JP6511357B2 - ガスフライヤー - Google Patents
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Description
前記外装筺は、耐熱性を有する金属性の複数の板材を連結して筺状に構成されると共に、前記板材の前記連通空間側に断熱部材が配設され、
前記板材の端縁部には、前記連通空間側へ折曲して前記断熱部材を保持する保持片を備え、
前記保持片は、前記板材の端縁部に沿って所要間隔で離間するよう形成した複数の板片から構成されていることを要旨とする。
請求項1に係る発明によれば、外装筺の各壁を構成する板材の端縁部に備えられて断熱部材を保持する保持片が、該板材の端縁部に沿って所要間隔で離間する複数の板片から構成されているので、該保持片の実質的な幅が小さくなっている。これにより、連通空間を流動する高温の燃焼ガスにより保持片が加熱されても、該保持片が形成された板材は熱伝達を受け難いので、熱影響による該板材の変色や熱劣化を抑制することができる。また、燃焼ガスの熱が板材へ伝わり難いので、該燃焼ガスの熱が保持片を介して外装筺の外側へ逃出して損失が生じることも抑制され、ガスフライヤーの加熱性能が低下することを防止し得る。
前記断熱部材は、前記板材に連結される他方の板材に圧縮されて変形した状態で当接することを要旨とする。
請求項2に係る発明によれば、断熱部材が、板材に連結される他方の板材に圧縮されて変形した状態で当接するので、互いに連結される壁の気密性が高められて、壁の連結部から燃焼ガスが漏出したり熱が逃出することを防止し得る。
前記折返し部は、前記断熱部材が当接する各種部材に対し圧縮状態で密着することを要旨とする。
請求項3に係る発明によれば、断熱部材に形成された折返し部が、該断熱部材が当接する各種部材に対し圧縮状態で密着するので、パッキン等の別部材が不要となって製造コストを低減し得る。
実施例のガスフライヤー10は、図1〜図3に示すように、箱型形状をなすキャビネット本体11と、調理油を貯留すると共にキャビネット本体11に配設された油槽12と、油槽12の下部前側に設置されたガス燃焼手段としてのガスバーナー13とを備えている。前記油槽12は、揚げ調理用の食材(図示せず)を出し入れし得るよう上方に開口した箱状に形成されている。油槽12には、外装筺21が該油槽12の外側を囲むように配設されていて、図4に示すように、該油槽12の外周面と該外装筺21との間に、ガスバーナー13の稼働により発生した燃焼ガスが流通可能な連通空間14が画成されている。連通空間14は、油槽12の前側に画成された燃焼室CRの左部から油槽12の左外側面に沿って後方へ延在する第1連通空間14aと、該燃焼室CRの右部から該油槽12の右外側面に沿って後方へ延在する第2連通空間14bとからなり、第1連通空間14aおよび第2連通空間14bは、油槽12の後側で合流している。また、油槽12の後側(キャビネット本体11の後部)には、上部に排気口16が形成された排気ダクト15が立設されており、該排気ダクト15の下部と前記連通空間14とが空間的に連通している。
図1に示すように、前記キャビネット本体11の前部には、正面パネル17が配設されている。この正面パネル17の前面には、操作盤33が配設されている。この操作盤33には、電源のON、OFF操作を行う運転ボタン、調理油の油温設定ボタン、調理時間設定ボタン、油温表示パネル、調理時間表示パネル等が設けられている。また、正面パネル17内には、図2に示すように、ガスバーナー13の燃焼制御を行うガス制御手段であるガスコントローラ基板30や、ガスコントローラ基板30と通信可能で該ガスコントローラ基板30へ指示信号を送信する第2の制御手段である表示基板31や、当該ガスフライヤー10への電源供給を遮断するブレーカ32等が配設されている。
前記油槽12は、図1、図2および図4に示すように、上方へ開口すると共に下方へ凸となる箱状に形成されている。油槽12は、下方に位置する第1ゾーン12aと、この第1ゾーン12aの上側に該第1ゾーン12aに連なって設けられた第2ゾーン12bとを備え、第1ゾーン12aよりも第2ゾーン12bの開口面積が大きく設定されていて、所定量の調理油が貯留可能に構成されている。油槽12は、調理油が第1ゾーン12aに充満すると共に第2ゾーン12bの深さの約1/2まで充満した状態が、該調理油の規定量とされている(図2に一点鎖線にて表示)。油槽12の後板部28にはセンサ取付部18が設けられており、該油槽12に貯留された油槽12に貯留された調理油の温度(油温)を検知する油温制御用サーミスタ(油温検知手段)19が、該センサ取付部18に取付けられている。すなわち、センサ取付部18は、油槽12における燃焼室CRから最も離れた位置に設けられており、油温制御用サーミスタ19が検知する油温は、調理油において低い部分の温度である。また、油槽12の底部には、該油槽12内に貯留した調理油を排出するドレンパイプ20が設けられている(図2参照)。
