JP2004122024A - 亜鉛含有スラリー処理装置及び処理方法 - Google Patents

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神川 進
Hideaki Mizushiro
水城 英明
Yoshimitsu Onaka
尾仲 由光
Atsushi Too
東尾 篤史
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Abstract

【課題】亜鉛含有ダストを単段の湿式サイクロンで処理する方法は、スラリーとしての流動性が劣り、閉塞等の問題が起こりやすいことが分かった。そこで、分級性能を向上させ、閉塞等の問題の起きない装置を提供する。
【解決手段】亜鉛含有ダストを含むスラリー1を、まず1段目湿式サイクロン2で分級し、主に微粒子で存在する亜鉛を1段目オーバーフロー3として分離する。1段目アンダーフロー4には主に鉄および分離できなかった亜鉛が含まれるが、この1段目アンダーフロー4を、更に2段目湿式サイクロン5(1段目湿式サイクロンとは分級性能が異なる)で分級し、2段目オーバーフロー6として亜鉛分を分離する。1段目オーバーフロー3と2段目オーバーフロー6で得られた高濃度亜鉛含有ダストを含むスラリーを脱水し、混合・成形して成形原料とし、これを回転炉床型還元炉で脱亜鉛処理する。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、製鉄工程において発生する各種の亜鉛含有ダストを含むスラリーを処理する装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
製鉄工程で多量に発生する各種ダストには鉄分および炭素分が多く含まれており、鉄原料として再利用されることが望まれているが、ダスト中には亜鉛が含まれているため、再利用が制限されている。高炉・転炉法においては、その製造工程で発生する各種ダストを焼結原料の一部として利用し、再び高炉原料とすることによって再利用しているが、高炉湿ダストや転炉ダスト中には0.1〜2.0%程度の亜鉛が含有されている。これらの亜鉛は原料の鉄鉱石や転炉に装入するスクラップに由来しており、ダストの循環再利用によって濃縮されたものである。亜鉛含有量の高いダストを高炉へ投入すると、炉壁煉瓦を侵食する等、高炉操業に支障を来たすため、ダストの再利用は制限を受けている。
【0003】
一方、電炉法においては、スクラップを主たる原料としているため、発生するダスト中には18〜20%程度の亜鉛が含有されている。しかしながら、発生ダストの大部分は、ウェルツ法などの亜鉛回収処理を経て(あるいは経ずに)廃棄物処理されている。このように製鉄工程で発生するダストを再利用するには、含有する亜鉛を分離することが不可欠である。
【0004】
表1に亜鉛含有ダストの粒度分布と化学組成、及び亜鉛の分布率の一例を示す。この例ではダスト中の亜鉛が、5μm以下の微粒子に多く分布しているが、これは製鉄工程における亜鉛含有ダストの一般的な傾向である。
【表1】
Figure 2004122024
【0005】
製鉄工程で発生する亜鉛含有ダストの処理方法として、同ダストと石炭等の炭素質還元剤粉末を混合・成形して、ペレットもしくはブリケットとし、回転炉床式還元炉にて1000℃以上の高温加熱処理することによって亜鉛を気相中に移行させ、亜鉛を除去する方法がある。
図3は従来の技術に係る亜鉛含有ダストを含むスラリーを用いて亜鉛分離性能を単段の湿式サイクロンで得ようとした場合のダストの重量収支を説明する図、図4は従来の技術に係る回転炉床式還元炉にて亜鉛を除去する概略構成を示す図である。
【0006】
図3は亜鉛含有ダストを高濃度亜鉛含有ダストと低濃度亜鉛含有ダストに分離するのに、湿式サイクロンを単段で使用する従来の方法である(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。亜鉛含有ダストを含むスラリー1は湿式サイクロン8によりオーバーフロー9とアンダーフロー10に分離される。高濃度亜鉛含有ダストはオーバーフロー9側に低濃度亜鉛含有ダストはアンダーフロー10側にそれぞれ分離される。図3中の表は固相分、鉄(Fe)、亜鉛(Zn)、固相分比率をそれぞれの位置で示す。
