JP6514783B2 - 高純度錫及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、酸素含有量が極めて少ない高純度錫(Sn)及びそれを製造する方法に関する。
市販で入手可能な高純度錫の製造方法は、スルファミン酸錫、硫酸錫、塩化錫などの酸性錫溶液からの電解法が一般的である。
例えば、特公昭62−1478号公報(特許文献1)には、低α線化を目的として、99.95重量%以上の錫をアノードとし、液組成はSn:30〜150g/L、放射性同位元素をほとんど含有しないスルファミン酸30〜200g/Lで、電解条件はカソード電流密度:0.5〜2.0Amp/dm2、液温度:15〜50℃で電解を行う方法が記載されている(特許文献1の請求項2)。
特許第2754030号公報(特許文献2)には、低α線化を目的として、JIS K 8951に規定される試薬一級硫酸の規格に少なくとも適合する硫酸90〜240g/LとJIS K 8180に規定される試薬一級塩酸の規格に少なくとも適合する塩酸10〜50g/Lを含有する電解液中で、純度が99.97重量%以上である錫を陽極に用いて電解を行なうことを特徴とする錫の製造方法が記載されている(特許文献2の請求項1)。
特許第3882608号公報(特許文献3)には、金属錫中の不純物の電解精製による鉛の除去方法が記載されている。具体的には、硫酸と珪フッ酸の混酸からなる電解液を用いた錫の電解精製において、錫電解液を電解槽から抜き出して沈澱槽に導き、沈澱槽において電解液に炭酸ストロンチウムを添加して35℃以下の液温下で液中の鉛を沈殿化し、次いでこの沈殿物を含む電解液を濾過器に導いて沈殿物を濾過分離し、沈殿物を除去した電解液を電解槽に戻して錫の電解精製を行うことを特徴とする高純度錫の電解精製方法が記載されている(特許文献3の請求項1)。
特許第5296269号公報(特許文献4)には、原料となる錫を酸、たとえば硫酸で浸出させた後、この浸出液を電解液とし、該電解液に不純物の吸着材を懸濁させ、原料Snアノードを用いて電解精製を行う方法が記載されており、これにより純度が5N以上(但し、O、C、N、H、S、Pのガス成分を除く)の高純度錫が得られることが記載されている。具体的には、アノードとして3Nレベルの錫を用い硫酸浴や塩酸浴で電解温度10〜80℃、電流密度0.1〜50A/dm2の条件で電解精製する方法が記載されている。不純物の吸着は、電解液中に、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化錫等の酸化物、活性炭、カーボンを懸濁させて行うことが記載されている。
一方で、非特許文献1には、錫はリソグラフィー用EUV(Extreme Ultraviolet:極端紫外線)光源を発生させるのに使用する錫ドロップレットターゲットの原料として使用されることが記載されている。
特公昭62−1478号公報 特許第2754030号公報 特許第3882608号公報 特許第5296269号公報
東口武史、遠藤彰、溝口計、「EUV光源開発の現状」、Journal of Plasma and Fusion Research、The Japan Society of Plasma Science and Nuclear Fusion Research Vol.89、No.6 June 2013、p.341−348
先行技術で開示される製法によれば、高純度化した錫を得ることは可能である。しかしながら、先行技術によって得られる錫では、リソグラフィー用EUV(Extreme Ultraviolet:極端紫外線)光源の、EUV光を発生させるために用いられる錫ターゲット材の原料として用いると、EUV光源装置内で錫ターゲットを加熱、溶融して、数十μm程度の微小径のドロップレットを生成させる際に、ドロップレット発生器のノズルが詰まり易くなり、リソグラフィー工程に支障を起こすことが分かった。
本発明者は当該原因について検討したところ、硫酸等の電解液を用いた湿式プロセスにより電解精製した錫は酸素や硫黄(酸化物や硫化物として混入する場合を含む)の混入量が多く、これが特性に悪影響を与えていることが分かった。従来の湿式プロセスでは金属不純物は除去できるものの、酸素や硫黄を除去することは困難である。
