環状をなして設けられる弾性的に縮径可能な複数、例えば、4つの縮径可能部21と、縮径可能部21の周囲を取り囲んでこれを弾性的に締め付ける単一の環状の締め付け部材22とを備える。
外軸16の端部には、開口端23から軸方向Sに所定長さL1で延びる複数、例えば、4つのスリット24が形成されている。これら複数のスリット24は、外軸16の周方向に等間隔で配置される。スリット24の働きで、外軸16の端部、具体的には縮径可能部21が弾性的に縮径できるようになっていて、この縮径可能部21は、上述のスリット24を形成することで外軸16の開口端23からスリット24の切り込み端24aまでの所定長さ(スリット24の長さL1に相当)の領域R1に設けられている。これとともに、この領域R1に隣接する領域R2には、外軸16の周方向に連続した円筒形状の縮径不能部25が設けられている。
縮径可能部21は、外軸16の端部に片持ち状に形成された断面円弧形状の弾性片部からなる。縮径可能部21の外周には、外軸16の周方向に延びて締め付け部材22を保持する保持溝26が形成されている。保持溝26に保持される締め付け部材22の締め付け力により、縮径可能部21が外軸16の径方向内方へ付勢される。
また、縮径可能部21は、その基端部の外周に断面矩形に形成されて外軸16の周方向に延びる周溝27と、この周溝27と外軸16の内周との間に形成されて締め付け部材22の締め付けによって縮径可能部21を撓み易くするための薄肉部28とを含む。薄肉部28は、縮径可能部21に軸方向Sに部分的に設けられていて、薄肉部28よりも開口端23側には、相対的に厚肉の厚肉部29が設けられている。この厚肉部29に上述の保持溝26が形成される。保持溝26に、弾力的に拡径された状態の締め付け部材22が嵌められて保持されている。
図4を参照して、締め付け部材22の周方向の第1端部22aは二股状に分かれると共に、第2端部22bは二股の間に延びており、各端部22a,22bの先端はそれぞれ径方向外方へ直角状に折り曲げられた操作部30,31となっている。これら操作部30,31に対してこれらが外軸16の周方向に互いに近づくように力を付加することで、締め付け部材22を弾力的に拡径できるようになっている。
締め付け部材22を取り外した状態の外軸16に対して内軸15およびボール19を容易に挿入することができるように、両軸15,16の軌道溝17,18と、ボール19とのクリアランスが設定されている。また、締め付け部材22を取り付けた状態では、締め付け部材22が外軸16の縮径可能部21を外軸16の径方向内方へ付勢し、縮径可能部21を介してボール19および内軸15を付勢する。これにより、外軸16、内軸15およびボール19の間に予圧を付与する。
図3および図5を参照して、複数対の軌道溝17,18は、外軸16の周方向について互いに等間隔に、スリット24の間に配置される。
軌道溝17は、内軸15の外周に形成され、内軸15の一方の端部から他方の端部まで軸方向Sに沿って延びて断面V字形形状をなす凹条からなる。
軌道溝18は、外軸16の内周に形成され、外軸16の一方の端部から他方の端部まで軸方向Sに沿って延びて断面V字形形状をなす凹条からなる。軌道溝18は、縮径可能部21に設けられた第1の部分21aと、縮径不能部25に設けられた第2の部分25aとを有する。第1の部分21aと第2の部分25aとは、連続して形成されている。
複数のボール19は同一直径の鋼球からなる。軸方向Sについての両軸15,16の相対移動時には、開口端23に近い側に配置される複数、例えば、2つのボール19が、軌道溝18の第1の部分21aとこの部分21aに対向する軌道溝17との間に介在してこの間でのみ転動するようになっており、且つ、開口端23から遠い側に配置される残りの複数、例えば、4つのボール19が、軌道溝18の第2の部分25aとこの部分25aに対向する軌道溝17との間に介在してこの間でのみ転動するようになっている。ボール19は、薄肉部28に対応する軌道溝17,18の区間を通過せず、この区間の通過に伴う予圧状態の変動を防止している。このため、前者の2つのボール19と、後者の4つのボール19とは、その間の保持器20の仕切りにより軸方向Sについての間隔を開けて保持されている。
このように本実施形態では、締め付け部材22が、外軸16の縮径可能部21およびボール19を介して、内軸15を全周にわたって締め付けることができ、内軸15と外軸16との間のがたつきの発生を防止することができる。また、縮径可能部21がスプライン嵌合の経年変化によるより大きながたつきに追従できるので、例えば、がたつきをより長期間にわたり防止できる。また、締め付け状態であっても、ボール19の転がりを利用して、両軸15,16の相対移動抵抗を小さく抑制することができる。
