JP2014033541A - 回転電機、および、これを用いた電動パワーステアリング装置 - Google Patents

回転電機、および、これを用いた電動パワーステアリング装置 Download PDF

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Abstract

【課題】電解コンデンサの異常に起因する制御配線部の異常を抑制可能な回転電機を提供する。
【解決手段】ヒートシンク20は、一方の面21に凹部23を有している。パワーモジュール30は、ヒートシンク20に当接するよう設けられ、巻線13への通電を切り替える。パワー配線部40は、ヒートシンク20の一方の面21側に設けられ、パワーモジュール30と電気的に接続している。パワー配線部40には、巻線13への駆動電流が流れる。制御配線部50は、ヒートシンク20の他方の面22側に設けられ、パワーモジュール30と電気的に接続している。制御配線部50には、パワーモジュール30を制御する制御電流が流れる。電解コンデンサ60は、ヒートシンク20の凹部23に収容されるようパワー配線部40に少なくとも1つ設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、回転電機、および、これを用いた電動パワーステアリング装置に関する。
従来、動力を出力するモータ部と当該モータ部を制御する制御部とを一体にした回転電機が知られている。例えば特許文献1の回転電機では、制御部に、パワーモジュールを冷却するためのヒートシンク、モータ部への駆動電流が流れるパワー配線部、および、パワーモジュールを制御する制御電流が流れる制御配線部が設けられている。ヒートシンクは、2つの放熱ブロック、および、当該2つの放熱ブロックの短手方向の端部同士を連結する板状の連結部を有している。パワー配線部は、ヒートシンクの一方の面側に設けられている。制御配線部は、ヒートシンクの他方の面側、すなわち、ヒートシンクを挟んでパワー配線部とは反対側に設けられている。ここで、駆動電流の電流リプルを低減する電解コンデンサは、2つの放熱ブロックの間に位置するようパワー配線部に設けられている。これにより、2つの放熱ブロック間の空間を有効に利用することで、内部部品の効率的な配置を図っている。
特開2011−250489号公報
ところで、パワー配線部に設けられた電解コンデンサは、過剰かつ異常な電圧が印加されると、発熱するおそれがある。当該発熱が継続すると、電解コンデンサから電解液が漏れ出たり、電解コンデンサが破裂したりするおそれがある。特許文献1の回転電機では、2つの放熱ブロックの長手方向の端部同士は接続されておらず、連結部は2つの放熱ブロックの短手方向の端部の一部のみを連結するよう形成されている。つまり、電解コンデンサは、制御配線部側の大部分が、ヒートシンクにより覆われていない状態である。そのため、電解コンデンサが破裂した場合、電解コンデンサの破片が制御配線部上の電子部品等に衝突し損傷を与え、制御配線部が異常になるおそれがある。
また、特許文献1の回転電機は、電動パワーステアリング装置の駆動源として用いられているが、例えば制御配線部が電解コンデンサに対し鉛直方向の地側に位置するよう回転電機が設けられている場合、電解コンデンサから電解液が漏れ出すと、電解液が制御配線部上の電子部品等に降りかかり、制御配線部が異常になるおそれがある。
上述のように電解コンデンサが破裂したり液漏れしたりすると、制御配線部が異常になり、回転電機が駆動不可となり、電動パワーステアリング装置が停止するおそれがある。電解コンデンサは、駆動電流の電流リプルを低減する、すなわち、防ノイズ機能を発揮させるために設けられている。したがって、電解コンデンサのみが異常になっただけでは、本来、防ノイズ機能が失われるのみで、回転電機の駆動、電動パワーステアリング装置の作動、および、車両の走行等に関しては何ら影響を与えないはずである。しかしながら、特許文献1の回転電機では、上述のように、電解コンデンサの異常により制御配線部までも異常になり、電動パワーステアリング装置が停止するおそれがある。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、電解コンデンサの異常に起因する制御配線部の異常を抑制可能な回転電機、および、これを用いた電動パワーステアリング装置を提供することにある。