本発明は上記事情に鑑みて創作されたものであり、その目的の一つは、酸素含有量が極めて低い高純度錫を提供することであり、好ましくは酸素含有量及び硫黄含有量が極めて低い高純度錫を提供することである。また、本発明の目的の別の一つは、酸素含有量が極めて低い高純度錫を製造する方法を提供することであり、好ましくは酸素含有量及び硫黄含有量が極めて低い高純度錫を製造する方法を提供することである。
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討したところ、電解精製した錫中に炭素を所定量含有させた状態で、当該錫を真空加熱すると、当該錫中で遊離酸素又は酸化物を形成している酸素が炭素と反応して、一酸化炭素又は二酸化炭素を形成して揮発除去されることが分かった。これにより、錫中の酸素濃度を極めて低くすることができることが分かった。また、当該操作によって、錫中の硫黄分も顕著に低減されることがわかった。硫黄は蒸気圧が高いため、真空加熱により単体硫黄として除去されるが、酸化硫黄等の化合物としても除去されるため、このことも酸素量及び硫黄量の低減に寄与していると考えられる。本発明は、上記知見に基づいて完成したものである。
本発明は一側面において、錫の純度が5N(99.999質量%、但し、炭素、窒素、酸素、水素を除く。)以上である高純度錫であって、Dynamic−SIMSにより元素分析したときの酸素含有量が10質量ppb未満であり、かつ、GD−MSで元素分析したときの硫黄含有量が0.01質量ppm未満である高純度錫である。
本発明に係る高純度錫の更に別の一実施形態においては、Dynamic−SIMSにより元素分析したときの炭素含有量が10質量ppb未満である。
本発明は別の一側面において、純度が3N(99.9質量%、但し、炭素、窒素、酸素、水素を除く。)以上であり、非分散型赤外線吸収法により元素分析したときの酸素含有量が5質量ppm以上、炭素含有量が10質量ppm以上である錫を、Dynamic−SIMSにより元素分析したときの当該錫中の酸素含有量が10質量ppb未満に低減され、かつ、GD−MSで元素分析したときの硫黄含有量が0.01質量ppm未満に低減されるまで真空加熱処理することを含む高純度錫の製造方法である。
本発明に係る高純度錫の製造方法の一実施形態においては、真空加熱処理を400℃以上、真空度を1×10-3Pa(絶対圧)よりも高い真空度として実施する。
本発明に係る高純度錫の製造方法の別の一実施形態においては、真空加熱処理を3時間以上行う。
本発明に係る高純度錫の製造方法の更に別の一実施形態においては、純度が3N(99.9質量%、但し、炭素、窒素、酸素、水素を除く。)以上であり、非分散型赤外線吸収法により元素分析したときの酸素含有量が5質量ppm以上、炭素含有量が10質量ppm未満である原料錫を、炭素含有化合物の一種以上を含有する電解液を使用して電解精錬することにより前記錫を得る工程を更に含む。
本発明に係る高純度錫の製造方法の更に別の一実施形態においては、前記炭素含有化合物が平滑剤である。
本発明に係る高純度錫の製造方法の更に別の一実施形態においては、純度が3N(99.9質量%、但し、炭素、窒素、酸素、水素を除く。)以上であり、非分散型赤外線吸収法により元素分析したときの酸素含有量が5質量ppm以上、炭素含有量が10質量ppm未満である原料錫に対して、単体炭素を添加することにより、前記錫を得る工程を更に含む。
本発明に係る高純度錫の製造方法の更に別の一実施形態においては、前記錫中には酸素原子1モルに対して炭素原子が1モル以上500モル以下の割合で存在している。
本発明に係る高純度錫の製造方法の更に別の一実施形態においては、前記錫中には酸素原子1モルに対して炭素原子が50モル以上100モル以下の割合で存在している。
本発明は更に別の一側面において、本発明に係る高純度錫を材料とするリソグラフィー用EUV光源の、EUV光を発生させるために用いられる錫ターゲット材である。
本発明の一実施形態によれば、表面だけでなく内部の遊離酸素及び酸化物を効果的に低減することができるため、二次イオン質量分析法(以下、「Dynamic−Secondary Ion Mass Spectrometry:Dynamic−SIMS」という。)により元素分析したときの酸素含有量が10質量ppb未満である高純度錫を得ることができる。本発明の別の一実施態様によれば、Dynamic−SIMSにより元素分析したときの炭素含有量が10質量ppb未満である高純度錫を得ることができる。また、本発明の更に別の一実施態様によれば、グロー放電質量分析法(以下、Glow Discharge Mass Spectrometry:GD−MS)により元素分析したときの硫黄含有量が0.01質量ppm未満である高純度錫を得ることができる。
