JP2008261423A - 伸縮式回転伝達軸 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転方向並びに径方向に関するがたつきを抑えられると共に、軸方向の伸縮を円滑に行なわせる事ができ、しかも、加工作業や組立作業を容易に行なえ、廉価に構成できる伸縮式回転伝達軸を実現する。
【解決手段】雄スプライン部14aと雌スプライン部16aとの間の隙間23部分に、筒状の弾性部材19を設ける。又、上記雄スプライン部14aの円周方向等間隔複数個所に凹部22、22を設ける。又、上記弾性部材19の内周面のうち、上記各凹部22、22と整合する部分(径方向に対向する部分)に、径方向外方に凹入する状態で第二の凹部24、24を設ける。そして、これら互いに対向する各凹部22、22と第二の凹部24、24とにより構成される中空の空間を、それぞれ中空部25、25とし、これら各中空部25、25の存在に基づく上記弾性部材19の弾性変形に基づき、上記雄、雌両スプライン部14a、16a同士の間に、これら両スプライン部14a、16a同士ががたつくのを阻止する方向の弾性力を付与する
【選択図】図1

Description

この発明は、自動車用操舵装置を構成するステアリングシャフト或いは中間シャフトとして使用される、伸縮式回転伝達軸の改良に関する。具体的には、回転方向並びに径方向に関するがたつきを抑えられると共に、軸方向の伸縮を円滑に行なわせる事ができ、しかも、加工作業や組立作業を容易に行なえ、廉価に構成できる伸縮式回転伝達軸の実現を図るものである。
自動車の操舵装置は、例えば図20に示す様に構成して、ステアリングホイール1の動きをステアリングギヤ2に伝達する様にしている。このステアリングホイール1の動きは、ステアリングシャフト3と、自在継手4aと、中間シャフト5と、自在継手4bとを介して、上記ステアリングギヤ2の入力軸6に伝達される。すると、このステアリングギヤ2が、タイロッド7、7を押し引きして、操舵輪に所望の舵角を付与する。尚、図20に示した例では、電動モータ8により上記ステアリングシャフト3に、運転者が上記ステアリングホイール1に加えた力に応じた補助力を付与する、電動式パワーステアリング装置を組み込んでいる。
上述の様な操舵装置で、運転者の体格や運転姿勢に応じてステアリングホイール1の前後位置を調節する際には、上記ステアリングシャフト3と、このステアリングシャフト3を回転自在に支持したステアリングコラム9とを伸縮させる。この為に、上記ステアリングシャフト3を、アウターシャフト10とインナーシャフト11とを、スプライン係合部(ピッチが細かいセレーション係合部も含む。本明細書全体で同じ。)により伸縮及び回転力の伝達を自在に組み合わせた、所謂テレスコピックステアリングシャフトとしている。又、上記ステアリングコラム9を、アウターコラム12とインナーコラム13とを伸縮自在に組み合わせたものとしている。
又、上記中間シャフト5に関しては、衝突事故の際に上記ステアリングホイール1が運転者側に突き上げられる事を防止する為に、伸縮式のものを使用している。図21は、従来から一般的に使用されている中間シャフト5の構造の1例を示している。この中間シャフト5は、先端部外周面に雄スプライン部14を設けたインナーシャフト15と、内周面にこの雄スプライン部14を挿入自在な雌スプライン部16を形成した円管状のアウターシャフト17とから成る。そして、この雌スプライン部16に上記雄スプライン部14をスプライン係合する事で、上記インナーシャフト15と上記アウターシャフト17とを、伸縮自在に組み合わせている。尚、上記雄、雌両スプライン部14、16のうち、雄スプライン部14が特許請求の範囲に記載した挿入部に相当し、雌スプライン部16が、同じく筒状部に相当する。又、上記両シャフト15、17の基端部に、それぞれ自在継手4a、4bを構成する一方のヨーク18a、18bの基端部を溶接固定している。
上述の様に構成する上記中間シャフト5は、通常時(衝突事故の発生前)には、図21に示す様に、上記インナーシャフト15の先端部の雄スプライン部14が、上記アウターシャフト17の雌スプライン部16の先端寄り部分に存在する。この状態から衝突事故(一次衝突)に基づいて車体の前部が押し潰され、前記ステアリングギヤ2(図20参照)が後方に押されると、上記雄スプライン部14が上記雌スプライン部16の奥部に入り込みつつ、上記中間シャフト5の全長が縮まる。そして、上記ステアリングギヤ2の後方移動に拘らず、前記ステアリングホイール1が後方に移動する(運転者に向けて突き上げられる)事を防止して、一次衝突時に於ける運転者の保護を図る。尚、前記ステアリングシャフト3は、二次衝突時に全長を縮める事で、上記ステアリングホイール1に衝突した運転者の保護を図る。又、上記ステアリングシャフト3は、運転者の体格や運転姿勢に応じて上記ステアリングホイール1の前後位置を調節する際にも伸縮する。これらの機能を果たす為の構造に就いては、従来から周知であり、本発明の要旨とも直接は関係しない為、詳しい図示並びに説明は省略する。
