JP6591820B2 - フォイル軸受 - Google Patents
フォイル軸受 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6591820B2 JP6591820B2 JP2015153738A JP2015153738A JP6591820B2 JP 6591820 B2 JP6591820 B2 JP 6591820B2 JP 2015153738 A JP2015153738 A JP 2015153738A JP 2015153738 A JP2015153738 A JP 2015153738A JP 6591820 B2 JP6591820 B2 JP 6591820B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- fluororesin
- bearing
- foil
- sliding layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16C—SHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
- F16C33/00—Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
- F16C33/02—Parts of sliding-contact bearings
- F16C33/04—Brasses; Bushes; Linings
- F16C33/20—Sliding surface consisting mainly of plastics
- F16C33/203—Multilayer structures, e.g. sleeves comprising a plastic lining
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16C—SHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
- F16C17/00—Sliding-contact bearings for exclusively rotary movement
- F16C17/02—Sliding-contact bearings for exclusively rotary movement for radial load only
- F16C17/024—Sliding-contact bearings for exclusively rotary movement for radial load only with flexible leaves to create hydrodynamic wedge, e.g. radial foil bearings
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16C—SHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
- F16C17/00—Sliding-contact bearings for exclusively rotary movement
- F16C17/04—Sliding-contact bearings for exclusively rotary movement for axial load only
- F16C17/042—Sliding-contact bearings for exclusively rotary movement for axial load only with flexible leaves to create hydrodynamic wedge, e.g. axial foil bearings
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16C—SHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
- F16C33/00—Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
- F16C33/02—Parts of sliding-contact bearings
- F16C33/04—Brasses; Bushes; Linings
- F16C33/20—Sliding surface consisting mainly of plastics
- F16C33/201—Composition of the plastic