炭素含有化合物を錫電解時に添加する場合の精製方法の一例を示す工程フロー図である(実施例1〜4)。 単体炭素を真空加熱処理時に添加する場合の精製方法の一例を示す工程フロー図である(実施例5〜8)。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。本発明に係る高純度錫の製造方法の一実施形態においては、純度が3N(99.9質量%)以上であり、非分散型赤外線吸収法により元素分析したとき、酸素含有量が5質量ppm以上、炭素含有量が10質量ppm以上である錫を、Dynamic−SIMSにより元素分析したときの当該錫中の酸素含有量が10質量ppb未満に低減されるように真空加熱処理することを含む。なお、本発明において記述する錫純度は、炭素、窒素、酸素及び水素を除いた値であり、GD−MS法で測定可能であり、この高純度錫中に含まれる不純物元素の測定は、Snをマトリクスとして、Li、Be、B、F、Na、Mg、Al、Si、P、S、Cl、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、As、Se、Br、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sb、Te、I、Cs、Ba、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、Th、Uを対象として不純物元素73成分を分析した結果を意味する。
本発明に係る高純度錫は一実施形態において、GD−MS法による質量分析の結果、Li、Be、B、F、Na、Mg、Al、Si、Cl、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Co、Ni、Zn、Ga、Ge、As、Se、Br、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Te、I、Cs、Ba、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Th、Uはいずれも検出限界値未満である。
本発明において「検出限界値未満」とは、Sc、Vが0.001質量ppm未満、Li、Be、B、Ti、Cr、Mn、Fe、Cu、Ga、As、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Rh、Pd、Ag、Ce、Nd、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Bi、Th、Uが0.005質量ppm未満、Na、Mg、Al、Si、P、S、Cl、K、Ca、Co、Ni、Zn、Ge、Se、Mo、Ru、Eu、Hf、W、Re、Os、Ir、Pt、Pbが0.01質量ppm未満、Tlが0.02質量ppm未満、F、Br、Cd、I、Cs、Au、Hgが0.05質量ppm未満、Te、Ba、La、Prが0.1質量ppm未満、Sbが質量0.5ppm未満、Inが1質量ppm未満、Taが5質量ppm未満であることを意味する。検出限界値未満の元素濃度は0とみなす。
(A.原料錫)
2N(純度99質量%)レベルの純度を持つ市販の原料錫は、非常に多くの不純物や異物を多数含有している。例えば、酸素や硫黄が錫と結合した酸化錫(SnO、SnO2)や硫化錫(SnS、SnS2)、異物(SiO2等の系外からの非金属介在物)が表面及び内部に残存している。また、錫中で異物となる鉄、鉛、亜鉛及び銅等の金属化合物も多く含まれている。
そこで、原料錫としては、純度の低い原料錫を使用すると精製工程に負担がかかることから、炭素、窒素、酸素及び水素を除いて、99.9質量%(3N)以上の純度をもつ原料錫が好ましく、99.995質量%(4N5)以上の純度をもつ原料錫がより好ましい。但し、過度に純度の高い原料錫を使用すると経済性が悪化するため、典型的な原料錫の純度は99.9〜99.99質量%(3N〜4N)であり、より典型的な原料錫の純度は99.95〜99.98質量%(3N5〜3N8)である。このような高純度の原料錫であっても、非分散型赤外線吸収法により元素分析したとき、酸素含有量は典型的には5質量ppm以上であり、より典型的には10〜50質量ppmであり、GD−MS法により元素分析したとき、硫黄含有量は典型的には0.5質量ppm以上であり、より典型的には1〜30質量ppmである。
