JP3567960B2 - 無臭、安定な油及び乳化液 - Google Patents

無臭、安定な油及び乳化液 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高度不飽和脂肪酸及び/又はそのエステルを含有した無臭、安定な油、該油と水とからなる乳化液、及びそれらを添加した食品、化粧品に関するものである。
【0002】
【従来技術】
魚油中に含有されている高度不飽和脂肪酸及びそのエステルの或る種のものは医学上又は栄養学上極めて重要な物質であることが知られている。例えば魚油中の高度不飽和脂肪酸であるイコサペンタエン酸(以下、EPAと略す。)及びそのエステルは、血液中のコレステロール低下作用、血栓の抑制効果を有することから、心筋梗塞、脳梗塞、動脈硬化等の予防、治療に有効であり、又、ドコサヘキサエン酸(以下、DHAと略す。)及びそのエステルは、学習機能の向上、抗腫瘍、抗アレルギー等の優れた効果を有することが知られている。又、EPA又はDHAはアトピー性等の皮膚炎に対しても有効であることが知られている。従って、DHA、EPA等の高度不飽和脂肪酸及びそのエステルはその広範な有効性を有することから、食品、健康食品、化粧品、医薬品等として開発が要望されており、一部健康食品、医薬品として市販されている。
【0003】
しかしながら、高度不飽和脂肪酸はその不飽和結合部分が酸化されやすく、酸敗を起こし、特有の不快臭を発生するという欠点を有する。この酸化を防止するために、天然トコフェロール、茶抽出物、アスコルビン酸等の酸化防止剤や抑臭剤を添加することが従来より試みられているが、十分な効果をあげるまでには至っていない。又、DHAに多量の澱粉のようなパウダーを混合して、DHAをパウダーで包み込み無臭化することが試みられたが、この方法ではDHAを添加する食品の味に影響を与えるのみならず、その不快臭に起因してDHAの使用量が制限されるという欠点があった。
【0004】
一方、本発明者は、先にDHAを主成分とする魚油を含有しても魚臭を完全に無臭化したパン類の製造方法を見出し、特願平6−99012号及び特願平6−99013号として特許出願した。これらの方法は、DHAを主成分とする魚油とリンゴ酢とからなる懸濁物、又はDHAを主成分とする魚油とレモンジュースとからなる懸濁物をパン生地の調製時に添加してパンを製造するものであり、これらの方法により無臭なDHAを含有したパンを製造することができるようになった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの方法では、上記の懸濁液をパンの製造時にその都度調製する必要がある。これは、これらの懸濁液が、調製時には無臭なものとして得られるが、時間経過と共に、再び魚油特有の不快臭が生じはじめ、本来の効果が得られなくなるためである。すなわち、DHAなどを含有する魚油に食酢又は柑橘類のジュースを加えただけでは、長期にわたり安定でかつ無臭なものを得ることが出来ない。
従って、DHA、EPAなどの高度不飽和脂肪酸を高含有量に配合した食品、化粧品を製造する方法の開発は、いまだに不十分な状況にある。
上記の状況に鑑み、本発明は、長期間保存しても無臭化された高度不飽和脂肪酸及び/又はそのエステルを含有する油、及び該油と水とを乳化した高度不飽和脂肪酸及び/又はそのエステルを高含有量で含有する乳化液、更にこれらの油又は乳化液を含有した食品又は化粧品を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、高度不飽和脂肪酸及び/又はそのエステルを含有する魚油に、食酢及び/又は柑橘類のジュースを添加し混合した後、水相を除去することを特徴とする無臭化及び安定化された高度不飽和脂肪酸及び/又はそのエステルを含有する油、更に、該油に水を加え、水中油滴型のエマルジョンに乳化することを特徴とする高度不飽和脂肪酸及び/又はそのエステルを含有した乳化液、及びこれらを添加した食品又は化粧品である。
