JP6519600B2 - 封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置 - Google Patents
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Description
<1> (A)1分子中にエポキシ基を2以上有するエポキシ樹脂と、(B)硬化剤と、(C)1分子中にフェノール性水酸基を1以上有するカルボン酸アミド誘導体とを含有する封止用エポキシ樹脂成形材料である。
本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料は、(A)1分子中にエポキシ基を2以上有するエポキシ樹脂(以下、単に「エポキシ樹脂」ともいう)の少なくとも1種と、(B)硬化剤の少なくとも1種と、(C)1分子中にフェノール性水酸基を1以上有するカルボン酸アミド誘導体の少なくとも1種とを含有する。前記封止用エポキシ樹脂成形材料は、必要に応じてその他の成分を更に含んでいてもよい。以下、(C)1分子中にフェノール性水酸基を1以上有するカルボン酸アミド誘導体を、単に「カルボン酸アミド誘導体」ともいう。
前記封止用エポキシ樹脂成形材料は、1分子中にフェノール性水酸基を1以上有するカルボン酸アミド誘導体の少なくとも1種を含む。前記カルボン酸アミド誘導体は、分子内に少なくとも1つのカルボン酸アミド基と、少なくとも1つのフェノール性水酸基とを有する化合物であれば特に制限されない。前記カルボン酸アミド誘導体が有するフェノール性水酸基の数は、耐リフロー性の観点から、1〜2であることが好ましく、1であることがより好ましい。またカルボン酸アミド誘導体が有するアミド基の数は、耐リフロー性の観点から、1〜2であることが好ましく、1であることがより好ましい。
カルボン酸アミド誘導体の具体例としては、p−アセトアミドフェノール、サリチルアミド、サリチルアニリド、3−ヒドロキシ−2−ナフトアミド、3−ヒドロキシ−2−ナフトアニリド、3−ヒドロキシ−N−(1−ナフチル)−2−ナフトアミド、3−ヒドロキシ−2’−メチル−2−ナフトアニリド、3−ヒドロキシ−2’−メトキシ−2−ナフトアニリド、2’−エトキシ−3−ヒドロキシ−2−ナフトアニリド、3−ヒドロキシ−4’−メトキシ−2−ナフトアニリド、3−ヒドロキシ−N−(2−ヒドロキシエチル)−2−ナフトアミド、2,4−ジヒドロキシ−N−(2−ヒドロキシエチル)ベンズアミド、これらの位置異性体、これらの置換体等が挙げられる。
さらにカルボン酸アミド誘導体の含有率は、耐リフロー性の観点から、0.15質量%以上であることが好ましく、0.20質量%以上であることがより好ましい。またカルボン酸アミド誘導体の含有率は、形成される樹脂硬化物の硬度の観点から、0.95質量%以下であることが好ましく、0.75質量%以下であることがより好ましい。
本発明に用いられるエポキシ樹脂は、1分子中にエポキシ基を2以上有するものであれば特に制限はなく、封止用エポキシ樹脂成形材料に一般的に使用されているものから適宜選択して用いることができる。エポキシ樹脂として具体的には、フェノール・ノボラック型エポキシ樹脂、オルトクレゾール・ノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン骨格を有するエポキシ樹脂をはじめとするフェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のフェノール類及びα−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類からなる群より選ばれる少なくとも1種と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド基を有する化合物とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック樹脂をエポキシ化したノボラック型エポキシ樹脂;アルキル置換、芳香環置換又は非置換のビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビフェノール、チオジフェノール等のジグリシジルエーテルであるエポキシ樹脂;スチルベン型エポキシ樹脂;ハイドロキノン型エポキシ樹脂;フタル酸、ダイマー酸等の多塩基酸とエピクロルヒドリンの反応により得られるグリシジルエステル型エポキシ樹脂;ジアミノジフェニルメタン、イソシアヌル酸等のポリアミンとエピクロルヒドリンの反応により得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエンとフェノール類の共縮合樹脂のエポキシ化物(ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂);ナフタレン環を有するエポキシ樹脂;フェノール類及びナフトール類の少なくとも1種とジメトキシパラキシレン又はビス(メトキシメチル)ビフェニルから合成されるフェノール・アラルキル樹脂、ナフトール・アラルキル樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂のエポキシ化物;トリメチロールプロパン型エポキシ樹脂;テルペン変性エポキシ樹脂;オレフィン結合を過酢酸等の過酸で酸化して得られる線状脂肪族エポキシ樹脂;脂環族エポキシ樹脂などが挙げられる。