JP6504224B2 - セメントキルン抽気ガスの処理方法 - Google Patents
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Description
本発明は、セメントキルン抽気ガスの処理方法に関し、特に詳細にはセメント製造設備の排ガスから燃焼ガスの一部を抽気して抽気ガス中に含有される塩素及び三酸化硫黄を除去するために設置された脱塩バイパス設備における抽気ガスの処理方法に関する。
セメントの製造においては、原料・燃料の代替材料として、廃棄物を多く利用している。
その結果、塩素のキルンへの取り込み量が多くなり、セメントの品質の確保、操業安定の確保しようとするために、原料を含む窯尻ガスを外部に抽気し、冷却することで、塩素濃度の高いダストを系外に取りだす塩素バイパス設備が、多くのセメントキルンに導入されて稼働している。
その結果、塩素のキルンへの取り込み量が多くなり、セメントの品質の確保、操業安定の確保しようとするために、原料を含む窯尻ガスを外部に抽気し、冷却することで、塩素濃度の高いダストを系外に取りだす塩素バイパス設備が、多くのセメントキルンに導入されて稼働している。
セメント製造工程の系内に、塩素や三酸化硫黄が多く含まれると、ボトムサイクロンや仮焼炉壁面に低融点物質が付着して当該物質を核として、コーチングが付着し、流路が細くなったり、又はコーチング脱落による閉塞等の操業上のトラブルが頻発してしまうという問題がある。
塩素バイパス排ガスの処理方法としては、例えば、特開2013−180941号公報(特許文献1)に、セメントクリンカ生産量、燃費及び消費電力への影響を小さく抑えながら塩素バイパス排ガスを処理するために、セメントキルン2の窯尻から最下段サイクロンに至るまでのキルン排ガス流路よりプローブ3により燃焼ガスGを抽気しながら低温ガスにより冷却する塩素バイパスシステムにおいて、抽気ガスG2からダスト(塩素バイパスダストD2)を捕集した後の集塵機出口排ガス(排ガスG3)を冷却する第2冷却器10と、第2冷却器で冷却された抽気ガス(排ガスG5)をプローブに戻す循環ルート12とを備える塩素バイパス排ガスの処理装置1が記載されている。
また、バイパスダストの塩素濃度調整方法としては、特開2000−146458号公報(特許文献2)に、キルン排ガスのバイパス装置及び方法においてキルン排ガスから回収されるバイパスダストの塩素濃度を調整することができるバイパスダストの塩素濃度調整装置及び方法が記載されており、具体的には、キルン11からプローブ13を介して抽気された排ガス中に含まれるダストはサイクロン14によって粗粉ダストとバイパスダストとに分級され、粗粉ダストはサイクロン14の下端部から回収されて粗粉ダスト後添加装置21に入り、バイパスダストを含む排ガスはサイクロン14から排出されて冷却器15へと送られ、粗粉ダストの一部は粗粉ダスト後添加装置21からバイパスダストを含む排ガス中に添加され、残りが再びキルン系内へ戻され、塩素濃度の高いバイパスダストに塩素濃度の低い粗粉ダストの一部を混合することが記載されている。
しかし、上記いずれの従来の方法においても、微粉ダストの塩素濃度が25%以上となる場合には、バイパスダストの吸湿性が増加して付着性が増すために、そのハンドリング性状が悪くなり、バイパスダストの搬送性が悪化する等、取り扱いが困難となり、サイロからの抜き出しに問題がある。
また、従来の方法においては、回収される微粉に石灰石、セメント焼成前原料を混入させることで、ハンドリングの改善を図っているが、回収されるダストが増加することに対し、抜き出し塩素量は増加しないとう問題があった。
また、従来の方法においては、回収される微粉に石灰石、セメント焼成前原料を混入させることで、ハンドリングの改善を図っているが、回収されるダストが増加することに対し、抜き出し塩素量は増加しないとう問題があった。
