JP6500476B2 - 溶銑の精錬方法 - Google Patents

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本発明は、珪素濃度が0.45質量%以上の溶銑から高純度鋼を製造するのに適した溶銑の精錬方法に関するものである。
近年、P,S,およびC等の含有量を極低レベルにまで低減させた高純度鋼の製造技術に関し、各種技術が開発されている(例えば、特許文献1)。
従来、これらの高純度鋼の製造には、Si等の含有率の低い原料が使用されてきた。しかし、昨今の鉄鋼業界における厳しい価格競争の中、製銑工程においては原料価格を抑制すべく、Si等の含有率の高い原料(いわゆる「劣質原料」)へのシフトが行われており、溶銑中のSi濃度が増加する傾向にある。これらの劣質原料を使用しつつ、製鋼工程においては、従来同様に質の高い高純度鋼を、効率よく、かつ、低コストに製造する技術への要求が高まっている。
高炉から出銑された溶銑中のSi濃度が高い場合、次の製鋼工程での精錬剤使用量が増大し、そのコストが増大するため、一般に、溶銑の脱燐処理に先立って、高炉から出銑された溶銑中のSi濃度を低下させる処理(以下、予備脱珪処理)が行われる。
予備脱珪処理の具体的手法としては、高炉鋳床で脱珪剤を添加する方法、もしくは、溶銑を溶銑輸送容器(混銑車や溶銑鍋等)に移し替えた後に、溶銑輸送容器内に脱珪剤を吹込む方法の何れかが、広く採用されている。
このうち、高炉鋳床で脱珪剤を添加する方法では、脱珪幅(Δ[%Si])を確保しようとすると、大量の脱珪剤を一気に添加する必要がある。しかし、大量の脱珪剤を一気に添加した場合、スラグのスロッピングやフォーミングを引き起こすため、従来の実操業では、0.05%程度の脱珪幅(Δ[%Si])しか得られず、脱珪効率が悪いという問題があった。
また、溶銑輸送容器内に脱珪剤を吹込む方法では、脱珪剤の供給速度が脱珪反応を律速するが、脱珪剤の供給速度は、既存の装置条件(吹込みランスの強度やノズル径、フリーボード等)によって、所定速度に制限されている。このため、脱珪幅Δ[%Si]を大きく確保しようとすると、長時間に亘って脱珪剤の供給を行う必要があるため、脱珪処理に時間がかかり、生産性が悪い(=短時間処理ができない)という問題があった。
その他、高炉鋳床での脱珪剤添加と、溶銑輸送容器内での脱珪剤吹込みを組み合わせて行う技術も開示されている(特許文献2)。
この特許文献2の技術は、具体的には、高炉鋳床での脱珪剤添加と、溶銑輸送容器内での脱珪剤吹込みを組み合わせて行いつつ、溶銑輸送容器内に入れ置きした鉄スクラップの配合比率に応じて脱珪剤における気体酸素源と固体酸素源の使用比率を調整することによって、鉄スクラップの装入量に見合った発熱量に制御する技術であり、明細書中には、出銑時の「珪素濃度が0.45質量%未満」の溶銑を対象として、溶銑中珪素濃度が0.10質量%となるまで脱珪処理を行う例が開示されている。
しかし、実際の操業では、珪素濃度が0.2質量%未満となるまで脱珪処理を行うと、脱炭反応が進行してスラグのフォーミングが起こり始めるため、スロッピングを回避するためには、脱珪剤の添加速度を落として脱珪反応を進めることが必要となり、生産性の観点から好ましくない。なお、本発明のように「珪素濃度が0.45質量%以上」の溶銑を用い、特許文献2の手法に従って、「溶銑中珪素濃度が0.10質量%」となるまで脱珪処理する場合、処理時間が更に必要となり、生産性が著しく悪化するため、現実の操業条件としては適さない。
特開2013−127087号公報 特開2011−184710号公報
本発明の目的は、前記の各問題を解決して、高純度鋼を、効率よく、かつ、低コストに製造する技術を提供することである。
