JP6508945B2 - 減震構造体及び建物の支持構造 - Google Patents

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Description

本発明は、地震や車両の通行などによって発生した地盤の振動が建物に伝播されるのを低減させるための減震構造体及び建物の支持構造に関するものである。
地震動が地盤から建物にそのまま伝播されると建物の揺れが大きくなるので、建物自体が損傷しなくても、家具や備品等が移動したり転倒したりして、屋内に居る人が危険な状態に置かれるおそれがある。
このため、地震動による建物の揺れを抑えるために、様々な免震構造や制振構造が開発されてきた。特許文献1には、地盤と建物の基礎との間に土のうを積層させる減震構造体が開示されている。
また、特許文献2には、基礎と建物の底面との間に設置される免震装置が開示されている。摩擦抵抗が極めて小さい免震装置の上に建物が載せられることで、地盤から建物の基礎に伝達された地震動が建物まで伝達されず、建物の揺れを抑えることができる。
さらに、特許文献3には、板状の樹脂製発泡体からなる滑動体を積層させた、地震動の抑制が可能な建物地盤構造が開示されている。この上下に積層された滑動体間は、ゴムなどの柱状の弾性体からなる復元補助部材によって繋がれている。
特許第5196059号公報 特許第4848889号公報 特開2012−1994号公報
しかしながら、土のうを積層させた減震構造体を使用する場合は、地震動を受けて変位した後に元の位置に戻すための仕組みがないと、大きな残留変位が発生するおそれがある。
一方、特許文献2,3に開示されたような免震装置等は、摩擦抵抗が非常に小さいため、風圧力や小さな振動では動かないようにしたり、変位量が大きくなりすぎたりしないように、固定装置やストッパや復元補助部材などを別途設け、複雑な構成にする必要がある。
また、特許文献2のような免震装置は、基礎と建物の底面との間に設置されるため、建物の底面に架構を設けるなど補強しなければならず、住宅や低層ビルには費用が掛かりすぎて採用されにくい。
そこで、本発明は、残留変位が発生しにくいうえに、簡単な構成にすることが可能な減震構造体及び建物の支持構造を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明の減震構造体は、地盤と建物の基礎との間に介在させる減震構造体であって、前記地盤側に配置される上面に円錐状、多角錐状又はドーム状の凹部が形成された下受部と、前記凹部の表面に形成される滑面部と、前記滑面部に下面を接触させる可動土のう部とを備え、地盤の振動によって前記下受部が変動すると、前記可動土のう部の上面が前記下受部に対して相対的に変位することを特徴とする。
ここで、前記可動土のう部の下面は、その上面よりも面積が広い構成とすることが好ましい。例えば、前記可動土のう部の下面は、下方に向けて突出させることができる。
また、前記凹部と一体になる前記滑面部の剛性が、前記可動土のう部の剛性よりも大きくなるようにすることができる。
そして、本発明の建物の支持構造は、上記いずれかに記載の複数の減震構造体を、前記建物の基礎の下方に備えたことを特徴とする。また、上記いずれかに記載の複数の減震構造体と、前記減震構造体の側方に配置される緩衝材とによって構成することができる。
さらに、上記いずれかに記載の複数の減震構造体と、前記減震構造体の下方の地盤に形成される補強部とを備えた構成とすることもできる。
このように構成された本発明の減震構造体は、地盤と建物の基礎との間に介在され、円錐状、多角錐状又はドーム状の凹部が形成された下受部に可動土のう部が積層された構造となる。
また、可動土のう部の下面は、凹部の表面に形成された滑面部に接触されており、地震などの振動によって下受部が変動すると、可動土のう部の上面が下受部に対して相対的に変位する構成となっている。
そして、円錐状、多角錐状又はドーム状の凹部内で移動した可動土のう部には、振動方向が反転又は振動が止まると、元の位置に戻ろうとする復元力が働く。このため、残留変位が発生しにくいうえに、簡単な構成にすることができる。
このように凹部内で復元力が高くなる可動土のう部は、下面の面積を上面よりも広くすることで容易に形成することができる。具体的には、可動土のう部の下面を下方に向けて突出させることで、面積を広くすることができる。
また、凹部と一体になる滑面部の剛性を可動土のう部の剛性よりも大きくすることで、可動土のう部の移動時における滑面部の局所的な変形が抑えられるので、滑面部上で可動土のう部を滑動させたり変形させたりをさせ易くすることができる。
