JP6512137B2 - 車両走行制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自車両の前方を走行する追従対象車両に対して所定の車間距離を維持するように自車両を走行させる車両走行制御装置に関する。
従来から知られるこの種の車両走行制御装置の一つ(以下、「従来装置」と称呼する。)は、自車両が追従対象車両に対して追従走行を行っている場合に、他車両の横位置が所定値以上の速度で自車両の走行レーンに移動している場合、その他車両が自車両と追従対象車両との間に割り込んでくると予想する。加えて、従来装置は、他車両が割り込んでくると予想した場合、その他車両に対して目標加速度を演算し、その目標加速度に基いて自車両の加速度を制御する(例えば、特許文献1を参照。)。
特開2014−148293号公報(段落0035、段落0038及び図5等を参照。)
しかしながら、従来装置によれば、例えば、他車両が割り込んでくると予想した時点以降において、追従対象車両が急減速を行い且つその他車両が実際には割り込んでこない場合、自車両が追従対象車両に過剰に接近してしまう場合があるという問題がある。
そこで、自車両と追従対象車両との車間距離を第1設定車間距離に維持するために必要な自車両の目標加速度を追従用目標加速度として算出し、且つ、自車両と割り込んでくると予想した車両(予想割込み車両)との車間距離を第2設定車間距離に維持するために必要な自車両の目標加速度を割込み対応用目標加速度として算出し、追従用目標加速度及び割込み対応用目標加速度のうちのより小さい加速度を最終的な目標加速度として採用することが検討されている。
これによれば、追従対象車両が急減速を行っていて且つ予想割込み車両が実際には割り込んでこない場合には、追従用目標加速度が目標加速度として選択される。従って、自車両が追従対象車両に過剰に接近してしまう可能性を低減することができる。
ところで、割込み対応用目標加速度の演算開始時期が遅れると、換言すれば、他車両が自車両と追従対象車両との間に割り込んでくるとの判断時期が遅れると、他車両が実際に割り込んだ際に自車両を急減速しなければならない場合が発生し、その結果、運転者に強い違和感を与える虞がある。従って、出来る限り早期に割込み対応用目標加速度の演算を開始して、自車両を早期に減速することが望ましい。そのため、車両制御装置は、自車両と追従対象車両との間に割り込んでくる可能性(即ち、割込み確率)が比較的低い他車両についても予想割込み車両として扱い、その他車両に対する割込み対応用目標加速度の演算を開始する必要がある。
しかしながら、割込み確率が低い他車両は自車両と追従対象車両との間に割り込んでこない可能性が相対的に高いので、そのような他車両に対して割込み対応用目標加速度を演算すると、その他車両が実際には割り込んでこない場合であっても自車両が急減速を行い、その結果、運転者に強い違和感を与えてしまう場合がある。
本発明は上述した課題に対処するためになされたものである。即ち、本発明の目的の一つは、他車両が自車両と追従対象車両との間に割り込んでくる可能性がある場合に、自車両の加速度をより適切な加速度に制御することによって、追従対象車両に過剰に接近せず且つ運転者に強い違和感を与える可能性を低下させることができる車両走行制御装置を提供することにある。
本発明の車両走行制御装置(以下、「本発明装置」とも称呼する。)は、
自車両(VA)の前方を走行し同自車両が追従走行すべき先行車両である追従対象車両を特定する追従対象車両特定手段(20、21、ステップ305)、
前記自車両と前記追従対象車両との間に割り込んでくる可能性がある他車両が同自車両と同追従対象車両との間に割り込んでくる確率を割込み確率(P)として推定する割込み確率推定手段(20、ステップ335)、
前記自車両と前記追従対象車両との車間距離を第1設定車間距離に維持するために必要な自車両の目標加速度を追従用目標加速度(G1tgt)として算出する第1手段(20、ステップ310乃至ステップ320)、
前記自車両と前記割込み確率が第1閾値以上の他車両である予想割込み車両との車間距離を第2設定車間距離に維持するために必要な自車両の目標加速度を割込み対応用目標加速度(G2tgt)として算出するとともに(20、ステップ340乃至ステップ350)、その算出した割込み対応用目標加速度が前記割込み確率が小さいほど大きくなる割込み対応用制限値以下とならないように同算出した割込み対応用目標加速度に制限処理を施す(20、ステップ355乃至ステップ375)第2手段、
前記追従用目標加速度(G1tgt)及び前記割込み対応用目標加速度(G2tgt)のうちの小さい方を調停後目標加速度として選択する調停手段(20、ステップ1210)、及び、
前記自車両の実際の加速度が前記調停後目標加速度に近づくように自車両の駆動力及び制動力を制御する走行制御手段(20、30、32、40、42、ステップ1220)、
を備える。
本発明装置によれば、自車両と追従対象車両との車間距離を第1設定車間距離に維持するために必要な自車両の目標加速度が追従用目標加速度として算出され、自車両と推定された割込み確率が第1閾値以上の他車両(即ち、予想割込み車両)との車間距離を第2設定車間距離に維持するために必要な自車両の目標加速度が割込み対応用目標加速度として算出される。そして、追従用目標加速度と割込み対応用目標加速度とのうちのより小さい加速度に基いて自車両の加速度が制御される。
一般に、予想割込み車両に対する車間距離は、追従対象車両に対する車間距離よりも短いので、割込み対応用目標加速度は追従用目標加速度よりも小さくなる。そのため、本発明装置によれば、割込み対応用目標加速度が高い頻度にて調停後目標加速度として選択されるので、自車両は追従対象車両との車間距離を大きくするように減速する。よって、実際に予想割込み車両が割込みを行った場合、割込み車両に対する車間距離が速やかに適切な距離となる。
