本発明は伸縮軸、特に、回転トルクを伝達可能で軸方向に相対移動可能な伸縮軸、例えば、中間シャフトやステアリングシャフト等の伸縮軸、及び、伸縮軸を有するステアリング装置に関する。
ステアリング装置には、回転トルクを伝達可能に、かつ、軸方向に相対移動可能に連結された伸縮軸が、中間シャフトやステアリングシャフト等に組み込まれている。すなわち、中間シャフトは、ステアリングギヤのラック軸に噛合うピニオンシャフトに自在継手を締結する際に、一旦縮めてからピニオンシャフトに嵌合させて締結するために、伸縮機能が必要である。
また、ステアリングシャフトは、ステアリングホイールの操舵力を車輪に伝達すると共に、運転者の体格や運転姿勢に応じて、ステアリングホイールの位置を軸方向に調整する必要があるため、伸縮機能が要求される。
このような伸縮軸で、ステアリングホイールの良好な操作性を実現するためには、相対的に摺動可能な雄シャフトと雌シャフトとの間の回転方向のガタが小さく、かつ、雄シャフトと雌シャフトとの間の軸方向の摺動抵抗が、長期間にわたって所定の摺動抵抗に維持される必要がある。このような伸縮軸が、特許文献1及び特許文献2に開示されている。
特許文献1の伸縮軸は、非円形の外周を有する雄シャフト、非円形の内周を有する雌シャフト、及び、雄シャフトの外周と雌シャフトの内周との間、かつ、雄シャフトに一体成形された2つの滑りブッシュの間の隙間に介挿され、ばねにより、互いに離間する方向に付勢された2個の楔片で構成されている。
この特許文献1の伸縮軸では、部品点数が多いため製造コストが上昇すると共に、部品の製造誤差が積み重なって、所定の回転方向のガタや摺動抵抗を得るのが難しい。また、雄シャフトの軸方向の両端部分には滑りブッシュが配置され、その内側に楔片が配置される構造であるため、雄シャフトと雌シャフトの嵌合部分の軸方向の両端部分には、楔片による予圧が作用しない。従って、折り曲げ方向(モーメント方向)のガタの排除が不十分であり、折り曲げ方向(モーメント方向)のガタを排除するためにばね力を強くすると、摺動抵抗が過大になる。
また、特許文献2の伸縮軸は、非円形の外周を有する雄シャフト、非円形の内周を有する雌シャフト、及び、雄シャフトの外周と雌シャフトの内周との間の傾斜隙間に介挿された弾性変形可能なくさび状部材で構成されている。複数のくさび状部材は、予圧を付与する板ばねとヒンジとを介して相互に分離不能に連結されて一体化されている。この連結体が、環状に曲げられて雄シャフトの外周と雌シャフトの内周との間の隙間に、介挿される。このように連結体は、多数の部材が一体化されることから、各部材には高い精度が要求される。
更に、この伸縮軸では、くさび状部材に予圧を付与するばね力の一部が、ヒンジを折り曲げる力としても使われるため、板ばねの付勢力をくさび状部材の予圧力として有効に使うことができない。
また、温度変化や湿度変化があると、合成樹脂で成形されたくさび状部材は、膨張や収縮を起こす。このとき、一体化されていることから、くさび状部材が、膨張分や収縮分だけ傾斜隙間に沿って円滑に移動することができない。このため、予圧力が変動し、雄シャフトと雌シャフトとの間の軸方向の摺動抵抗が変動しやすい。
特開平5−116633号公報
米国特許第5460574号明細書
本発明は、温度変化や湿度変化があっても、雄シャフトと雌シャフトとの間の摺動抵抗の変動が小さく、雄シャフトと雌シャフトとの間の隙間に介挿された弾性変形可能なスリーブにばねの付勢力が予圧力として有効に作用するようにした伸縮軸、及び、その伸縮軸を有するステアリング装置を提供することを課題とする。
上記課題は以下の手段によって解決される。すなわち、第1番目の発明は、非円形の外周形状を有する雄シャフト、上記雄シャフトの外周に軸方向に相対移動可能にかつ回転トルクを伝達可能に外嵌する非円形の内周形状を有する雌シャフト、上記非円形の外周と非円形の内周との間の隙間に形成され、間隔が所定の傾斜で変化する複数の傾斜隙間、上記傾斜隙間に介挿されて、上記雌シャフトの非円形の内周及び雄シャフトの非円形の外周の両方に常時接触する弾性変形可能な傾斜スリーブ部を有し、上記非円形の内周と非円形の外周との間の隙間に複数配置された部分スリーブ、上記雄シャフトに形成され、上記雄シャフトの軸方向に直交する方向に相対移動可能に、かつ、上記雄シャフトの軸方向に相対移動不能に、上記部分スリーブを雄シャフトに係止する係止部、上記傾斜スリーブ部を上記傾斜隙間の最大隙間部側から最小隙間部側に向かって付勢して部分スリーブに予圧を付与する付勢部材を備えたことを特徴とする伸縮軸である。
第2番目の発明は、非円形の外周形状を有する雄シャフト、上記雄シャフトの外周に軸方向に相対移動可能にかつ回転トルクを伝達可能に外嵌する非円形の内周形状を有する雌シャフト、上記非円形の外周と非円形の内周との間の隙間に形成され、間隔が所定の傾斜で変化する複数の傾斜隙間、上記傾斜隙間に介挿されて、上記雌シャフトの非円形の内周及び雄シャフトの非円形の外周の両方に常時接触する弾性変形可能な傾斜スリーブ部を有し、上記非円形の内周と非円形の外周との間の隙間に複数配置された部分スリーブ、上記雌シャフトに形成され、上記雌シャフトの軸方向に直交する方向に相対移動可能に、かつ、上記雌シャフトの軸方向に相対移動不能に、上記部分スリーブを雌シャフトに係止する係止部、上記傾斜スリーブ部を上記傾斜隙間の最大隙間部側から最小隙間部側に向かって付勢して部分スリーブに予圧を付与する付勢部材を備えたことを特徴とする伸縮軸である。
第3番目の発明は、非円形の外周形状を有する雄シャフト、上記雄シャフトの外周に軸方向に相対移動可能にかつ回転トルクを伝達可能に外嵌する非円形の内周形状を有する雌シャフト、上記非円形の外周と非円形の内周との間の隙間に形成され、間隔が所定の傾斜で変化する複数の傾斜隙間、上記傾斜隙間に介挿されて、上記雌シャフトの非円形の内周及び雄シャフトの非円形の外周の両方に常時接触する弾性変形可能な傾斜スリーブ部を有し、上記非円形の内周と非円形の外周との間の隙間に複数配置された部分スリーブ、上記複数の部分スリーブに各々形成され、上記雄シャフトの軸方向に直交する方向に相対移動可能に、かつ、上記雄シャフトの軸方向に相対移動不能に、隣接する部分スリーブと係合する係合部、上記傾斜スリーブ部を上記傾斜隙間の最大隙間部側から最小隙間部側に向かって付勢して部分スリーブに予圧を付与する付勢部材を備えたことを特徴とする伸縮軸である。
第4番目の発明は、第3番目の発明の伸縮軸において、上記雄シャフトに形成され、上記雄シャフトの軸方向に直交する方向に相対移動可能に、かつ、上記雄シャフトの軸方向に相対移動不能に、上記部分スリーブを雄シャフトに係止する係止部を備えたことを特徴とする伸縮軸である。
第5番目の発明は、第3番目の発明の伸縮軸において、上記雌シャフトに形成され、上記雌シャフトの軸方向に直交する方向に相対移動可能に、かつ、上記雌シャフトの軸方向に相対移動不能に、上記部分スリーブを雌シャフトに係止する係止部を備えたことを特徴とする伸縮軸である。
第6番目の発明は、第3番目の発明の伸縮軸において、上記係合部は、上記複数の部分スリーブの円周方向の両端に各々形成され、隣接する部分スリーブと互いに係合可能な凸部と凹部であることを特徴とする伸縮軸である。
第7番目の発明は、第1番目から第3番目までのいずれかの発明の伸縮軸において、上記雌シャフトの内周、または、雄シャフトの外周のいずれか一方には、軸心から略放射状に複数の軸方向溝が形成され、上記雌シャフトの内周、または、雄シャフトの外周のいずれか他方には、軸心から略放射状に上記軸方向溝と同一位相位置に、軸方向溝との間に隙間を有する複数の軸方向凸条が形成され、上記軸方向溝と軸方向凸条との間に形成された隙間に、上記複数の部分スリーブが介挿されていることを特徴とする伸縮軸である。
第8番目の発明は、第1番目から第3番目までのいずれかの発明の伸縮軸において、上記傾斜スリーブ部は、上記部分スリーブの円周方向の両端に各々形成されていることを特徴とする伸縮軸である。
第9番目の発明は、第1番目から第3番目までのいずれかの発明の伸縮軸において、上記傾斜スリーブ部のくさび角度が傾斜スリーブ部の摩擦角以下に設定されていることを特徴とする伸縮軸である。
第10番目の発明は、第1番目から第3番目までのいずれかの発明の伸縮軸において、上記部分スリーブは、天然ゴム、合成ゴム、天然ゴムと合成ゴムの混合物のうちのいずれか一つ、又は、天然ゴム、合成ゴム、天然ゴムと合成ゴムの混合物のうちのいずれか一つに、二硫化モリブデン、グラファイト、フッ素化合物のうちの少なくともいずれか一つの固体潤滑剤を含有させた材質で成形されていることを特徴とする伸縮軸である。
第11番目の発明は、第1番目から第3番目までのいずれかの発明の伸縮軸において、上記部分スリーブは、ポリテトラフルオロエチレン、フェノール樹脂、アセタール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂のうちの少なくともいずれか一つの高分子材料を基本にし、二硫化モリブデン、グラファイト、フッ素化合物のうちの少なくともいずれか一つの固体潤滑剤を含有させた材質で成形されていることを特徴とする伸縮軸である。
第12番目の発明は、第1番目から第3番目までのいずれかの発明の伸縮軸において、