【0007】
また、従来の技術に係る回転炉床式還元炉にて亜鉛を除去する施設を図4を参照して説明する。19は亜鉛含有ダスト等の酸化鉄微粉原料の貯槽を示し、20は石炭粉等の炭素質還元剤粉の貯槽を示し、21は粘結剤の貯槽を示している。そして、混合機22は、各貯層19,20、21から切り出された各粉体に水を添加しながら混合し、成形機23によって、この混合粉をペレットもしくはブリケット状に成形して成形原料27とする。
【0008】
一方、24は回転炉床式還元炉を示し、この回転炉床式還元炉24の回転炉床上に、成形原料27を連続的に装入する。回転炉床の回転に伴って、回転炉床上の成形原料27はバーナー26によって1000℃以上の高温まで加熱される。成形原料27中の亜鉛は酸化物として存在するが、炭素質還元剤と高温雰囲気の作用により還元揮発し、回転炉床が1回転する間に気相中に移行する。また、成形原料27中の酸化鉄も還元鉄に還元されるが固相に留まる。還元鉄は低亜鉛分の鉄源として再利用される。25は排出された還元鉄を一時的に格納するためのコンテナを示す。
【0009】
30は炉内燃焼ガスの排気ダクトを示し、気相中に移行した亜鉛は一次冷却器31、二次冷却器36及び熱交換器32で冷却される過程で排ガス中で再酸化されて固相(酸化亜鉛ZnO)に戻り、排ガス処理設備内の集塵機37で回収され、貯蔵タンク38に貯蔵される。集塵機37で酸化亜鉛が除去された排ガスは、排気ファン39を経て煙突40から大気中に排出される。33は空気で熱交換器32により加熱され、予熱空気34として燃料35と共に回転炉床式還元炉24を加熱するバーナー26に供給される。
【0010】
ところで、回転炉床式還元炉においては、成形原料の加熱効率の点から、回転炉床単位面積あたりの成形原料装入量の最適値が存在する。したがって、回転炉床面積は、装入される成形原料の量によって決定され、この必要炉床面積によって回転炉床式還元炉全体の大きさが決定される。当然のことながら、前工程である混合・成形・輸送などの原料設備や、後工程である還元鉄処理設備、また還元炉からの排ガスを処理する設備などの付帯設備についても、その大きさ・容量は、処理される成形原料の量によって決定される。
【0011】
したがって、成形原料の量すなわち処理する亜鉛含有ダスト量が多量の場合には、炉床面積も大きくなり、還元炉のみならず、付帯設備も含めた設備費が増大するという経済的な問題を生じるが、亜鉛含有ダストを高濃度亜鉛含有ダストと低濃度亜鉛含有ダストに分離し、高濃度亜鉛含有ダストのみを還元炉で処理することによって、亜鉛含有ダスト全量を還元炉で処理する場合に比較して、回転炉床式還元炉および付帯設備全体の設備は小型で済むので、設備費が低減される効果がある。
【0012】
【特許文献1】
特開昭53−81479号公報(第3頁右上(8)18行目〜右下(10)8行目及び第3図)
【特許文献2】
特開平10−317018号公報(第3頁左段落〔0015〕〜〔0018〕及び第1図)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の技術である亜鉛含有ダストを単段の湿式サイクロンで処理する方法は以下のような問題があり、図3を参照して説明する。湿式サイクロン8の上部胴径は120mmの場合であるが、オーバーフロー側への亜鉛捕集率を上げるためにアンダーフロー出口径を16mmとしている。この場合、単段オーバーフロー9の高濃度亜鉛含有スラリーは、初期投入の半分以上である52.1wt%の固相分を含んでおり、後工程での処理重量は増加することになる。また、単段アンダーフロー10の固相分比率は19wt%となり、スラリーとしての流動性が劣り、閉塞等の問題が起こりやすいことが分かった。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の本発明は、製鉄工程で発生する亜鉛含有ダストを含むスラリーを処理する亜鉛含有スラリー処理装置において、分級性能が異なる湿式サイクロンを直列に少なくとも2段備えたことを特徴とする。