これらは1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記封止用エポキシ樹脂成形材料は、硬化剤の少なくとも1種を含む。前記硬化剤は、封止用エポキシ樹脂成形材料に一般に使用されているものであれば特に制限はない。たとえば、フェノール、クレゾール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェニルフェノール、チオジフェノール、アミノフェノール等のフェノール類及びα−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類からなる群より選択される少なくとも1種と、ホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド基を有する化合物とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック型フェノール樹脂;フェノール類及びナフトール類からなる群より選択される少なくとも1種と、ジメトキシパラキシレン又はビス(メトキシメチル)ビフェニルとから合成されるフェノール・アラルキル樹脂、ナフトール・アラルキル樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂;フェノール・ノボラック構造とフェノール・アラルキル構造とがランダム、ブロック又は交互に繰り返された共重合型フェノール・アラルキル樹脂;パラキシリレン変性フェノール樹脂;メタキシリレン変性フェノール樹脂;メラミン変性フェノール樹脂;テルペン変性フェノール樹脂;ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂;シクロペンタジエン変性フェノール樹脂;多環芳香環変性フェノール樹脂が挙げられる。これらは1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記重合物の軟化点が60℃以上であると、成形時の染み出しが抑制され、成形性が向上する傾向にある。また150℃以下であると、エポキシ樹脂及び硬化剤との相溶性が向上する傾向にある。
これら脂肪族オレフィンの使用量は、フェノール・アラルキル樹脂及びナフトール・アラルキル樹脂との予備混合に供される重合モノマー全量中、20質量%以下が好ましく、9質量%以下がより好ましい。
前記の方法により予備混合物(アセナフチレン変性硬化剤)が製造される。溶融混合は、硬化剤及びアセナフチレンの少なくとも一方の軟化点以上の温度であれば制限はない。中でも100℃〜250℃が好ましく、120℃〜200℃がより好ましい。また、溶融混合は両者が均一に混合すれば混合時間に制限はない。中でも1時間〜20時間が好ましく、2時間〜15時間がより好ましい。硬化剤とアセナフチレンを予備混合する場合、混合中にアセナフチレンが重合もしくは硬化剤と反応しても構わない。
また前記硬化剤の軟化点又は融点は特に制限されない。中でも成形性と耐リフロー性の観点から、軟化点又は融点は40℃〜180℃であることが好ましく、封止用エポキシ樹脂成型材料作製時における取扱い性の観点からは50℃〜130℃であることがより好ましい。
前記封止用エポキシ樹脂成形材料は、シラン化合物の少なくとも1種を更に含むことが好ましい。シラン化合物を含むことで、流動性、耐リフロー性、接着性がより向上する。前記シラン化合物は、少なくとも1つのケイ素−炭素結合を有する化合物であれば特に制限はなく、シランカップリング剤として通常用いられる化合物から適宜選択して用いることができる。前記シラン化合物は、エポキシ基、メルカプト基、アミノ基、ウレイド基、及びビニル基からなる群より選ばれる官能基の少なくとも1種を有することが好ましい。