さらに、本発明の建物の支持構造は、減震構造体の側方に緩衝材が配置される。このため、可動土のう部の変位が妨げられにくいうえに、緩衝材の復元力によって可動土のう部が元の位置に戻りやすくなる。
また、大きな荷重が作用する位置が特定できる建物であれば、減震構造体が配置される位置の地盤にだけ補強部を設けることで、弱い地盤にも経済的に減震機能を付加することができるようになる。
本実施の形態の減震構造体の概略構成を示した分解斜視図である。 減震構造体の作用を説明する図であって、(a)は初期状態を示した図、(b)は下層土のう部が右方向に移動した状態を示した図、(c)は下層土のう部が左方向に移動した状態を示した図である。 本実施の形態の減震構造体が配置された建物の支持構造の構成を示した断面図である。 減震構造体のせん断特性を説明するための図である。 住宅に作用する風圧力と考慮される自重との関係を説明する図であって、(a)は免震装置を配置した場合の模式図、(b)は本実施の形態の減震構造体を配置した場合の模式図である。 実施例1で説明する減震構造体が配置された3パターンの建物の支持構造を模式的に示した説明図である。 実施例1で説明する減震構造体が配置された別の3パターンの建物の支持構造を模式的に示した説明図である。 実施例2の減震構造体の構成を示した説明図であって、(a)は分解斜視図、(b)は側面図である。 実施例2の減震構造体が配置された建物の支持構造の構成を示した説明図である。 実施例2の減震構造体の動作を説明する図である。 実施例3の表層地盤改良部上に減震構造体が配置された建物の支持構造の構成を示した断面図である。 実施例3の柱状地盤改良部上に減震構造体が配置された建物の支持構造の構成を示した断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態の減震構造体1の概略構成を示した分解斜視図である。また、図3は、減震構造体1が配置された建物の支持構造の構成を示した断面図である。
本実施の形態の減震構造体1及び建物の支持構造は、住宅や小規模集合住宅などのような建物の基礎Bと、地盤Gとの間に構築される。図3では、掘削された地盤Gに複数の減震構造体1,・・・が並べられ、その上に砕石B1が敷き均されている。そして、砕石B1の上にべた基礎などの基礎Bが構築され、その基礎Bの上に建物としての住宅Hが構築される。
まず、減震構造体1の構成について説明する。この減震構造体1は、図1に示すように、上面に凹部41が形成された下受部としての下層土のう部4と、凹部41の表面に形成される滑面部3と、その上に積層される可動土のう部2とによって主に構成される。
下層土のう部4は、下側、換言すると地盤G側に配置される土のうである。下層土のう部4は、平面視略長方形(正方形を含む)の平板状の土のう袋に、砂などの粒状の充填材を充填することによって形成される。
この下層土のう部4の凹部41は、円錐状、多角錐状又はドーム状に形成される。例えば、図2(a)に示すように凹部41の勾配θが直線的な場合は、円錐状又は多角錐状の凹部41となる。一方、凹部41の勾配が曲率を持つ曲線であれば、ドーム状となる。
土のう袋は、ポリプロピレン樹脂繊維などの合成樹脂繊維を編み込んだ引張強度の高い織布などによって製作される。また、土のう袋の凹部41となる部分は、下向きに弛ませて成形しておく。
滑面部3は、図1に示すように、ステンレスなどの摩擦係数の小さい鋼板等によって円錐状、多角錐状又はドーム状に成形される。また、滑面部3を四フッ化エチレン製のシートで形成することもできる。
さらに、土のう袋の表面を、フッ素樹脂やセラミックなどでコーティングして滑面部3とすることもできる。また、シート材やコーティング材と鋼板とを組み合わせて滑面部3を形成することもできる。
下層土のう部4の凹部41は、滑面部3の下面形状に合わせて変形することで、凹部41に滑面部3が密着して両者は一体になる。すなわち粒状の充填材が充填された土のうであれば、押し付けられた物の形状に追従して変形することができる。
そして、滑面部3に、可動土のう部2の下面22を接触させる。可動土のう部2は、上側、換言すると住宅H側に配置される土のうである。可動土のう部2は、平面視略長方形(正方形を含む)の平板状の土のう袋に、砂などの粒状の充填材を充填することによって形成される。
可動土のう部2の下面22は、下方に向けて突出される。このため、下面22は、可動土のう部2の上面21よりも面積が広くなる。図2(a)は、下から下層土のう部4、滑面部3及び可動土のう部2が積層された減震構造体1の断面を示している。
次に、本実施の形態の減震構造体1の作用について、図2を参照しながら説明する。
