JP2007231993A - 伸縮軸 - Google Patents

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Abstract

【課題】大きな回転トルクが作用しても小さな摩擦抵抗で伸縮可能で、大きな回転トルクを伝達可能な伸縮軸、及び、その伸縮軸を有するステアリング装置を提供する。
【解決手段】雄中間シャフト16Bと雌中間シャフト16Aとの間の回転トルクが所定のトルク以下の時には、板バネ56の上面561と軸方向溝41の側面411が、円柱状ピン53の転動面となって、円柱状ピン53が転動し、小さな摩擦抵抗で、伸縮動作を行うことができる。雄中間シャフト16Bと雌中間シャフト16Aとの間の回転トルクが所定のトルクになると、板バネ56の弾性変形量が、円柱状ピン53とピンガイド溝54の底面541との間の隙間δと同一になる。その結果、ピンガイド溝54の底面541と軸方向溝41の側面411が、円柱状ピン53の転動面となって、円柱状ピン53が転動する。
【選択図】図4

Description

本発明は伸縮軸、特に、回転トルクを伝達可能で軸方向に相対移動可能な伸縮軸、例えば、中間シャフトやステアリングシャフト等の伸縮軸、及び、伸縮軸を有するステアリング装置に関する。
ステアリング装置には、回転トルクを伝達可能に、かつ、軸方向に相対移動可能に連結された伸縮軸が、中間シャフトやステアリングシャフト等に組み込まれている。すなわち、中間シャフトは、ステアリングギヤのラック軸に噛合うピニオンシャフトに、自在継手を締結する際に、一旦縮めてからピニオンシャフトに嵌合させて締結するために、伸縮機能が必要である。
また、ステアリングシャフトは、運転者の体格や運転姿勢に応じて、ステアリングホイールの位置を軸方向に調整する必要があるため、伸縮機能が要求される。このような伸縮軸が、特許文献1及び特許文献2に開示されている。
特許文献1の伸縮軸は、雄シャフトの外周に形成された雄シャフト側軸方向溝と、雌シャフトの内周に形成された雌シャフト側軸方向溝の間に複数のボールを嵌合し、雄シャフトと雌シャフトの伸縮動作時にこのボールが転動して、中間シャフトの伸縮動作が円滑に行われるようにしている。
特許文献1に示す伸縮軸は、大きな回転トルクが作用した状態で伸縮軸が伸縮すると、雄シャフトの凸条と雌シャフトの凹条が直接接触し、滑り接触となる。従って、伸縮動作開始時の摩擦力(静摩擦力)が伸縮動作中の摩擦力(動摩擦力)よりも極端に大きくなるため、伸縮動作時にスティックスリップによる振動が発生し、運転者に不快感を与えるという問題があった。
特許文献2の伸縮軸は、特許文献1の伸縮軸と同様に、雄シャフトの外周に形成された雄シャフト側軸方向溝と、雌シャフトの内周に形成された雌シャフト側軸方向溝の間に複数のボールを嵌合し、雄シャフトと雌シャフトの伸縮動作時にこのボールが転動して、中間シャフトの伸縮動作が円滑に行われるようにしている。
また、特許文献2の伸縮軸は、ボールに予圧を付与するために、バネとボールとの間に二つの軌道輪を挿入している。そのため、回転トルクが作用すると一方の軌道輪に回転トルクが作用するため、一方の軌道輪に加わる応力が他方の軌道輪に加わる応力よりも大きくなるため、軌道輪の強度がネックとなって、大きな回転トルクを伝達する伸縮軸には適さないという問題があった。
特開2005−114068号公報 特開2001−50293号公報
本発明は、大きな回転トルクが作用しても小さな摩擦抵抗で伸縮可能で、大きな回転トルクを伝達可能な伸縮軸、及び、その伸縮軸を有するステアリング装置を提供することを課題とする。
