JP6505493B2 - 吸収性物品用複合短繊維、その製造方法、並びにそれを含む吸収性物品用熱接着不織布、及び吸収性物品 - Google Patents

吸収性物品用複合短繊維、その製造方法、並びにそれを含む吸収性物品用熱接着不織布、及び吸収性物品 Download PDF

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本発明は、生理用ナプキンや紙オムツなどの吸収性物品、吸収性物品に用いる吸収性物品用複合短繊維と吸収性物品用熱接着不織布、及び吸収性物品用複合短繊維の製造方法に関する。詳細には、芯成分と鞘成分がポリオレフィン系樹脂を主成分とする吸収性物品用複合短繊維、これを含む吸収性物品用熱接着不織布と吸収性物品、及び吸収性物品用複合短繊維の製造方法に関する。
生理用ナプキンや紙オムツなどの吸収性物品においては、装着者の皮膚に直接接触する表面シートの触感や、紙オムツなどの吸収性物品の外側部分を構成するバックシートの触感をより滑らかで柔らかくすることが求められている。
吸収性物品の表面シートには、カード機を用いて熱接着繊維を含む繊維ウェブを製造し、この繊維ウェブに高温の気流を吹き付けて構成繊維間を熱接着した熱接着不織布が用いられている。熱接着不織布の触感を柔らかくするには、繊維の繊度を小さくすることや繊維を構成する樹脂をより柔らかい樹脂にすることが効果的であると考えられている。熱接着不織布に使用する熱接着繊維としては、ポリエステル樹脂を含むポリエステル系複合繊維や、ポリオレフィン樹脂を含むポリオレフィン系複合繊維が知られている。ポリエステル樹脂を含むポリエステル系複合繊維と、ポリオレフィン樹脂を含むポリオレフィン系複合繊維を比較すると、ポリオレフィン樹脂がポリエステル樹脂よりも軟らかいことから、同じ太さの繊維である場合、ポリオレフィン系複合繊維を用いた不織布の方がポリエステル系複合繊維を用いた不織布よりも触感が柔らかくなると考えられている。そのため、細繊度のポリオレフィン系複合繊維を用いて熱接着不織布を作製し、それを吸収性物品の表面シートやバックシートに使用することで、吸収性物品を装着したときの快適性及び触感をより向上させる開発が行われている。
しかし、ポリオレフィン系複合繊維は繊度が細くなるに伴い、繊維のカード通過性が低下し、不織布の生産性が低下しやすくなる。その原因としては、ポリオレフィン樹脂が軟らかいため、細繊度にすることで繊維の弾性(コシ)がなくなり、カード機にて開繊し、繊維ウェブにする際、カード機内部で繊維同士が絡まり、ネップと呼ばれる粒状の繊維塊が発生しやすいことが挙げられる。また、ポリオレフィン樹脂が柔らかいため、捲縮形状が維持できず、カード機にて開繊し、カードウェブにする際、カードワイヤーに絡まずに舞い上がってしまう、いわゆる“フライ”の状態になりやすいことも原因の一つとして挙げられる。特に、細繊度のポリオレフィン系複合短繊維は繊維の強度、弾性が低いため、高速で繊維ウェブを製造しようとするとネップ、フライが多発して繊維ウェブが製造できない可能性がある。
それに加え、吸収性物品に使用する不織布は見た目が白い、すなわち白度が大きいことが求められる。特に、吸収性物品に使用する不織布の中でも装着者の肌と接する面に使用する表面シートは、見た目が白いだけでなく、体の外に排出された血液(経血)や、尿や流動性のある便などの排泄物を迅速に吸収することに加え、吸収した血液や排泄物を表面から見えにくくする、いわゆる隠蔽性が求められる。不織布の見た目の白さ(白度)を高めるたり、不織布の隠蔽性を高めたりする目的で、吸収性物品に使用する合成繊維は、二酸化チタン(単に酸化チタンとも称す。)や酸化亜鉛などの無機フィラーを合成樹脂に混ぜて製造する。無機フィラーを含む合成繊維は、無機フィラーが異物として働くため、可紡性が低下しやすいだけでなく、単繊維強度及び繊維の弾性が低下するため、カード機にて開繊する際、ネップやフライが生じやすくなる。このように、細繊度にすることに伴うカード通過性の低下、及び無機フィラーの添加に伴うカード通過性の低下から、吸収性物品用複合短繊維として、無機フィラーを含み、細繊度のポリオレフィン系複合短繊維を得ることは困難であった。
生理用ナプキン等の衛生材料表面材などの熱接着不織布に使用できるポリオレフィン系複合繊維として、例えば、特許文献1には、ポリプロピレンとポリエチレンからなる複合繊維で、繊維断面が偏心芯鞘型又は並列型であり、単糸繊度が1〜2d、繊維長が20〜40mmのポリオレフィン系複合繊維が記載されている。
特開平8−60441号公報
特許文献1に記載の複合繊維は繊維断面が偏心芯鞘型もしくは並列型となっている。これらの断面構造では、鞘成分すなわち熱接着成分の薄い部分が存在するため、熱接着した接着点の強度が不足し、熱接着不織布自身の強度が不足するおそれや、使用時の摩擦により、不織布表面が毛羽立ち、表面触感が悪化するおそれがある。加えて、無機フィラーを含有させることに伴うカード通過性の低下を考慮しておらず、無機フィラーを含有させたときのカード通過性低下に対する対策が不十分となっている可能性がある。
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、カード通過性が良好であるとともに、触感が滑らかで、隠蔽性が高い吸収性物品用熱接着不織布を得るのに適した吸収性物品用複合短繊維、その製造方法、並びに、それを含む吸収性物品用熱接着不織布、及び吸収性物品を提供する。
本発明は、芯成分と鞘成分を含む吸収性物品用複合短繊維であって、上記芯成分は、紡糸後の質量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比Mw/Mnが3.0以上8.0以下のポリプロピレンを50質量%以上含み、上記鞘成分は、上記ポリプロピレンよりも融点が5℃以上低い高密度ポリエチレンを60質量%以上含み、上記複合短繊維は、上記芯成分と上記鞘成分が実質的に同心円状に配置され、上記芯成分と上記鞘成分の複合比が芯成分/鞘成分の体積比で52/48〜73/27である芯鞘型複合短繊維であり、上記複合短繊維は、複合短繊維100質量%に対して無機フィラーを1.2質量%以上5.0質量%以下含有し、上記複合短繊維は、単繊維強度が2.4cN/dtex以上5.4cN/dtex以下であり、破断伸度が20%以上120%以下であり、上記複合短繊維の繊度が1.1dtex以上2.0dtex以下であることを特徴とする吸収性物品用複合短繊維に関する。
本発明は、また、上記の吸収性物品用複合短繊維の製造方法であって、質量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比Mw/Mnが3.0以上10.0以下のポリプロピレンを50質量%以上含む芯成分と、前記ポリプロピレンよりも融点が5℃以上低い高密度ポリエチレンを60質量%以上含む鞘成分を、繊維断面において、複合短繊維の表面を前記鞘成分が覆い、かつ前記芯成分の重心位置が複合短繊維の重心位置と一致した同心円構造になるように配置された複合型ノズルに供給し、芯成分を紡糸温度250℃以上350℃以下、鞘成分を紡糸温度230℃以上330℃以下で溶融紡糸する工程を含むことを特徴とする吸収性物品用複合短繊維の製造方法に関する。
本発明は、また、上記吸収性物品用複合短繊維を20質量%以上含み、少なくとも一部の上記吸収性物品用複合短繊維が鞘成分によって接着している吸収性物品用熱接着不織布に関する。
本発明は、また、上記吸収性物品用熱接着不織布を含む吸収性物品であって、上記吸収性物品用熱接着不織布が、表面シート及び/又はバックシートとして配置されていることを特徴とする吸収性物品に関する。
本発明の吸収性物品用複合短繊維は、芯成分が、紡糸後の質量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比Mw/Mnが3.0以上8.0以下のポリプロピレンを50質量%以上含み、鞘成分が芯成分に含まれるポリプロピレンよりも融点が5℃以上低い高密度ポリエチレンを60質量%以上含むとともに、芯成分と鞘成分が実質的に同心円状に配置され、芯成分と鞘成分の複合比が芯成分/鞘成分の体積比で52/48〜73/27であることにより、カード通過性が良好であり、優れた地合のカードウェブを与えることができる。また、本発明の吸収性物品用複合短繊維は、芯成分と鞘成分が同心円状に配置されていることから、複合短繊維表面に低融点の鞘成分が均一に存在するようになり、容易に繊維同士を熱接着し、接着強度が高い熱接着不織布を提供することができる。また、本発明の吸収性物品用複合短繊維は、無機フィラーを0.5質量%以上10質量%以下含み、繊度が1.1dtex以上2.0dtex以下であっても、カード通過性が良好であり、該吸収性物品用複合短繊維を含む吸収性物品用熱接着不織布と吸収性物品は、滑らか且つ柔らかな触感を有する。また、本発明の吸収性物品用複合短繊維が、無機フィラーを含んでいることに加え、繊度が2.0dtex以下であるため、該吸収性物品用複合短繊維を含む吸収性物品用熱接着不織布及び吸収性物品は、血液や排泄物を吸収したときの隠蔽性に優れたものとなる。
