以下、この発明に係る建物用付帯構造物を図面に基づいて説明する。
[実施例1]
図1(a)はこの発明に係るバルコニー手摺構造を空間区画構造として有するユニット建物の概略斜視図、図1(b)は図1(a)のユニット建物を出隅部C1側から見た部分拡大斜視図、図2は図1の建物ユニットを構成する枠組構造体の概略斜視図である。また、図3は図1のA1−A1線に沿う断面図、図4は図3の要部拡大図で、図5は図3に示した建物ユニットの上桁梁と手摺取付部材の取付部を矢印A2方向から見た拡大側面図である。更に、図6は図5のA3−A3線に沿う断面図、図7は図3に示した手摺取付部材とバルコニーの手摺壁の分解斜視図である。
図1(a)に示したユニット建物1は、複数の建物ユニット1A〜1Gを水平方向および縦方向(上下方向)に並設することにより構築したものである。この複数の建物ユニット1A〜1Gのうち1A〜1Dは1階の建物ユニットであり、1E〜1Gは2階の建物ユニットである。この建物ユニット1A〜1Dは1階において水平方向に並設固定されている。また、2階の建物ユニット1E〜1Gは、1階の建物ユニット1B〜1Gの上に固定されているていると共に、水平方向に並設固定されている。
建物ユニット1Aは、図2に示したような骨組構造体2を有する。この骨組構造体2は、四隅に配設した4本(複数)の支柱(柱材)3と、妻側に配置された支柱3,3の下端部間を連結する下妻梁(図示せず)と、桁側に配置された支柱3,3の下端部間を連結する下桁梁(図示せず)を有する。また、骨組構造体2は、妻側に配置された支柱3,3の上端部間を連結する上妻梁4と、桁側に配置された支柱3,3の上端部間を連結する上桁梁5を有する。この上妻梁4および上桁梁5は図2に示したように一対設けられている。
<床支持フレーム6>
この一対の上妻梁4及び上桁梁5で囲まれる部分には図2に示した床支持フレーム6が設けられる。この床支持フレーム6は、一対の上桁梁5,5に沿って長手方向両端部までそれぞれ延びる根太支持部材7,7と、この根太支持部材7,7に渡架される複数の根太8を有する。この根太8の両端部は木ねじ等の根太固定手段(図示せず)で根太支持部材7,7にそれぞれ固定されている。
この根太支持部材7は、図3,図4に示したように上桁梁5に支持されている。また、根太支持部材7は、図4に示したように上桁梁5及び根太支持部材7を貫通するボルト9と、このボルト9の先端部に螺着されたナット10により、上桁梁5に締め付け固定されている。
<バルコニー11>
また、建物ユニット1Aの上面には、図1(a)、図1(b)に示したバルコニー11が取り付けられている。このバルコニー11は、建物ユニット1Aの上面に設けられたバルコニー床部材(バルコニー床)12と、建物ユニット1Aの上面の周縁に設けられた手摺壁13を有する。この手摺壁13は、妻側手摺壁13aと、桁側手摺壁13bを有する。妻側手摺壁13aは下手摺壁14と上手摺壁15を備え、桁側手摺壁13bは下手摺壁14と上手摺壁15を備えている。尚、手摺壁13は、通常の平均的な大人の腰の高さより高く形成されている。
(下手摺壁14,14′)
この下手摺壁14,14′の構成部品は実質的に同じであるので、桁側の下手摺壁14′について説明し、妻側の下手摺壁14については桁側の下手摺壁14′と同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
図3,図4,図9に示したように、桁側の下手摺壁14′は、面材取付部材16と、面材取付部材16の内側に設けられた水切りカバー17と、面材取付部材16の外側に設けられた外側カバー(化粧板)18と、面材取付部材16の上部を覆う上カバー19を有する。この水切りカバー17及び上カバー19の内側縁部は固定ネジ20で面材取付部材16の内側に固定され、外側カバー18と上カバー19の外側縁部は固定ネジ21で面材取付部材16の外側に固定されている。
