JP6512474B2 - レーザ加工装置及び電池のレーザ溶接良否判定方法 - Google Patents

レーザ加工装置及び電池のレーザ溶接良否判定方法 Download PDF

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Description

本発明は、レーザ加工装置及び電池のレーザ溶接良否判定方法に関する。より具体的には、本発明は、例えば、円筒形電池の電池外装缶と集電タブの接合部構造及び電池外装缶と集電タブの接合良否判定方法及びそれに適用可能なレーザ加工装置に関するものである。
一般に、電池は、大きく分けて乾電池又はリチウム電池などの一次電池、ニッケル水素電池又はリチウムイオン電池などの充電可能な二次電池に大分できる。また、形状で分類すると、円筒型、角型、コイン型などがあり、その組み合わせにより多くの種類が存在する。これらの主な電池の構成は、鉄又はアルミニウムなどの金属からなる電池外装缶に、電極体と呼ばれる正極、セパレータ、及び負極から構成される発電部分を挿入して、正極及び負極に溶接されたニッケル又はアルミニウムからなる集電タブを電池外装缶及び蓋に溶接したものとなっている。
また、パソコン用を中心とした円筒形電池は、正極板と負極板とをセパレータを介して渦巻状に巻回してなる電極体を円筒形ケースに挿入し、負極板に溶接された負極リードがケース底部に溶接されている構造が一般的となっている。そして、溶接方法としては、抵抗溶接が主に用いられている。電池外装缶又は集電タブは、電池容量の増大を目的として電極体の容積を拡大するため、薄くなる傾向にある。これに伴い、電池外装缶と集電タブとを安定して溶接する技術が必要となっている。
抵抗溶接工法では、近年、電池外装缶及び集電タブの薄型化が進んでくると、溶融部の集電タブの表面露出を防止し、且つ所望の接合強度を得るための電流の制御範囲が狭くなる。これは、電池外装缶又は集電タブの厚さ、電極棒の形状変化、又は、電池外装缶と集電タブとの接触面積などによるばらつきの影響が大きくなり、集電タブ内部の溶融部位置が不安定となり、穴開きが発生する原因となっていた。また、電池外装缶と集電タブとの溶接部周辺に、電池外装缶材料の飛散りも確認され、これも電池外装缶の穴開きの原因となっていた。
そして、従来の抵抗溶接では、抵抗溶接時に発生するスパッタが電池外装缶内部に入り込み、電池の信頼性が悪化するという課題があった。そのため、最近では、電池外装缶と集電タブを電池外装缶の外側からレーザビームを照射して、電池外装缶と集電タブとを接合させて、スパッタ発生を防止しているものがある(例えば、特許文献1〜3参照。)。
例えば、図12は、特許文献3に記載された従来の密閉型電池及びその製造方法を示す図である。
図12において、電池外装缶101の内面底部に集電タブ102が密接されている。電池外装缶101の外側底面からレーザビーム103を照射して、電池外装缶101と集電タブ102とを溶融させて溶融部104を形成し、電池外装缶101と集電タブ102とを接合している。更に、その溶融部104は、集電タブ102を貫通せず、電池外装缶101と集電タブ102とが未貫通接合されているため、電池外装缶101の内部にスパッタは混入しない。図13には、更に、溶融部104を拡大した詳細図を示す。但し、理解しやすいように上下を反転させて、レーザビーム103が図面上方から照射している図に変更している。図12と同じ要素は同じ符号をつけており、その説明は省略する。
特許第4175975号公報 特許第4547855号公報 特許第5306905号公報
しかし、近年、電池外装缶及び集電タブの薄型化が進んで来ると、レーザ強度の微小な変動により、集電タブ厚みをレーザが貫通する、又は、逆に集電タブ部の所定の深さまでレーザ加工が施されないなど、レーザ加工状態及び加工結果をより厳密に管理すべき状況が発生してきた。
レーザ加工では、レーザ光路上で、いずれかの光学部品に生じた汚れ、損傷、又は劣化によって被加工物の加工点でのレーザ出力が異常に低下しても、レーザ発振器本体側はそれを把握することは出来ない。よって、レーザ加工による溶接不具合を確認する方法として、レーザ加工後の加工点での外観検査、非破壊検査、又は、抜き取りでの剥離検査などの破壊検査などが用いられてきた。
そして、レーザ強度の管理方法として、以下の方法が一般的に採用されているが、実ワーク上での加工状態を管理したものではなく、加工点の前までの状態変化を管理するものであり、実際の加工点での状態を管理出来ない状況が発生していた。
一般的な管理方法として、
(1)レーザ発振器内部での照射パワーモニタリング、
(2)レーザヘッド部での漏光を用いたパワーモニタリング、などがあり、実際の量産現場でも採用されている。
また、実際の加工点での把握としては、加工後の工程にはなるが、前記に挙げた外観検査の方法があり、主にCCDカメラなどを用いて、レーザ加工部の溶融幅、溶融長さ、又は焼けなどを観察するなどがある。
特に、レーザ強度の把握としては、加工面の溶融幅で良否を判定する場合が多く、レーザ強度が高ければ溶融幅は広く、低ければ溶融幅が狭くなり、その溶融幅をカメラで確認し、許容幅内であるか否かを管理したりしている。
但し、本発明で用いているレーザビーム径を小さく絞ったキーホール溶接(後段で詳しく説明)では、レーザ強度が変化しても、溶融深さは変化するが、溶融幅はほとんど変化しない、という結果が出ている。その為、従来では、前記外観検査において加工面の溶融幅では良否を判定出来ない為、加工面に照射されたレーザ強度の良否を知るには、破壊試験のみでしか、レーザ強度変化を確認することが出来なかった。