上記課題は以下の手段によって解決される。すなわち、第1番目の発明は、雄シャフト、上記雄シャフトに軸方向に相対移動可能にかつ回転トルクを伝達可能に外嵌する雌シャフト、上記雌シャフトの内周、または、雄シャフトの外周のいずれか一方に、軸心から放射状に形成された複数の軸方向溝、上記雌シャフトの内周、または、雄シャフトの外周のいずれか他方に、軸心から放射状に形成され、上記軸方向溝と同一位相位置に形成された複数の軸方向凸条、上記軸方向溝と軸方向凸条との間に転動可能に挿入された複数の円柱状ピン、上記軸方向溝、または、軸方向凸条のいずれか一方の転動面に陥没して形成され、上記軸方向溝、または、軸方向凸条のいずれか他方の転動面との間の間隔が、円柱状ピンの直径よりも大きく形成されたピンガイド溝、上記ピンガイド溝に陥没して形成され、ピンガイド溝よりも幅の狭いバネ収納溝、上記バネ収納溝に収納され、上記軸方向溝、または、軸方向凸条のいずれか他方の転動面に円柱状ピンを押圧して予圧を付与する付勢部材を備えたことを特徴とする伸縮軸である。
第2番目の発明は、第1番目の発明の伸縮軸において、上記軸方向溝、または、軸方向凸条のいずれか他方の転動面と円柱状ピンとの接触角、および、上記ピンガイド溝と円柱状ピンとの接触角が90度であることを特徴とする伸縮軸である。
第3番目の発明は、第1番目の発明の伸縮軸において、上記軸方向溝と軸方向凸条との間には、上記複数の円柱状ピンの間隔を一定に保持する保持器が設けられていることを特徴とする伸縮軸である。
第4番目の発明は、第3番目の発明の伸縮軸において、上記保持器は、上記軸方向溝、または、軸方向凸条のいずれか一方に、軸方向に移動不能に取付けられていることを特徴とする伸縮軸である。
第5番目の発明は、第3番目の発明の伸縮軸において、上記保持器と円柱状ピンの軸方向端部との間には弾性体が介在していることを特徴とする伸縮軸である。
第6番目の発明は、第5番目の発明の伸縮軸において、上記弾性体は合成樹脂で成形されていることを特徴とする伸縮軸である。
第7番目の発明は、第6番目の発明の伸縮軸において、上記弾性体は、合成樹脂で成型された保持器と一体的に成形されていることを特徴とする伸縮軸である。
第8番目の発明は、第1番目から第7番目までのいずれかの発明の伸縮軸を有するステアリング装置である。
第1番目及び第8番目の発明の伸縮軸、及び、ステアリング装置では、ステアリング装置を構成する軸方向溝、または、軸方向凸条のいずれか一方の転動面に、軸方向溝、または、軸方向凸条のいずれか他方の転動面との間の間隔が、円柱状ピンの直径よりも大きく形成されたピンガイド溝を陥没して形成している。さらに、このピンガイド溝にピンガイド溝よりも幅の狭いバネ収納溝を陥没して形成し、このバネ収納溝に収納した付勢部材によって、軸方向溝、または、軸方向凸条のいずれか他方の転動面に円柱状ピンを押圧し、予圧を付与している。
従って、回転トルクが小さい時は円柱状ピンが付勢部材に沿って転動し、回転トルクが大きくなると円柱状ピンがピンガイド溝に沿って転動するので、小さな摩擦抵抗で、雄シャフトと雌シャフトとの間の伸縮動作を行うことが可能となる。
また、円柱状ピンを転動体として使用しているため、円柱状ピンと雄シャフト及び雌シャフトとの間の接触が線接触となる。そのため、転動体の接触面の面圧が小さくなるため、大きな回転トルクを伝達するテアリング装置に適用することが可能となる。
第2番目及び第8番目の発明の伸縮軸、及び、ステアリング装置では、軸方向溝、または、軸方向凸条のいずれか他方の転動面と円柱状ピンとの接触角、および、ピンガイド溝と円柱状ピンとの接触角が90度に設定されている。従って、回転トルクが大きくなっても、円柱状ピンが円滑に転動し、小さな摩擦抵抗で、雄シャフトと雌シャフトとの間の伸縮動作を行うことが可能となる。
