JP6501449B2 - 電源装置及び画像形成装置 - Google Patents
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(2)基板と、内圧が所定値以上に上昇した場合に電解液が放出される圧力弁を有し、前記基板に搭載された電解コンデンサと、前記電解コンデンサから放出された電解液を蓄積する蓄積部を有する第一の面と、前記第一の面と直交する第二の面と、前記基板を保持するシャーシと、を備え、前記蓄積部は、前記第二の面及び前記第一の面から窪んだ凹部によって形成され、前記第一の面の前記基板側の端部は、前記シャーシよりも前記第二の面とは反対側の方向に突出するように設けられることを特徴とする電源装置。
(3)基板と、内圧が所定値以上に上昇した場合に電解液が放出される圧力弁を有し、前記基板に搭載された電解コンデンサと、第一の面と、前記第一の面の上に配置された第一及び第二のガイド部材とによって形成され、前記電解コンデンサから放出された電解液を規制する規制部と、を備え、前記第一及び第二のガイド部材により電解液が規制される第一の領域と、前記第一の領域外である第二の領域とにおいて、前記第一の領域における前記第一の面から前記基板までの第一の距離の方が、前記第二の領域における前記第一の面から前記基板までの第二の距離よりも長いことを特徴とする電源装置。
(4)記録材に画像形成を行う画像形成手段と、前記(1)乃至(3)のいずれか1項に記載の電源装置と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
図5(a)は電源装置の回路構成を示す図である。電源装置の通常動作として、ACインレット101から入力された交流電源100の交流電圧は、整流ダイオードブリッジ104に入力されて全波整流され、一次平滑電解コンデンサ(以下、単にコンデンサという)105にチャージされる。コンデンサ105により平滑された電圧は、起動抵抗106を介して電源IC109に入力され、電源IC109が起動する。電源IC109が起動すると、電源IC109はスイッチング素子である電界効果トランジスタ(以下、単にFETという)107を動作させ、トランス108に電流を流すことで動作を開始する。なお、トランス108は、一次巻線108a、二次巻線108b、補助巻線108cを有している。トランス108の一次巻線108aに電流が流れると、トランス108の補助巻線108cに発生した電圧が電源IC109の電源として供給されるようになり、電源IC109は動作を続けることが可能となる。これにより、電源IC109は、FET107のスイッチング動作を継続させることができるようになり、トランス108は安定して電圧を発生させ続けることが可能となる。
(1)コンデンサ105に耐圧以上の電圧が印加され、耐圧破壊により圧力弁が開弁を起こす前に、FET107が過電流による熱破壊を起こし、ショートモードで破壊される。これによりヒューズ102が溶断されて、交流電圧の入力が遮断される場合。
(2)コンデンサ105の圧力弁の開弁と、FET107のショートモードでの破壊がほぼ同時に発生し、ヒューズ102が溶断されることで交流電圧の入力が遮断される場合。
(3)コンデンサ105の圧力弁の開弁のみが発生し、電解液が噴出してもヒューズ102は溶断せず、その他の回路部品は動作し続ける場合。この場合は、コンデンサ105が開弁する際に電解液を噴出することで、コンデンサ105の周囲を電解液で汚染してしまう。
なお、交流電源ラインのインピーダンスが高い場合、電源回路を流れる電流に制限がかかるため、ヒューズ102が溶断せず、上述した(3)のパターンが生じる可能性が高くなる。
図1は、電子機器1に破線で示す電源基板2が組み付けられた状態を示した図である。ここで、電源基板2は、電子部品等が実装される基板面が地面に対して垂直に配置され、言い換えれば重力方向に平行に配置され、電源基板2に実装されたコンデンサ105は、図1に示すように地面に対して水平に配置されている。ここで、コンデンサ105の圧力弁203が設けられている面と、陽極端子201、陰極端子202が設けられている面に直交して貫通する仮想の軸を考えた場合、この仮想の軸に平行な軸をY軸、地面に直交する軸をZ軸、Y軸とZ軸に直交する軸をX軸とする。このように定義した場合、電源基板2はY軸に直交するように設けられており、言い換えれば、電源基板2の面がXZ平面に平行となるように設けられている。
