JP6508040B2 - 横電界駆動用の液晶配向処理剤 - Google Patents
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Description
液晶表示装置としては、対向する一対の透明基材に平行に配向した液晶分子を基板に対して垂直な方向に電界をかけて駆動して表示を行う形式のものと、基板に対して平行な方向に電界をかけて駆動して表示を行う形式のものがある。前者はTNモードの液晶表示装置と呼ばれ、後者は横電界駆動方式(IPS)の液晶表示装置と呼ばれる。
ポリイミド系液晶配向膜は、ポリイミド前駆体であるポリアミック酸(ポリアミド酸ともいう。)溶液を基板上に塗布し、これを、150℃以上の温度で焼成し、イミド化させた後、ラビング処理を行うことで液晶配向膜とするのが一般的である。
1.テトラカルボン酸二無水物由来の構造単位として、下記式(1)で表される構造単位を有するポリイミド前駆体を脱水閉環して得られるポリイミドを含有することを特徴とする横電界用の液晶配向処理剤。
5.上記式(1)で表される構造単位の含有量が、テトラカルボン酸誘導体由来の全構造単位1モルに対して、30〜100モル%である上記1〜4のいずれかに記載の横電界用液晶配向処理剤。
6.上記式(2)で表される構造単位の含有量が、ジアミン由来の全構造単位1モルに対して、20〜100モル%である上記1〜5のいずれかに記載の横電界用液晶配向処理剤。
7.上記1〜6のいずれかに記載の液晶配向処理剤を基板に塗布、焼成して得られる横電界駆動用の液晶配向膜。
8.上記7に記載の液晶配向膜を有する横電界駆動用の液晶表示素子。
液晶表示素子における実基板上には激しい凹凸の存在する回路が形成されており、そのために平坦部および段差部においても液晶を均一に配向させる必要がある。平坦部では強い液晶配向性が求められる一方で、段差部ではポリマー鎖の延伸性が重要となる。段差の影響を受けることでラビング条件が異なる箇所が発生するため、膜に柔軟性を持たせることによる延伸特性の改善が段差部に対して効果的である。本発明では、良好な配向性を有する特定のジアミン化合物と柔軟性を有する特定のテトラカルボン酸二無水物を用いることで、平坦部および段差部における配向秩序を改善できた結果であると考えられる。
本発明の液晶配向処理剤は、テトラカルボン酸二無水物由来の構造単位として、下記式(1)で表される構造単位を有するポリイミド前駆体を閉環して得られるポリイミドを含有することを特徴とする。
Xの具体例を示すならば、以下に示す(X−1)〜(X−42)挙げられる。
上記アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ビシクロヘキシル基などが挙げられる。アルケニル基としては、上記のアルキル基に存在する1つ以上のCH−CH構造を、C=C構造に置き換えたものが挙げられ、より具体的には、ビニル基、アリル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、2−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基、2−ペンテニル基、2−ヘキセニル基、シクロプロペニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基などが挙げられる。アルキニル基としては、前記のアルキル基に存在する1つ以上のCH2−CH2構造をC≡C構造に置き換えたものが挙げられ、より具体的には、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基などが挙げられる。
この置換基の例としてはハロゲン基、水酸基、チオール基、ニトロ基、アリール基、オルガノオキシ基、オルガノチオ基、オルガノシリル基、アシル基、エステル基、チオエステル基、リン酸エステル基、アミド基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基を挙げることができる。
置換基であるアリール基としては、フェニル基が挙げられる。このアリール基には前述した他の置換基がさらに置換していてもよい。
オルガノチオ基の具体例としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基などが挙げられる。
アシル基の具体例としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ベンゾイル基などが挙げられる。
置換基であるアルキル基としては、前述したアルキル基と同じものを挙げることができる。このアルキル基には前述した他の置換基がさらに置換していてもよい。
置換基であるアルケニル基としては、前述したアルケニル基と同じものを挙げることができる。このアルケニル基には前述した他の置換基がさらに置換していてもよい。
置換基であるアルキニル基としては、前述したアルキニル基と同じものを挙げることができる。このアルキニル基には前述した他の置換基がさらに置換していてもよい。
Yは、2価の有機基であり、その構造は特に限定されるものではなく、2種類以上が混在していてもよい。あえて、その具体例を示すならば、下記のY−1〜Y−118が挙げられる。
式(2)中のnは、1〜12であり、好ましくは1〜5である。
本発明に用いられるポリイミド前駆体がポリアミック酸エステルである場合、該ポリアミック酸エステルは、以下に示す(1)〜(3)の方法で合成することができる。
