JP2008087531A - 電動テレスコ調整式ステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】インナロッド及びアウタロッドが相対移動する間は衝撃エネルギの吸収を安定して行なうことができる電動テレスコ調整式ステアリング装置を提供する。
【解決手段】インナロッド58bの一端側外周には、セレーション62が周方向に所定間隔をあけて形成されている。インナロッド58bの一端側をアウタロッド58aに圧入し、インナロッド58bの一端側外周に形成したセレーション62がアウタロッド58aの内周面63の一部を塑性変形させてアウタロッド58a及びインナロッド58bの両者を接合することで衝撃吸収部60が形成されている。
【選択図】図9

Description

本発明は、相対的に伸縮自在に連結されたアウタコラム及びインナコラムを有し、ステアリングホイールを取付けたステアリングシャフトを回転自在に支持するステアリングコラムと、一方の端部が前記アウタコラムに、他方の端部が前記インナコラムに取付けられ、前記アウタコラム及び前記インナコラムを伸縮させる電動アクチュエータとを備えた電動テレスコ調整式ステアリング装置に関する。
従来、ステアリングコラムとは別軸上に設けたシャフトをモータで軸方向に駆動してシャフトに連結されたコラムを伸縮させる電動テレスコ式ステアリング装置が提案されている。この電動テレスコ式ステアリング装置としては、例えば図24に示すものが提案されている(特許文献1参照)。この従来例は、ハウジング筒1内にハウジング内筒2がスライド自在に収納され、このハウジング内筒2に、先端にステアリングホイール4を有するステアリング軸3が回転自在に保持されている。そして、ハウジング筒1に電動モータ5が取付けられ、ハウジング内筒2に取付プレート6が取付られ、電動モータ5と取付プレート6との間に、連結ロッド7が配設されている。この連結ロッド7は、電動モータ5と連動して軸方向へ移動する軸7aと、この軸7aを軸方向にスライド自在に嵌挿し、自由端を取付プレート6に挿通してナット締めした外筒7bとからなり、軸7a及び外筒7bを貫通するような1又は2以上のピン8を圧入し、このピン8を、衝突時などに生じる衝撃力で破断させてコラプスさせるようにしている。
特開2003−276616号公報(第1頁、図1及び図2)
上記特許文献1に記載の従来例にあっては、ステアリングホイール4に二次衝突荷重が作用すると、この二次衝突荷重がハウジング内筒2及び取付プレート6を介して連結ロッド7の外筒7bに作用することにより、軸7a及び外筒7bを貫通するように圧入されたピン8が破断してコラプスさせることができるものであるが、二次衝突荷重が作用する初期のみにピン8が破断して衝撃エネルギを吸収するだけであり、二次衝突の初期の衝撃エネルギしか吸収しないという未解決の課題がある。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、ステアリングホイールに衝撃荷重が作用したときに、ロッドを構成するインナロッド及びアウタロッドが相対移動する間は衝撃エネルギの吸収を安定して行なうことができる電動テレスコ調整式ステアリング装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、相対的に伸縮自在に連結されたアウタコラム及びインナコラムを有し、ステアリングホイールを取付けたステアリングシャフトを回転自在に支持するステアリングコラムと、一方の端部が前記アウタコラムに、他方の端部が前記インナコラムに取付けられ、前記アウタコラム及び前記インナコラムを伸縮させる電動アクチュエータとを備え、当該電動アクチュエータは衝撃荷重が入力されたときに軸方向に所定の荷重を発生しながら収縮して衝撃エネルギを吸収する収縮部を有する電動テレスコ調整式ステアリング装置であって、前記収縮部は、前記インナコラムの中心軸に対して所定のオフセット量を保って平行に配設されて前記電動アクチュエータの電動モータで駆動されるロッドを備え、当該ロッドは、インナロッドと、このインナロッドを圧入接合しているアウタロッドと、二次衝突荷重が作用して前記インナロッド及び前記アウタロッドが相対移動する初期から終期まで前記インナロッド及び前記アウタロッドの少なくとも一方を連続的に塑性変形させて衝撃エネルギを吸収する衝撃吸収部と、を設けている。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の電動テレスコ調整式ステアリング装置において、前記衝撃吸収部は、前記インナロッドの外周面及び前記アウタロッドの内周面の少なくとも一方に軸方向に延在して設けられ、他方を塑性変形させる凸部である。
また、請求項3記載の発明は、請求項2記載の電動テレスコ調整式ステアリング装置において、前記凸部は、前記インナロッドの外周面及び前記アウタロッド内周面の少なくとも一方に設けられ、軸方向に延在するセレーション又はスプラインである。
また、請求項4記載の発明は、請求項2又は3記載の電動テレスコ調整式ステアリング装置において、前記凸部を設けている前記インナロッド及び前記アウタロッドの少なくとも一方は、他方と比較して硬い材質で形成されている。
また、請求項5記載の発明は、請求項2乃至4の何れか1項に記載の電動テレスコ調整式ステアリング装置において、前記凸部以外の前記インナロッドの外周面及び前記アウタロッドの内周面の間には隙間が設けられている。
また、請求項6記載の発明は、請求項2乃至5の何れか1項に記載の電動テレスコ調整式ステアリング装置において、前記凸部は、軸方向に所定の曲率半径で湾曲しながら形成されている。
また、請求項7記載の発明は、請求項1記載の電動テレスコ調整式ステアリング装置において、前記衝撃吸収部は、前記アウタロッドの内径より大きな外径を有する前記インナロッドを前記アウタロッドに圧入し、前記インナロッド及び前記アウタロッドが相対移動する際に、前記インナロッドが前記アウタロッドを拡径しながら塑性変形させていく部分である。
さらに、請求項8記載の発明は、請求項7記載の電動テレスコ調整式ステアリング装置において、前記インナロッドは、前記アウタロッドと比較して硬い材質で形成されている。