上述の様な中間シャフト5及びステアリングシャフト3等の伸縮式回転伝達軸の場合、軸方向の伸縮を円滑に行なわせる(小さな力で伸縮する)必要がある。この様に軸方向の伸縮を円滑に行なわせる為に、特許文献1、2には、ステアリングシャフトを構成するインナーシャフトの表面を、合成樹脂により覆った構造が記載されている。この様な構造の場合、軸方向の摺動面が、滑り易い(摩擦抵抗の小さい)合成樹脂により構成される為、アウターシャフトとインナーシャフトとの軸方向の相対変位を滑らかに行なえる(摺動荷重を軽くできる)。但し、上述の様な従来構造の場合、操舵時にアウターシャフトとインナーシャフトとが回転方向並びに径方向にがたつくのを確実に抑える為には、例えばこのインナーシャフトに覆われた上記合成樹脂の外周面とアウターシャフトの内周面との形状精度を、或る程度高度に規制する必要がある。又、これら周面同士に存在する形状誤差を考慮して、上記ステアリングシャフトの組立時に、例えば合成樹脂に覆われたインナーシャフトと上記アウターシャフトとを、複数の個体のうちから好ましい組み合わせに選択する為の、選択組み合わせを行なう必要がある。この為、加工作業や組立作業が面倒になり、製造コストが嵩む可能性がある。
特開昭61−184222号公報 実公平7−49073号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、回転方向並びに径方向に関するがたつきを抑えられると共に、軸方向の伸縮を円滑に行なわせる事ができ、しかも、加工作業や組立作業を容易に行なえ、廉価に構成できる伸縮式回転伝達軸を実現すべく発明したものである。
本発明の伸縮式回転伝達軸は、アウターシャフトと、インナーシャフトと、弾性部材とを備え、これらアウターシャフトとインナーシャフトとを、上記弾性部材を介して互いの間で回転力の伝達を可能に、且つ、互いに軸方向の相対変位を可能に組み合わせている。
このうちのアウターシャフトは、少なくとも軸方向の一部を、軸方向一端面に開口する、内周面の形状が非円形{例えば、矩形、正方形、楕円形、三角形、径方向の凹凸(例えば雌スプライン歯)を有する多角形等}である筒状部(例えば雌スプライン部)としている。但し、軸方向全長に亙り管状に形成し、全体を筒状部としても良い。
又、上記インナーシャフトは、少なくとも軸方向の一部をこの筒状部に緩く挿入可能な、外周面の形状が非円形{例えば、矩形、正方形、楕円形、三角形、径方向の凹凸を有する(例えば雄スプライン歯を有する)多角形等}である挿入部(例えば雄スプライン部)としている。但し、軸方向全長に亙り断面形状を同じとして、全体を挿入部としても良い。
又、上記弾性部材は、ゴムの如きエラストマー、合成樹脂等の高分子材料製の弾性材により造られたもの{例えばアクリルゴム、アクリルエチレンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)、アクリルニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂、ポリアミド樹脂(PA)、ポリ四弗化エチレン樹脂(PTFE)等の高分子材料のうちから選択される滑り易い(摩擦係数の小さい)弾性材により造られたもの}で、上記挿入部の外周面と上記筒状部の内周面との間に存在する隙間部分に設けられている。
尚、本明細書及び特許請求の範囲で言う、「挿入部の外周面」或いは「筒状部の内周面」は、挿入部の外形或いは筒状部の内形を構成する面全体を言う。従って、必ずしも径方向に向いた面に限らず、回転方向に向いた面も含む。
特に、本発明の伸縮式回転伝達軸に於いては、上記挿入部の外周面と上記筒状部の内周面とのうちの少なくとも何れかの周面(例えば挿入部の外周面)と、この周面と対向する上記弾性部材の周面(例えば内周面)との間に、この弾性部材を上記隙間部分内で所定方向に弾性変形させる為の中空部(中空状の空間)を設ける。そして、この中空部の存在に基づく上記弾性部材の弾性変形{例えば中空部が縮まる(収縮する)方向の弾性変形}に基づいて、上記挿入部と筒状部との間に、これら挿入部と上記筒状部とががたつくのを阻止する方向(例えば円周方向並びに径方向)の弾性力(予圧)を付与する。
尚、この様な弾性力(予圧)を付与する為に、上記弾性部材の周面の輪郭形状(中心軸に直交する断面に関する周面の輪郭形状)と、この周面に対向する上記筒状部の内周面と上記挿入部の外周面とうちの少なくとも何れかの周面の輪郭形状とを、例えば、次の様に規制する。即ち、これら挿入部の外周面と筒状部の内周面とのうちの少なくとも何れかの周面(例えば中空部を構成する周面とは異なる面で、例えば筒状部の内周面)の輪郭形状と、この周面と当接する上記弾性部材の周面(例えば外周面)で、この弾性部材を上記挿入部と筒状部とのうちの何れか(例えば中空部を構成する周面を有する部材で、例えば挿入部)にのみ組み付けた(射出成形した)状態での輪郭形状とを、円周方向の一部(例えば中空部と径方向に重畳する部分)で所定量(必要な弾性力を得られる分)ずらす。そして、上記挿入部と上記筒状部とを上記弾性部材を介して組み付けた状態で、この弾性部材のうちの上記ずれた部分に対応する部分が弾性変形するのを、上記中空部が許容する事により、この弾性部材を所定方向に弾性変形させる。そして、この弾性変形に基づいて、上記挿入部と筒状部との間に、これら挿入部と筒状部とががたつくのを阻止する方向の弾性力を付与する。
又、上述の様な本発明を実施する場合に好ましくは、請求項2に記載した様に、上記挿入部の外周面を全周に亙って覆う状態で、(筒状の)上記弾性部材を設ける。又、これら弾性部材の内周面と挿入部の外周面とのうちの少なくとも何れかの周面(例えば挿入部の外周面)の周方向(等間隔)複数個所(例えば2〜8個所)に、相手面(例えば弾性部材の内周面)に対し径方向に隙間を介して対向する離隔部(例えば凹部、平坦面等)を設ける。例えば、上記挿入部の外周面の周方向(等間隔)複数個所に、この周面から径方向内方に凹入する状態で、それぞれが上記離隔部である凹部を設ける。そして、これら各離隔部(例えば凹部、平坦面)と、これら各離隔部に対向する上記相手面とにより周囲を囲まれる空間を、それぞれ中空部とする。
