JP6787663B2 - フライヤー - Google Patents
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Description
この加熱調理の時間や回数が増加すると、調理油中に蓄積される不純物の量が増加して調理油が劣化し、調理品質の低下を招く。また、食材に吸収される油によって調理油の量が減少する。よって、フライヤーの使用に際しては、調理時間や回数等に応じて定期的に調理油を濾過したり新しい調理油を補給(足し油)したりする必要が生じる。
一方、調理油に係るコストやフライヤー自体の省スペース化の観点から、油槽の容量を小さくすることで、調理油を節約してフライヤーのコンパクト化を図ることが考えられる。
しかし、油槽を小容量化すると、油槽の容量に対して食材に吸収される油量の比率が高くなるため、調理油の減少が早くなって足し油の頻度が増えることになる。ところが、調理油として固形油を採用すると、融解させて液化するのに一定の時間が必要となるため、足し油のタイミングに即座に対応することができない。そこで、本件出願人は、特許文献1において、調理油の加熱手段であるパルス燃焼器の燃焼排気を固形油の収納部に導いて、燃焼排気の排熱によって固形油を加熱可能としたフライヤーの発明を提案している。
このため、特許文献2に開示されるように、フライヤーの上方に設けたタンクに一日の補給に必要な固形油を収容し、これを電気ヒータを用いて加熱する対策が考えられるが、一日分の固形油全体がタンク内で常時液化される状態となるため、ランニングコストがかさむことになる。
ここで「下部領域」とは、油容器の全体深さの下側1/3の部分を言うものとする。
請求項2に記載の発明は、請求項1の構成において、制御手段は、下部領域の検出温度が所定温度より低い第1の温度である場合は電気ヒータへの通電を継続し、検出温度が所定温度より低く第1の温度よりも高い第2の温度である場合は電気ヒータへの通電を間欠的に行うことを特徴とする。
さらに、燃焼排気による加温手段の採用により、燃焼排気を利用した低コストな構成で固形油を加温可能となると共に、燃焼排気が利用できない調理の合間には電気ヒータによって固形油を加温可能となり、確実に液化状態を維持することができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、下部領域の検出温度に応じた効果的な加温が可能となる。
図1は、フライヤーの一例を示す側面図、図2はフライヤーの概略図である。このフライヤー1は、器体2内に、中央が仕切壁4によって仕切られて一対の調理室5,5をそれぞれ有する3つの油槽3,3・・を左右方向(図1での紙面直交方向)に並設している。各油槽3の調理室5,5には、燃焼室7とテールパイプ8とを有するパルス燃焼器6が設けられている。このパルス燃焼器6は、各調理室5に設けられるが、図2では右端の調理室5でのみ図示して他の調理室5では記載を省略している。なお、調理室5及びパルス燃焼器6以降の排気系統を区別する場合は、図2の右端から5A,5B,5C・・及び6A,6B,6C・・のように符号を付して説明する。ここでは調理後のポテトの塩ふり等を行う作業台(図示せず)に隣接する場合の多い右端の調理室5Aが最も使用頻度が高く、調理室5B,5C・・の順に使用頻度が低くなっている。
さらに、器体2の底部には、フィルタリングタンク26が設けられて、フィルタリングタンク26に接続される排油管27が、各油槽3における調理室5,5の底部に接続されて電動排油バルブ29を備えた排油分岐管28,28・・に分岐している。
加えて、器体2の下部には、ポンプ30が設けられて、ポンプ30の出口側に接続される給油管31が、各油槽3における調理室5,5の上部に接続されて電動給油バルブ33を備えた給油分岐管32,32・・に分岐している。給油管31には、サーミスタ35が設けられて、電動排油バルブ29及びポンプ30、電動給油バルブ33と共にコントローラ25へ電気的に接続されている。
油容器配置部41には、シーズヒータやカーボンヒータ等の電気ヒータ43と、一斗缶42の下部領域の温度を検出する温度検出手段としての保温サーミスタ44とが設けられ、油容器配置部41の側面には、セットされた一斗缶42を検出する検出手段としての検出スイッチ45(図ではリミットスイッチ、但し、光電センサ等の非接触スイッチ等も使用できる。)が設けられている。切替バルブ39,40、電気ヒータ43、保温サーミスタ44、検出スイッチ45もコントローラ25へ電気的に接続されている。