本発明では上記の課題を解決するための手段として、珪素濃度0.45質量%以上の高炉溶銑から高純度鋼を溶製する溶銑の精錬方法において、転炉での脱りん、脱炭精錬に先立って、溶銑の珪素濃度を0.2質量%〜0.4質量%とする予備脱珪工程を有し、該予備脱珪工程が、前記の高炉溶銑を、高炉の鋳銑樋から溶銑輸送容器に移す過程において、流下中の溶銑に、脱珪剤として固体酸素源を投入する工程と、前記の溶銑輸送容器内で攪拌を行う工程からなる、という構成を採用した。ここで、「高炉の鋳銑樋から溶銑輸送容器に移す過程において、流下中の溶銑」とは、主樋、あるいは溶銑樋内で流下している溶銑、および、溶銑樋から溶銑搬送容器へ向けて落下している溶銑、を含むものである。
また、前記の固体酸素源として、密度が3500kg/m以上、かつ、酸素ガス換算の酸素含有量が0.13Nm/kg以上の固体酸素源を用いる。
請求項記載の発明のように、前記の固体酸素源として、粒径が、球相当径で5mm〜25mmの固体酸素源を用いることが好ましい。
請求項記載の発明のように、前記の溶銑輸送容器内で攪拌を行う際に、脱珪剤として鉄を主成分とする脱珪剤を吹き込むことが好ましい。
請求項記載の発明のように、前記の溶銑輸送容器として、混銑車を用いることが好ましい。
背景技術の欄に記載のように、従来の予備脱珪技術のうち、高炉鋳床で脱珪剤を添加する方法では、0.05%程度の脱珪幅(Δ[%Si])しか得られず、脱珪効率が悪いという問題があり、溶銑輸送容器内に脱珪剤を吹込む方法では、生産性が悪い(=短時間処理ができない)という問題があったのに対し、本発明では、予備脱珪工程を、高炉溶銑を、高炉の鋳銑樋から溶銑輸送容器に移す過程において、流下中の溶銑に、脱珪剤として固体酸素源を投入する工程(以下、第一の予備脱珪工程という)と、この溶銑輸送容器内で攪拌を行う工程(以下、第二の予備脱珪工程という)からなるものとするという構成を採用することにより、これらの問題を合わせて解決している。本発明者らは、各種検討の結果、高炉の鋳銑樋から溶銑輸送容器に移す過程において、流下中の溶銑に、脱珪剤として固体酸素源を投入しただけでは、投入した脱珪剤の一部しか脱珪に寄与出来ないことを見出した。本発明はこの知見に基づくものであり、前記の「第一の予備脱珪工程」に続いて、「第二の予備脱珪工程」を設けることで、投入された脱珪剤のうち、脱珪に寄与する割合の改善を図ることによって、前記の問題を解決した。
なお、脱珪工程と、脱硫工程と、脱燐工程と、脱炭工程を有し、この順序で精錬する溶銑の精錬技術は、例えば、「鉄と鋼 第74年(1988) 第2号 270〜277頁」に開示されているが、この技術は、脱珪工程において、珪素濃度を0.15%以下にまで低減させる処理を必須とする技術である。従来のように、Si等の含有率の低い高炉溶銑の場合、この従来技術でも、特段の問題はないが、珪素濃度0.45質量%以上の高炉溶銑を用いる場合、珪素濃度を0.15質量%未満にまで低減させようとした場合、脱珪剤(FeOを含有するフラックス)が相当量必要になり、脱珪処理時間は、脱珪剤の使用量とともに増加するため、脱珪処理に時間がかかり生産性が低下する問題がある。
これに対し、「脱珪処理後の珪素濃度を0.2質量%〜0.4質量%」に留める本発明によれば、上記技術と比較して、脱珪剤の使用量を低減してボトルネック工程となる脱珪処理時間を短縮することができ、生産性の向上を図ることができる。また、脱珪剤の使用量を低減した結果、従来脱珪剤を大量に使用した際生じていた各問題(脱硫反応を阻害する問題や、脱燐工程で復硫が生じる問題、或いは脱珪時のスロッピングの問題)を回避することができる。