上記部分スリーブは、ポリテトラフルオロエチレン、フェノール樹脂、アセタール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂のうちの少なくともいずれか一つの高分子材料を基本にし、炭素繊維、カーボンビーズのうちの少なくともいずれか一つを含有させた材質で成形されていることを特徴とする伸縮軸である。
第13番目の発明は、第1番目から第3番目までのいずれかの発明の伸縮軸において、
上記付勢部材は、上記雄シャフトの外周と複数の部分スリーブの各々の内周との間の隙間に介挿された板ばねであることを特徴とする伸縮軸である。
第14番目の発明は、第1番目または第4番目のいずれかの発明の伸縮軸において、上記係止部は、上記雄シャフトの外周に放射方向外側に突出して形成され、上記部分スリーブの軸方向の両端に当接する凸部であることを特徴とする伸縮軸である。
第15番目の発明は、第2番目または第5番目のいずれかの発明の伸縮軸において、上記係止部は、上記雌シャフトの内周に放射方向内側に突出して形成され、上記部分スリーブの軸方向の両端に当接する凸部であることを特徴とする伸縮軸である。
第16番目の発明は、第1番目から第15番目までのいずれかの発明の伸縮軸を有するステアリング装置である。
本発明の伸縮軸、及び、ステアリング装置では、雄シャフトの非円形の外周と雌シャフトの非円形の内周との間の複数の傾斜隙間に、弾性変形可能な傾斜スリーブ部を有する部分スリーブを複数配置し、雄シャフトの軸方向に直交する方向に相対移動可能に、かつ、雄シャフトの軸方向に相対移動不能に、部分スリーブを雄シャフトに係止する係止部を雄シャフトに形成し、傾斜スリーブ部を傾斜隙間の最大隙間部側から最小隙間部側に向かって付勢して部分スリーブに予圧を付与する付勢部材を備えている。
また、本発明の伸縮軸、及び、ステアリング装置では、雄シャフトの非円形の外周と雌シャフトの非円形の内周との間の複数の傾斜隙間に、弾性変形可能な傾斜スリーブ部を有する部分スリーブを複数配置し、雄シャフトの軸方向に直交する方向に相対移動可能に、かつ、雄シャフトの軸方向に相対移動不能に、隣接する部分スリーブと係合する係合部を部分スリーブに形成し、傾斜スリーブ部を傾斜隙間の最大隙間部側から最小隙間部側に向かって付勢して部分スリーブに予圧を付与する付勢部材を備えている。
従って、付勢部材の弾性力が傾斜スリーブ部を有する部分スリーブに全て伝達され、予圧力として効果的に作用する。また、温度変化や湿度変化があると、合成樹脂で成形された部分スリーブは、膨張や収縮を起こすが、隣接する部分スリーブは、雄シャフトの軸方向に直交する方向に互いに相対移動可能に係合しているため、部分スリーブは、膨張分や収縮分だけ傾斜隙間に沿って円滑に移動することができ、予圧力の変動が無く、雄シャフトと雌シャフトとの間の軸方向の摺動抵抗が一定に維持される。
以下、図面に基づいて本発明の実施例1から実施例8を説明する。
図1は本発明の実施例1のステアリング装置の全体を示し、一部を切断した側面図であって、操舵補助部を有する電動パワーステアリング装置に適用した実施例を示す。図2は図1の要部の縦断面図である。
図3は本発明の実施例1の伸縮軸を示し、雄シャフトに実施例1の部分スリーブを取り付け、雌シャフトを外嵌する前の状態を示す斜視図である。図4は図3の部分スリーブ単体の斜視図である。図5(1)は図4に示す部分スリーブ単体の平面図、図5(2)は図5(1)のP矢視図、図5(3)は図5(2)のQ矢視図である。
図6(1)は図5(1)のB部拡大斜視図、図6(2)は図5(1)のC部拡大斜視図である。図7は雄シャフトに実施例1の部分スリーブを4個取り付ける際の各々の部分スリーブの向きを示す平面図である。図8は実施例1の部分スリーブ4個を組み付けた状態を示し、雄シャフトに外嵌する前の状態を示す斜視図である。
図9は部分スリーブに予圧を付与する板ばね単体を示し、(1)は板ばね単体の平面図、(2)は(1)のR矢視図である。図10は図2のA−A拡大断面図であり、雄シャフトに実施例1の部分スリーブを取り付け、部分スリーブの外周に雌シャフトを外嵌した状態を示す。
図1から図2に示すように、本発明の実施例1の伸縮軸を有するステアリング装置は、車体後方側(図1、図2の右側)にステアリングホイール11を装着可能なステアリングシャフト12と、このステアリングシャフト12を挿通したステアリングコラム13と、ステアリングシャフト12に補助トルクを付与する為のアシスト装置(操舵補助部)20と、ステアリングシャフト12の車体前方側(図1、図2の左側)に、図示しないラック/ピニオン機構を介して連結されたステアリングギヤ30とを備える。
ステアリングシャフト12は、アウターシャフト(以下雌シャフトと呼ぶ)12Aとインナーシャフト(以下雄シャフトと呼ぶ)12Bとを、回転トルクを伝達自在に、かつ軸方向に関して相対変位可能に組み合わせて成る。
すなわち、図2、図3、図10に示すように、雄シャフト12Bの車体後方側外周には、複数の軸方向凸条が形成され、雌シャフト12Aの車体前方側内周には、複数の軸方向溝が、軸方向凸条と同一位相位置に形成されて、雄シャフト12Bの軸方向凸条と所定の隙間を有して外嵌し、回転トルクを伝達自在に、かつ軸方向に関して相対変位可能に係合している。従って、上記雌シャフト12Aと雄シャフト12Bとは、衝突時に、この係合部が相対摺動して、全長を縮めることができる。
また、上記ステアリングシャフト12を挿通した筒状のステアリングコラム13は、アウターコラム13Aとインナーコラム13Bとをテレスコピック移動可能に組み合わせており、衝突時に軸方向の衝撃が加わった場合に、この衝撃によるエネルギを吸収しつつ全長が縮まる、所謂コラプシブル構造としている。
そして、上記インナーコラム13Bの車体前方側端部を、ギヤハウジング21の車体後方側端部に圧入嵌合して固定している。また、上記雄シャフト12Bの車体前方側端部を、このギヤハウジング21の内側に通し、アシスト装置20の入力軸22の車体後方側端部に結合している。
すなわち、雄シャフト12Bの車体前方側(図2の左側)には、大径軸部121Bが形成され、この大径軸部121Bの車体前方側に小径軸部122Bが形成されている。この小径軸部122Bが、アシスト装置20の入力軸22の車体後方側(図2の右側)に形成された内径孔221に圧入されて結合され、入力軸22と雄シャフト12Bの軸方向の位置が固定される。
ステアリングコラム13は、その中間部を支持ブラケット14により、ダッシュボードの下面等、車体18の一部に支承している。また、この支持ブラケット14と車体18との間に、図示しない係止部を設けて、この支持ブラケット14に車体前方側に向かう方向の衝撃が加わった場合に、この支持ブラケット14が上記係止部から外れ、車体前方側に移動するようにしている。
また、上記ギヤハウジング21の上端部も、上記車体18の一部に支承している。また、本実施例の場合には、チルト機構及びテレスコピック機構を設けることにより、上記ステアリングホイール11の車体前後方向位置、及び、高さ位置の調節を自在としている。このようなチルト機構及びテレスコピック機構は、従来から周知であり、本発明の特徴部分でもない為、詳しい説明は省略する。
上記ギヤハウジング21の車体前方側端面から突出した出力軸23は、自在継手15を介して、中間シャフト16の雌中間シャフト16Aの後端部に連結している。また、この中間シャフト16の雄中間シャフト16Bの前端部に、別の自在継手17を介して、ステアリングギヤ30の入力軸31を連結している。
雌中間シャフト16Aは、雄中間シャフト16Bに対して、軸方向に相対移動可能に、かつ、回転トルクを伝達可能に結合している。図示しないピニオンが、この入力軸31の前端部に形成されている。また、図示しないラックが、このピニオンに噛み合っており、ステアリングホイール11の回転が、タイロッド32を移動させて、図示しない車輪を操舵する。
図2に示すように、アシスト装置20のギヤハウジング21には、入力軸22と出力軸23が同一軸線上に、軸受29A、29B、29Cによって回転可能に軸支され、入力軸22と出力軸23は、トーションバー24によって連結されている。出力軸23にはウォームホイール25が取り付けられ、ウォームホイール25にウォーム27が噛合っている。電動モータ26のケース261がギヤハウジング21に固定され、この電動モータ26の図示しない回転軸にウォーム27が結合されている。
また、入力軸22の中間部の周囲には、上記トーションバー24の捩れを検出するトルクセンサ28が設けられている。上記ステアリングホイール11からこのステアリングシャフト12に加えられるトルクの方向と大きさを、このトルクセンサ28で検出する。この検出信号に応じて、電動モータ26を駆動し、ウォーム27とウォームホイール25から成る減速機構を介して、出力軸23に、所定の方向に所定の大きさで補助トルクを発生させる。
図2から図10に示すように、本発明の実施例1の伸縮軸は、ステアリングシャフト12の雌シャフト12Aと雄シャフト12Bとの連結部に適用した例を示す。雌シャフト12Aの車体前方側(図2の左側)が、雄シャフト12Bの車体後方側(図2の右側)に外嵌して連結されている。
図10に示すように、雌シャフト12Aは中空筒状に形成されており、その内周には、雌シャフト12Aの軸心19から放射状に、軸方向溝41、41、41、41が、伸縮ストロークの全長にわたって、等間隔(90度間隔)に4個形成されている。各軸方向溝41は、軸心19を通り、図10で左右に水平な中心線191、または、軸心19を通り、図10で上下に垂直な中心線192に対して、角度θで形成された側面411、411を有している。