面材取付部材16は、図1(a)、図1(b)に示した1階の建物ユニット1Aの3つの支柱(柱材)3上にそれぞれ配置される3つの短柱22,22a,22bを図7に示したように有する。尚、下手摺壁14(14′)および短柱22,22a,22bは、本実施例では手摺壁13全体の数分の1の低い高さ(例えば、手摺壁13の1/5程度の高さ)に形成されている。
この短柱22は、図7に示した建物ユニット1Aの出隅部C1における支柱3上に図5〜図7のように配置される。また、他の短柱22a,22bは、図7に示したように、建物ユニット1Aの出隅部C1に対応するコーナ部C2,C3の支柱3,3上に配置される。尚、コーナ部C2,C3は、出隅部C1の支柱3から延びる上妻梁4および上桁梁5の他端側に位置している。
また、面材取付部材16は、図7に示したように、出隅部C1の短柱22の上端部とコーナ部C2の短柱22aの上端部との間に架け渡された妻側面材取付梁23と、出隅部C1の短柱22の上端部とコーナ部C3の短柱22bの上端部との間に架け渡された桁側面材取付梁24と、妻側面材取付梁23と平行に設けられ且つコーナ部C2の短柱22aの下端部に連結された倒れ防止梁25を有する。
しかも、妻側面材取付梁23上には複数のアンカー材26が長手方向に間隔をおいて取り付けられ、桁側面材取付梁24上には複数のアンカー材27が長手方向に間隔を置いて取り付けられている。
更に、短柱22,22a,22bは、図8に示したように、内部に上下に延びる空間Saが形成されていると共に、上端および下端に上壁Uwおよび下壁Lwを有する。この上壁Uwにはネジ穴Swが形成され、下壁Lwにはボルト挿通孔Bswが形成されている。このネジ穴Swおよび空間Saが、工具挿入用の貫通孔Hを形成している。尚、建物ユニット1Aの支柱(柱材)3の上端には端壁3aが設けられていて、この端壁3aの下面にはナット3bが溶接固定されている。そして、このナット3bに固定ボルト28が螺着され、この固定ボルト28の上端部側が端壁3aから上方に突出させられている。また、短柱22,22a,22bの下端部には点検穴Vhが形成されている。
そして、図5,図6,図8に示したように、短柱22は固定ボルト28とナット29により出隅部(コーナ部)C1の支柱3上に取り付けられている。同様に短柱22a、22bも、図2のコーナ部C2,C3の固定ボルト28とナット29を介して、図8のように支柱3,3に取り付けられている。
このような短柱22(22a,22b)の支柱3への取り付けに際しては、ナット29が図8に示し連結工具60を用いて固定ボルト28に締め付けられる。この連結工具60は、工具軸61と、工具軸61の基端部に設けられた操作部62と、工具軸61の先端部に設けられたソケット部63を有する。このソケット部63は、ナット29が相対回転不能に係合(嵌合)させられるようになっている。尚、短柱22(22a,22b)は、作業者が一方の手で工具軸61の上端部を把持した状態で、他方の手で工具軸61のソケット部63を固定ボルト28に螺着したナット29に容易に係合させることができる長さとなるように、短く形成されている。
更に、図7に示したように、妻側面材取付梁23の上部を覆う矢印D1の上カバー19には2つ(複数)のアンカー材26に対応して挿通孔19aが形成され、桁側面材取付梁24の上部を覆う矢印D2の上カバー19には4つ(複数)のアンカー材27に対応して挿通孔19aが形成されている。
また、妻側面材取付梁23および桁側面材取付梁24は、図9,図10に示したように、上面および側面の上部が板状の防水部材(防水板)30で覆われている(図3,図4参照)。この防水部材30の側部は、水切りカバー17及び外側カバー18と共に妻側面材取付梁23(および桁側面材取付梁24)に固定ネジ20,21で固定されている。