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16C—SHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
- F16C2208/00—Plastics; Synthetic resins, e.g. rubbers
- F16C2208/20—Thermoplastic resins
- F16C2208/30—Fluoropolymers
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Fluid Mechanics (AREA)
- Support Of The Bearing (AREA)
- Sliding-Contact Bearings (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Description
空気動圧軸受の中で、軸受面が剛体で近似できる一般的な動圧軸受の場合、回転速度に応じた隙間の管理が重要であり、安定限界を超えるとホワールと呼ばれる振れ回りが生じる。したがって、厳密に隙間を設定しなければ所定の回転速度で運転することができないという問題がある。
ラジアルフォイル軸受の場合、軸受の内周面がトップフォイルと呼ばれる薄板で構成されており、その外周側をバックフォイルと呼ばれるトップフォイルの弾性変形を可能とする部材で支持されている。軸の回転時には,軸とトップフォイル内径面の間に空気の膜が形成され摺動する。この軸受の場合、フォイルの可撓性により軸の回転速度や荷重、周囲温度等の運転条件に応じた適切な隙間が自動的に形成されるため、安定性に優れ、上記一般的な空気動圧軸受と比較して高速回転での使用が可能である。一般的な動圧軸受の隙間は直径の(1/1000)のオーダーである。直径数mm程度の軸であれば数μm程度の隙間であり、製造時の公差および温度変化の激しい環境下における隙間量管理は極めて厳しくなる。一方、フォイル軸受の場合には数十μm程度の隙間を設けることが可能であり、製造や隙間管理が容易である。
一方、DLCなどの硬質被膜は、耐摩耗性に優れる一方で、割れの発生や、フォイルの可撓性への影響、製膜時の熱応力によるフォイルの変形などから、フォイル軸受へ適用する場合に膜厚を厚くすることは困難である。結果として十分な被膜寿命が得られず、長期的なフォイル軸受の安定性能が得られないという問題がある。
(1)軸受面に耐熱性樹脂および第一のフッ素樹脂を含む下地層と、この下地層表面に第二のフッ素樹脂層とを有し、上記耐熱性樹脂は、酸素原子、窒素原子および硫黄原子の少なくとも1つの原子を高分子構造の少なくとも主鎖に含む樹脂であり、第二のフッ素樹脂層は表面およびその近傍が架橋されてなる架橋フッ素樹脂層である。
(2)軸受面に耐熱性樹脂および第一のフッ素樹脂を含む下地層と、この下地層表面に第二のフッ素樹脂層とを有し、上記耐熱性樹脂は、酸素原子、窒素原子および硫黄原子の少なくとも1つの原子を高分子構造の少なくとも主鎖に含む樹脂であり、第二のフッ素樹脂層は摺動層表面から基材面まで架橋された架橋フッ素樹脂層である。
(4)フッ素樹脂層は軸受の基材と接していない一の面およびその近傍に存在するフッ素樹脂が摺動層表面から基材面まで架橋された架橋フッ素樹脂層である。
上記耐熱性樹脂の含有割合は、混合樹脂組成物全体の配合割合に対して、摺動層の表面側よりも軸受の基材側に多く、また、上記フッ素樹脂の含有割合は、混合樹脂組成物全体の配合割合に対して、基材側よりも摺動層の表面側に多くそれぞれ含まれており、
上記フッ素樹脂は、摺動層の表面およびその近傍が架橋された三次元構造を、摺動層の基材側面およびその近傍が未架橋の二次元構造をそれぞれ有している。
(6)摺動層は樹脂組成物からなる摺動層であり、この樹脂組成物はフッ素樹脂と耐熱性樹脂との混合樹脂組成物であり、
上記耐熱性樹脂の含有割合は、混合樹脂組成物全体の配合割合に対して、摺動層の表面側よりも軸受の基材側に多く、また、上記フッ素樹脂の含有割合は、混合樹脂組成物全体の配合割合に対して、基材側よりも摺動層の表面側に多くそれぞれ含まれており、
上記フッ素樹脂は、摺動層表面から基材面まで架橋された架橋フッ素樹脂層である。
フォイル軸受1は、軸受内周面がトップフォイル3と呼ばれる金属などの薄板、その外周が波型形状を与えた金属薄板などトップフォイルに弾性変形を与えるバックフォイル4、そして固定部であるフォイルホルダ5から構成され、この軸受1内に軸2が配置される。トップフォイル3は周方向一方の端部3aを自由端とし、他端3bがフォイルホルダ5に固定されている。