本発明においては、原料錫に含まれる酸素を、炭素を利用して除去することから、真空加熱処理前の錫には所定濃度で炭素が含まれていることが必要となる。適切な炭素含有量は酸素含有量に応じて変化し得るが、酸素の除去効率の観点から、酸素原子1モルに対して炭素原子が1モル以上の割合で存在していることが好ましく、10モル以上の割合で存在していることがより好ましく、50モル以上の割合で存在していることが更により好ましい。但し、真空加熱処理前の錫中の炭素含有量が多すぎると未反応の炭素が真空加熱時の溶融状態の錫の表面に浮上して無駄になることから、炭素含有量は酸素原子1モルに対して炭素原子が500モル以下の割合で存在していることが好ましく、100モル以下の割合で存在していることがより好ましい。
(B.電解精錬)
市場で入手可能な純度が3N以上の錫においては、炭素濃度が10質量ppm未満と低い場合が多い。このような場合は、純度が3N以上である錫を原料として電解精錬を行い、得られた電解精錬錫に単体炭素を添加して後述する真空加熱処理を行うか、又は炭素含有化合物の一種以上を含有する電解液を使用して電解精錬することにより、錫中の炭素含有量を高め、10〜100質量ppmの濃度とすることができる。電解精錬は、原料錫を陽極として電解精製するか、又は、硫酸で化学的に浸出した後に電解採取することにより実施することができる。
硫酸浸出に使用する硫酸は4価錫の発生を防ぐため、浸出後の硫酸錫溶液のpHを1以下にすることが好ましい。
硫酸浸出によって得られる硫酸錫水溶液中の錫濃度は生産性を高めるため、30g/L以上であることが好ましく、50g/L以上であることがより好ましく、70g/L以上であることが更により好ましい。また、錫濃度は沈殿を発生させない理由により120g/L以下であることが好ましく、100g/L以下であることがより好ましい。
硫酸浸出に使用する硫酸の温度は安全性の理由により、100℃以下であることが好ましく、90℃以下であることがより好ましく、80℃以下であることが更により好ましい。一方、反応速度の観点から50℃以上であることが好ましく、60℃以上であることがより好ましく、70℃以上であることが更により好ましい。
硫酸浸出によって得られた硫酸酸性硫酸錫電解液から電解採取によって錫をカソード上に電析する。酸化層を低減するという理由により、電析錫は板状であるのが好ましい。電解採取時の電解液温度は電解液の抵抗を減らす(電気伝導度を上げる)という理由により10℃以上であることが好ましく、20℃以上であることがより好ましく、30℃以上であることが更により好ましい。一方、安全性及び経済性の理由により80℃以下であることが好ましく、60℃以下であることがより好ましく、40℃以下であることが更により好ましい。
電解精錬時の電流密度は生産性の観点から0.1A/dm2以上であることが好ましく、0.5A/dm2であることがより好ましく、1.0A/dm2以上であることが更により好ましい。また、電解精錬時の電流密度は4価錫の発生を抑制するとともに発熱対策の理由により10A/dm2以下であることが好ましく、5A/dm2以下であることがより好ましく、3A/dm2以下であることが更により好ましい。
電解液中に炭素含有化合物の一種以上を添加する場合、電解液中に添加すべき炭素含有化合物の濃度は錫中に添加すべき炭素含有量によって異なり、錫中の炭素濃度と酸素濃度の関係が先述した範囲となるように添加することが好ましい。例示的には電解液中で0.01〜100g/Lが好ましく、0.1〜50g/Lがより好ましく、1〜10g/Lが更により好ましい。
炭素含有化合物としては、平滑剤が好適である。平滑で表面積が小さな錫が得られることで、表面酸化物の生成を抑制する効果も得られる。平滑剤としてはアニオン系、カチオン系、ノニオン系、又は両性などの各種界面活性剤が使用できるが、ナトリウムやカリウムなどを含有しないためノニオン系界面活性剤を使用することが好ましい。このノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル型界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル型界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルアミノエーテル型界面活性剤が挙げられる。