塩素バイパス設備においては、抽気したガスからダストを粗粉と微粉とに分級し、塩素等が濃縮した微粉ダストを系外に排出することとしているが、その粒径が小さいほど塩素濃度が高くなる一方、微粉の発生量は少なくなる。また、分級機の分級点は容易に変更することができないため、一度設定した分級機の分級ポイントを、微粉の発生量の減少にあわせて、最適な分級ポイントに変更することは困難である。更に、粒径の小さなダストを回収するほうが塩素の回収効率は良いが、その場合ダスト中の塩素濃度が高く、ダストのハンドリング上、大きな障害があることがわかっている。
塩素のみならず、三酸化硫黄も、セメント製造装置内でコーチングを形成して、操業阻害要因となる物質であり、系外に排出できることが望ましいが、三酸化硫黄粒子の粒径による該物質の含量の偏在は、塩素ほど顕著ではなく、ダスト量に比例している。
しかし、抽気したものをすべてダストとして排出してしまうと、そのダスト量も多くなり、その結果、ダストの処理に問題が生じてしまう。
しかし、抽気したものをすべてダストとして排出してしまうと、そのダスト量も多くなり、その結果、ダストの処理に問題が生じてしまう。
更に、含有される硫酸塩化合物は多くを除去することができず、セメントキルン系内に蓄積してしまうこととなる。硫酸塩化合物を多く除去でできるように抽気量を最適化した場合には、熱ガスを抽気することとなるので、熱ロスになり、好ましくない。
一方、セメント製造工程の系内に取り込む塩素や硫酸の量の割合に依存して、塩素バイパス方法に最適なポイントがあると考えられる。
かかる最適なポイントでバイパス設備を運転することにより、塩素及び硫酸塩化合物の濃縮度合いが適切となり、セメント製造操業が安定し、製造するセメントの品質の安定にもつながることが期待されている。
かかる最適なポイントでバイパス設備を運転することにより、塩素及び硫酸塩化合物の濃縮度合いが適切となり、セメント製造操業が安定し、製造するセメントの品質の安定にもつながることが期待されている。
従って、本発明の目的は、上記問題を解決し、セメント製造設備の排ガスから燃焼ガスの一部を抽気して、抽気ガス中に含有される塩素とともに三酸化硫黄をも効率良く除去するための脱塩バイパス設備の抽気ガスの処理方法を提供することである。
本発明者らは、抽気ガス中のダストを分級するための分級サイクロンに導入する前の抽気ガスの一部を、分級機サイクロンには導入せずに、分級サイクロンをバイパスして処理すること等により、上記課題を達成することを見出し、本発明に到った。
請求項1記載の発明は、セメントキルンの窯尻から仮焼炉の最下段に至るまでのセメントキルン排ガス流路より、燃焼排ガスの一部を抽気して、抽気ガス中のダストを回収して前記セメントキルン系外に排出する方法において、抽気したガスを分級機に導入する前に抽気ガスの一部を分岐し、分岐された抽気ガスは、分岐されなかった抽気ガスが導入されて微粉と粗粉とに分離される分級サイクロンをバイパスして、前記分級サイクロンから排出される微粉ダストが含まれているガスと合流させた後、当該合流ガスを熱交換器で冷却し、次いでバグフィルターで微粉ダストを回収することを特徴とする、セメントキルン抽気ガスの処理方法である。
請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、分級サイクロンをバイパスさせる分岐抽気ガスのバイパス率は、抽気ガスの25〜75%(容量%)であることを特徴とする、セメントキルン抽気ガスの処理方法である。
請求項3記載の発明は、上記請求項1又は2記載の発明において、前記バグフィルターから回収される微粉ダスト及び前記熱交換器で冷却されることにより回収されるダストは、ダストビンに導入され、当該ダストビン中のダストの塩素含有量又は三酸化硫黄含有量を測定し、該測定値に応じて、分級サイクロンをバイパスする分岐抽気ガスのバイパス率を変動させることを特徴とする、セメントキルン抽気ガスの処理方法である。