又、本発明を実施する場合により好ましくは、請求項3に記載した様に、上記中空部の内部(中空状の空間内)に第二の弾性部材を設け、この第二の弾性部材と上記弾性部材とにより、上記挿入部と上記筒状部との間に、これら挿入部と筒状部とががたつくのを阻止する方向の弾性力を付与する。尚、上記第二の弾性部材は、上述の弾性部材と同様に、ゴムの如きエラストマー、合成樹脂等の高分子材料等の弾性材により造る他、ばね鋼、燐青銅等の金属製の弾性材により造る事もできる。この様な金属製の弾性材により上記第二の弾性部材を構成する場合には、線ばね、波状の板ばね等を採用できる。
尚、請求項4に記載した様に、上記弾性部材を、上記中空部を構成する部分で、周方向に分離させる事もできる。
上述の様に構成する本発明によれば、回転方向並びに径方向に関するがたつきを抑えられると共に、軸方向の伸縮を円滑に行なわせる事ができ、しかも、加工作業や組立作業を容易に行なえ、廉価に構成できる。
先ず、回転方向並びに径方向のがたつきの防止は、挿入部の外周面と筒状部の内周面との間に存在する隙間部分に設けられた弾性部材により、これら両周面同士の間に回転方向並びに径方向の弾性力が付与される事により図られる。即ち、中空部の存在に基づく上記弾性部材の弾性変形に基づいて、上記挿入部と筒状部との間に、これら挿入部及び筒状部同士ががたつくのを阻止する方向(回転方向、径方向)の弾性力が付与される。そして、この弾性力に基づき、例えばアウターシャフトとインナーシャフトとの間でトルクを伝達する際に、回転方向並びに径方向の隙間に基づくがたつきを発生する事が防止される。
又、上記軸方向の伸縮を円滑に行なわせる(小さな軸力で伸縮させる)事は、上記挿入部の外周面又は上記筒状部の内周面と上記弾性部材の周面とが互いに相対変位する事で図られる。即ち、これら互いに相対変位する周面同士は、上記弾性部材の弾性力に基づいてこの弾性部材の周面と当接してはいるが、この弾性力に基づく当接面の面圧は限られている。又、上記弾性部材をゴムの如きエラストマー、合成樹脂等の高分子材料製で滑り易い弾性材により造られたものとする事で、滑り易く(摩擦抵抗を小さく)する事ができる。この為、上記各面同士を相対変位させる為に要する力は小さくて済み(摺動抵抗を小さくでき)、上記軸方向の伸縮を円滑に行なわせる事ができる。
又、加工作業や組立作業を容易に行なえ、廉価に構成できる事は、上記弾性部材が中空部の存在に基づいて弾性変形する事により図られる。即ち、上記挿入部の外周面並びに上記筒状部の内周面と上記弾性部材の内外両周面とに、或る程度の形状誤差や形状のばらつきがあったとしても、これら形状誤差やばらつきは、上記弾性部材が上記中空部の存在に基づいて弾性変形する事により吸収できる。この様な形状誤差やばらつきに基づく、上記弾性部材の弾性変形量は、上記挿入部と筒状部との間にがたつきを阻止する為の弾性力を得る為に必要な弾性変形量に対して小さい。言い換えれば、上記形状誤差やばらつきに伴って、上記弾性部材の弾性変形量が多少変化したとしても、必要な弾性力を十分に確保できる(必要な弾性力が失われる事はない)。従って、上記挿入部や筒状部、弾性部材の形状精度、加工精度を高度に規制しなくて済むと共に、選択組み合わせを行なう事なく、アウターシャフトとインナーシャフトとを組み付けられる。又、部品点数を少なく簡素に構成でき、この面からも廉価に構成できる。
又、請求項2に記載した構成を採用した場合には、上記挿入部と上記筒状部との間に最適な弾性力(がたつきを防止でき、且つ、軸方向の変位を円滑に行なう事のできる弾性力)を付与できる構造を、簡素に構成できる。又、請求項3に記載した構成を採用した場合には、第二の弾性部材により、挿入部と筒状部との間に付与される弾性力を微細に設定できる他、この第二の弾性部材と上記弾性部材とにより、長期に亙って必要な弾性力を確実に付与できる(耐久性を確保できる)。又、請求項4に記載した構成を採用した場合にも、上記弾性部材の弾性変形量や弾性変形の方向をより柔軟に設定でき、上記挿入部と上記筒状部との間に付与される弾性力を更に微細に設定できる。
尚、何れの場合も、軸方向の変位を円滑に行なう事ができる為、例えば伸縮式回転伝達軸を中間シャフトとして使用した場合には、一次衝突の際にこの中間シャフトが縮まる為に要する力を小さく抑えられて、この一次衝突の際に運転者を保護すべく、ステアリングホイールの突き上げを防止する為の設計の自由度が向上する。又、上記伸縮式回転伝達軸をステアリングシャフトとして利用した場合には、ステアリングホイールの前後位置を調節すべく、このステアリングシャフトを伸縮させる為に要する力を小さく抑えて、この前後位置調節の為に要する力を小さく抑えられる。
[実施の形態の第1例]
図1〜5は、請求項1〜2に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。伸縮式回転伝達軸であるステアリングシャフト3aは、アウターシャフト10aと、インナーシャフト11aと、弾性部材19とを備える。そして、これらアウターシャフト10aとインナーシャフト11aとを、上記弾性部材19を介して互いの間で回転力の伝達を可能に、且つ、互いに軸方向の相対変位を可能に組み合わせている。
