JP6497365B2 - 圧力容器、圧力容器を備えた圧縮機及び圧力容器の製造方法 - Google Patents

圧力容器、圧力容器を備えた圧縮機及び圧力容器の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、圧力容器、圧力容器を備えた圧縮機及び圧力容器の製造方法に関する。具体的には、本発明は、継ぎ目を有するパイプと、パイプの開口を塞ぐ蓋部材とを備え、パイプの端部に蓋部材が周溶接された圧力容器、この圧力容器を備えた圧縮機、及びこの圧力容器の製造方法に関する。
従来、特許文献1(特開2009−115015号公報)のように、溶接継ぎ目のあるパイプの端部に、蓋部材が取り付けられた圧力容器が知られている。このような圧力容器では、蓋部材をパイプに取り付けるため、例えば特許文献2(特開2015−199074号公報)のように、一般に、蓋部材がパイプの端部に周溶接される。
上記のような構造の圧力容器では、周溶接時において、パイプの継ぎ目部の隙間に付着していた錆、水分、油脂分等から生成されるガスの影響や、パイプ作成時の溶接継ぎ目部の溶接ビードの形状、材質、また溶接時の熱影響によるパイプ材質の変化で、蓋部材とパイプの溶接継ぎ目部分との周溶接部分に、ブローホールや、溶け込み不足等の溶接の不具合が発生する可能性がある。そして、溶接の不具合により圧力容器に作成時に漏れが発生した場合、周溶接の漏れ箇所を再溶接する必要がある。
これに対し、周溶接時の入熱量を増加させ、溶接の溶け込み量を多くすることで、このような溶接の不具合を抑制することが望まれる。しかし一方で、周溶接時の入熱量を大きくすると、溶接の影響により圧力容器のひずみが大きくなりやすいという問題がある。
本発明の課題は、継ぎ目のあるパイプの端部に蓋部材が周溶接された圧力容器であって、蓋部材とパイプの継ぎ目部分との周溶接部分において溶接の不具合が発生しにくく、かつ、周溶接による熱ひずみの増大を抑制可能な圧力容器を提供することにある。
本発明の第1観点に係る圧力容器は、継ぎ目を有するパイプと、パイプの開口を塞ぐ蓋部材と、を備え、パイプの端部に蓋部材が周溶接された圧力容器である。パイプと蓋部材との周溶接部のうち、パイプの継ぎ目部分を通過する第1部における溶接時の単位長さ当たりの入熱量は、第1部以外の第2部における単位長さ当たりの入熱量の平均よりも大きい。
ここで、継ぎ目を有するパイプとは、軸方向に沿って溶接されたパイプを意味する。継ぎ目を有するパイプは、例えば、板状部材を曲げ加工により筒状(例えば円筒状や角筒状)に形成し、継ぎ目部分を溶接により接合したパイプである。つまり、継ぎ目を有するパイプは、パイプの長手方向に継ぎ目のあるシーム管である。
また、ここで、パイプの継ぎ目部分とは、パイプの材料(母材)が溶融固着した領域、又は、溶接ビードが形成された領域を意味する。
本発明の第1観点に係る圧力容器では、蓋部材とパイプの継ぎ目部分との周溶接部分において入熱量を比較的大きくして溶接の不具合の発生を抑制することができる。一方で、溶接の不具合の発生が発生しにくい第2部については入熱量を比較的小さく抑えて、圧力容器の熱ひずみを抑制できる。
本発明の第2観点に係る圧力容器は、第1観点に係る圧力容器であって、第1部の単位長さ当たりの体積は、第2部における単位長さ当たりの体積の210%以下である。
本発明の第2観点に係る圧力容器では、第1部の単位長さ当たりの体積が、第2部における単位長さ当たりの体積の210%以下であるため、溶接装置で溶接速度一定かつ入力電力一定の条件で周溶接を行えば圧力容器を製造できる。言い換えれば、本発明の第2観点に係る圧力容器は、周溶接の開始点及び終了点を指定すれば、溶接速度や入力電力を局所的に変更することなく圧力容器を製造できる。つまり、本発明の第2観点に係る圧力容器は、比較的シンプルな製造設備で、細かな製造条件設定をすることなく製造できる。
なお、溶接装置で溶接速度一定かつ入力電力一定で周溶接を行う場合、理論的には、第1部の単位長さ当たりの体積は、第2部における単位長さ当たりの体積の200%以下となる。210%は、溶接装置における製造のばらつきを考慮した数値である。
本発明の第3観点に係る圧力容器は、第1観点又は第2観点に係る圧力容器であって、パイプと蓋部材との周溶接部のうち、少なくとも第1部では周溶接の軌跡が重なる。
本発明の第3観点に係る圧力容器では、第1部において周溶接の軌跡が重なっている。言い換えれば、本圧力容器では、第1部において周溶接が重ねて行われている。そのため、第1部における入熱量を比較的大きくして溶接の不具合の発生を抑制することが容易である。
本発明の第4観点に係る圧力容器は、第1観点から第3観点のいずれかに係る圧力容器であって、蓋部材に取り付けられる機能部品を更に備える。機能部品は、圧力容器をパイプの中心軸に沿って見た時に、蓋部材の、パイプの中心軸周りのパイプの継ぎ目部分の円周方向の中心を基準とする90度から270度の角度領域に配置されている。
本発明の第4観点に係る圧力容器では、機能部品が、パイプの中心軸を挟んで入熱量の大きな第1部とは反対側に配置されるため、機能部品に加えられる入熱量を抑制できる。その結果、周溶接時の機能部品の歪みの発生等を防止することができる。
限定するものではないが、機能部品には、例えばガラス端子等の電源端子、圧力容器の内外をつなぐ配管部材、電源端子カバーの取付ボルト等を含む。
なお、圧力容器が複数の機能部品を備える場合には、機能部品の全てが、圧力容器をパイプの中心軸に沿って見た時に、蓋部材の、パイプの中心軸周りのパイプの継ぎ目部分の円周方向の中心を基準とする90度から270度の角度領域に配置されていることが好ましい。
本発明の第5観点に係る圧力容器は、第1観点から第4観点のいずれかに係る圧力容器であって、パイプは、継ぎ目部分がアーク溶接されたパイプ、継ぎ目部分がレーザー溶接されたパイプ、継ぎ目部分がプラズマ溶接されたパイプ、又は継ぎ目部分が電気抵抗溶接されたパイプである。
ここでは、継ぎ目部分が多様な溶接方法により溶接されている場合に、蓋部材とパイプの継ぎ目部分との周溶接部分において入熱量を比較的大きくして溶接の不具合の発生を抑制することができる。
本発明の第6観点に係る圧縮機は、第1観点から第5観点のいずれかに係る圧力容器と、圧力容器の内部に収容される圧縮機構と、圧力容器の内部に収容され圧縮機構を駆動するモータと、を備える。
本発明の第6観点に係る圧縮機では、溶接の影響による熱ひずみが圧力容器に生じにくいため、圧力容器内の圧縮機構やモータの位置変化を抑え、振動や騒音を抑制することが容易である。
本発明の第7観点に係る圧力容器の製造方法は、第1観点から第5観点のいずれかに係る圧力容器の製造方法であって、製造方法は、パイプの端部に蓋部材を周溶接する周溶接ステップを備える。周溶接ステップは、第1部の周溶接を第1速度で行う低速周溶接ステップと、第2部の周溶接を第1速度より速い第2速度で行う高速周溶接ステップと、を含む。
本発明の第7観点に係る圧力容器の製造方法では、第1部の周溶接の溶接速度を比較的低速にすることで、第1部への単位長さ当たりの入熱量を第2部への単位長さ当たりの入熱量に比べ容易に増加させることができる。また、第2部では比較的高速で溶接が行われるため、製造効率を比較的高く維持することができる。
なお、ここでの溶接速度とは、単位時間に溶接が行われる距離である。
本発明の第8観点に係る圧力容器の製造方法は、第1観点から第5観点のいずれかに係る圧力容器の製造方法であって、製造方法は、パイプの端部に蓋部材を周溶接する周溶接ステップを備える。周溶接ステップは、第1電力を入力して第1部の周溶接を行う高電力溶接ステップと、第1電力より小さな第2電力で第2部の周溶接を行う低電力溶接ステップと、を含む。
本発明の第8観点に係る圧力容器の製造方法では、第1部の周溶接と第2部の周溶接とで入力される電力が変更されるため、第1部と第2部とで溶接速度を変化させることなく、あるいは、第1部における溶接速度の低下を抑制しつつ、第1部への単位長さ当たりの入熱量を第2部への単位長さ当たりの入熱量に比べ容易に増加させることができる。つまり、ここでは、製造効率を比較的高く維持しつつ、蓋部材とパイプの継ぎ目部分との周溶接部分における溶接の不具合の発生を防止することができる。
本発明の第9観点に係る圧力容器の製造方法は、第7観点又は第8観点に係る圧力容器の製造方法であって、圧力容器は、圧縮機構及び圧縮機構を駆動するモータを収容する圧縮機用の圧力容器である。
本発明の第9観点に係る製造方法で製造された圧力容器の圧縮機では、溶接の影響による熱ひずみが圧力容器に生じにくいため、圧力容器内の圧縮機構やモータの位置変化を抑え、振動や騒音を抑制することが容易である。