図2(c)は図1の状態を、図1のB方向から見てコンデンサ105近傍を拡大した透視図である。部材4の底面部4aに蓄積された電解液204は、ガイド301、302に挟まれた領域内に規制され、蓄積される。以降、部材4の底面部4aと、ガイド301、302で囲まれた領域を、電解液規制領域(又は蓄積部)ともいう。501は蓄積された電解液204の液面を示し、以降、電解液面501という。電解液面501は、図2(c)に示すように、ガイド301、302と接触して表面張力を受ける位置から離れた位置における液面を示している。部材4の底面部4aから電解液面501の液面高さの最大値をlmax、ガイド301、302間の幅をw、コンデンサ105の電解液容量をVとする。ここで、部材4の底面部4aに流出した電解液204は、部材4の底面部4aに対する電解液204の表面張力によって、ガイド301、302の奥行き幅zの範囲を超えて垂れ落ちていかず、電解液204の液面は持ち上がっていく。また、ガイド301の面301aが電子機器1の面1aと接触している場合にも、電解液204の液面は持ち上がっていく。そうすると、電解液面501の液面高さの最大値lmaxは以下のようになる。
lmax=V/(w×z)+α
ここで、αは、図2(c)に示すように、電解液204がガイド301、302に接することで、表面張力により持ちあがった分の液面高さである。ガイド301、302の高さをhとすると、
h>lmax=V/(w×z)+α
となるように、ガイド301、302の高さhを決定する。
図2(c)の破線は電源基板2の下部端面を示し、一点鎖線はシャーシ3の下部端面を示している。図2(a)、図2(c)に示すように、電源基板2、シャーシ3は、ガイド301、302によって電解液204が規制される範囲(電解液規制領域)内で、それぞれの下部端面が切り欠かれた形状をしている。
s>lmax=V/(w×z)+α
d>lmax=V/(w×z)+α
となるようにする。なお、本実施例の説明図では、距離s>距離dとなっているが、電源基板2及びシャーシ3の下部端面が表面張力を考慮して電解液面501に触れない距離であれば、距離s<距離dでもよいし、距離s=距離dでもよい。なお、図2(a)では、距離s=距離dとなっている。また、本実施例では、ガイド301、302を部材4と別の部材として説明したが、ガイド301、302は、部材4と一体であってもよい。
図3(a)は、電子機器1に破線で示す電源基板6が組み込まれた状態を示した図である。なお、電源回路の構成及びコンデンサ105の構成は実施例1と同様であり、同じ構成には同じ符号を用い、説明を省略する。ここで、実施例1同様、電源基板6は地面に対して垂直に配置され、電源基板6に実装されたコンデンサ105は地面に対して水平に配置されている。電源基板6は、ビス5により一点鎖線で示すシャーシ7を経由してグランドに接続されている。本実施例のシャーシ7は板金であり、電子機器1本体に固定されている。図中の部材8は、底面部8aと、側面部8bとを有しており、例えばモールド部材等で形成されており、電子機器1、電源基板6のグランド、一次側から絶縁された部材である。部材8の底面部8aは、コンデンサ105の水平方向下部分に対向する部分が台形状に窪んだ形状となっている。その他の構成については、実施例1の部材4の構成と同様である。ここで、部材8の底面部8aの奥行き幅をz’とする。
図3(b)は、図3(a)の状態を、B方向から見てコンデンサ105近傍を拡大した透視図である。コンデンサ105の圧力弁203が開弁すると電解液204が放出され、一部は圧力弁203と対向する部材8の側面部8bに飛散し、一部は重力により部材8の底面部8aの凹部である窪んだ形状の底面部(以下、窪みの底面部という)9に飛散する。部材8の側面部8bに飛散した電解液204は部材8の側面部8bにより跳ね返ったり、部材8の側面部8bを伝って流出したりして、部材8の窪みの底面部9に蓄積される。電解液面701は窪みの底面部9に蓄積された電解液204の液面を示す。窪みの底面部9から、窪みの斜面部9a、9bの表面張力を考慮しない電解液面701までの液面高さをl’max0、窪みの底面部9の幅をw1’、窪みの斜面部9a、9bと底面部9との角度をθとする。表面張力を考慮しない電解液面701の幅をw2’とすると、
w2’=w1’+2×tanθ×l’max0となる。
V=((w1’+(w1’+2×tanθ×l’max0))×l’max0)/2×z’
となり、この方程式から、
l’max0=(−w1’+((w1’)2+4×tanθ×V/z’)1/2/(2×tanθ)