トップフォイル3の摺動面3cには架橋フッ素樹脂からなる摺動層6が形成されている。なお、軸2の摺動面、または、トップフォイル3および軸2の両方の摺動面、更にはトップフォイル3が軸2と摺動する面と反対側の面に架橋フッ素樹脂からなる摺動層を設けることができる。
図2(a)に示すリーフフォイル軸受7は、円盤状のフォイルホルダ9の端面の円周方向複数箇所に、複数のリーフ型のフォイル8が設けられている。フォイル8は周方向一方の端部を自由端とし、他端がフォイルホルダ9に固定されている。フォイル8の摺動面には架橋フッ素樹脂からなる摺動層が形成されている。図示を省略した軸が回転すると、各フォイルの軸受面とこれに対向する軸の端面との間にスラスト軸受隙間が形成され、このスラスト軸受隙間の空気などの流体膜により軸がスラスト方向に非接触支持される。
図2(b)に示すバンプフォイル軸受10は表面に架橋フッ素樹脂からなる摺動層が形成されているトップフォイル8の裏面にバックフォイル11を設けた例である。
また、軸の材料としては鉄系金属材が好ましく、転がり軸受などに使用される軸受鋼、浸炭鋼、機械構造用炭素鋼、冷間圧延鋼、または熱間圧延鋼等が挙げられる。鉄系金属材は軸形状に加工後、焼入焼戻し処理することで所定の表面硬度に調整する。例えばクロムモリブデン鋼(SCM415)を用いた鉄系金属材製保持器の場合、Hv値が484〜595に調整した鉄系金属材を使用することが好ましい。
[上記(1)の態様からなる摺動層]
摺動層の断面図を図3(a)に示す。フォイルに設けた第1軸受面とこれに対向する他方の部材の第2軸受面、例えば軸の表面の少なくとも1つに摺動層が設けられる。摺動層12は、金属材13の表面に形成された下地層14と、この下地層14の表面に形成された架橋フッ素樹脂層15とからなる。下地層14および架橋フッ素樹脂層15に含まれるフッ素樹脂は少なくとも表面層近傍が架橋されてなる架橋フッ素樹脂層である。摺動層12は基材と接していない表面ならびにその近傍層に存在するフッ素樹脂が三次元構造を有し、該フッ素樹脂層の、基材と接している面ならびにその近傍層に存在するフッ素樹脂が二次元構造を有し、摺動層表面と基材面との間に存在するフッ素樹脂の三次元構造の含率が連続的に変化している。これにより、摺動層12は、表面層より鉄系金属材3の表面に向かって架橋割合が少なくなる傾斜材料となっている。
なお、基材と接していない表面ならびにその近傍層に存在するフッ素樹脂が三次元構造を有するとは、フッ素樹脂層におけるこの部分全体が三次元構造のフッ素樹脂のみからなることに限定されず、この部分に二次元構造のフッ素樹脂が一部含まれていてもよい。同様に、基材と接している面ならびにその近傍層に存在するフッ素樹脂が二次元構造を有するとは、フッ素樹脂層におけるこの部分全体が二次元構造のフッ素樹脂のみからなることに限定されず、この部分に三次元構造のフッ素樹脂が一部含まれていてもよい。
架橋フッ素樹脂層5の層厚さt1は、下地層14の層厚さt2との合計厚さである摺動層の層厚さtに対して、10〜90%、好ましくは25〜75%である。
耐熱性樹脂の中でも芳香族環を主として含む樹脂が耐熱性に優れるため好ましい。好ましい耐熱性樹脂としては、芳香族アミドイミド樹脂、芳香族イミド樹脂が挙げられる。
金属材の表面処理工程:
金属材は、石油ベンジン等の有機溶剤内に浸漬させ、5分〜1時間程度超音波脱脂を行なうことが好ましい。
下地層を形成する水系塗布液を塗布前に、水分散液の分散性を向上させるために、ボールミルを用いて、例えば40rpmで1時間回転させ再分散する。この再分散した水系塗布液を100メッシュの金網を用いて濾過し、スプレー法を用いて塗布する。
水系塗布液を塗布後乾燥する。乾燥条件としては、例えば90℃の恒温槽内で30分程度の乾燥が好ましい。
第二のフッ素樹脂層を形成する水系塗布液前に、水分散液の分散性を向上させるために、ボールミルを用いて、例えば40rpmで1時間回転させ再分散する。下地層を焼成することなく、乾燥された下地層表面に、この再分散した水系塗布液を100メッシュの金網を用いて濾過し、スプレー法を用いて塗装する。
水系塗布液を塗布後乾燥する。乾燥条件としては、例えば90℃の恒温槽内で30分程度の乾燥が好ましい。
なお、下地層および第二のフッ素樹脂層の塗装方法としては、スプレー法以外にディッピング法、刷毛塗り法など被膜を形成できるものであれば使用できる。被膜の表面粗さ、塗布形状をできるだけ小さくし、層厚さの均一性を考慮するとスプレー法が好ましい。
第二のフッ素樹脂層の乾燥後、加熱炉内、空気中で第二のフッ素樹脂の融点以上の温度、好ましくは(融点(Tm)+30℃)〜(融点(Tm)+100℃)、5〜40分の範囲内で、下地層および第二のフッ素樹脂層を焼成する。第一および第二のフッ素樹脂がPTFEの場合、好ましくは380℃の加熱炉内で30分間焼成する。