本発明は、駆動対象を駆動する回転電機であって、モータケースとステータと巻線とロータとシャフトと出力端とヒートシンクとパワーモジュールとパワー配線部と制御配線部と電解コンデンサと電子部品とを備えている。ステータは、筒状のモータケースに収容されている。巻線は、ステータに巻回されている。ロータは、ステータの内側に回転可能に設けられている。シャフトは、ロータの回転中心に設けられている。出力端は、シャフトの一方の端部に形成され、駆動対象に接続されることでロータの回転を駆動対象に出力可能である。ヒートシンクは、モータケースの軸方向の一方または他方の端部側に設けられ、一方の面に凹部を有している。パワーモジュールは、ヒートシンクに当接するよう設けられ、巻線への通電を切り替える。パワーモジュールをヒートシンクに当接するよう設けることで、パワーモジュール作動時の発熱を、ヒートシンクを経由して放熱することができる。パワー配線部は、ヒートシンクの一方の面側に設けられ、パワーモジュールと電気的に接続している。パワー配線部には、巻線への駆動電流が流れる。制御配線部は、ヒートシンクの他方の面側に設けられ、パワーモジュールと電気的に接続している。制御配線部には、パワーモジュールを制御する制御電流が流れる。電解コンデンサは、ヒートシンクの凹部に収容されるようパワー配線部に少なくとも1つ設けられている。電解コンデンサは、例えば駆動電流の電流リプルを低減するために設けられている。電子部品は、パワー配線部のヒートシンク側に設けられている。ここで、電子部品とは、例えば電源電流のフィルタ回路を構成するコイル等を含む。
本発明では、電解コンデンサは、ヒートシンクの凹部に収容されるよう、ヒートシンクを挟んで制御配線部とは反対側に設けられている。つまり、電解コンデンサは、制御配線部側の大部分がヒートシンクにより覆われた状態である。そのため、電解コンデンサに過剰かつ異常な電圧が印加されることで発熱し破裂しても、電解コンデンサの破片が制御配線部に衝突し損傷を与えるのを防ぐことができる。よって、「電解コンデンサの異常(破裂)により制御配線部までも異常になる」といった事態を回避することができる。
また、回転電機が、ヒートシンクの凹部が鉛直方向の天側を向くよう配置されている場合、電解コンデンサに過剰かつ異常な電圧が印加されることで発熱し電解液が漏れ出したとしても、凹部により電解液を受け止めることができる。これにより、電解コンデンサから漏れ出た電解液が、制御配線部に降りかかるのを抑制することができる。よって、「電解コンデンサの異常(液漏れ)により制御配線部までも異常になる」といった事態を回避することができる。
このように、本発明は、電解コンデンサの異常に起因する制御配線部の異常を抑制することができる。
本発明の第1実施形態による回転電機を示す断面図。 本発明の第1実施形態による回転電機を電動パワーステアリング装置に適用した状態を示す模式図。 本発明の第1実施形態による回転電機を示す分解斜視図。 (A)は本発明の第1実施形態による回転電機のヒートシンクを示す図、(B)は(A)を矢印B方向から見た図、(C)は(A)を矢印C方向から見た図、(D)および(E)はヒートシンクを示す斜視図。 (A)は本発明の第1実施形態による回転電機のパワー配線部、電解コンデンサおよび電子部品を示す図、(B)は(A)を矢印B方向から見た図、(C)は(A)を矢印C方向から見た図、(D)はパワー配線部、電解コンデンサおよび電子部品を示す斜視図。 本発明の第2実施形態による電動パワーステアリング装置を示す模式図。 本発明の第2実施形態による電動パワーステアリング装置に適用した回転電機を示す部分断面図。
以下、本発明の複数の実施形態による回転電機、および、これを用いた電動パワーステアリング装置を図面に基づき説明する。なお、複数の実施形態において実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による回転電機を図1に示す。回転電機1は、電力を供給されることにより駆動し、例えば車両のステアリング操作をアシストするための電動パワーステアリング装置に採用される。
図2は、電動パワーステアリング装置109を備えたステアリングシステム100の全体構成を示すものである。電動パワーステアリング装置109には、ハンドル101に接続されたステアリングシャフト102にトルクセンサ104が設けられている。トルクセンサ104は、運転者からハンドル101を経由してステアリングシャフト102に入力される操舵トルクを検出する。
ステアリングシャフト102の先端にはピニオンギア106が設けられており、ピニオンギア106はラック軸107に噛み合っている。ラック軸107の両端には、タイロッド等を介して一対の車輪108が回転可能に連結されている。
これにより、運転者がハンドル101を回転させると、ハンドル101に接続されたステアリングシャフト102が回転し、ステアリングシャフト102の回転運動は、ピニオンギア106によってラック軸107の直線運動に変換され、ラック軸107の直線運動変位に応じた角度について一対の車輪108が操舵される。