住宅Hを建設した当初は、図2(a)に示すように、下層土のう部4の真上に可動土のう部2が配置された初期状態となる。この初期状態では、滑面部3の全面に対して可動土のう部4の下面22が密着している。
また、住宅H及び基礎Bなどの上載荷重は、可動土のう部2の上面21から入って、そのまま真下の滑面部3及び下層土のう部4に伝達される。この上載荷重の伝達は、後述する変位が発生している状態のときでも安定的に継続される。
反対に、車両の通行などによって地盤Gに発生した振動は、下層土のう部4及び可動土のう部2に充填された砂などの充填材によって減衰されて、基礎Bに伝達される。
そして、大きな地震が発生して地震動が住宅Hの周辺の地盤Gに伝播されてくると、その地震動の水平方向の力によって、下層土のう部4が例えば図2(b)に示すように右方向に移動する。
ここで、下層土のう部4が右方向に移動しても、滑面部3に下面22を接触させた可動土のう部2は、下層土のう部4の動きには追従せずにその場に留まることになる。
この結果、可動土のう部2の上面21が下層土のう部4に対して相対的に変位したことになる。そして、下層土のう部4の動きに追従しない可動土のう部2上の住宅Hには、地震動が伝達されない、又は低減されて伝達されることになる。
ここで、滑面部3が水平面に形成されている場合は、この相対的な変位が残留変位となる可能性がある。これに対して、滑面部3が中央が最下点となるような円錐状、多角錐状又はドーム状に成形されていれば、可動土のう部2が初期状態(図2(a)参照)に戻ろうとする復元力が働くことになる。
さらに、図2(c)に示すように下層土のう部4が左方向に移動するような地震動を受けた場合も、下層土のう部4は可動土のう部2に拘束されることなく左方向に移動し、可動土のう部2の上面21と下層土のう部4との間に逆方向の相対変位が発生することになる。
このように摩擦抵抗が小さく中央が窪んだ滑面部3に載せられた可動土のう部2は、滑動したり流動体のように自在に変形したりすることで、下層土のう部4に対しては相対的に変位を発生させるが、住宅Hに伝搬される地震動は低減させることができる。
また、可動土のう部2の上面21と下層土のう部4との間に相対的な変位が生じている状態は、安定状態にはならず、可動土のう部2は常に初期状態に戻ろうとするため、残留変位の発生を抑えることができる。
図3は、住宅Hの基礎Bの下の全面に、複数の減震構造体1,・・・を隙間なく敷き詰めた例について図示している。上述したように減震構造体1は、地震動を受けると上下が水平方向に変位するため、基礎Bの外周側面から可動土のう部2の側面にかけて緩衝材としての外周緩衝部5を設ける。
外周緩衝部5には、ポリスチレンフォーム(発泡スチロール,EPS)などの復元力のある材料などが使用できる。すなわち、地震動によって可動土のう部2が移動すると、最外縁に配置された可動土のう部2は外周緩衝部5を押し込むことになる。
この際、外周緩衝部5は、可動土のう部2の移動を妨げないため、減震構造体1の減震機能を低下させることはない。そして、押し込まれた外周緩衝部5は、復元力によって可動土のう部2が元の位置に戻るのを助けることになる。
上述したような減震構造体1のせん断特性は、例えば図4に示すように設定することができる。この図には、減震構造体1のせん断変位とせん断力係数との関係が示されている。
通常の物体であれば、せん断変位が増加するにつれてせん断力係数が増加するというせん断特性となるが、減震構造体1では、下層土のう部4と可動土のう部2との間に滑面部3が介在されるので、ほぼ一定のせん断力係数のままでせん断変位を増加させることができる。
このようなせん断特性は、滑面部3の材質(摩擦係数)、滑面部3の勾配θの角度などを変更することによって、所望する特性に調整することができる。
そして、このせん断力係数をその上部から作用する重量に掛け合わせることで、水平力に対する抵抗力を算定することができる。図5は、風圧力Wが作用する住宅Hを模式的に図示した図である。
図5(a)は、免震装置aが配置された状態を示している。免震装置aは、住宅Hの底面と基礎Bの上面との間に配置されるため、せん断抵抗力を算定する上載荷重としては、基礎Bの重量を加味することができない。
これに対して本実施の形態の減震構造体1,・・・によって構成される建物の支持構造10であれば、図5(b)に示すように基礎Bの下に配置されるため、せん断抵抗力を算定する上載荷重として住宅Hに加えて基礎Bの重量を加算することができる。
このため、複数の減震構造体1,・・・が配置された建物の支持構造10であれば、特別な固定装置などを設けなくても、台風などの強力な風圧力Wに対抗させることが可能になる。