よって、従来より用いている加工溶融幅の測定以外の方法で、レーザ強度の変化、ひいては、接合強度の良否を判定する必要があった。
従って、本発明の目的は、前記問題を解決することにあって、溶融面の断面を観察することなく、接合強度の良否を判定することができる、レーザ加工装置及び電池のレーザ溶接良否判定方法を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明の1つの態様にかかる電池のレーザ溶接良否判定方法は、電池の集電タブを電池外装缶に溶融部で溶接して接合した電池のレーザ溶接良否判定方法であって、
前記集電タブの平面を前記電池外装缶の内面底面部に当接させる工程と、
前記電池外装缶の板厚より小さいスポット径を有する第1のレーザビームを前記電池外装缶の外側底面に照射して前記第1のレーザビームによる前記溶融部の第1の加工痕を形成する照射工程と
前記第1のレーザビームのレーザ強度と対応して、接続状態を判定する条件として予め設定した加工痕の状態に基づき、接続不良の判定を行う判定工程と、を有し、
前記照射工程において、前記電池外装缶と前記集電タブとを前記溶融部で接合するレーザ強度の前記第1のレーザビームを前記電池外装缶の外側底面に照射させると同時に、前記第1のレーザビームの前記レーザ強度よりレーザ強度の低い第2のレーザビームの照射と、前記第2のレーザビームよりレーザ強度の低い第3のレーザビームの照射とを、前記第1のレーザビームより分岐させて同時に前記電池外装缶へ照射させるとともに、前記第1のレーザビームの照射と同時に、前記第1のレーザビームよりレーザ強度が低く、前記第2のレーザビームよりレーザ強度が高い第4のレーザビームを、前記第1のレーザビームより分岐させて前記電池外装缶へ照射させ、
前記判定工程において、前記第2のレーザビームの第2の加工痕及び前記第4のレーザビームの第4の加工痕が確認出来る場合を接合良品とし、前記第4の加工痕のみが確認出来るか、又は、前記第2の加工痕及び前記第4の加工痕及び前記第3のレーザビームの第3の加工痕が確認出来る場合は、接合不良と判定する。
本発明の別の態様にかかるレーザ加工装置は、電池外装缶に対して、前記電池外装缶の板厚より小さいスポット径を有する第1のレーザビームを照射するレーザ発振器と、
前記第1のレーザビームを、前記第1のレーザビームのレーザ強度よりレーザ強度の低い第2のレーザビームと、前記第2のレーザビームのレーザ強度よりレーザ強度の低い第3のレーザビームと、前記第1のレーザビームよりレーザ強度が低く、前記第2のレーザビームよりレーザ強度が高い第4のレーザビームと、に分岐させる回折格子と、
前記溶融部を撮像する撮像装置と、
前記撮像装置で撮像した画像情報を基に接続不良の判定を行う制御部と、を備え、
前記第1のレーザビームは、前記電池外装缶の外側底面に、電池の集電タブと前記電池外装缶とを溶接する溶融部の第1の加工痕を形成し、
前記第2のレーザビームは、前記第1のレーザビームと同時に、前記電池外装缶の外側底面に第2の加工痕を形成し、
前記第3のレーザビームは、前記第1のレーザビームと同時に、前記電池外装缶の外側底面に第3の加工痕を形成し、
前記第4のレーザビームは、前記第1のレーザビームと同時に、前記電池外装缶の外側底面に第4の加工痕を形成し、
前記制御部は、前記第1のレーザビームのレーザ強度と対応して、接続状態を判定する条件として予め設定した加工痕の状態に基づき、前記第2の加工痕及び前記第4のレーザビームの第4の加工痕が確認出来る場合を接合良品とし、前記第4の加工痕のみが確認出来るか、又は、前記第2の加工痕及び前記第4のレーザビームの第4の加工痕及び前記第3の加工痕が確認出来る場合は、接合不良と判定する。
以上のように、本発明の前記態様にかかるレーザ加工装置及び電池のレーザ溶接良否判定方法によれば、電池外装缶加工部に照射されたレーザ強度を、溶融面の断面を観察することなく、加工痕の状態把握により確認し、溶接の良否判定をすることが出来る。よって、レーザ溶接時の加工変化を外観観察で確認することが出来、接合不良の製品を後工程へ流すこともなくなる。
本発明の実施形態の一例である密閉型電池の構成を模式的に示す断面図 本発明の実施形態の一例である電池外装缶と集電タブの接合部の拡大図 本発明の実施形態の一例である電池外装缶と集電タブの接合部の縦断面模式図 本発明の実施形態において溶融部とテスト加工部へのレーザ加工時に供給されるレーザ強度と加工位置とをそれぞれ示すグラフ 本発明の実施形態の一例である密閉型電池の製造方法を実施するためのレーザ加工装置を示す説明図 従来のパルスYAGレーザによる接合方法を示す説明図 本発明の実施の形態におけるファイバーレーザによる接合方法を示す説明図 キーホール溶接の原理を説明するための概念図 本発明の実施形態のキーホール溶接での照射レーザ強度と溶融深さとの関係を示したグラフ 本発明の実施形態のキーホール溶接での溶融深さと溶融幅との関係を示したグラフ 本発明の実施形態のキーホール溶接でレーザ加工した加工部写真 本発明の実施形態のキーホール溶接でレーザ加工した加工部写真 本発明の実施形態の溶融部及びテスト加工部でのレーザ強度を説明するための拡大底面図 本発明の実施形態の溶融部及びテスト加工部でのレーザ強度を説明するための縦断面模式図 図8Bでのレーザ強度と加工位置との関係を示すグラフ 本発明の実施形態の溶融部及びテスト加工部でのレーザ強度の一例を説明するための拡大底面図 本発明の実施形態の溶融部及びテスト加工部でのレーザ強度の別の例を説明するための拡大底面図 