電動パワーステアリング装置109は、操舵アシストトルクを発生する回転電機1、および、当該回転電機1の回転を減速してステアリングシャフト102に伝える減速ギア103等を備える。本実施形態では、回転電機1は、減速ギア103のハウジング110に取り付けられている。
回転電機1は、例えば3相駆動型のブラシレスモータであり、図示しないバッテリから電力を供給されることにより駆動する。回転電機1は、減速ギア103を正逆回転させる。ここで、減速ギア103は、特許請求の範囲における「駆動対象」に対応している。電動パワーステアリング装置109は、上述のトルクセンサ104、および、車速を検出する車速センサ105を含む。
この構成により、電動パワーステアリング装置109は、トルクセンサ104および車速センサ105等からの信号に基づき、ハンドル101の操舵を補助するための操舵アシストトルクを回転電機1から発生し、減速ギア103を経由してステアリングシャフト102に伝達する。このように、本実施形態では、電動パワーステアリング装置109は、コラムアシスト型の電動パワーステアリング装置である。
図1、3に示すように、回転電機1は、モータ部10と制御部80とからなる。回転電機1は、モータ部10として、モータケース11、ステータ12、巻線13、ロータ14、シャフト15および出力端16等を備えている。また、回転電機1は、制御部80として、ヒートシンク20、パワーモジュール30、パワー配線部40、制御配線部50、電解コンデンサ60および電子部品70等を備えている。
モータケース11は、例えば金属により略円筒状に形成されている。ステータ12は、例えば鉄等の金属により略円筒状に形成され、モータケース11の内側に固定されるようにして収容されている。巻線13は、ステータ12に巻回されている。
ロータ14は、ロータコア141およびマグネット142を有している。ロータコア141は、例えば金属により略円筒状に形成され、ステータ12と同軸となるようステータ12の内側に設けられている。マグネット142は、略円筒状に形成され、ロータコア141の外壁に設けられている。シャフト15は、例えば金属により棒状に形成され、ロータ14の中心に、ロータ14と一体に設けられている。
本実施形態では、モータ部10は、フロントフレームエンド17、リアフレームエンド18および通しボルト19をさらに備えている。
フロントフレームエンド17は、例えば金属により略円板状に形成され、モータケース11の一端を塞ぐようにして設けられている。フロントフレームエンド17は、モータケース11の外壁より径方向外側へ突出するよう形成されるフロントフランジ部171を外縁端に有している。本実施形態では、フロントフランジ部171は、フロントフレームエンド17の周方向に3つ形成されている。3つのフロントフランジ部171のそれぞれには、フロント穴部172が形成されている。
フロントフレームエンド17は、シャフト15の一端が挿通されるシャフト穴を中央に有している。当該シャフト穴は、シャフト15の一端側を軸受けする。すなわち、フロントフレームエンド17は、シャフト15の一端側を軸受けする。
リアフレームエンド18は、例えば金属により略円板状に形成され、モータケース11の他端を塞ぐようにして設けられている。リアフレームエンド18は、モータケース11の外壁より径方向外側へ突出するようフロントフランジ部171に対応して形成されるリアフランジ部181を外縁端に有している。本実施形態では、リアフランジ部181は、リアフレームエンド18の周方向に3つ形成されている。3つのリアフランジ部181のそれぞれには、フロント穴部172に対応する位置にリア穴部182が形成されている。
リアフレームエンド18は、シャフト15の他端が挿通されるシャフト穴を中央に有している。当該シャフト穴は、シャフト15の他端側を軸受けする。すなわち、リアフレームエンド18は、シャフト15の他端側を軸受けする。
上記構成により、ロータ14は、シャフト15とともにステータ12の内側で回転可能に設けられている。なお、ロータ14(マグネット142)の外壁とステータ12の内壁との間には、円筒状のエアギャップが形成されている。
出力端16は、例えば金属により形成され、フロントフレームエンド17のリアフレームエンド18とは反対側に露出するシャフト15の一端に設けられている。出力端16は、減速ギア103に接続されることで、ロータ14およびシャフト15の回転を減速ギア103に出力可能である。