第3番目、第4番目及び第8番目の発明の伸縮軸、及び、ステアリング装置では、複数の円柱状ピンの間隔を一定に保持する保持器が設けられている。従って、雄シャフトと雌シャフトとの間の伸縮ストロークを長く確保することを可能にしている。
第5番目から第8番目までの発明の伸縮軸、及び、ステアリング装置では、保持器と円柱状ピンの軸方向端部との間に弾性体を介在させている。従って、円柱状ピンは、弾性体の弾性力によって保持器に保持され、円柱状ピン転動時の軸方向のガタが解消される。
以下、図面に基づいて本発明の実施例1から実施例3を説明する。
図1は、本発明のステアリング装置の全体を示し、一部を断面した正面図であって、操舵補助部を有する電動パワーステアリング装置に適用した実施例を示す。図2は、本発明の実施例1のステアリング装置を示す図1の要部の拡大図であって、(1)は中間シャフトの伸縮部の拡大縦断面図、(2)は(1)のA−A断面図、図3は図2(2)の拡大断面図、図4は図2(2)のP部拡大断面図である。
図1に示すように、本発明のステアリング装置は、車体後方側(図1の右側)にステアリングホイール11を装着可能なステアリングシャフト12と、このステアリングシャフト12を挿通したステアリングコラム13と、このステアリングシャフト12に補助トルクを付与する為のアシスト装置(操舵補助部)20と、このステアリングシャフト12の車体前方側(図1の左側)に、図示しないラック/ピニオン機構を介して連結されたステアリングギヤ30とを備えている。
ステアリングシャフト12は、雌ステアリングシャフト12Aと雄ステアリングシャフト12Bとを、回転トルクを伝達可能に、かつ軸方向に関して相対移動可能にスプライン嵌合している。従って、上記雌ステアリングシャフト12Aと雄ステアリングシャフト12Bとは、衝突時に、このスプライン嵌合部が相対移動して、全長を縮めることができる。
また、上記ステアリングシャフト12を挿通した筒状のステアリングコラム13は、アウターコラム13Aとインナーコラム13Bとをテレスコピック移動可能に組み合わせており、衝突時に軸方向の衝撃が加わった場合に、この衝撃によるエネルギを吸収しつつ全長が縮まる、所謂コラプシブル構造としている。
そして、上記インナーコラム13Bの車体前方側端部を、ギヤハウジング21の車体後方側端部に圧入嵌合して固定している。また、上記雄ステアリングシャフト12Bの車体前方側端部を、このギヤハウジング21の内側に通し、アシスト装置20の図示しない入力軸の車体後方側端部に連結している。
ステアリングコラム13は、その中間部を支持ブラケット14により、ダッシュボードの下面等、車体18の一部に支承している。また、この支持ブラケット14と車体18との間に、図示しない係止部を設けて、この支持ブラケット14に車体前方側に向かう方向の衝撃が加わった場合に、この支持ブラケット14が上記係止部から外れ、車体前方側に移動するようにしている。
また、上記ギヤハウジング21の上端部も、上記車体18の一部に支承している。また、本実施例の場合には、チルト機構及びテレスコピック機構を設けることにより、上記ステアリングホイール11の車体前後方向位置、及び、高さ位置の調節を自在としている。このようなチルト機構及びテレスコピック機構は、従来から周知であり、本発明の特徴部分でもない為、詳しい説明は省略する。
上記ギヤハウジング21の車体前方側端面から突出した出力軸23は、自在継手15を介して、中間シャフト16の後端部に連結している。また、この中間シャフト16の前端部に、別の自在継手17を介して、ステアリングギヤ30の入力軸31を連結している。中間シャフト16は、雌中間シャフト(雌シャフト)16Aの車体前方側に、雄中間シャフト(雄シャフト)16Bの車体後方側が外嵌し、回転トルクを伝達可能に、かつ、軸方向に関して相対移動可能に嵌合している。