ポリオキシエチレンアルキルエーテル型界面活性剤としては、ポリオキシエチレンデシルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンヤシアルコールエーテル、ポリオキシエチレン−2−エチルヘキシルエーテル、ポリオキシエチレン合成アルコールエーテル、ポリオキシエチレンセカンダリーアルコールエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル等が好適である。また、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル型界面活性剤では、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンクミルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン多核フェニルエーテル、ポリオキシエチレン−β−ナフトールエーテル、ポリオキシエチレンビスフェノール−A−エーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル、ノニルフェノールノボラックEO付加物等が好適である。更に、ポリオキシエチレンアルキルアミノエーテル型界面活性剤では、ポリオキシエチレンラウリルアミノエーテル、ポリオキシエチレン牛脂アミノエーテル、ポリオキシエチレンオレイルアミノエーテル、ポリオキシエチレンステアリルアミノエーテル、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−N−シクロヘキシルアミンのEO付加物等が好適である。
その他の平滑剤としては、β−ナフトール、β−ナフトール−6−スルホン酸、β−ナフタレンスルホン酸、m−クロロベンズアルデヒド、p−ニトロベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、(o−、p−)メトキシベンズアルデヒド、バニリン、(2,4−、2,6−)ジクロロベンズアルデヒド、(o−、p−)クロロベンズアルデヒド、1−ナフトアルデヒド、2−ナフトアルデヒド、2(4)−ヒドロキシ−1−ナフトアルデヒド、2(4)−クロロ−1−ナフトアルデヒド、2(3)−チオフェンカルボキシアルデヒド、2(3)−フルアルデヒド、3−インドールカルボキシアルデヒド、サリチルアルデヒド、o−フタルアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、パラアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−バレルアルデヒド、アクロレイン、クロトンアルデヒド、グリオキサール、アルドール、スクシンジアルデヒド、カプロンアルデヒド、イソバレルアルデヒド、アリルアルデヒド、グルタルアルデヒド、1−ベンジリデン−7−ヘプタナール、2,4−ヘキサジエナール、シンナムアルデヒド、ベンジルクロトンアルデヒド、アミン−アルデヒド縮合物、酸化メシチル、イソホロン、ジアセチル、ヘキサンジオン−3,4、アセチルアセトン、3−クロロベンジリデンアセトン、sub.ピリジリデンアセトン、sub.フルフリジンアセトン、sub.テニリデンアセトン、4−(1−ナフチル)−3−ブテン−2−オン、4−(2−フリル)−3−ブテン−2−オン、4−(2−チオフェニル)−3−ブテン−2−オン、クルクミン、ベンジリデンアセチルアセトン、ベンザルアセトン、アセトフェノン、(2,4−、3,4−)ジクロロアセトフェノン、ベンジリデンアセトフェノン、2−シンナミルチオフェン、2−(ω−ベンゾイル)ビニルフラン、ビニルフェニルケトン、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、クロトン酸、プロピレン−1,3−ジカルボン酸、ケイ皮酸、(o−、m−、p−)トルイジン、(o−、p−)アミノアニリン、アニリン、(o−、p−)クロロアニリン、(2,5−、3,4−)クロロメチルアニリン、N−モノメチルアニリン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N−フェニル−(α−、β−)ナフチルアミン、メチルベンズトリアゾール、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、1,2,3−ベンズトリアジン、イミダゾール、2−ビニルピリジン、インドール、キノリン、モノエタノールアミンとo−バニリンの反応物、ポリビニルアルコール、カテコール、ハイドロキノン、レゾルシン、ポリエチレンイミン、エチレンジアミンテトラ酢酸二ナトリウム、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。