通しボルト19は、フロントフランジ部171とリアフランジ部181とを締結するよう、対応するフロント穴部172とリア穴部182とに挿通される。これにより、モータケース11がフロントフレームエンド17とリアフレームエンド18とに挟み込まれた状態で、フロントフランジ部171およびリアフランジ部181の通しボルト19による締結箇所に所定の軸力が作用する。
本実施形態では、図3に示すように、3つのフロントフランジ部171のうちの2つに締結穴部173が形成されている。
締結穴部173には、減速ギア103のハウジング110とフロントフランジ部171とを締結する、図示しない締結ボルトが挿通される。これにより、回転電機1は、減速ギア103のハウジング110に取り付けられる。
制御部80は、モータ部10のリアフレームエンド18側に、モータ部10と一体に設けられている。すなわち、制御部80は、モータケース11に対し、出力端16とは反対側に設けられている。
ヒートシンク20は、モータケース11の軸方向の他方の端部側、すなわち、リアフレームエンド18に対しモータケース11とは反対側に設けられている。ヒートシンク20は、一方の面21に凹部23を有している。凹部23は、内壁として、一方の面21と平行な底面24を有している。また、凹部23は、内壁として、底面24よりも一方の面21に近く、一方の面21と平行な底面25を有している。さらに、凹部23は、底面24および底面25に対し垂直に形成される側面26を有している。また、ヒートシンク20には、凹部23の側面26を一部切り欠くようにして切欠部27が形成されている(図1、図4(B)、(C)参照)。これにより、ヒートシンク20の一方の面21側に、凹部23の開口端縁が形成される(図1、図4(B)、(C)に示す破線参照)。
パワーモジュール30は、ヒートシンク20の外壁28に当接するよう設けられている。パワーモジュール30は、例えばIGBT等のスイッチング素子をモジュール化したものであり、巻線13への通電を切り替える。本実施形態では、パワーモジュール30は、2つ設けられている。パワーモジュール30をヒートシンク20に当接するよう設けることで、パワーモジュール30作動時の発熱を、ヒートシンク20を経由して放熱することができる。
パワー配線部40は、ヒートシンク20の一方の面21側に設けられている。パワー配線部40は、パワー基板41を有している。パワー基板41は、パワーモジュール30と導線31により電気的に接続している。また、パワーモジュール30は、巻線13とモータ線131により電気的に接続している。パワー基板41には、巻線13への駆動電流が流れる。
制御配線部50は、ヒートシンク20の他方の面22側に設けられている。制御配線部50は、制御基板51を有している。制御基板51は、パワーモジュール30と導線32により電気的に接続している。制御基板51には、パワーモジュール30を制御する制御電流が流れる。
電解コンデンサ60は、ヒートシンク20の凹部23に収容されるようパワー配線部40に設けられている。電解コンデンサ60は、例えばスルーホール型の電子部品であり、パワー基板41のヒートシンク20側の面に実装されている。本実施形態では、電解コンデンサ60は、4つ設けられている(図3、5参照)。ここで、電解コンデンサ60は、凹部23の底面24に対応する位置に収容されている(図1参照)。電解コンデンサ60は、例えば駆動電流の電流リプルを低減するため、すなわち、防ノイズ機能を発揮させることを目的として設けられている。
本実施形態では、電子部品70として、チョークコイル71およびコンデンサ72を備えている。チョークコイル71およびコンデンサ72は、パワー配線部40のヒートシンク20側に設けられている(図1、3参照)。ここで、チョークコイル71は、凹部23の底面25に対応する位置に収容されるようにしてパワー基板41に実装されている(図1参照)。一方、コンデンサ72は、凹部23に収容されておらず、凹部23の外側、切欠部27に位置するようパワー基板41に実装されている。チョークコイル71およびコンデンサ72は、フィルタ回路を構成し、電流電源に含まれるノイズを除去する。
制御部80は、コネクタ81、導線82およびカバー83等をさらに備えている。コネクタ81は、制御基板51に接続し、モータケース11の径方向外側へ突出するよう設けられている。コネクタ81は、パワー基板41と導線82により電気的に接続している。カバー83は、例えば金属により有底円筒状に形成され、ヒートシンク20、パワーモジュール30、パワー配線部40、制御配線部50、電解コンデンサ60および電子部品70を覆うようにして設けられている。
