JP4640405B2 - 自動車の操舵装置用回転シャフトの結合構造 - Google Patents
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Description
そこで、スリーブとシャフトとのがたつきを防止するための方法として、クリップを装着する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
図1は、本発明の参考例に係る自動車の操舵装置用回転シャフト1の結合構造を適用し た、例えば、自動車の操舵装置におけるステアリングジョイント2を示している。
シャフト13は、図2に示すように、例えば、中実の丸鋼材で構成されており、その端部外周面14が、断面小判状に形成されている。端部外周面14は、一対の円弧状の曲面部15と、一対の矩形状の平面部16とを有しており、共にシャフト13の軸方向に所定の長さで形成されている。一対の曲面部15には、外周歯として、例えば、一対の雄スプライン17がシャフト13の径方向に対向して形成されている。一対の平面部16は、雄スプライン17が形成されない欠歯部であり、一対の雄スプライン17が対向する方向と直交する方向に形成されている。また、シャフト13のスリーブ12に挿入する側の先端周縁部には、所定の寸法で面取りされた面取り部13aが設けられている。
ここで、シャフト13及びスリーブ12のそれぞれの基準角度を、次のように定義する。スリーブ12の基準角度は、段差部19bが図4における上方向に配置される状態をいい、シャフト13の基準角度は、一対の雄スプライン17が対向する方向が図4における上下方向となる状態をいうものとする。
図5に示すように、この回転シャフト1のスリーブ12の端部内周面18には、歯形パターンPがスリーブ12の周方向に繰り返して2つ配置されるとともに、スリーブ12の周方向に2等配されている。この歯形パターンPは、雌スプライン19の隣り合う雌歯19aのピッチ円半径rが徐々に変化して構成されている。具体的には、隣り合う雌歯19aのピッチ円半径rが、スリーブ12の中心軸12c周りの反時計回り方向に大きくなるように形成されている。また、係合部22において、シャフト13の雄スプライン17のピッチ円半径rは、スリーブ12のピッチ円半径rが最大となる雌歯19a−maxと、最小となる雌歯19a−minとの中間値に形成されている。
ここで、シャフト13及びスリーブ12のそれぞれの基準角度を、次のように定義する。スリーブ12の基準角度は、ピッチ円半径rが最小となる19a−minが図5における上下方向に配置される状態をいい、シャフト13の基準角度は、一対の雄スプライン17が対向する方向が図4における上下方向となる状態をいうものとする。
この回転シャフト1のシャフト13は、図7(a)に示すように、例えば、中空の丸鋼材で構成されており、その端部外周面14の全周に雄スプライン17が形成されている。雄スプライン17は、隣り合う歯山17Aの山幅が段階的に変化してなる歯山パターンPAが、周方向に繰り返して4つ配置されるとともに、4等配されて構成されている。雄スプライン17の各歯山17Aは、図7(b)に示すように、所定の形成ピッチpで周方向に等配されている。
このように構成された歯溝パターンPBは、その両端部に配置される歯溝19A−Tの溝幅と中央に配置された歯溝19A−Cの溝幅とにおいて2dの差が生じている。すなわち、この歯溝パターンPBの各歯溝19Aには、最大がた量2dを吸収する調整代が等配されていることになる。
次に、上記のように構成された歯溝パターンPBを有するスリーブ12と、歯山パターンPAを有するシャフト13とを結合する組み合わせについて、3つの結合パターンA,B,Cを例として説明する。