前記封止用エポキシ樹脂成形材料は、硬化促進剤の少なくとも1種を更に含むことが好ましい。硬化促進剤を含むことで、耐リフロー性、成形性、硬化性がより向上する。硬化促進剤はエポキシ樹脂の硬化反応を促進可能な化合物であれば特に制限はなく、通常用いられる化合物から適宜選択して用いることができる。硬化促進剤としては、例えば、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5、5,6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7等のシクロアミジン化合物;これらのシクロアミジン化合物に、無水マレイン酸、1,4−ベンゾキノン、2,5−トルキノン、1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルベンゾキノン、2,6−ジメチルベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−5−メチル−1,4−ベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−1,4−ベンゾキノン、フェニル−1,4−ベンゾキノン等のキノン化合物、ジアゾフェニルメタン、フェノール樹脂等のπ結合をもつ化合物を付加してなる分子内分極を有する化合物;ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の第三級アミン化合物;これらの第三級アミン化合物の誘導体、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2―フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール等のイミダゾール化合物;これらのイミダゾール化合物の誘導体、トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィン等の有機ホスフィン化合物;これらの有機ホスフィン化合物に無水マレイン酸、上記キノン化合物、ジアゾフェニルメタン、フェノール樹脂等のπ結合をもつ化合物を付加してなる分子内分極を有するリン化合物;テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムエチルトリフェニルボレート、テトラブチルホスホニウムテトラブチルボレート等のテトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレート;2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボレート、N−メチルモルホリン・テトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩;これらのテトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレート及びテトラフェニルボロン塩の誘導体などが挙げられる。これらは1種を単独で用いても2種以上組み合わせて用いてもよい。
前記封止用エポキシ樹脂成形材料は無機充てん剤の少なくとも1種を更に含むことが好ましい。無機充てん剤を更に含むことで、吸湿性低減、線膨張係数低減、熱伝導性向上、及び強度向上がより効果的に達成される。無機充てん剤としては、封止用エポキシ樹脂成形材料に一般に使用されているものであれば特に制限されるものではない。例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、ジルコン、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、チタン酸カリウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミ、窒化ホウ素、ベリリア、ジルコニア、ジルコン、フォステライト、ステアタイト、スピネル、ムライト、チタニア等の粉体、又はこれらを球形化したビーズ、ガラス繊維などが挙げられる。これらは単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、線膨張係数低減の観点からは溶融シリカが好ましい。また高熱伝導性の観点からはアルミナが好ましい。更に無機充てん剤の形状は成形時の流動性及び金型摩耗性の点から球形が好ましい。特にコストと性能のバランスの観点からは球状溶融シリカが好ましい。
(陰イオン交換体)
前記封止用エポキシ樹脂成形材料は、必要に応じて陰イオン交換体を含んでいてもよい。陰イオン交換体を含むことで、封止されたICチップ等の耐湿性、高温放置特性がより向上する。陰イオン交換体としては特に制限はなく、従来公知のものを用いることができる。例えば、ハイドロタルサイト類や、マグネシウム、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、ビスマスから選ばれる元素の含水酸化物等が挙げられる。これらは単独で用いても2種類以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、下記組成式(I)で示されるハイドロタルサイトが好ましい。
Mg(1−X)AlX(OH)2(CO3)X/2・mH2O (I)
式(I)中、Xは0<X≦0.5を満たす数であり、mは正の数を示す。