(1)ポリアミック酸から合成する場合
ポリアミック酸エステルは、テトラカルボン酸二無水物とジアミンから得られるポリアミック酸をエステル化することによって合成することができる。
具体的には、ポリアミック酸とエステル化剤を有機溶剤の存在下で−20℃〜150℃、好ましくは0℃〜50℃において、30分〜24時間、好ましくは1〜4時間反応させることによって合成することができる。
ポリアミック酸エステルは、テトラカルボン酸ジエステルジクロリドとジアミンから合成することができる。
具体的には、テトラカルボン酸ジエステルジクロリドとジアミンとを塩基と有機溶剤の存在下で−20℃〜150℃、好ましくは0℃〜50℃において、30分〜24時間、好ましくは1〜4時間反応させることによって合成することができる。
上記の反応に用いる溶媒は、モノマーおよびポリマーの溶解性からN−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトンが好ましく、これらは1種又は2種以上を混合して用いてもよい。合成時のポリマー濃度は、ポリマーの析出が起こりにくく、かつ高分子量体が得やすいという観点から、1〜30質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましい。また、テトラカルボン酸ジエステルジクロリドの加水分解を防ぐため、ポリアミック酸エステルの合成に用いる溶媒はできるだけ脱水されていることが好ましく、窒素雰囲気中で、外気の混入を防ぐのが好ましい。
ポリアミック酸エステルは、テトラカルボン酸ジエステルとジアミンを重縮合することにより合成することができる。
具体的には、テトラカルボン酸ジエステルとジアミンを縮合剤、塩基、有機溶剤の存在下で0℃〜150℃、好ましくは0℃〜100℃において、30分〜24時間、好ましくは3〜15時間反応させることによって合成することができる。
前記塩基には、ピリジン、トリエチルアミンなどの3級アミンが使用できる。塩基の添加量は、除去が容易な量で、かつ高分子量体が得やすいという観点から、ジアミン成分に対して2〜4倍モルが好ましい。
上記3つのポリアミック酸エステルの合成方法の中でも、高分子量のポリアミック酸エステルが得られるため、上記(1)又は上記(2)の合成法が特に好ましい。
上記のようにして得られるポリアミック酸エステルの溶液は、よく撹拌させながら貧溶媒に注入することで、ポリマーを析出させることができる。析出を数回行い、貧溶媒で洗浄後、常温あるいは加熱乾燥して精製されたポリアミック酸エステルの粉末を得ることができる。貧溶媒は、特に限定されないが、水、メタノール、エタノール、ヘキサン、ブチルセロソルブ、アセトン、トルエン等が挙げられる。
本発明に用いられるポリイミド前駆体であるポリアミック酸は、以下に示す方法により合成することができる。
具体的には、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを有機溶媒の存在下で−20℃〜150℃、好ましくは0℃〜50℃において、30分〜24時間、好ましくは1〜12時間反応させることによって合成できる。
上記の反応に用いる有機溶媒は、モノマーおよびポリマーの溶解性からN,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトンが好ましく、これらは1種又は2種以上を混合して用いてもよい。ポリマーの濃度は、ポリマーの析出が起こりにくく、かつ高分子量体が得やすいという観点から、1〜30質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましい。
本発明に用いられるポリイミドは、ポリイミド前駆体である、前記ポリアミック酸エステル又はポリアミック酸をイミド化することにより製造することができる。ポリアミック酸エステルからポリイミドを製造する場合、前記ポリアミック酸エステル溶液、又はポリアミック酸エステル樹脂粉末を有機溶媒に溶解させて得られるポリアミック酸溶液に塩基性触媒を添加する化学的イミド化が簡便である。化学的イミド化は、比較的低温でイミド化反応が進行し、イミド化の課程で重合体の分子量低下が起こりにくいので好ましい。
化学的イミド化は、イミド化させたい重合体を、有機溶媒中において塩基性触媒と酸無水物の存在下で攪拌することにより行うことができる。有機溶媒としては前述した重合反応時に用いる溶媒を使用することができる。塩基性触媒としてはピリジン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン等を挙げることができる。中でもピリジンは反応を進行させるのに適度な塩基性を持つので好ましい。また、酸無水物としては無水酢酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等を挙げることができ、中でも無水酢酸を用いると反応終了後の精製が容易となるので好ましい。
上記のようにして得られるポリイミドの溶液は、よく撹拌させながら貧溶媒に注入することで、重合体を析出させることができる。析出を数回行い、貧溶媒で洗浄後、常温あるいは加熱乾燥して精製されたポリアミック酸エステルの粉末を得ることができる。
前記貧溶媒は、特に限定されないが、メタノール、アセトン、ヘキサン、ブチルセルソルブ、ヘプタン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エタノール、トルエン、ベンゼン等が挙げられる。