これに対し、予想割込み車両を検出した時点以降において追従対象車両が急減速を開始すると、追従用目標加速度は割込み対応用目標加速度よりも小さくなる。従って、この場合、追従用目標加速度が調停後目標加速度として選択されるので、自車両は追従対象車両に対して適切な車間距離を確保するように減速する。この結果、予想割込み車両が実際には割込みを行わなかった場合に追従対象車両に対する車間距離が過剰に短くなることを回避することができる。
一方、本発明装置においては、第1閾値を比較的小さい値に設定することにより、より多くの他車両を割込み対応用目標加速度を算出するべき予想割込み車両として扱うことができる。しかしながら、割込み確率が相対的に低い他車両は実際には割込みを行わない可能性が高いにも拘わらず、例えば、その他車両と自車両との車間距離が非常に短い場合には割込み対応用目標加速度が非常に小さい値になるため、自車両が急減速する。この場合、その他車両が実際に割込みを行わなわないと、運転者に強い違和感を与える。
そこで、本発明装置は、「算出した割込み対応用目標加速度」が「割込み確率が小さいほど大きくなる割込み対応用制限値」以下とならないように、その算出した割込み対応用目標加速度に制限処理を施す。
記制限処理は、例えば、「算出した割込み対応用目標加速度」が「割込み確率が低いほど大きくなる負の下限値」よりも小さい場合に、割込み対応目標加速度を下限値に置換する処理(下限処理)であってもよい。
この結果、本発明装置によれば、割込み確率が低い他車両に対する割込み対応目標加速度が過剰に小さい値(自車両を過度に急減速させる値)にならないので、その他車両が実際には割込みを行わなかった場合であっても、運転者に強い違和感を与えることはない。
上記説明においては、本発明の理解を助けるために、後述する実施形態に対応する発明の構成に対し、その実施形態で用いた名称及び/又は符号を括弧書きで添えている。しかしながら、本発明の各構成要素は、前記名称及び/又は前記符号によって規定される実施形態に限定されるものではない。本発明の他の目的、他の特徴及び付随する利点は、以下の図面を参照しつつ記述される本発明の実施形態についての説明から容易に理解されるであろう。
図1は、本発明の実施形態に係る車両走行制御装置の概略構成図である。 図2は、図1に示した車両走行制御装置の詳細な構成図である。 図3は、図2に示した運転支援ECUのCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。 図4は、図2に示した運転支援ECUのCPUが実行するサブルーチンを示したフローチャートである。 図5は、図2に示した運転支援ECUのCPUが実行するサブルーチンを示したフローチャートである。 図6は、図2に示した運転支援ECUのCPUが実行する「勾配制限処理及び下限処理」を説明するための図である。 図7は、図2に示した運転支援ECUのCPUが他車両の割込み確率を推定する際に参照するルックアップテーブル(マップ)である。 図8は、図2に示した運転支援ECUのCPUが実行するサブルーチンを示したフローチャートである。 図9は、図2に示した運転支援ECUのCPUが実行するサブルーチンを示したフローチャートである。 図10は、図2に示した運転支援ECUのCPUが実行するサブルーチンを示したフローチャートである。 図11は、図2に示した運転支援ECUのCPUが実行するサブルーチンを示したフローチャートである。 図12は、図2に示した運転支援ECUのCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。
以下、本発明の実施形態に係る車両走行制御装置について図面を参照しながら説明する。先ず、本明細書及び図面において使用される主たる用語について説明する。
・自車両:自己の車両(着目している車両)
・他車両:自車両以外の車両
・先行車両:自車両の前方を走行している他車両
・追従対象車両:自車両が搭載する前方レーダ装置が検出している先行車両であって、自車両がその車両との車間距離を所定距離(第1設定車間距離)に維持するように、自車両の加速度を制御して追従走行すべき先行車両
・割込み車両:走行レーンの変更等により自車両と追従対象車両との間に割込んでくる他車両
(構成)
図1に示したように、本発明の実施形態に係る車両走行制御装置(以下、「本制御装置」と称呼される場合がある。)」10は自車両VAに搭載される。本制御装置10は、運転支援ECU20、エンジンECU30及びブレーキECU40を備える。これらのECUは、通信・センサ系CAN(Controller Area Network)100を介してデータ交換可能(通信可能)となっている。なお、ECUは、エレクトリックコントロールユニットの略称であり、CPU、ROM、RAM及びインターフェース等を含むマイクロコンピュータを主要構成部品として有する電子制御回路である。CPUは、メモリ(ROM)に格納されたインストラクション(ルーチン、プログラム)を実行することにより後述する各種機能を実現する。
更に、本制御装置10は、前方レーダ装置21を備える。前方レーダ装置21もCAN100を介して運転支援ECU20とデータ交換可能になっている。
より詳細には、図2に示したように、運転支援ECU20は、前方レーダ装置21、ACC操作スイッチ22及び車速センサ23と接続されている。
前方レーダ装置21は、ミリ波送受信部と処理部とを備えている。前方レーダ装置21は、図1に示したように、自車両VAの前方端部且つ車幅方向の中央部に配設されている。ミリ波送受信部は、自車両VAの直進前方向に伸びる中心軸C1を有し且つ中心軸C1から左方向及び右方向にそれぞれ所定の角度θ1の広がりをもって伝播するミリ波を発信する。そのミリ波は、物標(例えば、先行車両)により反射される。ミリ波送受信部はこの反射波を受信する。なお、以下において、中心軸C1に沿う車両前方をX座標軸と規定し、中心軸C1と直交する方向をY座標軸と規定する。X座標は、車両前方向において正の値となり、車両後方向において負の値となる。Y座標は、車両右方向において正の値となり、車両左方向において負の値となる。