焼成後の被膜に、照射温度が第二のフッ素樹脂層の融点より30℃低い温度から該融点の50℃高い温度以下、好ましくは第二のフッ素樹脂層の融点より10℃低い温度から該融点の20℃高い温度以下にて、また、照射線量が250kGy超750kGy以下で放射線を照射してフッ素樹脂層を架橋させる。放射線としては、α線(α崩壊を行なう放射性核種から放出されるヘリウム−4の原子核の粒子線)、β線(原子核から放出される陰電子および陽電子)、電子線(ほぼ一定の運動エネルギーを持つ電子ビーム;一般に、熱電子を真空中で加速してつくる)などの粒子線;γ線(原子核、素粒子のエネルギー準位間の遷移や素粒子の対消滅、対生成などによって放出・吸収される波長の短い電磁波)などの電離放射線を用いることができる。これらの放射線の中でも、架橋効率や操作性の観点から、電子線およびγ線が好ましく、電子線がより好ましい。特に電子線は、電子線照射装置が入手しやすいこと、照射操作が簡単であること、連続的な照射工程を採用することができることなどの利点を有している。
照射線量が250kGy以下であると架橋が不十分となり、摩耗量が大きく、金属基材が露出してしまう場合がある。また、照射線量が750kGy超であると架橋が必要以上に進み、被膜の硬度が上昇することで、脆化し、剥離等の被膜損傷が起こりやすくなる場合がある。
(i)試験片の作成
試験片:SPCC製30mm×30mm、厚さ2mmの金属平板に摺動層を形成した。下地層はダイキン社製プライマー塗料(型番:EK−1909S21R)、第二のフッ素樹脂層にはダイキン社製トップ塗料(型番:EK−3700C21R)を用いた。乾燥時間はそれぞれ90℃の恒温槽内で30分間乾燥し、380℃の加熱炉内で30分間下地層および第二のフッ素樹脂層を同時に焼成した。
その後、以下の条件で試験片に摺動層側から電子線照射を行なった。
使用装置:浜松ホトニクス株式会社製EBエンジン
照射線量:実験例1が0kGy(未照射)、実験例2が500kGy、実験例3が1000kGy
加速電圧:70kV
照射時の被膜温度:340℃
照射時のチャンバー内雰囲気:加熱窒素
実験例1:PTFE被膜(照射線量:0kGy、層厚さ:20μm)
実験例2:PTFE被膜(照射線量:500kGy、層厚さ:20μm)
実験例3:PTFE被膜(照射線量:1000kGy、層厚さ:20μm)
相手材:焼入焼戻し処理したSUJ2製φ40mm×幅10mm×副曲率R60mmのリング
潤滑油:無潤滑
滑り速度:0.05m/s
荷重:50N
摺動時間:実験例1が5分、実験例2が50分
試験結果を表1に示す。比摩耗量は摩耗体積を摺動距離と荷重で除した値であり、形成された摩耗痕の短径、相手材の形状寸法(φ40mmおよびR60mm)から摩耗体積を算出した。なお、表1は、実験例1の摩耗量および摩擦係数を1.000とした場合の実験例2の摩耗量および摩擦係数を示した。
摺動層の断面図を図3(b)に示す。摺動層12は、金属材13の表面に形成された下地層14と、この下地層14の表面に形成された架橋フッ素樹脂層15とからなる。架橋フッ素樹脂層15は摺動層表面から基材面まで架橋された架橋フッ素樹脂層である。
摺動層の断面図を図8(a)に示す。摺動層12は、金属材13の表面に形成された架橋フッ素樹脂層15からなる。架橋フッ素樹脂層15は金属基材と接していない一の面15aおよびその近傍に存在するフッ素樹脂が三次元構造からなる架橋構造を有し、該フッ素樹脂層の、金属基材と接している他の面14aおよびその近傍14に存在するフッ素樹脂が未架橋構造を有し、該一の面と該他の面との間に存在するフッ素樹脂の三次元構造の含率が連続的に変化している架橋フッ素樹脂層である。
摺動層の断面図を図8(b)に示す。摺動層12は、金属材13の表面に形成された架橋フッ素樹脂層15からなる。架橋フッ素樹脂層15は金属基材面から摺動層表面まで三次元構造からなる架橋構造を有している。この摺動層の表面の面の固体19F MAS NMRを測定したところ、摺動層表面が架橋していることが分かった。
摺動層はフッ素樹脂と耐熱性樹脂との混合樹脂組成物であり、初期混合物の配合割合に比較して、耐熱性樹脂の含有割合が摺動層の表面側よりも軸受の基材側に多く、また、フッ素樹脂の含有割合が基材側よりも摺動層の表面側に多くそれぞれ含まれている。また、フッ素樹脂は、摺動層の表面およびその近傍が架橋された三次元構造を、摺動層の基材側面およびその近傍が未架橋の二次元構造をそれぞれ有している。
摺動層の断面図を図9(a)、(b)に示す。図9(a)は摺動層の表面およびその近傍領域のフッ素樹脂が三次元構造を有する例であり、図9(b)はフッ素樹脂が三次元構造から二次元構造へ連続的に変化する傾斜構造を有する例である。