尚、図3,図4において、防水部材30のバルコニー床部材12側の側部には、バルコニー床部材12の防水シート12aの周縁部に設けた起立部12a1が固着されている。しかも、桁側面材取付梁24の外側面と根太支持部材7との間は、桁側面材取付梁24と根太支持部材7に固定した防水部材31で覆われている。また、防水部材31は妻側面材取付梁23側にも設けられる。また、妻側面材取付梁23のアンカー材26や桁側面材取付梁24のアンカー材27は防水部材30の貫通孔30aを介して上方に突出している。
更に、防水部材30上には、図9,図10に示したように、貫通孔30aおよびその周囲を覆う防水シート33が配設されている。この防水シート33には、アンカー材26(又はアンカー材27)の外周面に嵌合された筒状防水部33aが設けられている(図11,図15参照)。
<上手摺壁15,15′>
図1の妻側の上手摺壁15は、図7に示したように一つの手摺面材42と、手摺面材42の上方に配設される笠木43を有する。この笠木43は、上妻梁4と略同じ長さに形成されている。
また、図1の桁側の上手摺壁15′は、図7に示したように2つ(複数)の手摺面材44と、手摺面材44の上方に配設される笠木45を有する。この笠木45は、上桁梁5と略同じ長さに形成されていて、複数の手摺面材44に跨がるように配設される。
(手摺面材42,44の構造)
図3Aは手摺面材の側部の手摺支柱への取付を示す要部拡大説明図、図3Bは図3Aを左側から見た手摺面材の隣接部の説明図、図3Cは図3Bの隣接する手摺面材と支柱との関係を示す部分斜視図である。また、図3Dは、図3Aの手摺面材の水平方向の中間部と手摺支柱との取付関係を示す断面図、図3Eは図3Dの左側面図、図3Fは図3Dの手摺面材と支柱との関係を示す部分斜視図である。
更に、図3Gは図3Aの手摺面材に用いられる横桟(面材パネル)の縦断面図、図3Hは図3Aの手摺面材における最上部の横桟(面材パネル)と手摺支柱との関係を示す部分拡大説明図である。また、図3I(a)は手摺面材の横桟(面材パネル)の比較例、図3I(b)は図3Aの手摺面材における横桟(面材パネル)の作用説明図である。図3J(a)は図3Aの手摺面材の横桟(面材パネル)に作用する荷重派生対象者の足の幅の説明図、図3J(b)は図3J(a)の平面図、図3J(c)は図3J(a)の横桟の高さ、厚さ、及び荷重の作用範囲を示す説明図である。
バルコニー床部材(バルコニー床)12の上方には図1(b)に示したように手摺壁13で囲まれた内側空間(バルコニー空間)SIが形成されている。この内側空間SIに対して手摺壁13の外側が外側空間SOとなる(図3,図3A,図3D参照)。バルコニー床部材12の周縁部は内側空間SIと外側空間SOとの境界となる。そして、この境界は、図7に示す妻側面材取付梁23、桁側面材取付梁24、倒れ防止梁25の部分になる。そして、この境界には、上述したアンカー材26,26(又は複数のアンカー材27)が図7に示すように間隔をおいて設けられている。また、上述したバルコニー11の手摺壁13が内側空間SIと外側空間SOを区画する空間区画構造として設けられている。
この手摺壁13の手摺面材42,44は、図7に示したように面材取付枠46と、上下に間隔をおいて面材取付枠46に取り付けられる複数枚の面材パネル(横桟)47を有する(図12,図13参照)。
面材取付枠46は、図7に示したように、縦側枠46aと、縦側枠46a,46a間に平行に配設した平面形状がZ状の縦中枠46b(図3D〜図3F参照)と、上下に間隔をおいて平行に縦側枠46a,46a間に取り付けられた複数のパネル取付桟46cを有する。このパネル取付桟46cは、厚さが非常に薄く形成されている。
横桟としての面材パネル(横桟)47は、横方向に延びる板部47aと、板部47aの上縁に沿って裏面に長手方向両端まで設けられた上中空突出縁部47bと、板部47aの下縁に沿って裏面に長手方向両端まで設けられた下中空突出縁部47cを有する。
