JP6504814B2 - 油脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、油脂組成物に関する。
近年、健康への関心が高まり、ω3系不飽和脂肪酸に代表される多価不飽和脂肪酸の生理機能に注目が集まっている。例えば、魚油の構成成分であるエイコサペンタエン酸(C20:5、EPA)とドコサヘキサエン酸(C22:6、DHA)には、抗動脈硬化作用、脳機能改善作用、視覚機能改善作用、抗腫瘍作用、抗炎症作用等が報告されている。
2005年には、厚生労働省よりエイコサペンタエン酸とドコサヘキサエン酸を合計で1g以上/日という摂取目標量(成人)が推奨され、これらを多く含む油脂の利用が望まれている。
しかし、多価不飽和脂肪酸は不飽和結合を多く有しているために、特に熱や光に対して安定性が低く、容易に劣化臭を発生する。
そこで通常、酸化防止剤を含有させて、保存中の油脂の風味劣化を防止することが行われている。また、酸化防止剤に加えて、更にゴマ油や加工大豆を含有させて、魚臭を抑制することも提案されている(特許文献1及び2)。
多価不飽和脂肪酸を含む油脂の酸化防止剤としては、例えば、トコフェロール、アスコルビン酸、アスコルビン酸脂肪酸エステル、レシチン等が広く用いられている(特許文献3)。
特開2003−116449号公報 特開2004−59848号公報 特開平5−140584号公報
酸化防止剤のなかでもレシチンは、優れた抗酸化性を有することに加えて、炒め物調理や揚げ物調理の際の調理性を向上させることから好適な油脂の添加剤である。
しかしながら、多価不飽和脂肪酸、とりわけエイコサペンタエン酸やドコサヘキサエン酸を含む油脂にレシチンを添加すると、加熱調理の際に、調理にそぐわない不快臭が発生する現象が見出された。この不快臭は、魚油の酸化劣化臭・魚臭とは異なる魚のみりん干し様の風味である。
したがって、本発明は、エイコサペンタエン酸及び/又はドコサヘキサエン酸とレシチンとを含み、高い酸化安定性を有しながら、加熱調理時の不快臭が少ない油脂組成物を提供することに関する。
本発明者等は、鋭意検討を行ったところ、エイコサペンタエン酸及び/又はドコサヘキサエン酸とレシチンを含む油脂に、酢酸を所定濃度以上含むゴマ油を含有させれば、加熱調理時の不快臭が抑制されて、加熱調理用油脂として好適な油脂組成物が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)エイコサペンタエン酸及び/又はドコサヘキサエン酸、
(B)酢酸濃度が5ppm以上であるゴマ油、
(C)レシチン 0.005〜0.2質量%
を含有する油脂組成物を提供するものである。
本発明によれば、エイコサペンタエン酸及び/又はドコサヘキサエン酸を含有する油脂組成物であって、高い酸化安定性を有し、且つ加熱調理の際の不快臭が少ない、加熱調理用油脂として好適な油脂組成物を提供することができる。
本発明で用いられる(A)エイコサペンタエン酸及び/又はドコサヘキサエン酸は、特に制限されず、公知の化学合成法により得ても、これらを含有する天然物等からの抽出により得ても、又はこれらを組み合わせることにより得てもよい。また、市販品として入手可能な試薬等でもよい。
油脂組成物中、(A)エイコサペンタエン酸及び/又はドコサヘキサエン酸の含有量は、生理効果と酸化安定性の両方の点から、0.1〜10質量%であることが好ましく、更に0.2〜8質量%、更に0.5〜5質量%、更に0.8〜3質量%が好ましい。なお、この含有量は、エイコサペンタエン酸とドコサヘキサエン酸のうち一方のみを含む場合はその一方の量であり、両方を含む場合はその合計量である。
(A)エイコサペンタエン酸及び/又はドコサヘキサエン酸は、遊離の脂肪酸であってもよいが、エステル体であることが好ましく、油脂を構成する脂肪酸として油脂組成物に含有させることが好ましい。
構成脂肪酸としてエイコサペンタエン酸及び/又はドコサヘキサエン酸を含有する油脂としては、例えば、魚油、藻油等の微生物油が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、エイコサペンタエン酸及びドコサヘキサエン酸を多く含むことから、魚油及び藻油から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。魚油とは、水産動物油脂であり、例えば、イワシ、ニシン、サンマ、サバ、カツオ、マグロ、クジラ、イカ、たら肝臓等の原料から採取することができる。また、藻油は、緑藻綱、珪藻綱等に属する藻類から採取することができる。