本発明の第1観点に係る圧力容器では、蓋部材とパイプの継ぎ目部分との周溶接部分において入熱量を比較的大きくして溶接の不具合の発生を抑制することができる。一方で、溶接の不具合の発生が発生しにくい第2部については入熱量を比較的小さく抑えて、圧力容器の熱ひずみを抑制できる。
本発明の第2観点に係る圧力容器は、比較的シンプルな製造設備で、細かな製造条件設定をすることなく製造可能である。
本発明の第3観点に係る圧力容器では、溶接の不具合の発生を抑制することが容易であると共に、溶接の不具合の発生が発生しにくい第2部については入熱量を比較的小さく抑えて、周溶接による熱ひずみの増大を抑制できる。
本発明の第4観点に係る圧力容器では、蓋部材に固定される機能部品に加えられる入熱量を抑制し、機能部品の歪みの発生を防止できる。
本発明の第5に係る圧力容器では、パイプの継ぎ目部分が多様な溶接方法により溶接されている場合に、蓋部材とパイプの継ぎ目部分との周溶接部分において溶接の不具合の発生を抑制できる。
本発明の第6観点に係る圧縮機では、溶接の影響による熱ひずみが圧力容器に生じにくいため、圧力容器内の圧縮機構やモータの位置変化を抑え、振動や騒音を抑制することが容易である。
本発明の第7観点又は第8観点に係る圧力容器の製造方法では、製造効率を比較的高く維持しつつ、蓋部材とパイプの継ぎ目部分との周溶接部分における溶接の不具合の発生を防止することができる。
本発明の第9観点に係る製造方法で製造された圧力容器の圧縮機では、溶接の影響による熱ひずみが圧力容器に生じにくいため、圧力容器内の圧縮機構やモータの位置変化を抑え、振動や騒音を抑制することが容易である。
本発明の一実施形態に係る圧力容器(ケーシング)を備えた圧縮機の概略縦断面図である。 図1の圧縮機の上蓋部材部分の概略平面図である。 図1の圧縮機のケーシングのパイプの概略斜視図である。 図2の圧縮機のIV−IV矢視の上蓋部材部分の概略縦断面図である。 図1の圧縮機の製造方法を示すフローチャートである。 変形例Fの圧縮機の概略平面図である。
以下に、本発明の一実施形態に係る圧力容器(ケーシング20)と、その圧力容器を備えた圧縮機10と、本発明の一実施形態に係る圧力容器の製造方法と、について図面を参照しながら説明する。
なお、以下の説明は、本発明に係る圧力容器、その圧力容器を備えた圧縮機、及び本発明に係る圧力容器の製造方法の例であって、本発明を限定するものではない。本発明に係る圧力容器、その圧力容器を備えた圧縮機、及び本発明に係る圧力容器の製造方法の構成は、以下に説明する内容から、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
(1)全体構成
本実施形態に係る圧縮機10は、例えば、空気調和装置の室外機に使用され、空気調和装置の冷媒回路の一部を構成する。圧縮機10は、アキュムレータ500(図1参照)を介して圧縮機10に流入する冷媒ガスを圧縮する。冷媒は、例えばHFC冷媒のR32である。アキュムレータ500は、圧縮機10内に液状の冷媒が送り込まれないように冷媒の気液分離を行なうよう構成されている。
なお、圧縮機10で圧縮される冷媒の種類は、例示であって、R32に限定されるものではない。圧縮機10で圧縮される冷媒は、例えば、R410A、R134a等の他のHFC冷媒や、二酸化炭素等の自然冷媒であってもよい。
圧縮機10は、圧力容器の一例としてのケーシング20を有する。本実施形態では、圧縮機10は、ロータリ式の圧縮機である。ただし、圧縮機10の種類は一例であって、圧縮機10は圧力容器を備えた他の種類の圧縮機、例えばレシプロ式や、スクロール式の圧縮機であってもよい。
図1は、本実施形態に係る圧縮機10の縦断面図である。図2は、図1の圧縮機10の上蓋部材部分の平面図である。以下の説明では、位置や方向の説明のため、「上」、「下」等の表現を用いる場合があるが、特記無き場合、図1中の矢印Uの方向を上とする。
圧縮機10は、主に、ケーシング20と、圧縮機構30と、モータ40と、クランクシャフト50と、電源端子80とを備える(図1参照)。圧縮機10の各構成について、以下に詳細を説明する。
(2)詳細構成
(2−1)ケーシング
ケーシング20は、圧力容器の一例である。ケーシング20は、圧縮機10の各種構成を収容している。ケーシング20は、主として、圧縮機構30と、モータ40と、クランクシャフト50とを収容している。圧縮機構30は、ケーシング20の下部に配置される(図1参照)。モータ40は、圧縮機構30の上方に配置される(図1参照)。
後述するように、ケーシング20に収容される圧縮機構30は、冷凍サイクルにおける低圧の冷媒ガスを吸引して圧縮し、冷凍サイクルにおける高圧の冷媒ガスを吐出する。圧縮機構30により圧縮された冷媒ガスは、ケーシング20内の、圧縮機構30の外部の高圧空間90に流入する。
ケーシング20は、上下が開口している円筒状のパイプ21と、パイプ21の上側に配置されている上蓋部材22と、パイプ21の下側に配置されている底蓋部材23と、を有する。限定するものではないが、パイプ21、上蓋部材22及び底蓋部材23の材質は、例えばSS400である。
パイプ21は、長手方向(軸方向)に沿った継ぎ目(シーム)WAを有する筒状部材である(図3参照)。パイプ21は、板状部材を曲げ加工により円筒状に形成し、継ぎ目部分を溶接により接合したパイプである。つまり、パイプ21は、パイプ21の長手方向に継ぎ目のあるシーム管である。なお、パイプ21の継ぎ目部分WAとは、パイプ21の材料(母材)が溶融固着した領域、又は、溶接ビードが形成された領域を意味する。圧縮機10において、筒状のパイプ21の中心軸C(図3参照)は上下方向に延びる。パイプ21の継ぎ目部分WAは、円筒状のパイプ21の中心軸Cに沿って延びる。パイプ21の中心軸Cに沿って見た時に、継ぎ目部分WAは、中心軸C周りに約4度の角度範囲にわたってパイプ21に配置されている(図2参照)。なお、継ぎ目部分WAの配置される角度範囲の大きさは例示であって、この値に限定されるものではない。限定するものではないが、パイプ21の継ぎ目部分WAは、例えばアーク溶接により接合されている。パイプ21の継ぎ目部分WAは、レーザー溶接、プラズマ溶接、電気抵抗溶接等により接合されてもよい。
パイプ21には、パイプ21を貫通して吸入管60が挿入されている(図1参照)。吸入管60は、パイプ21の側面下部を略水平方向に貫通している。吸入管60は、気密を保つようにケーシング20に接続されている。吸入管60のケーシング20内部側の端部は、圧縮機構30に接続されている。吸入管60のケーシング20の外部側の端部は、アキュムレータ500に接続されている。アキュムレータ500において液状成分が分離された冷媒は、吸入管60を介して圧縮機構30へと送られる。
上蓋部材22は、蓋部材の一例であってパイプ21の開口を塞ぐ(図1参照)。本実施形態では、上蓋部材22は、パイプ21の上方側の開口を塞ぐ。上蓋部材22は、主に、上面部220と、周縁部221と、を有している(図1参照)。
上面部220は、平面視において略円形状である。ケーシング20をパイプ21の中心軸Cに沿って見た時に、蓋部材22の上面部220の、パイプ21の中心軸C周りのパイプ21の継ぎ目部分WAの円周方向の中心WA1を基準(0度)とする90度から270度の角度領域Rに、各種機能部品(後述する、吐出管70、電源端子80、電源端子カバー取付ボルト600)が配置されている(図2参照)。言い換えれば、ケーシング20をパイプ21の中心軸Cに沿って見た時に、蓋部材22の上面部220の、パイプ21の中心軸Cに対してパイプ21の継ぎ目部分WAとは反対側に配置される領域に、各種機能部品が配置されている(図2参照)。さらに言い換えれば、各種機能部品は、ケーシング20をパイプ21の中心軸Cに沿って見た時に、蓋部材22の上面部220の、パイプ21の中心軸Cとパイプ21の継ぎ目部分WAの円周方向の中心WA1とを結ぶ直線と直交すると共にパイプ21の中心軸Cを通過する直線Lに対し、パイプ21の継ぎ目部分WAとは反対側の領域に配置されている(図2参照)。
上蓋部材22には、上面部220を貫通して吐出管70が挿入されている(図1参照)。吐出管70には、ケーシング20の内部から外部へと冷媒が流れる。吐出管70は、ケーシング20をパイプ21の中心軸Cに沿って見た時に、上面部220の上述の角度領域Rに配置されている。吐出管70は、その全体が、ケーシング20をパイプ21の中心軸Cに沿って見た時に、上面部220の角度領域Rに配置されている。吐出管70は、上面部220を略鉛直方向に貫通し、気密を保つようにロー付けにて固定されている。吐出管70のケーシング20の内部側の端部は、ケーシング20内の高圧空間90に配置されている。ケーシング20の外部側の吐出管70の端部は、冷媒回路に接続可能に構成されている。圧縮機構30によって圧縮された冷媒は、吐出管70を通して、吐出管70の接続された冷媒回路へと供給される。