請求項4記載の発明は、上記請求項1乃至3いずれかの項記載の発明において、燃焼排ガスの一部を抽気する抽気率は0.8〜10%(容量%)とすることを特徴とする、セメントキルン抽気ガスの処理方法である
本発明の方法によれば、抽気ガス中に含有される塩素とともに三酸化硫黄をも効率良く除去することができ、セメントキルン系内の塩素及び三酸化硫黄の濃度を低減することが可能となる。
また、排ガス中の塩素及び三酸化硫黄の含有量を低減することができ、脱塩バイパス設備中でのコーチングの発生を抑制することができ、ダストの搬送性が良好となるとともに、セメント製造設備内でのコーチングの発生も抑制することが可能となる。
また、排ガス中の塩素及び三酸化硫黄の含有量を低減することができ、脱塩バイパス設備中でのコーチングの発生を抑制することができ、ダストの搬送性が良好となるとともに、セメント製造設備内でのコーチングの発生も抑制することが可能となる。
本発明を、以下の好適例を用いて説明するが、これらに限定されるものではない。
本発明のセメントキルン抽気ガスの処理方法は、セメントキルンの窯尻から仮焼炉の最下段に至るまでのセメントキルン排ガス流路より、燃焼排ガスの一部を抽気して、抽気ガス中のダストを回収して前記セメントキルン系外に排出する方法において、抽気したガスを分級機に導入する前に抽気ガスの一部を分岐し、分岐された抽気ガスは、分岐されなかった抽気ガスが導入されて微粉と粗粉とに分離される分級サイクロンをバイパスして、前記分級サイクロンから排出される微粉ダストが含まれているガスと合流させた後、当該合流ガスを熱交換器で冷却し、次いでバグフィルターで微粉ダストを回収する、セメントキルン抽気ガスの処理方法である。
本発明によれば、排ガス中の塩素及び三酸化硫黄の含有量を低減することができ、脱塩バイパス設備及びセメント製造設備中中でのコーチングの発生を抑制することができることとなる。
次に、図1を参照しながら本発明の処理方法を説明する。
図1は、セメントキルン排ガス流路を流れる燃焼ガスから抽気された抽気ガスを、脱塩バイパス設備によって、抽気ガス中に含有される塩素及び三酸化窒素を効率良く除去するための本発明による処理方法を模式的に示す図であり、Aは、脱塩バイパス設備である。
なお、実線は、ダストの流れを示し、破線は抽気ガスの流れを表す。
具体的には、まず、セメントキルン1の窯尻から、仮焼炉2の最下段の間のセメントキルン排ガス流路に、プローブ3を設け、該プローブ3を介して、セメントキルン排ガス流路から、排ガスの一部を抽気する。
図1は、セメントキルン排ガス流路を流れる燃焼ガスから抽気された抽気ガスを、脱塩バイパス設備によって、抽気ガス中に含有される塩素及び三酸化窒素を効率良く除去するための本発明による処理方法を模式的に示す図であり、Aは、脱塩バイパス設備である。
なお、実線は、ダストの流れを示し、破線は抽気ガスの流れを表す。
具体的には、まず、セメントキルン1の窯尻から、仮焼炉2の最下段の間のセメントキルン排ガス流路に、プローブ3を設け、該プローブ3を介して、セメントキルン排ガス流路から、排ガスの一部を抽気する。
抽気率を高くすると、回収するダストの発生量は増えるが、その場合には回収ダストの処理が大変であり、コストが増大することとなる。
従って、抽気率は、該キルン排ガス流路を流れる燃焼ガスの0.8〜10.0%(容量%)、好ましくは1.3〜5.0%程度とすることが望ましい。
従って、抽気率は、該キルン排ガス流路を流れる燃焼ガスの0.8〜10.0%(容量%)、好ましくは1.3〜5.0%程度とすることが望ましい。
抽気した排ガス(以下、抽気ガス)は、抽気ガス中に含まれるダストを分級するために、分級サイクロン5に導入されるが、分級サイクロンに導入される前に、該抽気ガスの一部を分岐させる。