このように構成された本実施の形態の減震構造体1は、地盤Gと住宅Hの基礎Bとの間に介在され、円錐状、多角錐状又はドーム状の凹部41が形成された下層土のう部4に可動土のう部2が積層された構造となる。
また、可動土のう部2の下面22は、凹部41の表面に形成された滑面部3に接触されており、地震などの振動によって下層土のう部4が変動すると、可動土のう部2の上面21が下層土のう部4に対して相対的に変位する構成となっている。
そして、円錐状、多角錐状又はドーム状の凹部41内で移動した可動土のう部2には、振動方向が反転又は振動が止まると、元の位置に戻ろうとする復元力が働く。このため、残留変位が発生しにくいうえに、簡単な構成にすることができる。
このように凹部41内で復元力が高くなる可動土のう部2は、下面22の面積を上面21よりも広くすることで容易に製作することができる。具体的には、可動土のう部2の下面22を下方に向けて突出させることで、面積を広くすることができる。
また、凹部41と一体になる滑面部3の剛性を可動土のう部2の剛性よりも大きくすることで、可動土のう部2の移動時における滑面部3の局所的な変形が抑えられるので、滑面部3上で可動土のう部2を滑動させたり変形させたりをさせ易くすることができる。
ここで、「凹部41と一体になる滑面部3の剛性」であるので、滑面部3のみで剛性を高めることもできるし、凹部41のみで剛性を高めることもできる。例えば、滑面部3をステンレス板によって成形した場合は、下層土のう部4の剛性が小さくても、「凹部41と一体になる滑面部3の剛性」は大きくなる。なお、凹部41のみで剛性を高める場合については、実施例で後述する。
さらに、本実施の形態の建物の支持構造は、減震構造体1の側方に外周緩衝部5が配置される。このため、可動土のう部2の変位が妨げられにくいうえに、外周緩衝部5の復元力によって、可動土のう部2が元の位置に戻りやすくなる。
以下、前記した実施の形態の減震構造体1の配置パターンについて、図6,7を参照しながら説明する。なお、前記実施の形態で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一用語又は同一符号を付して説明する。
前記実施の形態の図3で説明した減震構造体1の配置パターンは、模式的に図示すると図6(a)に示したようになる。ここで、下層土のう部4は横線模様の長方形で示し、滑面部3には斜線の断面線を入れ、可動土のう部2は縦線模様の長方形で示した。
一方、図6(b)では、基礎Bの下方の全面に減震構造体1,・・・が配置されるが、各減震構造体1と基礎Bとの間に土のう6Aが配置されるとともに、各減震構造体1の下側にも土のう6Bが配置される。なお、土のう6A,6Bは、白抜き長方形で図示した。
土のう6A,6Bは、平面視略長方形(正方形を含む)の平板状の土のう袋に、砂などの粒状の充填材を充填することによって形成される。減震構造体1の上下に土のう6A,6Bを配置することによって、基礎Bの下方の軟弱な土質などを良質な砂(充填材)に置換することができる。
また、基礎Bの下方の土のう(1,6A,6B)の積層数が増加することによって、交通振動などが土のうを通過する距離が延びるので、振動の低減量が増えて減震効果を高めることができる。
図6(c)に図示した基礎Bには、外縁に沿って下方に突出するリブ部B2が設けられている。このため、図6(b)の配置パターンと比べて、リブ部B2の位置を除いた箇所にだけ上側の土のう6A,・・・が配置されるパターンになる。
続いて図7(a)に示した配置パターンでは、水平方向に間隔を置いて配置される減震構造体1,1間に、土のう6A,6Bの積層体が配置される。このように、基礎Bの全面に減震構造体1,・・・が配置されないパターンにすることもできる。
さらに、図7(b)に示した配置パターンでは、最下層の土のう6Bが一つ置きに配置される。例えば、地盤Gの深部の土質が良い箇所では最下層の土のう6Bの設置を省略することができる。
また、べた基礎のような基礎Bからほぼ均一な荷重が作用する場合は、面積平均で支持力が確保できればよいこともあるため、等間隔で最下層の土のう6A,6Bを省略することができる。
さらに、図7(c)に示すように、土のう6B、減震構造体1及び土のう6Aの積層体が、水平方向に間隔を置いて配置されるパターンとすることもできる。このように積層体(6A,1,6B)を杭状に配置することもできる。
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態又は他の実施例と略同様であるので説明を省略する。