また、上面部220には、電源端子80が挿入され固定される貫通孔220aが形成されている(図1参照)。上蓋部材22がパイプ21に取り付けられた状態で、上蓋部材22を円筒状のパイプ21の中心軸Cに沿って見た時に、貫通孔220aは、パイプ21の中心軸Cに対し、パイプ21の継ぎ目部分WAと反対側に配置される(図2参照)。具体的には、上蓋部材22がパイプ21に取り付けられた状態で、上蓋部材22を円筒状のパイプ21の中心軸Cに沿って見た時に、円形の貫通孔220aの中心Aは、パイプ21の中心軸Cに対し、パイプの継ぎ目部分WAと反対側に配置される(図2参照)。つまり、電源端子80は、ケーシング20をパイプ21の中心軸Cに沿って見た時に、上面部220の上述の角度領域Rに配置されている。限定するものではないが、電源端子80は、上蓋部材22と気密を保つように、例えば、溶接により貫通孔220aに固定される。限定するものではないが、電源端子80は、上蓋部材22と気密を保つように、溶接(例えばプロジェクション溶接)で貫通孔220aに固定されている。電源端子80を溶接で貫通孔220aに固定する代わりに、電源端子80はロー付けで貫通孔220aに固定されてもよい。また、電源端子80を溶接で貫通孔220aに固定する代わりに、例えば電源端子80に雄ネジを、貫通孔220aに雌ネジをそれぞれ形成し、上蓋部材22と気密を保つように、ネジ係合により電源端子80が貫通孔220aに固定されてもよい。なお、電源端子80をネジ係合により貫通孔220aに固定する際には、気密を保つため、電源端子80の雄ネジにシールテープが巻き付けられることが好ましい。
また、上面部220には、電源端子80を覆う(図示しない)端子カバーを固定する電源端子カバー取付ボルト600がプロジェクション溶接にて固定されている。電源端子カバー取付ボルト600は、ケーシング20をパイプ21の中心軸Cに沿って見た時に、上面部220の上述の角度領域Rに配置されている。圧縮機10を空気調和装置の室外機に搭載する時に、図示しない端子カバーが電源端子カバー取付ボルト600に図示しないナットを用いて取り付けられる。端子カバーは、電源端子80を保護する。
周縁部221は、上面部220の周縁から下方に向かって延びる。ケーシング20において、上蓋部材22の周縁部221は、パイプ21の上方側の開口から、パイプ21の内部にその一部が入り込んでいる(図1参照)。上蓋部材22は、パイプ21の上端部211に周溶接されて取り付けられている。具体的には、ケーシング20では、上蓋部材22の周縁部221とパイプ21の上端部211とが、全周溶接によって気密を保つように接続されている。図1及び図2では、上蓋部材22とパイプ21の周溶接部分を符号100で示している。周溶接部100については後述する。
底蓋部材23は、蓋部材の一例であってパイプ21の開口を塞ぐ(図1参照)。本実施形態では、底蓋部材23は、パイプ21の下方側の開口を塞ぐ。底蓋部材23は、主に、底面部230と、周縁部231と、を有している(図1参照)。
底面部230は、平面視において略円形状である。
周縁部231は、底面部230の周縁から上方に向かって延びる。ケーシング20において、底蓋部材23の周縁部231は、パイプ21の下方側の開口から、パイプ21の内部にその一部が入り込んでいる(図1参照)。底蓋部材23は、パイプ21の下端部212に周溶接されて取り付けられている。具体的には、ケーシング20では、底蓋部材23の周縁部231とパイプ21の下端部212とが、全周溶接によって気密を保つように接続されている。図1及び図2では、底蓋部材23とパイプ21の周溶接部分を符号150で示している。
ケーシング20の下部には、圧縮機構30の摺動部等を潤滑するための冷凍機油が貯留される、油貯留空間25が形成される(図1参照)。
(2−2)圧縮機構
圧縮機構30は、冷凍サイクルにおける低圧の冷媒ガスを圧縮し、冷凍サイクルにおける高圧の冷媒ガスとする機構である。圧縮機構30は、吸入管60を介して冷凍サイクルにおける低圧の冷媒ガスを吸引して圧縮する。圧縮機構30により圧縮された冷凍サイクルにおける高圧の冷媒ガスは、後述するマフラ空間93及び高圧空間90を通り、吐出管70を介して冷媒回路に供給される。
圧縮機構30は、ケーシング20の下部に収容されている(図1参照)。圧縮機構30は、モータ40の下方に配置されている。
圧縮機構30は、主として、ピストン31と、フロントヘッド32と、シリンダ33と、リアヘッド34と、マフラ36とを有している。
シリンダ33には、上下で開口する円形の貫通孔33aが形成されている。貫通孔33aの内部空間には、ピストン31が収容される(図1参照)。また、シリンダ33には、冷凍サイクルにおける低圧の冷媒を吸入する吸入孔33bが形成されている。吸入孔33bは、シリンダ33の外周側から貫通孔33aに向かって略水平方向に延びる。吸入孔33bには、吸入管60の先端部が挿入される(図1参照)。吸入孔33bは、貫通孔33aの内部空間と吸入管60とを連通する。
シリンダ33の上方には、貫通孔33aの上方の開口を塞ぐようにフロントヘッド32が配置される。フロントヘッド32には、後述するマフラ空間93に圧縮室37内の冷媒を吐出するための吐出ポート(図示せず)が形成されている。
シリンダ33の下方には、貫通孔33aの下方の開口を塞ぐようにリアヘッド34が配置される。
フロントヘッド32、シリンダ33、及びリアヘッド34は、ボルト35により一体に結合されている。シリンダ33の貫通孔33aの内周面、フロントヘッド32の下端面、リアヘッド34の上端面、及びシリンダ33の内部に配置されるピストン31の外周面等により、圧縮室37が形成される(図1参照)。圧縮室37は、吸入孔33bに挿入された吸入管60と連通可能に構成されている。また、圧縮室37は、フロントヘッド32の吐出ポート及び後述するマフラ空間93を介して、高圧空間90と連通可能に構成されている。
ピストン31には、後述するクランクシャフト50の偏心軸部51が嵌め込まれている。クランクシャフト50が回転すると、ピストン31は、シリンダ33に対して公転する。ピストン31がシリンダ33に対して公転すると、圧縮室37の容積が周期的に変化し、吸入管60から流入した冷媒が圧縮室37において圧縮される。
フロントヘッド32の上面には、マフラ36が固定されている。マフラ36は、フロントヘッド32に形成された吐出ポートから冷媒が吐出される際に発生する騒音を低減するために設けられている。マフラ36とフロントヘッド32とは、マフラ36及びフロントヘッド32によって囲まれたマフラ空間93を形成する。マフラ36には図示しない孔が形成されており、この孔を介して、マフラ空間93と高圧空間90とが連通する。圧縮室37において圧縮された冷媒は、フロントヘッド32の吐出ポートを通ってマフラ空間93に吐出され、更にマフラ36に形成された図示しない孔を通過して高圧空間90に流入する。
フロントヘッド32及びリアヘッド34のそれぞれには、中央を上下に貫通する軸孔32a、34aが形成されている。軸孔32a、34aには、クランクシャフト50が嵌め込まれ、クランクシャフト50を回転自在に支持する。つまり、フロントヘッド32及びリアヘッド34は、軸孔32a、34aに挿入されたクランクシャフト50を回転自在に支持する軸受として機能する。
(2−3)モータ
モータ40は、圧縮機構30を駆動するモータである。モータ40は、圧縮機構30の上方に配置される。モータ40は、主として、ステータ41と、ロータ42とを有している。ステータ41は、円筒形状であり、ケーシング20のパイプ21の内周面21aに固定される。ロータ42は、円柱形状であり、ステータ41の内側に配置される。
ステータ41とロータ42の間には、エアギャップ43(隙間)が形成されている。ステータ41の外周面には、鉛直方向に沿ってコアカット(図示せず)と呼ばれる溝が形成されている。ケーシング20内のモータ40より下部の空間と、ケーシング20内のモータ40より上部の空間とは、エアギャップ43及びコアカットを介して連通している。
ステータ41は、主として、ステータコア44と、インシュレータ45とを有する。ステータコア44は、電磁鋼から形成される部材である。ステータコア44は、略筒形状である。インシュレータ45は、ステータコア44の上下方向における両端面に取り付けられている。限定するものではないが、ステータコア44の外周面は、パイプ21の内周面21aに、例えば焼き嵌めにより固定される。ステータコア44には、複数のティース(図示せず)が形成されている。ティース及びインシュレータ45には導線が巻き回され、コイル46が形成されている。