本発明の実施形態の溶融部及びテスト加工部でのレーザ強度のさらに別の例を説明するための拡大底面図 本発明の実施形態の溶融部及びテスト加工部での異なるレーザ加工パターンの説明図 本発明の実施形態の溶融部及びテスト加工部での別のレーザ加工パターンの説明図 本発明の実施形態における電池製造方法を実施するためのレーザ加工装置を示す説明図 図10Aの電池製造方法における溶融部及びテスト加工部での縦断面模式図 図10Aの電池製造方法における本発明の実施形態の溶融部及びテスト加工部でのレーザ加工パターンの説明図 本発明の実施形態における電池製造方法を実施するためのレーザ加工装置を示す説明図 図11Aの電池製造方法における溶融部及びテスト加工部での縦断面模式図 図11Aの電池製造方法における本発明の実施形態の溶融部及びテスト加工部でのレーザ加工パターンの説明図 特許文献3に記載された従来の密閉型電池及びその製造方法を示す図 従来の密閉型電池の溶融部の拡大図
以下、本発明の実施に形態について、図面を参照しながら説明する。ただし、以下に示す各実施形態又は変形例は、本発明を具体的に実用化検討している円筒型電池の製造方法を例示するものであって、本発明を円筒型電池の製造方法に特定することを意図するものではなく、例えば角型電池等、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものにも等しく適応し得るものである。また、電池に限らず、レーザ接合する場合全般に適応し得るものであると考える。
(実施形態共通の構成)
図1は、本発明の実施形態におけるレーザ溶接物の一例としての密閉型電池の構成を模式的に示した断面図である。
図1に示すように、正極板1と負極板2とがセパレータ3を介して巻き取られた巻取体4が、複数個、電池外装缶5内に絶縁板7,8で挟み込まれた状態で電解液とともに収容されている。電池外装缶5の開口部は、ガスケット6を介して封口板10で封口されている。巻取体4のいずれか一方の極板(例えば、正極板1)から導出された正極集電タブ11は、封口板10に溶融部9にて、レーザ溶接されている。また、他方の極板(例えば、負極板2)から導出された負極集電タブ12は、電池外装缶5の外側底面の溶融部(レーザ溶融部)13にてレーザ接合されている。電池外装缶5は第1被溶接物の一例である。集電タブ11,12は第2被溶接物の一例である。密閉型電池はレーザ溶接物の一例である。
このような密閉型電池は、以下のような製造方法により製造される。
まず、正極板1及び負極板2がセパレータ3を介して捲回又は積層されてなる巻取体4を形成する。
次いで、巻取体4のそれぞれの極板1,2に、それぞれの集電タブ11,12の一端を接続する。
次いで、巻取体4を電池外装缶5内に収容する。
次いで、集電タブ12の他端の平面を電池外装缶5の内面底面部に当接させるように配置する。
次いで、電池外装缶5の板厚hより小さいスポット径dを有するレーザビーム23を電池外装缶5の外側底面の照射位置、例えば、概略中央に、外側底面と直交する方向(中心軸)に照射するか又は外側底面と直交する方向に対して一定の照射角度を付けて照射して、溶融部13を形成する(図2A参照)。溶融部13は、集電タブ12を貫通せず、電池外装缶5と集電タブ12とが未貫通接合されている。この照射と同時に、溶融部13の近傍に、回析を利用して複数のレーザビーム23を照射して、複数のテスト加工部14も形成する。
この結果、電池外装缶5の外側表面の溶融部13及びテスト加工部14として直線状の加工痕が形成される。
以下、テスト加工部14の加工痕の形状を基に、レーザ溶接良否判定を行うことについて、詳細に説明する。
(密閉型電池の構成)
以下、本発明に係わる実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図2Aは、本発明の実施形態における、電池外装缶5と負極集電タブ12との接合溶融部13の拡大図である。溶融部13の形状又は長さなどは、必要な接合強度又はプロセスにより変更される。図2Aでは、溶融部13は、一番単純な点で示すが、詳しくは、後段で述べることとする。主に実際のプロセスでは、溶融部13は、電池外装缶5と負極集電タブ12との接合強度を確保する為、ある一定の長さの直線で構成されている。これは、レーザ加工しながら加工対象の電池外装缶5を一方向へ移動させながら加工している為、加工痕として、直線になっていることを表している。
テスト加工部14は、通常、溶融部13の近傍に位置し、溶融部13と同様な形状を形成しており、点又は直線である場合が主であるが、レーザ加工方法により、同様でない場合もありえる(後述する図11の実施形態の場合など)。
図2Bは、図2Aの断面模式図である。電池外装缶5と負極集電タブ12とは、接合溶融部13において接合されている。溶融部13は、負極集電タブ12を貫通しておらず、負極集電タブ12の内部で下方向に溶融している。
図2Cは、溶融部13、そしてテスト加工部14へのレーザ加工時に供給されるレーザ強度をそれぞれ示している。溶融部13へ供給されるレーザ強度13Sは、テスト加工部14へ供給されるレーザ強度14Sと比較し、格段に大きいことが確認される。例えば、テスト加工部14へのレーザ強度は、溶融部13に供給されるレーザ強度の1/100以下のものであり、複数本ある場合は、その供給されるレーザ強度を変化させるものとする。外観でも、溶融部13とは溶融幅が異なることが確認出来る。テスト加工部14は、溶融部13よりもレーザ強度を小さくし、溶融深さを浅くすることが望ましい。