この上中空突出縁部47bの上面47b1は、図3A,図3Cに示したように、水切りのために、内側空間SI側から外側空間側SOへの下り傾斜面とされている(図3B参照)。これにより、上中空突出縁部47bの上面47b1は、雨滴等が滞留せずに流れ落ちるようになっていると共に、外側空間SO側から見た面材パネル(横桟)47の外観を見栄えの良い意匠にしている。
この上中空突出縁部47bと下中空突出縁部47cの間隔は、パネル取付桟46c,46cの間隔に設定されている。そして、上中空突出縁部47bと下中空突出縁部47cを上下で隣接するパネル取付桟46c、46cに固定ネジ等の固定手段で固定することにより、面材パネル(横桟)47を面材取付枠46に取り付けることができる。この面材パネル(横桟)47は、面材パネル(横桟)47の高さよりも狭い間隔L(図3,図3I参照)で上下に複数設けられている。しかも、この複数の面材パネル(横桟)47は互いに平行に設けられている。
尚、図3A〜図3Fは、面材取付枠46のパネル取付桟46cを省略して、縦側枠46a、縦中枠46bに複数の面材パネル(横桟)47を上下に間隔をおいて平行に取り付けた例を示している。
また、上面の内側空間側縁部には、図3A〜図3Cに示したように、内側空間側縁部に沿って延び且つ上方に突出する垂直小突出片47dが一体に設けられている。この垂直小突出片47dの上端の側縁部は、図3G,図3Hに示したように、R状に形成されていて、怪我をしないようになっている。
この垂直小突出片47dの高さl及び厚さhは、垂直突小突出片47dが上方から作用する所定の加重で座屈しない(潰れない)寸法に設定されている。本実施例では、図3J(a)、図3J(c)に示したように、垂直小突出片47dの高さがl=2.7mmで、垂直小突出片47dの幅(厚さ)が1.1mmに設定されている。
この垂直小突出片47dの座屈荷重(潰れる荷重)Pcrを求める場合、荷重発生対象者の指部(足指)が垂直小突出片47dに係る幅寸法が必要となる。この幅寸法を求める場合、即ち図3J(a)、(b)におけるように荷重発生対象者が足80の指部80aを垂直小突出片47dに掛けて図3の手摺壁13をよじ登ろうとする場合、日本機械工業連合会のデータを利用できる。この場合において、垂直小突出片47dにかかる足80(荷重発生対象者の足)の指部80aの幅寸法をAとすると、10歳児の足80の指部80a(足指)の幅寸法Aの95パーセンタイル値(男女計のデータによる値)は日本機械工業連合会のデータによれば44.0mmとなる。この幅寸法A=44.0の範囲において、図3Jの(b)のように10歳児の足80からの荷重Pが垂直小突出片47dに作用する。
従って、10歳児の荷重発生対象者が足80の指部80aを垂直小突出片47dに掛けて図3の手摺壁13をよじ登ろうとしたとき、垂直小突出片47dの座屈荷重(潰れる荷重)Pcrは、
として求めることができる。ここで、垂直小突出片47dを有する面材パネル(横桟)47の材質は、6063S−T5のアルミ材とする。
この座屈荷重Pcrが10歳児(荷重発生対象者)の体重よりも大きければ、10歳児(荷重発生対象者)が足80の指部80aを垂直小突出片47dに掛けて図3の手摺壁13をよじ登ろうとしても、垂直小突出片47dは座屈しない(潰れない)。
この際、荷重発生対象者の体重の平均値(男女で重い方の平均値)をWkgとし、体重の標準偏差値をσとして、荷重発生対象者の体重を求める。例えば、10歳児の荷重発生対象者で座屈荷重Pcrを求める場合、社団法人日本機械工業連合会のデータによれば、10歳児の体重の平均値Wは34.0kg、標準偏差値σは6.90kgである。この10歳児の体重は、
10歳児の体重=平均値+3σ=34.0+3×6.90=54.7kgとなる。
従って、本実施例におけるように垂直小突出片47dの高さが2.7mm、垂直小突出片47dの幅(厚さ)が1.1mmに設定されている場合、
座屈荷重Pcr=1157kg>>10歳児の体重54.7kg