前方レーダ装置21の処理部は、送信したミリ波と受信した反射波との位相差、反射波の減衰レベル及びミリ波を送信してから反射波を受信するまでの時間等に基づいて、検出した各物標(n)に対する、車間距離(縦距離)Dfx(n)、相対速度Vfx(n)、横距離Dfy(n)及び相対横速度Vfy(n)等を所定時間の経過毎に取得する。前方レーダ装置21により取得されるこれらのデータ(Dfx(n)、Vfx(n)、Dfy(n)及びVfy(n)等)は、便宜上、「前方レーダ取得情報」又は「物標情報」と称呼される場合がある。
車間距離Dfx(n)は、自車両VAと物標(n)(例えば、先行車両)と間の中心軸C1に沿った距離である。
相対速度Vfx(n)は、物標(n)(例えば、先行車両)の速度SPDsと自車両VAの速度SPDjとの差(=SPDs−SPDj)である。なお、物標(n)の速度SPDsは自車両VAの進行方向における物標(n)の速度である。
横距離Dfy(n)は、「物標(n)の中心位置(例えば、先行車両の車幅中心位置)」の、中心軸C1と直交する方向における中心軸C1からの距離である。横距離Dfy(n)は「横位置」とも称呼される。
相対横速度Vfy(n)は、各物標(n)の中心位置の、中心軸C1と直交する方向における相対速度である。
再び図2を参照すると、ACC操作スイッチ22は、運転者により操作されるスイッチである。ACCは、追従車間距離制御(Adaptive Cruise Control)を意味し、単に、追従走行制御とも称呼される場合がある。運転者によりACC操作スイッチ22を用いた所定の操作がなされると、その操作に応じて、ACC開始要求(再開要求も含む。)及びACC停止要求(キャンセル要求)が発生する。更に、ACC操作スイッチ22の所定の操作により、後述する目標車間時間Ttgtが変更・設定される。
車速センサ23は、自車両VAの速度(自車速度)Vjを検出し、その自車速度Vjを表す信号を出力する。
エンジンECU30は、複数のエンジンセンサ31と接続され、これらのセンサの検出信号を受け取るようになっている。エンジンセンサ31は、図示しない「自車両VAの駆動源であるガソリン燃料噴射式・火花点火・内燃機関」の運転状態量を検出するセンサである。エンジンセンサ31は、アクセルペダル操作量センサ、スロットル弁開度センサ、機関回転速度センサ及び吸入空気量センサ等を含む。
更に、エンジンECU30は、スロットル弁アクチュエータ及び燃料噴射弁等のエンジンアクチュエータ32と接続されている。エンジンECU30は、エンジンアクチュエータ32を駆動することによって内燃機関が発生するトルクを変更し、以て、自車両VAの駆動力を調整して自車両VAの加速度を制御するようになっている。更に、エンジンECU30は、スロットル弁開度センサにより検出されるスロットル弁開度が「0(スロットル弁開度の取り得る範囲の最小値)」(即ち、スロットル弁全閉)であり且つ機関回転速度が閾値回転速度よりも高いとき、燃料噴射を停止する「フューエルカット運転」を行うようになっている。
ブレーキECU40は、複数のブレーキセンサ41と接続され、これらのセンサの検出信号を受け取るようになっている。ブレーキセンサ41は、図示しない「自車両VAに搭載された制動装置(油圧式摩擦制動装置)」を制御する際に使用されるパラメータを検出するセンサである。ブレーキセンサ41は、ブレーキペダル操作量センサ及び各車輪の回転速度を検出する車輪速度センサ等を含む。
更に、ブレーキECU40は、ブレーキアクチュエータ42と接続されている。ブレーキアクチュエータ42は油圧制御アクチュエータである。ブレーキアクチュエータ42は、ブレーキペダルの踏力によって作動油を加圧するマスタシリンダと、各車輪に設けられる周知のホイールシリンダを含む摩擦ブレーキ装置と、の間の油圧回路(何れも、図示略)に配設される。ブレーキアクチュエータ42はホイールシリンダに供給する油圧を調整する。ブレーキECU40は、ブレーキアクチュエータ42を駆動することにより各車輪に制動力(摩擦制動力)を発生させ、自車両VAの加速度(負の加速度、即ち、減速度)を調整するようになっている。
(作動の概要)
本制御装置は、前方レーダ装置21が検出する物標情報に基づいて追従対象車両を特定し、その追従対象車両に対して第1設定車間距離を維持するために必要な追従用目標加速度G1tgtを演算する。加えて、本制御装置は、追従用目標加速度G1tgtに対し、後に詳述する「勾配制限処理及び下限処理」を施して最終的な追従用目標加速度G1tgtを演算する。
更に、本制御装置は、物標情報に基づいて、「自車両VAと追従対象車両との間に割り込んでくる可能性がある他車両」が、自車両VAと追従対象車両との間に割り込んでくる確率(以下、「割込み確率」と称呼する。)を演算する。そして、本制御装置は、割込み確率が第1閾値(例えば、60%)を超える他車両を「予想割込み車両」として検出する。更に、本制御装置は、その予想割込み車両に対して第2設定車間距離を維持するために必要な割込み対応用目標加速度G2tgtを演算する。
加えて、本制御装置は、割込み対応用目標加速度G2tgtに対し、「勾配制限処理及び下限処理」を施して最終的な割込み対応用目標加速度G2tgtを演算する。この割込み対応用目標加速度G2tgtに対する「勾配制限処理及び下限処理」は、割込み確率に応じた処理であり、後に詳述する。ここでは簡単に述べると、勾配制限処理は、割込み確率が高いほど大きな減速度の変化を許容する処理であり、換言すると、割込み確率が低いほど減速度の変化量(減少量の大きさ)を小さい値に制限する処理である。下限処理は、割込み確率が高いほどより大きい減速度を許容する処理であり、換言すると、割込み確率が低いほど減速度の大きさをより小さくする処理である。