これらのレーザビームの供給は同時に、同じレーザ発振部より実施されることが必須であり、このようなレーザプロファイルの作り方としては、回折格子などを用いることが望ましい。その詳細は後段で述べる。
(接合装置)
次に、図2Aで示した溶融部13とテスト加工部14とを形成して、電池外装缶5と負極集電タブ12とを接合する接合装置を図3に示す。
図3は、レーザ発振器19と、レーザ平行光20と、回折格子21と、レーザ加工ヘッド22と、集光レーザビーム23とを備える接合装置(レーザ加工装置)である。24はレーザビーム23が集光する集光点である。集光レーザビーム23は、回折格子21により、溶融部13用、テスト加工部14用に複数個所に分岐されている。
まず始めに、この接合装置で使用しているレーザ発振器19、及び、レーザ加工ヘッド22から出たレーザビーム23のビーム品質(集光スポット径)について言及する。レーザビーム23は、回折格子21により分岐されているが、その1つの1つのビームは、レーザ強度は違うがビーム性質は同じであるとして、説明を行う。
電池外装缶5の板厚は通常0.2〜0.5mmであり、負極集電タブ12の板厚は通常0.1〜0.2mm程度である。このような薄板の重ね合わせレーザ接合に対して、特許文献1〜3では、パルスYAGレーザなどを用いてパルス的にポイント的にレーザ溶接されている。パルスYAGレーザのスポット径はφ0.6mm程度であり、電池外装缶5の板厚より大きく、熱伝導型のレーザ溶接になっている。
(従来のパルスYAGレーザによる接合方法の課題)
図4は、電池外装缶5に対しての従来のパルスYAGレーザによる接合方法を示す図である。レーザビーム23は、電池外装缶5の上表面に照射され、まず、電池外装缶5の上表面が溶融して、溶融部13が形成される(図4(a)参照)。
次に、レーザビーム23が照射され続けると、溶融部13が熱伝導的に拡がっていくが、電池外装缶5と負極集電タブ12との間には空気層があり、熱伝導的に分断されている。このため、一時的に、溶融部13は、電池外装缶5のみに留まり、負極集電タブ12が溶融していない状態が発生する(図4(b)参照)。
更に、レーザビーム23が照射され続け、電池外装缶5と負極集電タブ12とが密着されていると、溶融部13の熱エネルギが負極集電タブ12に伝わり、負極集電タブ12が溶融して負極集電タブ12と電池外装缶5とが接合される(図4(c)参照)。このときの溶融部13の電池外装缶5上の表面溶融サイズは、熱伝導で拡がっているため、レーザビーム23のスポット径φ0.6mmより大きく、一例としてφ1mm程度となる。
一方、一例として、各々の密閉型電池の各電極を連結するためのワイヤボンドの線径はφ0.2mmであり、その先端接合部は約0.4mmである。このワイヤボンドの先端接合サイズより、前記溶融部13の表面溶融サイズがかなり大きいため、その溶融部でのワイヤボンドの接合信頼性が低下する。
また、電池外装缶5より負極集電タブ12の方が、板厚が薄く熱容量が小さいため、負極集電タブ12に熱エネルギが伝わりやすく、負極集電タブ12を直ぐに貫通溶融してしまう場合もある(図4(d)参照)。溶融部13が負極集電タブ12を貫通溶融すると、電池内部にスパッタが混入し短絡又は発火不良につながり、不良となる。
一方、図4(b)において、投入レーザパワーが強すぎると、レーザビーム23のスポット径が大きく、電池外装缶5の板厚が薄いため、電池外装缶5の溶融部13に穴あき25が発生し(図4(b’)参照)、更には、負極集電タブ12にも穴あき25が発生し(図4(d’)参照)、電池の漏液不良となる。
そのため、熱伝導型のレーザ溶接ではなく、深溶け込み型のレーザ溶接(キーホール溶接)ができれば、表面溶融面積が微小になるため、ワイヤボンドの接合信頼性が確保でき、また、貫通溶接及び穴あき25の防止が可能になる。例えば、ファイバーレーザは従来のパルスYAGレーザよりはるかにレーザビーム品質に優れているため、スポット径を例えばφ0.02mm程度に非常に小さくすることができる。そのため、集光点のパワー密度を非常に強くすることができる。
(実施形態におけるファイバーレーザによる接合方法)
図5は、本発明の実施形態に用いられるファイバーレーザによる接合方法を示す図である。
まず、ファイバーレーザから出たレーザビーム23Bは、電池外装缶5の上表面に局所的に照射されて、電池外装缶5に溶融部13Bが形成されると共に、レーザ照射部のパワー密度が高いために溶融部13Bの中央部で気化し、その金属蒸気の蒸発反発力によりキーホール26が形成される(図5(a)参照)。
次に、そのキーホール26の内部にレーザビーム23Bが入射していくと、キーホール26の内面でレーザビーム23Bが反射して、キーホール26が深く成長していく(図5(b)参照)。
更に、レーザビーム25Bを照射し続けると、キーホール26が深く成長し、溶融部13Bも負極集電タブ12まで達する(図5(c)参照)。
次いで、レーザ照射が停止すると(図5(d)参照)、キーホール26が消滅して溶融部13Bが凝固し、電池外装缶5と負極集電タブ12とが接合される。一例として、ファイバーレーザのスポット径はφ0.02〜0.05mmと小さく、溶融部13Bの溶融径又は溶融幅も約0.1mmと小さくなる。この表面溶融サイズは、ワイヤボンドの先端接合部サイズよりかなり小さいため、その溶融部13Bでのワイヤボンドの接合信頼性は確保できる。
(キーホール溶接の原理)