となるので、垂直小突出片47dは座屈しない(潰れない)。
しかも、本実施例におけるように垂直小突出片47dの高さが2.7mm、垂直小突出片47dの幅(厚さ)が1.1mmに設定されている場合、10歳児が手摺壁13をよじ登れない。即ち、この垂直小突出片47dの高さ及び厚さの値は、垂直小突出片47dの上面の横方向における単位寸法当たりの面積が、加重を作用させることが不可能となる所定以上の反力を荷重発生対象者の足80である小学生や幼児等の荷重発生対象者の足80に対して作用させることが可能な広さに設定されている。
尚、10歳児の荷重発生対象者が手摺壁13をよじ登れる寸法とよじ登れない寸法の垂直小突出片47dは、例えば表1のようになる。
尚、この数値に限定されない。例えば、高さは2〜3.5mmの範囲でも良いし、幅は1.1mmに近い値(例えば1.11〜1.2mmの範囲の値)でも良い。
このような手摺面材42には、図7に示したように、上下に延びる複数(少なくとも2つ)の手摺支柱48,48が縦側枠46a,46aを介して支持部として取り付けられる。
また、図3B,図3Cに示したように、隣接する手摺面材44,44の一方の一側部には手摺支柱48が縦側枠46aを介して支持部として取り付けられ、隣接する手摺面材44,44の縦側枠46a,46aは図示を省略した転結ネジで互いに固定されている。
また、図3C、図3Fに示したように手摺面材44の水平方向の中間部には縦中枠46bが固定され、これに対応する手摺支柱48の外面には平面形状がコ字状(U字状)の縦取付部材48aが固定ネジで取り付けられている。そして、この縦取付部材48aに縦中枠46bを固定ネジで固定することにより、手摺支柱48が縦中枠46bを介して支持部として取り付けられている(図15参照)。これらの手摺面材42,44は、手摺支柱48を介して建物ユニット1Aに固定された面材取付部材16に取り付けられる。
このような手摺面材42,44に取り付けられた手摺支柱48をアンカー材26,27等に取り付けるには、環状スペーサ49が用いられる。この環状スペーサ49は、方形筒状の嵌合筒部49aと、嵌合筒部49aの上端部に外方に向けて突設された上係止部49bと、嵌合筒部49aの下端部に内方に向けて突設された下係止部49cから、断面形状がZ型形状に形成されている。
そして、図12に示したように、手摺面材42(44)に固定した手摺支柱48の下端部を環状スペーサ49の嵌合筒部49aに嵌合して、この手摺支柱48の下端を環状スペーサ49の下係止部49cに当接させる。このようにして、環状スペーサ49を手摺支柱48の下端部に取り付ける。
次に、図9〜図11に示したように、手摺支柱48をアンカー材26(27)に対して上方から外嵌することにより、アンカー材26(27)が手摺面材42(44)の手摺支柱48内に下端から挿入された状態となる。これにより、手摺面材42,44が内側空間SIと外側空間SOとの境界に配設された状態となる。
また、環状スペーサ49の嵌合筒部49aが上カバー19の挿通孔19aに嵌合挿通させられている。さらに、アンカー材26の高さは手摺支柱48の高さよりも充分に低く設けられ、即ちアンカー材26の長さは手摺支柱48の長さよりも充分短く形成されている。これにより、アンカー材26は手摺支柱48の下端部内に嵌合されるので、手摺支柱48とアンカー材26の嵌合作業時に手摺支柱48を高く持ち上げる必要がない。このため、手摺支柱48とアンカー材26の嵌合作業が容易となる。
しかも、環状スペーサ49の上係止部49bを上カバー19の上面に係止させられている(図14参照)。これにより、手摺支柱48が環状スペーサ49を介して上カバー19に係止保持される。この状態で、手摺支柱48の下端部をアンカー材26(27)に固定ネジ50で固定することにより、手摺面材42(44)が妻側面材取付梁23(および桁側面材取付梁24)に取り付けられている。