本発明に用いられる液晶配向処理剤は、特定構造の可溶性ポリイミドが有機溶媒中に溶解された溶液の形態を有する。特定構造のポリイミドの分子量は、重量平均分子量で2,000〜500,000が好ましく、より好ましくは5,000〜300,000であり、さらに好ましくは、10,000〜100,000である。また、数平均分子量は、好ましくは、1,000〜250,000であり、より好ましくは、2,500〜150,000であり、さらに好ましくは、5,000〜50,000である。
本発明に用いられる液晶配向処理剤の重合体の濃度は、形成させようとする塗膜の厚みの設定によって適宜変更することができるが、均一で欠陥のない塗膜を形成させるという点から1重量%以上であることが好ましく、溶液の保存安定性の点からは10重量%以下とすることが好ましい。
なかでも、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトンが好ましく、特に、N−メチル−2−ピロリドンが好ましい。
上記の有機溶媒は、その1種又は2種以上を混合して用いてもよい。また、単独では重合体を均一に溶解できない溶媒であっても、重合体が析出しない範囲であれば、上記の有機溶媒が混合して使用される。
本発明の液晶配向膜は、上記液晶配向処理剤を基板に塗布し、乾燥、焼成して得られる膜である。本発明の液晶配向処理剤を塗布する基板としては透明性の高い基板であれば特に限定されず、ガラス基板、窒化珪素基板、アクリル基板、ポリカーボネート基板等のプラスチック基板等を用いることができ、液晶駆動のためのITO電極等が形成された基板を用いることがプロセスの簡素化の観点から好ましい。また、反射型の液晶表示素子では片側の基板のみにならばシリコンウエハー等の不透明な物でも使用でき、この場合の電極はアルミニウム等の光を反射する材料も使用できる。
得られた液晶配向膜を配向処理する方法としては、ラビング法、光配向処理法などが挙げられる。
本発明の液晶表示素子は、上記した手法により本発明の液晶配向処理剤から液晶配向膜付き基板を得、ラビング処理などにより配向処理を行った後、既知の方法により、横電界駆動方式の液晶表示素子としたものである。
<テトラカルボン酸成分>
CA−1:1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物
CA−2:ビシクロ[3.3.0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸二無水物(異性体[IV]の含有率が97%)
CA−3:ピロメリット酸二無水物
CA−4:3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸二無水物
DA−1:1,5−ビス(4−アミノフェノキシ)ペンタン
DA−2:3,5−ジアミノ安息香酸
DA−3:N−(3−ピリジルメチル)−3,5−ジアミノ安息香酸アミド
DA−4:3−アミノベンジルアミン
DA−5:p−フェニレンジアミン
DA−6:1,3−ジアミノ−4−n−ドデシルオキシベンゼン
DA−7:4,4‘−ジアミノジフェニルメタン
DA−8:4,4‘−ジアミノジフェニルアミン
<溶媒>
BCS:ブチルセロソルブ
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
合成例におけるポリイミド前駆体およびポリイミドの分子量は、常温ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)装置(GPC−101)(昭和電工社製)、カラム(KD−803、KD−805)(Shodex社製)を用いて、以下のようにして測定した。
カラム温度:50℃
溶離液:N,N’−ジメチルホルムアミド(添加剤として、臭化リチウム−水和物(LiBr・H2O)が30mmol/L(リットル)、リン酸・無水結晶(o−リン酸)が30mmol/L、テトラヒドロフラン(THF)が10ml/L)
流速:1.0ml/分
検量線作成用標準サンプル:TSK 標準ポリエチレンオキサイド(分子量;約900,000、150,000、100,000、および30,000)(東ソー社製)およびポリエチレングリコール(分子量;約12,000、4,000、および1,000)(ポリマーラボラトリー社製)。
合成例におけるポリイミドのイミド化率は次のようにして測定した。ポリイミド粉末20mgをNMR(核磁気共鳴)サンプル管(NMRサンプリングチューブスタンダード,φ5(草野科学社製))に入れ、重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d6,0.05質量%TMS(テトラメチルシラン)混合品)(0.53ml)を添加し、超音波をかけて完全に溶解させた。この溶液をNMR測定機(JNW−ECA500)(日本電子データム社製)にて500MHzのプロトンNMRを測定した。イミド化率は、イミド化前後で変化しない構造に由来するプロトンを基準プロトンとして決め、このプロトンのピーク積算値と、9.5ppm〜10.0ppm付近に現れるアミド酸のNH基に由来するプロトンピーク積算値とを用い以下の式によって求めた。
イミド化率(%)=(1−α・x/y)×100