さらにまた、請求項9記載の発明は、請求項1乃至8の何れか1項に記載の電動テレスコ調整式ステアリング装置において、互いに摺動する前記インナロッドの外周面及び前記アウタロッドの内周面の少なくとも一方に、摺動による摩擦力を低減する低摩擦膜を形成した。
本発明に係る電動テレスコ調整式ステアリング装置によれば、アウタコラム及びインナコラムを伸縮させる電動アクチュエータに衝撃荷重が入力したときに収縮して衝撃エネルギを吸収する収縮部として、インナロッドと、このインナロッドを圧入接合しているアウタロッドと、二次衝突荷重が作用してインナロッド及びアウタロッドが相対移動する初期から終期までインナロッド及びアウタロッドの少なくとも一方を連続的に塑性変形させて衝撃エネルギを吸収する衝撃吸収部とを設けたので、二次衝突の初期から終期まで衝撃エネルギの吸収を安定して行なうことができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態という。)を、図面を参照しながら詳細に説明する。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る電動テレスコ調整式ステアリング装置を組付けた車両を示す全体構成図、図2は本発明に係る電動テレスコ調整式ステアリング装置の全体構成図、図3は図2のA−A線矢視の断面図、図4は図3のB−B線矢視の断面図、図5は電動テレスコ調整式ステアリング装置の要部の断面図、図6は図5のC−C線矢視の断面図、図7は収縮状態を示す図5と同様の断面図である。
図1において、ステアリングコラム装置10は、ステアリングシャフト11を回動自在に支持するステアリングコラム12を有する。ステアリングシャフト11には、その後端にステアリングホイール13が装着され、ステアリングシャフト11の前端にはユニバーサルジョイント14を介して中間シャフト15が連結されている。中間シャフト15にはその前端にユニバーサルジョイント16を介してラックアンドピニオン機構等からなるステアリングギヤ17が連結されている。このステアリングギヤ17の出力軸がタイロッド18を介して転舵輪19に連結されている。
そして、運転者がステアリングホイール13を操舵すると、ステアリングシャフト11、ユニバーサルジョイント14、中間シャフト15、ユニバーサルジョイント16を介してその回転力がステアリングギヤ17に伝達され、ラックアンドピニオン機構で回転運動が車両幅方向の直線運動に変換されてタイロッド18を介して転舵輪19を転舵する。
なお、ステアリングコラム12の車両後方部位には、後述する電動チルト機構30及び電動テレスコ機構50を駆動するコントロールスイッチ、コンビスイッチやコラムカバー等の周辺部品Pが配設されている。
ステアリングコラム装置10は、図5に示すように、車両の水平方向に対して後ろ上がりに所定角度θだけ傾斜して配置されている。このステアリングコラム装置10はステアリングシャフト11が図5に示すようにステアリングホイール13を取付けたアウタシャフト11aと、このアウタシャフト11aにスプライン結合又はセレーション結合されて摺動自在に係合されたインナシャフト11bとで構成されている。
また、ステアリングコラム12が図2及び図5に示すようにアウタコラム12aと、このアウタコラム12aに摺動自在に保持されたインナコラム12bとで構成され、インナコラム12bの軸方向端部の内周面に配設された転がり軸受12fによってステアリングシャフト11のアウタシャフト11aが回転自在に支持されている。
アウタコラム12aはそのユニバーサルジョイント14側の後端(図2において左端)が車体側部材21に取付けられたロアブラケット22にピボットピン23によって上下方向に揺動自在に支持され、ステアリングホイール13側の前端(図2において右端)が車体側部材21に取付けられアッパブラケット24に上下方向に移動自在に支持されている。
このアッパブラケット24は、図3に示すように、車体側部材21に取付けられる中央部が上方に膨出された膨出部24aを有する取付板部24bと、この取付板部24bの膨出部24aの左右位置から下方に延長する案内板部24c,24dと、これら案内板部24c,24dの下端部間を連結する底板部24eとで方形枠状に形成されている。
そして、アッパブラケット24の取付板部24b、案内板部24c,24d及び底板部24eで囲まれる案内空間24f内に前述したアウタコラム12aが挿通されている。アウタコラム12aは、図3で明らかなように、水平方向に突出する突出部があり、その端部が案内板部24c及び24dと近接対向する垂直の案内面12cを有する案内板部12d,12eが形成されている。
そして、案内板部12eが電動チルト機構30によって上下方向に移動可能に保持されている。電動チルト機構30は、図3に示すように、アッパブラケット24の案内板部24dの下端部に一体に形成された略方形枠状のギヤハウジング31内に抑え部材32によって固定配置した転がり軸受33と、前述したアッパブラケット24の取付板部24bの下面に配設した転がり軸受34とによって案内板部24dに沿って上下方向に延長し、且つ回転自在に支持されたねじ軸35を有する。
このねじ軸35には、ギヤハウジング31内の転がり軸受33近傍位置にウォームホイール36が装着され、このウォームホイール36にウォーム37が噛合されている。このウォーム37は、図4に示すように、ギヤハウジング31内に配設された転がり軸受38a,38bによって回転自在に保持され、その一端が、アッパブラケット24の案内板部24dに形成された取付板部24gに固定された電動モータ40の出力軸40aにカップリング39を介して連結されている。
また、ギヤハウジング31のねじ軸35を挿通する挿通孔31a内にねじ軸35を覆う円筒覆体41が配設され、この円筒覆体41の先端にねじ軸35の外周面に摺接する大きな弾性を有するポリウレタン等の合成樹脂で製作されたリップ42が配設されている。同様に、転がり軸受34の下端面にもねじ軸35の外周面に摺接するリップ43が配設されている。