ロータ42は、ロータコア47と、上部板48と、下部板49とを有している。ロータコア47は、鉛直方法に積層された複数の金属板から構成される。ロータコア47には、磁石(図示せず)が埋め込まれている。上部板48は、ロータコア47の上端面を覆う金属板である。下部板49は、ロータコア47の下端面を覆う金属板である。
(2−4)クランクシャフト
クランクシャフト50は、圧縮機構30とモータ40とを連結する。圧縮機10において、クランクシャフト50は、その回転軸50aが上下方向に延びるように配置されている。クランクシャフト50は、回転軸50aを中心に回転する。
クランクシャフト50は、偏心軸部51を有している。クランクシャフト50の偏心軸部51は、圧縮機構30の中空のピストン31の内部に挿嵌され、ピストン31と連結されている。クランクシャフト50の上部は、ロータ42と連結されている。このようにして、クランクシャフト50により圧縮機構30とモータ40とは連結されている。
クランクシャフト50は、フロントヘッド32の軸孔32aと、リアヘッド34の軸孔34aとによって回転可能に支持されている。
クランクシャフト50の内部には、ケーシング20の下部の油貯留空間25に溜まっている冷凍機油を、ピストン31と、シリンダ33、フロントヘッド32、及びリアヘッド34との摺動部や、クランクシャフト50と、フロントヘッド32及びリアヘッド34との摺動部に導くための油流路52が形成されている。圧縮機10の運転中、例えば圧力差や遠心力等を利用して、油貯留空間25に溜められた冷凍機油が、油流路52を通って摺動部に送られる。
(2−5)電源端子
電源端子80は、外部からモータ40等に電気を供給する電流導入端子である。電源端子80について、主に図2及び図4に基づいて説明する。
図4は、図2のIV―IV矢視断面図である。図4では、電源端子80の半分が断面図とし
て示され、残り半分が側面図として示されている。
図2に示すように、電源端子80は、上蓋部材22の中心(パイプ21の中心軸Cが通過する点)よりも周方向外側に配置されている。上蓋部材22がパイプ21に取り付けられた状態で、上蓋部材22を円筒状のパイプ21の中心軸Cに沿って見た時に、電源端子80は、パイプ21の中心軸Cに対し、パイプ21の継ぎ目部分WAと反対側に配置されている(図2参照)。ケーシング20をパイプ21の中心軸Cに沿って見た時に、電源端子80は、上述した上面部220の角度領域R(パイプ21の中心軸C周りの、パイプ21の継ぎ目部分WAの円周方向の中心WA1を基準(0度)とするパイプ21の中心軸C周りの90度から270度の角度領域)に配置されている。電源端子80の中心は、パイプ21の中心軸C周りの、パイプ21の継ぎ目部分WAの円周方向の中心WA1を基準(0度)として180度の角度位置に配置されている。電源端子80は、その全体が、ケーシング20をパイプ21の中心軸Cに沿って見た時に、上面部220の角度領域Rに配置されている。
電源端子80は、シェル81と、3本の電極82とを備えている。
限定するものではないが、シェル81の材質は、例えば、SPCE材である。シェル81は、上蓋部材22に形成された貫通孔220aを塞ぐように配置されている。シェル81は、電極82を支持する部材である。電源端子80は、シェル81が上蓋部材22に固定されることで、ケーシング20に気密を保つように取り付けられる。
シェル81は、図4に示すように、主に、支持部810と、周縁部811と、鍔部812を有している。支持部810は、円板状に形成されている。電極82は、シェル81の支持部810に固定されている。周縁部811は、支持部810の周縁に形成されている。周縁部811は、円筒状に形成されている。鍔部812は、周縁部811の支持部810とは反対側の端部に、円筒状の周縁部811から径方向外側に向かって拡がるように形成されている。
シェル81は、円筒状の周縁部811の軸方向が上下方向と略一致するような姿勢で上蓋部材22に取り付けられる。このような姿勢で上蓋部材22に取り付けられたシェル81において、支持部810は、周縁部811の上側の開口を塞ぐように配置されている。支持部810は、上蓋部材22の上面部220と略平行に配置されている(図4参照)。
上蓋部材22に取り付けられたシェル81において、周縁部811の少なくとも一部は、上蓋部材22の貫通孔220aの内側に配置されている(図3参照)。シェル81は、溶接(例えばプロジェクション溶接)によって上蓋部材22と気密を保つように接続されている。シェル81と上蓋部材22との固定方法は溶接に限定されないことは、上述のとおりである。
シェル81の支持部810には、3本の円形状の貫通孔83(図2参照)が形成されている。それぞれの貫通孔83内に電極82が配置されている。貫通孔83内には、ガラス材料によってガラスシール部分84が形成されている。電極82が貫通された状態で、ガラスシール部分84により貫通孔83は封止されている。ガラスシール部分84はガラス材料によって形成されているため、電極82とシェル81との間の絶縁が保たれる。
図4に示すように、上方から見た時に、3本の電極82は、略円形状のシェル81の中心に対して回転対称に配置されている。3箇所のガラスシール部分84も、シェル81の中心に対して回転対称に配置されている。詳細には、3箇所のガラスシール部分84の中心(言い換えれば、貫通孔83の中心)は、シェル81の中心周りに、略120度間隔で配置されている。
(2−6)パイプと蓋部材との周溶接部
上述のように、パイプ21の上端部211に上蓋部材22が周溶接され、パイプ21の下端部212に底蓋部材23が周溶接されている。
ここでは、パイプと蓋部材との周溶接部に関して、図2及び図4を主に参照しながら、パイプ21と上蓋部材22との周溶接部100を例に説明する。パイプ21と底蓋部材23との周溶接部150の構成は、周溶接部100の構成と同様であるので説明は省略する。
初めに、周溶接部100は、周溶接によりパイプ21の材料(母材)と上蓋部材22の材料(母材)とが溶融固着した領域、又は、周溶接により溶接ビードが形成された領域を意味する。
図2及び図4では、パイプ21と上蓋部材22との周溶接部100はドットのハッチングで示されている。なお、パイプ21と上蓋部材22との周溶接部100のうち、パイプ21の継ぎ目部分WAを通過する部分(パイプ21の中心軸Cに沿って見た時に、周溶接部100と継ぎ目部分WAとが重なる部分)を、以下の説明では第1部110と呼ぶ。図4では、パイプ21の継ぎ目部分WAを幅の狭いハッチングで示している。以下の説明では、周溶接部100のうち、第1部110以外の部分を、第2部120と呼ぶ。
限定するものではないが、パイプ21と上蓋部材22とは、MAG溶接等のアーク溶接により周溶接されている。ただし、溶接方法は例示であって、パイプ21と上蓋部材22とは、例えばレーザー溶接等、他の溶接方法によって周溶接されてもよい。
パイプ21と上蓋部材22との周溶接は、パイプ21の全周にわたって行われている。より具体的には、パイプ21と上蓋部材22との周溶接は、周溶接の軌跡が部分的に重なるように行われている。つまり、パイプ21と上蓋部材22との周溶接は360度を超えて行われている。
特に、ここでは、パイプ21と上蓋部材22との周溶接部100のうち、少なくとも第1部110では、周溶接の軌跡が重なるように溶接が行われている。言い換えれば、パイプ21と上蓋部材22との周溶接部100のうち、少なくとも第1部110では、複数回(ここでは2回)溶接が行われている。また、ここでは、パイプ21と上蓋部材22との周溶接は、パイプ21の作成の際、継ぎ目部分WAが溶接された時に熱影響を受けた領域(図2で斜線のハッチングで示した領域HA)においても、少なくともその一部で周溶接の軌跡が重なるように溶接が行われている。好ましくは、パイプ21と上蓋部材22との周溶接の溶接開始点S及び溶接終了点Eは、第1部110又は、第1部110の近傍に位置する。