図1は本発明の一実施形態における複合短繊維の繊維断面を示す断面模式図である。 図2A〜Bは、本発明の一実施形態における複合短繊維の捲縮形態を示す模式図である。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ポリオレフィン系複合短繊維において、芯成分に50質量%以上含まれるポリプロピレン(以下において、「主成分ポリプロピレン」とも記す。)として紡糸後の質量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比Mw/Mn(以下において、「Q値」とも記す。)が3.0以上8.0以下のポリプロピレン(以下において、PPとも記す。)を用い、鞘成分に上記主成分ポリプロピレンより融点が5℃以上低い高密度ポリエチレンを60質量%以上含ませるとともに、複合短繊維における芯成分と鞘成分の複合比を芯成分/鞘成分の体積比で52/48〜73/27にすることで芯成分の割合を多くし、芯成分と鞘成分が実質的に同心円状に配置された断面構造にすることで、複合短繊維全体の剛性が高くなり、繊度が2.0dtex以下であり、特定量の無機フィラーを含む複合短繊維であっても、カード通過性が良好であり、熱接着不織布にしたときの触感及び接着強度に優れることを見出し、本発明に至った。
本発明の吸収性物品用複合短繊維は、芯成分と鞘成分を含み、芯成分と鞘成分が実質的に同心円状に配置された同心円構造の芯鞘型複合短繊維である。
(芯成分)
本発明の吸収性物品用複合短繊維の芯成分は、紡糸後のQ値が3.0以上8.0以下であるポリプロピレンを50質量%以上含んでいる。Q値の大きいポリプロピレン系樹脂は高分子量のポリプロピレン分子が樹脂の内部に多く存在することから、分子量分布の幅が大きくなっている。一方、Q値の小さいポリプロピレン樹脂は、重合により生じた高分子量の分子鎖を切断して分子鎖の長さを揃えているため、高分子量のポリプロピレン分子の残存量が減少して分子量分布の幅が小さくなっている。なお、紡糸前のQ値が3.0以上10.0以下のポリプロピレンを用いることで、紡糸後のポリプロピレンのQ値を3.0以上8.0以下にすることができる。
ポリプロピレンを溶融紡糸する際、分子量分布の幅が小さい、すなわちQ値の小さいポリプロピレンを使用すると、未延伸繊維に非晶領域(タイ分子)が多く存在するため、延伸処理を行っても非晶領域が残りやすい傾向にある。非晶領域ではポリプロピレン分子が配向していない、或いはポリプロピレン分子の配向性が揃っていないことが多く、延伸後の繊維においてポリプロピレンの非晶領域が多いほど繊維の強度は低くなり、カード通過性も低くなる可能性が高い。これに対し、高分子量のポリプロピレン分子が多く存在し、分子量分布の幅が大きいポリプロピレン、すなわちQ値の大きいポリプロピレンを使用すると、高分子量のポリプロピレン分子が結晶化しやすい傾向があり、高い延伸倍率の延伸処理を行うことで、非晶領域の少ない繊維を得ることができる。非晶領域の割合が少なく、結晶化度の高い繊維となることから、Q値の大きなポリプロピレンを含む繊維は繊維強度が高く、カード通過性も高くなると推測される。
上記主成分ポリプロピレンの紡糸後のQ値は、3.0以上8.0以下であり、3.0以上6.5以下であることが好ましく、3.2以上6.0以下であることがより好ましく、3.4以上5.5以下であることがさらに好ましく3.6以上5.2以下が最も好ましい。上記ポリプロピレンの紡糸後のQ値が3.0以上8.0以下であることで、吸収性物品用複合短繊維が優れたカード通過性を有するとともに、吸収性物品用複合短繊維を製造する際の生産性も良好である。
上記主成分ポリプロピレンの紡糸前のQ値は、3.0以上10.0以下であり、3.0以上8.5以下であることが好ましく、3.2以上7.0以下であることがより好ましく、3.4以上6.5以下であることがさらに好ましい。上記ポリプロピレンの紡糸前のQ値が3.0以上10.0以下であることで、吸収性物品用複合短繊維が優れたカード通過性を有するとともに、吸収性物品用複合短繊維を製造する際の生産性も良好である。
上記主成分ポリプロピレンは、紡糸後の質量平均分子量Mwが120000以上であることが好ましい。より好ましい質量平均分子量Mwは140000以上であり、特に好ましい質量平均分子量Mwは150000以上である。上記主成分ポリプロピレンは、紡糸後の質量平均分子量Mwが120000以上であると、主成分ポリプロピレンの紡糸後のQ値が上述した範囲を満たしやすく、吸収性物品用複合短繊維に高分子量のポリプロピレン分子が多く残存していることになる。上記主成分ポリプロピレンの質量平均分子量Mwが120000未満であると、主成分ポリプロピレンの紡糸後のQ値が上述した範囲から外れやすい傾向があり、また、ポリプロピレン中に含まれる高分子量のポリプロピレン分子の割合が少なくなることから、吸収性物品用複合短繊維のカード通過性が低下するおそれがある。主成分ポリプロピレンの紡糸後の質量平均分子量Mwの上限は特に限定されないが、300000以下であってもよく、240000以下であってもよく、220000以下であってもよい。上記主成分ポリプロピレンの紡糸後の質量平均分子量Mwが300000を超えると、可紡性及び延伸性が低下し、生産性の高い複合短繊維が得られないおそれがある。
上記主成分ポリプロピレンのQ値、質量平均分子量Mwは、紡糸前と紡糸後で異なる場合がある。特に、紡糸後のQ値が3.0以上8.0以下のポリプロピレンは、紡糸前のQ値が8を超えてもよい。これは、比較的高分子量のポリプロピレン分子を構成する分子間の結合が紡糸時の熱で切断される、或いは、比較的高分子量のポリプロピレン分子の一部が低分子量のポリプロピレン分子に連鎖移動するためであると推察される。なお、本発明において、Q値の値は、特に紡糸前の値であると記載していない限り、紡糸後の値である。
上記吸収性物品用複合短繊維の芯成分には、上記主成分ポリプロピレンが50質量%以上含まれる。上記吸収性物品用複合短繊維の芯成分において、上記主成分ポリプロピレンの含有量は好ましくは80質量%以上であり、より好ましくは90質量%以上であり、さらに好ましくは95質量%以上であり、特に好ましくは、芯成分において、後述する無機フィラーを除く樹脂成分が全てポリプロピレンとなっている構成である。上記主成分ポリプロピレンとしては、特に限定されず、例えばホモポリマー、ランダム共重合体、ブロック共重合体、又はそれらの混合物を用いることができる。上記ランダム共重合体、ブロック共重合体としては、例えば、プロピレンと、エチレン及び炭素数4以上のα−オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも一種のα−オレフィンとの共重合体が挙げられる。上記炭素数4以上のα−オレフィンとしては、特に限定されないが、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−オクタデセンなどが挙げられる。上記共重合体におけるプロピレンの含有量は、50質量%以上であることが好ましい。中でも、吸収性物品用複合短繊維を含む不織布の嵩回復性の観点から、プロピレンホモポリマー、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1−プロピレン三元共重合体からなる群から選択される一種であることが好ましく、得られる吸収性物品用複合短繊維の生産性、カード通過性及び経済性(製造コスト)を考慮すると、芯成分におけるポリプロピレンはプロピレンホモポリマーが特に好ましい。
上記吸収性物品用複合短繊維において、芯成分は、本発明の効果を損なわない範囲であれば、主成分ポリプロピレンに加えて、主成分ポリプロピレン以外の樹脂を含んでもよい。上記主成分ポリプロピレン以外の樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレンなどが挙げられる。上記ポリオレフィン樹脂としては、特に限定されないが、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン−1、及びこれらとアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、マレイン酸エステル等の不飽和カルボン酸のエステル、アクリル酸無水物、メタクリル酸無水物、マレイン酸無水物等の不飽和カルボン酸の無水物からなる群から選ばれる少なくとも一種以上を共重合したもの、グラフト重合したもの、並びにこれらのエラストマーなどが挙げられる。上記ポリエステル樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ乳酸、及びこれらとイソフタル酸、コハク酸、アジピン酸等の酸成分や、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のグリコール成分、ポリテトラメチレングリコール、ポリオキシメチレングリコール等との共重合体、並びにこれらのエラストマーが挙げられる。上記ポリアミド樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ナイロン6、ナイロン66,ナイロン11、ナイロン12などが挙げられる。また、本発明の効果が阻害されず、繊維生産性、不織布生産性、熱接着性、触感に影響を与えない範囲であれば、上記芯成分に、公知の各種添加剤を添加してもよい。上記芯成分に添加できる添加剤としては、公知の結晶核剤、帯電防止剤、顔料、艶消し剤、熱安定剤、光安定剤、難燃剤、抗菌剤、滑剤、可塑剤、柔軟剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等が挙げられる。