上記式において、xはアミド酸のNH基由来のプロトンピーク積算値、yは基準プロトンのピーク積算値、αはポリアミック酸(イミド化率が0%)の場合におけるアミド酸のNH基プロトン1個に対する基準プロトンの個数割合である。
DA−1(14.32g,50.0mmol)、DA−2(4.56g,30.0mmol)、DA−3(4.85g,20.0mmol)およびCA−2(12.51g,50.0mmol)をNMP(207.4g)中で混合し、50℃で6時間反応させた。その後、CA−1(9.51g,48.5mmol)とNMP(51.9g)を加えて40℃で一晩反応させ、樹脂固形分濃度15質量%のポリアミック酸溶液(1)を得た。
得られたポリアミック酸溶液(1)(100.0g)に、NMPを加え5質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(22.41g)およびピリジン(8.69g)を加え、50℃で2時間反応させた。この反応溶液をメタノール(1500ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(1)を得た。このポリイミドのイミド化率は50%であり、数平均分子量は24,800、重量平均分子量は88,000であった。
DA−1(18.61g,65.0mmol)、DA−2(5.93g,39.0mmol)、DA−3(6.30g,26.0mmol)およびCA−2(24.40g,97.5mmol)をNMP(195.3g)中で混合し、50℃で6時間反応させた。その後、CA−1(5.79g,29.5mmol)とNMP(48.8g)を加えて40℃で一晩反応させ、樹脂固形分濃度20質量%のポリアミック酸溶液(2)を得た。
得られたポリアミック酸溶液(2)(100.0g)に、NMPを加え5質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(10.87g)およびピリジン(8.43g)を加え、90℃で2.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(1500ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(2)を得た。このポリイミドのイミド化率は50%であり、数平均分子量は24,800、重量平均分子量は76,230であった。
合成例2で得られたポリアミック酸溶液(2)(60g)に、NMPを加え5質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(13.05g)およびピリジン(4.05g)を加え、100℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(900ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(3)を得た。このポリイミドのイミド化率は70%であり、数平均分子量は22,100、重量平均分子量は70,000であった。
DA−1(30.78g,107mmol)、DA−2(13.08g,86.0mmol)、DA−3(5.21g,21.5mmol)およびCA−2(40.35g,161mmol)をNMP(278.4g)中で混合し、50℃で6時間反応させた。その後、CA−1(9.99g,50.9mmol)とNMP(119.3g)を加えて40℃で一晩反応させ、樹脂固形分濃度20質量%のポリアミック酸溶液(3)を得た。
得られたポリアミック酸溶液(3)(50.0g)に、NMPを加え3.5質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(11.04g)およびピリジン(3.42g)を加え、100℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(750ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(4)を得た。このポリイミドのイミド化率は67%であり、数平均分子量は28,500、重量平均分子量は99,600であった。
DA−1(36.94g,129mmol)、DA−2(13.08g,86.0mmol)およびCA−2(40.35g,167mmol)をNMP(280.2g)中で混合し、50℃で6時間反応させた。その後、CA−1(9.70g,49.5mmol)とNMP(120.1g)を加えて40℃で一晩反応させ、樹脂固形分濃度20質量%のポリアミック酸溶液(4)を得た。
得られたポリアミック酸溶液(4)(50.0g)に、NMPを加え4質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(10.96g)およびピリジン(3.40g)を加え、100℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(750ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(5)を得た。このポリイミドのイミド化率は69%であり、数平均分子量は36,700、重量平均分子量は134,800であった。
DA−1(16.04g,55.9mmol)、DA−2(6.39g,42.0mmol)、DA−4(5.13g,42.0mmol)およびCA−3(7.02g,32.2mmol)をNMP(194.7g)中で混合し、23℃で1時間反応させた。その後、CA−2(26.27g,105mmol)とNMP(48.68g)を加えて40℃で一晩反応させ、樹脂固形分濃度20質量%のポリアミック酸溶液(5)を得た。