更に、本制御装置は、最終的な追従用目標加速度G1tgtと、最終的な割込み対応用目標加速度G2tgtと、の中からより小さい目標加速度を選択し、その選択した目標加速度を「最終的な目標加速度(調停後目標加速度)Gfin」として設定する。そして、本制御装置は、自車両VAの実際の加速度が調停後目標加速度Gfinとなるように、エンジンアクチュエータ32及びブレーキアクチュエータ42をそれぞれ制御(駆動)する。この結果、自車両VAの実際の加速度が調停後目標加速度Gfinに一致させられる。
(具体的作動)
運転支援ECU20のCPU(以下、「CPU」と表記した場合、特に断りがない限り、運転支援ECU20のCPUを指す。)は、追従車間距離制御が実行されていない状態にてACC操作スイッチ22が操作されることによりACC開始要求が発生すると、図3及び図12にフローチャートにより示したルーチンを一定時間tsが経過する毎に実行するようになっている。
1.追従用目標加速度G1tgtの演算
従って、所定のタイミングになると、CPUは図3のステップ300から処理を開始し、以下に述べるステップ305乃至ステップ330の処理を順に行い、ステップ335に進む。
ステップ310:CPUは、前方レーダ装置21により取得された前方レーダ取得情報(物標情報)に基づいて追従対象車両を特定(選択)する(例えば、特開2015−072604号公報を参照。)。簡単に述べると、CPUは、横距離Dfy(n)及び車間距離Dfx(n)を、図3のブロックB内に示したマップに適用することにより、そのマップの追従対象車両領域に存在する他車両(n)を特定し、且つ、その他車両(n)がその追従対象車両領域に所定時間以上に渡って連続して存在する場合、その他車両(n)を追従対象車両(a)として選択・特定する。なお、マップの追従対象車両領域に複数の他車両が存在する場合、CPUは車間距離Dfx(n)が最も短い他車両を追従対象車両として特定する。更に、追従対象車両が存在しない場合、CPUは自車両VAの速度を目標車間時間Ttgtに応じた目標速度に一致するように自車両VAの加速度を制御する。この点については本発明と直接関係がないので詳細な説明を省略する。
ステップ310:CPUは、所定の目標車間時間Ttgtに自車速度Vjを乗じることにより目標車間距離Dtgtを算出する。目標車間時間Ttgtは、ACC操作スイッチ22の操作により別途設定されているが、固定値であってもよい。なお、このステップ310にて使用される目標車間距離Dtgtは便宜上「第1設定車間距離」とも称呼される。
ステップ315:CPUは、ステップ305にて選択した追従対象車両(a)の車間距離Dfx(a)から目標車間距離Dtgtを減じることにより車間偏差ΔD1を算出する。
ステップ320:CPUは、追従用目標加速度G1tgtを下記(1)式及び(2)式の何れかに従って算出する。追従用目標加速度G1tgtは、便宜上、「第1目標加速度」とも称呼される。
(1)式及び(2)式において、Vfx(a)はステップ305にて選択した追従対象車両(a)の相対速度であり、K1及びK2は所定の正のゲイン(係数)である。CPUは、下記(1)式を、値(K1・ΔD1+K2・Vfx(a))が正の場合に使用する。Ka1は、加速用の正のゲイン(係数)であり、「1」以下の値に設定されている。CPUは、下記(2)式を、値(K1・ΔD1+K2・Vfx(a))が負の場合に使用する。Kd1は、減速用の正のゲイン(係数)であり、本例においては「1」に設定されている。

G1tgt(加速用)=Ka1・(K1・ΔD1+K2・Vfx(a)) …(1)
G1tgt(減速用)=Kd1・(K1・ΔD1+K2・Vfx(a)) …(2)
ステップ325:CPUは、ステップ320にて計算された追従用目標加速度G1tgtに対して「追従対象車両に対する勾配制限処理」を施す。より具体的に述べると、CPUはステップ320に進むと、図4に示したサブルーチンのステップ400から処理を開始する。そして、CPUは、ステップ410に進み、「調停後目標加速度Gfinの所定時間ts前(時刻told)の値Gfinold」から「ステップ320にて計算された追従用目標加速度G1tgt(現時点tnowにおける追従用目標加速度G1tgt)」を減じることにより、第1目標加速度勾配dG1を算出する(図6を参照。)。調停後目標加速度Gfinは所定時間ts前に自車両VAの最終的な目標加速度として使用された加速度である。調停後目標加速度Gfinについては後に詳述する。値Gfinoldは「調停後目標加速度の前回値」と称呼される場合がある。
次に、CPUはステップ420に進み、第1目標加速度勾配dG1が「追従対象車両に対して予め定められた所定の勾配制限値dGPr(但し、dGPr>0)」よりも大きいか否か判定する(図6を参照。)。勾配制限値dGPrは、「追従対象車両用勾配制限値dGPr」、又は、「第1勾配制限値dGPr」と称呼される場合がある。
第1目標加速度勾配dG1が勾配制限値dGPrよりも大きい場合、CPUはステップ420にて「Yes」と判定してステップ430に進み、調停後目標加速度の前回値Gfinoldから勾配制限値dGPrを減じた値を、追従用目標加速度G1tgtとして設定する。その後、CPUはステップ495を経由して図3のステップ330に進む。この結果、追従用目標加速度G1tgtは勾配制限値dGPrに基いて「時間ts当りの変化量(減少量)」が制限される。
これに対し、第1目標加速度勾配dG1が勾配制限値dGPr以下である場合、CPUはステップ420にて「No」と判定し、ステップ495を経由して図3のステップ330に進む。このように、追従用目標加速度G1tgtは、「追従走行用制限値」の一つである「調停後目標加速度の前回値Gfinoldから勾配制限値dGPrを減じた値(Gfinold−dGPr)」よりも小さい値にならないように制限される。