【0015】
直列に備えた前段湿式サイクロンと後段湿式サイクロンは、そのサイズの違いにより分級性能が異なる。一般に湿式サイクロンでは、アンダーフロー出口径など各部の寸法は上部胴径に比例している。上部胴径を小さくするほど、より細かな粒子までアンダーフロー側に捕集することができるが、同時にアンダーフロー配管の口径も比例的に小さくなり、アンダーフローに流出する液相分は減少し、固相分比率が増加する。すなわち、アンダーフローは固相分と液相分から成るが、上部胴径を小さくすると、アンダーフローに占める固相分の比率が増え、スラリーとしての流動性が保ちにくくなり、場合によってはアンダーフロー配管口径が小さいために、閉塞してしまうこともある。また、上部胴径を小さくすると、湿式サイクロン自体の圧損も大きくなるという弊害もある。しかしながら、適当な分級性能の異なるサイクロンを直列に備えることにより、アンダーフローとオーバーフローとを適切に組み合わせて亜鉛含有ダストを含むスラリーを分級し、分離する高亜鉛側の固相分を減少させることができる。
【0016】
また、請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の亜鉛含有スラリー処理装置において、直列の少なくとも2段の前記湿式サイクロンのうち、前段の前記湿式サイクロンの径を後段の前記湿式サイクロンの径より大きく備え、前記スラリーを前段の前記湿式サイクロンで前段オーバーフローと前段アンダーフローに分離し前記前段アンダーフローを後段の前記湿式サイクロンで更に後段オーバーフローと後段アンダーフローに分離するように構成したことを特徴とする。
【0017】
前段に、比較的大径の湿式サイクロンを用い、亜鉛含有ダストを含むスラリーのまず大雑把に大きな粒子(大部分は鉄)のみをアンダーフローで捕捉し、アンダーフローの固相率を高めずに閉塞の危険を回避する。一方、微細な亜鉛はオーバーフロー側に流れていくので、ある程度の分離ができる。また、前段より径の小さい後段の湿式サイクロンにより、前段のアンダーフローを分離し、アンダーフローにより小さな粒子(大部分は鉄)まで捕捉する。前段アンダーフローにまぎれていた亜鉛の半分以上はここでオーバーフロー側に回収され、一方、大部分の鉄はアンダーフローに捕集される。このように、亜鉛含有ダストを含むスラリー内の亜鉛と鉄及び固相分を効率よく分離することができる。
【0018】
また、請求項3に記載の本発明は、請求項2に記載の亜鉛含有スラリー処理装置において、前段の前記湿式サイクロンのアンダーフロー出口と後段の前記湿式サイクロンとの間に希釈液を供給する希釈液供給口を備えたことを特徴とする。
【0019】
上記構成によれば、亜鉛含有ダストを含むスラリーを分級する湿式サイクロンのアンダーフローに希釈のための液体例えば希釈水を供給することにより前段の湿式サイクロンのアンダーフローの固相分比率を低くおさえ、流路の閉塞を抑えることができる。もし、希釈しないと従来の技術と同程度の固相分比率になるが、すでに前段の湿式サイクロンで一部の亜鉛が分離されているので、従来の技術で必要な固相分比率に対する希釈水量に比較して少ない供給量で済ませることができる。
【0020】
また、請求項4に記載の本発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の亜鉛含有スラリー処理装置において、前段の前記湿式サイクロンのアンダーフロー出口径を18mm以上、後段の前記湿式サイクロンのアンダーフロー出口径を14mm以上としたことを特徴とする。
【0021】