以下、前記した実施の形態とは別の形態の実施例2の減震構造体1Aについて、図8−10を参照しながら説明する。なお、前記実施の形態で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一用語又は同一符号を付して説明する。
本実施例2の減震構造体1Aは、図8に示すように、上面に凹部71が形成された下受部としての下層剛体部7と、凹部71の表面に形成される滑面部3Aと、その上に積層される可動土のう部2Aとによって主に構成される。
この下層剛体部7は、コンクリート、鋼材、石材などの剛性の高い材料で形成することができる。例えば、鉄筋コンクリートによって、上面に外縁72が立ち上げられた直方体状に成形することができる。
図8(a)に示すように、平面視略長方形(正方形を含む)に成形された外縁72の内側には、円錐状、多角錐状又はドーム状の凹部71が形成される。この下層剛体部7は、荷重が上から作用しても変形することがないので、前記実施の形態で説明した凹部41とは異なり、正確な形状に成形される。
滑面部3Aは、凹部71の剛性が充分に高いので、フッ素樹脂やセラミックなどでコーティングすることによって形成することができる。また、四フッ化エチレンシートなどのシート材を貼り付けた構成であってもよい。
一方、可動土のう部2Aは、図8(b)に示すように、滑面部3Aの内側にすべてが収容される大きさの平面視略長方形(正方形を含む)の平板状の土のう袋に、砂などの粒状の充填材を充填することによって形成される。
図9は、住宅Hの基礎Bの下に配置された減震構造体1A周辺を拡大して示した説明図である。減震構造体1Aの側方には、緩衝材としての中間緩衝部8,8がそれぞれ配置される。
中間緩衝部8には、ポリスチレンフォーム(発泡スチロール,EPS)などの復元力のある材料などが使用できる。ここで、EPSは、軽量盛土材料として使用される素材であるため、基礎Bから上載荷重が伝達される位置にも使用することができる。
可動土のう部2Aを下層剛体部7よりも小さく成形すると、中間緩衝部8,8の上面間に隙間が発生することになる。そこで、中間緩衝部8,8の上面間を鋼板などの蓋部23で遮蔽する。
滑面部3Aの上方を蓋部23で塞ぐことによって、滑面部3A上に砂や土砂等が侵入して摩擦抵抗が増加するのを防ぐことができる。
図10には、地震動が作用したときの減震構造体1Aの動きについて図示した。図の中央が、地震が起きる前の初期状態を示している。そして、地震動が下層剛体部7に伝達されると、図の3つの状態が繰り返されることになる。
ここで、下層剛体部7よりも可動土のう部2Aの大きさを小さくすることによって、可動土のう部2Aの上面21の下層剛体部7に対する相対的な変位量を大きくすることができる。
すなわち、可動土のう部2Aは、下層剛体部7の外縁72に当たるまで下層剛体部7に対して相対的に移動することができる。この最大変位量は、可動土のう部2Aの大きさが小さくなるほど大きくなる。
また、可動土のう部2Aが小さくなると、滑面部3Aの中で移動しやすくなる。要するに、滑面部3Aの摩擦抵抗を小さくした場合と同じ効果を得ることができる。
さらに、凹部71と一体になる滑面部3Aの剛性と可動土のう部2Aの剛性との差が大きい方が、可動土のう部2Aが移動しやすくなる。すなわち、可動土のう部2Aの剛性の方が小さければ、移動に際して滑面部3Aの局所的な変形が抑制されて滑り面が保持されるので、滑りやすい状態を維持できる。
このように構成された実施例2の減震構造体1Aは、可動土のう部2Aの上面21が下層剛体部7に対して相対的に変位しやすくなるように調整することができる。また、変位量の大きさも容易に調整することができる。
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態又は他の実施例と略同様であるので説明を省略する。
以下、前記した実施の形態及び実施例1で説明した建物の支持構造とは別の配置パターンについて、図11,12を参照しながら説明する。なお、前記実施の形態又は他の実施例で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一用語又は同一符号を付して説明する。
本実施例3では、実施例2で説明した減震構造体1Aを使った配置パターンについて説明する。なお、前記実施の形態で説明した減震構造体1を適用することもできる。
この実施例3で説明する建物としてのユニット住宅UHは、柱H1の位置が規格化されたユニット建物である。要するに柱H1が配置される箇所が予め決められており、基礎Bを介して集中して荷重が作用する位置もわかっているので、その箇所に対して部分的に減震構造体1Aを配置することができる。