従って、一つの軸方向溝41を構成する側面411と411との間の間隔は、放射方向外側に向かって狭くなる。また、この側面411、411の放射方向外端が、外側に向かって凸の円弧状の底面412に滑らかに接続され、側面411、411と底面412によって、各軸方向溝41は、軸直角断面が略コの字形に形成されている。
また、この側面411、411の放射方向内端が、隣接する側面411、411の放射方向内端と、内側に向かって凸の円弧状の接続面414によって、滑らかに接続されている。
また、雄シャフト12Bの車体後方側の大径部外周には、軸方向凸条51、51、51、51が、大径部外周の軸方向全長にわたって、軸心19から放射状に、上記軸方向溝41と同一位相位置に、等間隔(90度間隔)に4個形成されている。
軸方向凸条51は、上記した左右に水平な中心線191、または、上下に垂直な中心線192と平行な側面511、511を有している。従って、一つの軸方向凸条51を構成する側面511と側面511との間の間隔は一定で、放射方向外側に向かって平行に形成されている。
また、この側面511、511の放射方向外端が、上下に垂直な中心線192、または、左右に水平な中心線191に対して直交する直線状の頂面512に接続され、側面511、511と頂面512によって、各軸方向凸条51は、軸直角断面が略コの字形に形成されている。側面511、511の放射方向内端は、隣接する側面511、511の放射方向内端と、外側に向かって凸の円弧状の接続面514によって接続されている。
従って、雄シャフト12Bの軸方向凸条51の側面511、511と、雌シャフト12Aの軸方向溝41の側面411、411との間には、放射方向外側に向かって間隔が狭くなる傾斜隙間62が形成されている。
図3から図10に示すように、雄シャフト12Bの外周と雌シャフト12Aの内周との間の隙間には、弾性部材で成形された部分スリーブ71が4個介挿されている。部分スリーブ71は、傾斜スリーブ部712、係合スリーブ部(係合部)713、連結スリーブ部714の三要素で構成される。この部分スリーブ71を、中心線191及び192に対して線対称に配置し、係合スリーブ部713の端部を、隣接する部分スリーブ71の係合スリーブ部713端部に係合して、環状に形成している。
すなわち、傾斜スリーブ部712、712は、各々傾斜隙間62、62に介挿され、傾斜スリーブ部712、712の放射方向内端に形成された係合スリーブ部713、713は、円弧状の接続面514と円弧状の接続面414との間の内側円弧状隙間63、63に介挿されている。また、傾斜スリーブ部712、712の放射方向外端には、円弧状の連結スリーブ部714が形成されて、連結スリーブ部714は、円弧状の底面412と直線状の頂面512との間の外側円弧状隙間64に介挿されて、隣接する傾斜スリーブ部712、712の放射方向外端に接続している。
係合スリーブ部713及び連結スリーブ部714は、傾斜スリーブ部712よりも薄肉に形成されている。従って、図3、図10に示すように、雄シャフト12Bの外周に部分スリーブ71を4個外嵌すると、連結スリーブ部714が容易に弾性変形して、雄シャフト12Bの外周にスリーブ71を容易に外嵌することができる。
また、スリーブ71が外嵌された雄シャフト12Bに、雌シャフト12Aを外嵌すると、連結スリーブ部714が容易に弾性変形して、傾斜隙間62に沿って傾斜スリーブ部712が円滑に介挿される。
部分スリーブ71の詳細な形状を、図4から図8に示す。実施例1では、同一部品の4個の部分スリーブ71を、雄シャフト12Bの外周に外嵌して使用する。すなわち、図5に示すように、部分スリーブ71の軸方向の全長Lを略6等分した6つの区画を、図5(1)の左端から、D1、D2、D3、D4、D5、D6と呼ぶ。
この6つの区画の左端から一個置きに、D2、D4、D6の3箇所に、係合スリーブ部(係合部)7132、7132、7134、7134、7136、7136が、傾斜スリーブ部712、712の放射方向内端に形成されている。
図5(1)、(2)に示すように、係合スリーブ部7132、7132と7134、7134には、傾斜スリーブ部712の放射方向内端に達するスリット81が各々形成されている。また、図5(1)、(2)、及び、図6(2)に示すように、係合スリーブ部7134、7134の右側面、係合スリーブ部7136、7136の左側面には、各々、丸ボタン状の係合突起82、82が形成されている。
さらに、図5(1)、(2)、及び、図6(1)に示すように、係合スリーブ部7132、7132の右側面と左側面には、各々、上記係合突起82、82が係合可能な小判形の係合溝83、83が形成されている。また、D2、D4、D6の区画の軸方向の長さは、D1、D3、D5の区画の軸方向の長さよりも若干長く形成されている。
このような構造の部分スリーブ71を4個用意し、図7に示すように、部分スリーブ71の軸方向の左右を交互に配置して、隣接する部分スリーブ71の係合スリーブ部7132、7134、7136を係合させながら、雄シャフト12Bの外周に部分スリーブ71を外嵌する。
すなわち、係合スリーブ部7132を係合スリーブ部7134と7136の側面に係合させ、係合スリーブ部7134を係合スリーブ部7132と7134の側面に係合させ、係合スリーブ部7136を係合スリーブ部7132の側面に係合させる。図8に、雄シャフト12Bの図示を省略し、部分スリーブ71が4個、環状に連結された状態を示す。
本発明の実施例では、部分スリーブ71を4個使用しているが、図8に示すように、予め4個の部分スリーブ71を環状に連結して仮組しておけば、仮組した4個の部分スリーブ71を、1個の部品として取り扱うことができるため、部品の管理工数を削減することが可能となる。
部分スリーブ71を雄シャフト12Bの外周に外嵌する際には、図9に示す付勢部材としての板ばね84を、雄シャフト12Bの外周の頂面512と部分スリーブ71の連結スリーブ部714の内周との間に介挿する。
板ばね84は、薄いばね鋼を波形に成形したもので、板ばね84の幅W2は、軸方向凸条51の側面511と側面511との間の間隔W1よりも狭く形成されている。また、板ばね84の長さL7は、部分スリーブ71の軸方向の全長Lよりも若干短く形成されている。
部分スリーブ71が4個、環状に連結されると、係合スリーブ部7132と7134は、そのスリット81の幅が狭くなる方向に弾性変形する。その結果、隣接する部分スリーブ71の係合スリーブ部7132、7134、7136が係合した時の、隣接する部分スリーブ71の間の軸方向のガタが解消される。
部分スリーブ71は、隣接する部分スリーブ71の係合スリーブ部7132、7134、7136が係合して環状に連結されて、雄シャフト12Bにねじり力が作用してもねじり変形し難いため、剛性が大きく、安定した摺動抵抗が維持される。
また、部分スリーブ71が4個、環状に連結されると、係合スリーブ部7134と7136の係合突起82、82が、係合スリーブ部7132の係合溝83、83に係合する。係合溝83、83は小判形に形成されているので、隣接する部分スリーブ71は、雄シャフト12Bの軸方向に直交する方向(半径方向)に互いに相対移動可能に係合される。また、係合スリーブ部7132、7134、7136の係合によって、隣接する部分スリーブ71は、雄シャフト12Bの軸方向には相対移動不能に係合される。
次に、図3に示すように、雄シャフト12Bの外周の4箇所の頂面512に、かつ、部分スリーブ71の軸方向の両端部分に、放射方向外側に突出して、凸部(係止部)515、515をカシメ加工で成形する。
この凸部515が4個の部分スリーブ71の軸方向の両端部分に各々当接して、4個の部分スリーブ71が雄シャフト12Bに対して軸方向に相対移動しないように固定している。他の例として、部分スリーブ71を雌シャフト12Aに軸方向移動不能に固定してもよい。
続いて、図10に示すように、4個の部分スリーブ71が外嵌された雄シャフト12Bに、雌シャフト12Aを外嵌する。すると、傾斜スリーブ部712の外周は、雌シャフト12Aの側面411に対して所定の締代を有しているので、締代に抗して雄シャフト12Bに雌シャフト12Aを外嵌すると、傾斜スリーブ部712(部分スリーブ71)が半径方向(放射方向)内側に向かって移動する。
傾斜スリーブ部712が半径方向(放射方向)内側に移動すると、板ばね84が雄シャフト12Bの頂面512と連結スリーブ部714の内周との間に圧縮して介挿される。その結果、板ばね84の付勢力によって、各々の部分スリーブ71は半径方向(放射方向)外側に向かって付勢され、傾斜スリーブ部712が、傾斜隙間62の最大隙間部側から最小隙間部側に向かって押圧されて、雄シャフト12Bと雌シャフト12Aとの間のガタが無く、かつ、雄シャフト12Bと雌シャフト12Aとの間に所定の予圧が付与される。
この状態で、ステアリングホイール11の車体前後方向位置を調節すると、アウターコラム13Aがインナーコラム13Bに対してテレスコピック移動し、雌シャフト12Aが雄シャフト12Bに対して軸方向に摺動する。
この雌シャフト12Aの軸方向の摺動で、傾斜スリーブ部712の外周が雌シャフト12Aの側面411に対して常に接触しながら摺動する。従って、傾斜スリーブ部712の外周は、摺動時の摩擦力によって徐々に摩耗するが、板ばね84の弾性力によって、傾斜スリーブ部712には、傾斜隙間62に傾斜スリーブ部712を押圧する方向の付勢力が常に作用しているため、ガタツキが発生しない。