前記油槽12には、図1に示すように、該油槽12に貯留した調理油の適正な貯留量の目印となる油量マーク55が設けられている。実施例では、油槽12の後板部28に油量マーク55が設けられている。そして、後板部28には、上下に離間した2つの油量マーク55(55a,55b)が設けられている。ここで、下側に設けられた第1油量マーク55aは、冷めた常温状態(例えば20℃)の調理油を貯留した際に、規定の貯留量である場合の油面の位置に設けられている。従って、常温の調理油を油槽12に貯留する場合には、該調理油の油面を第1油量マーク55aに一致させることで、該油槽12に規定量の調理油が貯留される。
前記油温制御用サーミスタ19は、細長の丸棒状に形成された温度検知部を備えており、油槽12内へ延出した状態でセンサ取付部18に固定されて、油槽12内に貯留した調理油に浸漬され得るようになっている。そして、油温制御用サーミスタ19は、調理油に浸漬した状態で調理油の油温を検知すると共に、検知した油温データを表示基板31へ送信するよう構成されている。なお、油温制御用サーミスタ19は、燃焼ガスの影響を受け難いモールドタイプのものが採用されている。
前記油槽12には、図2および図3に示すように、第1ゾーン12aを外側から囲んで覆う外装筺21が配設されている。外装筺21は、第1ゾーン12aの外周面から離間して配設されており、該油槽12の外周面との間に、燃焼ガス排出構造を構成する前記連通空間14を画成する。そして、外装筺21の底壁54には、連通空間14の前側部分を構成する燃焼室CRに臨む位置に、ガスバーナー13を配設する開口部22が開設されている。
図5〜図7に示す右側壁52は、外装筺21の外側に露出する板材60と、該板材60における連通空間14側に裏打ちされて外側に露出しない断熱部材70とを重ね合わせて構成されている。前記前壁50、左側壁51、後壁53および底壁54も、前記右側壁52と同様に、板材60および断熱部材70を重ね合わせて構成されている。板材60は、耐熱性を有する金属性の板金部材であり、外装筺21の外面をなす板本体61と、該板本体61の端縁に設けられ、前記断熱部材70を保持する保持片62とを備えている。各壁50〜54の板材60は、板本体61が略平坦な矩形に形成されており、該板本体61の連通空間14側の全面に、前記断熱部材70が接触する。
前記板材60に設けられた保持片62は、図5〜図7に示すように、板本体61の端縁部から折曲して、該板本体61の面方向と交差する向きに延出している。この保持片62は、断熱部材70の外縁に外側から当接可能となっており、板本体61に重ねた該断熱部材70が該板本体61の面方向へずれるのを規制するようになっている。そして、保持片62の形状や、板本体61の端縁部に沿う方向の長さは、壁50〜54毎に異なっている。実施例の外装筺21は、図4に示すように、左右に離間した左側壁51および右側壁52の前端に対して前壁50が当接した状態で、該前壁50が該左側壁51および右側壁52に連結される。また、左側壁51および右側壁52の後端に後壁53が当接した状態で、該後壁53が該左側壁51および右側壁52に連結されるように構成されている。すなわち、前壁50の断熱部材70および後壁53の断熱部材70に、左側壁51および右側壁52が当接するようになるので、該断熱部材70が板材60の板本体61から離間することが規制されるようになっている。従って、後壁53および前壁50の板材60に設けられた保持片62は、断熱部材70の厚みより板本体61からの延出長が長くなっている(図4参照)。そして、前壁50の保持片62および後壁53の保持片62は、左側壁51または右側壁52の板本体61にネジ68により固定されるようになっている。
前記各壁50,51,52,53,54における断熱部材70は、軽量で柔軟性を有すると共に圧縮変形が可能に構成されている。実施例では、断熱部材70として、セラミックファイバーを層状に積層し、ニードル加工して複雑に絡ませて形成されたシート状のブランケットタイプの耐火断熱材が採用されている。前記セラミックファイバーは、アルミナ(Al2O3)とシリカ(SiO2)を主成分とした人工鉱物繊維であり、1000℃以上の高温域でも使用できる耐火材・断熱材となる。また、セラミックファイバーの熱伝導率は、耐火レンガの1/10、断熱レンガと比較しても1/2と小さい。そして、セラミックファイバーには、アルミナ含有量が40〜60%の非晶質のリフラクトリーセラミックファイバー(ROF)や、アルミナ含有量が70%以上の結晶質のアルミナ繊維などの種類がある。