図2に、溶接開始点S及び溶接終了点Eの配置の一例を示す。なお、図2では、溶接開始点Sの位置及び溶接終了点Eの位置を中実丸印で、周溶接の軌跡の概要をパイプ21の外周側に描画した二点鎖線で示している。ここでは、図4の矢印Bのように反時計回りに行われることを仮定しているが、溶接方向は例示である。溶接開始点Sは第1部110の近傍(第2部120内)に、溶接終了点Eは第1部110の端部の近傍(第2部120内)に位置する。また、溶接開始点S及び溶接終了点Eは、パイプ21の継ぎ目部分WAの溶接時に熱影響を受けた領域HAと重なる位置に配置される。具体的には、溶接開始点Sは、ケーシング20をパイプ21の中心軸Cに沿って見た時に、パイプ21の継ぎ目部分WAの周方向の中心WA1とパイプ21の中心軸Cとを結ぶ線に対して、−20度の角度位置に位置する。溶接終了点Eは、ケーシング20をパイプ21の中心軸Cに沿って見た時に、パイプ21の継ぎ目部分WAの周方向の中心WA1とパイプ21の中心軸Cとを結ぶ線に対して、+20度の角度位置に位置する。この具体例では、周溶接は、ケーシング20をパイプ21の中心軸Cに沿って見た時に、パイプ21の中心軸C周りに、−20度から+380度まで行われる(パイプ21の継ぎ目部分WAの周方向の中心WA1を0度とする)。なお、ここで示した溶接開始点S及び溶接終了点Eの配置は一例であって、これに限定されるものではない。例えば、ここでは、溶接開始点S及び溶接終了点Eは、ケーシング20をパイプ21の中心軸Cに沿って見た時に、パイプ21の継ぎ目部分WAの周方向の中心WA1とパイプ21の中心軸Cとを結ぶ線に対して、同じ角度、逆の方向に離れた位置に配置されているが、これに代えて、互いに異なる角度、逆の方向に離れた位置に配置されていてもよい。また、上記の±20度という角度の数値は例示であって、これに限定されるものではない。例えば図2のような溶接開始点S及び溶接終了点Eの配置により、第1部110においては周溶接の軌跡を重ねつつ、周溶接の軌跡が重なる部分が不要に長くなることを抑制できる。
上記のように周溶接が行われる結果、第1部110における溶接時の単位長さ当たりの入熱量は、第1部110以外の第2部120における溶接時の単位長さ当たりの入熱量の平均よりも大きい。つまり、パイプ21の継ぎ目部分WAを通過する部分を周溶接する際の総入熱量を第1部110の長さで割った値は、それ以外の部分を周溶接する際の総入熱量を第2部120の長さで割った値よりも大きい。
なお、ここでの長さとは、周溶接部100をパイプ21の中心軸Cに沿って見た時の、パイプ21の周方向に沿った長さを意味する。単位長さ当たりの入熱量は、例えば、kJ(キロジュール)/mm(ミリメートル)等の単位で表わされる。
第1部110における入熱量が第2部120における入熱量の平均よりも大きいことで、第1部110と第2部120との間に、以下の様な違いを生じる。
溶接材料を用いる溶接方法で周溶接が行われる場合、第1部110における入熱量が第2部120における入熱量の平均よりも大きいことで、第1部110の溶接時に、第2部120の溶接時の平均に比べ、溶接材料がより多く使用される。その結果、第1部110の(第1部110の溶接ビードの)単位長さ当たりの体積は、第2部120における(第2部120の溶接ビードにおける)単位長さ当たりの体積の平均よりも大きい。
なお、第1部110の単位長さ当たりの体積は、例えば、第2部120における単位長さ当たりの体積の平均の170%以上であることが好ましい。第1部110の単位長さ当たりの体積が、第2部120における単位長さ当たりの体積の平均の170%以上であるということは、第2部120における単位長さ当たりの体積の平均が比較的小さいことを意味する。言い換えれば、第1部110の単位長さ当たりの体積が、第2部120における単位長さ当たりの体積の平均の170%以上であるということは、第2部120において重ねて(2回)溶接されている角度範囲が比較的小さいことを意味する。第1部110の単位長さ当たりの体積が、第2部120における単位長さ当たりの体積の平均の170%以上であることで、第2部120における入熱量が不必要に大きくなることを制限できる。
また、第1部110の単位長さ当たりの体積は、第2部120における単位長さ当たりの体積の平均の210%以下であることが好ましい。その理由は以下の通りである。
溶接装置で溶接速度一定かつ入力電力一定の条件で周溶接を連続的に1回だけ行う場合、第1部110の単位長さ当たりの体積の第2部120における単位長さ当たりの体積の平均に対する割合の理論最大値は、200%である。一般的な製造のばらつきをふまえても、第1部110の単位長さ当たりの体積の第2部120における単位長さ当たりの体積の平均に対する割合の最大値は、210%以下である。なお、第1部110の単位長さ当たりの体積が、第2部120の単位長さ当たりの体積に対して最大となるのは、パイプ21の継ぎ目部分WAを通過する部分だけ重ねて(2回)周溶接を行い、その他の部分は1回だけ周溶接を行う場合である。上記の内容は、言い換えれば、本実施形態のケーシング20(すなわち、第1部110の単位長さ当たりの体積が、第2部120における単位長さ当たりの体積の平均の210%以下であるケーシング20)は、溶接装置で、溶接速度一定かつ入力電力一定の条件で、周溶接を連続的に1回だけ行う場合であっても、製造可能であることを意味する。つまり、本実施形態のケーシング20は、溶接速度や入力電力が可変ではない比較的シンプルな溶接装置を用いて、周溶接の開始点及び終了点を指定するだけで製造可能である。
また、第1部110の単位長さ当たりの体積を、第2部120の単位長さ当たりの体積の平均の210%以下に設定することで、第1部110が過剰な溶接(入熱量)となるのを避けることも容易である。
なお、本実施形態の具体的な数字を用いた場合、第1部110の単位長さ当たりの体積の第2部120における単位長さ当たりの体積の平均に対する割合は、以下のように計算される。なお、ここで示す数字は具体例に過ぎず、ケーシング20の設計は、この数値により限定されるものではない。
上記の具体例では、パイプ21の中心軸Cに沿って見た時に、継ぎ目部分WAは、中心軸C周りに約4度の角度範囲にわたってパイプ21に配置されている。そこで、ここでは第1部110の角度範囲を4度とする。第1部110では重ねて(2回)溶接が行われている。第2部120の角度範囲は、360度から第1部110の角度範囲(4度)を差し引いて、356度となる。第2部120の角度範囲の内、36度(40度−4度)の範囲では重ねて(2回)溶接が行われており、320度(356度−36度)の範囲では1回溶接が行われている。そのため、第1部110の単位長さ当たりの体積の、第2部120における単位長さ当たりの体積の平均に対する比率は、以下の計算式のように約182%と算出される。なお、式中のAは、パイプ21と上蓋部材22とを単位角度にわたって1回溶接した時に増加する体積の理論値である。
A×2回÷(A×2回×(36/356)+A×1回×(320/356))≒182%
なお、後述する変形例Cのような圧力容器の製造方法を用いる場合には、製造条件を変更することで、第1部110の単位長さ当たりの体積の、第2部120における単位長さ当たりの体積の平均に対する割合を、任意に設定できる。例えば、第1部110の単位長さ当たりの体積の、第2部120における単位長さ当たりの体積の平均に対する割合は、百数十パーセント(好ましくは170%以上)に設定されてもよいし、210%より大きな値(例えば250%)等に設定することもできる。第1部110の単位長さ当たりの体積の、第2部120における単位長さ当たりの体積の平均に対する割合は、諸条件に基づき適宜決定されればよい。ただし、第1部110の単位長さ当たりの体積を、第2部120における単位長さ当たりの体積の平均の210%以下の条件に設定することで、周溶接時の過剰な入熱を避けることが容易である。
溶接材料を用いない溶接方法で周溶接が行われる場合にも、第1部110における入熱量が第2部120における入熱量の平均よりも大きいことで、第1部110の単位長さ当たりの体積は、第2部120における単位長さ当たりの体積の平均よりも大きい。つまり、溶接材料を用いない溶接方法で周溶接が行われる場合にも、第1部110における入熱量が第2部120における入熱量の平均よりも大きいことで、第1単位体積が、第2単位体積の平均に比べて大きくなる。なお、第1単位体積は、第1部110におけるパイプ21と上蓋部材22とが互いに溶融固着した体積を、第1部110の長さで割った値である。第2単位体積は、第2部120におけるパイプ21と上蓋部材22とが互いに溶融固着した体積を、第2部120の長さで割った値である。なお、ここでの長さとは、周溶接部100をパイプ21の中心軸Cに沿って見た時の、パイプ21の周方向に沿った長さを意味する。
なお、第1単位体積は、第2単位体積の平均の170%以上であることが好ましい。第1単位体積が、第2単位体積の平均の170%以上であるということは、第2部120が重ねて(2回)溶接される角度範囲が比較的小さいことを意味する。第1単位体積が、第2単位体積の平均の170%以上であることで、第2部120における入熱量が不必要に大きくなることを制限できる。
また、第1単位体積は、第2単位体積の平均の210%以下であることが好ましい。この理由は、上述の溶接材料を用いる溶接方法で周溶接が行われる場合と同様に、第1単位体積が第2単位体積の平均の210%以下であるケーシング20であれば、溶接速度や入力電力が可変ではない比較的シンプルな溶接装置を用いて、周溶接の開始点及び終了点を指定するだけで製造可能であるためである。