結合パターンAは、歯山17A及び歯溝19Aに、がた量がない場合の結合であって、図10に示すように、歯山パターンPAを歯溝パターンPBに対して2ピッチ(2p)、図10の右側にずらした状態で結合させるものである。この状態で結合された回転シャフト1は、図11に示すように、係合する歯溝19Aと歯山17Aとの幅方向に隙間が形成されて係合した隙間係合部30と、幅方向に互いの歯が当接して係合した当接係合部31とを有している。この結合パターンAの場合、当接係合部31において、歯溝19Aと歯山17Aとの間に摩擦抵抗力が生じるので、スリーブ12に対してシャフト13が軸方向に容易にスライドするのを防止することができる。また、歯溝19Aと歯山17Aとが当接しているので、回転方向におけるがたつきを防止することができる。
結合パターンBは、例えば、雄スプライン17の歯山17A−Sに、がた量として−dが生じた場合であって、図12に示すように、歯山パターンAを歯溝パターンBに対して4ピッチ(4p)、図12の右側にずらした状態で結合させるものである。この状態で結合された回転シャフト1は、図13に示すように、係合する歯溝19Aと歯山17Aとの幅方向に隙間が形成されて係合した隙間係合部30と、同幅方向に歯溝19Aと歯17Aとが当接して係合した当接係合部31とを有している。この結合パターンBの場合においても、当接係合部31において摩擦抵抗力が生じるので、スリーブ12に対してシャフト13が軸方向に容易にスライドするのを防止することができる。また、歯溝19Aと歯山17Aとが当接しているので、回転方向におけるがたつきを防止することができる。
結合パターンCは、例えば、雄スプライン17の歯山17A−Sに、がた量として+dが生じた場合であって、図14に示すように、歯山パターンAと歯溝パターンBとをずらすことなくそのままの状態で結合させるものである。この状態で結合された回転シャフト1は、図15に示すように、係合する歯溝19Aと歯山17Aとの幅方向に隙間が形成されて係合した隙間係合部30と、同幅方向に歯溝19Aと歯17Aとが当接して係合した当接係合部31とを有している。つまり、この結合パターンCの場合においても、他の結合パターンA,Bと同様の作用効果を得ることができる。
例えば、シャフト13とスリーブ12とが、セレーション結合された自動車の操舵装置 用回転シャフト1にも本発明を適用することが可能である。また、歯溝パターンPBの歯溝19A及び歯山パターンPAの歯山17Aは、その溝幅及び山幅の変化量やパターン等について限定するものではない。
12 スリーブ
12a スリーブの外周面
13 シャフト
14 シャフトの端部外周面
16 平面部(欠歯部)
17 雄スプライン(外周歯)
17A 雄スプラインの歯山
18 スリーブの端部内周面
19 雌スプライン(内周歯)
19a 雌スプラインの雌歯(歯)
19A 雌スプラインの歯溝
21 延設部
r ピッチ円半径(ピッチ円径)
P 歯形パターン
PA 歯山パターン
PB 歯溝パターン
Claims (1)
- 端部内周面の軸方向に内周歯が形成された筒状のスリーブと、端部外周面の軸方向に前記内周歯と係合する外周歯が形成された棒状のシャフトとを備え、
前記シャフトが前記スリーブに挿入されることによって、ステアリングシャフトとコラムシャフトとの間で回転力を伝達可能で、かつ、前記内周歯と前記外周歯とが係合する際に生じるがたつき量の最大値を吸収できるように結合される自動車の操舵装置用回転シャフトの結合構造であって、
前記スリーブの端部内周面には、複数の歯溝で構成された歯溝パターンが、前記スリーブの周方向に繰り返して、等配されており、
前記シャフトの端部外周面には、複数の歯山で構成された歯山パターンが、前記シャフトの周方向に繰り返して、等配されており、
前記歯溝パターンでは、その両端部に配置される歯溝の溝幅と、中央に配置される歯溝の溝幅との間に、前記最大値の差を有し、かつ、歯溝の溝幅は前記中央から前記両端部へと一定の幅ずつ段階的に変化して形成されており、
前記歯山パターンでは、その両端部に配置される歯山の山幅と、中央に配置される歯山の山幅との間に、前記最大値の差を有し、かつ、歯山の山幅は前記中央から前記両端部へと一定の幅ずつ段階的に変化して形成されている
ことを特徴とする自動車の操舵装置用回転シャフトの結合構造。
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