この為に、上記アウターシャフト11aは、中空円管状で、内周面に、特許請求の範囲に記載した筒状部に相当する、雌スプライン部16aを設けている。この雌スプライン部16aは、次述する雄スプライン部14aを挿入自在としており、断面形状を非円形(雌スプライン歯20、20による径方向の凹凸を有する多角形)としている。又、上記インナーシャフト11aは、中実円杆状で、先端部外周面に、特許請求の範囲に記載した挿入部に相当する雄スプライン部14aを設けている。この雄スプライン部14aは、上記雌スプライン部16aに緩く挿入可能としており、断面形状を非円形(雄スプライン歯21a、21bによる径方向の凹凸を有する多角形)としている。
本例の場合は、上記雄、雌両スプライン部14a、16aのうち、雌スプライン部16aを構成する各雌スプライン歯20、20のピッチPo を、総て同じにしている。これに対して、上記雄スプライン部14aを構成する複数の雄スプライン歯21a、21bのうち、次述する各凹部22、22を挟んで設けた、これら各凹部22、22毎に互いに対となる雄スプライン歯21a、21aのピッチPaを、残りの雄スプライン歯21b、21b(21a、21bのピッチも同様)のピッチPbよりも大きく(Pa>Pb)している。即ち、上記雄スプライン部14aの円周方向等間隔複数個所(本例の場合は3個所位置)に、2個分の雄スプライン歯と3個分の歯底部に対応する幅寸法を有する凹部22、22を、これら歯底部よりも径方向内方に凹入する状態で、上記雄スプライン部14の軸方向全長に亙り、それぞれ設けている。
又、上記弾性部材19は、ゴムの如きエラストマー、合成樹脂等の高分子材料製の弾性材により、筒状に造られたもので、上記雄スプライン部14aの外周面と上記雌スプライン部14aの内周面との間に存在する隙間部分に設けられている。即ち、本例の場合には、上記雌スプライン部16aの内形(空間部の断面形状)を、上記雄スプライン部14aの外形(断面形状)よりも大きくしている。そして、この雄スプライン部14aを上記雌スプライン部16a内に挿入し、これら両スプライン部14a、16a同士を同心にした状態で、これら両スプライン部14a、16a同士の間に隙間23が存在する様にしている。
本例の場合、上記弾性部材19は、この様な隙間23部分に、後述する様に、所定の弾性変形をした状態(所定の弾性力を雄、雌両スプライン部14a、16a同士の間に付与した状態)で、設けられている。尚、この様な弾性部材19を構成する上記弾性材としては、例えばアクリルゴム、アクリルエチレンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)、アクリルニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂、ポリアミド(PA)樹脂、ポリ四弗化エチレン樹脂(PTFE)等の高分子材料のうちから選択される滑り易い(摩擦係数の小さい)弾性材を採用できる。尚、必要に応じて、上記弾性部材19の外周面と上記雌スプライン部16aの内周面とに潤滑剤を塗布し、更なる摩擦抵抗の低減を図る事もできる。
何れにしても、本例の場合は、上記弾性部材19を、上記雄スプライン部14aを包む様に射出成形(INJ:injection molding )する事により、この雄スプライン部14aの外周面を全周に亙って覆う状態で設けている。この様な弾性部材19は、この雄スプライン部14aの外周面を包む様に射出成形された状態で、その外周面の輪郭形状(中心軸に直交する断面に関する外周面の輪郭形状)を、上記雌スプライン部16aの内周面の輪郭形状と略同じになる様にしている。従って、上記雄スプライン部14aと上記雌スプライン部16aとは、上記弾性部材19を介してスプライン係合する(雄スプライン部14aのうちで凹部22、22が設けられた部分は弾性部材19の外周面に形成された雄スプライン歯が雌スプライン部16aにスプライン係合する)。又、上記弾性部材19が、上記雄スプライン部14aに対し軸方向に変位するのを阻止する為に、例えばこの雄スプライン部14aの一部に、この雄スプライン部14aの軸方向に対し直交する方向の旋削溝(図示省略)を形成し、射出成形時にこの旋削溝内に上記弾性部材19の一部が入り込む様にする(引っ掛かりを設ける)。又、例えば上記弾性部材19の軸方向両端部をかしめる(合成樹脂を加熱して径方向内方に塑性変形させる)事により、上記弾性部材19が雄スプライン部14aに対し軸方向に変位するのを阻止しても良い。
又、上述の様に構成する弾性部材19の内周面のうち、上記雄スプライン部14aの外周面に設けた各凹部22、22と整合する部分(径方向に対向する部分)に、径方向外方に凹入する状態で第二の凹部24、24を、上記弾性部材19の軸方向全長に亙り、それぞれ設けている。そして、これら互いに対向する各凹部22、22の内面と第二の凹部24、24の内面とにより周囲を囲まれる空間を、それぞれ中空部25、25としている。尚、この様な中空部25、25を構成する為の第二の凹部24、24は、この中空部25、25と同じ断面形状を有する型材(中子)を上記各凹部22、22内にそれぞれ配置した状態で上記弾性部材19を射出成形し、この射出成形後にこれら各型材を引き抜く事により形成できる。
上述の様に構成する各中空部25、25は、上記雄、雌両スプライン部14a、16a同士を組み付けた状態で、上記弾性部材19を、これら雄スプライン部14aと雌スプライン部16aとの間の隙間23部分内で、所定方向に弾性変形させる為のものである。そして、この様な各中空部25、25の存在に基づく上記弾性部材19の弾性変形に基づいて、上記雄スプライン部14aと雌スプライン部16aとの間に、これら雄、雌両スプライン部14a、16a同士ががたつくのを阻止する方向(円周方向並びに径方向)の弾性力(予圧)を付与する。本例の場合は、この様な弾性力(予圧)を付与する為に、上記雌スプライン部16aの内周面の輪郭形状(中心軸に直交する断面に関する周面の輪郭形状)と上記弾性部材19の外周面の輪郭形状とを、次の様に規制している。