この環状スペーサ49は、アンカー材26(27)の根元を覆っている防水シート33を突き破ることなく手摺支柱48及び手摺面材42(44)等の高さ方向の位置決めを可能にしていると同時に、下枠である上カバー19の挿通孔19a内面と手摺支柱48との間のすき間を隠すことができる。
また、図3B,図3Cに示したように桁側の隣接する手摺面材44,44は縦側枠46a,46aが図示を省略したネジで互いに固定されている。更に、図3A〜図3Cに示したように、桁側の隣接する手摺面材44,44の突き合せ部分の上端、即ち手摺面材44,44の上端の隣接する面材パネル(横桟)47,47は、樹脂製のカバー70で覆われている。
このカバー70は、図3Cのように、隣接する手摺面材44,44の縦側枠46a,46aの上端を覆う水平板部70aと、隣接する面材パネル(横桟)47,47の上面47b1,47b1を覆う傾斜板部70bと、水平板部70aと傾斜板部70bとの間に設けられて隣接する手摺面材44,44の垂直小突出片47d,47dに嵌合する膨出突部70cを有する(図3H参照)。このカバー70は、図示しないネジ等で縦側枠46a又は面材パネル(横桟)47,47の上中空突出縁部47bに固定されている。
[手摺壁13の取付]
次に、このような構成のバルコニー11における手摺壁13の建物ユニット1Aへの取り付けを説明する。
・下手摺壁14の構築
手摺壁13の下手摺壁14の構築に際しては、面材取付部材16は短柱22(22a,22b)を支柱3の上端に取り付ける。この取り付けに際しては、先ず、建物ユニット1Aの支柱(柱材)3の上端に設けた端壁3a上にスペーサ64を配設し、このスペーサ64上に短柱22(22a,22b)の下壁Lwを配設(載置)する(図8参照)。この際、スペーサ64を貫通させた固定ボルト28を下壁Lwのボルト挿通孔Bswに挿通させる。この後、点検穴Vhから短柱22(22a,22b)内にナット29を配設して、このナット29を固定ボルト28の上端部に螺着する。
この状態で、連結工具60のソケット部63および工具軸61を短柱22(22a,22b)の上壁Uwの貫通孔Hのネジ穴Swを介して空間Sa内に挿入する。そして、作業者は、一方の手で工具軸61の上端部を把持した状態で、他方の手で工具軸61のソケット部63を固定ボルト28に螺着したナット29に係合させる補助をさせる。尚、貫通孔Hは短いので、ソケット部63をナット29に係合させる補助を行わなくても、ソケット部63をナット29に迅速に係合させることが可能である。
この後、操作部62により工具軸61を軸線周りに回転操作することにより、ナット29を締め付け固定する。このような操作により、短柱22(22a,22b)は建物ユニット1Aの支柱3上に固定される。これにより面材取付部材16の妻側面材取付梁23および桁側面材取付梁24は図7に示したように建物ユニット1Aの上妻梁4及び上桁梁5に沿って配設される。
この妻側面材取付梁23および桁側面材取付梁24上に図9,図10に示したように防水部材30を配設し、この妻側面材取付梁23(桁側面材取付梁24)に設けたアンカー材26(27)を防水部材30に設けた貫通孔30aに挿通して上方に突出させる。そして、防水シート33の筒状防水部33aをアンカー材26(27)嵌合させて、この防水シート33を防水部材30上に配設し、この防水部材30の貫通孔30aを防水シート33で覆わせる。この際、防水シート33は、妻側面材取付梁23(桁側面材取付梁24)の側面に沿うように防水部材30の側面まで配設する。
この状態で、桁側面材取付梁24に設ける防水部材30及び防水シート33は、側部を水切りカバー17及び外側カバー18と共に桁側面材取付梁24の内側面(バルコニー床部材側面)と外側面に固定ネジ20,21で固定する。同様にして、妻側面材取付梁23への防水部材30,防水シート33および水切りカバー17,外側カバー18の取り付けも行う。これにより、下手摺壁14が建物ユニット1Aの上面の周縁に形成される。