エイコサペンタエン酸及び/又はドコサヘキサエン酸がエステル体の場合の含有量は、遊離の脂肪酸換算値である。
構成脂肪酸としてエイコサペンタエン酸及び/又はドコサヘキサエン酸を含有する油脂として魚油及び藻油から選ばれる1種又は2種以上の油脂を用いる場合、油脂組成物中、魚油及び藻油から選ばれる1種又は2種以上の油脂の含有量は、風味、酸化安定性及び生理効果の点から、0.1〜30質量%であることが好ましく、更に0.5〜20質量%、更に1〜15質量%、更に3〜10質量%であることが好ましい。
本発明で用いられる(B)ゴマ油は、ゴマ(Sesamum indicum L.)の種子から搾油される油で、その酢酸濃度は5ppm(質量百万分率)以上である。もともと油脂には、その種類によって濃度に差があるものの、油脂の分解生成物として酢酸が含まれることが知られている。本発明においては、このような油脂に含まれる酢酸の濃度が所定濃度以上であるゴマ油を配合することにより、加熱調理の際に発生する不快臭を抑えることができる。
(B)ゴマ油の酢酸濃度は、加熱時の風味を良好とする点から、6〜30ppmであることが好ましく、更に7〜20ppm、更に8〜15ppmが好ましい。

ゴマ油に含まれる酢酸の量は、後掲の実施例に記載の方法に従って、固相マイクロ抽出−ガスクロマトグラフ−質量分析法により測定することができる。
油脂組成物中、(B)ゴマ油の含有量は、加熱時の風味を良好とする点から、5質量%以上であることが好ましく、更に7〜80質量%、更に12〜70質量%、更に26〜65質量%が好ましい。
また、油脂組成物において、(A)エイコサペンタエン酸及び/又はドコサヘキサエン酸の含有量に対する、(B)酢酸濃度が5ppm以上であるゴマ油の含有量の質量比[(B)/(A)]は、加熱調理時の風味を良好とする点から、2以上、更に3〜200、更に5〜100、更に10〜80、更に15〜60が好ましい。
油脂組成物には、エイコサペンタエン酸及び/又はドコサヘキサエン酸を含有する油脂と(B)ゴマ油以外の油脂を含有させることができる。
このような油脂としては、特に制限されず、例えば、大豆油、菜種油、サフラワー油、米油、コーン油、ヒマワリ油、綿実油、オリーブ油、落花生油、ハトムギ油、小麦胚芽油、シソ油、アマニ油、エゴマ油、サチャインチ油、クルミ油、キウイ種子油、サルビア種子油、ブドウ種子油、マカデミアナッツ油、ヘーゼルナッツ油、カボチャ種子油、椿油、茶実油、ボラージ油、パーム油、パームオレイン、パームステアリン、やし油、パーム核油、カカオ脂、サル脂、シア脂等の植物性油脂;ラード、牛脂、バター脂等の動物性油脂;あるいはそれらのエステル交換油、水素添加油、分別油等の油脂類を挙げることができる。これらの油は、それぞれ単独で用いてもよく、あるいは適宜混合して用いてもよい。
なかでも、使用性の点から、低温耐性に優れた液状油脂を用いるのが好ましく、更に植物種子油がより好ましく、大豆油、菜種油、サフラワー油、コーン油、ヒマワリ油、綿実油、オリーブ油、落花生油、ハトムギ油、小麦胚芽油、シソ油、アマニ油、エゴマ油が更に好ましく、大豆油又は菜種油が更に好ましく、菜種油が更に好ましい。
なお、液状油脂とは、基準油脂分析試験法2.3.8−27による冷却試験を実施した場合、20℃で液状である油脂をいう。また、食用油脂は、精製工程を経た精製油脂であるのが好ましい。
油脂組成物中、油脂の含有量は、使用上の点から、90〜99.9質量%であることが好ましく、更に94〜99.7質量%、更に97〜99.5質量%であることが好ましい。
本発明の油脂組成物において、油脂を構成する脂肪酸としては、特に限定されず、飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸のいずれであってもよいが、油脂を構成する脂肪酸のうち60〜100質量%が不飽和脂肪酸であることが好ましく、より好ましくは70〜99質量%、更に75〜97質量%、更に80〜95質量%が不飽和脂肪酸であるのが外観、油脂の工業的生産性の点で好ましい。不飽和脂肪酸の炭素数は14〜24、更に16〜22であるのが生理効果の点から好ましい。ここで、エイコサペンタエン酸及び/又はドコサヘキサエン酸は、不飽和脂肪酸に含まれる。