すなわち、高度不飽和脂肪酸及び/又はそのエステルを含有する魚油に、食酢及び/又は柑橘類ジュースを添加し攪拌混合すると懸濁液となり、これを静置すると上層に油相、下層に水相となって2相に分離する。この下層の水相を捨て、上層の油相を採取すると、無臭化、安定化された油が得られ、これを目的の食品又は化粧品に添加すると、高度不飽和脂肪酸及び/又はそのエステルを高含有量で含有する食品又は化粧品が得られる。更に、上述の無臭化、安定化された油を水と混合して乳化して得た乳化液を使用することによっても、無臭化、安定化された食品又は化粧品が得られる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明について詳細に説明する。本発明において、高度不飽和脂肪酸とは、EPA、DHAのような不飽和結合を数個以上有する脂肪酸を言い、そのエステルとは、高度不飽和脂肪酸と低級アルコールとのエステル、又は高度不飽和脂肪酸とグリセリンとのエステル(モノ、ジ、又はトリグリセリド)等をいう。
そして、高度不飽和脂肪酸及び/又はそのエステルを含有する魚油とは、上述のような高度不飽和脂肪酸及び/又はそのエステルを含有する魚油であって、具体的にはイワシ、サバ、タラなど海産動物から搾取した油である。本発明は、これらの魚油をそのままのもの、精製度合の低いもの、又はEPA、若しくはDHA等の特定の高度不飽和脂肪酸を高純度に精製したものなどいずれのものも原料として使用することができる。これらの高度不飽和脂肪酸及び/又はそのエステルを含有する魚油は市販されているが、通常の公知の方法で精製して得ることもできる。
【0008】
食酢とは、醸造酢又は合成酢のいずれでもよい。醸造酢としては、米酢、麦芽酢等の穀物酢、及びりんご酢、ぶどう酢等の果実酢等が挙げられる。合成酢としては、化学的に作られた酢酸を水で薄めてアミノ酸や糖類を加えたもの、及び醸造酢に該酢酸を加えたもの等が挙げられる。これらの食酢はいずれも使用できるが、特に果実酢、例えばりんご酢が好適である。これは、りんご酢中には、酢酸の他、りんご酸、クエン酸、シュウ酸、酒石酸等が存在し、これらが相乗的に作用するものと思われる。
柑橘類ジュースとしては、ライム、レモン、ザボン、かぼす、グレープフルーツ、夏みかん、ゆず、すだち等の果汁、またはその濃縮物等が挙げられる。これら柑橘類のジュースはいずれも使用できるが、レモン、かぼす、ゆずの果汁が特に好ましい。
【0009】
原料の魚油に対し、食酢及び/又は柑橘類ジュースは2〜70%、好ましくは5〜40%、更に好ましくは5〜20%の割合で添加する。食酢及び/又は柑橘類ジュースが2%以下であると、魚油の不快臭を除去することは難しく、70%以上だと酸臭等が強くなり、食味が悪くなる。食酢及び/又は柑橘類ジュースを高度不飽和脂肪酸及び/又はそのエステルを含有する魚油に添加し、混合すると懸濁液を生じる。この懸濁液を静置すると二相に分離するので、下層の食酢及び/又は柑橘類ジュースを含む水層を除去すると、無臭化処理された高度不飽和脂肪酸及び/又はそのエステルを含有する油が得られる。
【0010】
また、上記の処理を施した油に水を加え、水中油滴型のエマルジョンに乳化させることによっても、無臭化処理されたものとして使用できる。この時使用する水は、事前に窒素ガス等の不活性ガスを水中に吹き込み、溶存酸素を除去しておくのが好ましい。処理された油に対して添加する水の量としては100〜300%の割合で行うことが好ましい。
このようにして、得られた無臭化処理された油又は乳化液を、食品又は化粧品に添加することによって、高度不飽和脂肪酸及び/又はそのエステルを高含有量で含有した食品又は化粧品が得られる。
食品としては、例えば米飯、豆腐、こんにゃく、マヨネーズ、ソーセージ、パン、醤油、味噌、菓子、煎餅、アイスクリーム、ヨーグルト、清涼飲料水、種々の缶詰などを挙げることができる。従来、魚油の不快臭のため、1食品当り20〜30mgのDHA及び/又はそのエステルしか配合できなかったが、本発明の無臭化処理された油又は乳化液を使用すれば、食品本来の風味、味などを損なうことなく、100mg以上、具体的には100mg〜300mgの高割合でDHA及び/又はそのエステルを含有した食品を提供することが出来る。同様に高割合でEPA及び/又はソノエステルを含有した食品を提供することが出来る。