水系塗布液は、主溶媒としての水にフッ素樹脂および耐熱樹脂の微粒子を分散させることで得られる。溶媒としては耐熱性樹脂を溶解させると共に、水と任意の割合で混合するN−メチル−2−ピロリドンなどの非プロトン系極性溶剤を配合することが好ましい。また、水系塗布液には、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなどの非イオン界面活性剤、カーボンブラックなどの無機顔料、主溶媒としての水が配合される。また、消泡剤、乾燥剤、増粘剤、レベリング剤、ハジキ防止剤などを配合できる。
摺動層の断面図を図9(c)に示す。摺動層12はフッ素樹脂と耐熱性樹脂との混合樹脂組成物であり、初期混合物の配合割合に比較して、耐熱性樹脂の含有割合が摺動層の表面側よりも軸受の基材側に多く、また、フッ素樹脂の含有割合が基材側よりも摺動層の表面側に多くそれぞれ含まれている。また、フッ素樹脂は、摺動層の表面から基材側近傍まで架橋している。この摺動層全体の固体19F MAS NMRを測定したところ、摺動層が架橋していることが分かった。
図2(a)に示すリーフフォイル軸受のフォイルの表面に上記実験例2の材料を用いて厚さ50μmの架橋PTFEからなる摺動層を形成し実施例1とした。また、上記実験例1の材料を用いて厚さ50μmの未架橋架橋PTFEからなる摺動層を形成し比較例1とした。図2(a)に示すリーフフォイル軸受のフォイルの表面に公知の方法により厚さ2μmのDLC膜を形成し、比較例2とした。
これらのリーフフォイル軸受を用いて、軸の回転による浮上−停止を1サイクルとし、サイクル回数を重ねた際の摺動に対する被膜の耐久性を確認した。結果を表2に記す。
2 軸
3 トップフォイル
4 バックフォイル
5 フォイルホルダ
6 摺動層
7 リーフフォイル軸受
8 リーフ型のフォイル
9 フォイルホルダ
10 バンプフォイル軸受
11 バックフォイル
12 摺動層
13 金属材
14 下地層
15 架橋フッ素樹脂層
Claims (4)
- 可撓性を有する薄いフォイルで軸受面を構成し、その外周にフォイルが弾性変形可能となるように支持部を備え、回転側部材の回転に伴ってフォイルに設けた第1軸受面とこれに対向する前記回転側部材の第2軸受面との間の軸受隙間に流体膜が形成され、その圧力で前記回転側部材が支持されるフォイル軸受であって、
前記フォイルの表面および裏面の少なくとも1つの面に摺動層を有し、
前記第1軸受面および前記第2軸受面の少なくとも1つの軸受面が摺動層を有し、前記摺動層は少なくとも表面およびその近傍が架橋フッ素樹脂層を有し、
前記摺動層は、前記軸受面に耐熱性樹脂および第一のフッ素樹脂を含む下地層と、この下地層表面に第二のフッ素樹脂層とを有し、
前記耐熱性樹脂は、酸素原子、窒素原子および硫黄原子の少なくとも1つの原子を高分子構造の少なくとも主鎖に含む樹脂であり、
前記第二のフッ素樹脂層は表面およびその近傍が架橋されてなる架橋フッ素樹脂層であるか、または摺動層表面から基材面まで架橋された架橋フッ素樹脂層であることを特徴とするフォイル軸受。 - 可撓性を有する薄いフォイルで軸受面を構成し、その外周にフォイルが弾性変形可能となるように支持部を備え、回転側部材の回転に伴ってフォイルに設けた第1軸受面とこれに対向する前記回転側部材の第2軸受面との間の軸受隙間に流体膜が形成され、その圧力で前記回転側部材が支持されるフォイル軸受であって、
前記フォイルの表面および裏面の少なくとも1つの面に摺動層を有し、
前記第1軸受面および前記第2軸受面の少なくとも1つの軸受面が摺動層を有し、前記摺動層は少なくとも表面およびその近傍が架橋フッ素樹脂層を有し、
前記摺動層はフッ素樹脂層であり、このフッ素樹脂層は軸受の基材と接していない一の面およびその近傍に存在するフッ素樹脂が三次元構造からなる架橋構造を有し、該フッ素樹脂層の、前記基材と接している他の面およびその近傍に存在するフッ素樹脂が未架橋構造を有し、該一の面と該他の面との間に存在するフッ素樹脂の三次元構造の含率が連続的に変化しているか、または摺動層表面から前記基材面まで架橋された架橋フッ素樹脂層であることを特徴とするフォイル軸受。 - 可撓性を有する薄いフォイルで軸受面を構成し、その外周にフォイルが弾性変形可能となるように支持部を備え、回転側部材の回転に伴ってフォイルに設けた第1軸受面とこれに対向する前記回転側部材の第2軸受面との間の軸受隙間に流体膜が形成され、その圧力で前記回転側部材が支持されるフォイル軸受であって、
前記フォイルの表面および裏面の少なくとも1つの面に摺動層を有し、
前記第1軸受面および前記第2軸受面の少なくとも1つの軸受面が摺動層を有し、前記摺動層は少なくとも表面およびその近傍が架橋フッ素樹脂層を有し、
前記摺動層は樹脂組成物からなる摺動層であり、前記樹脂組成物はフッ素樹脂と耐熱性樹脂との混合樹脂組成物であり、
