JP6517562B2 - 主電動機用軸受 - Google Patents
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- F16C—SHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
- F16C2380/00—Electrical apparatus
- F16C2380/26—Dynamo-electric machines or combinations therewith, e.g. electro-motors and generators
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Description
図3は第1軸受装置80の構成を示す拡大図である。図3を参照して、第1軸受装置80は、第1軸受82と、第1固定部材としてのハウジング83と、前蓋84と、端蓋85とを備えている。11は上述したフレームである。第1軸受82は、外輪82aと、内輪82bと、転動体82cと、保持器82dとを有している。第1軸受82は、前蓋84と端蓋85とにより挟まれ、また内輪82bの内周面が主軸20の外周面20aに接触し、かつ外輪82aの外周面がハウジング83に対して固定されている。また、第1軸受82は、本実施の形態の主電動機用軸受であって、たとえば深溝玉軸受である。
耐熱性樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アミドイミド樹脂、イミド樹脂、エーテルイミド樹脂、イミダゾール樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。また、フッ素樹脂が塗膜形成時の収縮を防ぐウレタン樹脂、アクリル樹脂を併用することができる。
(1)鉄系金属材の表面処理
鉄系金属材は、架橋フッ素樹脂被膜形成前にショットブラスト等を用いて、予め金属材表面の粗さ(Ra)を1.0〜2.0μmに調整し、その後、石油ベンジン等の有機溶剤内に浸漬させ、5分〜1時間程度超音波脱脂を行なうことが好ましい。
(2)下地層を形成する水系塗布液の塗装
下地層を形成する水系塗布液を塗布前に、水分散液の分散性を向上させるために、ボールミルを用いて、例えば40rpmで1時間回転させ再分散する。この再分散した水系塗布液を100メッシュの金網を用いて濾過し、スプレー法を用いて塗布する。
(3)下地層を形成する水系塗布液の乾燥
水系塗布液を塗布後乾燥する。乾燥条件としては、例えば90℃の恒温槽内で30分程度の乾燥が好ましい。乾燥後の下地層の層厚さは2.5〜20μm、好ましくは5〜20μm、より好ましくは10〜15μmの範囲内である。2.5μm以下であると、被膜の密着不良による剥離や初期摩耗の摩耗により、金属基材が露出するおそれがある。20μm以上であると、被膜形成時のクラック発生や運転中に剥離して潤滑状態が悪化するおそれがある。層厚さを2.5〜20μmの範囲とすることで、初期摩耗による金属基材の露出を防止でき、運転中における剥離を長期間にわたって防止できる。
第二のフッ素樹脂層を形成する水系塗布液前に、水分散液の分散性を向上させるために、ボールミルを用いて、例えば40rpmで1時間回転させ再分散する。この再分散した水系塗布液を100メッシュの金網を用いて濾過し、スプレー法を用いて塗装する。
(5)第二のフッ素樹脂層を形成する水系塗布液の乾燥
水系塗布液を塗布後乾燥する。乾燥条件としては、例えば90℃の恒温槽内で30分程度の乾燥が好ましい。乾燥後の第二のフッ素樹脂層の層厚さは2.5〜20μm、好ましくは5〜20μm、より好ましくは10〜15μmの範囲内である。2.5μm以下であると、被膜の密着不良による剥離や初期摩耗の摩耗により、金属基材が露出するおそれがある。20μm以上であると、被膜形成時のクラック発生や運転中に剥離して潤滑状態が悪化するおそれがある。層厚さを2.5〜20μmの範囲とすることで、初期摩耗による金属基材の露出を防止でき、運転中における剥離を長期間にわたって防止できる。