図6は、キーホール溶接の原理を説明するための概念図である。図6は、厚みhの板状部材27に、レーザビーム28を照射することによって、直径Xのキーホール29が生成された状態を示している。キーホール29は、溶融した板状部材27の金属蒸気の蒸発反発力Paと、溶融した板状部材27の表面張力Psとが均衡することによって維持される。
このとき、キーホール29の表面エネルギE(X)は、一般に、以下の式(1)で表される(例えば、宮本勇「シングルモードファイバーレーザによる金属フォイルの微細高速溶接」;第58回レーザ加工学会論文集;2003年3月を参照)。
E(X)=πG[hX+1/2(D−X)]・・・式(1)
ここで、Gは、板状部材27の液体金属の表面エネルギで、Dは溶融領域30の直径である。
式(1)から、以下の式(2)が得られる。
dE/dX=πG(h−X)・・・式(2)
式(2)から、X>hの場合、dE/dX<0となり、キーホール29の直径Xの増大(dX)により、表面エネルギEは減少(dE)するため、キーホール29は穴あきとなる。一方、X<hの場合、dE/dX>0となり、キーホール29の直径Xの増大(dX)により、表面エネルギEは増大(dE)するため、キーホール29の直径Xは収縮して、蒸発反発力Paと均衡する。
従って、板状部材27の厚みhより小さいスポット径dを有するレーザビーム28を用いれば、安定したキーホール溶接を行うことができる。更には、板状部材27の厚みhより、キーホール溶接により形成された溶融領域30の直径Dを小さくすることで、より安定したキーホール溶接を行うことができる。
(表面溶融サイズが小さく、加工パワーが少し変化しても溶融幅に変化が少ない接合方法)
図5及び図6で示したように、本発明の実施形態で用いているキーホール溶接では、溶け込み深さに対し、表面溶融サイズが小さく、加工パワーが少し変化しても溶融幅に変化が少ないことが考えられる。
また、その説明を、図7A〜図7Dを用いて、再度、説明する。
図7Aは、キーホール溶接でのレーザ強度と溶融深さとの関係を示したグラフである。接合に必要な溶融深さが、許容溶融深さ39の範囲とした場合、レーザ強度のばらつきは、レーザ強度範囲31に入っていることが必要である。但し、実際に電池外装缶5に照射されているレーザ強度は不明である。
図7Bは、同じ加工時の溶融幅と溶融深さとの関係を示したグラフである。外観から判定出来る溶融部13の幅でレーザ強度を確認したいと考えた場合、許容溶融深さ39に当たる溶融幅32は、大変狭いものになっている。
図7C及び図7Dに、溶融深さが良品(接合良品)と不良品(接合不良品)との実際の写真をそれぞれ示す。図2Aでは溶融部13を点で示しているが、図7C及び図7Dの写真は実プロセスのものであり、電池外装缶5上の溶融部13は線で示されている。溶融幅33,34は、図7C及び図7Dを見てもわかるようにほぼ同じ幅であり、その状態を図7Bで示すと、それぞれ、矢印の先の黒丸の部分になる。
図7Bよりわかるように、溶融深さが変化しても、溶融幅は大きく変化しない。よって、本溶接工法では、電池外装缶5の外観に現れている溶融部13にて、レーザ強度の変化を確認することは困難であると言える。
(レーザ強度の変化の確認)
次に、図8A〜図8Fを用いて、電池外装缶5の外観観察にて、前記レーザ強度の変化を確認する本発明の実施形態についてさらに詳しく述べる。ここからは、より実プロセスに近づけて説明する為に、溶融部13の形状を線状として示す。溶融部13の形状を点から線にする手段としては、レーザ加工時に被加工物(本発明の実施形態の場合は電池外装缶5など)を、公知のガルパノミラーの使用により照射角度を変化させて、一方向に移動させる方法が取られるが、そのような公知の構成については、説明を省略する。
そして、今回は、レーザ強度の異なる3種のテスト加工部14(14a,14b,14c)を施した場合について説明するが、より精度良くレーザ強度の変化を確認するためには、レーザ強度の異なるテスト加工部14をより多段に施すことが必要とされるが、本明細書では、代表例として3段のテスト加工部14(14a,14b,14c)で説明する。
図8A及び図8Bは、図2A及び図2Bと同様のものであるが、理解し易い為、図8A及び図8Bとして再記載している。
図8Cは、図2Cのテスト加工部14に照射されたレーザ強度14Sを拡大して示したものであり、テスト加工部14のレーザ強度14Sの一例としては、3種の異なるレーザ強度35−1、35−2、35−3を有するテスト加工部14a,14b,14cが存在する。なお、レーザ強度35−1は、溶融部13のレーザ強度13Sの1/100以下であるため、レーザ強度13Sの上端の図示を省略している。今回の場合、レーザ強度35−1、レーザ強度35−2、レーザ強度35−3の順で、レーザ強度を低下させている。レーザ強度比の一例としては、例えば、13S:35−1:35−2:35−3=500:50:30:10などと成る。ただし、13Sとは、電池外装缶5の外側底面の溶融部(レーザ溶融部)13で電池外装缶5と負極集電タブ12とをレーザ接合するときの最低限必要なレーザ強度である。
そして、このレーザ加工プロファイルにて、加工した場合の溶融痕の状態を図8D〜図8Fに示す。
なお、このレーザプロファイルを実現する為には、図3に記載している回折格子21など、レーザビームを所定のレーザ強度に分解する手段が必要であるが、回折格子21を用いたレーザ分岐方法については、公知の構成を使用することができる。
図8Dは、所定よりもレーザ強度が強い状態で加工された場合であり、テスト加工部14a,14b,14cの中でテスト加工部14a,14b,14cすなわちレーザ強度35−1〜35−3の3本とも加工線の加工痕が確認される。