そして、ねじ軸35のリップ42,43の間に、断面方形のナットホルダ44に保持されたナット45が螺合されている。このナットホルダ44はアッパブラケット24の案内板部24dに形成された上下方向に延長する案内溝46内に係合することにより、ナットホルダ44のねじ軸35における軸芯回りの回転運動が規制され、ねじ軸35の正逆回転によってナットホルダ44が上下方向に移動される。このナットホルダ44に突出形成された係合ピン47が前述したアウタコラム12aの先端に形成されたアウタコラム12aの軸方向に延長する長孔24hに係合されている。
したがって、電動モータ40によってウォーム37を正逆転駆動することにより、ウォームホイール36を介してねじ軸35が正逆転駆動され、これによってナットホルダ44が上下動され、アウタコラム12aがピボットピン23を中心として上下に揺動されてチルト機能を発揮することができる。
そして、ステアリングコラム12のアウタコラム12a及びインナコラム12b間に図5に示すように電動アクチュエータとしての電動テレスコ機構50が設けられている。
この電動テレスコ機構50は、図5に示すように、ステアリングコラム12のアウタコラム12aのステアリングホイール13側に固定されたギヤハウジング51を有する。このギヤハウジング51には、ステアリングコラム12の軸方向に所定距離だけ離れて対向配置された転がり軸受52,53によってウォームホイール54が回転自在に支持されている。このウォームホイール54は、中央部の大径外周面とこの大径外周面を挟む両端側の転がり軸受52,53が外嵌された小径外周面とを有する円筒状に形成され、大径外周面にヘリカルギヤ54aが形成されていると共に、内周面に雌ねじ54bが形成されている。
そして、ウォームホイール54のヘリカルギヤ54aには、図6に示すように、ギヤハウジング51に取付けられた電動モータ55の出力軸に連結されたウォーム56が噛合されている。ウォーム56は、ギヤハウジング51内に配設された転がり軸受60a,60bによって回転自在に支持されている。これらウォームホイール54及びウォーム56で減速機が構成されている。また、後述する連結ロッド58とウォームホイール54の雌ねじ部54bとで直動機構が構成されている。
一方、ステアリングコラム12のインナコラム12bのステアリングホイール13寄り位置にギヤハウジング51と同一方向に延長し且つアウタコラム12aの端面とは距離をおいて配置された連結プレート57が取付けられ、この連結プレート57とギヤハウジング51との間にステアリングコラム12の中心軸と所定オフセット量Lを保って平行な連結ロッド58が配設されている。
連結ロッド58は、図5に示すように、一端が連結プレート57の下端に取付けられたアウタロッド58aと、このアウタロッド58aの他端に圧入接合されるインナロッド58bとで構成され、両者の接合部が収縮部とされている。
これらアウタロッド58a及びインナロッド58bとの接合部には、通常時の運転者などの人力によってはアウタロッド58a及びインナロッド58b間の相対移動を規制するが、二次衝突時に衝撃荷重がステアリングホイール13、インナコラム12b、連結プレート57を介してアウタロッド58aに伝達されたときには、アウタロッド58a及びインナロッド58b間の相対移動を許容する衝撃吸収部60が設けられている。
インナロッド58bはそのアウタロッド58a側とは反対側に雄ねじ58cが形成され、この雄ねじ58cがギヤハウジング51に回転自在に支持されたウォームホイール54の雌ねじ54bに螺合されて、連結ロッド58がステアリングコラム12の軸方向と平行となるように配設されている。
そして、電動モータ55を正逆転駆動することにより、ウォーム56を介してウォームホイール54を正逆転駆動し、インナロッド58bがステアリングコラム12の軸方向に前後進することにより、アウタロッド58a及び連結プレート57を介してインナコラム12bが軸方向に伸縮駆動されてテレスコ機能を発揮することができる。
(第1実施形態)
図8から図10は、本発明に係る第1実施形態の衝撃吸収部60を示すものである。図8は、互いに接合する前のアウタロッド58a及びインナロッド58bの形状を示す図、図9は、インナロッド58bをアウタロッド58aに圧入して接合した図、図10は図9のD−D線矢視の要部断面図である。
本実施形態のアウタロッド58aは一端から他端まで同一内径の中空形状の金属部材であり、インナロッド58bは中実形状の金属部材である。そして、インナロッド58bはアウタロッド58aより硬い材料で形成されている。
また、インナロッド58bの一端側外周には、軸方向に寸法Lの長さで延在するセレーション62が周方向に所定間隔をあけて形成されている。
図8に示すように、セレーション62の最大外径φD1は、アウタロッド58aの内径φD2より大きく設定されているとともに(φD1>φD2)、インナロッド58bの外径φD3は、アウタロッド58aの内径φD2より小さく設定されている。(φD3<φD2)。
そして、図9及び図10に示すように、インナロッド58bの一端側をアウタロッド58aに圧入し、インナロッド58bの一端側外周に形成したセレーション62がアウタロッド58aの内周面63の一部を塑性変形させてアウタロッド58a及びインナロッド58bの両者を接合することで衝撃吸収部60が形成されている。この衝撃吸収部60のセレーション62が内周面63を塑性変形させてアウタロッド58a及びインナロッド58bの相対移動を許容するコラプス荷重は、例えば約2kN以上に設定されている。
ここで、図10に示すように、インナロッド58bの外径φD3がアウタロッド58aの内径φD2より小さく設定されているので、アウタロッド58aの内周面63とインナロッド58bの外周面64との間に隙間65が設けられている。
次に、第1実施形態の動作及び作用効果について説明する。
今、運転者が、ステアリングコラム装置10のステアリングコラム12のチルト調整を行うには、図1に示すステアリングコラム12の車両後方部位に配設された周辺部品Pに設けられたチルト機構用コントロールスイッチをチルトアップ方向(又はチルトダウン方向)に操作すると、電動チルト機構30の電動モータ40を例えば正転(又は逆転)駆動される。