なお、下地層および第二のフッ素樹脂層の塗装方法としては、スプレー法以外にディッピング法、刷毛塗り法など被膜を形成できるものであれば使用できる。被膜の表面粗さ、塗布形状をできるだけ小さくし、層厚さの均一性を考慮するとスプレー法が好ましい。
第二のフッ素樹脂層の乾燥後、加熱炉内、空気中で第二のフッ素樹脂の融点以上の温度、好ましくは(融点(Tm)+30℃)〜(融点(Tm)+100℃)、5〜40分の範囲内で焼成する。第一および第二のフッ素樹脂がPTFEの場合、好ましくは380℃の加熱炉内で30分間焼成する。
焼成後の被膜に、照射温度が第二のフッ素樹脂層の融点より30℃低い温度から該融点の20℃高い温度以下であり、より好ましくは照射線量が250kGy超750kGy以下の条件で放射線を照射してフッ素樹脂層を架橋させる。放射線としては、α線(α崩壊を行なう放射性核種から放出されるヘリウム−4の原子核の粒子線)、β線(原子核から放出される陰電子および陽電子)、電子線(ほぼ一定の運動エネルギーを持つ電子ビーム;一般に、熱電子を真空中で加速してつくる)などの粒子線;γ線(原子核、素粒子のエネルギー準位間の遷移や素粒子の対消滅、対生成などによって放出・吸収される波長の短い電磁波)などの電離放射線を用いることができる。これらの放射線の中でも、架橋効率や操作性の観点から、電子線およびγ線が好ましく、電子線がより好ましい。特に電子線は、電子線照射装置が入手しやすいこと、照射操作が簡単であること、連続的な照射工程を採用することができることなどの利点を有している。
照射線量が250kGy以下であると架橋が不十分となり、摩耗量が大きく、金属基材が露出してしまう場合がある。また、照射線量が1000kGy以上であると架橋が必要以上に進み、被膜の硬度が上昇することで、脆化し、剥離等の被膜損傷が起こりやすくなる場合がある。好ましい照射線量の上限は900kGy以下であり、より好ましくは750kGy以下である。
(1)試験片の作成
試験片:SPCC製30mm×30mm、厚さ2mmの金属平板に架橋フッ素樹脂被膜を形成した。下地層はダイキン社製プライマー塗料(型番:EK−1909S21R)、第二のフッ素樹脂層にはダイキン社製トップ塗料(型番:EK−3700C21R)を用いた。乾燥時間はそれぞれ90℃の恒温槽内で30分間乾燥し、380℃の加熱炉内で30分間焼成した。
その後、以下の条件で試験片に架橋フッ素樹脂被膜側から電子線照射を行なった。
使用装置:株式会社NHVコーポレーション社製EPS−3000
加速電圧:1.16MeV
照射線量:実験例1が0kGy(未照射)、実験例2が85kGy、実験例3が250kGy、実験例4が500kGy、実験例5が750kGy、実験例6が1000kGy
線量率:実験例2が3.9kGy/s、実験例3、実験例4、実験例5および実験例6が6.1kGy/s
コンベア速度:実験例2が3m/分、実験例3および実験例5が2m/分、実験例4および実験例6が1m/分
照射時の被膜温度:310℃
照射時のチャンバー内雰囲気:加熱窒素
電子流:実験例2が8.1mA、実験例3、実験例4、実験例5および実験例6が12.7mA
照射幅(コンベア移動方向):27.5cm
実験例1:PTFE被膜(照射線量:0kGy、被膜の層厚さ:20μm)
実験例2:PTFE被膜(照射線量:85kGy、被膜の層厚さ:20μm)
実験例3:PTFE被膜(照射線量:250kGy、被膜の層厚さ:20μm)
実験例4:PTFE被膜(照射線量:500kGy、被膜の層厚さ:20μm)
実験例5:PTFE被膜(照射線量:750kGy、被膜の層厚さ:20μm)