図8Eは、所定のレーザ強度状態のものであり、テスト加工部14a,14b,14cの中でレーザ強度35−3が弱いテスト加工部14cの加工線の加工痕が消えていることが確認出来る。
図8Fは、所定よりもレーザ強度が弱い場合であり、テスト加工部14a,14b,14cの中で一番レーザ強度35−1が高いテスト加工部14aでのみの加工線の加工痕を確認することが出来る。
つまり、レーザ強度35−1〜35−3の加工線のうちレーザ強度35−1と35−2の加工線の加工痕が確認出来る図8Eの場合が良品(接合良品)であり、レーザ強度35−1の加工線の加工痕のみの図8F、及び、レーザ強度35−1〜35−3の3本の加工線の加工痕が確認出来る図8Dの場合は、不良(接合不良品)と見なすことが出来る。よって、電池外装缶加工部に照射されたレーザ強度を、溶融面の断面を観察することなく、テスト加工部14a,14b,14cの加工線の加工痕の状態把握により確認して、溶接の良否判定をすることが出来る。
今回、テスト加工部14としてレーザ強度35−1〜35−3の3本の加工線の加工痕の状態での判定を記載したが、テスト加工部14を溶融部13とレーザ強度35−1、35−2の2種の加工線の加工痕の状態で、良否判定することも出来る。
本例によれば、通常、溶接状態の良否には、破壊試験による接合面の観察、又は、超音波などを用いた非破壊検査が必要になるが、前記したように2種又は3種などの加工線の加工痕の状態で良否判定が出来る。このように構成すれば、溶接直後の外観検査のみで済み、設備投資又は検査工程の追加が不要になる。さらに、全数検査も実施が出来、より高いレベルで品質管理が出来る。
この場合、良品はレーザ強度35−1の加工線の加工痕が所望の形状(直線)の場合で、不良は、レーザ強度35−1、35−2の2本が確認、あるいはレーザ強度35−1のみが見えかつレーザ強度35−1が所望の形状以外(断線)の場合である。
前記の方法にて、レーザ強度が適正範囲内であることを確認が出来るが、実際の加工条件に合わせ、13S:35−1:35−2:35−3のレーザパワー比の設定を適切にすることが重要である。その比の決定は、回折格子21の設計に左右される。
なお、今回、溶接の良否判定は、テスト加工部14の加工痕のそれぞれの形状(存在の有無及び存在するときの状態)で判定しているが、それぞれのラインの途中でかすれなどが発生した場合は、その時点で不良と判定するかは、そのプロセスにより、判定されるものとする。
なお、テスト加工部14の加工痕のそれぞれの形状(存在の有無及び存在するときの状態)での判定は、カメラなどの撮像装置と、制御部とを備えれば、実施することができる。例えば、カメラなどの撮像装置で溶融部13及びテスト加工部14を撮像し、撮像した画像情報を制御部の2値化部で2値化処理したのち、制御部の画像処理部での画像処理したのち、制御部の判定部で判定することができる。
図9A及び図9Bでは、図8Aの類似例を示している。
図9Aは、溶融部13が3本であり、テスト加工部14としても、3種類の異なるレーザ強度36−1〜36−3の3本のテスト加工部14a,14b,14cの場合を示している。レーザ強度36−1〜36−3では、レーザ強度36−1、レーザ強度36−2、レーザ強度36−3の順番でレーザ強度を小さくしている例で示している。
このように、図9Aに示すように複数の溶融部13すなわち複数個所を同時加工する場合でも、図8Aの場合と同じ方法で良否判定が可能になる。
図9Bは、溶融部13の両側にテスト加工部14がある場合を示しており、前記同様にレーザ強度36−1〜36−3の加工線の加工痕がある場合である。この場合、両側それぞれ別々に良否判定を行う。
このような構成によれば、片側にのみテスト加工部14が存在している図8B及び図9Aの場合と比較して、図9Bにおける溶融部13の左右での判定結果を参考にすることが出来る為、テスト加工部14の状態(加工線の加工痕の有無及び形状など)をより精度良く確認することが出来る例である。
前記においても、図8Aのときと同様に、レーザ強度36−1〜36−3のテスト加工部14a,14b,14c、又は溶融部13を使用し、溶融部13、そして36−1、36−2の3種の加工線の加工痕の状態より、例えば、レーザ強度36−1、36−2の加工線の加工痕が確認出来る場合を良品とし、レーザ強度36−1のみ、又はレーザ強度36−1〜36−3の3本の加工線の加工痕が確認出来る場合は不良とする、などと判定することが出来る。
図9Bでは、図8Aと比較して、メイン加工部である溶融部13の両側に良否判定用のテスト加工部14a,14b,14cを設けることで、両側の溶接結果から良否を判定出来る為、より高い精度で、判定が出来る。
次に、本発明に係わる実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図10Aは、図3と同様なレーザ加工装置を示している。異なる点としては、電池外装缶5の外側底面に対してレーザ照射を斜めに照射している点である。
図10Bは、図10Aの状態にて、加工した場合の加工部分の断面イメージである。集光レーザビーム23は、電池外装缶5の外側底面に対して斜めに当たっている為、溶融部13の溶融向きは斜めになる。また、レーザビーム(第1のレーザビーム)23より分岐したレーザビーム(第2〜第4のレーザビーム)23a,23b,23cで形成されるテスト加工部14(14a,14b,14c)も、同様に斜めになる。但し、レーザビーム23a,23b,23cを斜めに照射しているので、溶融深さは、図8の場合よりも浅い状態になる。