すなわち、実施例1では、隣接する部分スリーブ71は、雄シャフト12Bの軸方向に直交する方向(半径方向)に互いに相対移動可能に係合されているため、板ばね84の弾性力が部分スリーブ71に全て伝達され、予圧力として効果的に作用する。
その結果、傾斜スリーブ部712の外周が摩耗しても、傾斜スリーブ部712の外周が摩耗した分だけ、傾斜隙間62の最大隙間部から最小隙間部に向かって、板ばね84の弾性力によって、傾斜スリーブ部712(部分スリーブ71)をさらに押圧する。従って、傾斜スリーブ部712には所定の付勢力が常に作用する。
温度変化や湿度変化があると、合成樹脂で成形された部分スリーブ71は、膨張や収縮を起こす。しかし、実施例1では、隣接する部分スリーブ71は、雄シャフト12Bの軸方向に直交する方向(半径方向)に互いに相対移動可能に係合されているため、膨張分や収縮分だけ傾斜隙間62に沿って円滑に移動することができ、予圧力の変動が無く、雄シャフト12Bと雌シャフト12Aとの間の軸方向の摺動抵抗が一定に維持される。
ステアリングホイール11を回転させて、図示しない車輪を操舵すると、雌シャフト12Aと雄シャフト12Bとの間には回転トルクが作用する。傾斜隙間62のくさび角度θは、傾斜スリーブ部712の摩擦角以下に設定されているため、傾斜スリーブ部712は動かない。
従って、雄シャフト12Bと雌シャフト12Aとの間にはガタが無く、かつ、雄シャフト12Bと雌シャフト12Aとの間に所定の予圧が付与された状態が維持されると共に、傾斜スリーブ部712の外周と雌シャフト12Aの側面411との間で、雌シャフト12Aから雄シャフト12Bへ回転トルクが伝達される。
上記部分スリーブ71の材質は、天然ゴム、合成ゴム、または、天然ゴムと合成ゴムの混合物で成形することが好ましい。また、部分スリーブ71の材質は、天然ゴム、合成ゴム、または、天然ゴムと合成ゴムの混合物に、二硫化モリブデン、グラファイト、フッ素化合物のうちの少なくともいずれか一つの固体潤滑剤を含有させた材質で成形することが好ましく、射出成形で成形することができる。
上記部分スリーブ71の材質は、ポリテトラフルオロエチレン、フェノール樹脂、アセタール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂のうちの少なくともいずれか一つの高分子材料を基本にし、二硫化モリブデン、グラファイト、フッ素化合物のうちの少なくともいずれか一つの固体潤滑剤を含有させた材質で成形することが好ましく、射出成形で成形することができる。
上記部分スリーブ71の材質は、ポリテトラフルオロエチレン、フェノール樹脂、アセタール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂のうちの少なくともいずれか一つの高分子材料を基本にし、炭素繊維、カーボンビーズのうちの少なくともいずれか一つを含有させた材質で成形することが好ましく、射出成形で成形することができる。
上記部分スリーブ71の材質は、ばね鋼で成形することもできる。また、上記雌シャフト12A及び雄シャフト12Bの材質は、炭素を0.04%以上含有する鋼、アルミニウム合金、高分子材料のうちのいずれか一つで成形することができる。上記雌シャフト12A及び雄シャフト12Bに負荷される回転トルクが小さい場合には、雌シャフト12A及び雄シャフト12Bを、高分子材料で成形してもよい。
上記雌シャフト12A及び雄シャフト12Bの成形方法は、冷間鍛造、熱間鍛造、プレス、スウェージング、引き抜き成形、押し出し成形、切削加工のうちのいずれか一つの方法を選択して成形すればよい。
部分スリーブ71を雄シャフト12Bの外周に外嵌した後、部分スリーブ71の外周に円管状の雌シャフトの内周を外嵌し、その後、雌シャフトの外周をプレスで押圧して縮径すれば、ガタの非常に少ない伸縮軸を成形することができる。
次に本発明の実施例2について説明する。図11(1)は本発明の実施例2の部分スリーブ単体の平面図、図11(2)は図11(1)のS矢視図である。図12は雄シャフトに実施例2の部分スリーブを4個取り付ける際の各々の部分スリーブの向きを示す平面図である。図13は雄シャフトに実施例2の部分スリーブを4個取り付ける際の各々のスリーブの向きを示す側面図である。
図14は実施例2の部分スリーブを組み付けた状態を示し、雄シャフトに外嵌する前の状態を示す斜視図である。図15は図2のA−A拡大断面図相当であり、雄シャフトに実施例2の部分スリーブを取り付け、部分スリーブの外周に雌シャフトを外嵌した状態を示す。以下の説明では、上記実施例1と異なる構造部分と作用についてのみ説明し、重複する説明は省略する。また、上記実施例1と同一部品には同一番号を付して説明する。
実施例2は、実施例1の変形例であり、部分スリーブに形成される係合スリーブ部の軸方向の配置を変更した例である。
実施例2においても、同一部品の4個の部分スリーブ72を、雄シャフト12Bの外周に外嵌して使用する。すなわち、実施例1と同様に、図11で、部分スリーブ72の軸方向の全長Lを略6等分した6つの区画を、図11(1)の左端から、D1、D2、D3、D4、D5、D6と呼ぶ。この6つの区画、D1からD6までの6箇所全てに、係合スリーブ部7131、7132、7133、7134、7135、7136が、傾斜スリーブ部712、712の放射方向内端に、交互に1個ずつ形成されている。
図11に示すように、係合スリーブ部7131から7136には、実施例1のスリット81、丸ボタン状の係合突起82、及び、係合突起82が係合可能な小判形の係合溝83は形成されていない。
このような構造の部分スリーブ72を4個用意し、図12に示すように、部分スリーブ72の軸方向の左右を揃えて配置して、隣接する部分スリーブ72の係合スリーブ部7131、7132、7133、7134、7135、7136を係合させながら、雄シャフト12Bの外周に外嵌する。
すなわち、係合スリーブ部7131を係合スリーブ部7132の側面に係合させ、係合スリーブ部7132を係合スリーブ部7131と7133の側面に係合させ、係合スリーブ部7133を係合スリーブ部7132と7134の側面に係合させ、係合スリーブ部7134を係合スリーブ部7133と7135の側面に係合させ、係合スリーブ部7135を係合スリーブ部7134と7136の側面に係合させ、係合スリーブ部7136を係合スリーブ部7135の側面に係合させる。
実施例2では、部分スリーブ72の軸方向の左右が対称に形成されている。従って、係合スリーブ部7136が図12の左側にくるように部分スリーブ712配置しても良く、部分スリーブ72の軸方向の左右を気にする必要が無いため、部分スリーブ72の組み付け作業が容易となる。
図13に、実施例2のスリーブを4個取り付ける際の各々のスリーブの向きを示す。図14に、雄シャフト12Bの図示を省略し、部分スリーブ72が4個、環状に連結された状態を示す。
部分スリーブ72を雄シャフト12Bの外周に外嵌する際には、実施例1と同様な形状の板ばね84を、図15に示すように、雄シャフト12Bの外周の頂面512と部分スリーブ72の連結スリーブ部714の内周との間に介挿する。
部分スリーブ72が4個、環状に連結されると、隣接する部分スリーブ72の係合スリーブ部7131から7136が係合し、隣接する部分スリーブ72は、雄シャフト12Bの軸方向に直交する方向(半径方向)に互いに相対移動可能に係合される。また、係合スリーブ部7131から7136の係合によって、隣接する部分スリーブ72は、雄シャフト12Bの軸方向には相対移動不能に係合される。
図示はしないが、実施例1と同様に、雄シャフト12Bの外周の4箇所の頂面512に、かつ、部分スリーブ72の軸方向の両端部分に、放射方向外側に突出して凸部(係止部)515、515をカシメ加工で成形して、4個の部分スリーブ72の軸方向の両端部分に各々当接させ、4個の部分スリーブ72が雄シャフト12Bに対して軸方向に相対移動しないように固定する。続いて、図15に示すように、4個の部分スリーブ72が外嵌された雄シャフト12Bに、雌シャフト12Aを外嵌すれば良い。
次に本発明の実施例3について説明する。図16は雄シャフトに本発明の実施例3の部分スリーブを2個取り付ける際の各々の部分スリーブの向きを示す側面図である。図17は実施例3の部分スリーブを組み付けた状態を示し、雄シャフトに外嵌する前の状態を示す斜視図である。以下の説明では、上記実施例と異なる構造部分と作用についてのみ説明し、重複する説明は省略する。また、上記実施例と同一部品には同一番号を付して説明する。
実施例3は、実施例2の変形例であり、実施例2の隣接する2個の部分スリーブ72を一体的に成形し、2個一体の部分スリーブを雄シャフト12Bに外嵌するようにした例である。
実施例3においても、2個一体にした同一部品の2個の部分スリーブを、雄シャフト12Bの外周に外嵌して使用する。すなわち、図12に示す実施例2の4個の部分スリーブ72のうち、図12の上から一番目と二番目の2個、及び、図12の上から三番目と四番目の2個を一体的に成形する。
図16が、2個の部分スリーブ72を一体的に成形した部分スリーブ73、73の向きを示す側面図である。図16に示すように、部分スリーブ73は、傾斜スリーブ部712を4個有し、その一端に、係合スリーブ部7132、7134、7136を有し、他端に、係合スリーブ部7131、7133、7135を有する。