ステップ330:CPUは、ステップ325にて追従走行用勾配制限処理が施された追従用目標加速度G1tgtに対して下限処理(追従走行用下限処理)を施す。
より具体的に述べると、CPUはステップ330に進むと、図5に示したサブルーチンのステップ500から処理を開始する。そして、CPUは、ステップ510に進み、追従用目標加速度G1tgtが「追従対象車両に対して予め定められた所定の加速度下限値GLimitPr(但し、GLimitPr<0)」よりも小さいか否か判定する(図6を参照。)。
この加速度下限値GLimitPrは、自車両VAの制動装置を作動させた場合に得られる負の加速度(換言すると、自車両VAの制動装置を作動させた場合にのみ得られる負の加速度)に設定されている。加速度下限値GLimitPrは、「追従対象車両用加速度下限値GLimitPr」、又は、「第1加速度下限値GLimitPr」と称呼される場合がある。
追従用目標加速度G1tgtが加速度下限値GLimitPrよりも小さい場合、CPUはステップ510にて「Yes」と判定してステップ520に進み、加速度下限値GLimitPrを追従用目標加速度G1tgtとして設定する。その後、CPUはステップ595を経由して図3のステップ335に進む。この結果、追従用目標加速度G1tgtは加速度下限値GLimitPr以下にならないように制限される。
これに対し、追従用目標加速度G1tgtが加速度下限値GLimitPr以上である場合、CPUはステップ510にて「No」と判定し、ステップ595を経由して図3のステップ335に進む。このように、追従用目標加速度G1tgtは、「追従走行用制限値」の一つである第1加速度下限値GLimitPrよりも小さい値にならないように制限される。
以上の処理により、最終的な追従用目標加速度G1tgtが求められる。
2.割込み対応用目標加速度G2tgtの演算
CPUは、ステップ335にて、「自車両VAと追従対象車両との間に割り込んでくる可能性がある他車両」が実際に割り込んでくる確率(即ち、割込み確率、割込み可能性)Pを算出する。
より具体的に述べると、CPUは、前方レーダ装置21が検出している物標(n)のうち、ステップ305において追従対象車両(a)と判定された物標以外の物標のそれぞれについての横距離Dfy(n)及び相対横速度Vfy(n)を図7に示した領域マップWSに適用して、それぞれの物標(n)の割込み確率Pを推定する。
例えば、自車両VAの左側斜め前方を走行している他車両(n)が自車両VAと追従対象車両(a)との間に割込んでくる場合、横距離Dfy(n)及び相対横速度Vfy(n)の軌跡は破線TLに示したように変化する。領域マップWSは、このような軌跡を考慮して予め作成されROMに格納されている。概していえば、領域マップWSによって得られる割込み確率Pは、横距離Dfy(n)の大きさが「0」に近いほど高くなり、相対横速度Vfy(n)が自車の車幅方向中央に近づく方向であって、その大きさ|Vfy(n)|が高いほど高くなる。
次に、CPUはステップ340に進み、割込み確率Pが第1閾値(例えば、40〜60%の間の所定値)以上であるか否かを判定することにより、割り込んでくると予想される車両(b)が存在しているか否かを判定する。
そして、CPUは、割込み確率Pが第1閾値以上である物標(b)が存在する場合、その物標(b)を「予想割込み車両」として特定した上で、以下に述べるステップ345及びステップ350の処理を順に行い、ステップ355に進む。
ステップ345:CPUは、車間距離Dfx(b)から目標車間距離Dtgtを減じることにより車間偏差ΔD2を算出する。車間距離Dfx(b)は、ステップ340にて予想割込み車両であると特定された物標(b)に対する車間距離Dfx(n)である。なお、このステップ345にて使用される目標車間距離Dtgtは、便宜上「第2設定車間距離」とも称呼される。
第2設定車間距離はステップ310にて求められる第1設定車間距離と同一でもよく相違していてもよい。例えば、第2設定車間距離は、第1設定車間距離よりも正の第1の値だけ小さい値から「予想割込み車両であるとの特定がなされてからの時間t」とともに第1設定車間距離に近づく値であってもよい。この場合、第1設定車間距離を算出する際に使用する目標車間時間Ttgtに、「「0」と「1」の間の値から上記時間tとともに「1」に接近・収束する係数s(t)」を乗じた時間を、これに自車速度Vjを乗じることによって第2設定車間距離を求めるための目標車間時間としてもよい。即ち、下記式により第2設定車間距離が算出されてもよい。

第2設定車間距離={s(t)・目標車間時間Ttgt}・Vj
ステップ350:CPUは、割込み対応用目標加速度G2tgtを下記(3)式及び(4)式の何れかに従って算出する。割込み対応用目標加速度G2tgtは、便宜上、「第2目標加速度」とも称呼される。
(3)式及び(4)式において、Vfx(b)はステップ340にて予想割込み車両であると判定された物標(b)の相対速度Vfx(n)であり、「K1及びK2」は上記(1)式及び(2)式において使用される「K1及びK2」とそれぞれ同じ値のゲインである。CPUは、下記(3)式を、値(K1・ΔD2+K2・Vfx(b))が正の場合に使用する。
Ka2は、加速用の正のゲイン(係数)であり、上記(1)式で使用されるゲインKa1(ステップ320にて使用されるゲインKa1)よりも小さい値(又は、ゲインKa1以下の値)に設定されている。
更に、CPUは、下記(4)式を、値(K1・ΔD2+K2・Vfx(b))が負の場合に使用する。
Kd2は、減速用の正のゲイン(係数)であり、上記(2)式で使用されるゲインKd1(ステップ320にて使用されるゲインKd1)よりも小さい値(又は、ゲインKd1以下の値)に設定されている。