図示しないピニオンが、入力軸31に結合している。また、ステアリングギヤ30に往復摺動可能に内嵌された図示しないラックが、このピニオンに噛み合っており、ステアリングホイールの回転が、タイロッド32を移動させて、図示しない車輪を操舵する。
アシスト装置20のギヤハウジング21には、電動モータ26のケース261が固定され、この電動モータ26の図示しない回転軸にウォームが結合されている。出力軸23には図示しないウォームホイールが取り付けられ、このウォームホイールに電動モータ26の回転軸のウォームが噛合っている。
また、出力軸23の軸方向長さの中間部の周囲には、図示しないトルクセンサが設けられている。上記ステアリングホイール11からステアリングシャフト12に加えられるトルクの方向と大きさを、トルクセンサで検出している。このトルクセンサの検出値に応じて、電動モータ26を駆動し、ウォームとウォームホイールから成る減速機構を介して、出力軸23に、所定の方向に所定の大きさで補助トルクを発生させる。
図2から図4は、本発明の実施例1の伸縮軸の連結部を示し、図1の中間シャフト16の雌中間シャフト16Aと雄中間シャフト16Bとの連結部に適用した例を示す。図2から図4に示すように、雌中間シャフト(雌シャフト)16Aの車体前方側(図2(1)の左側)が、雄中間シャフト(雄シャフト)16Bの車体後方側(図2(1)の右側)に外嵌して連結されている。
雌中間シャフト16Aは中空筒状に形成されており、その外径が円柱状で、その内径には、軸方向溝(雌シャフト側軸方向溝)41、41、41が、伸縮ストロークの全長にわたって、等間隔(120度間隔)に3個形成されている。軸方向溝41、41、41は、互いに平行な側面411、411と、この側面411、411をつなぐ底面によって軸直角断面が各々コの字形に形成され、雌中間シャフト16Aの軸心から半径方向外側に放射状に延びて形成されている。
また、雄中間シャフト16Bの車体後方側は中実柱状に形成されており、車体前方側端部から、直径寸法が小径の前方側軸部50と、前方側軸部50よりも外形寸法の大きな後方側軸部51の順に形成されている。
雄中間シャフト16Bの後方側軸部51の外周には、軸方向凸条(雄シャフト側軸方向凸条)52、52、52が、後方軸部51のほぼ軸方向全長にわたって、等間隔(120度間隔)に3個形成されている。軸方向凸条52、52、52は軸直角断面が矩形で、、上記した雌中間シャフト16Aの軸方向溝41、41、41よりも幅が狭く、雄中間シャフト16Bの軸心から半径方向外側に放射状に延びて形成されている。
この雄中間シャフト16Bの3個の軸方向凸条52、52、52の側面521、521と、雌中間シャフト16Aの3個の軸方向溝41の側面411、411とで形成される直方体状の空間に、転動体としての中実の円柱状ピン(針状ころ)53が挿入されている。
図4に示すように、雄中間シャフト16Bの3個の軸方向凸条52、52、52の各側面521、521には、円柱状ピン53の軸方向長さL1よりも若干広い幅L2のピンガイド溝54が、軸方向凸条52、52、52のほぼ軸方向全長にわたって、各側面521、521から陥没して形成されている。
円柱状ピン53は、各々のピンガイド溝54一箇所について10個ずつ挿入されている。また、ピンガイド溝54、54の底面541、541には、ピンガイド溝54、54の幅L2よりも狭い幅L3のバネ収納溝55、55が、底面541、541から陥没して、ピンガイド溝54、54の軸方向全長にわたって形成されている。