これに応じて、ウォーム37を介してウォームホイール36を介してねじ軸35を逆転(又は正転)駆動することにより、ナット45が図3で見て上方(又は下方)に移動し、これによってナットホルダ44に形成された係合ピン47がステアリングコラム12のアウタコラム12aに形成された長孔24hに係合しているので、アウタコラム12aがピボットピン23を中心として上方(下方)に回動し、チルトアップ(又はチルトダウン)調整を行うことができる。
また、運転者が、ステアリングコラム装置10のステアリングコラム12のテレスコ調整を行うには、図1に示すステアリングコラム12の車両後方部位に配設された周辺部品Pに設けられたテレスコ機構用コントロールスイッチを伸張方向(又は収縮方向)に操作すると、電動テレスコ機構50の電動モータ55が例えば正転(又は逆転)駆動される。
これによって、ウォーム56を介してウォームホイール54が正転(又は逆転)駆動され、これによって連結ロッド58のインナロッド58bがステアリングホイール13側(又はステアリングホイール13とは反対側)に移動し、衝撃吸収部60を介してアウタロッド58aがステアリングホイール13側(又はステアリングホイール13とは反対側)に移動する。
このため、連結プレート57を介してインナコラム12bがアウタコラム12aから引き出されて(又はインナコラム12bがアウタコラム12a内に挿入されて)ステアリングコラム12が伸張(又は収縮)してテレスコ調整を行うことができる。
このとき、インナコラム12bの移動に伴って、ステアリングシャフト11のアウタシャフト11aがインナシャフト11bに対して移動する。
このように、電動テレスコ機構50によって、ステアリングコラム12を伸縮させてテレスコ調整を行うことができるものであるが、連結ロッド58を電動モータ55で移動させる場合には衝撃吸収部60がアウタロッド58a及びインナロッド58b間の伸縮を確実に防止して、アウタロッド58a及びインナロッド58bが一体となって連結プレート57を車両前後方向に移動させて、インナコラム12bを車両前後方向に移動させることができる。
ここで、二次衝突によってステアリングホイール13に車両水平方向で前方側(図5で左方)に押圧する衝撃荷重Fが作用すると、先ず、この衝撃荷重Fがコラム軸方向分力Fxとコラム軸直角方向分力Fyとに分力される。そして、コラム軸方向分力Fxによってインナコラム12b及びアウタシャフト11aが、図5で見てコラム軸方向左側に押され、これに応じて連結プレート57を介して連結ロッド58のアウタロッド58aが左方に移動し、衝撃吸収部60にコラム軸方向分力Fxが伝達される。
そして、衝撃吸収部60に伝達されるコラム軸方向分力Fxがコラプス荷重以上となると、衝撃吸収部60がアウタロッド58a及びインナロッド58bの相対移動を許容することにより、アウタロッド58a内にインナロッド58bが徐々に挿入されて連結ロッド58が収縮していき、図7に示すように所定のコラプスストロークを確保する。
アウタロッド58a及びインナロッド58bの相対移動を許容する衝撃吸収部60は、二次衝突のコラム軸方向分力Fx(コラプス荷重以上)が入力した直後から、アウタロッド58aに所定の荷重を与えながら、インナロッド58bの一端側外周に形成したセレーション62がアウタロッド58aの内周面63を塑性変形させて衝撃エネルギを吸収していく。
このとき、アウタロッド58a及びインナロッド58bが相対移動する間、硬い材料のインナロッド58bに形成したセレーション62が、軟らかい材料のアウタロッド58aの内周面63を連続的に塑性変形し続けるので、二次衝突の初期から終期まで連続して衝撃エネルギを吸収することができる。
また、アウタロッド58aの内周面63とインナロッド58bの外周面64との間に隙間65が設けられていることから、アウタロッド58a及びインナロッド58bが接触することによる摩擦力が発生せず、セレーション62による内周面63の塑性変形のみで衝撃エネルギの吸収が行われるので、安定した衝撃エネルギの吸収を行なうことができる。
また、セレーション62により塑性変形する内周面63は、その塑性変形した部分の周囲が盛り上がり、その盛り上がった部分は内周面63と外周面64との間の隙間65に逃げてインナロッド58bの外周面64に接触しないので、さらに安定した衝撃エネルギの吸収を行なうことができる。
さらに、インナロッド58bの外周に形成したセレーション62の断面形状(ノコギリ形状の高さや幅)を変更することで、衝撃エネルギの吸収特性を変化させることができる。
(第2実施形態)
次に、図11から図13は、本発明に係る第2実施形態の衝撃吸収部60を示すものである。
本実施形態は、アウタロッド58aがインナロッド58bより硬い金属材料で形成されている。
また、図11に示すように、アウタロッド58aの一端側内周に、軸方向に寸法Lの長さで延在するセレーション66が周方向に所定間隔をあけて形成されている。
また、セレーション66の最小内径φD4は、インナロッド58bの外径φD5より小さく設定されているとともに(φD4<φD5)、アウタロッド58aの内径φD6は、インナロッド58bの外径φD5より大きく設定されている(φD6>φD5)。
そして、図12及び図13に示すように、インナロッド58bの一端側をアウタロッド58aに圧入し、アウタロッド58aの一端側内周に形成したセレーション66がインナロッド58bの外周面64の一部を塑性変形させてアウタロッド58a及びインナロッド58bの両者を接合することで衝撃吸収部60が形成されている。この衝撃吸収部60のセレーション66が外周面64を塑性変形させてアウタロッド58a及びインナロッド58bの相対移動を許容するコラプス荷重は、第1実施形態と同様に、例えば約2kN以上に設定されている。
また、図13に示すように、アウタロッド58aの内径φD6がインナロッド58bの外径φD5より大きく設定されているので、アウタロッド58aの内周面63とインナロッド58bの外周面64との間に隙間65が設けられている。
上記構成の第2実施形態によると、二次衝突によってステアリングホイール13に車両水平方向で前方側(図5で左方)に押圧する衝撃荷重Fが作用し、衝撃吸収部60に伝達されたコラム軸方向分力Fxがコラプス荷重以上となると、衝撃吸収部60がアウタロッド58a及びインナロッド58bの相対移動を許容することにより、アウタロッド58a内にインナロッド58bが徐々に挿入されて連結ロッド58が収縮していく。