この2個の部分スリーブ73、73の係合スリーブ部7131、7132、7133、7134、7135、7136を係合させながら、雄シャフト12Bの外周に外嵌する。図17に、雄シャフト12Bの図示を省略し、部分スリーブ73が2個、環状に連結された状態を示す。
実施例3では、部分スリーブ73が2個で済むため、組み付け工数が削減されると共に、部品の管理工数を削減することが可能となる。また、部分スリーブ73の軸方向の左右が対称に形成されている。従って、部分スリーブ73の軸方向の左右を気にする必要が無いため、部分スリーブ73の組み付け作業が容易となる。
次に本発明の実施例4について説明する。図18は本発明の実施例4の部分スリーブ単体の平面図である。以下の説明では、上記実施例と異なる構造部分と作用についてのみ説明し、重複する説明は省略する。また、上記実施例と同一部品には同一番号を付して説明する。
実施例4は、実施例1の変形例であり、実施例1で係合スリーブ部7132、7134に形成したスリット81を省略した例である。
すなわち、実施例4においても、同一部品の4個の部分スリーブ74を、雄シャフト12Bの外周に外嵌して使用する。すなわち、図18に示すように、部分スリーブ74の左端から一個置きに、D2、D4、D6の3箇所に、係合スリーブ部7132、7132、7134、7134、7136、7136が、傾斜スリーブ部712、712の放射方向内端に形成されている。
また、図18に示すように、係合スリーブ部7132、7132と7134、7134には、傾斜スリーブ部712の放射方向内端に達する実施例1のスリット81は形成されていない。また、丸ボタン状の係合突起82、及び、係合突起82が係合可能な小判形の係合溝83も形成されていない。また、D2、D4、D6の区画の軸方向の長さは、D1、D3、D5の区画の軸方向の長さよりも若干長く形成されている。
このような構造の部分スリーブ74を4個用意し、実施例1と同様に、部分スリーブ74の軸方向の左右を交互に配置して、隣接する部分スリーブ74の係合スリーブ部7132、7134、7136を係合させながら、雄シャフト12Bの外周に外嵌すれば良い。
次に本発明の実施例5について説明する。図19は(1)は本発明の実施例5の部分スリーブ単体の平面図、図19(2)は図19(1)のT矢視図である。図20は雄シャフトに実施例5の4個の部分スリーブを取り付ける際の各々の部分スリーブの向きを示す側面図である。
図21は図20のD部拡大断面図である。図22は実施例5の4個の部分スリーブを組み付けた状態を示し、雄シャフトに外嵌する前の状態を示す斜視図である。図23は図2のA−A拡大断面図相当であり、雄シャフトに実施例5の部分スリーブを取り付け、部分スリーブの外周に雌シャフトを外嵌した状態を示す。以下の説明では、上記実施例と異なる構造部分と作用についてのみ説明し、重複する説明は省略する。また、上記実施例と同一部品には同一番号を付して説明する。
実施例5は、実施例1の変形例であり、部分スリーブに形成される係合スリーブ部(係合部)の形状を変更した例である。
実施例5においても、同一部品の4個の部分スリーブ75を、雄シャフト12Bの外周に外嵌して使用する。すなわち、図19に示すように、部分スリーブ75は、傾斜スリーブ部712、係合スリーブ部(係合部)751、752、連結スリーブ部714の三要素で構成される。
すなわち、傾斜スリーブ部712、712、及び、連結スリーブ部714の形状は、実施例1と同様である。図19(2)に示すように、係合スリーブ部751は、一方(左側)の傾斜スリーブ部712の放射方向内端に形成され、係合スリーブ部751の放射方向外側には、外側に向かって凸の円筒状の係合突起753が3個形成されている。
また、係合スリーブ部752は、他方(右側)の傾斜スリーブ部712の放射方向内端に形成され、係合スリーブ部752には、係合突起753が係合可能な小判形の係合孔754が3個形成されている。図19(1)に示すように、係合突起753及び係合孔754の軸方向の位置は同一で、長さL1と長さL4が同一、長さL2と長さL3が同一に形成されている。
このような構造の部分スリーブ75を4個用意し、部分スリーブ75の軸方向の左右を揃えて配置して、隣接する部分スリーブ75の係合突起753と係合孔754を係合させながら、雄シャフト12Bの外周に外嵌する。
図20に、実施例5の部分スリーブ75を4個取り付ける際の各々の部分スリーブ75の向きを示す。図21に示すように、係合孔754は小判形に形成され、係合スリーブ部751と752との接続部分には、常に隙間δ1、δ2、δ3が形成されるように設定されているので、隣接する部分スリーブ75は、雄シャフト12Bの軸方向に直交する方向(半径方向)に互いに相対移動可能に係合される。図22に、雄シャフト12Bの図示を省略し、部分スリーブ75が4個、環状に連結された状態を示す。
部分スリーブ75を雄シャフト12Bの外周に外嵌する際には、図23に示すように、実施例1と同様な形状の板ばね84を、雄シャフト12Bの外周の頂面512と部分スリーブ75の連結スリーブ部714の内周との間に介挿する。
部分スリーブ75が4個、環状に連結されると、隣接する部分スリーブ75の係合スリーブ部751と752が係合し、隣接する部分スリーブ75は、雄シャフト12Bの軸方向に直交する方向(半径方向)に互いに相対移動可能に係合される。また、係合スリーブ部751と752の係合によって、隣接する部分スリーブ75は、雄シャフト12Bの軸方向には相対移動不能に係合される。
図示はしないが、実施例1と同様に、雄シャフト12Bの外周の4箇所の頂面512に、かつ、部分スリーブ75の軸方向の両端部分に、放射方向外側に突出して凸部(係止部)515、515をカシメ加工で成形して、4個の部分スリーブ75の軸方向の両端部分に各々当接させ、4個の部分スリーブ75が雄シャフト12Bに対して軸方向に相対移動しないように固定する。続いて、図23に示すように、4個の部分スリーブ75が外嵌された雄シャフト12Bに、雌シャフト12Aを外嵌すれば良い。
次に本発明の実施例6について説明する。図24は本発明の実施例6の伸縮軸を示し、雄シャフトに実施例6の部分スリーブを取り付け、雌シャフトを外嵌する前の状態を示す斜視図である。図25は図2のA−A拡大断面図相当であり、雄シャフトに実施例6の部分スリーブを取り付け、部分スリーブの外周に雌シャフトを外嵌した状態を示す。以下の説明では、上記実施例と異なる構造部分と作用についてのみ説明し、重複する説明は省略する。また、上記実施例と同一部品には同一番号を付して説明する。
実施例6は、実施例1の変形例であって、実施例1の部分スリーブ71から係合スリーブ部7131〜7136を省略した例である。実施例6においても、同一部品の4個の部分スリーブ76を、雄シャフト12Bの外周に外嵌して使用する。すなわち、図24、図25に示すように、部分スリーブ76は、傾斜スリーブ部712、連結スリーブ部714の二要素で構成される。
すなわち、傾斜スリーブ部712、712、及び、連結スリーブ部714の形状は、実施例1と同様である。このような構造の部分スリーブ76を4個用意し、部分スリーブ76の軸方向の左右は気にせずに、雄シャフト12Bの外周に外嵌する。
部分スリーブ76を雄シャフト12Bの外周に外嵌する際には、図25に示すように、実施例1と同様な形状の板ばね84を、雄シャフト12Bの外周の頂面512と部分スリーブ76の連結スリーブ部714の内周との間に介挿する。
図24及び図25に示すように、部分スリーブ76は隣接する部分スリーブ76には係合していないので、隣接する部分スリーブ76は、雄シャフト12Bの軸方向に直交する方向(半径方向)に互いに相対移動可能である。
また、実施例1と同様、図24に示すように、雄シャフト12Bの外周の4箇所の頂面512に、かつ、部分スリーブ76の軸方向の両端部分に、放射方向外側に突出して凸部(係止部)515、515をカシメ加工で成形する。この凸部515、515を、4個の部分スリーブ76の軸方向の両端部分に各々当接させ、4個の部分スリーブ76が雄シャフト12Bに対して軸方向に相対移動しないように固定する。
続いて、図25に示すように、4個の部分スリーブ76が外嵌された雄シャフト12Bに、雌シャフト12Aを外嵌すれば良い。実施例6では、部分スリーブ76から係合スリーブ部を省略できるので、部分スリーブ76の構造が簡単になり、製造コストを削減することができる。
また実施例6では、係合スリーブ部が省略されて、隣接する部分スリーブ76が互いに独立しているため、高い寸法精度を必要としない。また、形状が単純なため、部分スリーブ76の搬送時に互いにからまることが無いため、取り扱いが容易となる。さらに、温度変化による熱変形があっても、摺動性能に対して悪影響を受けにくい。
次に本発明の実施例7について説明する。図26は本発明の実施例7の伸縮軸を示す図2のA−A拡大断面図相当であり、雄シャフトに実施例7の部分スリーブを取り付け、部分スリーブの外周に雌シャフトを外嵌した状態を示す。以下の説明では、上記実施例と異なる構造部分と作用についてのみ説明し、重複する説明は省略する。また、上記実施例と同一部品には同一番号を付して説明する。
実施例7は、実施例6の変形例であって、雌シャフト12Aの軸方向溝41、及び、雄シャフト12Bの軸方向凸条51の数を3個にした例である。図26に示すように、雌シャフト12Aは中空筒状に形成されており、その内周には、雌シャフト12Aの軸心19から放射状に、軸方向溝41が伸縮ストロークの全長にわたって、等間隔(120度間隔)に3個形成されている。各軸方向溝41は、軸心19を通る3本の中心線193、193、193に対して、各々角度θで形成された側面411、411を有している。