このばね収納溝55、55と円柱状ピン53、53との間には、予圧付与部材としての板バネ(付勢部材)56、56が各々収納されている。板バネ56、56は、ばね収納溝55、55の軸方向の全長と略同一長さを有し、図4の軸直角断面で見て、左右方向に水平な水平部の上面561が円柱状ピン53に接触している。この水平部の両端から下方に延びる傾斜部の両端がU字形に外側に折り曲げられて、ばね収納溝55、55の底面551に接触することにより、底面551と円柱状ピン53、53との間に、板バネ56、56が弾性変形して挿入されている。
矩形断面で薄板状の保持器57が、軸方向凸条52のほぼ軸方向全長にわたって形成されている。保持器57には、円柱状ピン53の軸方向長さL1よりも若干広い幅L4のピン保持溝571が、軸方向凸条52の軸方向に等間隔に10個形成され、このピン保持溝571に各円柱状ピン53が保持されている。
雄中間シャフト16Bの後方側軸部51の軸方向両端には、軸方向凸条52、52、52よりも半径方向外側に突出した拡径部511、512が形成されている。そして、この拡径部511、512に保持器57の軸方向両端が挟持されている。従って、保持器57は、軸方向に移動不能に後方側軸部51に取付けられている。
円柱状ピン53は、この保持器57によって隣接する円柱状ピン53との間の間隔が一定に保持される。また、円柱状ピン53は、保持器57のピン保持溝571内で円滑に転動する。これによって、保持器57は、雄中間シャフト16Bと雌中間シャフト16Aとの間の伸縮ストロークを長く確保することを可能にしている。
ピンガイド溝54、54の底面541、541と軸方向溝41の側面411、411との間の間隔H1は、円柱状ピン53の直径D1よりも若干大きく形成されている。従って、板バネ56が円柱状ピン53に付勢力(所定の予圧)を付与し、円柱状ピン53を軸方向溝41の側面411に押圧することで、ピンガイド溝54の底面541と円柱状ピン53との間に隙間δが形成されている。また、雄中間シャフト16Bと雌中間シャフト16Aとの間に回転トルクが作用しない時でも、円柱状ピン53はピンガイド溝54に挿入されている。
そのため、雄中間シャフト16Bと雌中間シャフト16Aとの間の回転トルクが所定のトルク以下の時には、雄中間シャフト16Bに対して雌中間シャフト16Aが相対的に伸縮すると、板バネ56の上面561と軸方向溝41の側面411が、円柱状ピン53の転動面となって、円柱状ピン53が転動する。従って、小さな摩擦抵抗で、雄中間シャフト16Bに対する雌中間シャフト16Aの相対的な伸縮動作を行うことができる。
このように、軸方向溝41、円柱状ピン53、軸方向凸条52との間に、板バネ56の弾性変形による付勢力(所定の予圧)を付与することにより、雌中間シャフト16Aと雄中間シャフト16Bとの間に、回転方向及び半径方向のガタは生じない。また、雌中間シャフト16Aと雄中間シャフト16Bとの間に、偏芯や傾きがあっても、板バネ56の弾性力によって吸収することができる。
ピンガイド溝54及びばね収納溝55を形成する位置は、雄中間シャフト16Bの軸方向凸条52の側面521に限定されるものではなく、雌中間シャフト16Aの軸方向溝41の側面411に形成してもよい。また、その場合には、保持器57を、雌中間シャフト16Aの軸方向溝41の側面411に取り付ければよい。
雄中間シャフト16Bと雌中間シャフト16Aとの間に回転トルク(入力トルク)が加わり、その回転トルクが大きくなって所定のトルクになると、板バネ56の弾性変形量が、円柱状ピン53とピンガイド溝54の底面541との間の隙間δと同一になる。その結果、円柱状ピン53の外周が、ピンガイド溝54の底面541と軸方向溝41の側面411に同時に当接し、ピンガイド溝54の底面541と軸方向溝41の側面411が、円柱状ピン53の転動面となって、円柱状ピン53が転動する。