・上手摺壁15
次に、図12に示したように、手摺面材42(44)に固定した手摺支柱48の下端部を環状スペーサ49の嵌合筒部49aに嵌合して、この手摺支柱48の下端を環状スペーサ49の下係止部49cに当接させる。このようにして、環状スペーサ49を手摺支柱48の下端部に取り付ける。
この後、図9〜図11に示したように、手摺面材42(44)に設けた手摺支柱48をアンカー材26(27)が手摺面材42(44)の手摺支柱48内に下端から挿入させる。そして、この環状スペーサ49の嵌合筒部49aを上カバー19の挿通孔19aに嵌合挿通させて、環状スペーサ49の上係止部49bを上カバー19の上面に係止させる(図14参照)。
これにより、手摺支柱48が環状スペーサ49を介して上カバー19に係止保持される。この状態で、手摺支柱48の下端部をアンカー材26(27)に固定ネジ50で固定することにより、手摺面材42(44)が妻側面材取付梁23(および桁側面材取付梁24)に取り付けられる。この環状スペーサ49は、アンカー材26(27)の根元を覆っている防水シート33を突き破ることなく手摺支柱48及び手摺面材42(44)等の高さ方向の位置決めを可能にしていると同時に、下枠である上カバー19の挿通孔19a内面と手摺支柱48との間のすき間を隠す。
このようにして、手摺面材42,44を妻側面材取付梁23および桁側面材取付梁24上に取り付けた後、手摺面材42,44の複数の手摺支柱48上に笠木45をそれぞれ取り付けることにより、上手摺壁15が構築される。尚、手摺面材42に取り付ける笠木45と手摺面材44に取り付ける笠木45は出隅部C1の部分で垂直に突き合わせる。また、手摺面材42に取り付ける笠木45と手摺面材44に取り付ける笠木45に出隅部C1の部分で突き合わせられる斜め突合部(図示せず)を設けて、この斜め突合部同士を突き合わせるようにしてもよい。
[作用]
次に、このような構成のバルコニー11における手摺壁13の作用を説明する。
このような手摺壁13で囲まれるバルコニー11の内側空間SIは、外側から見たときに手摺面材42,44で目隠しされる。
また、手摺壁13の手摺面材42,44等は、水平方向に延びる面材パネル(横桟)47が上下に複数枚、微小間隔をおいて互いに平行に設けられている。これにより、手摺面材42,44は通気性があるので、内側空間SIの空気が淀むことがない。
また、手摺面材42,44の面材パネル(横桟)47は、上面47b1が内側空間SI側から外側空間SO側下方に傾斜させられているので、雨水等は上面47b1に貯まることなく下方に流下させられる。しかも、この上面47b1が傾斜することで、手摺面材42,44等を外側から見たときに、見栄えが良い。
ところで、手摺壁13に図3Iの(a)に示した手摺面材42′(44′)を用いた場合と、手摺壁13に図3Iの(b)に示した本実施例にかかる手摺面材42(44)を用いた場合を比較してみる。
この図3Iの(a)に示した手摺面材42′(44′)は、本実施例にかかる手摺面材42(44)と類似した構造を有する場合を想定したもので、手摺面材42(44)と類似する部分に「′」を付している。しかも、面材パネル(横桟)47′,47′間の間隔は15mmに設定されている。
この手摺面材42(44)では、面材パネル(横桟)47′における上中空突出縁部47b′の上面47b1′が室内側傾斜部D1と室外側傾斜部D2を有する。しかも、室外側傾斜部D2の上端の突出部D2aが室内側傾斜部D1に対して上方に段差を有して突出している状態としている。
この面材パネル(横桟)47′では、室外側傾斜部D2の上端の突出部D2aが上方に突出しているとはいっても、この室内側傾斜部D1と室外側傾斜部D2が略連続しているので、小学生や幼児等が足を上中空突出縁部47b′に掛けてよじ登ることができる。