分岐された一部の抽気ガスは、分級サイクロン4には導入されず、分級サイクロン4をバイパスさせるようにする。
分岐された一部の抽気ガスは、分級サイクロン4には導入されず、分級サイクロン4をバイパスさせるようにする。
分岐された一部の抽気ガス以外の抽気ガスは、分級サイクロン4に導入されて、含有されるダストを粗粉D1と微粉とに分別される。
粗粉と微粉との分級点は、特に限定されないが、通常は、10μm付近が分級点となる。
但し、分級サイクロン4を通過する風量は、抽気ガスの一部が分岐されてバイパスしているため、少なくなる。よって、分級サイクロン4の分級点は、粗くなり、回収微粉ダストの塩素濃度は低くなる。塩素濃度の高い微粉ダストを回収するために、粗粉、微粉の分級機は高効率に分級したほうがよい。しかし、塩素濃度を高くしてしまうと、回収微粉ダストの発生量が少なく、かつ塩素濃度が高くハンドリングが非常に悪く、ダストビンからの排出ができなくなってしまう。
一般に塩素及び三酸化硫黄は、微粉ダストに多く含まれているため、分級サイクロン4で分離した粗粉ダストは回収されて、セメントキルン系内に戻される。
セメント系内に戻された粗粉ダストは、例えば、セメント原料サイロ(図示せず)に混合されて、セメント原料として利用することができる。
粗粉と微粉との分級点は、特に限定されないが、通常は、10μm付近が分級点となる。
但し、分級サイクロン4を通過する風量は、抽気ガスの一部が分岐されてバイパスしているため、少なくなる。よって、分級サイクロン4の分級点は、粗くなり、回収微粉ダストの塩素濃度は低くなる。塩素濃度の高い微粉ダストを回収するために、粗粉、微粉の分級機は高効率に分級したほうがよい。しかし、塩素濃度を高くしてしまうと、回収微粉ダストの発生量が少なく、かつ塩素濃度が高くハンドリングが非常に悪く、ダストビンからの排出ができなくなってしまう。
一般に塩素及び三酸化硫黄は、微粉ダストに多く含まれているため、分級サイクロン4で分離した粗粉ダストは回収されて、セメントキルン系内に戻される。
セメント系内に戻された粗粉ダストは、例えば、セメント原料サイロ(図示せず)に混合されて、セメント原料として利用することができる。
上記分級サイクロン4で回収された粗粉D1の一部は、粗粉分岐ダンパー5により、必要に応じて、分級サイクロン4から排出された微粉ダストを含む排ガス等と合流されることができる。
これにより、粗粉ダストと微粉ダスト中の塩素とを接触させて、粗粉ダストに塩素を付着させることにより、ハンドリングしやすくし、コーチングを抑制することとなる。
これにより、粗粉ダストと微粉ダスト中の塩素とを接触させて、粗粉ダストに塩素を付着させることにより、ハンドリングしやすくし、コーチングを抑制することとなる。
また、分級サイクロン4には導入されず当該分級サイクロン4をバイパスした上記分岐された抽気ガスは、前記分級サイクロン4から排出された微粉を含む排ガスと合流させる。
これにより、排ガス中に含まれる塩素等を多く含む微粉ダストと、前記バイパスした分岐抽気ガス中のダストとを接触させて、微粉中の塩素を、バイパスした分岐抽気ガス中のダストに付着させることで、ハンドリングが容易となり、コーチングを抑制することとなる
これにより、排ガス中に含まれる塩素等を多く含む微粉ダストと、前記バイパスした分岐抽気ガス中のダストとを接触させて、微粉中の塩素を、バイパスした分岐抽気ガス中のダストに付着させることで、ハンドリングが容易となり、コーチングを抑制することとなる
次いで、分級サイクロン4から排出された微粉ダストを含む排ガスと、分岐させた上記抽気ガスとを合流させたガスを、熱交換器8に導入して冷却する。
熱交換器8には、冷却用ファン7を介して空気を導入して(−・−線)流通させて、合流排ガスを、例えば150〜200℃程度に冷却する。