コネクタ81には、図示しない信号用ワイヤーハーネスが接続され、トルクセンサ104からの信号、イグニッション電圧に関する信号、その他CAN信号等、制御配線部50への制御信号が入力される。また、コネクタ81には、図示しない給電用ワイヤーハーネスが接続され、巻線13への電流、すなわち、駆動電流が入力される。ここで、当該駆動電流は、コネクタ81、導線82、パワー基板41、パワーモジュール30およびモータ線131を経由して巻線13へ流れる。
制御基板51のヒートシンク20とは反対側、すなわち、リアフレームエンド18側には、マイコン52および回転角センサ53等が実装されている。
マイコン52は、演算手段としてのCPU、記憶手段としてのROM、RAM、および、入出力手段等を有している。マイコン52は、コネクタ81を経由して入力されるトルクセンサ104からの信号、イグニッション電圧に関する信号、その他CAN信号等に基づき、ROMに格納されたプログラムに従い種々の演算を行い、パワーモジュール30を制御することにより巻線13への通電を制御する。巻線13に電力が供給されると、ステータ12に回転磁界が生じる。これにより、ロータ14がシャフト15とともに回転し、出力端16からロータ14の回転が出力される。このように、回転電機1は、モータ部10と、モータ部10の駆動を制御する制御部80と、が一体となった「機電一体型」の回転電機である。
なお、本実施形態では、シャフト15の出力端16とは反対側の端部に永久磁石151が設けられている。回転角センサ53は、永久磁石151の磁束を検出することにより、シャフト15およびロータ14の回転角を検出可能である。回転角センサ53は、シャフト15およびロータ14の回転角に関する信号をマイコン52に出力する。これにより、マイコン52は、ロータ14を脱調させることなく回転させることができる。
次に、ヒートシンク20の配置等について、詳細に説明する。
図1に示すように、ヒートシンク20は、一方の面21がモータケース11の軸Axに対し垂直となるよう設けられている。また、図2に示すように、回転電機1は、モータケース11の軸Axが鉛直方向に概ね一致し、かつ、出力端16が鉛直方向の地側を向くよう、減速ギア103のハウジング110に取り付けられる。そのため、ヒートシンク20は、回転電機1が減速ギア103に取り付けられた状態では、一方の面21が鉛直方向に対し垂直となるようにして配置されている。すなわち、本実施形態では、ヒートシンク20は、凹部23が鉛直方向の天側を向くよう配置されている。
ここで、ヒートシンク20の一方の面21に対し垂直な仮想直線L1と、鉛直方向に対し垂直な仮想平面P1と、の成す角をαとすると、本実施形態では、回転電機1は、αが約90度となるよう減速ギア103に取り付けられる(図1、2参照)。
また、本実施形態では、凹部23は、開口端縁(図1、図4(B)、(C)に示す破線参照)上の点のうち鉛直方向の最も地側に位置する点を通る仮想平面P1と内壁(底面24、底面25、側面26)とに囲まれた空間S1の容積から、電解コンデンサ60および電子部品70(チョークコイル71)の空間S1に含まれる部分の体積を除いた量(図1に格子の網掛けで示す部分に対応)が、電解コンデンサ60の少なくとも1つに含有されている電解液の量より大きくなるよう形成されている。これにより、電解コンデンサ60の1つに液漏れが生じたとしても、電解コンデンサ60から漏れ出た電解液は、凹部23内に保持される。よって、ヒートシンク20の鉛直方向地側に位置する制御配線部50に、電解液が降りかかるのを抑制することができる。
以上説明したように、本実施形態では、電解コンデンサ60は、ヒートシンク20の凹部23に収容されるよう、ヒートシンク20を挟んで制御配線部50とは反対側に設けられている。つまり、電解コンデンサ60は、制御配線部50側の大部分がヒートシンク20により覆われた状態である。そのため、電解コンデンサ60に過剰かつ異常な電圧が印加されることで発熱し破裂しても、電解コンデンサ60の破片が制御配線部50に衝突し損傷を与えるのを防ぐことができる。よって、「電解コンデンサ60の異常(破裂)により制御配線部50までも異常になる」といった事態を回避することができる。
また、本実施形態では、ヒートシンク20は、回転電機1が減速ギア103に取り付けられた状態では、一方の面21が鉛直方向に対し垂直となるようにして配置されている。すなわち、ヒートシンク20は、凹部23が鉛直方向の天側を向くよう配置されている。そのため、電解コンデンサ60に過剰かつ異常な電圧が印加されることで発熱し電解液が漏れ出したとしても、凹部23により電解液を受け止めることができる。これにより、電解コンデンサ60から漏れ出た電解液が、制御配線部50に降りかかるのを抑制することができる。よって、「電解コンデンサ60の異常(液漏れ)により制御配線部50までも異常になる」といった事態を回避することができる。