これに対して、手摺壁13に図3Iの(b)に示した本実施例にかかる手摺面材42(44)では、面材パネル(横桟)47,47間の間隔は13mmに設定されている。しかも、面材パネル(横桟)47の上面47b1に設けた垂直小突出片47dが内側空間SI側に設けられている。更に、垂直小突出片47dの高さ及び厚さは、垂直小突出片47dが垂直小突出片47dに上方から作用する所定の加重で潰れない寸法で、且つ、垂直小突出片47dの上面の横方向における単位寸法当たりの面積が、加重を作用させることが不可能となる所定以上の反力を幼児等の加重発生対象の足に対して作用させることが可能な広さに設定されている。例えば、垂直小突出片47dは、高さが2.7mm、幅が1.1mmに設定されている。
これにより、幼児等が手摺面材42,44の面材パネル(横桟)47に足を掛けて手摺壁13をよじ登ろうとしたとき、垂直小突出片47が潰れたり変形したりすることはない。
しかも、幼児等が手摺面材42,44の面材パネル(横桟)47に図13Jのように足80を掛けて図3の手摺壁13をよじ登ろうとしても、足80の指部80aを垂直小突出片47dに掛けたときに、足80が上中空突出縁部47bの傾斜する上面47b1に係ることはないので、足80が垂直小突出片47dに僅かに食い込んで、足に体重を支えることが困難になる痛みを与えるので、幼児が手摺壁13をよじ登ることができない。
<この発明の実施の形態の作用・効果>
(1).この発明の実施の形態の建物用空間区画構造は、内側空間SIと外側空間SOを区画する境界に間隔をおいて設けられた少なくとも2つの支持部(手摺支柱48)と、互いに平行に設けられ且つ上下に間隔をおいて前記少なくとも2つの支持部(手摺支柱48)に取り付けられた複数の横桟(面材パネル47)を備えている。しかも、前記各横桟(面材パネル47)の上面(47b1)が前記内側空間(SI)側から前記外側空間(SO)側への下り傾斜面とされ、前記横桟(面材パネル47)の前記内側空間側縁部に沿って延び且つ上方に突出する垂直小突出片(47d)が前記上面(47b1)の内側空間側縁部に一体に設けられている。
この構成によれば、横桟(面材パネル47)は各横桟(面材パネル47)の上面(47b1)が前記内側空間(SI)側から前記外側空間(SO)側への下り傾斜面とされているので、意匠上の見栄えが良くなる。しかも、横桟(面材パネル47)の上面(47b1)の内側空間側縁部には、横桟(面材パネル47)の内側空間側縁部に沿って延び且つ上方に突出する垂直小突出片(47d)が一体に設けられているので、子供や幼児等の加重発生対象者が垂直小突出片(47d)に足を掛けてよじ登ろうとしたとき、子供や幼児等の加重発生対象者の体重が足の狭い範囲から垂直小突出片(47d)に作用するため、足掛かりになるのを防止できる。
(2).この発明の実施の形態の建物用空間区画構造において、前記垂直小突出片(47d)の高さ及び厚さは、前記垂直小突出片(47d)が該垂直小突出片(47d)に上方から作用する所定の加重で潰れない寸法で、且つ、前記垂直小突出片(47d)の上面の横方向における単位寸法当たりの面積が、前記加重を作用させることが不可能となる所定以上の反力を加重発生対象者に対して作用させることが可能な広さに設定されている。
この構成によれば、子供や幼児等の加重発生対象者が垂直小突出片(47d)に足を掛けてよじ登ろうとしたとき、垂直小突出片(47d)が該垂直小突出片(47d)に上方から作用する所定の加重で潰れないので、手摺(手摺面材42,44)の意匠上の外観が損なわれるのを防止できる。
(3).この発明の実施の形態のバルコニー手摺構造は、内側空間(SI)が建物のバルコニーの手摺(手摺壁13)で囲まれるバルコニー空間であり、前記手摺(手摺壁13)が前記建物用空間区画構造である手摺面材(42,44)を備えている。
この構成によれば、上述した(1),(2)の効果を有するバルコニー手摺構造を提供できる。