また、油脂組成物の油脂を構成する脂肪酸のうち、α−リノレン酸(C18:3)の含有量は、生理効果の点から、2〜30質量%であることが好ましく、更に3〜20質量%、更に4〜15質量%が好ましい。
油脂組成物の油脂を構成する脂肪酸のうち、飽和脂肪酸の含有量は30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下、更に15質量%以下、更に10質量%以下であるのがより好ましい。また、油脂の工業的生産性の点で、0.5質量%以上であることが好ましい。飽和脂肪酸としては、炭素数14〜24、更に16〜22のものが好ましい。
なお、本明細書における脂肪酸量は遊離脂肪酸換算量である。
本発明において、油脂組成物中の油脂を構成する物質にはトリアシルグリセロールのみならずモノアシルグリセロールやジアシルグリセロールも含まれる。すなわち本発明において油脂は、モノアシルグリセロール、ジアシルグリセロール及びトリアシルグリセロールのいずれか1種以上を含むものである。
油脂中、トリアシルグリセロールの含有量は、15質量%以上が好ましく、更に50質量%以上、更に75質量%以上、更に78質量%以上、更に88質量%以上、更に90質量%以上、更に92質量%以上が好ましく、また、100質量%以下が好ましく、更に99.5質量%以下、更に99質量%以下が油脂の工業的生産性の点から好ましい。
また、油脂中、ジアシルグリセロールの含有量は、0質量%でもよいが、0.1質量%以上が好ましく、更に0.2質量%以上が好ましく、また、85質量%以下が好ましく、更に50質量%以下、更に25質量%以下、更に19質量%以下、更に9質量%以下、更に7質量%以下、更に5質量%以下であるのが風味を良好とする点から好ましい。
また、油脂中、モノアシルグリセロールの含有量は、風味を良好とする点から、3質量%以下が好ましく、更に0〜2質量%が好ましい。
また、本発明の油脂中に含まれる遊離脂肪酸又はその塩の含有量は、5質量%以下が好ましく、更に0〜2質量%、更に0〜1質量%であるのが風味、油脂の工業的生産性の点で好ましい。
本発明で用いられる(C)レシチンは、狭義にはホスファチジルコリンを意味することがあるが、本発明ではホスファチジルコリンを含めたリン脂質(ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジン酸)の混合物を総称してレシチンと呼ぶ。
(C)レシチンとしては、例えば、大豆レシチン、卵黄レシチン、水素添加大豆レシチン、水素添加卵黄レシチン、菜種レシチン、コーンレシチン、牛脳レシチン、牛肝臓レシチン等が挙げられる。
油脂組成物中、(C)レシチンの含有量は、酸化安定性の点から、0.005〜0.2質量%であるが、加熱時の風味を良好とする点から、更に0.005〜0.15質量%、更に0.01〜0.1質量%、更に0.02〜0.08質量%であることが好ましい。
なお、本発明において(C)レシチンの量はAmerican Oil Chemists. Society Official Method Ja 7b−91に記載の方法により測定することができる。
また、油脂組成物において、(C)レシチンの含有量に対する、(B)酢酸濃度が5ppm以上であるゴマ油の含有量の質量比[(B)/(C)]は、加熱調理時の風味を良好とする点から、25以上であることが好ましく、更に100以上、更に200以上、更に300以上が好ましい。上限は、7000以下、更に5000以下、更に2000以下が好ましい。
油脂組成物には、一般の食用油脂と同様に、保存性及び風味安定性の向上を目的として、レシチン以外の抗酸化剤を含有させてもよい。このような抗酸化剤としては、天然抗酸化剤、アスコルビン酸脂肪酸エステル、トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)等が挙げられる。
本発明の油脂組成物は、例えば、(A)エイコサペンタエン酸及び/又はドコサヘキサエン酸、(B)酢酸濃度が5ppm以上であるゴマ油、(C)レシチン、及び更に必要に応じてその他の成分を配合し、適宜加熱、撹拌等することにより製造できる。油脂組成物を製造する際の(C)レシチンの配合量は、配合原料中に0.005〜0.2質量%である。