このように、本実施形態では、電解コンデンサ60の異常に起因する制御配線部50の異常を抑制することができる。
また、本実施形態では、ヒートシンク20の一方の面21に対し垂直な仮想直線L1と、鉛直方向に対し垂直な仮想平面P1と、の成す角をαとすると、回転電機1は、αが約90度となるよう減速ギア103に取り付けられる(図1、2参照)。
また、本実施形態では、凹部23は、開口端縁(図1、図4(B)、(C)に示す破線参照)上の点のうち鉛直方向の最も地側に位置する点を通る仮想平面P1と内壁(底面24、底面25、側面26)とに囲まれた空間S1の容積から、電解コンデンサ60および電子部品70(チョークコイル71)の空間S1に含まれる部分の体積を除いた量(図1に格子の網掛けで示す部分に対応)が、電解コンデンサ60の少なくとも1つに含有されている電解液の量より大きくなるよう形成されている。これにより、電解コンデンサ60の1つに液漏れが生じたとしても、電解コンデンサ60から漏れ出た電解液は、凹部23内に保持される。よって、ヒートシンク20の鉛直方向地側に位置する制御配線部50に、電解液が降りかかるのを抑制することができる。したがって、「電解コンデンサ60の異常(液漏れ)により制御配線部50までも異常になる」といった事態を確実に回避することができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態による電動パワーステアリング装置を図6に示す。
第2実施形態では、第1実施形態と異なり、減速ギア103がラック軸107に設けられている。回転電機1は、減速ギア103のハウジング110に取り付けられている。減速ギア103は、回転電機1の回転を減速してラック軸107に伝達する。すなわち、第2実施形態の電動パワーステアリング装置109は、ラックアシスト型の電動パワーステアリング装置である。
図6に示すように、本実施形態では、回転電機1は、モータケース11の軸Axが、鉛直方向に対し垂直な仮想平面P1に対し約5度傾斜するよう、減速ギア103のハウジング110に取り付けられる。そのため、ヒートシンク20は、回転電機1が減速ギア103に取り付けられた状態では、一方の面21が鉛直方向に対し約5度傾斜するようにして配置されている。
ここで、ヒートシンク20の一方の面21に対し垂直な仮想直線L1と、鉛直方向に対し垂直な仮想平面P1と、の成す角をαとすると、本実施形態では、回転電機1は、αが約5度となるよう減速ギア103に取り付けられる(図6、7参照)。
また、本実施形態では、凹部23は、開口端縁(図7に示す破線参照)上の点のうち鉛直方向の最も地側に位置する点を通る仮想平面P1と内壁(底面24、底面25、側面26)とに囲まれた空間S1の容積から、電解コンデンサ60および電子部品70(チョークコイル71)の空間S1に含まれる部分の体積を除いた量(図7に格子の網掛けで示す部分に対応)が、電解コンデンサ60の少なくとも1つに含有されている電解液の量より大きくなるよう形成されている。これにより、電解コンデンサ60の1つに液漏れが生じたとしても、電解コンデンサ60から漏れ出た電解液は、凹部23内に保持される。よって、制御配線部50に電解液が降りかかるのを抑制することができる。したがって、「電解コンデンサ60の異常(液漏れ)により制御配線部50までも異常になる」といった事態を確実に回避することができる。
(他の実施形態)
上述の第1実施形態では、回転電機を、ヒートシンクの一方の端面に対し垂直な仮想直線と鉛直方向に対し垂直な仮想平面との成す角が90度になるよう、駆動対象の近傍に取り付ける例を示した。また、第2実施形態では、回転電機を、ヒートシンクの一方の端面に対し垂直な仮想直線と鉛直方向に対し垂直な仮想平面との成す角が5度になるよう、駆動対象の近傍に取り付ける例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、ヒートシンクの一方の端面に対し垂直な仮想直線と鉛直方向に対し垂直な仮想平面との成す角が5度より大きく90度より小さくなるよう、駆動対象の近傍に取り付けられることとしてもよい。これにより、電解コンデンサに液漏れが発生しても、ヒートシンクの凹部内に電解液を保持することができる。
また、本発明の他の実施形態では、回転電機を、ヒートシンクの凹部がどの方向を向くよう、駆動対象の近傍に取り付けてもよい。本発明では、電解コンデンサは、制御配線部側の大部分がヒートシンクにより覆われた状態のため、電解コンデンサが破裂したとしても、電解コンデンサの破片が制御配線部に衝突し損傷を与えるのを防ぐことができる。