また、第1単位体積を、第2単位体積の平均の210%以下の条件に設定することで、第1部110が過剰な溶接(入熱量)となるのを避けることも容易である。
なお、後述する変形例Cのような圧力容器の製造方法を用いる場合には、製造条件を変更することで、第1単位体積の、第2単位体積の平均に対する割合を、任意に設定できる。例えば、第1単位体積の、第2単位体積の平均に対する割合は、百数十パーセント(好ましくは170%以上)に設定されてもよいし、210%より大きな値(例えば250%)等に設定することもできる。第1単位体積の、第2単位体積の平均に対する割合は、諸条件に基づき適宜決定されればよい。ただし、第1単位体積の第2単位体積の平均に対する割合を210%以下の条件に設定することで、周溶接が過剰な溶接(入熱量)となるのを避けることが容易である。
また、第1単位体積及び第2単位体積の平均に以上の関係が有ることで、第1単位面積は、第2単位面積の平均に比べて大きくなる。なお、第1単位面積は、第1部110の単位長さ当たりの、パイプ21及び/又は上蓋部材22上の、第1部110に隣接する熱による変質(例えば変色等)の見られる領域の面積である。第2単位面積は、第2部120の単位長さ当たりの、パイプ21及び/又は上蓋部材22上の、第2部120に隣接する熱による変質の見られる領域の面積である。
(3)圧縮機の動作
圧縮機10の動作について説明する。
電源端子80から供給される電力によってモータ40が駆動されると、ロータ42が回転する。これと同時にロータ42に連結されているクランクシャフト50も回転する。その結果、クランクシャフト50の偏心軸部51に連結されているピストン31は、シリンダ33の貫通孔33aの内部で公転する。ピストン31の回転により圧縮室37の容積が周期的に変化する。
冷凍サイクルにおける低圧のガス冷媒は、アキュムレータ500から吸入管60及びシリンダ33の吸入孔33bを通って圧縮室37に吸入される。そして、圧縮室37の容積が減少するに連れて圧縮室37の冷媒は圧縮され、冷凍サイクルにおける高圧のガス冷媒となる。高圧のガス冷媒は、圧縮室37からフロントヘッド32に形成された吐出ポートを介してマフラ空間93に流入する。マフラ空間93に流入した高圧のガス冷媒は、高圧空間90に吐出される。高圧空間90に吐出された冷媒は、吐出管70を通ってケーシング20の外部に送られる。
(4)圧縮機の製造方法
次に、本実施形態の圧縮機10の製造方法、特に圧力容器(ケーシング20)の製造方法に関連する部分について、図5を用いて説明する。図5は、本実施形態の圧縮機10の製造方法を説明するためのフローチャートである。
図5に示すように、まずステップS101において、上蓋部材22に電源端子80、電源端子カバー取付ボルト600、及び吐出管70が取り付けられる。例えば、具体的には、上蓋部材22の上面部220の貫通孔220aに、電源端子80が支持部810側から、鍔部812が上面部220の内面に当接するまで挿入される。なお、電源端子80を貫通孔220aに挿入する際には、後ほど(ステップS104において)上蓋部材22がパイプ21に周溶接される際にガラスシール部分84が熱の影響を受けにくい姿勢で、電源端子80は貫通孔220aに挿入されることが好ましい。具体的には、電源端子80を貫通孔220aに挿入する際には、電源端子80は、ガラスシール部分84と、周縁部221の後ほど周溶接が行われる部分との最短距離が、最大となるような姿勢で上蓋部材22に取り付けられることが好ましい。このような姿勢で貫通孔220aに挿入された電源端子80は、その姿勢でプロジェクション溶接により貫通孔220aに固定される。また、ステップS101では、上蓋部材22の上面部220の図4に示されているような位置に、電源端子カバー取付ボルト600が取り付けられる。電源端子カバー取付ボルト600は、上蓋部材22の上面部220上にプロジェクション溶接で取り付けられている。電源端子カバー取付ボルト600は、上面部220を貫通していない。また、ステップS101では、上蓋部材22の上面部220の図4に示されているような位置に、吐出管70が取り付けられる。吐出管70は、上蓋部材22の上面部220上に形成された貫通孔220b(図4参照)に挿入され、貫通孔220bにロー付けにより取り付けられる。
次に、ステップS102において、パイプ21の内側に取り付けられているモータ40等と電源端子80との配線が行われる。
次に、ステップS103において、上蓋部材22の周縁部221が、パイプ21の上端部211の内側に圧入される。なお、上蓋部材22の周縁部221がパイプ21の上端部211の内側に圧入される際には、後ほど(ステップS104において)上蓋部材22がパイプ21に周溶接される際に電源端子80のガラスシール部分84が熱の影響を受けにくい姿勢で、上蓋部材22がパイプ21の上端部211の内側に圧入されることが好ましい。具体的には、ケーシング20をパイプ21の中心軸Cに沿って見た時に、電源端子80が上述した上面部220の角度領域Rに配置されるような姿勢で、上蓋部材22の周縁部221がパイプ21の上端部211の内側に圧入されることが好ましい。より好ましくは、上蓋部材22の周縁部221をパイプ21の上端部211の内側に圧入する際には、電源端子80が、パイプ21の中心軸Cに対し、パイプ21の継ぎ目部分WAと反対側に配置されるような姿勢で、上蓋部材22の周縁部221がパイプ21の上端部211の内側に圧入されることが好ましい。また、上蓋部材22の周縁部221がパイプ21の上端部211の内側に圧入される際には、後ほど(ステップS104において)上蓋部材22がパイプ21に周溶接される際に吐出管70の溶接部が熱の影響を受けにくい姿勢で、上蓋部材22がパイプ21の上端部211の内側に圧入されることが好ましい。具体的には、ケーシング20をパイプ21の中心軸Cに沿って見た時に、吐出管70が上述した上面部220の角度領域Rに配置されるような姿勢で、上蓋部材22の周縁部221がパイプ21の上端部211の内側に圧入されることが好ましい。さらに、上蓋部材22の周縁部221がパイプ21の上端部211の内側に圧入される際には、後ほど(ステップS104において)上蓋部材22がパイプ21に周溶接される際に電源端子カバー取付ボルト600の溶接部が熱の影響を受けにくい姿勢で、上蓋部材22がパイプ21の上端部211の内側に圧入されることが好ましい。具体的には、ケーシング20をパイプ21の中心軸Cに沿って見た時に、電源端子カバー取付ボルト600が上述した上面部220の角度領域Rに配置されるような姿勢で、上蓋部材22の周縁部221がパイプ21の上端部211の内側に圧入されることが好ましい。
次に、ステップS104において、上蓋部材22の周縁部221が、パイプ21の上端部211とアーク溶接により全周溶接される。好ましくは、上蓋部材22の周縁部221とパイプ21の上端部211とのアーク溶接は、溶接装置により行われる。周溶接は、パイプ21の継ぎ目部分WAの近傍の溶接開始点S(図2参照)から矢印B方向に、全周にわたって行われる。具体的には、周縁部221と上端部211とのアーク溶接は、溶接開始点Sから矢印B方向に、パイプ21の継ぎ目部分WAの近傍の溶接終了点E(図2参照)まで、図2中の二点鎖線のような軌跡で行われる。つまり、アーク溶接は、パイプ21の上端部211に沿って、360度以上の角度(本実施形態では約400度)にわたって行われる。少なくともパイプ21の継ぎ目部分WAを通過する部分(周溶接部100の第1部110)では、周溶接の軌跡が重なるようにアーク溶接が行われる。また、好ましくは、パイプ21の継ぎ目部分WAを通過する部分に加えて、パイプ21の作成の際、溶接の継ぎ目部分WAの溶接時に熱影響を受けた領域HAのうち、パイプ21の上端部211に位置する部分の一部領域又は全領域で、周溶接の軌跡が重なるよう周溶接が行われる。
なお、パイプ21の作成の際、溶接の継ぎ目部分WAの溶接時に熱影響を受けた領域HAの大きさは、継ぎ目部分WAの溶接方法、溶接条件、パイプ21の径、パイプ21の厚み等により変化する。
ステップS104では、周方向に沿って溶接トーチを一定速度で動かして周溶接が行われる。周溶接を行う際、溶接トーチを動かす代わりに、パイプ21側を一定速度で回転させてもよい。また、ステップS104では、一定の電力を入力して周溶接が行われる。
周溶接部100の第1部110(パイプ21の継ぎ目部分WAを通過する部分)では、アーク溶接が2回行われるので、第1部110では溶接が行われる時間が長くなる。その結果、第1部110における溶接時の単位長さ当たりの入熱量は、第1部110以外の部分(第2部120)における溶接時の単位長さ当たりの入熱量の平均より大きくなる。また、第1部110では、他の部分と比較して溶接材料の溶融量が多くなるため、溶接部分が大きく形成される(図3における左右の溶接部分(第1部110及び第2部120)参照)。言い換えれば、第1部110の単位長さ当たりの体積は、第2部120における単位長さ当たりの体積の平均よりも大きくなる。