また、縮径可能部21は締め付け力により外軸16の径方向に変位し易く、また、ボール19は外軸16の周方向に部分的に配置されて締め付け力を集中して受けることができる。その結果、締め付け力を効果的に内軸15に伝達できる。従って、弱い締め付け力の締め付け部材22を用いる場合であっても、両軸15,16の間のがたつきの発生を確実に防止することができ、しかも、弱い締め付け力により、両軸15,16の相対移動抵抗をより一層小さく抑制することもできる。
また、上述のように、がたつきが防止されているので、がたつき除去のために縮径不能部25に対応する軌道溝17,18とボール19との間において強い予圧をかけずに済む。従って、両軸15,16の相対移動抵抗をより一層小さく抑制することができる。
また、本実施形態では、薄肉部28が縮径可能部21に部分的に設けられている。この場合、縮径可能部21に対応する軌道溝18の第1の部分21aの精度を高く維持し易く、相対移動抵抗をより小さく抑制することができる。また、部分的な薄肉部28は、縮径可能部21全体を薄肉に形成する場合に比べて、容易且つ安価に形成できる。
次に、第1参考例を説明する。以下の説明では、上述の実施形態と異なる点を中心に説明し、同様の構成については説明を省略して同じ符号を付しておく。また、後述する他の実施形態、参考例や変形例についても同様とする。
図6および図7を参照して、第1参考例のスプライン継手12Aは、以下の点で上記実施形態のスプライン継手12と異なる。すなわち、スプライン継手12Aは、上記実施形態の内軸15および外軸16に代えて内軸15Aおよび外軸16Aを用いていて、上記実施形態の締め付け部材22を廃止している。また、スプライン継手12Aは、内軸15Aおよび外軸16Aの互いに対応する複数対、例えば、4対の第1の軌道溝としての軌道溝(第1の軌道溝ともいう。)17,18Aと、この軌道溝17,18Aと外軸16Aの周方向に等間隔で離れて設けられて内軸15Aおよび外軸16Aの互いに対応する複数対、例えば、4対の第2の軌道溝としての軌道溝(第2の軌道溝ともいう。)32,33と、4対の第1の軌道溝17,18A間に介在する転動要素としての複数のボール19と、4対の第2の軌道溝32,33間にそれぞれ介在する弾性摺動要素としての複数、例えば、4つの弾性筒状体34とを備える。対応する第1の軌道溝17,18A間の複数のボール19は、保持器20Aにより軸方向に等間隔で列をなして保持される。
外軸16Aは、上記実施形態の縮径可能部21、スリット24、および保持溝26が廃止されている点と、上記実施形態の軌道溝18に代えて第1の軌道溝18Aを有する点と、第2の軌道溝33を有する点とで、上記実施形態の外軸16と異なる。第1の軌道溝18Aは、上記実施形態の軌道溝18からその第1の部分21aを廃止しており、第1の軌道溝18Aの全体が上記実施形態の軌道溝18の第2の部分25aと同様に形成されている。
内軸15Aは、第2の軌道溝32を有する点で、上記実施形態の内軸15と異なる。
図7および図8を参照して、互いに対応する第1の軌道溝17,18Aは、その間の複数のボール19の転動を案内する。第2の軌道溝32,33は、第1の軌道溝17,18Aと互いに同様にそれぞれ形成され、その間に介在する弾性筒状体34の摺動を軸方向Sに案内する。
図9を参照して、弾性筒状体34は、軸方向Sについて長く形成され、例えば、ばね鋼製のスプリングピンからなる。弾性筒状体34は、長手方向の両端部の外周に形成されてテーパ形状をなす面取り部35を有する。
弾性筒状体34は、断面円弧形状に形成されていて、円弧端同士の間に弾性筒状体34の軸方向S1(長手方向に相当する)に延びる単一のスリット36を有する。スリット36は弾性筒状体34の軸方向S1の両端に開放されていて、弾性筒状体34はその径方向U1に弾性変形可能とされる。
図7および図8を参照して、弾性筒状体34は弾性的に縮径状態で対応する第2の軌道溝32,33間に配置され、これにより、弾性筒状体34を拡径しようとする弾性復元力が、内軸15Aおよび外軸16Aを外軸16Aの径方向の双方向に、また相対回転方向T(外軸16Aの周方向に相当する)の双方向に作用し、内軸15Aおよび外軸16Aの間に予圧を与える。
通例、ボール19の転がりに必要な遊びに起因して両軸15A,16Aの間にがたつきが生じることが懸念されるが、第1参考例では、弾性筒状体34による予圧によって、内軸15Aおよび外軸16Aの間の回転方向Tのがたつきの発生を防止することができる。しかも、内軸15Aおよび外軸16Aを主にボール19を介して軸方向Sに相対移動させるので、両軸15A,16Aの相対移動抵抗を小さく抑制することができる。