熱交換器8には、冷却用ファン7を介して空気を導入して(−・−線)流通させて、合流排ガスを、例えば150〜200℃程度に冷却する。
熱交換器8で冷却された排ガスは、バグフィルター9に導入されて、微粉ダスト等のダストが回収され、回収されたダストはダストビン10に貯蔵されることで、塩素及び三酸化硫黄を効率良く除去することが可能となる。微粉ダストの回収は、かかるバグフィルター9から回収されるダストが主ルートとなる。
回収されたダストはダストビン10に貯蔵されることで、塩素及び三酸化硫黄を効率良く除去することが可能となる。
回収されたダストはダストビン10に貯蔵されることで、塩素及び三酸化硫黄を効率良く除去することが可能となる。
なお、上記熱交換器8でダストの一部が熱交換器8に付着することがあり、かかる熱交換器8に付着したダストは回収されてダストビン10に貯蔵する。
バグフィルター9から排出される、塩素及び三酸化硫黄が除去された排ガスは、バグファン11を介して放出される。
かかるバグファン11を調節することで、セメントキルンからの排ガスの抽気率を調節することが可能となる。
かかるバグファン11を調節することで、セメントキルンからの排ガスの抽気率を調節することが可能となる。
また、バグフィルター9及び熱交換器8から回収されたダストはダストビン10に貯蔵されて、ダストビン10中のダストの塩素濃度及び三酸化硫黄の濃度を測定し(図示せず)、測定濃度値に応じて、バイパスダンパー6を調節することで、セメントキルンからの抽気ガス中、分級サイクロン4をバイパスする分岐抽気ガスの割合を決定する。
例えば、回収されたダストビン10中のダストの塩素濃度及び三酸化硫黄の測定濃度が大きく、ダストのハンドリングし難さ等の問題が生じる場合には、これらの濃度を下げることが望ましいことから、バイパス率を高くする操作を行うように調整する。これにより、回収されるダストの塩素濃度及び三酸化硫黄の濃度が下がり、回収されるダストの発生量が多くなる。
また、かかるバイパス率は、抽気ガスの25〜75%(容量%)、好ましくは30〜60%(容量%)の範囲内で調整することが、本発明の上記効果をより有効に奏することができるため望ましい。
例えば、回収されたダストビン10中のダストの塩素濃度及び三酸化硫黄の測定濃度が大きく、ダストのハンドリングし難さ等の問題が生じる場合には、これらの濃度を下げることが望ましいことから、バイパス率を高くする操作を行うように調整する。これにより、回収されるダストの塩素濃度及び三酸化硫黄の濃度が下がり、回収されるダストの発生量が多くなる。
また、かかるバイパス率は、抽気ガスの25〜75%(容量%)、好ましくは30〜60%(容量%)の範囲内で調整することが、本発明の上記効果をより有効に奏することができるため望ましい。
例として、図1に示す脱塩バイパス設備Aのセメントキルン1の窯尻からセメントキルン排ガスの一部を脱塩プローブ3から抽気する抽気率を、それぞれ体積割合で、1.3容量%、2.6容量%、5.0容量%として、本発明の処理方法を実施した。
上記各抽気率の抽気ガスの一部を、脱塩バイパス設備Aにおいて、分級サイクロン4をバイパスさせる(導入しない)分岐抽気ガスのバイパス率をバイパスダンパー6で調整しながら、体積割合で、0%、25%、50%、75%、100%(容量%)にそれぞれ設定して、本発明の処理方法を実施した。
ダストビン10中のダスト中に含まれる塩素含有量(質量%)と三酸化硫黄含有量(質量%)とを測定し、バイパス率と塩素含有量(%)、バイパス率と三酸化硫黄含有量(%)との関係を表1及び図2〜図4示す。
上記各抽気率の抽気ガスの一部を、脱塩バイパス設備Aにおいて、分級サイクロン4をバイパスさせる(導入しない)分岐抽気ガスのバイパス率をバイパスダンパー6で調整しながら、体積割合で、0%、25%、50%、75%、100%(容量%)にそれぞれ設定して、本発明の処理方法を実施した。