次に、ステップS105において、底蓋部材23の周縁部231が、パイプ21の下端部212の内側に圧入される。
次に、ステップS106において、パイプ21の下端部212と底蓋部材23の周縁部231の全周溶接がアーク溶接によって行われる。本ステップは、上蓋部材22と底蓋部材23との違いを除いてステップS104と同様であるので、説明は省略する。
(5)特徴
上記実施形態に係るケーシング20(圧力容器の一例)、及びケーシング20を備えた圧縮機10の特徴について以下に説明する。
(5−1)
上記実施形態に係るケーシング20は、継ぎ目を有するパイプ21と、パイプ21の開口を塞ぐ上蓋部材22と、を備える。ケーシング20は、パイプ21の上端部211に上蓋部材22が周溶接された圧力容器である。パイプ21と上蓋部材22との周溶接部100のうち、パイプ21の継ぎ目部分WAを通過する第1部110における溶接時の単位長さ当たりの入熱量は、第1部110以外の第2部120における単位長さ当たりの入熱量の平均よりも大きい。
本ケーシング20では、上蓋部材22とパイプ21の継ぎ目部分WAとの周溶接部分(第1部110)において入熱量を比較的大きくして、溶接の不具合の発生を抑制することができる。一方で、溶接の不具合の発生が発生しにくい第2部120については入熱量を比較的小さく抑えて、ケーシング20の熱ひずみを抑制できる。
なお、説明は省略するが、ケーシング20は、パイプ21と底蓋部材23との周溶接部150に関しても、同様の特徴を有する。
(5−2)
上記実施形態に係るケーシング20では、第1部110の単位長さ当たりの体積は、第2部120における単位長さ当たりの体積の210%以下である。
上記実施形態に係るケーシング20は、溶接装置で溶接速度一定かつ入力電力一定の条件で周溶接を行うことで製造できる。言い換えれば、上記実施形態に係るケーシング20は、周溶接の開始点及び終了点を指定すれば、溶接速度や入力電力を部分的に変更することなく製造できる。つまり、上記実施形態に係るケーシング20は、比較的シンプルな製造設備で、細かな製造条件設定をすることなく製造可能である。なお、溶接装置で速度一定かつ入力電力一定で周溶接を行う場合、理論的には、第1部110の単位長さ当たりの体積は、第2部120における単位長さ当たりの体積の200%以下となる。210%は、溶接装置における製造のばらつきを考慮した数値である。
また、第1部110の単位長さ当たりの体積を、第2部120の単位長さ当たりの体積の平均の210%以下に設定することで、第1部110が過剰な溶接(入熱量)となるのを避けることも容易である。
なお、説明は省略するが、ケーシング20は、パイプ21と底蓋部材23との周溶接部150に関しても、同様の特徴を有する。
(5−3)
上記実施形態に係るケーシング20では、パイプ21と上蓋部材22との周溶接部100のうち、少なくとも第1部110では周溶接の軌跡が重なる。
本ケーシング20では、第1部110において周溶接の軌跡が重なっている。言い換えれば、本ケーシング20では、第1部110において周溶接が重ねて行われている。そのため、第1部110における入熱量を比較的大きくして溶接の不具合の発生を抑制することが容易である。
また、本ケーシング20では、周溶接の溶接開始点S及び溶接終了点Eが第1部110内又は第1部110近傍に位置するため、溶接の不具合の発生が発生しにくい第2部120については、入熱量を比較的小さく抑えて、周溶接による熱ひずみの増大を抑制することができる。
なお、説明は省略するが、ケーシング20は、パイプ21と底蓋部材23との周溶接部150に関しても、同様の特徴を有する。
(5−4)
本実施形態に係るケーシング20は、上蓋部材22に取り付けられる機能部品の一例である電源端子80を備える。電源端子80は、ケーシング20をパイプ21の中心軸Cに沿って見た時に、上蓋部材22の、パイプ21の中心軸C周りのパイプ21の継ぎ目部分WAの円周方向の中心WA1を基準とする90度から270度の角度領域Rに配置されている。
本ケーシング20では、電源端子80が、パイプ21の中心軸Cを挟んで入熱量の大きな第1部110とは反対側に配置されるため、電源端子80に加えられる入熱量を抑制できる。その結果、周溶接時の電源端子80の歪みの発生を防止することができる。特にここでは、電源端子80のガラスシール部分84に対する悪影響を抑制することができる。
なお、本実施形態に係るケーシング20は、複数の機能部品として、電源端子80、吐出管70、及び電源端子カバー取付ボルト600を備える。そして、機能部品の全て(電源端子80、吐出管70、及び電源端子カバー取付ボルト600)が、ケーシング20をパイプ21の中心軸Cに沿って見た時に、上蓋部材22の角度領域Rに配置されている。
本ケーシング20では、機能部品の全てが、パイプ21の中心軸Cを挟んで入熱量の大きな第1部110とは反対側に配置されているため、全ての機能部品に加えられる入熱量を抑制できる。そのため、上蓋部材22とパイプ21との周溶接時の熱による機能部品の歪みの発生を防止することができる。
(5−5)
本実施形態に係るケーシング20では、パイプ21は、継ぎ目部分WAがアーク溶接されたパイプ、継ぎ目部分WAがレーザー溶接されたパイプ21、継ぎ目部分WAがプラズマ溶接されたパイプ21、又は継ぎ目部分WAが電気抵抗溶接されたパイプ21である。
ここでは、継ぎ目部分WAが多様な溶接方法により溶接されている場合に、上蓋部材22とパイプ21の継ぎ目部分WAとの周溶接部分において入熱量を比較的大きくして溶接の不具合の発生を抑制することができる。
(5−6)
本実施形態に係る圧縮機10は、上記特徴を有するケーシング20と、ケーシング20の内部に収容される圧縮機構30と、ケーシング20の内部に収容され圧縮機構30を駆動するモータ40と、を備える。
本圧縮機10では、溶接の影響による熱ひずみがケーシング20に生じにくいため、ケーシング20内の圧縮機構30やモータ40の位置変化を抑え、振動や騒音を抑制することが容易である。
(6)変形例
以下に、上記実施形態の変形例を示す。以下の変形例は、互いに矛盾しない範囲で組み
合わされてもよい。
(6−1)変形例A
上記実施形態では、パイプ21は円筒状の部材であるが、これに限定されるものではない。パイプは、円筒状以外の筒状部材(例えば、角筒状の部材)であってもよい。
(6−2)変形例B
上記実施形態では、ケーシング20は上方及び下方に蓋部材が配置される縦置きの圧力容器である。しかし、本発明に係る圧力容器は、縦置きの圧力容器でなくてもよい。例えば、圧力容器(ケーシング)は、横置きで用いられる圧力容器(蓋部材が横方向に配置されている圧力容器)であってもよい。
(6−3)変形例C
上記実施形態では、パイプ21と上蓋部材22との周溶接部100のうち第1部110において周溶接の軌跡を重ねることで、第1部110における溶接時の単位長さあたりの入熱量を、第2部120における溶接時の単位長さあたりの入熱量の平均より大きくしている。しかし、これに限定されるものではなく、これに代えて、あるいは、これに加えて、パイプ21の上端部211に上蓋部材22を周溶接するステップS103を例えば以下の様に行うことで、第1部110における溶接時の単位長さあたりの入熱量を、第2部120における溶接時の単位長さあたりの入熱量の平均より大きくしてもよい。
なお、説明は省略するが、パイプ21の下端部212に底蓋部材23を周溶接するステップS105についても、下記のように行われてもよい。
<方法1>
上記実施形態では、ステップS104において、周方向に沿って溶接トーチを一定速度で動かして周溶接が行われる。つまり、上記実施形態では、ステップS104において、周溶接は一定の溶接速度で行われる。
これに対して、パイプ21の上端部211に上蓋部材22を周溶接する周溶接ステップ(ステップS104)は、低速周溶接ステップと、高速周溶接ステップと、を含んでもよい。低速周溶接ステップは、第1部110の周溶接(パイプ21の継ぎ目部分WAを通過する部分の周溶接)を第1速度で行うステップである。高速周溶接ステップは、第2部120の周溶接(パイプ21の継ぎ目部分WAを通過する部分以外の周溶接)を、第1速度より速い第2速度で行うステップである。言い換えれば、低速周溶接ステップでは、高速周溶接ステップに比べ、パイプ21に対し溶接トーチが低速で動かしながら行われる。