そして、アウタロッド58a及びインナロッド58bの相対移動を許容する衝撃吸収部60は、二次衝突のコラム軸方向分力Fx(コラプス荷重以上)が入力した直後から、アウタロッド58aに所定の荷重を与えながら、アウタロッド58aの一端側内周に形成したセレーション66がインナロッド58bの外周面64を塑性変形させて衝撃エネルギを吸収していく。
このとき、アウタロッド58a及びインナロッド58bが相対移動する間、硬い材料のアウタロッド58aに形成したセレーション66が、軟らかい材料のインナロッド58bの外周面64を連続的に塑性変形し続けるので、二次衝突の初期から終期まで連続して衝撃エネルギを吸収することができる。
また、アウタロッド58aの内周面63とインナロッド58bの外周面64との間に隙間65が設けられていることから、アウタロッド58a及びインナロッド58bが接触することによる摩擦力が発生せず、セレーション66による外周面64の塑性変形のみで衝撃エネルギの吸収が行われるので、安定した衝撃エネルギの吸収を行なうことができる。
さらに、セレーション66により塑性変形する外周面64は、その塑性変形した部分の周囲が盛り上がり、その盛り上がった部分は内周面63と外周面64との間の隙間65に逃げてアウタロッド58aの内周面63に接触しないので、さらに安定した衝撃エネルギの吸収を行なうことができる。
さらに、アウタロッド58aの内周に形成したセレーション66の断面形状を変更することで、衝撃エネルギの吸収特性を変化させることができる。
(第3実施形態)
次に、図14及び図15は、本発明に係る第3実施形態の衝撃吸収部60を示すものである。
本実施形態は、第1実施形態と同様に、インナロッド58bがアウタロッド58aより硬い材料で形成されている。
また、図14に示すように、インナロッド58bの一端側外周は球形状に形成されており、その球形状とした一端側外周に、軸方向に所定の曲率半径Rcで湾曲し、且つ軸方向に寸法Lの長さで延在するセレーション67が周方向に所定間隔をあけて形成されている。
また、セレーション62の最大外径φD7は、アウタロッド58aの内径φD8より大きく設定されているとともに(φD7>φD8)、インナロッド58bの外径φD9は、アウタロッド58aの内径φD8より小さく設定されている。(φD9<φD8)。
そして、図15に示すように、インナロッド58bの一端側をアウタロッド58aに圧入し、インナロッド58bの一端側外周に形成したセレーション67がアウタロッド58aの内周面63の一部を塑性変形させてアウタロッド58a及びインナロッド58bの両者を接合することで衝撃吸収部60が形成されている。
本実施形態は、第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
ここで、図5に示すように、衝撃荷重Fのコラム軸直角方向分力Fyによって、インナコラム12b及びアウタシャフト11aが上方向に僅かに撓まされ、インナコラム12bに剛結された連結プレート57もインナコラム12bと直角を保ったまま一緒に移動する。その結果、連結プレート57にこじりが生じて曲げモーメント(図5の符号M)が発生し、この曲げモーメントMが、連結ロッド58を構成するアウタロッド58a及びインナロッド58b間にこじりを発生しようとする。
しかしながら、本実施形態は、インナロッド58bの一端側外周に軸方向に所定の曲率半径Rcで湾曲して形成したセレーション67が、曲げモーメントMによるアウタロッド58a及びインナロッド58b間のこじりを吸収するので、アウタロッド58a及びインナロッド58bの安定した相対移動を確保し、衝撃エネルギの吸収を安定して行うことができる。
(第4実施形態)
次に、図16から図18は、本発明に係る第4実施形態の衝撃吸収部60を示すものである 本実施形態は、図16に示すように、インナロッド58bの一端側外周に、軸方向に寸法Lの長さで延在するセレーション68が周方向に所定間隔をあけて形成されている。
また、アウタロッド58aの内周には、軸方向に延在するセレーション69が周方向に所定間隔をあけて形成されている。
そして、図16及び図18に示すように、インナロッド58bに形成したセレーション68の最大外径φD10は、アウタロッド58aの内径φD11より大きく設定され(φD10>φD11)、アウタロッド58aの内径φD11は、インナロッド58bの外径φD12より大きく設定されているとともに(φD11>φD12)、インナロッド58bの外径φD12は、アウタロッド58aに形成したセレーション69の最小外径φD13より大きく設定されている。(φD12>φD13)。
そして、図17及び図18に示すように、インナロッド58bの一端側外周に形成したセレーション68及びアウタロッド58aの内周に形成したセレーション69が互いに周方向に対向しないように配置しながらインナロッド58bの一端側をアウタロッド58aに圧入し、インナロッド58bのセレーション68がアウタロッド58aの内周面63の一部を塑性変形させ、且つアウタロッド58aのセレーション69がインナロッド58bの外周面64の一部を塑性変形させてアウタロッド58a及びインナロッド58bの両者を接合することで衝撃吸収部60が形成されている。
また、アウタロッド58aの内径φD11がインナロッド58bの外径φD12より大きく設定されているので、アウタロッド58aの内周面63とインナロッド58bの外周面64との間に隙間65が設けられている。
上記構成の第4実施形態によると、二次衝突によってステアリングホイール13に車両水平方向で前方側(図5で左方)に押圧する衝撃荷重Fが作用し、衝撃吸収部60に伝達されたコラム軸方向分力Fxがコラプス荷重以上となると、衝撃吸収部60がアウタロッド58a及びインナロッド58bの相対移動を許容することにより、アウタロッド58a内にインナロッド58bが徐々に挿入されて連結ロッド58が収縮していく。