即ち、図3〜5に示す様に、上記弾性部材19を上記雄スプライン部14aに組み付けただけの状態(射出成形後の状態で、雌スプライン部16a内に組み付ける以前の状態)での、この弾性部材19の外周面の輪郭形状を、図2の2点鎖線で示す様に、上記雌スプライン部16aの内周面の輪郭形状に対し、上記各中空部25、25と径方向に重畳する部分で所定量(必要な弾性力を得られる分)、円周方向にずらしている(雌スプライン部16aとスプライン係合させた状態で締め代を持たせる為に、互いに係合するスプライン歯同士のピッチをずらしている)。そして、この様な弾性部材19により覆われた上記雄スプライン部14aを、上記雌スプライン部16a内に組み付けた状態で、この弾性部材19のうちの上記ずれた部分に対応する部分が、上記図2の2点鎖線の状態から実線の状態に弾性変形するのを、上記各中空部25、25により許容する。そして、この様に各中空部25、25により、上記弾性部材19を所定方向(弾性部材19の外周面が雌スプライン部16aの内周面に倣う方向)に弾性変形した状態で、上記雄スプライン部14aと雌スプライン部16aとの間に、これら雄、雌両スプライン部14a、16a同士ががたつくのを阻止する方向(円周方向並びに径方向)の弾性力(予圧)が付与される。
上述の様に構成する本例の場合には、アウターシャフト10aとインナーシャフト11aとの回転方向並びに径方向に関するがたつきを抑えられると共に、これら両シャフト10a、11aの軸方向の伸縮を円滑に行なわせる事ができ、しかも、加工作業や組立作業を容易に行なえ、廉価に構成できる。
先ず、回転方向並びに径方向のがたつきの防止は、上記雄スプライン部14aの外周面と上記雌スプライン部16aの内周面との間に存在する隙間23部分に設けられた上記弾性部材19により、これら両周面同士の間に回転方向並びに径方向の弾性力が付与される事により図られる。即ち、前記各中空部25、25の存在に基づく上記弾性部材19の弾性変形に伴って、上記雄スプライン部14aと雌スプライン部16aとの間に、これら雄、雌両スプライン部14a、16a同士ががたつくのを阻止する方向(円周方向並びに径方向)の弾性力(予圧)が付与される。そして、この弾性力に基づき、例えば上記アウターシャフト10aとインナーシャフト11aとの間でトルクを伝達する際に、回転方向並びに径方向の隙間に基づくがたつきを発生する事が防止される。
又、上記軸方向の伸縮を円滑に行なわせる(小さな軸力で伸縮させる)事は、上記雌スプライン部16aの内周面と上記弾性部材19の外周面とが互いに相対変位する事で図られる。即ち、これら互いに相対変位する周面同士は、上記弾性部材19の弾性力に基づいてこの弾性部材19の外周面と当接してはいるが、この弾性力に基づく当接面の面圧は限られている。又、上記弾性部材19をゴムの如きエラストマー、合成樹脂等の高分子材料製で滑り易い弾性材により造られたものとし、必要に応じて、二硫化モリブデン、黒鉛等の固体潤滑剤やグリース等の油性潤滑剤を塗布している為、滑り易く(摩擦抵抗を小さく)する事ができる。この為、上記各面同士を相対変位させる為に要する力は小さくて済み(摺動抵抗を小さくでき)、上記軸方向の伸縮を円滑に行なわせる事ができる。
又、加工作業や組立作業を容易に行なえ、廉価に構成できる事は、上記弾性部材19が各中空部25、25の存在に基づいて弾性変形する事により図られる。即ち、上記雌スプライン部16aの内周面と上記弾性部材19の外周面とに、或る程度の形状誤差や形状のばらつきがあったとしても、これら形状誤差やばらつきは、上記弾性部材19が上記各中空部25、25の存在に基づいて弾性変形する事で吸収できる。この様な形状誤差やばらつきに基づく、上記弾性部材19の弾性変形量は、上記雄スプライン部14aと雌スプライン部16aとの間にがたつきを阻止する為の弾性力を得る為に必要な弾性変形量に対して遥かに小さい。言い換えれば、上記形状誤差やばらつきに伴って、上記弾性部材19の弾性変形量が多少変化したとしても、必要な弾性力を十分に確保できる(必要な弾性力が失われる事はない)。従って、上記雌スプライン部16aの内周面と上記弾性部材19の外周面の形状精度、加工精度を高度に規制しなくて済むと共に、選択組み合わせを行なう事なく、前記アウターシャル10aとインナーシャフト11aとを組み付けられる。又、部品点数を少なく簡素に構成でき、この面からも廉価に構成できる。尚、上記弾性部材19が温度変化や吸湿に伴って体積変化(例えば熱膨張等)する場合でも、この弾性部材19が上記各中空部25、25の存在に基づいて弾性変形する事でこの体積変化を吸収する事ができる。
[実施の形態の第2例]
図6〜8は、請求項1〜2に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。上述した実施の形態の第1例の場合には、弾性部材19の軸方向寸法を、雄スプライン部14aの軸方向寸法よりも短くしている。従って、上記弾性部材19の軸方向両端面よりも軸方向外側で、上記雄スプライン部14aが露出している(雄スプライン部14aに設けた各雄スプライン歯21a、21b並びに凹部22が見える)。これに対して本例の場合には、弾性部材19aの軸方向寸法を、雄スプライン部の14aの軸方向寸法よりも大きく(長く)している。この為、上記弾性部材19aの軸方向両端面よりも軸方向外側に、上記雄スプライン部14aが露出しない。