また、上記の脱燐処理を溶銑鍋(フリーボード部がない容器)で行う場合、脱燐処理時のスラグフォーミング回避の観点から、事前の脱珪工程で、珪素濃度を「0.15質量%未満」程度にまで低減させることが要求されるが、本発明のように、脱燐処理を転炉型反応容器で行う構成とすることにより、低塩基度での脱りんが可能になり、ある程度のSi濃度が許容され、事前の脱珪工程における脱珪処理後珪素濃度の目標レベルを「0.2質量%〜0.4質量%」に高めることができる。前記のように、珪素濃度が0.2質量%未満となるまで脱珪処理を行うと、脱炭反応が進行してスラグのフォーミングが起こり始めるが、脱珪処理後珪素濃度を「0.2質量%〜0.4質量%」に留めることにより、スロッピングを確実に回避することができる。なお、脱珪工程で、溶銑中に残存したSiは、脱燐工程でスラグ化して溶銑から除かれる。また、脱珪処理後珪素濃度を「0.2質量%〜0.4質量%」に留めることにより、脱燐工程初期におけるスラグボリュームを充分確保し、スラグボリューム確保を目的とした副原料(蛍石等、)使用量を低減するとともに、石灰源の滓化を促進して、脱燐効率を高めることができる。
固体酸素源の密度、酸素含有量、粒径を、それぞれ、請求項2、3に記載の範囲とすることにより、固体酸素源の溶解速度、すなわち、脱珪反応の反応速度が最適に制御でき、搬送容器に移し替え時、あるいはそれに引き続くスロッピングを確実に回避することができる。
高炉溶銑の珪素濃度が、例えば、0.7質量%以上等になる場合にも、請求項4記載の発明のように、前記の溶銑輸送容器内で攪拌を行う際に、脱珪剤として酸化鉄を主成分とする脱珪剤を吹き込む手法を併用することにより、上記同様の効果を得ることができる。
本発明のフローを説明する図である。 第一の予備脱珪工程を説明する図である。 第二の予備脱珪工程を説明する図である。
以下に本発明の好ましい実施形態を示す。本実施形態の溶銑の精錬方法は、図1に示すように、脱珪工程〜脱硫工程〜脱燐工程〜脱炭工程の順に、各工程を経て、珪素濃度0.45質量%以上の高炉溶銑から高純度鋼を溶製する溶銑の精錬方法である。以下、各工程について詳述する。
<第一の予備脱珪工程>
図2に示すように、高炉1から出銑された溶銑は、高炉鋳床2を経て、溶銑搬送用の混銑車3に挿入される。高炉鋳床2には、高炉から出銑された溶銑や溶滓などの高温流体を取扱うための設備が配置されており、まず主樋4において、溶銑と溶滓とは比重差により分離される。その後、溶銑は溶銑樋5、通って混銑車3の注入口まで導かれるように各樋が構築されている。第一の予備脱珪工程では、溶銑を鋳銑樋から混銑車に移す過程において、流下中の溶銑に、脱珪剤として固体酸素源が投入されて、脱珪処理([Si]+O→SiO。ここで、[Si] :溶銑中の珪素、SiO:スラグ中のSiO。)が行われる。前記のように、ここで、「高炉の鋳銑樋から溶銑輸送容器に移す過程において、流下中の溶銑」とは、主樋、あるいは溶銑樋内で流下している溶銑、および、溶銑樋から溶銑搬送容器へ向けて落下している溶銑、の双方を含むものである。
固体酸素源としては、焼結鉱粉、ダストペレット、ミルスケールの少なくとも何れかを用いることが好ましい。焼結鉱粉は、焼結工場の集塵機で集積されるもので、密度と酸素含有量が本発明条件を満足し易く、かつ高炉一貫製鉄所では、容易にかつ安価に入手できるので、固体酸素源としては好ましい。ダストペレットは、転炉で発生する転炉ダスト等を原料として粒状に成型したもので、密度が小さいという欠点はあるが、比較的安価に製造可能である。ミルスケールは、圧延工程でのスケールを粉砕したもので、多くの製鉄所で発生し、安価で利用出来るため好ましい。但し、発生量が少ないので大量には使用困難である。これら固体酸素源の1種又は2種以上を造粒又は塊成化して使用することもできる。
なお、本実施形態では、脱珪剤として、密度3500kg/m以上、酸素含有量(酸素ガス換算)0.13Nm/kg以上、粒径が(球相当径)5mm〜25mmの固体酸素源を使用することにより、脱珪反応の反応速度を最適に制御して、スロッピングの回避を図っている。脱珪剤の密度が3500kg/m未満であると、必要な添加量に対し、体積が大きくなり、フリーボード体積を占有してしまい、必要な添加量が確保できなくなること、更には、フォーミングしたスラグを収容できずに溢れ、スロッピングが起きるからである。また、酸素含有量が0.13Nm未満であると、やはり脱珪に必要な酸素量が確保できなくなるためである。また固体酸素源として、粒径が、球相当径で5mm〜25mmの固体酸素源を用いることが好ましい。これは、高炉から溶銑輸送容器に移す過程において脱珪剤を添加する際に、添加速度を高めるた場合、粒径が5mm未満であると、一気に反応が進み、スラグのフォーミング、スロッピングが激しくなるからである。また25mm超では、溶銑輸送容器での撹拌を行なっても比表面積が小さく、撹拌を行なっても反応が進まなくなるためである。