の式を満たす。窪みの斜面部9a、9bに対する電解液204の表面張力によって持ち上がった分の液面高さをα’とし、表面張力を考慮した液面高さをl’maxとすると、
l’max=l’max0+α’
となり、
h’>l’max
となるように凹部である窪みの深さh’を決定する。ここで、深さh’は、部材8の底面部8aから窪みの底面部9までの深さである。
一次側回路、一次側回路近傍のグランドが配置された電源基板6の下部端面は、電解液面701が直接接触すると、絶縁耐圧が低下するおそれがある。そのため、図3(b)のように電解液204の表面張力を考慮して、電源基板6の下部端面が、電解液面701に触れないように、部材8の底面部8aから距離s’の位置で電源基板6の下部端面を切り欠く。同様に、シャーシ7の下部端面が電解液面701に触れた場合、電解液204の表面張力により電解液面701が持ち上がり、電源基板6の下部端面に接触するおそれがある。そのため、図3(b)のように表面張力を考慮して、電解液面701に触れないように、部材8の底面部8aから距離d’の位置でシャーシ7の下部端面を切り欠く。即ち、電源基板2の電子機器1の底面側の端部と、シャーシ3の電子機器1の底面側の端部が、部材8の窪んだ領域(以下、電解液規制領域という)内において、部材8の底面部8aからの高さについて、
s’>l’max
d’>l’max
となるようにする。なお、本実施例の説明図では、距離s’>距離d’になっているが、電源基板6及びシャーシ7の下部端面が表面張力を考慮して電解液面701に触れない距離であれば、距離s’<距離d’や、距離s’=距離d’の関係を満たすようにしてもよい。図3(b)に示すように、噴出した電解液204は、電解液規制領域内に規制される。そのため、電解液規制領域内において、電源基板6及びシャーシ7は距離s’及び距離d’を確保できる位置まで重力方向下部へ面積を広げることができる。
画像形成装置の一例として、レーザビームプリンタを例にあげて説明する。図4に電子写真方式のプリンタの一例であるレーザビームプリンタの概略構成を示す。レーザビームプリンタ300は、静電潜像が形成される像担持体としての感光ドラム311、感光ドラム311を一様に帯電する帯電部317(帯電手段)、感光ドラム311に形成された静電潜像をトナーで現像する現像部312(現像手段)を備えている。そして、感光ドラム311に現像されたトナー像をカセット316から供給された記録材としてのシート(不図示)に転写部318(転写手段)によって転写して、シートに転写したトナー像を定着器314で定着してトレイ315に排出する。この感光ドラム311、帯電部317、現像部312、転写部318が画像形成部である。また、レーザビームプリンタ300は、実施例1、2で説明した電源装置400を備えている。なお、実施例1、2の電源装置400を適用可能な画像形成装置は、図4に例示したものに限定されず、例えば複数の画像形成部を備える画像形成装置であってもよい。更に、感光ドラム311上のトナー像を中間転写ベルトに転写する一次転写部と、中間転写ベルト上のトナー像をシートに転写する二次転写部を備える画像形成装置であってもよい。
3 シャーシ
4 部材
105 一次平滑電解コンデンサ
301、302 ガイド
Claims (19)
- 基板と、
内圧が所定値以上に上昇した場合に電解液が放出される圧力弁を有し、前記基板に搭載された電解コンデンサと、
第一の面と、前記第一の面の上に配置された第一及び第二のガイド部材とによって形成され、前記電解コンデンサから放出された電解液が前記基板及び前記基板上に実装された部材に触れないように前記電解液を規制する規制部と、
前記基板に対向し前記第一の面に直交する第二の面と、
前記基板を保持するシャーシと、
を備え、
前記規制部は、前記第一及び第二の面、並びに前記第一及び第二のガイド部材によって形成されており、
前記第一及び第二のガイド部材の前記第二の面側の端部は、前記第二の面と当接し、
前記第一及び第二のガイド部材の前記基板側の端部は、前記シャーシよりも前記第二の面とは反対側の方向に突出するように設けられることを特徴とする電源装置。 - 前記第二の面は、前記電解コンデンサの前記圧力弁と対向しており、
前記電解コンデンサから放出された電解液は前記第二の面に放出され、前記第二の面から前記第一の面に流れた電解液は前記規制部により規制されることを特徴とする請求項1に記載の電源装置。 - 前記第一及び第二のガイド部材は、前記第一の面と一体に形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の電源装置。