この様な本例の場合には、上記弾性部材19aの軸方向先端面(図6、7の右端面)に、図8に示す様に、各中空部25、25を形成する為の型材(中子)の引き抜き跡である開口部26、26が残る。又、この様な弾性部材19aの先端部外周面の輪郭(中心軸に直交する断面の輪郭)を、雌スプライン部16a(図1〜2参照)の内周面の輪郭よりも小さくする事により、この様な弾性部材19aに覆われた上記雄スプライン部14aを、上記雌スプライン部16a内に組み付け易く(挿入し易く)する事もできる。
その他の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1例と同様である為、重複する説明は省略する。
[実施の形態の第3例]
図9〜10は、請求項1〜2に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合には、1対の中空部25a、25aを、雄スプライン部14bの径方向反対側2個所位置に、それぞれ設けている。この様な中空部25a、25aを構成する為に、本例の場合は、上記雄スプライン部14bの外周面の径方向反対側2個所位置に、それぞれが特許請求の範囲に記載した離隔部に相当する平坦面部27、27を、互いに平行に設けている。そして、これら各平坦面部27、27と、弾性部材19bの内周面とにより、上記各中空部25a、25aを構成している。この様な本例の場合も、この様な各中空部25a、25aの存在に基づく上記弾性部材19bの弾性変形に基づいて、上記雄スプライン部14bと雌スプライン部16a(図1〜2参照)との間に、これら雄、雌両スプライン部14b同士ががたつくのを阻止する方向(円周方向並びに径方向)の弾性力(予圧)を付与する。
この為に、上記弾性部材19bを上記雄スプライン部14bにのみ組み付けた状態(射出成形した後の状態で、雌スプライン部16a内に組み付ける以前の状態)での、この弾性部材19bの外周面の輪郭形状(中心軸に直交する断面に関する外周面の輪郭形状)を、上記雌スプライン部の内周面の輪郭形状に対し、上記各中空部25a、25aの近傍で所定量(必要な弾性力を得られる分)ずらしている(締め代を持たせる為に、互いに係合するスプライン歯同士のピッチをずらしている)。即ち、図10に示す様に、上記雄スプライン14bを上記雌スプライン部16aに組み付けた状態で、上記弾性部材19bの外周面の輪郭形状が、実線の状態から2点鎖線の状態に変化する様にしている。そして、この様に弾性部材19bが所定方向(弾性部材19の外周面が雌スプライン部の内周面に倣う方向)に弾性変形した状態で、上記雄スプライン部14aと雌スプライン部16aとの間に、これら雄、雌両スプライン部14b、16a同士ががたつくのを阻止する方向(円周方向並びに径方向)の弾性力(予圧)が付与する。
その他の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1〜2例と同様である為、重複する説明は省略する。
[実施の形態の第4例]
図11〜12は、請求項1〜3に対応する、本発明の実施の形態の第4例を示している。前述した実施の形態の第1例の場合には、各中空部25、25を単なる中空の空間とし、これら各中空部25、25の内部に何も設けていない。これに対して本例の場合には、これら各中空部25、25の内部(中空の空間内)にそれぞれ、第二の弾性部材28を設けている。そして、これら各第二の弾性部材28と弾性部材19とにより、雄スプライン部14aと雌スプライン部16a(図1〜2参照)との間に、これら雄、雌両スプライン部14a、16a同士ががたつくのを阻止する方向(円周方向並びに径方向)の弾性力(予圧)を付与する様にしている。尚、上記各第二の弾性部材28は、上記弾性部材19と同様に、ゴムの如きエラストマー、合成樹脂等の高分子材料等の弾性材により造る他、ばね鋼等の鋼製の弾性材により造る事もできる。本例の場合には、図12に詳示する様に、上記各第二の弾性部材28を、鋼製で波状の板ばねとしている。
この様な本例の場合は、上記弾性部材19を上記雄スプライン部14aの外周面に射出成形すると共に、上記各中空部25、25を形成する為の型材(中子)を引き抜いた後、これら各中空部25、25内に上記各第二の弾性部材28を押し込んでいる。そして、この様な弾性部材19並びに各第二の弾性部材28を組み付けた上記雄スプライン部14aを、上記雌スプライン部16aに組み付けた状態で、これら各第二の弾性部材28と弾性部材19とが弾性変形する。即ち、この弾性部材19の外周面の輪郭形状(中心軸に直交する断面に関する周外面の輪郭形状)のうちので、上記雌スプライン部16aの内周面の輪郭形状とがずれた部分が弾性変形すると共に、この弾性変形に伴って上記第二の弾性部材28が、上記各中空部25、25と共に、上記雄スプライン部14aの径方向に押し潰される(弾性変形する)。
そして、この様な弾性変形に基づいて、上記雄スプライン部14aと雌スプライン部16aとの間に、これら雄、雌両スプライン部14a、16a同士ががたつくのを阻止する方向(円周方向並びに径方向)の弾性力(予圧)が付与される。この様な本例の場合には、上記第二の弾性部材28の弾性力の調節を、例えばこの第二の弾性部材28の材質や形状を変える事により、微細に、且つ、容易に行なえる。この為、上記雄、雌両スプライン部14a、16a同士に付与される弾性力を微細に設定できる。又、これと共に、上記第二の弾性部材28と上記弾性部材19とにより長期に亙って必要な弾性力を確実に付与できる(耐久性を確保できる)。