前記のように、本発明者らは、各種検討の結果、高炉の鋳銑樋から溶銑輸送容器に移す過程において、流下中の溶銑に、脱珪剤として固体酸素源を投入しただけでは、投入した脱珪剤の一部しか脱珪に寄与出来ないことを見出した。本発明はこの知見に基づくものであり「第一の予備脱珪工程」に続いて、「第二の予備脱珪工程」を設けることで、投入された脱珪剤のうち、脱珪に寄与する割合の改善を図っている。
<第二の予備脱珪工程>
第二の予備脱珪工程では、図3に示すように、混銑車3内の溶銑の撹拌が行われる。脱珪反応は、スラグ/溶銑界面で進行するため、撹拌によって反応界面積を増加させ、反応促進を図ることが出来る。撹拌手段は特に限定されず、機械式攪拌、ガス吹き式攪拌等、任意の手段を採用することができる。
本実施形態では、混銑車3の上方に配置したランス6から窒素ガスを吹き込むことにより、溶銑の撹拌を行っている。この撹拌により、「第一の予備脱珪工程」で投入された固体酸素源を利用する反応を促進させ、珪素濃度を0.2質量%〜0.4質量%とする脱珪処理を行っている。前記のように、珪素濃度が0.2質量%未満となるまで脱珪処理を行うと、脱炭反応が進行してスラグのフォーミングが起こり始めるが、脱珪処理後珪素濃度を「0.2質量%〜0.4質量%」に留めることにより、スロッピングを確実に回避することができる。
固体酸素源の不足分は、ランスを介した微粉吹き込みにより追加投入することができる。ここで吹き込む固体酸素源としては、酸化鉄を主成分とする脱珪剤を用いることが好ましい。
<脱硫工程>
前記の脱珪工程を経て、脱珪スラグを排出した後、溶銑は、脱硫処理用の精錬容器に挿入され、脱硫剤を添加して脱硫処理([S]+CaO→CaS+[O])が行われる。ここで、精錬容器や撹拌手段は、特に限定されず、溶銑鍋や混銑車での脱硫剤インジェクション方式や、溶銑鍋での機械撹拌方式を採用することができる。
<脱燐工程>
脱燐反応は、2[P]+5[O]+3CaO→3CaO・Pのように進行する。ここで、 [P]:溶銑中の燐、[O]:溶銑中の酸素(酸素ガスあるいは酸化鉄)、CaO:スラグ中のCaO、CaO・P:スラグ中のCaOに固定されたPである。
前記の工程を経て、脱硫スラグを排出した後、溶銑は、脱燐工程用の転炉型反応容器に挿入され、脱燐剤を添加して、上底吹き撹拌により、脱燐処理が行われる。従来技術のように、脱燐処理を溶銑鍋(フリーボード部が小さい容器)で行う場合、脱燐処理時のスラグフォーミング回避の観点から、事前の脱珪工程で、珪素濃度を「0.15質量%未満」程度にまで低減させることが要求されるが、本実施形態のように、脱燐処理を転炉型反応容器で行う構成とすることにより、ある程度のスラグフォーミングが許容され、事前の脱珪工程における脱珪処理後珪素濃度の目標レベルを「0.2質量%〜0.4質量%」に高めることができる。脱珪工程で、溶銑中に残存したSiは、この脱燐工程でスラグ化して溶銑から除かれる。
本実施形態では、前記のように、脱珪処理後珪素濃度を「0.2質量%〜0.4質量%」に留めることにより、脱燐工程初期におけるスラグボリュームを充分確保し、スラグボリューム確保を目的とした副原料(蛍石等、)使用量を低減するとともに、石灰源の滓化を促進して、脱燐効率を高めている。
<その他の工程>
必要に応じて、脱燐処理後の溶銑に脱炭剤を添加して脱炭処理を行う脱炭工程や、その後の2次精錬(脱ガス、脱硫)工程を追加することもできる。