前記封止用エポキシ樹脂成形材料は、必要に応じて離型剤を含んでいてもよい。離型剤としては例えば、酸化型又は非酸化型のポリオレフィンを挙げることができる。酸化型又は非酸化型のポリオレフィンとして具体的には、ヘキスト株式会社製商品名H4やPE、PEDシリーズ等の数平均分子量が500〜10000程度の低分子量ポリエチレンなどが挙げられる。また、酸化型又は非酸化型のポリオレフィン以外のその他の離型剤としては、カルナバワックス、モンタン酸エステル、モンタン酸、ステアリン酸等が挙げられる。これら離型剤は1種を単独で用いても2種以上組み合わせて用いてもよい。
また離型剤として、酸化型又は非酸化型のポリオレフィンと、その他の離型剤とを含む場合、その含有量は合わせて(A)エポキシ樹脂100質量部に対して0.1質量部以上10質量部未満が好ましく、0.5質量部以上3質量部未満がより好ましい。
前記封止用エポキシ樹脂成形材料は、必要に応じて従来公知の難燃剤を含有することができる。難燃剤としては例えば、ブロム化エポキシ樹脂;三酸化アンチモン、赤リン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛等の無機物;フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂などで被覆された赤リン、リン酸エステル等のリン化合物;メラミン、メラミン誘導体、メラミン変性フェノール樹脂、トリアジン環を有する化合物、シアヌル酸誘導体、イソシアヌル酸誘導体等の窒素含有化合物;シクロホスファゼン等のリン及び窒素含有化合物;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛、錫酸亜鉛、硼酸亜鉛、酸化鉄、酸化モリブデン、モリブデン酸亜鉛、ジシクロペンタジエニル鉄等の金属元素を含む化合物及び下記組成式(II)で示される複合金属水酸化物などが挙げられる。
p(M1 aOb)・q(M2 cOd)・r(M3 eOf)・mH2O (II)
式(II)中、M1、M2及びM3は互いに異なる金属元素を示し、a、b、c、d、e、f、p、q及びmはそれぞれ独立に正の数を示す。rは0又は正の数を示す。
前記封止用エポキシ樹脂成形材料には、カーボンブラック、有機染料、有機顔料、酸化チタン、鉛丹、ベンガラ等の着色剤を更に含んでもよい。更にその他の添加剤として、シリコーンオイルやシリコーンゴム粉末等の応力緩和剤等を必要に応じて配合することができる。
前記封止用エポキシ樹脂成形材料の製造方法は特に制限されず、封止用エポキシ樹脂成形材料を構成する各種成分を均一に分散混合できる方法であれば、いかなる手法を用いてもよい。一般的な手法として、所定の配合量の成分をミキサー等によって十分混合した後、ミキシングロール、押出機等によって溶融混練した後、冷却、粉砕する方法を挙げることができる。具体的には、上述した成分の所定量を均一に撹拌、混合し、予め70℃〜140℃に加熱してあるニーダー、ロール、エクストルーダーなどで混練、冷却した後、粉砕するなどの方法で得ることができる。また成形条件に合うような寸法及び質量でタブレット化すると使いやすい。
本発明の電子部品装置は、前記封止用エポキシ樹脂成形材料により封止した素子を備える。電子部品装置としては、リードフレーム、配線済みのテープキャリア、配線板、ガラス、シリコンウエハ等の支持部材に、半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等の能動素子、コンデンサ、抵抗体、コイル等の受動素子等の素子を搭載し、必要な部分を前記封止用エポキシ樹脂成形材料で封止して得られる電子部品装置などが挙げられる。このような電子部品装置として具体的には、リードフレーム上に半導体素子を固定し、ボンディングパッド等の素子の端子部とリード部をワイヤボンディングやバンプで接続した後、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料を用いてトランスファ成形等により封止してなる、DIP(Dual Inline Package)、PLCC(Plastic Leaded Chip Carrier)、QFP(Quad Flat Package)、SOP(Small Outline Package)、SOJ(Small Outline J−lead package)、TSOP(Thin Small Outline Package)、TQFP(Thin Quad Flat Package)等の一般的な樹脂封止型IC、テープキャリアにバンプで接続した半導体チップを、前記封止用エポキシ樹脂成形材料で封止したTCP(Tape Carrier Package)、配線板やガラス上に形成した配線に、ワイヤボンディング、フリップチップボンディング、はんだ等で接続した半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等の能動素子及び/又はコンデンサ、抵抗体、コイル等の受動素子を、前記封止用エポキシ樹脂成形材料で封止したCOB(Chip On Board)モジュール、ハイブリッドIC、マルチチップモジュール、裏面に配線板接続用の端子を形成した有機基板の表面に素子を搭載し、バンプ又はワイヤボンディングにより素子と有機基板に形成された配線を接続した後、前記封止用エポキシ樹脂成形材料で素子を封止したBGA(Ball Grid Array)、CSP(Chip Size Package)などが挙げられる。またプリント回路板にも前記封止用エポキシ樹脂成形材料は有効に使用できる。