また、ゼラチン、ポリペプトン、N−(3−ヒドロキシブチリデン)−p−スルファニル酸、N−ブチリデンスルファニル酸、N−シンナモイリデンスルファニル酸、2,4−ジアミノ−6−(2’−メチルイミダゾリル(1’))エチル−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−(2’−エチル−4−メチルイミダゾリル(1’))エチル−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−(2’−ウンデシルイミダゾリル(1’))エチル−1,3,5−トリアジン、サリチル酸フェニル、或は、ベンゾチアゾール類も平滑剤として有効である。上記ベンゾチアゾール類としては、ベンゾチアゾール、2−メチルベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(メチルメルカプト)ベンゾチアゾール、2−アミノベンゾチアゾール、2−アミノ−6−メトキシベンゾチアゾール、2−メチル−5−クロロベンゾチアゾール、2−ヒドロキシベンゾチアゾール、2−アミノ−6−メチルベンゾチアゾール、2−クロロベンゾチアゾール、2,5−ジメチルベンゾチアゾール、6−ニトロ−2−メルカプトベンゾチアゾール、5−ヒドロキシ−2−メチルベンゾチアゾール、2−ベンゾチアゾールチオ酢酸などが挙げられる。
(C.真空加熱処理)
必要に応じて炭素濃度を高めた上記錫を真空加熱することにより、錫中の酸素濃度及び硫黄濃度が有意に低減する。錫を真空加熱すると、当該錫中で遊離酸素又は酸化物を形成している酸素が炭素と反応し、一酸化炭素又は二酸化炭素を形成して揮発除去される。また、当該操作によって、錫中の硫黄分も単体硫黄又は酸化硫黄等の化合物の形態で顕著に低減される。
先述したように、電解精錬錫に単体炭素を添加する場合は、真空加熱時に添加することができる。具体的な方法としては、粉末状の単体炭素を真空溶解状態の電解精錬錫に添加する方法が挙げられる。単体炭素としては特に制限はないが、グラファイト、カーボンナノチューブ、炭素繊維、フラーレン、ダイヤモンド等が挙げられる。単体炭素の平均粒径は分散および反応性の理由から、1〜1000μmが好ましく、30〜500μmがより好ましく、50〜200μmが更により好ましい。本発明において、単体炭素の平均粒径はレーザー回折散乱法で粒度分布測定したときの体積基準でのD50とする。
錫中の酸素濃度を有意に低下させる上では、真空加熱処理の温度、真空度及び保持時間が重要なパラメータである。酸素と炭素の反応、更には酸素と硫黄の反応を促進する観点から、真空加熱処理時の温度は400℃以上であることが好ましく、600℃以上であることがより好ましく、800℃以上であることが更により好ましい。但し、真空加熱処理時の温度は、真空度との関係はあるが、高くし過ぎると錫が蒸発するので、1200℃以下であることが好ましく、1100℃以下であることがより好ましく、1000℃以下であることが更により好ましい。また、酸素と炭素の反応によって生じた一酸化炭素又は二酸化炭素、錫中に存在する遊離酸素、更には単体硫黄及び酸化硫黄等の硫黄分を効果的に錫中から除去するという観点から、真空加熱処理時の真空度は1×10-3Pa(絶対圧)よりも高真空であることが好ましく、1×10-4Paよりも高真空であることがより好ましく、1×10-5Paよりも高真空であることが更により好ましい。但し、真空加熱処理時の真空度を1×10-5Paよりも高くするのは、設備を含めた経済性から好ましくない。
真空加熱処理の時間は錫中の酸素濃度及び硫黄濃度が充分に低下するのに必要な時間とすればよいが、例えば1〜30時間とすることができる。酸素濃度及び硫黄濃度の低減効果の観点からは3時間以上であるのが好ましく、5時間以上であるのがより好ましい一方で、生産効率の観点からは25時間以下であるのが好ましく、20時間以下であるのがより好ましい。
(D.高純度錫)
本発明に係る高純度錫の一実施形態においては、Dynamic−SIMSにより元素分析したときの酸素含有量を10質量ppb未満とすることができる。