G2tgt(加速用)=Ka2・(K1・ΔD2+K2・Vfx(b)) …(3)
G2tgt(減速用)=Kd2・(K1・ΔD2+K2・Vfx(b)) …(4)
次に、CPUはステップ355に進み、物標(b)の割込み確率Pが「第1閾値よりも大きい第2閾値(例えば、70〜90%の間の所定値)」以上であるか否かを判定する。
物標(b)の割込み確率Pが第2閾値以上である場合、CPUはステップ355にて「Yes」と判定し、以下に述べるステップ360及びステップ365の処理を順に行い、ステップ395に進んで本ルーチンを一旦終了する。
ステップ360:CPUは、ステップ350にて計算された割込み対応用目標加速度G2tgtに対して「高割込み確率車両に対する勾配制限処理」を施す。より具体的に述べると、CPUはステップ360に進むと、図8に示したサブルーチンのステップ800から処理を開始する。そして、CPUは、ステップ810に進み、「調停後目標加速度Gfinの所定時間ts前(時刻told)の値Gfinold(調停後目標加速度の前回値Gfinold)」から「ステップ350にて計算された割込み対応用目標加速度G2tgt(現時点tnowにおける対応用目標加速度G2tgt)」を減じることにより、第2目標加速度勾配dG2を算出する(図6を参照。)。前述したように、調停後目標加速度Gfinは、所定時間ts前に自車両VAの最終的な目標加速度として使用された加速度である。
次に、CPUはステップ820に進み、第2目標加速度勾配dG2が「割込み確率Pが相対的に高い車両(即ち、高割込み確率車両)に対して予め定められた所定の勾配制限値dGHi(dGHi>0)」よりも大きいか否か判定する(図6を参照。)。この高割込み確率車両用の勾配制限値dGHiは、追従対象車両用の勾配制限値dGPrよりも小さい値に設定されている。勾配制限値dGHiは、「高割込み確率車両用勾配制限値dGHi」、又は、「第2勾配制限値dGHi」と称呼される場合がある。
第2目標加速度勾配dG2が勾配制限値dGHiよりも大きい場合、CPUはステップ820にて「Yes」と判定してステップ830に進み、調停後目標加速度の前回値Gfinoldから勾配制限値dGHiを減じた値を、割込み対応用目標加速度G2tgtとして設定する。その後、CPUはステップ895を経由して図3のステップ365に進む。この結果、割込み対応用目標加速度G2tgtは勾配制限値dGHiに基いて「時間ts当りの変化量(減少量)」が制限される。
これに対し、第2目標加速度勾配dG2が勾配制限値dGHi以下である場合、CPUはステップ820にて「No」と判定し、ステップ895を経由して図3のステップ365に進む。このように、割込み対応用目標加速度G2tgtは、「割込み対応用制限値」の一つである「調停後目標加速度の前回値Gfinoldから勾配制限値dGHiを減じた値(Gfinold−dGHi)」よりも小さい値にならないように制限される。
ステップ365:CPUは、ステップ360にて高割込み確率車両に対する勾配制限処理が施された割込み対応用目標加速度G2tgtに対して「高割込み確率車両に対する下限処理」を施す。
より具体的に述べると、CPUはステップ365に進むと、図9に示したステップ900から処理を開始する。そして、CPUは、ステップ910に進み、割込み対応用目標加速度G2tgtが「高割込み確率車両に対して予め定められた所定の加速度下限値GLimitHi(但し、GLimitHi<0)」よりも小さいか否か判定する。
この高割込み確率車両用の加速度下限値GLimitHiは、追従対象車両用の加速度下限値GLimitPrよりも大きい値に設定されている(図6を参照。)。更に、加速度下限値GLimitHiは、自車両VAの制動装置を作動させることなく得られる負の加速度に設定されている。加速度下限値GLimitHiは、「高割込み確率車両用加速度下限値GLimitHi」、又は、「第2加速度下限値GLimitHi」と称呼される場合がある。
割込み対応用目標加速度G2tgtが加速度下限値GLimitHiよりも小さい場合、CPUはステップ910にて「Yes」と判定してステップ920に進み、加速度下限値GLimitHiを割込み対応用目標加速度G2tgtとして設定する。その後、CPUはステップ995を経由して図3のステップ395に進む。この結果、割込み対応用目標加速度G2tgtは加速度下限値GLimitHi以下にならないように制限される。
これに対し、割込み対応用目標加速度G2tgtが加速度下限値GLimitHi以上である場合、CPUはステップ910にて「No」と判定し、ステップ995を経由して図3のステップ395に進む。このように、割込み対応用目標加速度G2tgtは、「割込み対応用制限値」の一つである第2加速度下限値GLimitHiよりも小さい値にならないように制限される。
以上の処理により、高割込み確率車両に対する最終的な割込み対応用目標加速度G2tgtが求められる。
一方、CPUがステップ355の処理を実行する時点において、物標(b)の割込み確率Pが第2閾値よりも小さい場合、CPUはステップ355にて「No」と判定し、以下に述べるステップ370及びステップ375の処理を順に行い、ステップ395に進んで本ルーチンを一旦終了する。
ステップ370:CPUは、ステップ350にて計算された割込み対応用目標加速度G2tgtに対して「低割込み確率車両に対する勾配制限処理」を施す。より具体的に述べると、CPUはステップ370に進むと、図10に示したステップ1000から処理を開始する。そして、CPUは、ステップ1010に進み、「調停後目標加速度Gfinの所定時間ts前(時刻told)の値Gfinold(調停後目標加速度の前回値Gfinold)」から「ステップ350にて計算された割込み対応用目標加速度G2tgt(現時点tnowにおける対応用目標加速度G2tgt)」を減じることにより、第2目標加速度勾配dG2を算出する(図6を参照。)。前述したように、調停後目標加速度Gfinは、所定時間ts前に自車両VAの最終的な目標加速度として使用された加速度である。