図10Cは、図10Bを電池外装缶5の表面(外側底面)より溶融部(第1の加工痕)13及びテスト加工部14を見た図である。図10Cよりわかるように、溶融部13及びテスト加工部14、そしてテスト加工部14内のテスト加工部14a,14b,14cの加工線の加工痕(第2〜第4の加工痕)は、図8Aと同様に見える。テスト加工部14a,14b,14cにおいても、レーザ強度37−1〜37−3をテスト加工部14aからテスト加工部14cに向けて順番に低減させた場合として示している。
接合良否の判定方法としては、図8Aの場合の判定方法と同様、レーザ強度37−1、37−2の加工線の加工痕が確認出来る場合は良品とみなし、レーザ強度37−1の加工痕のみ、又はレーザ強度37−1〜37−3の3本の加工線の加工痕が確認出来る場合は不良とみなすことが出来、またテスト加工14として、テスト加工部14a,14bの2本の加工線の加工痕の見え方でも良否判定が出来、図10Aのような加工方法でも、本発明の効果が得られることが理解出来る。
図10Aに示すように、斜め加工することで、垂直加工時よりもビーム照射幅が広がる。このような場合でも、他の例と同様に、加工線の加工痕の見え方で良否判定を行うことができる。
次に、本発明に係わる実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図11Aは、図10Aと同様なレーザ加工装置を示している。異なる点としては、電池外装缶5が集光点24を通る回転中心(レーザ加工中心)52周りにに回転するモータなどの回転機構51も備えていることである。この方法で加工している目的は、溶融部13の電池外装缶5の外側底面の溶融部13の面積を最小にはするが、溶融部13として溶けている部分を最大にしたい為、このようなプロセス及び構成を採用している。
図11Bは、図11Aの状態にて、加工した場合の加工部分の断面イメージ図である。この例では、集光レーザビーム23は、電池外装缶5の外側底面に対して斜めに当たっている為、加工痕も斜めになる。
レーザビーム23より分岐したレーザビーム23a,23b,23cで形成されるテスト加工部37は、テスト加工部37a,37b,37cとする。
電池外装缶5は回転しているので、テスト加工部37a,37b,37cは、溶融部13を中心に円環形状に存在する形になり、断面として見た場合、溶融部13の両側に存在した形になる。
図11Cは、図11Bを電池外装缶5の外側底面より溶融部13及びテスト加工部37a,37b,37cを見た図である。図11Cよりわかるように、溶融部13は小さな円形の点であり、溶融部13の外観面積は小さくなる。また、テスト加工部37a,37b,37cは回転させていることで、溶融部13の周りに円環形状に見える。テスト加工部37a,37b,37cは、図10A〜図10Cのときと同様、レーザ強度38−1〜38−3での3種のレーザ加工線として存在する場合を示しており、レーザ強度38−1〜38−3の順番にレーザ強度を下げているので、加工痕の太さも順に細くなる。
そして、このレーザ加工プロセスにおけるレーザ強度のバラつきは、前記図8A〜10Cで示したときと同様に、レーザ強度38−1〜38−3の加工痕の有無、又は溶融部13、そしてレーザ強度38−1,38−2の見え方により、良否判定が出来る。例えば、レーザ強度38−1、38−2での加工痕が見える場合は良品、レーザ強度38−1の加工痕のみ、又はレーザ強度38−1〜38−3の加工痕のすべてが見える場合はNGなどとすることができる。溶融部13及び2種類のレーザ強度38−1、38−2のテスト加工部37a,37bを用いた場合は、溶融部13とレーザ強度38−1の加工痕が見える場合は良品、溶融部13のみ、又は溶融部13、レーザ強度38−1、38−2の加工痕のすべてが見える場合は不良と見なすなどが出来る。
この例では、溶融部13が小さな円形の点であり、溶融部13の外観面積は小さいため、溶融部13のみでは接合判定ができない。このような場合でも、テスト加工部37a,37b,37c又はテスト加工部37a,37bの円環状の加工痕の外観観察のみで溶融部13での接合良否の判定を行うことができる。なお、このように溶融部13を小さな円形の点とするのは、溶接部上にはワイヤーボンディングが出来ないなどの課題もある為、表面に現れる溶接部面積を可能な限り小さくして、次工程で使用可能な領域の面積を増やしたいという要求に応えるためである。本例によれば、このような要求に応えつつ、前記したように、外観検査のみで接合良否判定を行うことができる。
以上、説明してきたように、前記実施形態にかかるレーザ溶接良否判定方法によれば、電池外装缶5と集電タブ12との溶融部13での溶接の実施と同時に、接合に影響が及ばない低いレーザ強度14Sにて加工表面にテスト加工部14を設けている。このように構成することにより、溶融面の断面を観察することなく、テスト加工部14の外観観察のみで、電池外装缶5と集電タブ12の接合における溶融部13でのレーザ接合の良否を判定することが出来る。すなわち、電池外装缶5の外観のみの観察、言い換えれば、テスト加工部14の加工痕の状態(レーザ溶接時の加工変化)把握により、溶融部13へ照射されたレーザ強度13Sが適切な接合強度であるか否かを判定することができ、接合不良の製品を後工程へ流すこともなくなる。
なお、前記様々な実施形態又は変形例のうちの任意の実施形態又は変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。また、実施形態同士の組み合わせ又は実施例同士の組み合わせ又は実施形態と実施例との組み合わせが可能であると共に、異なる実施形態又は実施例の中の特徴同士の組み合わせも可能である。