本発明に係る高純度錫の一実施形態においては、GD−MSにより元素分析したときの硫黄含有量を0.1質量ppm未満とすることができ、好ましくは0.05質量ppm未満とすることができ、より好ましくは0.01質量ppm未満とすることができる。
本発明に係る高純度錫の一実施形態においては、Dynamic−SIMSにより元素分析したときの炭素含有量を10質量ppb未満とすることができ、好ましくは5質量ppb未満とすることができる。
以下に、実施例及び比較例をもって説明するが、これらは発明を理解し易いようにするためであり、本発明は実施例又は比較例によって限定されるものではない。
(実施例1)
純度4N(99.99質量%、炭素、窒素、酸素、水素を除く。)の市販の塊状錫を用意した。当該錫を非分散型赤外線吸収法で分析した結果、炭素含有量は1質量ppm未満、酸素含有量は20質量ppmであった。また、当該錫をGD−MS法で分析した結果、硫黄含有量は1質量ppmであった。当該錫を原料として、9規定、80℃の硫酸で20時間浸出し、硫酸酸性硫酸錫水溶液(硫酸錫濃度80g/L)を作製した。当該硫酸酸性硫酸錫水溶液の一部を取り出し、これにポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルを8g/Lの濃度で添加した後、電解液温25℃、電流密度1A/dm2で電気分解を行い、板状のチタン製カソード表面に平滑な錫を電解析出させた。
得られた電析錫を大気中で300℃に加熱し、角型柱状の鋳造錫を得た。この大気鋳造錫を非分散型赤外線吸収法で分析した結果、炭素含有量は20質量ppm、酸素含有量は10質量ppm、硫黄含有量はGD−MS法で1質量ppmであった。当該大気鋳造錫を真空雰囲気炉に入れ、温度800℃、1×10-4Paで15時間保持し、真空鋳造した。このようにして得られた精製錫をDynamic−SIMSで測定した結果、酸素含有量は10質量ppb未満、炭素含有量は5ppb未満であり、硫黄含有量はGD−MSで測定した結果、0.01質量ppm未満であった。また、酸素、炭素、硫黄以外の不純物元素について、GD−MS法で分析し、炭素、窒素、酸素、水素以外の73元素のすべてが検出下限未満であった。そのため、得られた精製錫の純度は6N(99.9999質量%)以上であることが確認された。
(実施例2〜4、比較例1〜3)
実施例1における大気鋳造錫に対して表1−1、表2に示す種々の条件で真空鋳造した。処理後の精製錫中の酸素、炭素含有量をDynamic−SIMS法によって、また硫黄含有量をGD−MS法で分析をした結果を表1−1、表2に示す。また、実施例2〜4については、酸素、炭素、硫黄以外の不純物元素について、GD−MS法で分析し、炭素、窒素、酸素、水素以外の73元素のすべてが検出下限未満であった。そのため、実施例2〜4の精製錫の純度は何れも6N(99.9999質量%)以上であることが確認された。比較例1は真空度が低かったため、比較例2は保持温度が低かったため、比較例3は保持時間が短かったため、それぞれ所望の酸素品位まで低下しなかった。
(実施例5)
実施例1における硫酸酸性硫酸錫水溶液に添加剤を入れずに電解液温27℃、電流密度3A/dm2で電気分解を行い、板状のカーボン製カソード表面に針状の錫を電解析出させた。得られた電析錫を大気中で300℃に加熱し、鋳造錫を得た。この大気鋳造錫を非分散型赤外線吸収法で分析した結果、炭素含有量は1質量ppm未満、酸素含有量は20質量ppm、硫黄含有量は1.3質量ppmであった。当該大気鋳造錫に、当該大気鋳造錫中の酸素原子1モルに対して50モルになる様に、平均粒径(D50)が150μmの高純度黒鉛パウダーを添加した。これを真空雰囲気炉に入れ、温度800℃、1×10-4Paで15時間保持し、真空鋳造して精製した。このようにして得られた精製錫をDynamic−SIMSで測定した結果、酸素含有量は10質量ppb未満 、炭素含有量は5質量ppb未満であり、硫黄含有量はGD−MSで測定した結果、0.01質量ppm未満であった。また、酸素、炭素、硫黄以外の不純物元素について、GD−MS法で分析し、炭素、窒素、酸素、水素以外の73元素のすべてが検出下限未満であった。そのため、実施例5の精製錫の純度は6N(99.9999質量%)以上であることが確認された。
(実施例6〜8、比較例4〜5)