前記耐熱性樹脂の含有割合は、前記混合樹脂組成物全体の配合割合に対して、前記摺動層の表面側よりも軸受の基材側に多く、前記フッ素樹脂の含有割合は、前記混合樹脂組成物全体の配合割合に対して、前記基材側よりも前記摺動層の表面側に多くそれぞれ含まれており、
前記フッ素樹脂は、前記摺動層の表面およびその近傍が架橋された三次元構造を、前記摺動層の前記基材側面およびその近傍が未架橋の二次元構造をそれぞれ有するか、または前記摺動層表面から前記基材面まで架橋された架橋フッ素樹脂層であることを特徴とするフォイル軸受。 - 前記摺動層からなる軸受面の相手面となる摺動部材の表面粗さがRa 0.8μm以下であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項記載のフォイル軸受。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015153738A JP6591820B2 (ja) | 2015-08-03 | 2015-08-03 | フォイル軸受 |
PCT/JP2016/072799 WO2017022795A1 (ja) | 2015-08-03 | 2016-08-03 | フォイル軸受 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015153738A JP6591820B2 (ja) | 2015-08-03 | 2015-08-03 | フォイル軸受 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017032094A JP2017032094A (ja) | 2017-02-09 |
JP6591820B2 true JP6591820B2 (ja) | 2019-10-16 |
Family
ID=57943088
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015153738A Expired - Fee Related JP6591820B2 (ja) | 2015-08-03 | 2015-08-03 | フォイル軸受 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6591820B2 (ja) |
WO (1) | WO2017022795A1 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018150971A (ja) * | 2017-03-10 | 2018-09-27 | Ntn株式会社 | フォイル軸受 |
WO2019124393A1 (ja) * | 2017-12-19 | 2019-06-27 | Ntn株式会社 | フォイル軸受、フォイル軸受ユニット、ターボ機械、フォイル軸受の製造方法 |
JP7065715B2 (ja) * | 2017-12-19 | 2022-05-12 | Ntn株式会社 | フォイル軸受、フォイル軸受ユニット、ターボ機械、フォイル軸受の製造方法 |
DE102018219389A1 (de) * | 2018-11-14 | 2020-05-14 | Robert Bosch Gmbh | Luftlager |
DE102019212919A1 (de) * | 2019-08-28 | 2021-03-04 | Robert Bosch Gmbh | Folienlager |
CN110701188B (zh) * | 2019-10-21 | 2020-09-29 | 北京航空航天大学 | 一种用于磁轴承的柔性簧片轴向保护轴承 |
DE202022106777U1 (de) * | 2022-12-02 | 2022-12-21 | Robert Bosch Gesellschaft mit beschränkter Haftung | Gasfördervorrichtung |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4015388B2 (ja) * | 2001-08-20 | 2007-11-28 | 三菱重工業株式会社 | フォイルガス軸受 |
JP2003262222A (ja) * | 2002-03-08 | 2003-09-19 | Ntn Corp | フォイル軸受 |
JP4287208B2 (ja) * | 2003-07-09 | 2009-07-01 | 本田技研工業株式会社 | フォイル式流体軸受の製造方法およびフォイル式流体軸受の寸法測定装置 |