一般に湿式サイクロンでは、アンダーフロー出口径など各部の寸法は上部胴径に比例しており、上部胴径を小さくするほど、すなわちアンダーフロー出口径を小さくするほど、より細かな粒子までアンダーフロー側に捕集することができる。しかし、湿式サイクロンのサイズすなわち分級性能を決定するにあたっては、取り扱うスラリー性状やダスト粒度分布等の条件を考慮すれば良いが、アンダーフローの閉塞を防止するためには、好ましくは前段アンダーフロー出口径を18mm以上、後段アンダーフロー出口径を14mm以上となるように設定するのが望ましい。
【0022】
また、請求項5に記載の本発明の方法は、請求項2乃至4のいずれかに記載の亜鉛含有スラリー処理装置において、前段オーバーフローと後段オーバーフローとを合流させて高濃度亜鉛含有スラリーとして分離する工程と、後段アンダーフローを低濃度亜鉛含有スラリーとして分離する工程とを備えたことを特徴とする。
【0023】
上記方法によれば、適当な分級性能の異なるサイクロンを直列に備えて亜鉛含有ダストを含むスラリーを分級し、分離する高亜鉛側の固相分を効率的に減少させることができ、そのことにより、後工程のダストの処理量が減少し、後工程の装置及びその付帯設備の小型化を図ることができる。
【0024】
また、請求項6に記載の本発明の方法は、請求項5に記載の亜鉛含有スラリー処理装置において、前記高濃度亜鉛含有スラリーを脱水・乾燥させる工程を備えたことを特徴とする。
上記方法によれば、従来技術では再利用されることなく処分されていた亜鉛含有ダスト中の亜鉛を酸化亜鉛として回収・再利用することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って詳細に説明する。図1は本発明の実施の形態に係る亜鉛含有ダストを含むスラリーを使用して実験を行った結果得られたダストの重量収支を説明する図であって、図2は本発明の実施の形態に係る高濃度亜鉛ダストを処理する方法の概略工程を示す図である。なお、図1乃至図4において、同じ構成の部分には同一の符号を付し、それらについての重複する説明は省略する。
【0026】
本発明の実施の形態は、亜鉛含有ダストを含むスラリーを、まず1段目湿式サイクロンで分級し、主に微粒子で存在する亜鉛を1段目オーバーフローとして分離する。1段目アンダーフローには主に鉄および分離できなかった亜鉛が含まれるが、この1段目アンダーフローを、更に2段目湿式サイクロン(1段目湿式サイクロンとは分級性能が異なる)で分級し、2段目オーバーフローとして亜鉛分を分離する。1段目オーバーフローと2段目オーバーフローで得られた高濃度亜鉛含有ダストを含むスラリーを脱水し、混合・成形して成形原料とし、これを回転炉床型還元炉で脱亜鉛処理するものである。
【0027】
<第1の実施の形態>
図1は表1に示す亜鉛含有ダストを含むスラリーを使用して実験を行った結果、得られたダストの重量収支を説明する図である。1段目湿式サイクロン2への初期投入のスラリー1における固相分全体、固相中鉄分、固相中亜鉛分の乾燥重量を各々100%として、2段目湿式サイクロン5の出口に至るまでの間に、各々がどのように分配されるかを示している。1段目湿式サイクロン2の上部胴径は120mm(アンダーフロー出口径は21mm)、2段目湿式サイクロンの上部胴径は90mm(アンダーフロー出口径は14mm)の場合の結果である。
【0028】
図1において、初期量に対して、1段目オーバーフロー3で亜鉛の41.6%が捕集され、さらに2段目オーバーフロー6にて35.5%が捕集されるので、オーバーフロー合計で77.1%の亜鉛が高濃度亜鉛含有スラリー側に捕集される。また、この高濃度亜鉛含有スラリーは、初期投入スラリー1の半分以下である34.5%の固相分および35.1%の鉄しか含んでおらず、大幅に減量されており、後工程の処理量を大幅に減らすことができる。すなわち、初期ダスト総乾燥重量を100%とした場合、その34.5%の処理重量に対応した還元炉およびその付帯設備および前後設備で済むことになる。さらに、高濃度亜鉛含有スラリー中の鉄分は、後工程の還元炉にて還元鉄として回収され、図示していない炭素分も還元工程での還元剤の一部として再利用できる。
【0029】
なお、1段目アンダーフロー4には希釈水を希釈水供給口4aより供給し、1段目アンダーフロー4の固相分比率を調整して、流路の閉塞を防止する。