さらに、弾性筒状体34は、ボール19が転動する第1の軌道溝17,18Aから離れて配置され、ボール19を転動し易くできる。また、弾性筒状体34が両軸15A,16Aに対してともに摺動自在とされることにより、両軸15A,16Aの相対移動時に、対応する一対の第2の軌道溝32,33の少なくとも一方に対して、例えば、摺動抵抗の小さい方に対して相対摺動できる。従って、両軸15A,16Aの相対移動抵抗を小さく抑制することができる。
また、弾性筒状体34を設けてがたつきを防止できるので、がたつき防止のためにボール19と第1の軌道溝17,18Aとの間の予圧を強くせずに済み、その結果、ボール19と第1の軌道溝17,18Aとの間に遊びを持たせたり予圧を軽くしたりできる。この点で両軸15A,16Aの相対移動抵抗を抑制するのに好ましい。
スリット36を有する弾性筒状体34は、両軸15A,16A間に予圧を付与するための構造を簡素化できる。また、相対移動時に弾性筒状体34が第2の軌道溝32,33に引っ掛かることが面取り部35により防止され、その摺動抵抗をより一層小さくでき、ひいては両軸15A,16Aの相対移動抵抗をより一層低減できる。ここで、面取り部35は、C面取りでもよいしR面取りでもよい。
図10および図11を参照する。第2参考例のスプライン継手12Bは、内軸15Bおよび外軸16Bの互いに対向する位置にそれぞれ設けられ軸方向Sに延びる軌道としての複数対、例えば、8対の軌道溝37,38(一部のみ図示)と、複数対をなす軌道溝37,38の間にそれぞれ介在する転動要素としての複数のボール19(図10には一部のみ図示)および複数のボール39(図11にのみ図示)とを有している。これらのボール19,39は、対応する軌道溝37,38ごとに軸方向Sに並ぶ列をなして保持器20Aにより保持される。
複数対の軌道溝37,38は、外軸16Bの周方向について互いに等間隔に配置される。軌道溝37は、内軸15Bの外周に形成され、内軸15Bの一方の端部から他方の端部まで軸方向Sに沿って延びて断面V字形形状をなす凹条からなる。軌道溝38は、外軸16Bの内周に形成され、外軸16Bの一方の端部から他方の端部まで軸方向Sに沿って延びて断面V字形形状をなす凹条からなる。
互いに対応する軌道溝37,38は、その間に介在する複数のボール19および複数のボール39の転動を案内する。対応する軌道溝37,38内で列をなす複数、例えば、6つのボール19,39のうちの2つのボール39の直径D1を残りの4つのボール19の直径D2よりも大きく(D1>D2)している。
ボール39は、鋼等の硬質部材により形成されている。ボール39とボール19との直径差(D1−D2)は、例えば、2μm〜10μmとされているが、これよりも大きくしてもよいし、小さくすることも考えられる。
例えば、両軸15B,16Bの軌道溝37,38と、ボール19,39とのクリアランスは遊びをもって設定されている。伝達トルクが所定値以下の一般的な使用状態では、大径のボール39のみが軌道溝37,38と当接してトルクを伝達でき、伝達トルクが大きくなると、大径のボール39が微小量(例えば、2μm〜10μm程度)で弾性変形し、全ボール19,39が軌道溝37,38と当接してトルクを伝達でき、ボール39に無理な力がかからずに済む。
第2参考例では、一部の大径のボール39の遊びを小さくすることで、両軸15B,16Bの相対移動抵抗を殆ど増加させることなく、内軸15Bと外軸16Bとの間のがたつきの発生を抑制できる。
また、ボール39に相対回転方向Tの予圧が付与されて、遊びが無い状態やマイナスの状態になることも考えられ、この場合、がたつきの発生を確実に防止でき、より好ましくは、後述するようにボール39を弾性部材により形成することにより、予圧を安定して付与できる。
複数のボール39が対応する軌道溝37,38に介在することにより、より好ましくは、複数のボール39の間にボール19が挟まれることにより、さらにより好ましくは、対応する軌道溝37,38の複数のボール19,39のなす列の両端にボール39を配置することにより、こじり方向、すなわち、軸方向Sと直交する方向の回りのモーメントを受けるときのがたつきの発生を抑制できる。
本発明の実施形態および上記参考例では、がたつきの発生を抑制でき、軸方向Sの相対移動抵抗を小さく抑制できるスプライン継手12,12A,12Bを提供することができる。
本スプライン継手12,12A,12Bを車両用操舵装置1に適用するのが好ましい。この場合、ドライバががたつきや剛性不足を感じることなく、また、操縦安定性を高めることができ、しかも、中間軸2の伸縮時の相対移動抵抗が小さくて、例えば、快適な操舵感を達成できる。