本発明の油脂組成物は、一般の食用油脂と同様に使用でき、油脂を用いた各種飲食物に広範に適用することができる。なかでも、加熱調理用油脂、特に、炒め物、焼き物等の調理用油脂として好適である。
〔分析方法〕
(i)油脂のグリセリド組成
ガラス製サンプル瓶に、油脂サンプル約10mgとトリメチルシリル化剤(「シリル化剤TH」、関東化学製)0.5mLを加え、密栓し、70℃で15分間加熱した。これに水1.0mLとヘキサン1.5mLを加え、振とうした。静置後、上層をガスクロマトグラフィー(GLC)に供して分析した。
<GLC分析条件>
(条件)
装置:アジレント6890シリーズ(アジレントテクノジー社製)
インテグレーター:ケミステーションB 02.01 SR2(アジレントテクノジー社製)
カラム:DB−1ht(Agilent J&W社製)
キャリアガス:1.0mL He/min
インジェクター:Split(1:50)、T=320℃
ディテクター:FID、T=350℃
オーブン温度:80℃から10℃/分で340℃まで昇温、15分間保持
(ii)油脂の構成脂肪酸組成
日本油化学会編「基準油脂分析試験法」中の「脂肪酸メチルエステルの調製法(2.4.1.−1996)」に従って脂肪酸メチルエステルを調製し、得られた油脂サンプルを、American Oil Chemists. Society Official Method Ce 1f−96(GLC法)により測定した。
<GLC分析条件>
カラム:CP−SIL88 50m×0.25mm×0.2μm (VARIAN)
キャリアガス:1.0mL He/min
インジェクター:Split(1:40)、T=300℃
ディテクター:FID、T=300℃
オーブン温度:150℃(5min)保持→160℃まで1℃/minで昇温→5min保持→200℃まで2℃/分で昇温→10min保持→220℃まで10℃/分で昇温→5分保持
(iv)酢酸濃度
香気分析用の10mLバイアルに油脂を1g秤量し、セプタム付きの蓋で密封したものを固相マイクロ抽出の試料とした。固相マイクロ抽出の条件を次の通りとした。
<抽出条件>
SPMEファイバー:50/30μm、DVB/Carboxen/PDMS(SUPELCO社製)
装置:GERSTEL社製
予備加温:40℃,30 min、攪拌速度:250r/min、揮発性成分抽出:40℃,30min、脱着時間:4min
上記のように調製した試料を、ガスクロマトグラフ−質量分析法により以下の条件で分析した。
<条件>
測定機器:Agilent 6890N(Agilent Technologies社製)
カラム:DB−WAX(Agilent Technologies社製)、長さ60m,口径0.25mm,膜厚0.25μm
温度条件:35℃(4min)保持→240℃まで2℃/min昇温→14min保持
キャリアー:Heガス、ガス流量1.0mL/min
質量分析計:Agilent 5975N(Agilent Technologies社製)
イオン化方式:EI(イオン化電圧70eV)
SIM測定条件:m/z 45、60
酢酸(SIGMA−Aldrich社製)を標準として、標準添加法により酢酸濃度を定量した。
(v)酸化安定性
日本油化学協会編「基準油脂分析試験法」2003年版中の「CDM試験(2.5.1.2−1996)」に従って評価した。
自動油脂安定性試験装置 ランシマット 743型(メトローム社製)を用いて、油脂サンプルを容器中で温度120℃に加熱しながら清浄空気を送り込み、酸化により生成した揮発性物質を水中に補集し、その水の導電率が急激に変化する折曲点までの時間(hr)を測定し、酸化安定性指数(Oxidative Stability Index:OSI)として表した。この時間が大きいほうが、酸化安定性が高いと判断できる。
〔原料〕
魚油、藻油、ゴマ油A〜E、菜種油として、表1の組成を持つ油脂を用いた。ゴマ油A〜Eの酢酸濃度は表2のとおりであった。
レシチン製剤として、イェルキンTS(レシチン含有量41質量%(ホスファチジルコリン15質量%、ホスファチジルエタノールアミン13質量%、ホスファチジルイノシトール9質量%、ホスファチジン酸4質量%)、Archer Daniel Midland Company社製)を用いた。
DHA試薬として、Docosahexaenoic Acid Methyl Ester(純度98質量%以上、Cayman Chemical Company製)を用いた。