【0030】
<第2の実施の形態>
図2に第2の実施の形態を示す、高濃度亜鉛ダストを処理する方法の概略構成を示す図である。ダスト発生源より回収した亜鉛含有ダストを含むスラリー1を1段目湿式サイクロン2で分級する。主に微粒側のダストは1段目オーバーフロー3側に分級され、シックナ11に送られる。主に粗粒側のダストは、1段目湿式サイクロン2の底部より取り出される1段目アンダーフロー4側に分級され、2段目湿式サイクロン5に導かれて、2段目オーバーフロー6と2段目アンダーフロー7に再度分級される。2段目アンダーフロー7は、低濃度亜鉛含有ダストとして、回転炉床式還元炉24で処理されることなく再利用工程(例えば高炉製鉄法における焼結原料の一部として再利用)に送られる。
【0031】
1段目オーバーフロー3と2段目オーバーフロー6は、高濃度亜鉛含有ダストからなるスラリーであり、初期ダスト総量に比較して大幅に減量されている。これらは、ともにシックナ11に送られ、沈降分離によりスラリーの固相分は濃縮される。12は抽出された溢水である。得られたシックナケーキ13は、フィルタプレス14で更に水分を除去し、乾燥機17に送られ乾燥処理される。15は脱水液である。
【0032】
次に、乾燥ダスト18は亜鉛含有ダストを含む酸化鉄微粉原料貯槽19に送られる。そして、酸化鉄微粉原料貯層19,石炭粉等の炭素質還元剤粉の貯槽20,粘結剤の貯槽21から切り出された各粉体は混合機22にて、水を添加しながら混合され、成形機23によって、この混合粉をペレットもしくはブリケット状に成形して成形原料27とする。
【0033】
次に、回転炉床式還元炉24の回転炉床上に、成形原料27を連続的に装入する。回転炉床の回転に伴って、回転炉床上の成形原料27はバーナー26によって1000℃以上の高温まで加熱される。成形原料27中の亜鉛は酸化物として存在するが、炭素質還元剤と高温雰囲気の作用により還元揮発し、回転炉床が1回転する間に気相中に移行する。また、成形原料27中の酸化鉄も還元鉄に還元されるが固相に留まる。
【0034】
還元鉄は低亜鉛分の鉄源として再利用される。25は排出された還元鉄を一時的に格納するためのコンテナを示す。30は炉内燃焼ガスの排気ダクトを示し、気相中に移行した亜鉛は排気ダクト30から排ガスと共に排出される。排ガス中の亜鉛は、一次冷却器31、二次冷却器36および熱交換器32で冷却されると共に系内で酸化され、集塵器17で捕集されて酸化亜鉛(ZnO)として回収され貯蔵タンク38に貯蔵される。
【0035】
なお、上記においては還元炉として回転炉床式還元炉で説明したが、これに限定するものではなく他の方式、例えばロータリーキルン式の還元炉を適用しても良い。この場合、上記の実施例において、粘結剤を混合する工程および成形工程は省略できる。
また、上記においては湿式サイクロンとして2段構成で説明したが、2段に限定するものではなく、取り扱うスラリー性状やダスト粒度分布等の条件によっては2段以上の複数段の湿式サイクロンで構成しても良い。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の本発明によれば、製鉄工程で多量に発生する亜鉛を含有する亜鉛含有ダストを含むスラリーより、適当な分級性能の異なるサイクロンを直列に備えることにより、アンダーフローとオーバーフローとを適切に組み合わせて亜鉛を分級し、分離した高亜鉛側の固相分を減少させることができる。
【0037】
また、請求項2の本発明によれば、前段に比較的大径の湿式サイクロンを用い、亜鉛含有ダストを含むスラリーより、まず大雑把に大きな粒子(大部分は鉄)のみをアンダーフローで捕捉し、次に、前段より径の小さい後段の湿式サイクロンにより、前段のアンダーフローを分離し、アンダーフローにより小さな粒子(大部分は鉄)まで捕捉する。前段アンダーフローにまぎれていた亜鉛の半分以上はここでオーバーフロー側に回収され捕集される。このように、亜鉛含有ダストを含むスラリーより、亜鉛と鉄及び固相分を効率よく分離することができる。