これによって、雄中間シャフト16Bと雌中間シャフト16Aとの間の回転トルクが大きくなっても、雄中間シャフト16Bに対して雌中間シャフト16Aが相対的に伸縮すると、ピンガイド溝54の底面541と軸方向溝41の側面411との間で、円柱状ピン53が円滑に転動する。従って、小さな摩擦抵抗で、雄中間シャフト16Bに対する雌中間シャフト16Aの相対的な伸縮動作を行うことができる。
上記実施例では、雌中間シャフト16Aの車体前方側に、雄中間シャフト16Bの車体後方側が外嵌した例について説明したが、雌中間シャフト16Aの車体後方側に、雄中間シャフト16Bの車体前方側が外嵌する構造の伸縮軸に適用してもよい。
上記したように、本発明の実施例では、円柱状ピン53を転動体として使用しているため、雄中間シャフト16Bと円柱状ピン53、及び、雌中間シャフト16Aと円柱状ピン53との間の接触が線接触となる。そのため、転動体の接触面の面圧が小さくなるため、大きな回転トルクを伝達する電動パワーステアリング装置に適用することが可能となる。
また、本発明の実施例では、円柱状ピン53と軸方向溝41の側面411との接触角、及び、円柱状ピン53とピンガイド溝54の底面541との接触角が90度である。従って、雄中間シャフト16Bと雌中間シャフト16Aとが、効率よくトルク伝達を行うことができる。
次に本発明の実施例2について説明する。図5は本発明の実施例2のステアリング装置を示す図1の要部の拡大図であって、(1)は中間シャフトの伸縮部の拡大縦断面図、(2)は(1)のB−B断面図である。図6は図5(2)のQ部拡大断面図である。以下の説明では、上記実施例1と異なる構造部分と作用についてのみ説明し、重複する説明は省略する。また、上記実施例1と同一部品には同一番号を付して説明する。
実施例2は、実施例1の変形例であり、転動体として、中実の円柱状ピンと中空円筒状のコイルバネを併用した例である。すなわち、実施例1では、転動体として中実の円柱状ピン53のみを使用している。これに対して、実施例2では、図5及び図6に示すように、各々のピンガイド溝54一箇所について、中実の円柱状ピン53と中空円筒状のコイルバネ58を5個ずつ、交互に挿入している。
コイルバネ58の直径D2は、円柱状ピン53の直径D1と同一にしてもよいし、あるいは、若干小径に形成してもよい。実施例2の板バネ56、56は、図6の軸直角断面で見て、左右方向に水平な水平部の上面561が円柱状ピン53、コイルバネ58に接触している。この水平部の両端がU字形に内側に折り曲げられて、ばね収納溝55、55の底面551に接触することにより、底面551と円柱状ピン53、コイルバネ58との間に、板バネ56、56が弾性変形して挿入されている。実施例2に実施例1の板バネを適用してもよい。
次に本発明の実施例3について説明する。図7は本発明の実施例3のステアリング装置を示す図1の要部の拡大図であって、(1)は中間シャフトの伸縮部の拡大縦断面図、(2)は(1)のC−C断面図である。図8は図7(2)のR部拡大断面図である。以下の説明では、上記実施例と異なる構造部分と作用についてのみ説明し、重複する説明は省略する。また、上記実施例と同一部品には同一番号を付して説明する。
実施例3は、実施例1の変形例であり、保持器57のピン保持溝571と円柱状ピン53との間の隙間に弾性体を介在させて、ピン保持溝571と円柱状ピン53との間の軸方向のガタを減少させた例である。
すなわち、図7及び図8に示すように、実施例3では、円柱状ピン53の軸方向長さL1よりも広い幅L2のピンガイド溝54が、軸方向凸条52、52、52のほぼ軸方向全長にわたって形成されている。円柱状ピン53は、各々のピンガイド溝54一箇所について10個ずつ挿入されている。また、ピンガイド溝54、54の底面541、541には、ピンガイド溝54、54の幅L2よりも幅L3が狭いバネ収納溝55、55が、ピンガイド溝54、54の軸方向全長にわたって形成されている。