前記ガスバーナー13は、ガスの流れにより無加圧の一次空気を吸込む構造をなす所謂ブンゼンバーナが採用されている。ガスバーナー13は、図2〜図4に示すように、上部および下部が開口すると共に左右方向が長手となる矩形箱状に形成されたケース体40内に、該ケース体40の長手方向へ延在すると共にガス供給管25が連結されたガス分配管41が配設されている。そして、ガス分配管41の上部に、複数の燃焼ノズル42が列をなして設けられており、該燃焼ノズル42が、ケース体40の上部開口40bから上方へ突出している。ケース体40は、下部開口である空気取入れ口40aから、燃焼ノズル42でのガス燃焼に使用される1次空気が取込まれるようになっている。これによりガスバーナー13は、ガス分配管41から供給されたガスと、空気取入れ口40aを介してケース体40内に取込まれた1次空気とが混合することで、各燃焼ノズル42でのガス燃焼が可能となると共に、該燃焼ノズル42において2次空気が取込まれることで連続燃焼が可能となっている。なお、開口部22に配設されたガスバーナー13は、油槽12の第1ゾーン12aから前側へ適宜間隔をおいて配置され、燃焼ノズル42での火炎が第1ゾーン12aの前側外面に接触して不完全燃焼となることを防止するようになっている。
前記ガスバーナー13には、図3に示すように、外部のガス供給源(図示せず)に接続されるガス供給管25が接続され、燃焼用のガス(都市ガスやプロパンガス等)が、該ガス供給管25を介してガス分配管41に供給されるようになっている。ガス供給管25の中途にはバルブユニット36が配設されており、当該ガス供給管25は、図示省略したガス供給源に接続されるガス取込み部37およびバルブユニット36の流入側の夫々に接続される1次ガス供給管25aと、バルブユニット36の流出側およびガスバーナー13のガス分配管41の夫々に接続される2次ガス供給管25bとから構成されている。
前記バルブユニット36は、1次ガス供給管25aの出口側に接続される開閉弁である前記第1電磁弁26と、該第1電磁弁26の出口側に接続される開閉弁である第2電磁弁27とを備えている。第1電磁弁26および第2電磁弁27は、前記ガスコントローラ基板30により開閉制御される。また、実施例のバルブユニット36は、第2電磁弁27の出口側に、ガスコントローラ基板30により開閉制御される比例弁35を備えている。これら第1電磁弁26、第2電磁弁27および比例弁35は、ユニット本体45aに配設されてユニット化されている。1次ガス供給管25a内に供給されたガスは、第1電磁弁26→第2電磁弁27→比例弁35の順で移動して、2次ガス供給管25bを介してガスバーナー13に供給されるようになっている。ここで、前記第1電磁弁26および第2電磁弁27は、ユニット本体45a内に形成されたガス通路を開放する開放位置および閉鎖する閉成位置に変位する2位置タイプの遮断弁である。そして、ガスコントローラ基板30により、第1電磁弁26および第2電磁弁27を閉成状態に制御することで1次ガス供給管25aからガスバーナー13へのガスの供給を遮断し、第1電磁弁26および第2電磁弁27を開放状態に制御することで、1次ガス供給管25aからガスバーナー13へのガスの供給を許容する。
実施例のガスフライヤー10は、図8および図9に示すように、調理温度に加熱した調理油により調理した食材を一時的に載せて、該食材の油切りを行うための油切りトレー75を備えている。この油切りトレー75は、油槽12の開口部に対し着脱可能に装着し得ると共に、キャビネット本体11の背面パネル11aに対し着脱可能に装着し得るように構成されている。すなわち、実施例の油切りトレー75は、調理作業者の好みに応じて、2種類の装着態様を選択可能に構成されている。
前記第1装着手段77は、図8および図9(a)に示すように、トレー部76の底板部76aの下面に配設され、油槽12の内面およびキャビネット本体11の外面を挟み込むように構成されている。すなわち、第1装着手段77は、トレー部76の底板部76aから延出して油槽12の内面に接触する第1支持板77aと、該底板部76aから延出してキャビネット本体11の外面に接触する第2支持板77bとを備えている。第1支持板77aと第2支持板77bとは、平行に延在している。そして、第1支持板77aおよび第2支持板77bは、底板部76aに対して所要角度で斜めに延出している。これにより、油槽12の垂直な内面およびキャビネット本体11の垂直な外面に該第1支持板77aおよび第2支持板77bが接触することで、底板部76aが油槽12に向けて下方傾斜するようにトレー部76を支持する。