この固形油融解器46は、図3に示すように、電気ヒータ43が設けられる四角形状の底板47上で、一斗缶42の出し入れ口となる前面を除く左右の側面及び後面に立設される複数の中空の伝熱壁48〜51からなり、前面視右側(図3(A)では左下側)の伝熱壁48には、使用頻度が最も高い調理室5Aのパルス燃焼器6Aに接続される第1排気管18Aが、下側後方から接続されて、上側後方に第2排気管20Aが接続される。この伝熱壁48の内部には、前後内面から交互に突出する仕切板52,52が設けられて、下側の第1排気管18Aから上側の第2排気管20Aに至る内部流路を蛇行状に形成している。後側の伝熱壁49には、次に使用頻度が高い調理室5Bのパルス燃焼器6Bに接続される第1排気管18Bが、後方から下側左隅に接続されて、後方から上側右隅に接続された第2排気管20Bが排気マフラー21Bに接続される。この伝熱壁49内にも、左右内面から交互に突出する仕切板53,53が設けられて、下側の第1排気管18Bから上側の第2排気管20Bに至る内部流路を蛇行状に形成している。
上側の伝熱壁51には、次に使用頻度が高い調理室5Dのパルス燃焼器6Dに接続される第1排気管18Dが、下側後方から接続されて、上側後方から接続された第2排気管20Dが排気マフラー21Dに接続される。この伝熱壁51にも、後内面から前方へ突出する仕切板55が設けられて、下側の第1排気管18Dから上側の第2排気管20Dに至る内部流路を倒U字状に形成している。
まず、器体2の正面に設けられた図示しない操作パネルによって所定の調理モードを選択して運転スイッチをONすると、コントローラ25は、ファン15を所定時間回転して給気した後、燃焼室7内で混合ガスを断続的に燃焼させてパルス燃焼器6を動作させる。すなわち、燃焼室7内に設けた点火プラグにより、混合ガスに点火して燃焼室7内で爆発燃焼させ、その燃焼に伴う燃焼室7内の圧力上昇によって燃焼排気をテールパイプ8へ強制的に排出すると共に、その燃焼排気の排出により負圧となる燃焼室7内に燃料ガスと燃焼用空気とを吸入する動作(ON/OFF動作)を繰り返し、油槽3に貯留された調理油を加熱して調理を行う。このとき温調サーミスタ23から得られる検出温度を監視して調理油の温度を所定温度(例えば180〜182℃)に維持する。
パルス燃焼器6A〜6Dの各テールパイプ8に排出された燃焼排気は、デカプラ19から第1排気管18を通って固形油融解器46の伝熱壁48〜51に導かれ、その内部流路を通って再び第2排気管20から排気マフラー21を介して外部に排出される。この伝熱壁48〜51を通過する燃焼排気により、油容器配置部41にセットされる一斗缶42が加温される。このとき伝熱壁48〜51の内部流路は蛇行状に形成されているので、燃焼排気から固形油への伝熱時間が長くなって効果的に加温される。特に一斗缶42の右側では、使用頻度が最も高い調理室5Aのパルス燃焼器6Aからの燃焼排気が通過する下側の伝熱壁50によって集中的に加温されるため、固形油が常に存在する下側領域が効果的に加温されて液化が維持される。
なお、検出スイッチ45によって一斗缶42のセットが確認されない場合、コントローラ25は、電気ヒータ43の運転制御を行わず、ポンプ30や切替バルブ40等を作動させずに後述する自動給油も行わない。このとき、操作パネルの表示部に、一斗缶42の非配置を報知する表示を行う。この報知手段はブザーや電子音等に代えたり、表示と併用したりしてもよい。
そして、調理回数が所定の回数に達したら、コントローラ25は、電動排油バルブ29を開いて調理室5内の調理油を排油分岐管28から排油管27を介してフィルタリングタンク26に排油する。フィルタリングタンク26では、図示しないフィルタを通過することで揚げカス等が除去されて調理油が洗浄される。調理油の排出完了は底面サーミスタ22による検出温度で確認する。
次に、第1吸込分岐管37の切替バルブ39を開くと共にポンプ30を運転させて、給油分岐管32の電動給油バルブ33を開いて、洗浄後の調理油を調理室5に戻して給油を行う。