そして、アウタロッド58a及びインナロッド58bの相対移動を許容する衝撃吸収部60は、二次衝突のコラム軸方向分力Fx(コラプス荷重以上)が入力した直後から、アウタロッド58aに所定の荷重を与えながら、インナロッド58bの一端側外周に形成したセレーション68がアウタロッド58aの内周面63の一部を塑性変形させ、且つアウタロッド58aの内周に形成したセレーション69がインナロッド58bの外周面64の一部を塑性変形させて衝撃エネルギを吸収していく。したがって、二次衝突の初期から終期まで連続して衝撃エネルギを吸収することができる。
そして、本実施形態も、アウタロッド58aの内周面63とインナロッド58bの外周面64との間に隙間65が設けられていることから、アウタロッド58a及びインナロッド58bが接触することによる摩擦力が発生せず、塑性変形して盛り上がった部分は内周面63と外周面64との間の隙間65に逃げるので、安定した衝撃エネルギの吸収を行なうことができる。
さらに、インナロッド58bの一端側外周に形成したセレーション68及びアウタロッド58aの内周に形成したセレーション69の断面形状を変更することで、衝撃エネルギの吸収特性を変化させることができる。
(第5実施形態)
次に、図19及び図20は、本発明に係る第5実施形態の衝撃吸収部60を示すものである。
本実施形態のインナロッド58bは、アウタロッド58aより硬い金属材料で形成されており、その先端外周に面取り75が設けられている。また、アウタロッド58aは、前述した第1実施形態(図8)、第3実施形態(図14)のアウタロッド58aより塑性変形しやすい薄肉の金属部材で構成されているとともに、その先端内周に面取り76が設けられている。
図19に示すように、インナロッド58bの外径φD14は、アウタロッド58aの内径φD15より大きく設定されている(φD14>φD15)。また、アウタロッド58aの内周面には、二硫化モリブデン系、フッ素樹脂系等の固体潤滑剤からなる低摩擦膜70が設けられている。
そして、図20に示すように、インナロッド58bの一端側をアウタロッド58aに圧入し、アウタロッド58aの一端側を拡径しながら塑性変形させて両者を接合することで衝撃吸収部60が形成されている。
上記構成の第5実施形態によると、二次衝突によってステアリングホイール13に車両水平方向で前方側(図5で左方)に押圧する衝撃荷重Fが作用し、衝撃吸収部60に伝達されたコラム軸方向分力Fxがコラプス荷重以上となると、衝撃吸収部60がアウタロッド58a及びインナロッド58bの相対移動を許容することにより、アウタロッド58a内にインナロッド58bが徐々に挿入されて連結ロッド58が収縮していく。
そして、アウタロッド58a及びインナロッド58bの相対移動を許容する衝撃吸収部60は、二次衝突のコラム軸方向分力Fx(コラプス荷重以上)が入力した直後から、アウタロッド58aに所定の荷重を与えながら、インナロッド58bがアウタロッド58aを拡径しながら塑性変形させて衝撃エネルギを吸収していく。したがって、二次衝突の初期から終期まで連続して衝撃エネルギを吸収することができる。
また、本実施形態は、アウタロッド58aの内周面に低摩擦膜70を設けているため、インナロッド58bの外周面64及びアウタロッド58aの低摩擦膜70の摺動による摩擦力が大幅に低下し、安定した衝撃エネルギの吸収を行なうことができる。
さらに、インナロッド58bの先端外周に面取り75が設けられ、アウタロッド58aの先端内周にも面取り76が設けられており、インナロッド58bはアウタロッド58aに対して面接触状態で当接して安定した荷重を与えていくので、さらに安定した衝撃エネルギの吸収を行なうことができる。
(第6実施形態)
次に、図21は、本発明に係る第6実施形態の衝撃吸収部60を構成する部材を示すものである。
本実施形態も、インナロッド58bがアウタロッド58aより硬い金属材料で形成されている。
インナロッド58bには、その一端側外周に軸方向に寸法L1の長さで延在する第1セレーション71が周方向に所定間隔をあけて形成されているとともに、この第1セレーション71に対して軸方向に寸法L2の間隔をあけた他端側に、軸方向に寸法L3の長さで延在する第2セレーション72が、前述した第1セレーション71と同一の周方向位置に形成されている。
第2セレーション72の最大外径φD16は、第1セレーション71の最大外径φD17より僅かに大きく設定されている。第1セレーション71の最大外径φD17は、アウタロッド58aの内径φD18より大きく設定されている(φD17>φD18)。そして、アウタロッド58aの内径φD18は、インナロッド58bの外径φD19より大きく設定されている。(φD18>φD19)。
そして、インナロッド58bの一端側外周に形成した第1セレーション71をアウタロッド58aに圧入し、インナロッド58bの第1セレーション71がアウタロッド58aの内周面63の一部を塑性変形させて両者を接合することで衝撃吸収部60が形成されている。
上記構成の第6実施形態によると、二次衝突によってステアリングホイール13に車両水平方向で前方側(図5で左方)に押圧する衝撃荷重Fが作用し、衝撃吸収部60に伝達されたコラム軸方向分力Fxがコラプス荷重以上となると、衝撃吸収部60がアウタロッド58a及びインナロッド58bの相対移動を許容することにより、アウタロッド58a内にインナロッド58bが徐々に挿入されて連結ロッド58が収縮していく。
そして、アウタロッド58a及びインナロッド58bの相対移動を許容する衝撃吸収部60は、二次衝突のコラム軸方向分力Fx(コラプス荷重以上)が入力した直後から、アウタロッド58aに所定の荷重を与えながら、インナロッド58bの一端側内周に形成した第1セレーション71がアウタロッド58aの内周面63を塑性変形させて衝撃エネルギを吸収していく。そして、アウタロッド58a内にインナロッド58bが所定量だけ挿入されていくと、前述した第1セレーション71が内周面63を塑性変形し続けるとともに、インナロッド58bの第2セレーション72が、第1セレーション71により塑性変形されたアウタロッド58aの内周面63の位置をさらに塑性変形することで衝撃エネルギを吸収していく。このように、本実施形態は、二次衝突の初期から終期まで、2段階の塑性変形を連続して行なうことで衝撃エネルギを吸収することができる。
したがって、本実施形態も、第1セレーション71及び第2セレーション72でアウタロッド58aの内周面63を塑性変形するので、安定した衝撃エネルギの吸収を行なうことができる。