ダストビン10中のダスト中に含まれる塩素含有量(質量%)と三酸化硫黄含有量(質量%)とを測定し、バイパス率と塩素含有量(%)、バイパス率と三酸化硫黄含有量(%)との関係を表1及び図2〜図4示す。
また、上記抽気率を体積割合で1.3%、2.6%、5.0%(容量%)とした場合の、塩素及び三酸化硫黄の成分抽気量(kg/日)及び抽気ダスト発生量(kg/日)と、バイパス率との関係を、表1及び図5〜7に示す。
なお、塩素の成分抽気量(kg/日)とは、抽気ダスト発生量(kg/日)×ダストビン中の含まれる1日のダストの塩素含有量を示す。
なお、塩素の成分抽気量(kg/日)とは、抽気ダスト発生量(kg/日)×ダストビン中の含まれる1日のダストの塩素含有量を示す。
上記図2〜7より、塩素の除去効率は、バイパス率を75%(容量%)以上としても、塩素除去の効率性が上昇するわけではないので、バイパス率を25〜75%(容量%)とすることがよいことがわかる。
また、三酸化硫黄は、バイパス率を上げると多く除去することができることがわかるが、バイパス率を体積割合で25〜75%(容量%)とすることで、塩素との同時除去を効率良く行うことが可能となる。
また、三酸化硫黄は、バイパス率を上げると多く除去することができることがわかるが、バイパス率を体積割合で25〜75%(容量%)とすることで、塩素との同時除去を効率良く行うことが可能となる。
本発明のセメントキルン抽気ガスの処理方法は、セメントキルンからの排ガス中の塩素及び三酸化硫黄の除去に有効に除去することができるため、セメント製造設備に有効に適用することができる。
A・・・・脱塩バイパス設備
1・・・・セメントキルン
2・・・・仮焼炉
3・・・・脱塩プローブ
4・・・・分級サイクロン
5・・・・粗粉分岐ダンパー
6・・・・バイパスダンパー
7・・・・冷却用ファン
8・・・・熱交換器
9・・・・バグフィルター
10・・・ダストビン
11・・・バグファン
1・・・・セメントキルン
2・・・・仮焼炉
3・・・・脱塩プローブ
4・・・・分級サイクロン
5・・・・粗粉分岐ダンパー
6・・・・バイパスダンパー
7・・・・冷却用ファン
8・・・・熱交換器
9・・・・バグフィルター
10・・・ダストビン
11・・・バグファン
Claims (4)
- セメントキルンの窯尻から仮焼炉の最下段に至るまでのセメントキルン排ガス流路より、燃焼排ガスの一部を抽気して、抽気ガス中のダストを回収して前記セメントキルン系外に排出する方法において、抽気したガスを分級機に導入する前に抽気ガスの一部を分岐し、当該分岐された抽気ガスは、分岐されなかった抽気ガスが導入されて微粉と粗粉とに分離される分級サイクロンをバイパスして、前記分級サイクロンから排出される微粉ダストが含まれているガスと合流させた後、当該合流ガスを熱交換器で冷却し、次いでバグフィルターで微粉ダストを回収することを特徴とする、セメントキルン抽気ガスの処理方法。
- 請求項1記載の発明において、分級サイクロンをバイパスさせる分岐抽気ガスのバイパス率は、抽気ガスの25〜75%(容量%)であることを特徴とする、セメントキルン抽気ガスの処理方法。
- 請求項1又は2記載の発明において、前記バグフィルターから回収される微粉ダスト及び前記熱交換器から回収されるダストは、ダストビンに導入され、当該ダストビン中のダストの塩素含有量又は三酸化硫黄含有量を測定し、該測定値に応じて、分級サイクロンをバイパスする分岐抽気ガスのバイパス率を変動させることを特徴とする、セメントキルン抽気ガスの処理方法。
- 請求項1乃至3いずれかの項記載の発明において、燃焼排ガスの一部を抽気する抽気率は0.8〜10%(容量%)とすることを特徴とする、セメントキルン抽気ガスの処理方法。
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