一つの軸方向溝41を構成する側面411と411との間の間隔は、放射方向外側に向かって狭くなる。また、この側面411、411の放射方向外端が、外側に向かって凸の円弧状の底面412に滑らかに接続され、側面411、411と底面412によって、各軸方向溝41は、軸直角断面が略コの字形に形成されている。
また、この側面411、411の放射方向内端が、隣接する側面411、411の放射方向内端と、外側に向かって凸の円弧状の接続面424によって、滑らかに接続されている。
また、雄シャフト12Bには、軸方向凸条51が、軸心19から放射状に、上記軸方向溝41と同一位相位置に、等間隔(120度間隔)に3個形成されている。
軸方向凸条51は、上記した3本の中心線193、193、193に対して、各々平行な側面511、511を有している。従って、一つの軸方向凸条51を構成する側面511と側面511との間の間隔は一定で、放射方向外側に向かって平行に形成されている。
また、この側面511、511の放射方向外端が、中心線193に対して直交する直線状の頂面512に接続され、側面511、511と頂面512によって、各軸方向凸条51は、軸直角断面が略コの字形に形成されている。側面511、511の放射方向内端は、隣接する側面511、511の放射方向内端と、外側に向かって凸の円弧状の接続面514によって接続されている。
従って、雄シャフト12Bの軸方向凸条の側面511、511と、雌シャフト12Aの軸方向溝41の側面411、411との間には、放射方向外側に向かって間隔が狭くなる傾斜隙間62が形成されている。
実施例7においても、同一部品の3個の部分スリーブ77を、雄シャフト12Bの外周に外嵌して使用する。すなわち、実施例7の部分スリーブ77は、実施例6と実質的に同一形状を有し、傾斜スリーブ部712、連結スリーブ部714の二要素で構成される。
すなわち、傾斜スリーブ部712、712、及び、連結スリーブ部714の形状は、実施例1及び実施例6と同様である。このような構造の部分スリーブ77を3個用意し、部分スリーブ77の軸方向の左右は気にせずに、雄シャフト12Bの外周に外嵌する。
部分スリーブ77を雄シャフト12Bの外周に外嵌する際には、図26に示すように、実施例1と同様な形状の板ばね84を、雄シャフト12Bの外周の頂面512と部分スリーブ77の連結スリーブ部714の内周との間に介挿する。
図26に示すように、部分スリーブ77は隣接する部分スリーブ77には係合していないので、隣接する部分スリーブ77は、雄シャフト12Bの軸方向に直交する方向(半径方向)に互いに相対移動可能である。
また、図示はしないが、実施例1と同様に、雄シャフト12Bの外周の3箇所の頂面512に、かつ、部分スリーブ77の軸方向の両端部分に、放射方向外側に突出して凸部(係止部)515、515をカシメ加工で成形する。この凸部515、515を、3個の部分スリーブ77の軸方向の両端部分に各々当接させ、3個の部分スリーブ77が雄シャフト12Bに対して軸方向に相対移動しないように固定する。
続いて、図26に示すように、3個の部分スリーブ77が外嵌された雄シャフト12Bに、雌シャフト12Aを外嵌すれば良い。実施例7では、部分スリーブ77から係合スリーブ部を省略できるので、部分スリーブ77の構造が簡単になり、製造コストを削減することができる。
実施例7では、係合スリーブ部が省略されて、隣接する部分スリーブ77が互いに独立しているため、上記実施例6と同様な効果がある。さらに、実施例7では、部分スリーブ77が3個で構成されているため、軸方向凸条51の側面511、511、軸方向溝41の側面411、411、部分スリーブ77の傾斜スリーブ部712がバランス良く接触する。さらに、雄シャフト12Bと雌シャフト12Aのセンタリング効果が優れている。
次に本発明の実施例8について説明する。図27は本発明の実施例8の伸縮軸を示す図2のA−A拡大断面図相当であり、雄シャフトに実施例8の部分スリーブを取り付け、部分スリーブの外周に雌シャフトを外嵌した状態を示す。以下の説明では、上記実施例と異なる構造部分と作用についてのみ説明し、重複する説明は省略する。また、上記実施例と同一部品には同一番号を付して説明する。
実施例8は、実施例7の変形例であって、雌シャフト12Aの軸方向溝41、及び、雄シャフト12Bの軸方向凸条51の数を3個にすると共に、軸方向溝41、及び、軸方向凸条の形状を変更した例である。図27に示すように、雌シャフト12Aは中空筒状に形成されており、その内周には、雌シャフト12Aの軸心19から放射状に、軸方向溝41が伸縮ストロークの全長にわたって、等間隔(120度間隔)に3個形成されている。各軸方向溝41は、軸心19を通る3本の中心線193、193、193に対して、各々角度θで形成された側面411、411を有している。
一つの軸方向溝41を構成する側面411と411との間の間隔は、放射方向外側に向かって狭くなる。また、この側面411、411の放射方向外端が、外側に向かって凸の円弧状の底面412に滑らかに接続され、側面411、411と底面412によって、各軸方向溝41は、軸直角断面が略コの字形に形成されている。
また、上記した実施例7では、側面411、411の放射方向内端は、隣接する側面411、411の放射方向内端と、外側に向かって凸の円弧状の接続面424によって接続されているが、実施例8では、内側に向かって凸の円弧状の接続面414によって、滑らかに接続されている。
また、雄シャフト12Bには、軸方向凸条51が、軸心19から放射状に、上記軸方向溝41と同一位相位置に、等間隔(120度間隔)に3個形成されている。
軸方向凸条51は、上記した3本の中心線193、193、193に対して、各々平行な側面511、511を有している。従って、一つの軸方向凸条51を構成する側面511と側面511との間の間隔は一定で、放射方向外側に向かって平行に形成されている。
また、この側面511、511の放射方向外端が、中心線193に対して直交する直線状の頂面512に接続され、側面511、511と頂面512によって、各軸方向凸条51は、軸直角断面が略コの字形に形成されている。上記した実施例7では、側面511、511の放射方向内端は、隣接する側面511、511の放射方向内端と、外側に向かって凸の円弧状の接続面514によって接続されているが、実施例8では、内側に向かって凸の円弧状の接続面524によって接続されている。
従って、雄シャフト12Bの軸方向凸条の側面511、511と、雌シャフト12Aの軸方向溝41の側面411、411との間には、放射方向外側に向かって間隔が狭くなる傾斜隙間62が形成されている。
実施例8においても、同一部品の3個の部分スリーブ78を、雄シャフト12Bの外周に外嵌して使用する。すなわち、実施例8の部分スリーブ78は、実施例6及び実施例7と実質的に同一形状を有し、傾斜スリーブ部712、連結スリーブ部714の二要素で構成される。
すなわち、傾斜スリーブ部712、712、及び、連結スリーブ部714の形状は、実施例1、実施例6、実施例7と実質的に同様である。このような構造の部分スリーブ78を3個用意し、部分スリーブ78の軸方向の左右は気にせずに、雄シャフト12Bの外周に外嵌する。
部分スリーブ78を雄シャフト12Bの外周に外嵌する際には、図27に示すように、実施例1と同様な形状の板ばね84を、雄シャフト12Bの外周の頂面512と部分スリーブ78の連結スリーブ部714の内周との間に介挿する。
図27に示すように、部分スリーブ78は隣接する部分スリーブ78には係合していないので、隣接する部分スリーブ78は、雄シャフト12Bの軸方向に直交する方向(半径方向)に互いに相対移動可能である。
また、図示はしないが、実施例1と同様に、雄シャフト12Bの外周の3箇所の頂面512に、かつ、部分スリーブ78の軸方向の両端部分に、放射方向外側に突出して凸部(係止部)515、515をカシメ加工で成形する。この凸部515、515を、3個の部分スリーブ78の軸方向の両端部分に各々当接させ、3個の部分スリーブ78が雄シャフト12Bに対して軸方向に相対移動しないように固定する。
続いて、図27に示すように、3個の部分スリーブ78が外嵌された雄シャフト12Bに、雌シャフト12Aを外嵌すれば良い。実施例8では、部分スリーブ78から係合スリーブ部を省略できるので、部分スリーブ78の構造が簡単になり、製造コストを削減することができる。
次に本発明の実施例9について説明する。図28は本発明の実施例9の伸縮軸を示す図2のA−A拡大断面図相当であり、雄シャフトに実施例9の部分スリーブを取り付け、部分スリーブの外周に雌シャフトを外嵌した状態を示す。以下の説明では、上記実施例と異なる構造部分と作用についてのみ説明し、重複する説明は省略する。また、上記実施例と同一部品には同一番号を付して説明する。
実施例9は、傾斜スリーブ部712と連結スリーブ部714との間に、薄肉部を形成した例である。図28に示すように、雌シャフト12Aは中空筒状に形成されており、その内周には、雌シャフト12Aの軸心19から放射状に、軸方向溝41が伸縮ストロークの全長にわたって、等間隔(120度間隔)に3個形成されている。
一つの軸方向溝41を構成する側面411と411の放射方向外端が、外側に向かって凸の円弧状の底面412に滑らかに接続され、側面411、411と底面412によって、各軸方向溝41は、軸直角断面が略コの字形に形成されている。側面411、411の放射方向内端は、内側に向かって凸の円弧状の接続面414によって、滑らかに接続されている。