【0038】
また、請求項3の本発明によれば、従来の技術で必要な固相分比率に対する希釈水量に比較して少ない希釈水供給量で前段の湿式サイクロンのアンダーフローの固相分比率を低くおさえ、湿式サイクロンのアンダーフローの流路の閉塞を抑えることができる。
【0039】
また、請求項4の本発明によれば、亜鉛含有ダストを含むスラリーを分級する湿式サイクロンのサイズすなわち分級性能を決定するにあたっては、取り扱うスラリー性状やダスト粒度分布等の条件を考慮すれば良いが、好ましくは前段アンダーフロー出口径を18mm以上、後段アンダーフロー出口径を14mm以上となるように設定することにより、アンダーフローの固相分による閉塞を防止し適切な分級性能を設定することができる。
【0040】
また、請求項5の本発明によれば、適当な分級性能の異なるサイクロンを直列に備えて亜鉛含有ダストを含むスラリーを分級し、分離する高亜鉛側の固相分を効率的に減少させることができ、そのことにより、後工程のダストの処理量が減少し、後工程の装置及びその付帯設備の小型化を図ることができる。
【0041】
また、請求項6の本発明によれば、従来技術では再利用されることなく処分されていた亜鉛含有ダスト中の亜鉛を酸化亜鉛として回収・再利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る亜鉛含有ダストを含むスラリーを使用して実験を行った結果得られたダストの重量収支を説明する図。
【図2】本発明の実施の形態に係る高濃度亜鉛ダストを処理する方法の概略工程を示す図。
【図3】従来の技術に係る亜鉛含有ダストを含むスラリーを用いて亜鉛分離性能を単段の湿式サイクロンで得ようとした場合のダストの重量収支を説明する図。
【図4】従来の技術に係る回転炉床式還元炉にて亜鉛を除去する概略構成を示す図。
【符号の説明】
1    スラリー
2    1段目湿式サイクロン
3    1段目オーバーフロー
4    1段目アンダーフロー
4a  希釈水供給口
5    2段目湿式サイクロン
6    2段目オーバーフロー
7    2段目アンダーフロー

Claims (6)

  1. 製鉄工程で発生する亜鉛含有ダストを含むスラリーを処理する亜鉛含有スラリー処理装置において、分級性能が異なる湿式サイクロンを直列に少なくとも2段備えたことを特徴とする亜鉛含有スラリー処理装置。
  2. 直列の少なくとも2段の前記湿式サイクロンのうち、前段の前記湿式サイクロンの径を後段の前記湿式サイクロンの径より大きく備え、前記スラリーを前段の前記湿式サイクロンで前段オーバーフローと前段アンダーフローに分離し前記前段アンダーフローを後段の前記湿式サイクロンで更に後段オーバーフローと後段アンダーフローに分離するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の亜鉛含有スラリー処理装置。
  3. 前段の前記湿式サイクロンのアンダーフロー出口と後段の前記湿式サイクロンとの間に希釈液を供給する希釈液供給口を備えたことを特徴とする請求項2に記載の亜鉛含有スラリー処理装置。
  4. 前段の前記湿式サイクロンのアンダーフロー出口径を18mm以上、後段の前記湿式サイクロンのアンダーフロー出口径を14mm以上としたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の亜鉛含有スラリー処理装置。
  5. 請求項2乃至4のいずれかに記載の亜鉛含有スラリー処理装置において、前段オーバーフローと後段オーバーフローとを合流させて高濃度亜鉛含有スラリーとして分離する工程と、後段アンダーフローを低濃度亜鉛含有スラリーとして分離する工程とを備えたことを特徴とする亜鉛含有スラリー処理方法。
  6. 前記高濃度亜鉛含有スラリーを脱水・乾燥させる工程を備えたことを特徴とする請求項5に記載の亜鉛含有スラリー処理方法。
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