前記封止用エポキシ樹脂成形材料を用いて素子を封止する方法としては、低圧トランスファ成形法が最も一般的であるが、インジェクション成形法、圧縮成形法等を用いてもよい。
以下に示す各成分を、下記表1〜表10に示す質量部で配合し、混練温度80℃、混練時間10分の条件でロール混練を行って、実施例1〜40及び比較例1〜40の封止用エポキシ樹脂成形材料を作製した。なお、表中の「−」は未配合であることを示す。
(A)エポキシ樹脂
・エポキシ樹脂1:エポキシ当量196、融点106℃のビフェニル型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製商品名YX−4000)
・エポキシ樹脂2:エポキシ当量240、軟化点96℃のビフェニレン骨格を含有するフェノール・アラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製商品名CER−3000L)
・エポキシ樹脂3:エポキシ当量238、軟化点55℃のフェノール・アラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製商品名NC−2000L)
・エポキシ樹脂4:エポキシ当量202、軟化点60℃のオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製商品名N−660)
・エポキシ樹脂5:エポキシ当量250、軟化点58℃のナフタレン変性ノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製商品名HP−5000)
・エポキシ樹脂6:エポキシ当量258、軟化点60℃のジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(DIC株式会社製商品名HP−7200)
・硬化剤1:水酸基当量175、軟化点70℃のフェノール・アラルキル樹脂(明和化成株式会社製商品名MEH−7800)
・硬化剤2:水酸基当量106、軟化点83℃のフェノール・ノボラック樹脂(明和化成株式会社製商品名H−100)
・カルボン酸アミド誘導体1:サリチルアニリド(融点136℃)
・カルボン酸アミド誘導体2:3−ヒドロキシ−2−ナフトアニリド(融点247℃)
・カルボン酸アミド誘導体3:3−ヒドロキシ−N−(1−ナフチル)−2−ナフトアミド(融点222℃)
・カルボン酸アミド誘導体4:3−ヒドロキシ−N−(2−ヒドロキシエチル)−2−ナフトアミド(融点146℃)
・カルボン酸アミド誘導体5:2,4−ジヒドロキシ−N−(2−ヒドロキシエチル)ベンズアミド(融点164℃)
・カルボン酸アミド誘導体6:サリチルアミド(融点140℃)
・カルボン酸アミド誘導体7:3−ヒドロキシ−2−ナフトアミド(融点217℃)
・カルボン酸アミド誘導体8:p−アセトアミドフェノール(融点170℃)
・フェノール1:フェノール
・フェノール2:o−クレゾール
・フェノール3:2−ナフトール
・フェノール4:レゾルシノール
・非フェノール性カルボン酸アミド1:ベンズアニリド
・非フェノール性カルボン酸アミド2:2−ナフトアニリド
・非フェノール性カルボン酸アミド3:ベンズアミド
・シラン化合物1:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
(E)硬化促進剤
・硬化促進剤1:トリフェニルホスフィンとp−ベンゾキノンとのベタイン型付加物
(F)無機充てん剤
・無機充てん剤1:体積平均粒径17.5μm、比表面積3.8m2/gの球状溶融シリカ
(その他の添加成分)
・モンタン酸エステル(クラリアントジャパン株式会社製HW−E)
・カーボンブラック(三菱化学株式会社製MA−600)
上記で得られた実施例及び比較例の封止用エポキシ樹脂成形材料を、次の(1)〜(6)の各種特性試験により評価した。評価結果を下記表11〜表20に示す。なお、封止用エポキシ樹脂成形材料の成形は、特記しない限りトランスファ成形機により、金型温度180℃、成形圧力6.9MPa、硬化時間90秒の条件で行った。また、後硬化は180℃で5時間行った。
EMMI−1−66に準じたスパイラルフロー測定用金型を用いて、封止用エポキシ樹脂成形材料を上記条件で成形し、流動距離(cm)を求めた。
封止用エポキシ樹脂成形材料を上記条件で直径50mm×厚さ3mmの円板に成形し、成形後直ちにショアD型硬度計(株式会社上島製作所製HD−1120(タイプD))を用いて測定した。
(2)で成形した円板を上記条件で後硬化し、85℃、60%RHの条件下で168時間放置し、放置前後の質量変化を測定して、吸水率(質量%)={(放置後の円板質量−放置前の円板質量)/放置前の円板質量}×100を評価した。