上記吸収性物品用複合短繊維の芯成分において、上記主成分ポリプロピレンのメルトフローレートは特に限定されないが、JIS−K−7210に準じて測定したメルトフローレート(MFR;測定温度230℃、荷重2.16kgf(21.18N)、以下においてMFR230と記す。)が10g/10分以上50g/10分以下であることが好ましい。より好ましいMFR230は20g/10分以上40g/10分以下であり、特に好ましいMFR230は25g/10分以上35g/10分以下である。主成分ポリプロピレンのMFR230が上記の範囲内であることにより、紡糸引き取り性及び延伸性が良好になるだけでなく、芯成分がカード機を通過するのに充分な弾性を持つようになり、上記吸収性物品用複合短繊維のカード通過性が良好になる。
上記吸収性物品用複合短繊維の芯成分において、上記主成分ポリプロピレンの融点は特に限定されないが、150℃以上であることが好ましく、152℃以上であることがより好ましく、155℃以上であることが特に好ましい。上記主成分ポリプロピレンの融点が150℃以上であることで、不織布の繊維ウェブの嵩が減少しにくくなり、嵩高で触感の柔らかい熱接着不織布が得られやすくなる。上記主成分ポリプロピレンの融点の上限は特に限定されないが、170℃以下であればよく、168℃以下であってもよい。本発明において、融点は、JIS−K−7121に準じて測定したDSC曲線より求められる融解ピーク温度をいう。
上記吸収性物品用複合短繊維の芯成分において、上記主成分ポリプロピレンは、JIS−K−7161に準じて測定される引張弾性率が1600MPa以上であることが好ましく、1650MPa以上であることがより好ましく、1680MPa以上であることが特に好ましい。上記主成分ポリプロピレンの引張弾性率が1600MPa以上であることで、芯成分が充分な弾性を持つようになり、複合短繊維のカード通過性が良好になる。また、複合短繊維の芯成分が充分な弾性を持つことで、捲縮発現性も良好になる。
(鞘成分)
上記吸収性物品用複合短繊維において、鞘成分は、上記芯成分における主成分ポリプロピレンより融点が5℃以上低い高密度ポリエチレンを60質量%以上含む。高密度ポリエチレンは、他のポリエチレンと比較して密度が高いことから、得られる複合短繊維が剛性の高いものとなりやすく、複合短繊維のカード通過性、捲縮発現性が良好になり、得られる熱接着不織布も嵩高なものが得られやすくなる。上記鞘成分に含まれる高密度ポリエチレンの含有量は好ましくは80質量%以上であり、より好ましくは90質量%以上であり、さらに好ましくは95質量%以上であり、特に好ましくは、鞘成分において、後述する無機フィラーを除く樹脂成分が全て高密度ポリエチレンとなっている構成である。
上記吸収性物品用複合短繊維において、上記鞘成分に含まれる高密度ポリエチレンのメルトフローレートは特に限定されないが、JIS−K−7210に準じて測定したメルトフローレート(MFR;測定温度190℃、荷重2.16kgf(21.18N)、以下においてMFR190と記す。)が5g/10分以上30g/10分以下であることが好ましい。より好ましいMFR190は8g/10分以上23g/10分以下であり、特に好ましいMFR190は10g/10分以上18g/10分以下である。上記高密度ポリエチレンのMFR190が上記の範囲内であることにより、紡糸引き取り性及び延伸性が良好になるだけでなく、得られる複合短繊維の鞘成分も、カード機を通過するのに充分な弾性を持つようになり、複合短繊維のカード通過性が良好になる。
上記吸収性物品用複合短繊維の表面は実質的に上記高密度ポリエチレンを60質量%以上含む鞘成分で構成されているため、上記複合短繊維の熱接着性は、主に高密度ポリエチレンが溶融したときの流動性に依存する。また、上記吸収性物品用複合短繊維を用いた熱接着不織布の強度は、主に上記鞘成分が熱処理の際に融解、熱接着したことで生じる構成繊維間の熱接着点の強度に依存している。上記高密度ポリエチレンのMFR190が上述した範囲を満たすことで、鞘成分は溶融時の流動性が適度に抑えられるようになる。その結果、上記吸収性物品用複合短繊維を含む繊維ウェブを高密度ポリエチレンの融点付近で熱処理すると、複合短繊維の鞘成分全体が溶融するものの、流動性が抑えられているため、流れにくい。その結果、鞘成分の厚みがムラのないものとなり、どの接着点においても接着強度が揃った熱接着点が構成繊維間に形成されるようになり、得られた熱接着不織布の強度が充分に高いものになると推測される。高密度ポリエチレンのMFR190が30g/10分を超えると、熱処理時に鞘成分が流れやすくなる傾向があり、複合短繊維において鞘成分の厚みにムラが生じ、鞘成分が薄い部分と熱接着した接着強度の低い熱接着点が不織布内部に形成されるおそれがある。その結果、不織布の縦方向及び/又は横方向に引っ張ったり、不織布表面を擦ることで摩擦を加えると接着強度の弱い接着点が外れやすくなり、不織布の強度が不足したり、不織布の毛羽立ちを招くおそれがある。一方、高密度ポリエチレンのMFR190が5g/10分未満であると、鞘成分の流動性が低すぎるため紡糸引き取り性や延伸性が低下するおそれがある。
上記吸収性物品用複合短繊維の鞘成分において、上記高密度ポリエチレンの融点は、上記芯成分に含まれる主成分ポリプロピレンの融点よりも5℃以上低ければよく特に限定されないが、複合短繊維のカード通過性、並びに熱接着不織布の生産性、強度及び耐熱性を考慮すると、上記高密度ポリエチレンの融点は、125℃以上140℃以下であることが好ましく、128℃以上138℃以下であることがより好ましい。
本発明の吸収性物品用複合短繊維において、鞘成分は、本発明の作用を損なわない範囲であれば、上記高密度ポリエチレン以外の樹脂を含んでもよい。上記高密度ポリエチレン以外の樹脂としては、特に限定されないが、例えば、高密度ポリエチレン以外のポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレンなどが挙げられる。上記高密度ポリエチレン以外のポリオレフィン樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン−1、及びこれらとアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、マレイン酸エステル等の不飽和カルボン酸のエステル、アクリル酸無水物、メタクリル酸無水物、マレイン酸無水物等の不飽和カルボン酸の無水物からなる群から選ばれる少なくとも一種以上を共重合したもの、グラフト重合したもの、並びにこれらのエラストマーなどが挙げられる。上記ポリエステル樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ乳酸、及びこれらとイソフタル酸、コハク酸、アジピン酸等の酸成分や、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のグリコール成分、ポリテトラメチレングリコール、ポリオキシメチレングリコール等との共重合体、並びにこれらのエラストマーが挙げられる。上記ポリアミド樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12などが挙げられる。また、本発明の効果が阻害されず、繊維生産性、不織布生産性、熱接着性、触感に影響を与えない範囲であれば、上記鞘成分に、公知の各種添加剤を加えることが可能である。上記鞘成分に添加できる添加剤としては、公知の結晶核剤、帯電防止剤、顔料、艶消し剤、熱安定剤、光安定剤、難燃剤、抗菌剤、滑剤、可塑剤、柔軟剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等を含有させることができる。
上記吸収性物品用複合短繊維は、複合短繊維100質量%に対して無機フィラーを0.5質量%以上10質量%以下含む。上述した範囲の無機フィラーを含むことにより、上記吸収性物品用複合短繊維を含む熱接着不織布の見た目の白さ、すなわち白度が高くなる。加えて、上記吸収性物品用複合短繊維の繊度が2.0dtex以下であることから、同じ目付の不織布であれば不織布を構成する繊維の本数が増えるため、熱接着不織布表面の白度がさらに高くなりやすい。上記吸収性物品用複合短繊維を含む熱接着不織布を吸収性物品の表面シートに用いた場合、白度が高いことにより、表面シートの下に位置する吸収体に吸収された経血や尿などの排泄物の色を表面から見えにくくする、いわゆる隠蔽性が高くなる。隠蔽性をより高める観点から、上記無機フィラーは白度の高い無機粉体であることが好ましい。具体的には、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、シリカ(二酸化ケイ素)、マイカ、ゼオライト、タルク等の白色の無機粉末を無機フィラーとして複合短繊維に含有させる。上記無機フィラーは、二酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ及びタルクからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましく、少なくとも酸化チタンを含有することがより好ましく、実質的に酸化チタンのみを無機フィラーとして含有していることが特に好ましい。
上記吸収性物品用複合短繊維において、無機フィラーの含有量は複合短繊維100質量%に対して0.5質量%以上10質量%以下であればよいが、複合短繊維100質量%に対して0.8質量%以上8質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以上6.0質量%以下であることがより好ましく、1.2質量%以上5.0質量%以下であることがさらに好ましく、1.3質量%以上3.5質量%以下であることが特に好ましい。上記吸収性物品用複合短繊維が無機フィラーを含むことにより、当該複合短繊維を含む熱接着不織布を吸収性物品に使用したとき、優れた隠蔽性を発揮するほか、無機フィラーを含むことで複合短繊維そのもの、及びこれを含む熱接着不織布の触感も柔らかくなる傾向がある。また、無機フィラーを含むことにより、カードウェブの作製時に、ネップの発生が低減し、カード通過性が向上する。無機フィラーは複合短繊維を構成する鞘成分及び芯成分のいずれか一方に含有させてもよいし、両方に含有させてもよい。しかし、吸収性物品用複合短繊維の生産性及び吸収性物品用複合短繊維を用いて製造される不織布の隠蔽性などの観点から、少なくとも芯成分に無機フィラーを含有させることが好ましい。また、上記吸収性物品用複合短繊維において、複合短繊維100質量%に対する無機フィラーの含有量が4質量%又は5質量%を超える場合、無機フィラーを鞘成分又は芯成分の一方の樹脂成分のみに含有させると、無機フィラーを含む樹脂成分の可紡性が極端に低下するため、鞘成分及び芯成分の両方に無機フィラーを含有させることが好ましい。
上記吸収性物品用複合短繊維において、断面構造は、芯成分の重心位置が複合短繊維の重心位置と実質的に一致した同心円構造となっている。すなわち、繊維断面において、芯成分の重心位置は複合短繊維の重心位置から実質的にずれていない。図1は、同心円構造の吸収性物品用複合短繊維の繊維断面の模式図である。芯成分2の周囲に鞘成分1が配置され、鞘成分1が芯成分2の周囲を囲むことで、複合短繊維10において、切断面以外の繊維表面は鞘成分1に覆われている。これにより、複合短繊維で構成された繊維ウェブを熱接着時に、鞘成分1は表面が溶融し、繊維同士を熱接着する。複合短繊維10において、芯成分2が偏心していない、すなわち同心円構造になっているため、繊維断面における鞘成分1の厚みは、繊維断面のいずれの箇所においてもほぼ一定の厚みになっている。その結果、複合短繊維で構成された繊維ウェブを熱処理する際、繊維表面の鞘成分が軟化・溶融している複合短繊維に対し、いずれの部分に他の繊維が接触しても、均一な強度の熱接着点が形成されるため、上記吸収性物品用複合短繊維を使用した熱接着不織布は、接着強度が高く、摩擦に強く毛羽立ちにくいものとなる。芯成分2の重心位置3は複合短繊維10の重心位置4から実質的にずれていない。芯成分の重心位置が複合短繊維の重心位置から実質的にずれていないとは、下記の方法で求められるずれの割合(以下、偏心率とも記す。)が10%以下、好ましくは7%以下、特に好ましくは5%以下、最も好ましくは3%以下であることを指す。
<偏心率>
複合短繊維10の繊維断面を走査型電子顕微鏡などで拡大撮影し、芯成分2の重心位置3をC1とし、複合短繊維10の重心位置4をCfとし、複合短繊維10の半径5をrfとしたとき、下記数式1で算出する。
[数1]
偏芯率(%)=[(Cf−C1)/rf]×100
上記吸収性物品用複合短繊維において、芯成分と鞘成分の複合比が芯成分/鞘成分の体積比で52/48〜73/27であり、好ましくは55/45〜70/30であり、より好ましくは60/40〜70/30であり、さらに好ましくは62/38〜68/32である。芯成分は主として複合短繊維全体の弾性を左右し、鞘成分は主として複合短繊維を含む熱接着不織布の接着強度、触感及び硬さを左右する。上記吸収性物品用複合短繊維における芯成分と鞘成分の複合比が52/48〜73/27であると、複合短繊維のカード通過性、及び複合短繊維を含む熱接着不織布の接着強度や触感を両立することができる。鞘成分が多くなりすぎる、例えば芯成分と鞘成分の複合比が50/50になると、不織布強力は上がるが、不織布の触感が硬くなるおそれがある。加えて、芯成分が占める割合が少ないため、繊維に弾性がなく、カード通過性が低下しやすい上、捲縮発現性も低下しやすくなる。一方、芯成分が多くなりすぎる、例えば、芯成分と鞘成分の複合比が80/20といった値になると、構成繊維同士の熱接着に寄与する鞘成分の割合が少なく、鞘成分が複合短繊維の側周表面を薄く覆った層のように存在するため、熱処理して構成繊維間に熱接着点を形成しても熱接着点が小さく、外部からの力で外れやすいため、不織布強力が小さくなったり、不織布に摩擦を加えた場合容易に毛羽立ちを生じたりするおそれがある。
上記吸収性物品用複合短繊維において、芯成分の繊維断面における形態は、円形以外に、楕円形、Y形、X形、井形、多角形、星形などの異形であってもよく、複合短繊維の繊維断面における形態は、円形以外に、楕円形、Y形、X形、井形、多角形、星形などの異形、又は中空形であってもよい。
上記吸収性物品用複合短繊維は、繊度が1.1dtex以上2.0dtex以下である。繊度が2.0dtex以下であることで、上記吸収性物品用複合短繊維を含む熱接着不織布は、触感が滑らかであり、柔らかい不織布となる。また、繊度が小さいことで、同じ目付の不織布の場合、繊度が大きい繊維で構成させた不織布より不織布を構成する繊維の本数が多いため、不織布の風合いや見た目においてきめが細かく、隠蔽性の高い不織布になりやすい。上記吸収性物品用複合短繊維の繊度が2.0dtexを超えると、柔らかく滑らかな触感を有し、隠蔽性の高い不織布が得られない。上記吸収性物品用複合短繊維の繊度は1.8dtex以下であることが好ましく、1.7dtex以下であることがより好ましい。上記吸収性物品用複合短繊維において、繊度が1.1dtex以上であることにより、複合短繊維のカード通過性が良好になり、生産性も向上する。上記吸収性物品用複合短繊維の繊度は、1.2dtex以上であることがより好ましい。上記吸収性物品用複合短繊維の繊度は、後述する紡糸フィラメントの繊度及び延伸倍率を調節することによって、所望のように調節することができる。
上記吸収性物品用複合短繊維は、主として、図2Aに示す鋸歯状捲縮(機械捲縮とも称す。)と図2Bに示す波形状捲縮からなる群から選ばれる少なくとも一種の捲縮を有し、捲縮数が5個/25mm以上25個/25mm以下であることが好ましい。より好ましい捲縮数は8個/25mm以上22個/25mm以下であり、さらに好ましい捲縮数は10個/25mm以上20個/25mm以下である。また、上記吸収性物品用複合短繊維は、吸収性物品用複合短繊維のカード通過性、及び該吸収性物品用複合短繊維を含む熱接着不織布の触感や嵩回復性の観点から、捲縮率が5%以上20%以下であることが好ましく、6%以上18%以下であることがより好ましく、6.5%以上16%以下であることがさらに好ましい。
上記吸収性物品用複合短繊維は、その繊維長は特に限定されないが、25mm以上65mm未満であることが好ましい。繊維長がこの範囲を満たすことで、上記吸収性物品用複合短繊維は細繊度であってもカード通過性に優れ、地合の良好な繊維ウェブ(カードウェブ)を製造できるためである。繊維長が25mm未満であると、繊維長が短すぎてカードに引っかからない、いわゆるフライの状態になりやすく、カードウェブが製造できなくなるおそれがある。繊維長が65mm以上であると、複合短繊維がカード機のワイヤーにかかりすぎたり、複合短繊維同士が絡みやすくなったりすることで毛玉状に繊維が集まる、いわゆるネップが多発し、カードウェブが製造できなくなるおそれがある。上記吸収性物品用複合短繊維の繊維長は、より好ましくは28mm以上55mm以下であり、さらに好ましくは30mm以上48mm以下であり、特に好ましくは34mm以上45mm以下である。