その他の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1〜2例と同様である為、重複する説明は省略する。
[実施の形態の第5例]
図13〜15は、請求項1〜3に対応する、本発明の実施の形態の第5例を示している。本例の場合には、アウターシャフト10bを矩形管状とし、このアウターシャフト10bの一端開口部を、内周面の形状が非円形(矩形、正方形)の筒状部29としている。又、インナーシャフト11bを中実矩形杆状とし、このインナーシャフト11bの一部を、上記筒状部29に緩く挿入可能な、外周面の形状が非円形(矩形、正方向)の挿入部30としている。又、この挿入部30の外周面を構成する四方の面のそれぞれに、当該面から凹入する状態で凹部22a、22aを設けている。そして、この挿入部30の外周面と上記筒状部29の内周面との間に存在する隙間23a部分に設けられた弾性部材19cの内周面と、上記各凹部22a、22aの内面とにより構成される中空の空間を、それぞれ中空部25b、25bとしている。
又、本例の場合は、これら各中空部25b、25bの内部(中空の空間内)にそれぞれ第二の弾性部材28aを設けている。これら各第二の弾性部材28aは、ゴムの如きエラストマー、合成樹脂等の弾性材により造られた、断面を矩形とした直方体状のものとし、上記凹部22a、22aの全長に亙って設けている。この様な第二の弾性材28aを構成する上記弾性材としては、例えばアクリルゴム、アクリルエチレンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)、アクリルニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂、ポリアミド(PA)樹脂、ポリ四弗化エチレン樹脂(PTFE)等の高分子材料が挙げられる。又、必要に応じて、例えば前述の実施の形態の第4例(図11〜12)で示した様な、ばね鋼等の鋼製のもの(例えば波状の板ばね等)とする事もできる。そして、この様な各第二の弾性部材28aと上記弾性部材19cとにより、上記挿入部30と筒状部29との間に、これら挿入部30と筒状部29とががたつくのを阻止する方向(周方向並びに径方向)の弾性力(予圧)を付与している。
本例の場合は、この様な弾性力(予圧)を付与する為に、上記筒状部29の内周面の輪郭形状(中心軸に直交する断面に関する周面の輪郭形状)と上記弾性部材19cの外周面の輪郭形状とを、次の様に規制している。即ち、図14〜15に示す様に、上記弾性部材19cを上記挿入部30に組み付ける(射出成形する)と共に、上記各中空部25b、25bに上記第二の弾性部材19cを組み付けただけの状態(筒状部29内に組み付ける以前の状態)での、この弾性部材19cの外周面の輪郭形状を、図15に詳示する様に、上記筒状部29の内周面の輪郭形状に対し、上記各中空部25、25と径方向に重畳する部分で所定量(必要な弾性力を得られる分)、即ち、図15でX分、ずらしている(弾性部材19cの外周面の輪郭を筒状部29の内周面の輪郭よりも大きくしている)。
この様な本例の場合も、上記弾性部材19c並びに各第二の弾性部材28aを組み付けた上記挿入部30を、上記筒状部29に組み付けた状態で、これら各第二の弾性部材28aと弾性部材19cとが弾性変形する。即ち、この弾性部材19cの外周面が上記筒状部29の内周面に倣う様に弾性変形しつつ、この弾性変形に伴って上記第二の弾性部材28aが押し潰される(弾性変形する)。そして、この様な弾性変形に基づいて、上記挿入部30と筒状部29との間に、これら挿入部30と筒状部29とががたつくのを阻止する方向(周方向並びに径方向)の弾性力(予圧)を付与する。
その他の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1〜4例と同様である為、重複する説明は省略する。
[実施の形態の第6例]
図16〜19は、請求項1〜4に対応する、本発明の実施の形態の第6例を示している。本例の場合には、雄スプライン部14bの外周面の径方向反対側2個所位置に凹部22b、22bを、それぞれ設けている。そして、これら各凹部22b、22bの内面と、弾性部材19dの内周面とにより構成される各中空部25c、25c内に、図19に示す様な、断面が矩形で直方体状の第二の弾性部材28aを、それぞれ設けている。この様な第二の弾性材28aは、ゴムの如きエラストマー、合成樹脂等の高分子材料等の弾性材、例えば、例えばアクリルゴム、アクリルエチレンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)、アクリルニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂、ポリアミド(PA)樹脂、ポリ四弗化エチレン樹脂(PTFE)等により造られたものとしている。尚、必要に応じて、例えば前述の実施の形態の第4例(図11〜12)で示した様な、ばね鋼等の鋼製のもの(例えば波状の板ばね等)とする事もできる。