化粧品としては、乳液、ハンドクリーム、スキンクリーム、マッサージクリーム、化粧水、ゼリー、パック等を挙げることが出来る。これらの化粧品は、食品と同様に高度不飽和脂肪酸及び/又はそのエステルを高割合で配合しても着色、不快臭もない化粧品を提供することが出来る。高度不飽和脂肪酸及び/又はそのエステルを含有する魚油と、食酢及び/又は柑橘類のジュースを混合する場合、通常の撹拌機例えばプロペラミキサー、タービンミキサー、ホモミキサーなどを用いることができる。
【0011】
【実施例及び比較例】
次に実施例をもって本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこの実施例によって制限されるものではない。
実施例1
DHAを25重量%含有する魚油100重量部に、りんご酢10重量部を添加し、混合した。この白濁液を24時間以上放置した後、下層の水相を除去し、無臭化したDHAを含有する油を得た。
実施例2
実施例1で得られた無臭化したDHAを含有する油100重量部に、予め窒素ガスで十分に置換しておいた水100重量部を加え、ミキサーにて混合、乳化し、無臭化したDHAを含有する乳化液を得た。
実施例3
DHAを45重量%含有する魚油100重量部に、りんご酢65重量部を添加し、混合した。この白濁液を24時間以上放置した後、下層の水相を除去し、無臭化したDHAを含有する油を得た。
【0012】
実施例4
実施例3で得られた無臭化したDHAを含有する油100重量部に、予め窒素ガスで十分に置換しておいた水150重量部を加え、ミキサーにて混合、乳化し、無臭化したDHAを含有する乳化液を得た。
実施例5
DHAメチルエステルを75重量%含有する魚油100重量部に、りんご酢30重量部を添加し、混合した。この白濁液を24時間以上放置した後、下層の水相を除去し、無臭化したDHAエチルエステルを含有する油を得た。
実施例6
実施例5で得られた無臭化したDHAエチルエステルを含有する油100重量部に、予め窒素ガスで十分に置換しておいた水200重量部を加え、ミキサーにて混合、乳化し、無臭化したDHAエチルエステルを含有する乳化液を得た。
【0013】
実施例7
実施例1、3及び5で用いたりんご酢の代わりにレモンジュースを用いた以外は、それぞれの実施例と同様にして無臭化した3種類の油を得た。
実施例8
実施例7で順次得られた3種類の無臭化した油100重量部に、予め窒素ガスで十分に置換しておいた水を100、100、150重量部の順で加え、ミキサーにて混合、乳化し、無臭化した3種類の乳化液を得た。
実施例9
実施例1で用いたDHAを25重量%含有する魚油の代わりに、EPAを20重量%含有する魚油を用いた以外は実施例1と同様にして、無臭化したEPAを含有する油を得た。
【0014】
実施例10
実施例9で得られた無臭化したEPAを含有する油100重量部に、予め窒素ガスで十分に置換しておいた水120重量部を加え、ミキサーにて混合、乳化し、無臭化したEPAを含有する乳化液を得た。
実施例11
実施例3で用いたDHAを45重量%含有する魚油の代わりに、EPAを55重量%含有する魚油を用いた以外は実施例3と同様にして、無臭化したEPAを含有する油を得た。
実施例12
実施例11で得られた無臭化したEPAを含有する油100重量部に、予め窒素ガスで十分に置換しておいた水220重量部を加え、ミキサーにて混合、乳化し、無臭化したEPAを含有する乳化液を得た。
【0015】
実施例13
実施例5で用いたDHAエチルエステルを75重量%含有する魚油の代わりに、EPAエチルエステルを90重量%含有する魚油を用いた以外は実施例5と同様にして、無臭化したEPAエチルエステルを含有する油を得た。
実施例14
実施例13で得られた無臭化したEPAエチルエステルを含有する油100重量部に、予め窒素ガスで十分に置換しておいた水300重量部を加え、ミキサーにて混合、乳化し、無臭化したEPAエチルエステルを含有する乳化液を得た。
実施例15
実施例9、11及び13で用いたりんご酢の代わりにレモンジュースを用いた以外は実施例1と同様にして3種類の無臭化した油を得た。
【0016】
実施例16
実施例15で順次得られた3種類の無臭化した油100重量部に、予め窒素ガスで十分に置換しておいた水を100、150、300重量部の順で加え、ミキサーにて混合、乳化し、無臭化した3種類の乳化液を得た。