次に、CPUはステップ1020に進み、第2目標加速度勾配dG2が「割込み確率Pが相対的に低い車両(即ち、低割込み確率車両)」に対して予め定められた所定の勾配制限値dGLo(dGLo>0)」よりも大きいか否か判定する(図6を参照。)。この低割込み確率車両用の勾配制限値dGLoは、高割込み確率車両用の勾配制限値dGHiよりも小さい値に設定されている。勾配制限値dGLoは、「低割込み確率車両用勾配制限値dGLo」、又は、「第3勾配制限値dGLo」と称呼される場合がある。
第2目標加速度勾配dG2が勾配制限値dGLoよりも大きい場合、CPUはステップ1020にて「Yes」と判定してステップ1030に進み、調停後目標加速度の前回値Gfinoldから勾配制限値dGLoを減じた値を、割込み対応用目標加速度G2tgtとして設定する。その後、CPUはステップ1095を経由して図3のステップ375に進む。この結果、割込み対応用目標加速度G2tgtは勾配制限値dGLoに基いて「時間ts当りの変化量(減少量)」が制限される。
これに対し、第2目標加速度勾配dG2が勾配制限値dGLo以下である場合、CPUはステップ1020にて「No」と判定し、ステップ1095を経由して図3のステップ375に進む。このように、割込み対応用目標加速度G2tgtは、「割込み対応用制限値」の一つである「調停後目標加速度の前回値Gfinoldから勾配制限値dGLoを減じた値(Gfinold−dGLo)」よりも小さい値にならないように制限される。
ステップ375:CPUは、ステップ370にて低割込み確率車両に対する勾配制限処理が施された割込み対応用目標加速度G2tgtに対して「低割込み確率車両に対する下限処理」を施す。
より具体的に述べると、CPUはステップ375に進むと、図11に示したステップ1100から処理を開始する。そして、CPUは、ステップ1110に進み、割込み対応用目標加速度G2tgtが「低割込み確率車両に対して予め定められた所定の加速度下限値GLimitLo(但し、GLimitLo<0)」よりも小さいか否か判定する。
この低割込み確率車両用の加速度下限値GLimitLoは、高割込み確率車両用の加速度下限値GLimitHiよりも大きい値に設定されている(図6を参照。)。更に、加速度下限値GLimitLoは、自車両VAの制動装置を作動させることなく得られる負の加速度に設定されている。加速度下限値GLimitLoは、「低割込み確率車両用加速度下限値GLimitLo」、又は、「第3加速度下限値GLimitLo」と称呼される場合がある。
割込み対応用目標加速度G2tgtが加速度下限値GLimitLoよりも小さい場合、CPUはステップ1110にて「Yes」と判定してステップ1120に進み、加速度下限値GLimitLoを割込み対応用目標加速度G2tgtとして設定する。その後、CPUはステップ1195を経由して図3のステップ395に進む。この結果、割込み対応用目標加速度G2tgtは加速度下限値GLimitLo以下にならないように制限される。
これに対し、割込み対応用目標加速度G2tgtが加速度下限値GLimitLo以上である場合、CPUはステップ1110にて「No」と判定し、ステップ1195を経由して図3のステップ395に進む。このように、割込み対応用目標加速度G2tgtは、「割込み対応用制限値」の一つである第3加速度下限値GLimitLoよりも小さい値にならないように制限される。
以上の処理により、低割込み確率車両に対する最終的な割込み対応用目標加速度G2tgtが求められる。
なお、CPUはステップ340にて「No」と判定した場合(即ち、予想割込み車両が存在しないと判定した場合)、ステップ380に進む。そして、CPUは、割込み対応用目標加速度G2tgtに「自車両VAが発生することができる最高加速度よりも高い仮想加速度G2infinite(但し、仮想加速度G2infinite>0)」を設定する。その後、CPUはステップ395に進んで本ルーチンを一旦終了する。
3.目標加速度の調停及び車両走行制御
更に、所定のタイミングになると、CPUは図12の「目標加速度の調停及び車両走行制御ルーチン」のステップ1200から処理を開始し、以下に述べるステップ1210乃至ステップ1230の処理を順に行い、ステップ1295に進んで本ルーチンを一旦終了する。
ステップ1210:CPUは、追従用目標加速度G1tgt及び割込み対応用目標加速度G2tgtの中からより小さい目標加速度を選択し、その選択した目標加速度を「最終的な目標加速度(調停後目標加速度)Gfin」として設定する。
ステップ1220:CPUは、自車両VAの加速度が調停後目標加速度Gfinに一致するように、エンジンECU30及びブレーキECU40に調停後目標加速度Gfinを送信する。エンジンECU30及びブレーキECU40は、調停後目標加速度Gfinに応じて、エンジンアクチュエータ32及びブレーキアクチュエータ42をそれぞれ制御(駆動)する。この結果、自車両VAの実際の加速度が調停後目標加速度Gfinに一致させられる。以上の処理により予想割込み車両に対応可能な追従車間距離制御が実行される。
ステップ1230:CPUは、ステップ1210にて今回計算された調停後目標加速度Gfinを「調停後目標加速度Gfinの所定時間ts前の値Gfinold(即ち、調停後目標加速度の前回値Gfinold)」として格納する。
以上、説明したように、本制御装置は、追従用目標加速度G1tgt及び割込み対応用目標加速度G2tgtを求め、それらの中からより小さい(最も小さい)目標加速度を「最終的な目標加速度(調停後目標加速度)Gfin」として設定する。