JIS K 6911に準じた3点曲げ試験を曲げ試験機(A&D社製テンシロン)を用いて行い、恒温槽で260℃に保ちながら、曲げ弾性率(E)を求めた。測定は封止用エポキシ樹脂成形材料を上記条件で10mm×70mm×3mmに成形した試験片を用い、ヘッドスピード1.5mm/minの条件で行った。なお、曲げ弾性率(E)は下式にて定義される。
封止用エポキシ樹脂成形材料を上記条件で、銅板または銀メッキした銅板にそれぞれ底面4mmφ、上面3mmφ、高さ4mmのサイズに成形した後、後硬化して測定用サンプルを作製した。得られた測定用サンプルをボンドテスター(デイジ社製シリーズ4000)によって、各種銅板の温度を260℃に保ちながら、せん断速度50μm/sでせん断接着力を測定した。
8mm×10mm×0.4mmのシリコーンチップを搭載した外形寸法20mm×14mm×2mmの80ピンフラットパッケージ(リードフレーム材質:銅合金、ダイパッド部上面およびリード先端部銀メッキ処理品)を、封止用エポキシ樹脂成形材料を用いて上記条件で成形した後、後硬化して作製した。
85℃、60%RHの条件で1週間放置後、実施例1〜16および比較例1〜16については240℃で、実施例17〜20、25〜32および比較例17〜20、25〜32については230℃で、実施例21〜24、33〜40および比較例21〜24、33〜40については220℃で、それぞれリフロー処理を行い、樹脂/フレーム界面のはく離の有無を超音波探傷装置(日立建機株式会社製HYE−FOCUS)で観察し、試験パッケージ数5個に対するはく離発生パッケージ数で評価した。
また1分子中にフェノール性水酸基を1以上有するカルボン酸アミド誘導体の割合が0.1質量%以上1.0質量%未満である実施例1〜8、10〜12、14〜16においては、接着力がより強く、熱時硬度がより大きくなっていることが分かる。
さらに実施例1〜16で用いたエポキシ樹脂及び硬化剤に替えて、異なる種類のエポキシ樹脂及び硬化剤を用いた実施例17〜40においても、エポキシ樹脂及び硬化剤の種類等に依らずに、260℃せん断接着力(銀および銅)が高く、85℃、60%RHの条件で1週間放置後のリフロー処理において、樹脂/フレーム界面のはく離が発生せず、耐リフロー性に優れていることが分かる。
Claims (5)
- (A)1分子中にエポキシ基を2以上有するエポキシ樹脂と、
(B)ノボラック型フェノール樹脂、アラルキル型フェノール樹脂、共重合型フェノール・アラルキル樹脂、パラキシリレン変性フェノール樹脂、メタキシリレン変性フェノール樹脂、メラミン変性フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、シクロペンタジエン変性フェノール樹脂、及び多環芳香環変性フェノール樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含む硬化剤と、
(C)1分子中にフェノール性水酸基を1以上有するカルボン酸アミド誘導体であって、カルボン酸アミド基と、フェノール性水酸基を有し前記カルボン酸アミド基に直接結合した芳香環基と、ヒドロキシ基を有する炭素数1〜6のアルキル基と、を有し、分子量が137以上500以下であるカルボン酸アミド誘導体と、
(F)無機充てん剤と、
を含有する封止用エポキシ樹脂成形材料。 - 前記カルボン酸アミド誘導体の含有率が、0.1質量%以上1.0質量%未満であり、かつ、前記カルボン酸アミド誘導体が、3−ヒドロキシ−N−(2−ヒドロキシエチル)−2−ナフトアミド及び2,4−ジヒドロキシ−N−(2−ヒドロキシエチル)ベンズアミドから選択される少なくとも1種を含む請求項1に記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
- (D)シラン化合物を更に含有する請求項1又は請求項2に記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
- (E)硬化促進剤を更に含有する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
- 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の封止用エポキシ樹脂成形材料により封止された素子を備える電子部品装置。
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JP2017019901A JP6519600B2 (ja) | 2017-02-06 | 2017-02-06 | 封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置 |
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