前記第2装着手段78は、図8に示すように、トレー部76の側板部76bに設けられ、キャビネット本体11の背面パネル11aに設けられたフック79(図9参照)に係止するように構成されている。すなわち、第2装着手段78は、トレー部76の側板部76bに開設された開口であり、前記フック79が挿通可能な大口部78aと、該大口部78aの上側に連なって形成され、該フック79が挿通不能な小口部78bとからなる。第2装着手段78は、前記フックが複数(実施例では2つ)配設されていることに伴い、各フック79,79に対応して2つ形成されている。このような第2装着手段78は、トレー部76の側板部76bを背面パネル11aに対向させて、大口部78aにおいてフック79を挿通させた後、油切りトレー75を下方へ移動させて小口部78bを該フック79に位置させることで各フック79に係止され、油切りトレー75を背面パネル11aに装着することを可能とする。
前記油槽12の底部に配設されたドレンパイプ20には、図2に示すように、該ドレンパイプ20内を連通状態および非連通状態とするバルブ80が配設されている。このバルブ80は、キャビネット本体11の前側下部に配設された排油レバー81により開閉されるようになっている。すなわち、排油レバー81は、前後に延在する連結バー82によりバルブ80に連結されており、該排油レバー81を回動させて連結バー82が軸回りに回動することで、バルブ80が開放状態および閉成状態に変位するように構成されている。
前記油貯留タンク85は、図2、図3および図10に示すように、調理油を貯留可能に上部開口したタンク部材86と、該タンク部材86の上部開口を覆蓋する蓋部材87とを備えている。前記蓋部材87には、油貯留タンク85を前記収容空間83にセットした状態において前記ドレンパイプ20の真下となる位置に、該ドレンパイプ20から落下した調理油の通過を許容する油受入れ口88が開設されている。この油受入れ口88は、ドレンパイプ20の下部開口より適宜大きい開口サイズの開口であり、実施例では、該ドレンパイプ20の下部開口の直径の1.5〜2倍程度の直径の円形開口である。これにより、ドレンパイプ20から落下する調理油が、蓋部材87の上面にかかり難くなっている。なお、油貯留タンク85は、タンク部材86の底部に複数のタイヤ89が配設されており、該油貯留タンク85はタイヤ89の回転により床面を移動可能となっている。
本発明は、前述の実施例の構成に限定されず、以下のようにも変更することも可能である。
(1)外装筺を構成する前壁、左右側壁、後壁および底壁の板材に形成される保持片は、実施例に例示した形状に限るものではなく、様々に変更が可能である。例えば、保持片の係止部は、各板片毎に分離した形態であってもよい。すなわち、係止部は、各板片の幅と同じ幅で形成され、開口が係止部の延出端に開口した形態であってもよい。
(2)断熱部材は、弾性変形が可能なシート状の断熱材料であれば、セラミックファイバー以外の材料から形成されたものであってもよい。
(3)断熱部材に形成した折返し部は、圧縮率が高い材料であれば、複数回折返すようにしてもよい。
(4)実施例では、制御手段であるガスコントローラ基板と第2の制御手段である表示基板とを個別に備えた構成を例示したが、ガスコントローラ基板および表示基板を単一の制御手段として構成して、ガスコントローラ基板の機能および表示基板の機能を該単一の制御手段が備えるようにしてもよい。
70 断熱部材,62 保持片,63a 連結部(板片),71 折返し部
Claims (3)
- 調理油を貯留する油槽(12)と、前記油槽(12)の外側を囲むと共に、内部に連通空間(14)が画成されている外装筺(21)とを備え、ガスバーナー(13)でのガス燃焼により発生した燃焼ガスが前記連通空間(14)を通過するよう構成したガスフライヤーにおいて、
前記外装筺(21)は、耐熱性を有する金属性の複数の板材(60)を連結して筺状に構成されると共に、前記板材(60)の前記連通空間(14)側に断熱部材(70)が配設され、
前記板材(60)の端縁部には、前記連通空間(14)側へ折曲して前記断熱部材(70)を保持する保持片(62)を備え、
前記保持片(62)は、前記板材(60)の端縁部に沿って所要間隔で離間するよう形成した複数の板片(63a)から構成されている
ことを特徴とするガスフライヤー。 - 前記断熱部材(70)は、圧縮変形が可能なシート状材料であって、前記板材(60)の外形寸法よりも大きい外形寸法に形成され、
前記断熱部材(70)は、前記板材(60)に連結される他方の板材(60)に圧縮されて変形した状態で当接する請求項1記載のガスフライヤー。 - 前記断熱部材(70)は、外縁部近傍を折り返した折返し部(71)を備え、
前記折返し部(71)は、前記断熱部材(70)が当接する各種部材に対し圧縮状態で密着する請求項2記載のガスフライヤー。
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