KR100849075B1 (ko) * | 2006-08-29 | 2008-07-30 | 한국과학기술연구원 | 고속 터보 기기의 무급유 베어링용 중온 코팅제 및 그 코팅방법 |
US8944690B2 (en) * | 2009-08-28 | 2015-02-03 | Saint-Gobain Performance Plastics Pampus Gmbh | Corrosion resistant bushing |
JP5911026B2 (ja) * | 2010-09-28 | 2016-04-27 | サン−ゴバン パフォーマンス プラスティックス コーポレイション | ブッシュのためのキャストフルオロポリマーフィルム |
-
2015
- 2015-08-03 JP JP2015153738A patent/JP6591820B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
2016
- 2016-08-03 WO PCT/JP2016/072799 patent/WO2017022795A1/ja active Application Filing
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2017032094A (ja) | 2017-02-09 |
WO2017022795A1 (ja) | 2017-02-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6591820B2 (ja) | フォイル軸受 | |
JP6769775B2 (ja) | 摺動部材、転がり軸受および保持器 | |
WO2015115655A1 (ja) | 摺動部材、転がり軸受および保持器 | |
JP2014046673A (ja) | 摺動部材 | |
JPWO2006080527A1 (ja) | 薄肉軸受 | |
WO2009081825A1 (ja) | スラスト軸受用摺動部材 | |
JP2014240614A (ja) | 容積式ポンプ | |
JP2008039037A (ja) | 波動歯車装置用軸受 | |
JP6457285B2 (ja) | 転がり軸受用保持器および転がり軸受 | |
JP2017032142A (ja) | 摺動部材、転がり軸受および保持器 | |
JP6517523B2 (ja) | 摺動部材、転がり軸受および保持器 | |
JP2018059629A (ja) | 転がり軸受用保持器および転がり軸受 | |
JP2020051444A (ja) | 駆動車輪用軸受装置 | |
JP2007002912A (ja) | 転がり軸受 | |
WO2017022801A1 (ja) | 摺動部材、転がり軸受および保持器 | |
JP2017032143A (ja) | 摺動部材、転がり軸受および保持器 | |
WO2017022794A1 (ja) | 転がり軸受用保持器および転がり軸受 | |
WO2017164399A1 (ja) | 転がり軸受用保持器および転がり軸受 | |
WO2018062407A1 (ja) | 転がり軸受用保持器および転がり軸受 | |
JP6577193B2 (ja) | 転がり軸受用保持器および転がり軸受 | |
JP6517562B2 (ja) | 主電動機用軸受 | |
JP2020051506A (ja) | 転がり軸受用保持器および転がり軸受 | |
JP6855974B2 (ja) | 転がり軸受及びその製造方法 | |
JP2020051439A (ja) | 摺動部材、転がり軸受および保持器 | |
JP2018059628A (ja) | 転がり軸受用保持器および転がり軸受 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20180726 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190409 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190607 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20190903 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20190919 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6591820 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |