JP6504882B2 - 難燃性車両資材用布帛 - Google Patents

難燃性車両資材用布帛 Download PDF

Info

Publication number
JP6504882B2
JP6504882B2 JP2015071939A JP2015071939A JP6504882B2 JP 6504882 B2 JP6504882 B2 JP 6504882B2 JP 2015071939 A JP2015071939 A JP 2015071939A JP 2015071939 A JP2015071939 A JP 2015071939A JP 6504882 B2 JP6504882 B2 JP 6504882B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
yarn
polyester
knitted fabric
fabric
flame retardant
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015071939A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016191171A (ja
Inventor
淳 ▲高▼比良
淳 ▲高▼比良
浩 柴岡
浩 柴岡
宏文 武内
宏文 武内
勝基 寺前
勝基 寺前
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KB Seiren Ltd
Original Assignee
KB Seiren Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KB Seiren Ltd filed Critical KB Seiren Ltd
Priority to JP2015071939A priority Critical patent/JP6504882B2/ja
Publication of JP2016191171A publication Critical patent/JP2016191171A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6504882B2 publication Critical patent/JP6504882B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、 難燃性を有する車両資材用の布帛に関するものである。
自動車等の車両の内装において使用される車両資材としては、ポリエステル繊維基材を用いた布帛が多く利用されている。利用にあたっては、風合いや色、柄をいった外観に対する要求が大きい一方で、難燃性も要求される。
難燃性については、例えば、ハロゲン系難燃剤やリン系難燃剤をポリオレフィンやポリスチレン等の熱可塑性樹脂に添加した難燃性組成物をコーティングやラミネート等の加工方法によって繊維基材に塗布することが行われている(特許文献1参照)。
一方、難燃剤で加工処理をすることなく難燃性を有する布帛として、表層に位置するポリエチレンテレフタレートから主として構成される層と、ポリエチレンテレフタレートと常圧カチオン染料可染ポリエステルとが、混繊、交絡、交撚、複合仮撚、カバーリング、複合紡糸等の手段により単一糸の如く複合された複合糸から主として構成される層とを有する多層布帛であって、常圧カチオン染料可染ポリエステルが濃色に染色されている防炎性に優れたポリエステル布帛がカーテン用途に適するものとして提案されている(特許文献2参照)。
特開平8−302202号公報 特許第2968168号公報
しかしながら、難燃性組成物を後加工により付与する場合は、難燃性組成物が最外層に位置するために繊維基材の持つ風合いや色柄が犠牲になることとなり、車両資材に要求される外観を満たすことができないことがある。
また、常圧カチオン染料可染ポリエステルを含有する複合糸を用いた布帛を染色するには、染料を2種類用いる必要があり、染色工程が煩雑になる。また、染色後の耐光堅牢度が悪く、車両資材用途には不向きである。
本発明は、上記背景技術に鑑みなされたもので、その目的は、繊維基材自体が難燃性を有することにより、難燃剤を塗布する等の難燃加工を行うことなしに、難燃性を有し、かつ、布帛の外観が良好で、耐光堅牢度に優れた車両資材用布帛を提供することにある。
本発明の目的は、3枚以上の筬を使用して製造するトリコット編地であって、サイドバイサイド型ポリエステル立体捲縮糸を50質量%以上含有してなり、前記サイドバイサイド型ポリエステル立体捲縮糸が、収縮性の異なる2種のポリエステル樹脂からなり、収縮の大なるポリエステル樹脂が、2,2ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン及び/又はイソフタル酸を第三成分とする共重合ポリエステル樹脂であり、収縮の小なるポリエステル樹脂がポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする難燃性車両資材用布帛によって達成される。
また、前記トリコット編地において、フロント糸及びミドル糸に、ポリエステル仮撚加工糸を用い、バック糸にサイドバイサイド型ポリエステル立体捲縮糸を含有していることが好ましい。
本発明により、編地自体が難燃性を有することから、難燃剤を塗布する等の加工を行わなくても、難燃性を有する車両資材用布帛が得られる。また、難燃剤を付与するために難燃加工する必要がないため、風合いや色柄が犠牲にされることがないので、外観を損なうことがなく、また、耐光堅牢度も良好な布帛が得られる。
また、難燃加工を行う必要がないので、比較的安価に車両資材用布帛を製造することができる。
本発明の難燃性車両資材用布帛は、3枚以上の筬を使用して製造するトリコット編地であって、サイドバイサイド型ポリエステル立体捲縮糸を50質量%以上含有していることを特徴とする。
本発明に係るポリエステル立体捲縮糸は、熱収縮特性の異なる2種の樹脂を用いた、サイドバイサイド型複合繊維からなる潜在捲縮マルチフィラメントが熱処理により収縮し、コイル状の形態を有しているものが挙げられる。
このサイドバイサイド型複合繊維は、熱収縮特性の小さなポリエステル(a)と熱収縮特性の大きなポリエステル(b)をサイドバイサイド型に接合したもので、ポリエステル(a)として、フィラメントの沸収値が10%未満(好ましくは5%以下)のものを使用し、ポリエステル(b)として、フィラメントの沸収値が10%以上(好ましくは15%以上)のものを使用することが好ましい。
熱収縮特性の異なる樹脂の組合せとしては、ポリエチレンテレフタレートと高収縮共重合ポリエステルとの組合せ、粘度差のある2種のポリエチレンテレフタレートの組合せ等が挙げられる。
中でも、ポリエチレンテレフタレートと高収縮共重合ポリエステルとの組合せが好ましい。
高収縮共重合ポリエステルとするために共重合する第3成分としては、例えば、ジエチレングリコール、2,2ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン、1,4−ブタンジオール等のジオール化合物、アジピン酸、アゼライン酸、イソフタル酸等のカルボン酸化合物等が挙げられる。
中でも、2,2ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン及び/又はイソフタル酸を共重合したポリエステルを用いることが好ましい。この場合、両成分の共重合比率は特に限定するものではないが、2,2ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパンはアルコール成分中に2〜6mol%、イソフタル酸は酸成分中に4〜8mol%とすることが好ましい。
すなわち、熱収縮率及び収縮力を十分発現させる点からは、2,2ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパンの含有量は2mol%以上が好ましく、また、ポリマーの耐光性による変色を避ける点では6mol%以下が好ましい。また、イソフタル酸の含有量は、収縮率を十分に満足させる点では4mol%以上が好ましく、ポリマーの融点及び耐熱性を保ちやすいという点では8mol%以下が好ましい。
また、高収縮ポリエステルの主成分はテレフタル酸とエチレングリコールよりなるポリエステルであるが、その他の成分として染色性改善のモノマーや耐熱性改良の化合物等を含有してもよい。
上記ポリエステルの製造時或いは成形加工時に、顔料、艶消し剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、制電剤及び有機アミン、有機カルボン酸アミドなどのエ−テル結合抑制剤等、必要に応じ種々使用してもよい。
前記複合繊維のサイドバイサイド型の接合形態は、本発明において求められる捲縮性能が発現するものであれば、丸断面、繭型、三角断面、Y断面、U断面、偏平断面等の公知の形状のいずれでもよい。中でも、ほぼ丸断面形状2つが接合した繭型が好適である。
上記のようなサイドバイサイド型複合繊維からなる潜在捲縮マルチフィラメントは、常法により溶融紡糸することにより得られる。
また、本発明に係るポリエステル立体捲縮糸の総繊度は、56〜167dtexであることが好ましく、フィラメント数は12〜72本であることが好ましい。
本発明に係る編地の編組織は3枚以上の筬を使用して製造するトリコット編である。特に、フロント糸及びミドル糸にポリエステル仮撚り加工糸、バック糸にポリエステル立体捲縮糸を使用していることが好ましい。
3枚以上の筬を使用して製造するトリコット編地は、適度な厚みを有することから、編地に難燃性を持たせることに寄与する。
本発明に係る編物は、上記のような立体捲縮糸を50質量%以上含有することが必要であり、好ましくは55質量%以上、より好ましくは60質量%以上である。立体捲縮糸を50質量%以上含有することで、難燃性を有する布帛とすることができる。
また、立体捲縮糸と組合せて使用する糸としては、セミダルポリエステルマルチフィラメント仮撚り加工糸に代わり、セミダルポリエステルマルチフィラメントの生糸を用いてもよい。
これらの糸の総繊度は56〜167dtexであることが好ましく、フィラメント数は、12〜72本であることが好ましい。
本発明に係るトリコット編地は、潜在捲縮マルチフィラメント糸及び他の糸を使用し、常法により編成することにより得られる。得られた編地は、染色、仕上げ処理等を行い、車両資材用布帛とすることができる。
本発明の車両資材用布帛は、ウエールが35〜39本/2.54cm、コースが56〜64本/2.54cmの編密度に仕上げられていることが好ましい。
本発明に係る編地においては、使用した潜在捲縮糸が染色等の加工で熱を受けることにより、コイル状に収縮して捲縮を発現し、立体捲縮糸として存在している。
本発明に係る編地の一端面近傍に火種を近づけたとき、火種近傍の編地の一部は溶けるが、その後、火が燃え広がることはない。この作用の詳細は定かでないが、以下のように考えられる。すなわち、火種近傍の編地を構成する各糸が火種の熱により溶けると、コイル状の立体捲縮糸は、編み組織の連結から解放されて収縮する。これにより、編地が収縮することになり、編地が火種から遠ざかる。このため、火種からの熱は遮断され、立体捲縮糸が収縮した編地部分の温度が下がり、樹脂は固まる。よって、編地上に火が燃え広がることがない。
本発明の車両資材用布帛は、上記したように、難燃剤を付与しなくても、難燃性を備えており、また、優れた外観及び耐光堅牢度を有しており、車両資材に品質よく適用できるものである。
本発明を、実施例を挙げて具体的に説明する。
なお、各物性の測定及び試験は以下の方法で行った。
1)マルチフィラメントの破断強度、伸度
JIS L2013(2010)に準じて測定した。
2)マルチフィラメントの沸水収縮率
試料に110mg/dtexの荷重をかけて試料長を測定した後、1.5mg/dtexの荷重を掛けたまま沸水中に20分間浸漬した後、試料に110mg/dtexの荷重をかけて試料長を測定し、沸水処理前後の試料長より収縮率(%)を算出した。
3)燃焼性
FMVSS302法に記載される燃焼性試験を実施し、燃焼速度を求めた。
全く不燃0(cm/min)のものを○、燃焼したが、燃焼速度の最大値が10cm/min未満、若しくは、試験片の燃焼がA標線に達してから1 分経過する前に停止し、かつ、A標線に達した後の試験片の燃焼した長さが5cm未満であった場合は△、燃焼速度の最大値が10cm/min以上、或いは、試験片の燃焼がA標線に達してから1 分経過しても燃焼し続け、かつA標線に達した後の試験片の燃焼した長さが5cm以上であった場合は×と判定した。
4)耐熱・耐光性
紫外線オートフェードメーターを用い、ブラックパネル温度が83℃の条件で400時間照射した後、JIS L 0804(2010)に準じ、変退色用グレースケールにより変退色を1級〜5級で判定した。
変色:4級以上、並びに退色:3級以上のものを○、変色:4級以上、或いは退色:3級以上の何れか1つのみが満足していたものを△、変色:4級未満、かつ退色:3級未満であったものを×と判定した。
[実施例1]
下記の糸使いにより、3枚筬でトリコット編地を製造した。
〔バック〕
高収縮ポリエステル(テレフタル酸を主成分として酸成分に対しイソフタル酸を5mol%添加し、エチレングリコールとグリコール成分に対し2,2ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパンを5mol%添加して重合した、粘度:0.686の共重合ポリエステル)と低収縮ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート(粘度:0.64))を1:1の比率でサイドバイサイドに貼り合わせた複合繊維からなる立体捲縮型複合マルチフィラメント(84dtex/24f)。
該マルチフィラメントの破断強度は4.10cN/dtex、破断伸度は33.0%、沸水収縮率は5.7%であった。
〔ミドル〕〔フロント〕
ポリエチレンテレフタレート(セミダル)の2ヒーター仮撚り加工マルチフィラメント(酸化チタン含有量0.3%、84dtex/48f)。
該仮撚り加工マルチフィラメントの破断強度は4.56cN/dtex、破断伸度は22.5%、沸水収縮率は1.0%であった。
下記の条件により、編み立て、染色及び仕上げを行った。
〔編み立て〕
トリコット編
ウエール:28本/2.54cm、コース:47本/2.54cm
編地サイズ:経58.7m、幅211.5cm
立体捲縮型複合マルチフィラメントをバックに用いて、フロントの筬には、フルセット筬入れを行い、それぞれ1×4のコード組織で、また、仮撚り加工マルチフィラメントをミドルとフロントに用いて、1イン1アウトのアトラス組織で編立を実施した。
それぞれの糸の使用量は、バック糸:63.0質量%、フロント、ミドル糸はそれぞれ共に18.5質量%であった。
〔プレウェット処理〕
予めトリコット編地を収縮させることで、染色時に発生する染色皺の発生を防止する目的で、湿熱温度95℃、15分間の湿熱処理を行った。
〔染色〕
湿熱温度130℃、45分間で通常の染色処理を行った。尚、このとき、難燃剤の付与は行わなかった。
〔仕上げ〕
ファイナルテンターを使用し、165℃で熱セットを行った。
〔仕上げ編地〕
ウエール:37本/2.54cm、コース:60本/2.54cm
編地サイズ:経52.8m、幅155cm
得られた編地の燃焼性及び耐熱・耐光性を評価した結果を表1に併せて示す。
[実施例2]
フロント及びミドルに110dtex/48fのポリエチレンテレフタレート(セミダル)の2ヒーター仮撚り加工マルチフィラメント(酸化チタン含有量0.3%、破断強度は4.51cN/dtex、破断伸度は21.6%、沸水収縮率は1.2%)を用いた以外は実施例1と同様の糸使いで、3枚筬でトリコット編地を製造した。
下記の条件により、編み立て、染色及び仕上げを行った。
〔編み立て〕
トリコット編
ウエール:28本/2.54cm、コース:51本/2.54cm
編地サイズ:経58.7m、幅211.5cm
それぞれの糸の使用量は、バック糸:56.0質量%、フロント、ミドル糸はそれぞれ共に22.0質量%であった。
〔プレウェット処理〕
予めトリコット編地を収縮させることで、染色時に発生する染色皺の発生を防止する目的で、湿熱温度95℃、15分間の湿熱処理を行った。
〔染色〕
湿熱温度130℃、45分間で通常の染色処理を行った。尚、このとき、難燃剤の付与は行わなかった。
〔仕上げ〕
ファイナルテンターを使用し、165℃で熱セットを行った。
〔仕上げ編地〕
ウエール:37本/2.54cm、コース:54本/2.54cm
編地サイズ:経52.8m、幅161cm
得られた編地の燃焼性及び耐熱・耐光性を評価した結果を表1に併せて示す。
[実施例3]
下記の糸使いにより、3枚筬でトリコット編地を製造した。
〔バック〕
高収縮ポリエステル(テレフタル酸を主成分として酸成分に対しイソフタル酸を5mol%添加し、エチレングリコールとグリコール成分に対し2,2ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパンを5mol%添加して常法により重合した、粘度:0.686の共重合ポリエステル)と低収縮性ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート(粘度:0.64))を1:1の比率でサイドバイサイドに貼り合わせた複合繊維からなる立体捲縮型複合マルチフィラメント(110dtex/24f)。
該マルチフィラメントの破断強度は4.15cN/dtex、破断伸度は36.5%、沸水収縮率は5.7%であった。
〔ミドル〕〔フロント〕
実施例1と同様のポリエチレンテレフタレート(セミダル)の2ヒーター仮撚り加工マルチフィラメント(酸化チタン含有量0.3%、84dtex/48f)。
下記の条件により、編み立て、染色及び仕上げを行った。
〔編み立て〕
トリコット編
ウエール:28本/2.54cm、コース:42本/2.54cm
編地サイズ:経58.7m、幅211.5cm
該立体捲縮型複合マルチフィラメントをバックに用いて、フロントの筬には、フルセット筬入れを行い、それぞれ1×4のコード組織で、また、仮撚り加工マルチフィラメントをミドルとフロントに用いて、1イン1アウトのアトラス組織で編立を実施した。
それぞれの糸の使用量は、バック糸:71.0質量%、フロント、ミドル糸はそれぞれ共に14.5質量%であった。
〔プレウェット処理〕
予めトリコット編地を収縮させることで、染色時に発生する染色皺の発生を防止する目的で、湿熱温度95℃、15分間の湿熱処理を行った。
〔染色〕
湿熱温度130℃、45分間で通常の染色処理を行った。尚、このとき、難燃剤の付与は行わなかった。
〔仕上げ〕
ファイナルテンターを使用し、165℃で熱セットを行った。
〔仕上げ編地〕
ウエール:37本/2.54cm、コース:46本/2.54cm
編地サイズ:経52.8m、幅155cm
得られた編地の燃焼性及び耐熱・耐光性を評価した結果を表1に併せて示す。
[比較例1]
下記の糸使いにより、3枚筬でトリコット編地を製造した。
〔バック〕
ポリエチレンテレフタレート(セミダル)の2ヒーター仮撚り加工マルチフィラメント(酸化チタン含有量0.3%、84dtex/48f)。
該仮撚り加工マルチフィラメントの破断強度は4.56cN/dtex、破断伸度は22.5%、沸水収縮率は1.0%であった。
〔ミドル〕〔フロント〕
実施例1同様にポリエチレンテレフタレートの2ヒーター仮撚り加工マルチフィラメント(酸化チタン含有量0.3%、84dtex/48f)。
下記の条件により、編み立て、染色及び仕上げを行った。
〔編み立て〕
トリコット編
ウエール:28本/2.54cm、コース:47本/2.54cm
編地サイズ:経58.7m、幅211.5cm
仮撚り加工マルチフィラメントをバックに用いて、フロントの筬には、フルセット筬入れを行い、それぞれ1×4のコード組織で、また、仮撚り加工マルチフィラメントをミドルとフロントに用いて、1イン1アウトのアトラス組織で編立を実施した。
それぞれの糸の使用量は、バック糸:63.0質量%、フロント、ミドル糸はそれぞれ共に18.5質量%であった。
〔プレウェット処理〕
予めトリコット編地を収縮させることで、染色時に発生する染色皺の発生を防止する目的で、湿熱温度95℃、15分間の湿熱処理を行った。
〔染色〕
湿熱温度130℃、45分間で通常の染色処理を行った。尚、このとき、難燃剤の付与は行わなかった。
〔仕上げ〕
ファイナルテンターを使用し、165℃で熱セットを行った。
〔仕上げ編地〕
ウエール:37本/2.54cm、コース:60本/2.54cm
編地サイズ:経52.8m、幅155cm
得られた編地の燃焼性及び耐熱・耐光性を評価した結果を表1に併せて示す。
[比較例2]
高収縮ポリエステル(テレフタル酸を主成分として酸成分に対しイソフタル酸を5mol%添加し、エチレングリコールとグリコール成分に対し2,2ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパンを5mol%添加して重合した、粘度:0.686の共重合ポリエステル)と低収縮ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート(粘度:0.64))を1:1の比率でサイドバイサイドに貼り合わせた複合繊維からなる立体捲縮型複合マルチフィラメント(84dtex/24f)を用いた。
該マルチフィラメントの破断強伸度は、破断強度4.10cN/dtex、破断伸度33.0%、沸水収縮率は5.7%であった。
該マルチフィラメントをヨコ糸に用い、タテ糸には、実施例1記載のポリエチレンテレフタレート(セミダル)の2ヒーター仮撚り加工マルチフィラメントを用いて、平組織の織物(ヨコ糸密度:80本/2.54cm、タテ糸密度:122本/2.54cm)を作成した。織物中、立体捲縮型複合マルチフィラメントは60.9質量%、ポリエチレンテレフタレート(セミダル)の2ヒーター仮撚り加工マルチフィラメントは39.1質量%用であった。
〔精練処理〕
製織性を向上させるためタテ糸に付与した糊剤、繊維油剤を除去する目的で、弱アルカリ溶液中で湿熱温度:90℃、20分間の湿熱処理を行った。
〔染色〕
湿熱温度:130℃、45分間で通常の染色処理を行った。尚、このとき、難燃剤の付与は行わなかった。
〔仕上げ〕
ファイナルテンターを使用し、165℃で熱セットを行った。
〔仕上げ織物〕
タテ密度:122本/2.54cm、ヨコ密度:83本/2.54cm
織物サイズ:経50.1m、幅150cm
得られた編地の燃焼性及び耐熱・耐光性を評価した結果を表1に併せて示す。
Figure 0006504882
実施例1〜3のトリコット編地は、無起毛の織物調の外観を有し、風合いも良好であり、燃焼試験においても不燃の結果であり、難燃性を有するものであった。また、耐光堅牢度も問題ないものであった。
一方、比較性1のトリコット編地は、無起毛の織物調の外観を有し、風合いも良好であったが、燃焼試験において、不合格の結果であり、難燃性を有するものではなかった。
また、比較例2の織物も、燃焼試験において、不合格の結果であり、難燃性を有するものではなかった。

Claims (2)

  1. 3枚以上の筬を使用して製造するトリコット編地であって、サイドバイサイド型ポリエステル立体捲縮糸を50質量%以上含有してなり、前記サイドバイサイド型ポリエステル立体捲縮糸が、収縮性の異なる2種のポリエステル樹脂からなり、収縮の大なるポリエステル樹脂が、2,2ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン及び/又はイソフタル酸を第三成分とする共重合ポリエステル樹脂であり、収縮の小なるポリエステル樹脂がポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする難燃性車両資材用布帛。
  2. 前記トリコット編地において、フロント糸及びミドル糸に、ポリエステル仮撚加工糸を用い、バック糸にサイドバイサイド型ポリエステル立体捲縮糸を使用していることを特徴とする請求項1に記載の難燃性車両資材用布帛。
JP2015071939A 2015-03-31 2015-03-31 難燃性車両資材用布帛 Active JP6504882B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015071939A JP6504882B2 (ja) 2015-03-31 2015-03-31 難燃性車両資材用布帛

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015071939A JP6504882B2 (ja) 2015-03-31 2015-03-31 難燃性車両資材用布帛

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016191171A JP2016191171A (ja) 2016-11-10
JP6504882B2 true JP6504882B2 (ja) 2019-04-24

Family

ID=57246298

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015071939A Active JP6504882B2 (ja) 2015-03-31 2015-03-31 難燃性車両資材用布帛

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6504882B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7189667B2 (ja) * 2018-03-16 2022-12-14 Kbセーレン株式会社 ストレッチ性布帛の製造方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3648635B2 (ja) * 1992-04-10 2005-05-18 ユニチカ株式会社 ポリエステル系織編物の製造方法
JP3028711B2 (ja) * 1993-08-19 2000-04-04 東レ株式会社 潜在捲縮性ポリエステル複合繊維よりなる不織布
JP3704076B2 (ja) * 2001-10-15 2005-10-05 カネボウ株式会社 カーシート用布帛
US7465683B2 (en) * 2003-11-24 2008-12-16 Mcmurray Brian L Functional double-faced performance warp knit fabric, method of manufacturing, and products made there from
JP4923173B2 (ja) * 2006-01-17 2012-04-25 ユニチカトレーディング株式会社 ポリエステル織編物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016191171A (ja) 2016-11-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2989988C (en) Cloth and fibrous product
WO2008001920A1 (fr) Tricot et vêtement de sport
CZ51996A3 (en) Terry pile fabric, process of its production and use of such fabric
MX2015002395A (es) Tela recubierta y metodo para produccion de la misma.
WO2016002100A1 (ja) マルチフィラメント糸と編織物およびその製造方法
JP6504882B2 (ja) 難燃性車両資材用布帛
KR101028577B1 (ko) 원착사를 포함하는 스크린용 원단
CN101387035B (zh) 一种双组分的阻燃纤维织物
JP2005299018A (ja) 緻密超短立毛布帛およびその製造方法およびカーシート部材
JP2010285709A (ja) ポリアミド繊維、ポリアミド仮撚加工糸及び織編物
KR100856869B1 (ko) 난연성 직물
WO2003093547A1 (fr) Tissu de fil epais-fin a filament conjugue en polyester et son procede de fabrication
KR20180101542A (ko) 편지 및 섬유 제품
KR20080025495A (ko) 별형 심초형 폴리에스테르 복합섬유 및 이를 이용한 포백
JP2007186811A (ja) 蓄熱性芯地
JP7474461B2 (ja) 熱成形体およびその製造方法
JP6884019B2 (ja) 高収縮性常圧カチオン可染性ポリエステル繊維およびそれを用いた混繊糸並びにそれらを用いた布帛
JP2008050722A (ja) 立毛布帛およびカーシート部材
JP2005320654A (ja) 新規外観パイル布帛およびカーシート
JP2000017578A (ja) 鞄地およびそれを利用した鞄
JP6753747B2 (ja) 織物調車両内装材用トリコット
JP6704706B2 (ja) ユニフォーム衣料用難燃防水性布帛
JP6271908B2 (ja) 羽毛製品用縫製糸および羽毛製品
KR102568523B1 (ko) 스트레오-컴플렉스 결정 구조를 갖는 고내열성 폴리락타이드 해도형 복합섬유를 이용한 다운자켓용 다중직 텍스타일의 제조방법
KR100826303B1 (ko) 열접착성과 형태안정성이 우수한 포백 및 이에 사용되는 폴리에스테르 해도형 복합섬유

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171227

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181015

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181023

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181221

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190305

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190326

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6504882

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150