また、雄シャフト12Bには、軸方向凸条51が、軸心19から放射状に、上記軸方向溝41と同一位相位置に、等間隔(120度間隔)に3個形成されている。一つの軸方向凸条51を構成する側面511と側面511との間の間隔は一定で、放射方向外側に向かって平行に形成されている。
また、この側面511、511の放射方向外端が頂面512に接続され、側面511、511と頂面512によって、各軸方向凸条51は、軸直角断面が略コの字形に形成されている。側面511、511の放射方向内端は、隣接する側面511、511の放射方向内端と、内側に向かって凸の円弧状の接続面524によって接続されている。
従って、雄シャフト12Bの軸方向凸条51の側面511、511と、雌シャフト12Aの軸方向溝41の側面411、411との間には、放射方向外側に向かって間隔が狭くなる傾斜隙間62が形成されている。
実施例9においても、同一部品の3個の部分スリーブ79を、雄シャフト12Bの外周に外嵌して使用する。すなわち、実施例9の部分スリーブ79は、傾斜スリーブ部712、連結スリーブ部714、接続スリーブ部715の三要素で構成される。
すなわち、傾斜スリーブ部712、及び、連結スリーブ部714の形状は、実施例8と実質的に同様である。また、図28、図29に示すように、傾斜スリーブ部712と連結スリーブ部714を接続する接続スリーブ部715は、傾斜スリーブ部712、連結スリーブ部714よりも薄肉に形成されており、雄シャフト12Bの軸方向凸条51と、雌シャフト12Aの軸方向溝41との間に隙間を有して介挿されている。このような構造の部分スリーブ79を3個用意し、部分スリーブ79の軸方向の左右は気にせずに、雄シャフト12Bの外周に外嵌する。
部分スリーブ79を雄シャフト12Bの外周に外嵌する際には、実施例1と同様な形状の板ばね84を、雄シャフト12Bの外周の頂面512と部分スリーブ79の連結スリーブ部714の内周との間に介挿する。
また、図示はしないが、実施例1と同様に、雄シャフト12Bの外周の3箇所の頂面512に、かつ、部分スリーブ79の軸方向の両端部分に、放射方向外側に突出して凸部(係止部)515、515をカシメ加工で成形する。この凸部515、515を、3個の部分スリーブ79の軸方向の両端部分に各々当接させ、3個の部分スリーブ79が雄シャフト12Bに対して軸方向に相対移動しないように固定する。
続いて、図28に示すように、3個の部分スリーブ79が外嵌された雄シャフト12Bに、雌シャフト12Aを外嵌すれば良い。実施例9では、温度変化や吸湿によって、傾斜スリーブ部712、連結スリーブ部714が膨張しても、薄肉の接続スリーブ部715は、雄シャフト12Bの軸方向凸条51と雌シャフト12Aの軸方向溝41から離間した状態を維持する。従って、部分スリーブ79が雄シャフト12B、雌シャフト12Aに強く接触して摩擦抵抗が増大するのを防止することができる。
次に本発明の実施例10について説明する。図30は本発明の実施例10の伸縮軸を示し、(1)は雄シャフトに実施例10の部分スリーブを取り付け、雌シャフトを外嵌する前の状態を示す側面図、(2)は部分スリーブの外周に雌シャフトを外嵌した状態を示す(1)の右側面図である。
図31(1)は図30の3個の部分スリーブのうちの1個の部分スリーブを雄シャフトの軸方向にずらして取り付けた状態を示す側面図、図31(2)は図30の3個の部分スリーブを雄シャフトの軸方向に全てずらして取り付けた状態を示す側面図である。
図32(1)は図30の3個の部分スリーブを雄シャフトの軸方向に全てずらして取り付け、かつ、同一の軸方向凸条に2個の部分スリーブを取り付けた状態を示す側面図、図32(2)は図30の3個の部分スリーブを、軸方向に離間した2箇所に各々3個ずつ取り付けた状態を示す側面図である。以下の説明では、上記実施例と異なる構造部分と作用についてのみ説明し、重複する説明は省略する。また、上記実施例と同一部品には同一番号を付して説明する。
すなわち、悪路を走行するSUV車では、車輪からの突き上げがステアリング装置に伝達されないようにするために、中間シャフト等の伸縮軸は、長い伸縮ストロークが必要になる。また、衝突時に運転者に対して大きな突き上げ力が作用しないようにするためにも、中間シャフト等の伸縮軸は、伸縮ストロークが長いことが好ましい。
しかし、伸縮軸の伸縮ストロークを長くすると、伸縮軸が長くなるとともに、伸縮軸の重量も大きくなるため、伸縮軸に作用する軸直角方向の折り曲げ力が大きくなり、伸縮軸の曲げ剛性が低下する不具合が起きる。伸縮軸の曲げ剛性を大きくするためには、部分スリーブに付与する予圧を大きくする事が考えられるが、雄シャフト12Bと雌シャフト12Aとの間の摺動抵抗が大きくなってしまい、好ましくない。
実施例10は、複数ある部分スリーブのうちのいくつかの部分スリーブの軸方向の取り付け位置をずらして取り付けることにより、摺動抵抗の増大を抑えて、伸縮ストロークの長い伸縮軸の軸直角方向の曲げ剛性を大きくした例である。
すなわち、図30に示すように、雌シャフト12Aは中空筒状に形成されており、その内周には、雌シャフト12Aの軸心から放射状に、軸方向溝41が伸縮ストロークの全長にわたって、等間隔(120度間隔)に3個形成されている。軸方向溝41の形状は、実施例8と同一であるので、詳細な説明は省略する。
また、雄シャフト12Bには、軸方向凸条51が、軸心から放射状に、上記軸方向溝41と同一位相位置に、等間隔(120度間隔)に3個形成されている。軸方向凸条51の形状は、実施例8と同一であるので、詳細な説明は省略する。
実施例10においても、傾斜スリーブ部712、連結スリーブ部714の二要素で構成される同一部品の3個の部分スリーブ791、792、793を、雄シャフト12Bの外周に外嵌して使用している。傾斜スリーブ部712、連結スリーブ部714の形状は、実施例8と実質的に同様である。このような構造の部分スリーブ791、792、793を3個用意し、部分スリーブ79の軸方向の左右は気にせずに、雄シャフト12Bの外周に外嵌する。
図示はしないが、部分スリーブ791、792、793を雄シャフト12Bの外周に外嵌する際には、実施例1と同様な形状の板ばねを、雄シャフト12Bの外周の頂面512と部分スリーブ791、792、793の連結スリーブ部714の内周との間に介挿する。
また、実施例1と同様に、雄シャフト12Bの外周の3箇所の頂面512に、かつ、部分スリーブ791、792、793の軸方向の両端部分に、放射方向外側に突出して凸部(係止部)515、515をカシメ加工で成形する。この凸部515、515を、3個の部分スリーブ791、792、793の軸方向の両端部分に各々当接させ、3個の部分スリーブ791、792、793が雄シャフト12Bに対して軸方向に相対移動しないように固定する。
続いて、図30(2)に示すように、3個の部分スリーブ791、792、793が外嵌された雄シャフト12Bに、雌シャフト12Aを外嵌すれば良い。図30(1)は、3個の部分スリーブ791、792、793を、雄シャフト12Bの軸方向の同一位置に全て取り付けた例を示している。
図30(1)に示すように、3個の部分スリーブ791、792、793を雄シャフト12Bの軸方向の同一位置に全て取り付けた場合には、部分スリーブ791、792、793が雄シャフト12Bと雌シャフト12Aに同時に接触する軸方向の長さA1は、部分スリーブ791、792、793単体の軸方向の長さと同一である。
これに対して、図31(1)は、3個の部分スリーブ791、792、793のうちの1個の部分スリーブ792を、雄シャフト12Bの軸方向にずらして取り付けた実施例を示す。図31(1)の伸縮軸では、部分スリーブ791、792、793が雄シャフト12Bと雌シャフト12Aに同時に接触する軸方向の長さA2は、部分スリーブ791、792、793単体の軸方向の長さよりも長くすることができる。
その結果、雄シャフト12Bと雌シャフト12Aとの間の摺動抵抗はそのままで、雄シャフト12Bに対して雌シャフト12Aを折り曲げた時の、軸直角方向の曲げ剛性が大きくなるため、伸縮ストロークの長い伸縮軸の軸直角方向の曲げ剛性を大きくすることができる。
図31(2)は、3個の部分スリーブ791、792、793を、雄シャフト12Bの軸方向に全てずらして取り付けた実施例を示す。図31(2)の伸縮軸では、部分スリーブ791、792、793が雄シャフト12Bと雌シャフト12Aに同時に接触する軸方向の長さA3を、図31(1)の伸縮軸の軸方向の長さA2よりも長くすることができる。
その結果、図31(1)の伸縮軸よりも伸縮ストロークの長い伸縮軸に適用した場合に好適で、雄シャフト12Bと雌シャフト12Aとの間の摺動抵抗はそのままで、雄シャフト12Bに対して雌シャフト12Aを折り曲げた時の、軸直角方向の曲げ剛性が大きくなる。
図32(1)は、3個の部分スリーブ791、792、793を、雄シャフト12Bの軸方向に全てずらして取り付け、かつ、同一の軸方向凸条に2個の部分スリーブを取り付けた実施例を示す。すなわち、図32(1)では、追加した1個の部分スリーブ794を、部分スリーブ791と同一の軸方向凸条に、部分スリーブ793よりも軸方向にずらして取り付けている。また、図32(1)では、付勢力の小さな板ばね84を使用して、部分スリーブ791と部分スリーブ794の予圧を、図30の実施例の部分スリーブ791の半分にしている。