(第7実施形態)
さらに、図22は、本発明に係る第7実施形態の衝撃吸収部60を構成する部材を示すものである。
本実施形態も、インナロッド58bがアウタロッド58aより硬い金属材料で形成されている。
インナロッド58bは、その一端側外周に第1膨出部73が軸方向に寸法L1の長さで形成されているとともに、この第1膨出部73に対して軸方向に寸法L2の間隔をあけた他端側に、第2膨出部74が形成されている。
また、前述した第5実施形態と同様に、アウタロッド58aの内周面には低摩擦膜70が設けられている。
第2膨出部74の外径φD20は、第1膨出部73の外径φD21より僅かに大きく設定されている。第1膨出部の外径φD21は、アウタロッド58aの内径φD22より大きく設定されている(φD21>φD22)。そして、アウタロッド58aの内径φD22は、インナロッド58bの外径φD23より大きく設定されている。(φD22>φD23)。
そして、インナロッド58bの一端側に形成した第1膨出部73をアウタロッド58aに圧入し、第1膨出部73がアウタロッド58aの一端側を拡径しながら塑性変形させて両者を接合することで衝撃吸収部60が形成されている。
上記構成の第7実施形態によると、二次衝突によってステアリングホイール13に車両水平方向で前方側(図5で左方)に押圧する衝撃荷重Fが作用し、衝撃吸収部60に伝達されたコラム軸方向分力Fxがコラプス荷重以上となると、衝撃吸収部60がアウタロッド58a及びインナロッド58bの相対移動を許容することにより、アウタロッド58a内にインナロッド58bが徐々に挿入されて連結ロッド58が収縮していく。
そして、アウタロッド58a及びインナロッド58bの相対移動を許容する衝撃吸収部60は、二次衝突のコラム軸方向分力Fx(コラプス荷重以上)が入力した直後から、アウタロッド58aに所定の荷重を与えながら、インナロッド58bの一端側内周に形成した第1膨出部73がアウタロッド58aを拡径しながら塑性変形させて衝撃エネルギを吸収していく。そして、アウタロッド58a内にインナロッド58bが所定量だけ挿入されていくと、前述した第1膨出部73がアウタロッド58aを拡径して塑性変形し続けるとともに、インナロッド58bの第2膨出部74がアウタロッド58aをさらに拡径して塑性変形することで衝撃エネルギを吸収していく。このように、本実施形態も、二次衝突の初期から終期まで、2段階の塑性変形を連続して行なうことで衝撃エネルギを吸収することができる。
したがって、本実施形態も、第1膨出部73及び第2膨出部74でアウタロッド58aを拡径しながら塑性変形するので、安定した衝撃エネルギの吸収を行なうことができる。
また、本実施形態は、アウタロッド58aの内周面に低摩擦膜70を設けているため、第1及び第2膨出部73,74の外周面及びアウタロッド58aの低摩擦膜70の摺動による摩擦力が大幅に低下し、さらに安定した衝撃エネルギの吸収を行なうことができる。
なお、上述した第5実施形態及び第7実施形態においては、連結ロッド58のアウタロッド58aに低摩擦膜70を設けた場合について説明したが、これに限定されるものではなく、インナロッド58bに低摩擦膜70を形成するようにしてもよく、さらには、アウタロッド58aの内周面及びインナロッド58bの外周面の双方に低摩擦膜70を設けても良い。
また、第5及び第7実施形態以外の実施形態も、アウタロッド58aの内周面及びインナロッド58bの外周面の少なくとも一方に、低摩擦膜70を設けるようにしてもよい。
また、第1、第2、第3、第4及び第6実施形態では、インナロッド58bの外周、或いはアウタロッド58bの内周にセレーションを形成したが、セレーションに代えてスプラインを形成してもよい。セレーション又はスプラインに代えて、軸方向に間欠的に設けた凸部、或いは軸方向に延びる1本以上の凸条を形成してもよい。
また、上記各実施形態においては、ステアリングコラム12のアウタコラム12aを車体側部材21に固定した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、インナコラム12bをロアブラケット22及びアッパブラケット24で車体側部材21に取付け、アウタコラム12a側にステアリングホイール13を取付けるようにしてもよい。
さらに、上記実施形態においては、連結ロッド58のアウタロッド58aを連結プレート57に直接固定した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、連結ロッドのアウタロッド58aと連結プレート57とをピポットピンを介して連結するようにしてもよい。この場合には、インナコラム12bにコラム軸方向分力Fxが作用したときに、連結プレート57に発生する連結ロッド58にこじりを与える曲げモーメントが連結ロッド58に影響することを確実に防止することができ、コラム軸方向分力Fxがコラプス荷重以上となったときに連結ロッド58のアウタロッド58a及びインナロッド58b間の相対移動をより安定させることができ、より良好な衝撃エネルギ吸収を行うことができる。
さらにまた、上記実施形態においては、インナロッド58bをアウタロッド58aに圧入して衝撃吸収部60を構成する場合について説明したが、例えばステアリング装置の側面図を表す図23に示すように、連結ロッド58のアウタロッド58a及びインナロッド58bの接合部に両者を貫通する合成樹脂製のピン61を圧入し、このピン61を二次衝突荷重によるコラム軸方向分力Fxがコラプス荷重以上となったときに、二次衝突の初期に破断してコラプスさせるように構成すると、アウタロッド58aに所定荷重を与えながら安定した相対移動を確保して良好な衝撃エネルギ吸収を行うことができる。
さらに、上記実施形態においては、電動チルト機構30を備えている場合について説明したが、これに限定されるものではなく、電動チルト機構30を省略して、電動テレスコ機構50のみを設けるようにしてもよい。