また、本発明の他の実施形態では、パワー配線部がヒートシンクの一方の面側に設けられ、制御配線部がヒートシンクの他方の面側に設けられ、電解コンデンサがヒートシンクの凹部に収容されるようパワー配線部に設けられる構成であれば、ヒートシンクを含む制御部は、モータケースの軸方向の一方または他方の端部のどちら側に配置されていてもよく、どのような姿勢で設けられていてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、ヒートシンクは切欠部を有していなくてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、ヒートシンクの凹部に収容される電解コンデンサは、4つに限らず、いくつ設けることとしてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、電子部品としてのチョークコイルは、ヒートシンクの凹部に収容されていなくてもよい。
本発明は、電動パワーステアリング装置以外の装置等の駆動源として用いることもできる。
このように、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態に適用可能である。
1 ・・・・回転電機
11 ・・・モータケース
12 ・・・ステータ
13 ・・・巻線
14 ・・・ロータ
15 ・・・シャフト
16 ・・・出力端
20 ・・・ヒートシンク
21 ・・・一方の面
22 ・・・他方の面
23 ・・・凹部
30 ・・・パワーモジュール
40 ・・・パワー配線部
50 ・・・制御配線部
60 ・・・電解コンデンサ
70 ・・・電子部品
71 ・・・チョークコイル(電子部品)
72 ・・・コンデンサ(電子部品)

Claims (5)

  1. 駆動対象(103)を駆動する回転電機(1)であって、
    筒状のモータケース(11)と、
    前記モータケースに収容されるステータ(12)と、
    前記ステータに巻回される巻線(13)と、
    前記ステータの内側に回転可能に設けられるロータ(14)と、
    前記ロータの回転中心に設けられるシャフト(15)と、
    前記シャフトの一方の端部に形成され、前記駆動対象に接続されることで前記ロータの回転を前記駆動対象に出力可能な出力端(16)と、
    前記モータケースの軸方向の一方または他方の端部側に設けられ、一方の面(21)に凹部(23)を有するヒートシンク(20)と、
    前記ヒートシンクに当接するよう設けられ、前記巻線への通電を切り替えるパワーモジュール(30)と、
    前記ヒートシンクの一方の面側に設けられ、前記パワーモジュールと電気的に接続し、前記巻線への駆動電流が流れるパワー配線部(40)と、
    前記ヒートシンクの他方の面(22)側に設けられ、前記パワーモジュールと電気的に接続し、前記パワーモジュールを制御する制御電流が流れる制御配線部(50)と、
    前記凹部に収容されるよう前記パワー配線部に少なくとも1つ設けられる電解コンデンサ(60)と、
    前記パワー配線部の前記ヒートシンク側に設けられる電子部品(70、71、72)と、
    を備える回転電機。
  2. 前記ヒートシンクの一方の端面に対し垂直な仮想直線と鉛直方向に対し垂直な仮想平面との成す角が5度以上になるよう、前記駆動対象の近傍に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
  3. 前記仮想直線と前記仮想平面との成す角が90度になるよう、前記駆動対象の近傍に取り付けられることを特徴とする請求項2に記載の回転電機。
  4. 前記凹部は、開口端縁上の点のうち鉛直方向の最も地側に位置する点を通る前記仮想平面と内壁とに囲まれた空間の容積から、前記電解コンデンサおよび前記電子部品の前記空間に含まれる部分の体積を除いた量が、前記電解コンデンサの少なくとも1つに含有されている電解液の量より大きくなるよう形成されていることを特徴とする請求項2または3に記載の回転電機。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の回転電機と、
    前記出力端に接続し、前記回転電機により駆動される前記駆動対象と、を備え、
    前記駆動対象が駆動することで操舵に関するアシストトルクを出力する電動パワーステアリング装置(109)。
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