このように構成されることで、第1部110への単位長さあたりの入熱量を第2部120への単位長さあたりの入熱量に比べ容易に増加させることができる。また、第2部120では比較的高速で溶接が行われるため、製造効率を比較的高く維持することができる。
<方法2>
上記実施形態では、ステップS104において、周溶接は一定の電力を入力して行われる。
これに対して、パイプ21の上端部211に上蓋部材22を周溶接する周溶接ステップ(ステップS104)は、高電力溶接ステップと、低電力溶接ステップと、を含んでもよい。高電力溶接ステップは、第1電力を入力して第1部110の周溶接を行うステップである。低電力溶接ステップは、第1電力より小さな第2電力で第2部120の周溶接を行うステップである。
このように構成することで、第1部110の周溶接と第2部120の周溶接とで入力される電力が変更されるため、第1部110と第2部120とで溶接速度を変化させることなく、あるいは、第1部110における溶接速度の低下を抑制しつつ、上蓋部材22とパイプ21の継ぎ目部分WAとの周溶接部分(第1部110)における溶接の不具合の発生を防止することができる。つまり、ここでは、製造効率を比較的高く維持しつつ、上蓋部材22とパイプ21の継ぎ目部分WAとの周溶接部分(第1部110)における溶接の不具合の発生を防止することができる。
(6−4)変形例D
上記実施形態では、圧力容器の一例であるケーシング20は、圧縮機10に利用される圧力容器であるが、これに限定されるものではない。本発明に係る圧力容器は、他の用途に用いられる圧力容器であってもよい。
(6−5)変形例E
上記実施形態では、上蓋部材22に機能部品の一例としての電源端子カバー取付ボルト600、吐出管70、電源端子80が取り付けられるが、これに限定されるものではない。機能部品は、蓋部材に取り付けられる他の部品であってもよい。
(6−6)変形例F
上記実施形態では、機能部品の全て(電源端子80、吐出管70、及び電源端子カバー取付ボルト600)が、ケーシング20をパイプ21の中心軸Cに沿って見た時に、上蓋部材22の、角度領域R(パイプ21の中心軸C周りのパイプ21の継ぎ目部分WAの円周方向の中心WA1を基準とする90度から270度の角度領域)に配置されている。しかし、これに限定されるものではなく、その一部が上蓋部材22の角度領域R外に配置されてもよい。例えば、図6の実施例では、圧力容器と他部品との接続位置を考慮して、吐出管70が、上蓋部材22の角度領域R外に配置されている。
ただし、機能部品が周溶接時の熱やひずみにより悪影響を受けやすい部品(例えば電源端子等の電気が導通する機能部品)である場合には、上蓋部材22がパイプ21に取り付けられた状態で、上蓋部材22を円筒状のパイプ21の中心軸Cに沿って見た時に、機能部品は、パイプ21の中心軸Cに対し、パイプ21の継ぎ目部分WAと反対側に配置されることが好ましい。言い換えれば、ケーシング20をパイプ21の中心軸Cに沿って見た時に、上蓋部材22の、パイプ21の継ぎ目部分WAの円周方向の中心WA1を基準としてパイプ21の中心軸C周りの90度から270度の角度領域Rに、機能部品が配置されることが好ましい。
(6−7)変形例G
上記実施形態では、上蓋部材22の周縁部221がパイプ21の上端部211の内側に、底蓋部材23の周縁部231がパイプ21の下端部212の内側に、それぞれしまり嵌め(ここでは圧入)で取り付けられる。ただし、これに限定されるものではなく、しまり嵌めに代えて、隙間嵌め又は中間嵌めによって蓋部材22,23の周縁部221,231が、パイプ21の内側に隙間嵌めの関係で取付けられてもよい。
(6−8)変形例H
上記実施形態では、上蓋部材22の周縁部221がパイプ21の上端部211の内側に、底蓋部材23の周縁部231がパイプ21の下端部212の内側に、それぞれ取り付けられる。ただし、これに限定されるものではなく、ケーシング20において、上蓋部材22の周縁部221がパイプ21の上端部の外側に、及び/又は、底蓋部材23の周縁部231がパイプ21の下端部の外側に、それぞれ取り付けられてもよい。
(6−9)変形例I
図5のフローチャートで示した、上蓋部材22のパイプ21への取付・溶接と、底蓋部材23のパイプ21への取付・溶接との順序は逆であってもよい。
本発明に係る圧力容器は、蓋部材とパイプの継ぎ目部分との周溶接部分において溶接の不具合が発生しにくく、かつ、周溶接による熱ひずみの増大を抑制可能な圧力容器として有用である。
また、本発明に係る圧縮機は、圧力容器内の圧縮機構やモータの位置変化を抑え、振動や騒音を抑制することが容易な圧縮機として有用である。
また、本発明に係る圧力容器の製造方法は、製造効率を比較的高く維持しつつ、蓋部材とパイプの継ぎ目部分との周溶接部分における溶接の不具合の発生を防止することが可能な圧力容器の製造方法として有用である。
10 圧縮機
20 ケーシング(圧力容器)
21 パイプ
22 上蓋部材(蓋部材)
23 底蓋部材(蓋部材)
30 圧縮機構
40 モータ
70 吐出管(機能部品)
80 電源端子(機能部品)
100,150 周溶接部
110 第1部
120 第2部
211,212 端部
220a 貫通孔
600 電源端子カバー取り付けボルト(機能部品)
C 中心軸
E 溶接終了点
S 溶接開始点
WA 継ぎ目部分
WA1 継ぎ目部分の円周方向の中心
R 角度領域
特開2009−115015号公報 特開2015−199074号公報

Claims (9)

  1. 継ぎ目を有するパイプ(21)と、前記パイプの開口を塞ぐ蓋部材(22,23)と、を備え、前記パイプの端部(211,212)に前記蓋部材が周溶接された圧力容器であって、
    前記パイプと前記蓋部材との周溶接部(100、150)のうち、前記パイプの継ぎ目部分(WA)を通過する第1部(110)における溶接時の単位長さ当たりの入熱量が、前記第1部以外の第2部(120)における単位長さ当たりの入熱量の平均よりも大きい、
    圧力容器(20)。
  2. 前記第1部の単位長さ当たりの体積は、前記第2部における単位長さ当たりの体積の平均の210%以下である、
    請求項1に記載の圧力容器。
  3. 前記パイプと前記蓋部材との周溶接部のうち、少なくとも前記第1部では周溶接の軌跡が重なる、
    請求項1又は2に記載の圧力容器。
  4. 前記蓋部材(22)に取り付けられる機能部品(70,80,600)を更に備え、
    前記機能部品は、前記圧力容器を前記パイプの中心軸(C)に沿って見た時に、前記蓋部材(22)の、前記パイプの前記中心軸周りの前記パイプの前記継ぎ目部分の円周方向の中心(WA1)を基準とする90度から270度の角度領域(R)に配置されている、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の圧力容器。
  5. 前記パイプは、前記継ぎ目部分がアーク溶接されたパイプ、前記継ぎ目部分がレーザー溶接されたパイプ、前記継ぎ目部分がプラズマ溶接されたパイプ、又は前記継ぎ目部分が電気抵抗溶接されたパイプである、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の圧力容器。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の圧力容器(20)と、
    前記圧力容器の内部に収容される圧縮機構(30)と、
    前記圧力容器の内部に収容され前記圧縮機構を駆動するモータ(40)と、
    を備えた、
    圧縮機(10)。
  7. 請求項1から5のいずれか1項に記載の圧力容器(20)の製造方法であって、
    前記パイプ(21)の端部(211,212)に前記蓋部材(22,23)を周溶接する周溶接ステップを備え、
    前記周溶接ステップは、前記第1部(110)の周溶接を第1速度で行う低速周溶接ステップと、前記第2部(120)の周溶接を前記第1速度より速い第2速度で行う高速周溶接ステップと、を含む、
    圧力容器の製造方法。
  8. 請求項1から5のいずれか1項に記載の圧力容器(20)の製造方法であって、
    前記パイプ(21)の端部(211,212)に前記蓋部材(22,23)を周溶接する周溶接ステップを備え、
    前記周溶接ステップは、第1電力を入力して前記第1部の周溶接を行う高電力溶接ステップと、前記第1電力より小さな第2電力で前記第2部の周溶接を行う低電力溶接ステップと、を含む、
    圧力容器の製造方法。
  9. 前記圧力容器は、圧縮機構(30)及び前記圧縮機構を駆動するモータ(40)を収容する圧縮機用の圧力容器である、
    請求項7又は8に記載の圧力容器の製造方法。
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