上記吸収性物品用複合短繊維の単繊維強度は特に限定されないが、単繊維強度が2.4cN/dtex以上6.0cN/dtex以下であることが好ましく、より好ましくは2.6cN/dtex以上5.6cN/dtex以下であり、さらに好ましくは2.8cN/dtex以上5.4cN/dtex以下である。また、上記吸収性物品用複合短繊維の伸度は特に限定されないが、吸収性物品用複合短繊維のカード通過性の観点から、破断伸度が20%以上120%以下であることが好ましく、より好ましくは25%以上100%以下であり、さらに好ましくは28%以上90%以下であり、特に好ましくは30%以上80%以下である。
上記吸収性物品用複合短繊維のヤング率は特に限定されないが、カード通過性の観点から、みかけヤング率が1500N/mm2以上3200N/mm2以下であることが好ましく、より好ましくは1600N/mm2以上3000N/mm2以下であり、さらに好ましくは1800N/mm2以上2800N/mm2以下である。
以下、本発明の吸収性物品用複合短繊維の製造方法について説明する。上記吸収性物品用複合短繊維は、特に限定されないが、例えば、下記のように製造することができる。
まず、高密度ポリエチレンを60質量%以上含む鞘成分と、上記高密度ポリエチレンの融点よりも5℃以上高い融点を有するポリプロピレンを50質量%以上含む芯成分を準備する。次に、繊維断面において、複合短繊維の表面を鞘成分が覆い、かつ芯成分の重心位置が複合短繊維の重心位置と一致した同心円構造になるように配置された複合型ノズル、例えば同心円芯鞘型複合ノズルに鞘成分及び芯成分を供給し、芯成分を紡糸温度250℃以上350℃以下、鞘成分を紡糸温度230℃以上330℃以下で溶融紡糸し、引取速度500m/分以上2500m/分以下で引き取り、紡糸フィラメントを得る。芯成分に含まれる主成分ポリプロピレンとして紡糸前のQ値が3.0以上10.0以下のポリプロピレンを用いることで、紡糸後の芯成分における主成分ポリプロピレンのQ値を3.0以上8.0以下に調整する。
次に、得られた紡糸フィラメントを、40℃以上かつ鞘成分の融点未満の延伸温度において、3.0倍以上8.5倍以下の延伸倍率で延伸処理をする。より好ましい延伸温度の下限は、60℃以上である。より好ましい延伸温度の上限は、鞘成分の融点より5℃低い温度であり、特に好ましい延伸温度の上限は鞘成分の融点より10℃低い温度である。延伸温度が40℃未満であると、鞘成分の結晶化が進みにくいため、熱収縮が大きくなる傾向や、嵩回復性が小さくなる傾向がある。延伸温度が鞘成分の融点以上であると、繊維同士が融着する傾向がある。より好ましい延伸倍率の下限は、3.3倍以上である。より好ましい延伸倍率の上限は、8.0倍以下である。延伸倍率が3.0倍以上であると、鞘成分及び芯成分の結晶化が進み、カード通過性が良好な繊維が得られる。延伸方法は特に限定されず、高温の熱水などの高温の液体で加熱しながら延伸を行う湿式延伸、高温の気体中又は高温の金属ロールなどで加熱しながら延伸を行う乾式延伸、100℃以上の水蒸気を常圧若しくは加圧状態にして繊維を加熱しながら延伸を行う水蒸気延伸などの公知の延伸処理を行うことができる。この中でも温水を使用した湿式延伸、又は高温の気体や高温の金属ロールを使用した乾式延伸が好ましい。上記延伸工程は、延伸工程が一段階のみの、いわゆる1段延伸でも良いし、延伸工程が二段階ある2段延伸でもよく、延伸工程が2段階を超える多段延伸であってもよい。本発明の吸収性物品用複合短繊維は繊度が2.0dtex以下と小さいため高倍率で延伸することが多い。そのため、延伸工程は複数回に分けて行う多段延伸であることが好ましい。また、上記延伸処理の前後において、必要に応じて、アニーリング処理を施してもよい。
次いで、必要に応じて、スタッフィングボックス型クリンパーなど公知の捲縮機を用いて捲縮数5個/25mm以上25個/25mm以下の捲縮を付与する。捲縮機を通過した後の捲縮形状は、鋸歯状捲縮及び/又は波形状捲縮であるとよい。捲縮数が5個/25mm未満であると、カード通過性が低下するとともに、不織布の初期嵩や嵩回復性が悪くなる傾向がある。一方、捲縮数が25個/25mmを超えると、捲縮数が多すぎるためにカード通過性が低下し、不織布の地合が悪くなる。また、捲縮を付与する前又は後において、必要に応じて、繊維処理剤で処理してもよい。
さらに、上記捲縮機にて捲縮を付与した後、アニーリング処理をするのが好ましい。アニーリング処理は、80℃以上120℃以下の温度範囲内で、乾熱、湿熱、蒸熱などの雰囲気下で行うことが好ましく、90℃以上120℃以下の温度範囲内で行うことがより好ましい。具体的には、繊維束に繊維処理剤を付与した後に捲縮機にて捲縮を付与し、90℃以上120℃以下の乾熱雰囲気下でアニーリング処理と同時に乾燥処理をすることが、工程を簡略化できて好ましい。90℃以上の温度でアニーリング処理をすると、得られる複合短繊維の乾熱収縮率が大きくならないとともに、複合短繊維が明瞭な捲縮形状を発現するため、カード通過性に優れた複合短繊維となる。
上記方法により得られた複合短繊維は、主として、図2Aに示す鋸歯状捲縮(機械捲縮とも称す)と図2Bに示す波形状捲縮からなる群から選ばれる少なくとも一種の捲縮を有し、捲縮数が5個/25mm以上25個/25mm以下であるので、カード通過性を低下させることなく、柔軟で風合いの滑らかな不織布を得ることができ、好ましい。そして、所望の繊維長に切断されて、顕在捲縮性複合短繊維が得られる。
上記吸収性物品用複合短繊維の繊度は、紡糸フィラメントの繊度及び延伸倍率を調節することによって、所望のように調節することができる。上述したアニーリング処理の後で、繊維をカットすることにより、所定の長さの上記吸収性物品用複合短繊維が得られる。
上記吸収性物品用複合短繊維を不織布中に20質量%以上含有されることにより、表面触感が良好で、嵩高性、厚み方向の柔軟性及び嵩回復性に優れた不織布を形成する。
続いて、本発明の吸収性物品用複合短繊維を含む不織布の一例として、熱接着不織布をその製造方法とともに説明する。本発明の吸収性物品用熱接着不織布は、上記吸収性物品用複合短繊維を20質量%以上含み、少なくとも一部の上記吸収性物品用複合短繊維が鞘成分によって接着している。上記吸収性物品用熱接着不織布は、上記吸収性物品用複合短繊維を20質量%以上含有する繊維ウェブを作製し、得られた繊維ウェブを熱接着し、繊維同士を一体化させることによって得ることができる。他の繊維を用いる場合には、当該他の繊維として、例えば、天然繊維、再生繊維、精製セルロース繊維、半合成繊維、合成繊維を用いることができる。上記天然繊維としては、例えば、コットン、シルク、ウール、麻、パルプなどが挙げられる。上記再生繊維としては、例えば、レーヨン、キュプラなどが挙げられる。上記精製セルロース繊維としては、テンセル、リヨセルなどが挙げられる。上記半合成繊維としては、アセテート、トリアセテートなどが挙げられる。上記合成繊維としては、例えば、アクリル系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリオレフィン系繊維、ポリウレタン系繊維などが挙げられる。他の繊維としては、上述した繊維から、1種又は複数種の繊維を用途などに応じて適宜に選択することができる。他の繊維は、本発明の吸収性物品用複合短繊維と混合して使用してよく、或いは本発明の吸収性物品用複合短繊維からなる繊維ウェブと他の繊維からなる繊維ウェブを積層して用いてよい。
上記吸収性物品用熱接着不織布を製造する際に用いられる繊維ウェブとしては、パラレルウェブ、セミランダムウェブ、ランダムウェブ、クロスウェブ、及びクリスクロスウェブなどのカードウェブ、エアレイドウェブ等が挙げられる。吸収性物品に使用する不織布、特に吸収性物品の表面シートは嵩高性や柔軟性、繊維間にある程度空隙が存在することが求められるため、上記繊維ウェブはカードウェブであることが好ましい。上記熱接着不織布としては、上記の繊維ウェブから異なる種類の繊維ウェブを2種類以上積層して用いてもよい。
上記繊維ウェブに熱処理を施して、鞘成分で繊維同士を熱接着させた熱接着不織布の形態で不織布を得ることが好ましい。熱接着不織布は、本発明の複合短繊維がもたらす効果、例えば厚み方向の柔軟性、嵩回復性、並びに不織布表面の滑らかな風合いなどの効果を顕著に発揮するからである。繊維間を絡合させるために、繊維ウェブには、必要に応じて、熱処理前及び/又は熱処理後にニードルパンチ処理や水流交絡処理等の交絡処理を施してもよい。