まず、必要に応じて基礎Bの下方の全面の地盤Gに対して、地盤改良を行う。例えば、表層に軟弱な地盤がある場合は、セメント系固化材などを地盤と混合することで、表層地盤改良部91を造成する。
そして、柱H1,・・・が配置される真下の位置に、減震構造体1A,・・・をそれぞれ設置する。なお、柱H1の真下の位置以外にも、集中して荷重が作用することが判明している位置には、減震構造体1Aを設置することができる。
続いて、減震構造体1A,1A間に中間緩衝部8を敷き詰め、その上に砕石B1を敷き均す。また、基礎Bの外周位置に沿って、外周緩衝部5を設置する。さらに、砕石B1の上に鉄筋を組んでコンクリートを打設することで、べた基礎などの基礎Bを構築する。
そして、基礎Bの上に建物ユニットを並べていくことで、ユニット住宅UHを完成させる。このようにして構築されたユニット住宅UHの柱H1,・・・の下方には、それぞれ減震構造体1A,・・・が配置されている。
一方、図12は、深層混合処理工法などによって、柱状地盤改良部92を造成する場合について図示している。柱状地盤改良部92の造成は、表層を改良しただけでは所望する支持力が得られないような地盤Gで行われる。
柱状地盤改良部92は、柱H1が配置される位置など、集中して荷重が作用する位置の地盤Gに設けられる。そして、柱状地盤改良部92の頭部に減震構造体1Aが設置される。
このように大きな荷重が作用する位置が特定できるユニット住宅UHのような建物であれば、減震構造体1A(1)をその位置にだけ配置させることができるので、経済的に減震対策を施すことができる。
また、減震構造体1A(1)を設置する位置の地盤Gが弱い場合に、その位置の地盤にだけ地盤改良や杭などの補強部を設けることで、弱い地盤Gにも経済的に減震機能を付加することができるようになる。
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態又は他の実施例と略同様であるので説明を省略する。
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態又は実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば、前記実施の形態及び実施例では、べた基礎が建物の基礎Bである場合について説明したが、これに限定されるものではなく、布基礎や独立基礎が建物の基礎である場合にも本発明を適用することができる。
1,1A 減震構造体
10 建物の支持構造
2,2A 可動土のう部
21 上面
22 下面
3,3A 滑面部
4 下層土のう部(下受部)
41 凹部
5 外周緩衝部(緩衝材)
7 下層剛体部(下受部)
71 凹部
8 中間緩衝部(緩衝材)
91 表層地盤改良部(補強部)
92 柱状地盤改良部(補強部)
G 地盤
B 建物の基礎
H 住宅(建物)
UH ユニット住宅(建物)

Claims (6)

  1. 地盤と建物の基礎との間に介在させる減震構造体であって、
    前記地盤側に配置される上面に円錐状、多角錐状又はドーム状の凹部が形成された下受部と、
    前記凹部の表面に形成される滑面部と、
    合成樹脂繊維の織布による土のう袋に粒状充填材が充填されることによって形成されるとともに、前記滑面部に下面を接触させる可動土のう部とを備え、
    前記可動土のう部の下面は、その上面よりも面積が広く、かつ下方に向けて突出しているとともに、
    前記凹部と一体になる前記滑面部の剛性が、前記可動土のう部の剛性よりも大きくなっていて、
    地盤の振動によって前記下受部が変動すると、前記可動土のう部の上面が前記下受部に対して相対的に変位することを特徴とする減震構造体。
  2. 前記下受部は、鉄筋コンクリートによって直方体状に成形されていることを特徴とする請求項1に記載の減震構造体。
  3. 請求項1又は2に記載の複数の減震構造体を、水平方向に間隔を置いて前記建物の基礎の下方に配置したことを特徴とする建物の支持構造。
  4. 請求項1又は2に記載の減震構造体と土のうとによって杭状に形成される積層体を、水平方向に間隔を置いて前記建物の基礎の下方に配置したことを特徴とする建物の支持構造。
  5. 請求項1又は2に記載の複数の減震構造体と、
    前記減震構造体の側方に配置される緩衝材とを備えたことを特徴とする建物の支持構造。
  6. 請求項1又は2に記載の複数の減震構造体と、
    前記減震構造体の下方の地盤に形成される補強部とを備えたことを特徴とする建物の支持構造。
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