このばね収納溝55、55と円柱状ピン53、53との間には、予圧付与部材としての板バネ(付勢部材)56、56が挿入されている。板バネ56、56は、ばね収納溝55、55の軸方向の全長と略同一長さを有し、図8の軸直角断面で見て、左右方向に水平な水平部の上面561が円柱状ピン53に接触している。
この水平部の両端がU字形に内側に折り曲げられて、ばね収納溝55、55の底面551に接触することにより、底面551と円柱状ピン53、53との間に、板バネ56、56が弾性変形して挿入されている。実施例3に実施例1の板バネを適用してもよい。また、雄中間シャフト16Bと雌中間シャフト16Aとの間に回転トルクが作用しない時でも、円柱状ピン53はピンガイド溝54に挿入されている。
矩形断面で薄板状の保持器57が、軸方向凸条52のほぼ軸方向全長にわたって形成されている。保持器57には、円柱状ピン53の軸方向長さL1よりも幅L4が実施例1よりも広いピン保持溝571が、軸方向凸条52の軸方向に等間隔に10個形成されている。
このピン保持溝571と円柱状ピン53の軸方向端部531との間の隙間βには、半球状の弾性体59、59が挿入され、弾性体59、59の間に円柱状ピン53の軸方向端部531、531が挟持されている。回転トルクがかからない状態で、弾性体59、59の中心が、円柱状ピン53の軸心532と同一軸線上に配置されるのが望ましい。
弾性体59、59の頂点間の間隔は、円柱状ピン53の軸方向長さL1よりも狭く形成されている。従って、円柱状ピン53は、弾性体59、59の弾性力によって保持器57に保持され、円柱状ピン53転動時の軸方向のガタが解消される。
弾性体59、59は、合成樹脂で成形した保持器57と一体的に成形してもよい。また、保持器57とは別体に成形したゴム製や板バネ製の弾性体59を、ピン保持溝571と円柱状ピン53の軸方向端部531との間に介在させてもよい。
上記実施例では、雌中間シャフト16A側に軸方向溝41が形成され、雄中間シャフト16B側に軸方向凸条52が形成されているが、雌中間シャフト16A側に軸方向凸条を形成し、雄中間シャフト16B側に軸方向溝41を形成してもよい。
また、上記実施例では、軸方向溝41及び軸方向凸条52が、等間隔に3個形成されているが、3個に限定されるものではなく、複数であればよい。
さらに、上記実施例では、雌中間シャフト16Aの外径が円柱状に形成されているが、円柱状に限定されるものではなく、矩形柱状や、任意の多角形柱状に形成することができる。さらに、上記実施例では、中間シャフト16に本発明を適用した例について説明したが、ステアリングシャフト12等、ステアリング装置を構成する任意の伸縮軸に適用することができる。
また、上記実施例では、各々のピンガイド溝一箇所について、円柱状ピンを10個ずつ挿入した例や、中実の円柱状ピンと中空円筒状のコイルバネを5個ずつ交互に挿入した例を示したが、これらの例に限定されるものではなく、各々のピンガイド溝一箇所について、円柱状ピンまたはコイルバネが2個以上あればよく、何個挿入してもよい。
本発明のステアリング装置の全体を示し、一部を断面した正面図であって、電動パワーステアリング装置に適用した実施例を示す。 本発明の実施例1のステアリング装置を示す図1の要部の拡大図であって、(1)は中間シャフトの伸縮部の拡大縦断面図、(2)は(1)のA−A断面図である。 図2(2)の拡大断面図である。 図2(2)のP部拡大断面図である。 本発明の実施例2のステアリング装置を示す図1の要部の拡大図であって、(1)は中間シャフトの伸縮部の拡大縦断面図、(2)は(1)のB−B断面図である。 図5(2)のQ部拡大断面図である。 本発明の実施例3のステアリング装置を示す図1の要部の拡大図であって、(1)は中間シャフトの伸縮部の拡大縦断面図、(2)は(1)のC−C断面図である。 図7(2)のR部拡大断面図である。