- 前記第一及び第二のガイド部材の前記第一の面からの高さは、前記規制部に規制された電解液の液面の高さよりも高いことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電源装置。
- 前記規制部における前記基板の前記第一の面側の端部の高さと、前記シャーシの前記第一の面側の端部の高さは、前記規制部に規制された電解液の表面張力を考慮した液面の高さよりも高いことを特徴とする請求項4に記載の電源装置。
- 一次側と二次側を絶縁するトランスと、
交流電圧を整流する整流手段と、
前記整流手段により整流された電圧を平滑する前記電解コンデンサと、
前記電解コンデンサにより平滑された電圧をスイッチングするスイッチング素子と、
前記スイッチング素子のスイッチング動作を制御する制御手段と、
前記制御手段により前記スイッチング動作を制御することにより、前記トランスの二次側から所定の電圧を生成することを特徴とする請求項4又は5に記載の電源装置。 - 前記規制部は、グランド及び前記一次側から絶縁されていることを特徴とする請求項6に記載の電源装置。
- 前記基板は、前記シャーシを介して前記グランドに接続されていることを特徴とする請求項7に記載の電源装置。
- 基板と、
内圧が所定値以上に上昇した場合に電解液が放出される圧力弁を有し、前記基板に搭載された電解コンデンサと、
前記電解コンデンサから放出された電解液を蓄積する蓄積部を有する第一の面と、
前記第一の面と直交する第二の面と、
前記基板を保持するシャーシと、
を備え、
前記蓄積部は、前記第二の面及び前記第一の面から窪んだ凹部によって形成され、
前記第一の面の前記基板側の端部は、前記シャーシよりも前記第二の面とは反対側の方向に突出するように設けられることを特徴とする電源装置。 - 前記凹部の前記第一の面からの深さは、前記蓄積部に蓄積された電解液の表面張力を考慮した液面の高さよりも大きいことを特徴とする請求項9に記載の電源装置。
- 前記蓄積部における前記基板の前記第一の面側の端部の高さと、前記シャーシの前記第一の面側の端部の高さは、前記蓄積部に蓄積された電解液の表面張力を考慮した液面の高さよりも高いことを特徴とする請求項10に記載の電源装置。
- 前記電解コンデンサは、前記圧力弁が前記第二の面に対向するように前記基板に搭載されていることを特徴とする請求項9乃至11のいずれか1項に記載の電源装置。
- 一次側と二次側を絶縁するトランスと、
交流電圧を整流する整流手段と、
前記整流手段により整流された電圧を平滑する前記電解コンデンサと、
前記電解コンデンサにより平滑された電圧をスイッチングするスイッチング素子と、
前記スイッチング素子のスイッチング動作を制御する制御手段と、
前記制御手段により前記スイッチング動作を制御することにより、前記トランスの二次側から所定の電圧を生成することを特徴とする請求項9乃至12のいずれか1項に記載の電源装置。 - 前記蓄積部は、グランド及び前記一次側から絶縁されていることを特徴とする請求項13に記載の電源装置。
- 前記基板は、前記シャーシを介して前記グランドに接続されていることを特徴とする請求項14に記載の電源装置。
- 前記基板は、重力方向に平行に設けられていることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載の電源装置。
- 前記第一の面は、電源装置が搭載される電子機器の底面と平行に設けられていることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項に記載の電源装置。
- 基板と、
内圧が所定値以上に上昇した場合に電解液が放出される圧力弁を有し、前記基板に搭載された電解コンデンサと、
第一の面と、前記第一の面の上に配置された第一及び第二のガイド部材とによって形成され、前記電解コンデンサから放出された電解液を規制する規制部と、
を備え、
前記第一及び第二のガイド部材により電解液が規制される第一の領域と、前記第一の領域外である第二の領域とにおいて、前記第一の領域における前記第一の面から前記基板までの第一の距離の方が、前記第二の領域における前記第一の面から前記基板までの第二の距離よりも長いことを特徴とする電源装置。 - 記録材に画像形成を行う画像形成手段と、
請求項1乃至18のいずれか1項に記載の電源装置と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
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