熱接着不織布を得るために、上記繊維ウェブには、公知の熱処理手段により熱処理を施す。熱処理手段としては、熱風貫通式熱処理機、熱風吹き付け式熱処理機及び赤外線式熱処理機等、風圧等の圧力が繊維ウェブにあまり加わらない熱処理機が好ましく用いられる。熱処理温度等の熱処理条件は、例えば、鞘成分が十分に溶融及び/又は軟化して、繊維同士が接点又は交点において接合するとともに、捲縮がつぶれないような条件を選択して実施する。例えば、熱処理温度は、鞘成分に含まれる高密度ポリエチレンの紡糸前の融点(複数の高密度ポリエチレンが鞘成分に含まれている場合には、最も高い融点を有する高密度ポリエチレンの融点)をTmとしたときに、Tm以上かつ(Tm+40℃)以下の範囲とすることが好ましい。
上記吸収性物品用熱接着不織布は表面触感が良好な不織布となる。熱接着不織布の表面触感は、官能評価することができる。また、熱接着不織布の表面触感は、布帛の風合いを計測し客観的に評価する方法の一つである、KES(Kawabata Evaluation System)法に基づいて計測・評価することができる。具体的には、表面摩擦の特性値として、平均摩擦係数(以下、MIUとも称す。)、平均摩擦係数の変動(摩擦係数μの平均偏差といわれることもあり、以下、MMDとも称す。)が測定される。MIUは、表面のすべりにくさ(又はすべりやすさ)を表し、これが大きいほどすべりにくいことを示す。MMDは、摩擦のばらつきを示し、これが大きいほど表面がざらざらしていることを示す。本発明の熱接着不織布の表面は、MIUが比較的小さい傾向があり、MMDは従来の不織布と比較して特に小さくなる傾向がある。そのような不織布は、手や肌に触れたときに、摩擦感が小さいだけでなく、摩擦係数の変動が小さい、すなわち不織布表面のどの部分も摩擦係数が小さく、指や肌に引っかかるような感覚を与えないことから、肌と接触しても滑りやすい軽い触感を与える。これら表面摩擦の特性値を測定する機器は、KES法に基づいた表面摩擦の測定が行える機器であれば特に限定されない。表面摩擦の特性値は、例えば、摩擦感テスター(「KES−SE」、カトーテック株式会社製)、自動化表面試験機(「KES−FB4−AUTO−A」、カトーテック株式会社製)などを使用することで測定できる。
上記熱接着不織布の表面特性、即ち上記熱接着不織布の表面摩擦は、熱接着不織布を製造する際、熱風が吹き付けられた面の反対側の面、すなわち繊維ウェブに熱風による熱処理を施して熱接着不織布にする際、繊維ウェブを載置し、熱処理機内を搬送させるのに用いた搬送支持体(例えば、熱風貫通式熱処理機内に繊維ウェブを導入、搬送するコンベアネットを指す。)に接していた面で測定する。搬送支持体に接していた面は、熱風が吹き付けられた面よりも平滑になりやすく、滑らかな触感が得られやすいことから、吸収性物品の表面シートにおいて、この面を着用者の肌に直接接する面(肌当接面)に使用すると、熱風が吹き付けた面を肌に当てた場合よりも触感が滑らかになり、吸収性物品の使用感が向上するためである。なお、熱接着不織布の表面摩擦を測定する際、どちらの面が、熱処理時に熱風が吹き付けられた面、或いは熱処理時に搬送支持体に載置されていた面であるのかがはっきりしない場合は表面摩擦を測定し、MMDがより小さい値となった面を測定面とする。
本発明の吸収性物品用熱接着不織布は、触感が滑らかで柔らかい。上述したKES法に基づく表面摩擦の特性値の中でも、MMDが、不織布を触ったときの滑らかさに影響を及ぼす。本発明の吸収性物品用複合短繊維を含む不織布は、MMDが小さいだけでなく、平均摩擦係数(MIU)も比較的小さいことから、その不織布表面は前記のように、肌と接触しても滑りやすく軽い触感を与える。
なお、複合短繊維によっては、当該複合短繊維を含む不織布の表面をKES法に基づいて評価したときにMIUが大きく、MMDが小さい値となるものも存在する。このような不織布は比較的大きな摩擦が変動することなく指や皮膚に伝わるため、滑らかな触感の中に摩擦を感じる「しっとりとした触感」や「ぬめり感」を与えるようになる。このような不織布もまた吸収性物品に使用する不織布としては好ましいものとなるため、吸収性物品に使用する不織布は平均摩擦係数の変動(MMD)が可能な限り小さいことが求められると考えられる。
本発明の吸収性物品用複合短繊維を用いた熱接着不織布は、その表面の平均摩擦係数の変動(MMD)が、0.01未満であることが好ましく、0.0095以下であることがより好ましく、0.009以下であることがさらに好ましい。平均摩擦係数の変動(MMD)は、下限値が特に制限されず、0に近づけば近づくほど好ましいが、0.0005以上であってもよいし、0.001以上であってもよい。
本発明の吸収性物品用熱接着不織布は、不織布全体が柔らかく、不織布表面に触れたときに滑らかな触感を与える。上記吸収性物品用熱接着不織布は、生理用ナプキン、幼児用紙オムツ、成人用紙オムツ、ほ乳類を始めとする動物用の紙オムツ、パンティーライナー、失禁用ライナーなどの各種吸収性物品の表面シートに好ましく使用できるほか、外側から触れる機会のある、幼児用紙オムツや成人用紙オムツのバックシートといった用途に使用できる。吸収性物品の表面シートとして用いる場合、特に肌当接面に、本発明の吸収性物品用複合短繊維を20質量%以上含むことが好ましい。また、不織布全体の柔軟性、不織布の隠蔽性を活かすため、吸収性物品において、肌に直接触れる表面シートよりも吸収体側、例えば、表面シートの直下に位置する、いわゆるセカンドシートにも、上記吸収性物品用熱接着不織布を好ましく使用できる。
本発明の吸収性物品用熱接着不織布の目付は特に限定されないが、5g/m2以上70g/m2以下であることが好ましく、8g/m2以上60g/m2以下であることがより好ましく、10g/m2以上55g/m2以下であることがさらに好ましく、15g/m2以上50g/m2以下であることが特に好ましい。なお、本発明の吸収性物品用熱接着不織布の目付は、吸収性物品の種類によっては、これらの範囲外にあってもよい。また、上記吸収性物品用熱接着不織布を各用途、例えば各種紙オムツや生理用ナプキンの表面シート、各種紙オムツのバックシート、吸収性物品の表面シート直下に配置されるセカンドシートなどの用途に使用する場合には、その用途に応じて、その目付が適宜選択される。
上記吸収性物品用熱接着不織布を吸収性物品の表面シートとして用いる場合、上記吸収性物品用熱接着不織布は上記吸収性物品用複合短繊維を20質量%以上含有している。好ましくは、上記吸収性物品用熱接着不織布は上記吸収性物品用複合短繊維を25質量%以上含有し、30質量%以上含有することがより好ましい。上記吸収性物品用熱接着不織布において、上記吸収性物品用複合短繊維の割合が上記範囲内にあると、表面触感に優れ、触れたときに滑らかな触感を感じる不織布が容易に得られるためである。上記吸収性物品用熱接着不織布において、上記吸収性物品用複合短繊維の含有量は100質量%であってもよく、90質量%以下であってもよく、80質量%以下であってもよい。
上記吸収性物品用熱接着不織布を吸収性物品の表面シートとして用いる場合、不織布全体に上記吸収性物品用複合短繊維が分散してもよく、不織布を上記吸収性物品用複合短繊維のみで構成してもよいが、不織布の一方の表面に上記吸収性物品用複合短繊維を偏在、すなわち片方の表面を、本発明の吸収性物品用複合短繊維を25質量%以上含む繊維層とし、もう一方の表面を本発明の吸収性物品用複合短繊維を25質量%未満の割合で含む繊維層とすることが好ましい。そして、上記吸収性物品用複合短繊維を25質量%以上含む繊維層を、吸収性物品の着用者の肌が直接触れる肌当接面として使用することが好ましい。このような積層構造の不織布を表面シートとして使用することで、上記吸収性物品用複合短繊維を25質量%以上含む不織布表面が肌に当たることで、吸収性物品の使用者に対し、快適な使用感を与えるほか、吸収性物品用複合短繊維を25質量%未満の割合で含む繊維層を、より嵩高な繊維層とすることで、上記表面シートはクッション性にも優れた表面シートとなる。
上記吸収性物品用熱接着不織布を吸収性物品の表面シートとして用いる場合、一方の表面が上記吸収性物品用複合短繊維を50質量%以上含む上部繊維層であり、もう一方の表面が上記吸収性物品用複合短繊維を20質量%以下含む下部繊維層である2層不織布とすることが好ましい。上記上部繊維層における本発明の吸収性物品用複合短繊維の含有量は75質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましく、実質的に上記吸収性物品用複合短繊維100質量%からなる繊維層であることが特に好ましい。上記下部繊維層における本発明の吸収性物品用複合短繊維の含有量は15質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることがさらに好ましい。