又、本例の場合は、上記弾性部材19dの周方向等間隔2個所位置(径方向に関して反対側2個所位置)で、上記各中空部25c、25cを構成する部分を、周方向に分離させている。この様な本例の場合には、図18に2点鎖線で示す様に、上記弾性部材19dが雌スプライン部16a内に組み付けられる以前の状態で、上記分離した部分が上記第二の弾性部材28aにより拡径する方向に押圧される。そして、上記図18に実線で示す様に、上記弾性部材19dが上記雌スプライン部16a内に組み付けられた状態で、上記分離した部分がこの雌スプライン部16aの内面に倣う様に弾性変形する。この状態で、上記第二の弾性部材28aと上記弾性部材19dとにより、上記雄スプライン部14aと雌スプライン部16aとの間に、これら雄、雌両スプライン部14a、16a同士ががたつくのを阻止する方向(円周方向並びに径方向)の弾性力(予圧)が付与される。
この様な本例の場合には、上記弾性部材19dの分離する位置やその寸法等を規制する事により、この弾性部材19dの弾性変形量や弾性変形の方向をより柔軟に設定できる。この為、この様な弾性部材19dと上記第二の弾性部材28aとにより、上記雄、雌両スプライン部14a、16a同士の間に付与する弾性力を微細に設定できる。
その他の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1〜5例と同様である為、重複する説明は省略する。
本発明の伸縮式回転伝達軸は、前述の図20〜21に示した、電動式パワーステアリング装置を備えた自動車用操舵装置の構成部材のうち、中間シャフト5に適用する事もできる。更には、自動車用操舵装置を構成するシャフトに限らず、工作機械、遊具等、各種回転機械装置を構成する回転伝達用シャフトとして実施する事もできる。
本発明の実施の形態の第1例を示す断面図。 図1のA部拡大図。 筒状部に組み付ける以前の状態を示す斜視図。 同正面図。 図4の右方から見た図。 本発明の実施の形態の第2例を示す、図3と同様の斜視図。 同正面図。 図7の右方から見た図。 本発明の実施の形態の第3例を、筒状部に組み付ける以前の状態で示す断面図。 図9のB部拡大図。 本発明の実施の形態の第4例を示す、図3と同様の斜視図。 第二の弾性部材を取り出して示す図で、(A)は平面図、(B)は正面図。 本発明の実施の形態の第5例を示す断面図。 筒状部に組み付ける以前の状態を示す断面図。 図14のC部拡大図。 本発明の実施の形態の第6例を示す断面図。 筒状部を省略した状態で示す断面図。 図17のD部拡大図。 第二の弾性部材を取り出して示す図で、(A)は平面図、(B)は正面図。 自動車用操舵装置の1例を示す部分切断側面図。 従来から知られている伸縮式回転伝達軸の1例を示す断面図。
符号の説明
1 ステアリングホイール
2 ステアリングギヤ
3、3a ステアリングシャフト
4a、4b 自在継手
5 中間シャフト
6 入力軸
7 タイロッド
8 電動モータ
9 ステアリングコラム
10、10a、10b アウターシャフト
11、11a、11b インナーシャフト
12 アウターコラム
13 インナーコラム
14、14a、14b 雄スプライン部
15 インナーシャフト
16、16a 雌スプライン部
17 アウターシャフト
18a、18b ヨーク
19、19a〜19d 弾性部材
20 雌スプライン歯
21a、21b 雄スプライン歯
22、22a、22b 凹部
23、23a 隙間
24 第二の凹部
25、25a、25b、25c 中空部
26 開口部
27 平坦面部
28、28a 第二の弾性部材
29 筒状部
30 挿入部

Claims (4)

  1. 少なくとも軸方向の一部を、軸方向一端面に開口する、内周面の形状が非円形である筒状部としたアウターシャフトと、少なくとも軸方向の一部をこの筒状部に緩く挿入可能な、外周面の形状が非円形である挿入部としたインナーシャフトと、この挿入部の外周面と上記筒状部の内周面との間に存在する隙間部分に設けられた弾性部材とを備え、上記アウターシャフトと上記インナーシャフトとを、この弾性部材を介して互いの間で回転力の伝達を可能に、且つ、互いに軸方向の相対変位を可能に組み合わせた伸縮式回転伝達軸に於いて、上記挿入部の外周面と上記筒状部の内周面とのうちの少なくとも何れかの周面と、この周面と対向する上記弾性部材の周面との間に、この弾性部材を上記隙間部分内で所定方向に弾性変形させる為の中空部を設け、この中空部の存在に基づく上記弾性部材の弾性変形に基づいて、上記挿入部と上記筒状部との間に、これら挿入部と筒状部とががたつくのを阻止する方向の弾性力を付与している事を特徴する伸縮式回転伝達軸。
  2. 挿入部の外周面を全周に亙って覆う状態で弾性部材が設けられており、これら弾性部材の内周面と挿入部の外周面とのうちの少なくとも何れかの周面の周方向複数個所に、相手面に対し径方向に隙間を介して対向する離隔部を設け、これら各離隔部とこれら各離隔部に対向する上記相手面とにより周囲を囲まれる空間を、それぞれ中空部とした、請求項1に記載した伸縮式回転伝達軸。
  3. 中空部の内部に第二の弾性部材を設け、この第二の弾性部材と弾性部材とにより、挿入部と筒状部との間に、これら挿入部と筒状部とががたつくのを阻止する方向の弾性力を付与する、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載した伸縮式回転伝達軸。
  4. 弾性部材が、中空部を構成する部分で周方向に分離している、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載した伸縮式回転伝達軸。
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