【0017】
上記に示した方法で得られた無臭化した油、及び乳化液を、種々の食品又は化粧品に添加し、食品の風味、味、色及び化粧品の香、色等の比較実験を行った。
実施例17 パンの製造
下記の成分
強力粉 100重量部
イースト 3重量部
粉乳 3重量部
砂糖 5重量部
水 70重量部
イーストフード 0重量部
塩 2重量部
マーガリン 7重量部
からなる製パン用組成物を捏上げながら、これに実施例1で得られた無臭化したDHAを含有する油を混合し、更に捏上げて発酵させ、パン生地を調製した。このパン生地を25℃でフロアータイムを60分とり、分割した後、室温でベンチタイムを30分とる。次いで、パン型に入れ、温度35℃で湿度90%に保持した。このようにして調製したパン生地をオーブンで焼いて、食パンを得た。同様にして、実施例3、5、7、9、11、13及び15で得られた無臭化した油、又は実施例2、4、6、8、10、12、14及び16で得られた乳化液をそれぞれ添加し、食パンを焼いた。得られた食パンはそれぞれ食パン400重量部当たりDHA若しくはそのエチルエステル又はEPA若しくはそのエチルエステルを0.25重量部を含有する。
上記のようにして得られた食パンは、いずれも魚油特有の不快臭もなく、食パンの味、風味も従来の食パンと変らなかった。
【0018】
実施例18 豆腐の製造
大豆を煮た後、豆乳とオカラに分け、得られた豆乳(10〜12%)に70〜75℃で、豆乳1容量部当たりニガリ約0.003重量部と、実施例1で得られた無臭化したDHAを含有する油を加え、ステンレス製の丸おけの中で寄せ器を用いて攪拌した。20分間放置した後、豆腐の型箱に入れ、ふたの上から油圧ジャッキで圧力をかけ、木綿豆腐を調製した。同様にして、実施例3、5、7、9、11、13及び15で得られた無臭化した油、又は実施例2、4、6、8、10、12、14及び16で得られた乳化液をそれぞれ添加し、木綿豆腐を調製した。得られた木綿豆腐はそれぞれ豆腐100重量部当たりDHA若しくはそのエチルエステル又はEPA若しくはそのエチルエステル0.2重量部を含有する。
上記のようにして得られた木綿豆腐は、いずれも魚油特有の不快臭もなく、木綿豆腐の味、風味も従来のものと変らなかった。
【0019】
実施例19 マヨネーズの製造
卵黄15重量部に、塩10重量部、砂糖1重量部を加えよく混ぜ合わせ、これに植物油75重量部を少量ずつ加えながら攪拌する。糊状になってきたら食酢10重量部と実施例1、3、5、7、9、11、13及び15で得られた無臭化した油、又は実施例2、4、6、8、10、12、14及び16で得られた乳化液を、それぞれマヨネーズ100重量部当たりDHA若しくはそのエチルエステル又はEPA若しくはそのエチルエステル0.1重量部になるように加えながら粘度を調整し、マヨネーズを製造した。
上記のようにして得られたマヨネーズは、いずれも魚油特有の不快臭もなく、マヨネーズの味、風味も従来のものと変らなかった。
【0020】
実施例20
DHAを25重量%含有する油100重量部当たり食酢を10重量部を添加、混合する。得られた白濁液を放置すると、二相に分離するので下層部の食酢を主体とする液体を濾過、除去する。このような処理を施したDHAを含有する白濁液100重量部と水100重量部とをミキサー中に入れ、混合、乳化する。この場合、水は予め窒素ガスを送入して水中の酸素を除去しておくことが好ましい。
得られたDHAを含有する乳化液は無臭で安定な乳化液であり、これをこんにゃく製造時に添加することによって、こんにゃくの風味を害することなく高割合でDHAを含有した健康食として適したこんにゃくを得た。
実施例21 こんにゃくの製造
EPAを25重量%含有する油100重量部当たり食酢を10重量部を添加、混合する。得られた白濁液を放置すると、二相に分離するので下層部の食酢を主体とする液体を除去する。このような処理を施したEPAを含有する白濁液100重量部と水100重量部とをミキサー中に入れ、混合、乳化する。この場合、水は予め窒素ガスを送入して水中の酸素を散逸させておくことが好ましい。