上記吸収性物品用熱接着不織布は、吸収性物品を構成する不織布(例えば表面シートやバックシート)として使用する際に必要な強度、また使用時の摩擦による表面の毛羽立ちの防止、そして触ったときの柔軟な触感などの観点から、JIS L 1096 8.14.1 A法(ストリップ法)に準じて測定した縦方向の破断強力が15N/5cm以上であることが好ましく、20N/5cm以上であることがより好ましく、25N/5cm以上であることがさらに好ましい。
以下、実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
本実施例で用いた測定方法及び評価方法は、以下のとおりである。
(数平均分子量Mn、質量平均分子量Mw、及びQ値)
クロス分別装置(CFC)とフーリエ変換型赤外線吸収スペクトル分析(FT−IR)を用い、測定溶媒としてオルトジクロルベンゼン(ODCB)を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)から数平均分子量Mn、質量平均分子量Mw及び質量平均分子量/数平均分子量の比(Mw/Mn:Q値)を測定した。
紡糸前のPPのQ値は、使用したPP樹脂ペレットをそのまま使用して測定し、紡糸後のPPのQ値は、得られた複合短繊維を用いて測定した。紡糸後のPPのQ値は、溶融紡糸を行う際、押出機の温度を290℃とし、紡糸ノズルを取り付けない状態で押出機からPP樹脂を溶融させて押し出し、空気中にて空冷することで直径5〜8mmの棒状の樹脂ストランドを作製し、この棒状の樹脂ストランドを3mmほどの長さに切断したものを試料として測定を行ってもよい。
(溶融紡糸時の可紡性)
吸収性物品用複合短繊維の可紡性を、30分連続して溶融紡糸した際の糸切れの発生状況及び発生頻度に基づいて、以下の基準で評価した。
A:連続溶融紡糸30分間で糸切れ回数は0〜2回であり、可紡性が良好。
B:連続溶融紡糸30分間で糸切れ回数は3〜5回であるが、工程上問題ない。
C:連続溶融紡糸30分間で糸切れ回数が6回以上、若しくは糸切れが多発し紡糸不可。
(延伸性)
吸収性物品用複合短繊維の延伸性を、延伸工程時における糸切れの発生状況及び捲縮賦与に使用したスタッフィングボックス型クリンパーにおける通過性に基づいて、以下の基準で評価した。
A:延伸工程において糸切れはほとんど発生せず、スタッフィングボックス型クリンパーも容易に通過するため、生産上全く問題ない。
B:延伸工程において、糸切れ又はスタッフィングボックス型クリンパーにおける詰まりが発生するものの、生産上問題ない。
C:糸切れが多発し延伸槽、延伸ロールへの巻き付きが発生する、又はスタッフィングボックス型クリンパー内部若しくは排出口において詰まりが頻発するため生産性が非常に悪い。
(カード通過性)
吸収性物品用複合短繊維のカード通過性を、カード機を用いて繊維ウェブを作製した際のネップ及びフライの発生状況、並びに得られた繊維ウェブの地合に基づいて、以下の基準で評価した。
A:繊維がカード機を容易に通過し、ネップやフライもほとんど発生しないため、地合が良好な繊維ウェブを得られる。
B:ネップが若干発生するが、繊維ウェブの地合にそれほど影響ない。
C:カード通過性が悪い、若しくはネップが大量に発生するため繊維ウェブが得られない。
(捲縮数及び捲縮率)
JIS L 1015(2010年)に準じて測定した。
(単繊維強度、破断伸度及びみかけヤング率)
繊維の単繊維強度、破断伸度は、JIS L 1015(2010年)に準じて測定した。みかけヤング率は、単繊維強度より求めた。
(不織布の破断強力)
JIS L 1096 8.14.1 A法(ストリップ法)に準じて、定速緊張形引張試験機を用いて、試料片の幅5cm、つかみ間隔10cm、引張速度30±2cm/分の条件で引張試験に付し、切断時の荷重値(引張強度)を測定し、破断強力とした。引張試験は、不織布の縦方向(MD方向)を引張方向として実施した。評価結果はいずれも3点の試料について測定した値の平均で示している。
(表面触感)
不織布の表面を触って、下記の評価基準に従って評価した。
A:非常に滑らかである。
B:若干ざらつきを感じる。
C:ざらついている。
(嵩高性)
不織布の嵩高性を3g/cm2荷重時の厚みを測定することで評価した。なお、厚みの測定には、厚み測定機(商品名「THICKNESS GAUGE」、モデル「CR−60A」、株式会社大栄科学精器製作所製)を用い、JIS−L−1096に準じて測定した。
実施例及び比較例で用いたポリプロピレン(PP)、高密度ポリエチレン(HDPE)、酸化チタン含有ポリプロピレン(酸化チタン含有PP)は以下のとおりである。
(1)PP−A(融点:160℃、MFR230:30g/10分、Q値(紡糸前):4.6)
(2)PP−B(融点:160℃、MFR230:20g/10分、Q値(紡糸前):5.6)
(3)PP−C(融点:161℃、MFR230:13.5g/10分、Q値(紡糸前):2.8)
(4)HDPE−A(融点:130℃、MFR190:12g/10分)
(5)HDPE−B(融点:130℃、MFR190:22g/10分、)
(6)酸化チタン含有PP(以下マスターバッチ、MBとも称す。):60質量部の酸化チタン粉末と40質量部のPPを二軸押出機にて混練し、得られた混練物を約5mm角に切断し、酸化チタンを60質量%含むPPとした。
(実施例1〜10、比較例1〜4)
上述した高密度ポリエチレンを鞘成分として用い、上述したポリプロピレンを芯成分として用いた。また、芯成分のポリプロピレンには、マスターバッチを、複合短繊維全体に占める酸化チタンの含有量が、表1及び表2に記載の割合になるように混合した。準備した鞘成分及び芯成分を、同心円芯鞘型複合ノズル(600ホール)を用い、鞘成分と芯成分の複合比(体積比)を表1及び表2に記載の複合比になるように各成分の吐出量を調整して溶融紡糸を行った。鞘成分の紡糸温度は270℃、芯成分の紡糸温度は290℃とし、押し出された溶融フィラメントを表1及び表2に記載の引き取り速度で引き取り、表1及び表2に記載の繊度の紡糸フィラメントを得た。
得られた紡糸フィラメントを、90℃の熱水中で表1及び表2に記載の延伸倍率で湿式延伸した後、95℃の熱水中でさらに1.1倍の延伸倍率に延伸し、所望の繊度(表1及び表2に記載の繊度)の延伸フィラメントとした。次いで、繊維処理剤として、35質量部のC8アルキルリン酸エステルカリウム塩と65質量部のC12アルキルリン酸エステルカリウム塩をブレンドした油剤を0.3質量%付与した後、延伸フィラメントにスタッフィングボックス型クリンパーにて機械捲縮を付与した。そして、110℃に設定した熱風吹き付け装置にて15分間、弛緩した状態でアニーリング処理と乾燥処理を同時に施した。その後、フィラメントを表1及び表2に記載の所定の長さに切断して、吸収性物品用複合短繊維を得た。
いずれの実施例及び比較例においても、紡糸性及び延伸性は良好であった。
(熱接着不織布の製造方法及びネップ個数の測定)
実施例及び比較例で得られた繊維を用い、ローラー式カード機にて目付約25g/m2の繊維ウェブを作製した。この際、上記評価基準で複合短繊維のカード通過性を評価した。得られた繊維ウェブを135℃に設定した熱風吹き付け装置を用いて、10秒間熱処理に付し、鞘成分を溶融させて、熱接着不織布を得た。得られた熱接着不織布を60cm×25cmの大きさに裁断し、この不織布に発生しているネップの個数を目視にて確認、測定した。そして、前記所定の大きさに裁断した不織布の質量を測定し、測定したネップの個数、不織布の質量から不織布質量あたりのネップ数(個/g)を算出した。これらの結果を下記表1及び表2に示した。
各実施例及び各比較例で得られた繊維及び不織布の性能を、下記表1及び表2に示した。なお、表1において、Q値は、紡糸後のPPのQ値である。
Figure 0006505493
Figure 0006505493
表1及び表2のデータから分かるように、実施例1〜10の芯鞘型複合短繊維は、繊維1gあたりのネップ個数が20個以下であり、カード通過性が良好であった。実施例8〜10の結果から、吸収性物品用複合短繊維における酸化チタンの含有量が多いほど、ネップの発生が低減することが分かった。また、実施例1〜10の吸収性物品用複合短繊維を含む熱接着不織布は、嵩高で、滑らかな触感を有し、風合いに優れていた。また、実施例1〜10の吸収性物品用複合短繊維を含む熱接着不織布は、破断強力にも優れていた。
一方、芯成分の重心位置が繊維の重心位置からずれている比較例1の偏心芯鞘型複合短繊維を含む熱接着不織布は、破断強力が低かった。破断強力が低いことにより、該熱接着不織布を吸収性物品用表面シートとして用いた場合、使用時の摩擦により不織布表面が毛羽立ち、ざらつく触感になりやすい。芯鞘比が50/50であり、鞘成分が多い比較例2の芯鞘型複合短繊維を含む熱接着不織布は、触感が悪かった。繊度が1.1dtex未満の比較例4の芯鞘型複合短繊維は、繊維1gあたりのネップ個数が20個を超えており、カード通過性が悪かった。芯成分を構成したポリプロピレンの紡糸後のQ値が3.0未満である比較例3の芯鞘型複合短繊維は、繊維1gあたりのネップ個数が20個を超えており、カード通過性が悪かった。