実施例5における大気鋳造錫に対して表1−2、表2に示す種々の条件で真空鋳造した。処理後の精製錫中の酸素、炭素含有量をDynamic−SIMS法によって、硫黄含有量をGD−MSで分析した結果を表1−2、表2に示す。また、実施例6〜8については、酸素、炭素、硫黄以外の不純物元素について、GD−MS法で分析し、炭素、窒素、酸素、水素以外が、すべて検出下限未満であった。そのため、実施例6〜8の精製錫の純度は何れも6N(99.9999質量%)以上であることが確認された。比較例4は単体炭素添加量が少なかったため、比較例5は単体炭素を添加しなかった為、それぞれ所望の酸素品位まで低下しなかった。
Figure 0006514783
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次に、真空鋳造して得られた精製錫を溶解、鋳造して高純度錫インゴットを製造した。製造された高純度錫インゴットを、リソグラフィー用EUV光源の、EUV光を発生させるために用いられる錫ターゲット材の原料として用いると、錫ターゲットを加熱、溶融して、25μm程度の微小径のドロップレットを生成させる際に、ドロップレット発生器のノズルが詰まることがなかった。
以上の結果から、実施例1〜8において作製された酸素、炭素、硫黄含有量の極めて低い、高純度の錫インゴットは、大気中の埃に起因するシリコン、炭素の付着や、空気酸化の影響も少なく、パーティクルの原因となる不純物の汚染も十分に抑制できていた。
本発明によれば、従来除去することが困難であった錫中の酸素含有量を極めて低くした高純度錫を得ることができる。本発明によれば、硫黄含有量の低い高純度錫を得ることも可能である。酸素や硫黄を除去した高純度錫は、酸化物や硫化物によるノズルの目づまりを防ぎ形状の安定したドロップ状の錫を得ることが出来、EUVの光源に用いる任意の形状の錫ターゲット材として有用である。

Claims (11)

  1. 錫の純度が5N(99.999質量%、但し、炭素、窒素、酸素、水素を除く。)以上である高純度錫であって、Dynamic−SIMSにより元素分析したときの酸素含有量が10質量ppb未満であり、かつ、GD−MSで元素分析したときの硫黄含有量が0.01質量ppm未満である高純度錫。
  2. Dynamic−SIMSにより元素分析したときの炭素含有量が10質量ppb未満である請求項に記載の高純度錫。
  3. 純度が3N(99.9質量%、但し、炭素、窒素、酸素、水素を除く。)以上であり、非分散型赤外線吸収法により元素分析したときの酸素含有量が5質量ppm以上、炭素含有量が10質量ppm以上である錫を、Dynamic−SIMSにより元素分析したときの当該錫中の酸素含有量が10質量ppb未満に低減され、かつ、GD−MSで元素分析したときの硫黄含有量が0.01質量ppm未満に低減されるまで真空加熱処理することを含む高純度錫の製造方法。
  4. 真空加熱処理を400℃以上、真空度を1×10-3Pa(絶対圧)よりも高い真空度として実施する請求項に記載の製造方法。
  5. 真空加熱処理を3時間以上行う請求項又はに記載の製造方法。
  6. 純度が3N(99.9質量%、但し、炭素、窒素、酸素、水素を除く。)以上であり、非分散型赤外線吸収法により元素分析したときの酸素含有量が5質量ppm以上、炭素含有量が10質量ppm未満である原料錫を、炭素含有化合物の一種以上を含有する電解液を使用して電解精錬することにより前記錫を得る工程を更に含む請求項の何れか一項に記載の製造方法。
  7. 前記炭素含有化合物が平滑剤である請求項に記載の製造方法。
  8. 純度が3N(99.9質量%、但し、炭素、窒素、酸素、水素を除く。)以上であり、非分散型赤外線吸収法により元素分析したときの酸素含有量が5質量ppm以上、炭素含有量が10質量ppm未満である原料錫に対して、単体炭素を添加することにより、前記錫を得る工程を更に含む請求項の何れか一項に記載の製造方法。
  9. 前記錫中には酸素原子1モルに対して炭素原子が1モル以上500モル以下の割合で存在している請求項の何れか一項に記載の製造方法。
  10. 前記錫中には酸素原子1モルに対して炭素原子が50モル以上100モル以下の割合で存在している請求項の何れか一項に記載の製造方法。
  11. 請求項1又は2に記載の高純度錫を材料とするリソグラフィー用EUV光源の、EUV光を発生させるために用いられる錫ターゲット材。
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