Figure 0006504814
Figure 0006504814
実施例1〜実施例7及び比較例1〜比較例7
〔油脂組成物の調製〕
表3に示した組成の油脂組成物を調製した。ガラスバイアル(SV−110、日電理化硝子株式会社)に各原料をはかりとり、スターラーで500r/minで5分間撹拌して油脂組成物を得た。各油脂組成物におけるエイコサペンタエン酸(C20:5)とドコサヘキサエン酸(C22:6)の合計含有量、α−リノレン酸(C18:3)の含有量、レシチンの含有量は表3に示したとおりである。
〔不快臭と保存安定性の評価〕
上記油脂組成物について、製造してすぐに加熱時の不快臭と保存安定性(酸化安定性)を評価した。
加熱時の不快臭は、直径6cmのステンレスシャーレに1.5gの油脂組成物を入れ、ホットプレート上で240℃に加熱し、加熱開始から45〜75秒後の臭いを評価した。不快臭は、下記に示す基準にて官能評価した。この不快臭の評価で評点が「1」又は「2」のものに対して酸化安定性の評価を行った。
結果を表3に示す。
(加熱時の不快臭の評価基準)
1:不快臭を感じない
2:ごく僅かに不快臭を感じる
3:不快臭を感じる
4:不快臭を強く感じる
5:不快臭を非常に強く感じる
Figure 0006504814
実施例8〜実施例10及び比較例8〜比較例11
〔油脂組成物の調製〕
表4に示した組成の油脂組成物を実施例1と同様にして調製した。各油脂組成物におけるエイコサペンタエン酸(C20:5)とドコサヘキサエン酸(C22:6)の合計含有量、α−リノレン酸(C18:3)の含有量、レシチンの含有量は表4に示したとおりである。
〔不快臭と保存安定性の評価〕
調製した油脂組成物について上記と同様にして加熱時の不快臭と酸化安定性を評価した。
結果を表4に示す。
Figure 0006504814
実施例11〜実施例12及び比較例12〜比較例15
〔油脂組成物の調製〕
魚油に代えて藻油又はDHA試薬を用い、表5に示した組成の油脂組成物を実施例1と同様にして調製した。各油脂組成物におけるエイコサペンタエン酸(C20:5)とドコサヘキサエン酸(C22:6)の合計含有量、α−リノレン酸(C18:3)の含有量、レシチンの含有量は表5に示したとおりである。
〔不快臭と保存安定性の評価〕
調製した油脂組成物について上記と同様にして加熱時の不快臭と酸化安定性を評価した。
結果を表5に示す。
Figure 0006504814
表3〜表5に示された結果から明らかなように、レシチンに加えて、酢酸を所定濃度以上含むゴマ油を配合した実施例1〜実施例12は、加熱時の不快臭が抑えられ、酸化安定性も高かった。
これに対し、ゴマ油を配合しなかった比較例2や、酢酸濃度が低いゴマ油DやEを配合した比較例7等は、加熱時の不快臭が強かった。また、レシチンを配合しない比較例1等は酸化安定性が低かった。

Claims (6)

  1. 次の成分(A)、(B)及び(C):
    (A)エイコサペンタエン酸及び/又はドコサヘキサエン酸、
    (B)酢酸濃度が5ppm以上であるゴマ油が26質量%以上であるか、又は 酢酸濃度が7ppm以上であるゴマ油が15質量%以上
    (C)レシチン 0.005〜0.2質量%
    を含有する油脂組成物。
  2. (A)エイコサペンタエン酸及び/又はドコサヘキサエン酸の含有量が0.1〜10質量%である請求項1記載の油脂組成物。
  3. (C)レシチンの含有量に対する前記成分(B)の含有量の質量比[(B)/(C)]が200〜7000である請求項1又は2記載の油脂組成物。
  4. 魚油及び藻油から選ばれる1種又は2種以上の油脂を含有する請求項1〜のいずれか1項記載の油脂組成物。
  5. 加熱調理用である請求項1〜のいずれか1項記載の油脂組成物。
  6. 次の成分(A)、(B)及び(C):
    (A)エイコサペンタエン酸及び/又はドコサヘキサエン酸、
    (B)酢酸濃度が5ppm以上であるゴマ油が26質量%以上であるか、又は 酢酸濃度が7ppm以上であるゴマ油が15質量%以上
    (C)レシチン 配合原料中に0.005〜0.2質量%
    を配合する工程を含む、油脂組成物の製造方法。
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