本発明に係るステアリング装置を車両に搭載した状態を示す全体構成図である。 ステアリングコラム装置のステアリングホイールを除いた側面図である。 図2のA−A線矢視図である。 図3のB−B線矢視図である。 ステアリングコラム装置の要部の縦断面図である。 図5のC−C線矢視図である。 収縮時の図5と同様の縦断面図である。 本発明に係る第1実施形態の衝撃吸収部を構成する部材を示す図である。 第1実施形態の衝撃吸収部を示す一部断面図である。 図9のD−D線矢視図である。 本発明に係る第2実施形態の衝撃吸収部を構成する部材を示す図である。 第2実施形態の衝撃吸収部を示す一部断面図である。 図12のE−E線矢視図である。 本発明に係る第3実施形態の衝撃吸収部を構成する部材を示す図である。 第3実施形態の衝撃吸収部を示す一部断面図である。 本発明に係る第4実施形態の衝撃吸収部を構成する部材を示す図である。 第4実施形態の衝撃吸収部を示す一部断面図である。 図17のF−F線矢視図である。 本発明に係る第5実施形態の衝撃吸収部を構成する部材を示す図である。 第5実施形態の衝撃吸収部を示す一部断面図である。 本発明に係る第6実施形態の衝撃吸収部を構成する部材を示す図である。 本発明に係る第7実施形態の衝撃吸収部を構成する部材を示す図である。 本発明に係る他の実施形態を示す要部を断面とした側面図である。 従来のステアリングコラム装置を示す要部を断面とした側面図である。
符号の説明
10…ステアリングコラム装置、11…ステアリングシャフト、11a…アウタシャフト、11b…インナシャフト、12…ステアリングコラム、12a…アウタコラム、12b…インナコラム、12c…案内面、12d,12e…案内板部、12f…転がり軸受、13…ステアリングホイール、14…ユニバーサルジョイント、15…中間シャフト、16…ユニバーサルジョイント、17…ステアリングギヤ、18…タイロッド、19…転舵輪、21…車体側部材、22…ロアブラケット、23…ピボットピン、24…アッパブラケット、24a…膨出部、24b…取付板部、24c,24d…案内板部、24e…底板部、24f…案内空間、24g…取付板部、30…電動チルト機構、31…ギヤハウジング、32…抑え部材、33…転がり軸受、34…転がり軸受、35…ねじ軸、36…ウォームホイール、37…ウォーム、38a,38b…転がり軸受、40…電動モータ、40a…出力軸、39…カップリング、31a…挿通孔、41…円筒覆体、42…リップ、43…リップ、44…ナットホルダ、45…ナット、46…案内溝、50…電動テレスコ機構、51…ギヤハウジング、52,53…転がり軸受、54…ウォームホイール、54a…ヘリカルギヤ、54b…雌ねじ、55…電動モータ、56…ウォーム、58…連結ロッド(ロッド)、57…連結プレート、58a…アウタロッド、58b…インナロッド、58c…雄ねじ、60…衝撃吸収部、61…ピン、62…セレーション、63…内周面、64…外周面、65…隙間、66…セレーション、67…セレーション、68…セレーション、69…セレーション、70…低摩擦膜、71…第1セレーション、72…第2セレーション、73…第1膨出部、74…第2膨出部、75…面取り、76…面取り、P…周辺部品

Claims (9)

  1. 相対的に伸縮自在に連結されたアウタコラム及びインナコラムを有し、ステアリングホイールを取付けたステアリングシャフトを回転自在に支持するステアリングコラムと、一方の端部が前記アウタコラムに、他方の端部が前記インナコラムに取付けられ、前記アウタコラム及び前記インナコラムを伸縮させる電動アクチュエータとを備え、当該電動アクチュエータは衝撃荷重が入力されたときに軸方向に所定の荷重を発生しながら収縮して衝撃エネルギを吸収する収縮部を有する電動テレスコ調整式ステアリング装置であって、
    前記収縮部は、前記インナコラムの中心軸に対して所定のオフセット量を保って平行に配設されて前記電動アクチュエータの電動モータで駆動されるロッドを備え、当該ロッドは、インナロッドと、このインナロッドを圧入接合しているアウタロッドと、二次衝突荷重が作用して前記インナロッド及び前記アウタロッドが相対移動する初期から終期まで前記インナロッド及び前記アウタロッドの少なくとも一方を連続的に塑性変形させて衝撃エネルギを吸収する衝撃吸収部と、を設けていることを特徴とする電動テレスコ調整式ステアリング装置。
  2. 前記衝撃吸収部は、前記インナロッドの外周面及び前記アウタロッドの内周面の少なくとも一方に軸方向に延在して設けられ、他方を塑性変形させる凸部であることを特徴とする請求項1記載の電動テレスコ調整式ステアリング装置。
  3. 前記凸部は、前記インナロッドの外周面及び前記アウタロッド内周面の少なくとも一方に設けられ、軸方向に延在するセレーション又はスプラインであることを特徴とする請求項2記載の電動テレスコ調整式ステアリング装置。
  4. 前記凸部を設けている前記インナロッド及び前記アウタロッドの少なくとも一方は、他方と比較して硬い材質で形成されていることを特徴とする請求項2又は3記載の電動テレスコ調整式ステアリング装置。
  5. 前記凸部以外の前記インナロッドの外周面及び前記アウタロッドの内周面の間には隙間が設けられていることを特徴とする請求項2乃至4の何れか1項に記載の電動テレスコ調整式ステアリング装置。
  6. 前記凸部は、軸方向に所定の曲率半径で湾曲しながら形成されていることを特徴とする請求項2乃至5の何れか1項に記載の電動テレスコ調整式ステアリング装置。
  7. 前記衝撃吸収部は、前記アウタロッドの内径より大きな外径を有する前記インナロッドを前記アウタロッドに圧入し、前記インナロッド及び前記アウタロッドが相対移動する際に、前記インナロッドが前記アウタロッドを拡径しながら塑性変形させていく部分であることを特徴とする請求項1記載の電動テレスコ調整式ステアリング装置。
  8. 前記インナロッドは、前記アウタロッドと比較して硬い材質で形成されていることを特徴とする請求項7記載の電動テレスコ調整式ステアリング装置。
  9. 互いに摺動する前記インナロッドの外周面及び前記アウタロッドの内周面の少なくとも一方に、摺動による摩擦力を低減する低摩擦膜を形成したことを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の電動テレスコ調整式ステアリング装置。
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