得られたEPAを含有する乳化液は無臭で安定な乳化液であり、これをこんにゃく製造時に添加することによって、こんにゃくの風味を害することなく高割合でEPAを含有した健康食として適したこんにゃくを得た。
【0021】
実施例22
実施例1、3、5、7、9、11、13及び15で得られた無臭化した油、又は実施例2、4、6、8、10、12、14及び16で得られた乳化液を、アイスクリーム、ヨーグルト、マーガリン、味噌にそれぞれ添加した。アイスクリーム100重量部、ヨーグルト100重量部、マーガリン10重量部、味噌100重量部当たり、それぞれDHA若しくはそのエチルエステル又はEPA若しくはそのエチルエステル0.2重量部を含有する。それぞれの食品の風味、味を調べたが、いずれも魚油特有の不快臭もなく、従来のものと変らなかった。
実施例23 クリームの製造
流動パラフィン 45重量部
ステアリルアルコール 7重量部
ステアリン酸 3重量部
スクアラン 7重量部
ワセリン 13重量部
プロピレングリコール 12重量部
水添ラノリン 3重量部
からなる混合物を、70℃で加熱溶解して、そこに実施例1、3、5、7、9、11、13及び15で得られた無臭化した油5.0重量%、又は実施例2、4、6、8、10、12、14及び16で得られた乳化液10.0重量%をそれぞれ添加し、均一に乳化した後に、冷却してクリーム製品を得た。
製造時及び1カ月後に着色、匂いなどを調べたが、これらは、いずれも着色、魚油特有の不快臭もなかった。
【0022】
実施例24 乳液の製造
エチルアルコール 15重量部
プロピレングリコール 12重量部
グリセリン 3重量部
ステアリン酸 2重量部
セチルアルコール 1重量部
精製水 59重量部
からなる混合物に、実施例1、3、5、7、9、11、13及び15で得られた無臭化した油5.0重量%、又は実施例2、4、6、8、10、12、14及び16で得られた乳化液10.0重量%をそれぞれ添加し、室温下に攪拌混合して乳液製品を得た。
製造時及び1カ月後に着色、匂いなどを調べたが、これらは、いずれも着色、魚油特有の不快臭もなかった。
【0023】
比較例1
DHA25重量%含有の魚油100重量部にりんご酢2、10及び50重量部をそれぞれ添加、混合した懸濁液と、本発明の実施例1、3、5、7、9、11、13及び15で得られた無臭化した油、又は実施例2、4、6、8、10、12、14及び16で得られた乳化液との時間経過に伴う魚油特有の不快臭の発生の有無を調べた。前記の懸濁液と本発明の油及び乳化液をそれぞれ製造後、密閉容器に入れて室温で2日間、1週間、1カ月間放置すると、前記の懸濁液は、いずれも魚油特有の不快臭が発生していた。しかし、本発明の油及び乳化液は、いずれも1カ月経過後魚油特有の不快臭が発生していなかった。
【0024】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明は高度不飽和脂肪酸及び/又はそのエステルを含有する油に食酢及び/又は柑橘類ジュースを添加混合後、水相を除去して無臭化処理を施した油、又は前記の処理した油と水とを乳化させることによって得られた乳化液は何れも長期にわたり安定で無臭化された。これらを食品や化粧品に添加することにより、魚油特有の不快臭を有することなく高含有量で配合した食品又は化粧品が得られ、殊に、従来のEPA又はDHA含有食品の場合に比して約10倍程度の高含有EPA又はDHA含有食品を得ることができ、従って、薬効のあるEPA若しくはそのエステル又はDHA若しくはそのエステルなどを魚臭を感じることなく容易に摂取することができる。

Claims (4)

  1. 高度不飽和脂肪酸及び/又はそのエステルを含有する魚油に、食酢及び/又は柑橘類ジュースを添加し混合した後、水相を除去することを特徴とする無臭化及び安定化された高度不飽和脂肪酸及び/又はそのエステルを含有する油。
  2. 請求項1で得られた油に水を加え、乳化することを特徴とする高度不飽和脂肪酸及び/又はそのエステルを含有する乳化液。
  3. 請求項1記載の油を添加した食品又は化粧品。
  4. 請求項2記載の乳化液を添加した食品又は化粧品。
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