(実施例11〜12、比較例5〜6)
実施例6、7で得た芯鞘型複合短繊維と、下記に示す繊維1〜3を用いて熱接着不織布を作製した。まず、第1繊維層として、表3に記載している目付になるようにローラー式カード機に所定の繊維を投入し、繊維ウェブ(第1繊維層)を作製した。次に、第2繊維層として、表3に記載している目付になるようにローラー式カード機に所定の繊維を投入し、繊維ウェブ(第2繊維層)を作製した。第1繊維層となる繊維ウェブの上に第2繊維層となる繊維ウェブを載せ、積層繊維ウェブとした。この積層繊維ウェブを135℃に設定した熱風吹き付け装置を用いて、15秒間熱風処理に付し、鞘成分を溶融させて芯鞘型複合短繊維を接着させて熱接着不織布を得た。このとき、熱風は第2繊維層側から繊維ウェブに対し吹き当てられており、第1繊維層側は熱風吹き付け装置のコンベアネットに接していた。
(1)繊維1:芯成分がPET(融点256℃)であり、鞘成分がHPDE(融点:130℃、MFR190:12g/10分)であり、芯成分/鞘成分の体積比(芯鞘比)が64/36であり、偏心率が25%の偏心芯鞘型複合短繊維(繊度:2.6dtex、繊維長:51mm)を用いた。
(2)繊維2:芯成分がPET(融点256℃)であり、鞘成分がHPDE(融点:130℃、MFR190:12g/10分)であり、芯成分/鞘成分の体積比(芯鞘比)が64/36であり、芯成分と鞘成分が同心円状に配置された同心円構造の芯鞘型複合短繊維(繊度:2.2dtex、繊維長:51mm)を用いた。
(3)繊維3:芯成分がPET(融点256℃)であり、鞘成分がHPDE(融点:130℃、MFR190:12g/10分)であり、芯成分/鞘成分の体積比(芯鞘比)が64/36であり、偏心率が25%の偏心芯鞘型複合短繊維(繊度:3.3dtex、繊維長:51mm)を用いた。
得られた各熱接着不織布について、KES(Kawabata Evaluation System)法に基づいた表面特性の測定・評価を行った。
具体的には、表面特性を評価するために、熱接着不織布の表面摩擦試験を行い、表面特性値として平均摩擦係数(MIU)、平均摩擦係数の変動(MMD)を測定した。熱接着不織布に対する表面摩擦の試験・測定にはカトーテック株式会社製の「KES−SE」摩擦感テスターを使用した。測定に際し、測定面は熱接着不織布が製造時に熱風を吹き付けられた面の反対側(すなわち、熱風吹き付け装置のコンベアネット面に載置されていた面)とし、摩擦子に対し静荷重を25gf(245N)かけ、摩擦子を不織布のタテ方向に平行な方向に、移動速度1mm/secで移動させて熱接着不織布の平均摩擦係数(MIU)、平均摩擦係数の変動(MMD)を測定した。測定結果を表3に示した。
Figure 0006505493
表3のデータから分かるように、本発明のポリオレフィン系複合短繊維を用いた実施例11、12の不織布は、肌に触れたときの滑らかさを左右する平均摩擦係数の変動(MMD)が特に小さかった。これは、繊度が小さくなったこと、複合短繊維を構成する芯成分と鞘成分のいずれもポリオレフィン系樹脂を主体としていること、繊維そのものの繊度が小さいため同じ目付の不織布に含まれる繊維の本数が増えることから不織布表面のキメが細かくなったことに起因すると考えられる。また、実施例11の不織布と実施例12の不織布を比較すると、より細繊度の複合短繊維を使用した実施例11の方がMMDの値が小さいことから、繊度が小さくなればなるほど、本発明の熱接着不織布において風合いが向上すると考えられる。
一方、繊度2.2dtexのポリエステル系複合短繊維と繊度2.6dtexのポリエステル系複合短繊維をそれぞれ用いた比較例5〜6の不織布は、不織布表面の平均摩擦係数(MIU)が実施例11、12の不織布と同程度であるものの、平均摩擦係数の変動(MMD)の値は実施例の不織布ほど小さくない。これらの結果から、本発明の吸収性物品用複合短繊維は、ポリオレフィン系樹脂を主体とした細繊度の複合短繊維であることで、従来の複合短繊維、特にポリエステル系の複合短繊維と比較して、肌に触れたときの触感がより滑らかな熱接着不織布になるといえる。
本発明の吸収性物品用複合短繊維は、熱接着不織布に含ませることができ、該熱接着不織布は、生理用ナプキン、幼児用紙オムツ、成人用紙オムツ、ほ乳類を始めとする動物用の紙オムツ、パンティーライナー、失禁用ライナーなどの各種吸収性物品の表面シートに好ましく使用できるほか、幼児用紙オムツや成人用紙オムツのバックシートといった用途、吸収性物品において、表面シートよりも吸収体側、例えば、表面シートの直下に位置するセカンドシートにも好ましく使用できる。
1 鞘成分
2 芯成分
3 芯成分の繊維断面における重心位置
4 複合短繊維の繊維断面における重心位置
5 複合短繊維の繊維断面における半径
10 複合短繊維

Claims (9)

  1. 芯成分と鞘成分を含む吸収性物品用複合短繊維であって、
    前記複合短繊維は、前記芯成分と前記鞘成分が実質的に同心円状に配置され、前記芯成分と前記鞘成分の複合比が芯成分/鞘成分の体積比で52/48〜73/27である芯鞘型複合短繊維であり、
    前記芯成分は、紡糸後の質量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比Mw/Mnが3.0以上8.0以下のポリプロピレンを50質量%以上含み、
    前記鞘成分は、前記ポリプロピレンよりも融点が5℃以上低い高密度ポリエチレンを60質量%以上含み、
    前記複合短繊維は、複合短繊維100質量%対して無機フィラーを1.2質量%以上5.0質量%以下含有し、
    前記複合短繊維は、単繊維強度が2.4cN/dtex以上5.4cN/dtex以下であり、破断伸度が20%以上120%以下であり、
    前記複合短繊維の繊度が1.1dtex以上2.0dtex以下であることを特徴とする吸収性物品用複合短繊維。
  2. 前記高密度ポリエチレンのJIS−K−7210に準じて測定温度190℃、荷重21.18Nの条件下で測定したメルトフローレートが5g/10分以上30g/10分以下である請求項1に記載の吸収性物品用複合短繊維。
  3. 繊維長が25mm以上65mm未満である請求項1又は2に記載の吸収性物品用複合短繊維。
  4. 前記無機フィラーが、二酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸カルシウム及びタルクからなる群から選ばれる少なくとも一つの無機フィラーであり、前記芯成分に前記無機フィラーを含有している請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸収性物品用複合短繊維。
  5. かけヤング率が1200N/m2以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸収性物品用複合短繊維。
  6. 捲縮数が5個/25mm以上25個/25mm以下であり、捲縮率が5%以上20%以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の吸収性物品用複合短繊維。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の吸収性物品用複合短繊維の製造方法であって、
    質量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比Mw/Mnが3.0以上10.0以下のポリプロピレンを50質量%以上含む芯成分と、前記ポリプロピレンよりも融点が5℃以上低い高密度ポリエチレンを60質量%以上含む鞘成分を、繊維断面において、複合短繊維の表面を前記鞘成分が覆い、かつ前記芯成分の重心位置が複合短繊維の重心位置と一致した同心円構造になるように配置された複合型ノズルに供給し、芯成分を紡糸温度250℃以上350℃以下、鞘成分を紡糸温度230℃以上330℃以下で溶融紡糸する工程を含むことを特徴とする吸収性物品用複合短繊維の製造方法。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の吸収性物品用複合短繊維を20質量%以上含み、少なくとも一部の前記吸収性物品用複合短繊維が鞘成分によって接着していることを特徴とする吸収性物品用熱接着不織布。
  9. 請求項8に記載の吸収性物品用熱接着不織布を含む吸収性物品であり、前記吸収性物品用熱接着不織布が、表面シート及び/又はバックシートとして配置されていることを特徴とする吸収性物品。
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