高Si溶銑を、混銑車脱珪→(スラグ排出)→鍋脱硫→転炉脱燐のプロセスで処理した結果を下記(表1)の実施例1〜3、比較例1〜4に示している。なお、下記表1において、「添加場所A」は鋳銑樋、「添加場所B」は溶銑搬送容器である混銑車を示す。「含有酸素量」は、単位質量あたりの脱珪剤に含まれる酸素ガス体積換算の酸素量(Nm/kg)を意味する。「脱珪時間」は、混銑車での脱珪開始から脱珪処理終了までの時間(min)である。高炉での脱珪処理については、脱珪を行なった場合、行わない場合でも溶銑の移し替えに同様の時間を要するため、除外している。「ダストペレット」としては、転炉ダストを造粒したものを用いた。
実施例1〜3は、何れも、第一の予備脱珪工程後に、第二の予備脱珪工程を行って、脱珪処理後の珪素濃度を0.2質量%〜0.4質量%とした例である。実施例1〜3の何れも、短時間で効率よく脱珪処理を行うことができた。
比較例1は、第二の予備脱珪工程を行わない例である。混銑車3では溶銑攪拌を行わず、鋳銑樋の流下溶銑への投入のみであったため、脱珪効率が低下した。その上、処理後Siも高く十分な脱珪が確保できず、転炉型脱燐炉での脱燐も悪化した。
比較例2は、第一の予備脱珪工程を行わない例である。脱珪剤を混銑車3の溶銑中に吹き込んだ。吹き込む際に窒素ガスを700Nm/h使用した。脱珪剤の吹込速度律速の為に、処理時間が長く、脱珪処理率が低かった。
比較例3は、第一の予備脱珪工程を行わない例である。脱珪剤を混銑車3内の溶銑に上方添加し、窒素ガス700Nm/hを吹込んで溶銑攪拌を行った。脱珪処理にてスロッピングが多発した。このため脱珪剤添加速度をおとしたので所要時間は長時間となり、また脱珪スラグ中の未反応酸化鉄FeO+Feが多くなった。
比較例4は、予備脱珪後の珪素濃度を、0.2質量%未満とした例である。第一の予備脱珪工程に続く、第二の予備脱珪工程で、大量の脱珪剤を窒素ガス700Nm/hで吹込み、脱珪処理後の溶銑を低Siとしたため、脱炭反応が進行してスラグのフォーミングが起こり始め、スロッピングが多発した。このため脱珪処理中断を余儀なくされ。処理終了までに長時間を要した。
上記表1の脱珪処理後の溶銑の脱燐炉として転炉型反応炉を用い、下表2の条件にて脱燐処理を実施した。上記表1の「脱燐処理後」は、表2の脱燐処理(脱珪脱燐処理含む)を施した後の溶銑中のSi濃度[%Si]とP濃度[%P]を示す。
実施例1〜3では、上記プロセスを経て、極極低リン溶銑を得る事ができた。比較例1〜4では、何れも、脱燐効率の低下が確認され、上記プロセスを経ても、極極低リン溶銑を得る事ができなかった。
1 高炉
2 高炉鋳床
3 混銑車
4 主樋
5 溶銑樋
6 ランス

Claims (4)

  1. 珪素濃度0.45質量%以上の高炉溶銑から高純度鋼を溶製する溶銑の精錬方法であって、
    転炉での脱りん、脱炭精錬に先立って、溶銑の珪素濃度を0.2質量%〜0.4質量%とする予備脱珪工程を有し、
    該予備脱珪工程が、
    前記の高炉溶銑を、高炉の鋳銑樋から溶銑輸送容器に移す過程において、流下中の溶銑に、脱珪剤として密度が3500kg/m 以上、かつ、酸素ガス換算の酸素含有量が0.13Nm /kg以上の固体酸素源を投入する工程と、
    前記の溶銑輸送容器内で攪拌を行う工程
    からなることを特徴とする溶銑の精錬方法。
  2. 前記の固体酸素源として、
    粒径が、球相当径で5mm〜25mm
    の固体酸素源を用いることを特徴とする請求項に記載の溶銑の精錬方法。
  3. 前記の溶銑輸送容器内で攪拌を行う際に、脱珪剤として酸化鉄を主成分とする脱珪剤を吹き込む
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の溶銑の精錬方法。
  4. 前記の溶銑輸送容器として、混銑車を用いることを特徴とする請求項1〜の何れかに記載の溶銑の精錬方法。
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