実験例6:PTFE被膜(照射線量:1000kGy、被膜の層厚さ:20μm)
相手材:焼入焼戻し処理したSUJ2製φ40mm×幅10mm×副曲率R60mmのリング
潤滑油:無
滑り速度:0.05m/s
荷重:50N
摺動時間:実験例1は5分間、実験例2、実験例3、実験例4、実験例5および実験例6は60分間連続で試験
潤滑状態:無潤滑
試験結果を図6に示す。比摩耗量は摩耗体積を摺動距離と荷重で除した値であり、形成された摩耗痕の短径、相手材の形状寸法(φ40mmおよびR60mm)から摩耗体積を算出した。なお、図6は、実験例1の比摩耗量を1.0とした場合のそれぞれの値の比を示した。
図6に示すように、電子線照射しなかった実験例1に比較して、実験例2、実験例3、実験例4、実験例5および実験例6は優れた比摩耗量を示した。
照射の結果、押し込み硬さが52MPaよりも低いと、摩耗量が大きく、金属基材が露出してしまう場合がある。また、押し込み硬さが90MPaよりも高いと、被膜の硬度が上昇することで、脆化し、剥離等の被膜損傷が起こりやすくなる場合がある。
(a)グリース潤滑下のサバン型摩擦摩耗試験の条件
相手材:焼入焼戻し処理したSUJ2製φ40mm×幅10mm×副曲率R60mmのリング
潤滑剤種:グリース(協同油脂製ユニマックスR2)
潤滑剤量:50mgを相手材リングに手付け
滑り速度:0.05m/s
荷重:50N
摺動時間:1時間または10時間
試験結果を図11に示す。また、無処理試験片の試験後摩耗痕の状態の写真を図12に示す。摩耗体積(鉄粉体積)は、形成された摩耗痕の短径、相手材の形状寸法(φ40mmおよびR60mm)から算出した。
図11に示すように、グリース潤滑下において、実験例4は、所定の架橋フッ素樹脂被膜を有さない無処理試験片と比較して優れた耐摩耗性を示した。なお、実験例4では、1時間および10時間のいずれの場合においても、摩耗による鉄粉は確認されなかった。
2 台車本体
2a 主電動機取付部
2b 台枠
10 主電動機
11 フレーム
12 固定子
12a コイル
13 回転子
20 主軸
20a 外周面
30 カップリング
40 駆動装置
41 小歯車
42 大歯車
50 車軸
60 車輪
70 車軸軸受装置
80 第1軸受装置
81 第2軸受装置
82 第1軸受
83 ハウジング
84 前蓋
85 端蓋
86 第2軸受
87 変位許容部材
90 主電動機用軸受
91,82a,86a 外輪
92,82b,86b 内輪
93,82c,86c 転動体
94,82d,86d 保持器
91a 外輪転走面
92a 内輪転走面
Claims (3)
- 鉄道車両の主電動機の主軸を回転自在に支持する主電動機用軸受であって、この軸受は、
内周面に外輪転走面を有し、鋼からなる外輪と、
外周面に内輪転走面を有し、前記内輪転走面が前記外輪転走面に対向するように前記外輪の内側に配置され、鋼からなる内輪と、
前記外輪転走面および前記内輪転走面に接触し、円環状の軌道上に並べて配置される複数の転動体と、
前記転動体を周方向に所定のピッチで保持する保持器とを備え、
前記転動体および前記保持器は鉄系金属材からなり、且つ前記保持器表面に架橋フッ素樹脂被膜を有しており、
前記架橋フッ素樹脂被膜は、前記鉄系金属材の表面に形成される耐熱性樹脂および第一のフッ素樹脂を含む下地層と、この下地層表面に形成された第二のフッ素樹脂を含む架橋フッ素樹脂層とからなることを特徴とする主電動機用軸受。 - 前記軸受が開放形軸受であることを特徴とする請求項1記載の主電動機用軸受。
- 前記架橋フッ素樹脂被膜は、未架橋フッ素樹脂被膜に放射線照射して架橋させた架橋フッ素樹脂被膜であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の主電動機用軸受。
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