なお、上記実施形態において、薄肉部28を縮径可能部21の全体に設けてもよい。また、外軸16に単一のスリット24だけを形成することにより、単一の縮径可能部21を設けることも考えられる。周溝27を外軸16の内周に形成し、この周溝27と外軸16の外周との間に薄肉部28を形成することや、周溝27を外軸16の内周および外周に対向して形成し、両方の周溝27の間に薄肉部28を形成することも考えられる。また、締め付け部材22を複数個設けてもよい。
第1参考例において、弾性摺動要素としての弾性筒状体34を断面環状に形成し、スリット36を廃止することも考えられる。また、弾性筒状体34の面取り部35を廃止することも考えられる。弾性筒状体34およびこれのための軌道溝32,33を少なくとも1箇所に設けてもよい。ボール19のための軌道溝17,18Aと弾性筒状体34のための軌道溝32,33とを互いに異なる形状に形成してもよい。
第2参考例において、対応する軌道溝37,38における2個の大径のボール39の少なくとも一方を、ボール19,39のなす列の中間部に配置してもよい。また、列のなかに3個以上の大径のボール39と、少なくとも一個の小径のボール19とを配置してもよく、大径のボール39は少なくとも2つを設ければよい。また、このような少なくとも2つの大径のボール39を、少なくとも一対の軌道溝37,38に配置してあればよい。大径のボール39を合成樹脂部材等の弾性部材により形成してもよい。
また、上記実施形態において、軌道溝17,18は、対応する内軸15の外周および外軸16の内周に、内軸15および外軸16と別体で形成された軌道部材(図示せず)を介して設けられ、この軌道部材により形成される凹条からなるようにしてもよい。第1参考例の軌道溝17,18Aおよび軌道溝32,33を、また第2参考例の軌道溝37,38を、同様に軌道部材に形成してもよい。その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
本発明の実施形態のスプライン継手を適用した車両用操舵装置の概略構成の模式図。 図1のスプライン継手の一部断面の分解側面図。 図2のスプライン継手の断面図であり、図5の III− III断面を示す。 図2の締め付け部材の斜視図。 図2のスプライン継手の断面図であり、図3のV−V断面を示す。 第1参考例のスプライン継手の一部断面の分解側面図。 図6のスプライン継手の断面図であり、図8のVII−VII断面を示す。 図6のスプライン継手の断面図であり図7のV III−V III断面を示す。 図6の弾性筒状体の斜視図。 第2参考例のスプライン継手を示す図10のX−X断面図である。 図10のXI−XI断面のスプライン継手の要部拡大断面図。
符号の説明
12,12A,12B スプライン継手
15,15A,15B 内軸
16,16A,16B 外軸
17 (内軸の)軌道溝(内軸の第1の軌道溝)
18 (外軸の)軌道溝
18A (外軸の)軌道溝(外軸の第1の軌道溝)
19 ボール(転動要素、残りのボール)
21 縮径可能部
22 締め付け部材
23 外軸の開口端
24 スリット
28 薄肉部
32 (内軸の)軌道溝(内軸の第2の軌道溝)
33 (外軸の)軌道溝(外軸の第2の軌道溝)
34 弾性筒状体(筒状体、弾性摺動要素)
36 (筒状体の)スリット
37 (内軸の)軌道溝
38 (外軸の)軌道溝
39 (径の大きい)ボール
L1 所定長さ
R1 所定長さの領域
S (スプライン継手の)軸方向
S1 (弾性筒状体の)軸方向
T (内軸と外軸との)相対回転方向
U1 (弾性筒状体の)径方向

Claims (1)

  1. 互いに軸方向に相対移動可能に且つトルク伝達可能に嵌め合わされる内軸および筒状の外軸と、
    内軸および外軸の対応する軌道溝間に介在する転動要素と、
    上記外軸の開口端から軸方向に所定長さで延びるスリットを形成することで外軸の開口端から上記所定長さの領域に設けられる弾性的に縮径可能な縮径可能部と、
    縮径可能部の周囲を取り囲んでこれを弾性的に締め付ける締め付け部材とを備え、
    上記縮径可能部は、締め付け部材の締め付けによって撓み易くするための薄肉部を含み、
    上記薄肉部は、縮径可能部に部分的に設けられ、
    上記外軸の軌道溝のうち縮径可能部の内周に形成された区間は、薄肉部の内周に形成された第1の区間と、上記第1の区間に隣接する第2の区間とを含み、
    上記転動要素は、上記第2の区間を転動する転動要素を含み、
    上記第2の区間を転動する上記転動要素は、外軸の軸方向に関して、上記第1の区間から所定距離離隔して配置されており、その結果、外軸および内軸が軸方向に相対移動したときに、上記第2の区間を転動する上記転動要素が上記第1の区間を転動しないようにされていることを特徴とするスプライン継手。
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