図32(1)の伸縮軸では、部分スリーブ791、792、793、794が雄シャフト12Bと雌シャフト12Aに同時に接触する軸方向の長さA4を、図31(2)の伸縮軸の軸方向の長さA3よりも長くすることができる。
その結果、図31(2)の伸縮軸よりも伸縮ストロークの長い伸縮軸に適用した場合に好適で、雄シャフト12Bと雌シャフト12Aとの間の摺動抵抗はそのままで、雄シャフト12Bに対して雌シャフト12Aを折り曲げた時の、軸直角方向の曲げ剛性が大きくなる。
図32(2)は、3個の部分スリーブを、雄シャフト12Bの軸方向に離間した2箇所に各々3個ずつ取り付けた実施例を示す。すなわち、図32(2)では、3個の部分スリーブ791、792、793を、雄シャフト12Bの右端の同一軸方向位置に取り付ける。また、追加した3個の部分スリーブ794、795、796を、雄シャフト12Bの左側の同一軸方向位置に取り付けている。
また、図32(2)では、付勢力の小さな板ばね84を使用して、部分スリーブ791、792、793、794、795、796の予圧を、図30の実施例の部分スリーブ791、792、793の半分にしている。
図32(2)の伸縮軸では、部分スリーブ791、792、793、794、795、796が雄シャフト12Bと雌シャフト12Aに同時に接触する軸方向の長さA5を、図32(1)の伸縮軸の軸方向の長さA4と略同一にすることができる。
その結果、図31(2)の伸縮軸よりも伸縮ストロークの長い伸縮軸に適用した場合に好適で、雄シャフト12Bと雌シャフト12Aとの間の摺動抵抗はそのままで、雄シャフト12Bに対して雌シャフト12Aを折り曲げた時の、軸直角方向の曲げ剛性が大きくなる。
実施例10において、隣接する部分スリーブ791、792、793、794、795、796に、実施例1から実施例4で説明した係合スリーブ部713を形成し、円周方向に隣接する部分スリーブの係合スリーブ部713を係合させるのが好ましい。係合スリーブ部713の係合によって、隣接する部分スリーブは、雄シャフト12Bの軸方向に直交する方向(半径方向)に互いに相対移動可能に係合させることができる。また、係合スリーブ部713の係合によって、隣接する部分スリーブは、雄シャフト12Bの軸方向に相対移動不能に係合させることができる。
上記実施例では、雌シャフト12A側に軸方向溝41が形成され、雄シャフト12B側に軸方向凸条51が形成されているが、雌シャフト12A側に軸方向凸条を形成し、雄シャフト12B側に軸方向溝を形成してもよい。
また、上記実施例では、軸方向溝41及び軸方向凸条51が、等間隔に3個または4個形成されているが、複数であればよい。さらに、上記実施例では、ステアリングシャフト12に本発明を適用した例について説明したが、中間シャフト16等、ステアリング装置を構成する任意の伸縮軸に適用することができる。
さらに、上記実施例において、軸方向溝を有する雌シャフト12Aの外周面の形状は、円形、矩形及び多角形にしてもよく、雌シャフト12Aの軸方向溝と相似形状にする必要はない。
また、上記実施例において、凸部515を雌シャフト12Aの内周面に、かつ、部分スリーブの軸方向の両端部分に、放射方向内側に突出して成形し、部分スリーブが雌シャフト12Aに対して軸方向に相対移動しないように固定してもよい。
さらに、上記実施例においては、板ばね84が部分スリーブとは別体で形成されているが、部分スリーブの連結スリーブ部714から内側に向かって付勢部材を一体的に形成し、軸方向凸条51の頂面512にこの付勢部材を当接させてもよい。
本発明の実施例1のステアリング装置の全体を示し、一部を切断した側面図であって、操舵補助部を有する電動パワーステアリング装置に適用した実施例を示す。
図1の要部の縦断面図である。
本発明の実施例1の伸縮軸を示し、雄シャフトに実施例1の部分スリーブを取り付け、雌シャフトを外嵌する前の状態を示す斜視図である。
図3の部分スリーブ単体の斜視図である。
(1)は図4に示す部分スリーブ単体の平面図、(2)は(1)のP矢視図、(3)は(2)のQ矢視図である。
(1)は図5(1)のB部拡大斜視図、(2)は図5(1)のC部拡大斜視図である。
雄シャフトに実施例1の部分スリーブを4個取り付ける際の各々の部分スリーブの向きを示す平面図である。
実施例1の部分スリーブを4個組み付けた状態を示し、雄シャフトに外嵌する前の状態を示す斜視図である。
部分スリーブに予圧を付与する板ばね単体を示し、(1)は板ばね単体の平面図、(2)は(1)のR矢視図である。
図2のA−A拡大断面図であり、雄シャフトに実施例1の部分スリーブを取り付け、部分スリーブの外周に雌シャフトを外嵌した状態を示す。
(1)は本発明の実施例2の部分スリーブ単体の平面図、(2)は(1)のS矢視図である。
雄シャフトに実施例2の部分スリーブを4個取り付ける際の各々の部分スリーブの向きを示す平面図である。
雄シャフトに実施例2の部分スリーブを4個取り付ける際の各々の部分スリーブの向きを示す側面図である。
実施例2の部分スリーブを組み付けた状態を示し、雄シャフトに外嵌する前の状態を示す斜視図である。
図2のA−A拡大断面図相当であり、雄シャフトに実施例2の部分スリーブを4個取り付け、部分スリーブの外周に雌シャフトを外嵌した状態を示す。
雄シャフトに本発明の実施例3の部分スリーブを2個取り付ける際の各々の部分スリーブの向きを示す側面図である。
実施例3の部分スリーブを組み付けた状態を示し、雄シャフトに外嵌する前の状態を示す斜視図である。
本発明の実施例4の部分スリーブ単体の平面図である。
(1)は本発明の実施例5の部分スリーブ単体の平面図、(2)は(1)のT矢視図である。
雄シャフトに実施例5の4個の部分スリーブを取り付ける際の各々の部分スリーブの向きを示す側面図である。
図20のD部拡大断面図である。
実施例5の4個の部分スリーブを組み付けた状態を示し、雄シャフトに外嵌する前の状態を示す斜視図である。
図2のA−A拡大断面図相当であり、雄シャフトに実施例5の部分スリーブを取り付け、部分スリーブの外周に雌シャフトを外嵌した状態を示す。
本発明の実施例6の伸縮軸を示し、雄シャフトに実施例6の部分スリーブを取り付け、雌シャフトを外嵌する前の状態を示す斜視図である。
図2のA−A拡大断面図相当であり、雄シャフトに実施例6の部分スリーブを取り付け、部分スリーブの外周に雌シャフトを外嵌した状態を示す。
本発明の実施例7の伸縮軸を示す図2のA−A拡大断面図相当であり、雄シャフトに実施例7の部分スリーブを取り付け、部分スリーブの外周に雌シャフトを外嵌した状態を示す。
本発明の実施例8の伸縮軸を示す図2のA−A拡大断面図相当であり、雄シャフトに実施例8の部分スリーブを取り付け、部分スリーブの外周に雌シャフトを外嵌した状態を示す。
本発明の実施例9の伸縮軸を示す図2のA−A拡大断面図相当であり、雄シャフトに実施例9の部分スリーブを取り付け、部分スリーブの外周に雌シャフトを外嵌した状態を示す。
図28のE部拡大断面図である。
本発明の実施例10の伸縮軸を示し、(1)は雄シャフトに実施例10の部分スリーブを取り付け、雌シャフトを外嵌する前の状態を示す側面図、(2)は部分スリーブの外周に雌シャフトを外嵌した状態を示す(1)の右側面図である。
(1)は図30の3個の部分スリーブのうちの1個の部分スリーブを雄シャフトの軸方向にずらして取り付けた状態を示す側面図、(2)は図30の3個の部分スリーブを雄シャフトの軸方向に全てずらして取り付けた状態を示す側面図である。
(1)は図30の3個の部分スリーブを雄シャフトの軸方向に全てずらして取り付け、かつ、同一の軸方向凸条に2個の部分スリーブを取り付けた状態を示す側面図、(2)は図30の3個の部分スリーブを、軸方向に離間した2箇所に各々3個ずつ取り付けた状態を示す側面図である。
符号の説明
11 ステアリングホイール
12 ステアリングシャフト
12A アウターシャフト(雌シャフト)
12B インナーシャフト(雄シャフト)
121B 大径軸部
122B 小径軸部
13 ステアリングコラム
13A アウターコラム
13B インナーコラム
14 支持ブラケット
15 自在継手
16 中間シャフト
16A 雌中間シャフト
16B 雄中間シャフト
17 自在継手
18 車体
19 軸心
191、192、193 中心線
20 アシスト装置
21 ギヤハウジング
22 入力軸
221 内径孔
23 出力軸
24 トーションバー
25 ウォームホイール
26 電動モータ
261 ケース
27 ウォーム
28 トルクセンサ
29A、29B、29C 軸受
30 ステアリングギヤ
31 入力軸
32 タイロッド
41 軸方向溝
411 側面
412 底面
414 接続面
424 接続面
51 軸方向凸条
511 側面
512 頂面
514 接続面
515 凸部
524 接続面
62 傾斜隙間
63 内側円弧状隙間
64 外側円弧状隙間
71 部分スリーブ
712 傾斜スリーブ部
713 係合スリーブ部
7131、7132、7133、7134、7135、7136 係合スリーブ部
714 連結スリーブ部
715 接続スリーブ部
72、73、74、75 部分スリーブ
751、752 係合スリーブ部
753 係合突起
754 係合孔
76、77、78 部分スリーブ
79 部分スリーブ
791、792、793、794、795、796 部分スリーブ
81 スリット
82 係合突起
83 係合溝
84 板ばね