本発明のレーザ加工装置及び電池のレーザ溶接良否判定方法は、接合手段であるレーザビームのレーザ強度変動を外観で確認出来る手段であり、接合不良品を後工程に流すという品質不良を無くすという効果を有し、電池などばかりでなく、レーザ溶接を用いる他の分野にも適用が出来る。なお、本発明が適用されるレーザ溶接物の一例としての密閉型電池は、その種類に特に制限はなく、リチウムイオン二次電池の他、ニッケル水素電池、ニッカド電池などにも適用することができる。また、本発明は、円筒型二次電池に限らず、角形二次電池、一次電池にも適用し得る。更に、レーザ溶接物の例としては、正極板及び負極板はセパレータを介して捲回された電極群に限らず、複数層に積層された部材でも良い。
1 正極板
2 負極板
3 セパレータ
4 巻取体
5 電池外装缶
6 ガスケット
7 上部絶縁板
8 下部絶縁板
9 溶融部
10 封口板
11 正極集電タブ
12 負極集電タブ
13 溶融部
13S レーザ強度
14,14a,14b,14c テスト加工部
14S レーザ強度
19 レーザ発振器
20 レーザ平行光
21 回折格子
22 レーザ加工ヘッド
23,23a,23b,23c レーザビーム
24 集光点
25 穴あき
26 キーホール
27 板状部材
28 レーザビーム
29 キーホール
30 溶融領域
31 レーザ強度範囲
32 溶融幅
33,34 溶融幅
35−1〜35−3 レーザ強度
36−1〜36−3 レーザ強度
37a,37b,37c テスト加工部
38−1〜38−3 レーザ強度
39 許容溶融深さ
51 回転機構
52 回転中心

Claims (4)

  1. 電池の集電タブを電池外装缶に溶融部で溶接して接合した電池のレーザ溶接良否判定方法であって、
    前記集電タブの平面を前記電池外装缶の内面底面部に当接させる工程と、
    前記電池外装缶の板厚より小さいスポット径を有する第1のレーザビームを前記電池外装缶の外側底面に照射して前記第1のレーザビームによる前記溶融部の第1の加工痕を形成する照射工程と
    前記第1のレーザビームのレーザ強度と対応して、接続状態を判定する条件として予め設定した加工痕の状態に基づき、接続不良の判定を行う判定工程と、を有し、
    前記照射工程において、前記電池外装缶と前記集電タブとを前記溶融部で接合するレーザ強度の前記第1のレーザビームを前記電池外装缶の外側底面に照射させると同時に、前記第1のレーザビームの前記レーザ強度よりレーザ強度の低い第2のレーザビームの照射と、前記第2のレーザビームよりレーザ強度の低い第3のレーザビームの照射とを、前記第1のレーザビームより分岐させて同時に前記電池外装缶へ照射させるとともに前記第1のレーザビームの照射と同時に、前記第1のレーザビームよりレーザ強度が低く、前記第2のレーザビームよりレーザ強度が高い第4のレーザビームを、前記第1のレーザビームより分岐させて前記電池外装缶へ照射させ、
    前記判定工程において、前記第2のレーザビームの第2の加工痕及び前記第4のレーザビームの第4の加工痕が確認出来る場合を接合良品とし、前記第4の加工痕のみが確認出来るか、又は、前記第2の加工痕及び前記第4の加工痕及び前記第3のレーザビームの第3の加工痕が確認出来る場合は、接合不良と判定する、電池のレーザ溶接良否判定方法。
  2. 前記照射工程において、前記第1〜前記第3のレーザビームを、前記電池外装缶の前記外側底面に対して斜めに照射する、請求項1に記載の電池のレーザ溶接良否判定方法。
  3. 前記照射工程において、前記電池外装缶をレーザ加工中心周りに回転させて、前記溶融部は円形となるとともに、他の加工痕は円環形状となる、請求項1〜のいずれか1つに記載の電池のレーザ溶接良否判定方法。
  4. 電池外装缶に対して、前記電池外装缶の板厚より小さいスポット径を有する第1のレーザビームを照射するレーザ発振器と、
    前記第1のレーザビームを、前記第1のレーザビームのレーザ強度よりレーザ強度の低い第2のレーザビームと、前記第2のレーザビームのレーザ強度よりレーザ強度の低い第3のレーザビームと、前記第1のレーザビームよりレーザ強度が低く、前記第2のレーザビームよりレーザ強度が高い第4のレーザビームと、に分岐させる回折格子と、
    前記溶融部を撮像する撮像装置と、
    前記撮像装置で撮像した画像情報を基に接続不良の判定を行う制御部と、を備え、
    前記第1のレーザビームは、前記電池外装缶の外側底面に、電池の集電タブと前記電池外装缶とを溶接する溶融部の第1の加工痕を形成し、
    前記第2のレーザビームは、前記第1のレーザビームと同時に、前記電池外装缶の外側底面に第2の加工痕を形成し、
    前記第3のレーザビームは、前記第1のレーザビームと同時に、前記電池外装缶の外側底面に第3の加工痕を形成し、
    前記第4のレーザビームは、前記第1のレーザビームと同時に、前記電池外装缶の外側底面に第4の加工痕を形成し、
    前記制御部は、前記第1のレーザビームのレーザ強度と対応して、接続状態を判定する条件として予め設定した加工痕の状態に基づき、前記第2の加工痕及び前記第4のレーザビームの第4の加工痕が確認出来る場合を接合良品とし、前記第4の加工痕のみが確認出来るか、又は、前記第2の加工痕及び前記第4のレーザビームの第4の加工痕及び前記第3の加工痕が確認出来る場合は、接合不良と判定する、レーザ加工装置。
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