調理中、コントローラ25は油面サーミスタ24の検出温度を監視し、当該検出温度の低下によって油面の低下を確認すると、油面が低下した調理室5への給油分岐管32の電動給油バルブ33と第2吸込分岐管38の切替バルブ40とを開いてポンプ30を運転させ、一斗缶42内の固形油を所定量(例えば200〜300cc)給油する。一斗缶42内の固形油は、固形油融解器46と電気ヒータ43とによって少なくとも給油に必要な量は液化しているため、必要なタイミングで迅速に給油可能となる。この一斗缶42から調理室5に至る配管(第2吸込分岐管38、吸込管36、給油管31、給油分岐管32)及びポンプ30、切替バルブ40、電動給油バルブ33が油供給手段となる。
さらに、検出スイッチ45によって油容器配置部41への一斗缶42の配置が検出されない場合、コントローラ25は、ポンプ30等の油供給手段による足し油を禁止するので、ここでも無駄な制御がなくなってエネルギーロスが生じなくなる。
加えて、一斗缶42の非配置を操作パネルの報知手段によって報知するので、作業者は一斗缶42の非配置を確実に認識でき、一斗缶42の補給作業が迅速に行える。
そして、油容器配置部41を、器体2の底部に設けているので、油槽3の下方のスペースを利用して一斗缶42を出し入れしやすい場所にセット可能となる。
加えて、加温手段として油容器配置部41に設けられた電気ヒータ43も利用しているので、燃焼排気が利用できない調理の合間にも固形油を加温可能となり、確実に液化状態を維持することができる。
また、上記形態では加温手段に燃焼排気と電気ヒータとを併用しているが、必要量の液化が可能であれば何れか一方のみで構成することもできる。従って、電気ヒータのみであれば底面のみでなく油容器の左右や後方の面側に電気ヒータを配設することも可能である。
さらに、油吸込管(第2吸込分岐管38)は、一斗缶等の油容器へ挿脱可能とする場合に限らず、油容器に設けるアタッチメント等を介して着脱可能に連結してもよい。この場合、油容器の上面でなく側面や底面に連結することもできる。
また、加温手段は、一斗缶42の下側領域を、使用頻度の高いパルス燃焼器6Aの燃焼排気によって加温するので、固形油が常に存在する下側領域が効率的に加温される。
また、固形油融解器の構造も、上記形態では右側の伝熱壁のみ上下に分割しているが、燃焼器の数によっては左側や後側の伝熱壁も上下に分割することができるし、各面毎に独立させず、複数の面で平面視がL字状やコ字状に繋がる伝熱壁であってもよい。この場合も上下に分割可能であるし、3分割以上も考えられる。さらに、油容器の出し入れ構造によっては周囲の四面全てに伝熱壁を設けたり、上面に伝熱壁を設けたりすることも可能である。
特にここでは、コントローラ25は、保温サーミスタ44による下部領域の検出温度が所定温度より低い第1の温度(ここでは40℃)以下である場合は電気ヒータ43への通電を継続し、検出温度が所定温度より低く第1の温度よりも高い第2の温度(ここでは60℃)以下である場合は電気ヒータ43への通電を間欠的に行うようにしているので、検出温度に応じた効果的な加温が可能となる。
Claims (2)
- 調理油が収容される油槽と、
前記油槽に設けられ、前記調理油を加熱する加熱手段と、
固形油が収容される油容器を前記油槽よりも下方位置に配置する油容器配置部と、
前記油容器内の固形油を底面側から加温する電気ヒータと、
前記油容器配置部に配置された前記油容器内の下部領域にまで差し込まれる油吸込管を有し、前記電気ヒータに加温されて液化した前記固形油を前記油容器から前記油槽に供給する油供給手段と、
前記油容器内の前記下部領域の前記固形油の温度を検出する温度検出手段と、
前記温度検出手段による前記下部領域の前記固形油の検出温度に基づいて前記電気ヒータへの通電を制御して、前記下部領域の前記固形油の温度を所定温度に維持する制御手段と、を含んでなり、
前記加熱手段は、燃料ガスと燃焼用空気との混合ガスを燃焼させる燃焼器であって、前記燃焼器から排出される燃焼排気を前記油容器配置部に導いて排気熱を前記固形油に付与する加温手段をさらに備えることを特徴とするフライヤー。 - 前記制御手段は、前記下部領域の前記検出温度が前記所定温度より低い第1の温度である場合は前記電気ヒータへの通電を継続し、前記検出温度が前記所定温度より低く前記第1の温度よりも高い第2の温度である場合は前記電気ヒータへの通電を間欠的に行うことを特徴とする請求項1に記載のフライヤー。
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