得られたポリアミック酸溶液(5)(40.0g)に、NMPを加え5質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(4.66g)およびピリジン(3.61g)を加え、90℃で2.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(600ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(6)を得た。このポリイミドのイミド化率は69%であり、数平均分子量は13,900、重量平均分子量は40,600であった。
合成例1〜6の合成手法で得られたポリイミド粉末(1)〜(6)(各10.0g)に、夫々NMP(106.67g)を加え、80℃にて24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(50.0g)を加え、23℃にて2時間攪拌して液晶配向処理剤(1)〜(6)を得た。この液晶配向処理剤(1)〜(6)には、いずれも濁りや析出物の発生などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
日本特開平8−220541号公報を参考にして、CA−4(100)/DA−5(90)、DA−6(10)の溶剤可溶性ポリイミドと、CA−1(100)/DA−7(100)のポリアミック酸を95:5の比率で混ぜ合わせて、比較液晶配向処理剤(A)を得た。この比較液晶配向処理剤(A)に、濁りや析出物の発生などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
WO2004/053583号パンフレットを参考にして、CA−1(80)、CA−4(20)/DA−8(80)、DA−7(20)のポリアミック酸と、CA−3(100)/DA−1(100)のポリアミック酸を80:20の比率で混ぜ合わせて、比較液晶配向処理剤(B)を得た。この比較液晶配向処理剤(B)に、濁りや析出物の発生などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤を1.0μmのフィルターで濾過した後、透明電極付きガラス基板上にスピンコートし、70℃のホットプレート上で2分間乾燥後、230℃で15分間焼成して膜厚100nmの塗膜を得た。このポリイミド膜をレーヨン布でラビング(ロール径120mm、回転数1000rpm、移動速度20mm/sec、押し込み量0.4mm)した後、純水中にて1分間超音波照射を行い、80℃で10分間乾燥した。
このような液晶配向膜付き基板を2枚用意した後、2枚の基板のラビング方向が逆平行になるように組み合わせ、4μmのスペーサーを5重量%混入させたシール剤を用いて液晶注入口を残して周囲をシールし、セルギャップが4μmの空セルを作製した。このセルに液晶(「MLC−2041」、メルク社製)を常温で真空注入し、注入口を封止してアンチパラレル液晶セルとした。
上記(液晶セルの作製)と同様にして作製した液晶セル(実施例1〜5、参考例1、比較例1、2)を偏光軸が直交するように配置された2枚の偏光板の間に設置し、電圧無印加の状態でバックライトを点灯させておき、透過光の輝度が最も小さくなるように液晶セルの配置角度を調整した。それらの液晶セルを浜松ホトニクス社製のデジタルCCDカメラ「C8800−21C」を用いて観察を行い、撮り込んだ画像を同社の解析ソフト「ExDcam Image capture Software」を用いて輝度の数値化を行った。
これらの液晶セルの輝度値が500〜550であれば「◎」、550〜600であれば「○」、それ以上は「×」とした。
なお、2013年3月19日に出願された日本特許出願2013−57263号の明細書、特許請求の範囲及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。
Claims (6)
- テトラカルボン酸二無水物由来の構造単位として、下記式(1)で表される構造単位を有し、かつ、ジアミン由来の構造単位として、下記式(2)で表される構造単位を有し、該式(2)で表される構造単位の含有量が、ジアミン由来の全構造単位1モルに対して、40〜100モル%であるポリイミド前駆体を閉環して得られるポリイミドを含有することを特徴とする横電界用の液晶配向処理剤。
- 前記ジアミン由来の構造単位として、式(2)において、nが1〜5である構造単位を有する請求項1に記載の横電界用の液晶配向処理剤。
- 上記式(1)で表される構造単位の含有量が、テトラカルボン酸誘導体由来の全構造単位1モルに対して、30〜100モル%である請求項1又は2に記載の横電界用の液晶配向処理剤。
- 上記式(2)で表される構造単位の含有量が、ジアミン由来の全構造単位1モルに対して、50〜100モル%である請求項1〜3のいずれか一項に記載の横電界用の液晶配向処理剤。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の液晶配向処理剤から得られる横電界駆動用の液晶配向膜。
- 請求項5に記載の液晶配向膜を有する横電界駆動用の液晶表示素子。
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