この結果、予想割込み車両が検出された場合に割込み対応用目標加速度(G2tgt)が調停後目標加速度Gfinとして選択されたときには、自車両VAは追従対象車両との車間距離を大きくするように減速する。よって、実際に予想割込み車両が割込みを行った場合、割込み車両に対する車間距離が速やかに適切な距離となる。更に、予想割込み車両を検出した時点以降において追従対象車両が急減速を開始した場合、追従用目標加速度G1tgtが調停後目標加速度Gfinとして選択される可能性が高く、従って、この場合、自車両VAは追従対象車両に対して適切な車間距離を確保するように減速する。この結果、予想割込み車両が実際には割込みを行わなかった場合に追従対象車両に対する車間距離が過剰に短くなることを回避することができる。
更に、本制御装置は、割込み対応用目標加速度G2tgtが「割込み確率が小さいほど大きくなる負の割込み対応用制限値(GLimitHi、GLimitLo)」以下とならないように、割込み対応用目標加速度G2tgtに制限処理を施す。従って、本制御装置は、低割込み確率車両に対する割込み対応目標加速度が過剰に小さい値(自車両を過度に急減速させる値)にならないので、その他車両が実際には割込みを行わなかった場合であっても、運転者に強い違和感を与えることはない。
本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、本制御装置は、図1示したように、CAN100を介して運転支援ECU20に通信可能なステレオカメラ101を備えることもできる。ステレオカメラ101は、車室内のフロントウインドの上部に配設され、自車両VAの直進前方のステレオ画像を取得し、そのステレオ画像から物標情報を取得するとともに白線等に基づいて走行車線を認識することができる。この場合、本制御装置は、前方レーダ装置21が取得する物標情報とステレオカメラ101から得られる物標情報とを統合して、より精度の高い物標情報を取得してもよい。更に、本制御装置は、ステレオカメラ101から得られる走行車線についての情報に基づいて自車両VAの進路を推定し、その推定進路を考慮した上で、例えば、物標の横位置がその推定進路に直交する方向における物標の横位置となるように、前方レーダ装置21が取得する物標情報を修正してもよい。
更に、割込み確率Pが第1閾値以上である他車両が2台以上存在する場合、CPUは割込み確率Pが第1閾値以上である複数の他車両のそれぞれに対してステップ345乃至ステップ375の対応する処理を行って、その他車両のそれぞれに対する最終的な割込み対応用目標加速度G2tgtを算出し、それらの複数の割込み対応用目標加速度G2tgtと追従用目標加速度G1tgtとの中から最小の加速度を選択し、その選択した目標加速度を「最終的な目標加速度(調停後目標加速度)Gfin」として設定してもよい。
更に、本制御装置は、ステップ365の処理をステップ360の処理に先立って実行してもよい。同様に、本制御装置は、ステップ375の処理をステップ370の処理に先立って実行してもよい。加えて、本制御装置は、ステップ330の処理をステップ325の処理に先立って実行してもよい。
また、本制御装置は、ステップ360の処理及びステップ365の処理を、それぞれステップ350にて算出された割込み対応用目標加速度G2tgtに対して行い、その処理後の二つの割込み対応用目標加速度G2tgtの中から大きい方を対応用目標加速度G2tgtとして設定してもよい。同様に、本制御装置は、ステップ370の処理及びステップ375の処理を、それぞれステップ350にて算出された割込み対応用目標加速度G2tgtに対して行い、その処理後の二つの割込み対応用目標加速度G2tgtの中から大きい方を対応用目標加速度G2tgtとして設定してもよい。
更に、CPUは、ステップ325及びステップ330の処理の何れか一方又は両方を省略してもよい。CPUは、ステップ360及びステップ365の処理の何れか一方を省略してもよい。仮に、ステップ360の処理が省略される場合、CPUはステップ370の処理を省略する。仮に、ステップ365の処理が省略される場合、CPUはステップ375の処理を省略する。即ち、CPUは、ステップ350にて算出される割込み対応用目標加速度G2tgtに対して、勾配制限処理及び下限処理の何れか一方のみの処理が施されてもよい。
10…車両走行制御装置、20…運転支援ECU、30…エンジンECU、40…ブレーキECU、21…前方レーダ装置、23…ACC操作スイッチ、24…車速センサ、31…エンジンセンサ、32…エンジンアクチュエータ、41…ブレーキセンサ、42…ブレーキアクチュエータ、VA…自車両。

Claims (1)

  1. 自車両の前方を走行し同自車両が追従走行すべき先行車両である追従対象車両を特定する追従対象車両特定手段、
    前記自車両と前記追従対象車両との間に割り込んでくる可能性がある他車両が同自車両と同追従対象車両との間に割り込んでくる確率を割込み確率として推定する割込み確率推定手段、
    前記自車両と前記追従対象車両との車間距離を第1設定車間距離に維持するために必要な自車両の目標加速度を追従用目標加速度として算出する第1手段、
    前記自車両と前記割込み確率が第1閾値以上の他車両である予想割込み車両との車間距離を第2設定車間距離に維持するために必要な自車両の目標加速度を割込み対応用目標加速度として算出するとともに同算出した割込み対応用目標加速度が前記割込み確率が小さいほど大きくなる負の割込み対応用制限値以下とならないように同算出した割込み対応用目標加速度に制限処理を施す第2手段、
    前記追従用目標加速度及び前記割込み対応用目標加速度のうちの小さい方を調停後目標加速度として選択する調停手段、及び、
    前記自車両の実際の加速度が前記調停後目標加速度に近づくように前記自車両の駆動力及び制動力を制御する走行制御手段、
    を備えた、車両走行制御装置。
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