符号の説明
11 ステアリングホイール
12 ステアリングシャフト
12A 雌ステアリングシャフト
12B 雄ステアリングシャフト
13 ステアリングコラム
13A アウターコラム
13B インナーコラム
14 支持ブラケット
15 自在継手
16 中間シャフト
16A 雌中間シャフト
16B 雄中間シャフト
17 自在継手
18 車体
20 アシスト装置
21 ギヤハウジング
23 出力軸
26 電動モータ
261 ケース
30 ステアリングギヤ
31 入力軸
32 タイロッド
41 軸方向溝(雌シャフト側軸方向溝)
411 側面
50 前方側軸部
51 後方側軸部
511、512 拡径部
52 軸方向凸条(雄シャフト側軸方向凸条)
521 側面
53 円柱状ピン(針状ころ)
531 軸方向端部
532 軸心
54 ピンガイド溝
541 底面
55 バネ収納溝
551 底面
56 板バネ
561 上面
57 保持器
571 ピン保持溝
58 コイルバネ
59 弾性体

Claims (8)

  1. 雄シャフト、
    上記雄シャフトに軸方向に相対移動可能にかつ回転トルクを伝達可能に外嵌する雌シャフト、
    上記雌シャフトの内周、または、雄シャフトの外周のいずれか一方に、軸心から放射状に形成された複数の軸方向溝、
    上記雌シャフトの内周、または、雄シャフトの外周のいずれか他方に、軸心から放射状に形成され、上記軸方向溝と同一位相位置に形成された複数の軸方向凸条、
    上記軸方向溝と軸方向凸条との間に転動可能に挿入された複数の円柱状ピン、
    上記軸方向溝、または、軸方向凸条のいずれか一方の転動面に陥没して形成され、上記軸方向溝、または、軸方向凸条のいずれか他方の転動面との間の間隔が、円柱状ピンの直径よりも大きく形成されたピンガイド溝、
    上記ピンガイド溝に陥没して形成され、ピンガイド溝よりも幅の狭いバネ収納溝、
    上記バネ収納溝に収納され、上記軸方向溝、または、軸方向凸条のいずれか他方の転動面に円柱状ピンを押圧して予圧を付与する付勢部材を備えたこと
    を特徴とする伸縮軸。
  2. 請求項1に記載された伸縮軸において、
    上記軸方向溝、または、軸方向凸条のいずれか他方の転動面と円柱状ピンとの接触角、および、上記ピンガイド溝と円柱状ピンとの接触角が90度であること
    を特徴とする伸縮軸。
  3. 請求項1に記載された伸縮軸において、
    上記軸方向溝と軸方向凸条との間には、上記複数の円柱状ピンの間隔を一定に保持する保持器が設けられていること
    を特徴とする伸縮軸。
  4. 請求項3に記載された伸縮軸において、
    上記保持器は、上記軸方向溝、または、軸方向凸条のいずれか一方に、軸方向に移動不能に取付けられていること
    を特徴とする伸縮軸。
  5. 請求項3に記載された伸縮軸において、
    上記保持器と円柱状ピンの軸方向端部との間には弾性体が介在していること
    を特徴とする伸縮軸。
  6. 請求項5に記載された伸縮軸において、
    上記弾性体は合成樹脂で成形されていること
    を特徴とする伸縮軸。
  7. 請求項6に記載された伸縮軸において、
    上記弾性体は、合成樹脂で成型された保持器と一体的に成形されていること
    を特徴とする伸縮軸。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれかに記載された伸縮軸を有するステアリング装置。
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