JP5012110B2 - 密閉型容器及び密閉型容器の製造方法 - Google Patents

密閉型容器及び密閉型容器の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5012110B2
JP5012110B2 JP2007066514A JP2007066514A JP5012110B2 JP 5012110 B2 JP5012110 B2 JP 5012110B2 JP 2007066514 A JP2007066514 A JP 2007066514A JP 2007066514 A JP2007066514 A JP 2007066514A JP 5012110 B2 JP5012110 B2 JP 5012110B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
welding
container
lid
container body
main body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007066514A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008223716A (ja
Inventor
尚史 苗村
俊明 岩崎
賢司 矢野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2007066514A priority Critical patent/JP5012110B2/ja
Publication of JP2008223716A publication Critical patent/JP2008223716A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5012110B2 publication Critical patent/JP5012110B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Compressor (AREA)
  • Pressure Vessels And Lids Thereof (AREA)

Description

本発明は、溶接により気密封止する密閉型容器、より詳細には、空調機、給湯機、冷凍機等に搭載されて、冷媒を圧縮する密閉型圧縮機に関する。
従来の密閉型容器として、電動モータにより駆動されるピストンなどの冷媒圧縮手段を密閉型容器内に備えた構造の密閉型圧縮機がある。この密閉型圧縮機の容器を密閉する手段として、容器本体と蓋との開口端部をY字開先加工構造とし、突合せ溶接により容器を気密封止している(例えば、特許文献1)。
また、容器本体と蓋とを溶接する際に、溶接進行方向に重力などの作用力を働かせることによって、溶接金属の盛り上がりを抑えて、容器に与える熱量を抑制することができる密閉型容器の製造方法が示されている(例えば、特許文献2)。
特開2006−70823号公報(4頁46行〜6頁17行,図2,図4) 特開2005−349404号公報(7頁23行〜8頁50行,図3,図4)
従来の密閉型容器は、板厚が厚い場合には、溶接時に溶接金属の垂れが生じてオーバーラップやアンダーカットといった溶接不良が発生しやすい。このオーバーラップやアンダーカットが生じた箇所は、応力集中が起こり、疲労強度が低下する。この溶接不良の防止のためには、溶接パス数を増やす必要がある。または、グルーブまたはすみ肉溶接の寸法以上に、表面から盛り上がった溶接金属(以下、「余盛」と呼ぶ。)を削除する必要があり、溶接工数の増加が問題となる。
また、従来の密閉型容器の製造方法において、容器本体と蓋との溶接時に溶接進行方向に作用力を働かせるためには、作用力を働かせる装置構成が必要である。特に、炭酸ガスを冷媒とする密閉型圧縮機においては、圧縮機の重量や高さが大きくなる。このため、容器本体の軸心を水平もしくは傾斜させて保持、回転する必要があり、この保持、回転には大掛かりな装置が必要となることが問題となる。
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、横向1パス溶接でアンダーカットやオーバーラップなどの溶接不良が発生しない開先構造を得ることを目的としている。
この発明に係る密閉型容器は、前記容器本体の外径は、前記蓋の外径より大きく、前記容器本体の開先部の断面形状は、前記容器本体の外側に向かって開先部が広がるように傾斜する傾斜部分と、前記傾斜部分から前記容器本体の中心線に平行に突き出た部分とで構成され、前記蓋の開先部の断面形状は、前記中心線に垂直な直線部分と、この直線部分から前記中心線に平行に突き出た部分とで構成され、前記蓋の突き出た部分が前記容器本体の突き出た部分の内側に接し、前記蓋の外径が、前記容器本体の突き出た部分の外径より大きく前記容器本体の外径より小さいものである。
また、この発明に係る密閉型容器の製造方法は、前記容器本体の外径が前記蓋の外径より大きく、開先部の断面形状が前記容器本体の外側に向かって開先部が広がるように傾斜した傾斜部、及びこの傾斜部から前記容器本体の中心線に平行に突き出た部分を有する前記容器本体を形成する工程と、前記開先部の断面形状が前記中心線に垂直な直線部分、及び前記容器本体の内側に接して前記直線部分から前記中心線に平行に突き出た部分を有する前記蓋を形成する工程と、前記開先部を開先溶接する溶接工程とを備え、前記溶接工程は、容器本体を縦向き姿勢とし、溶接トーチを斜め上向けにした状態で1パス溶接して溶接固定する工程であり、前記蓋を形成する工程により製造された蓋の外径が、前記容器本体を形成する工程で製造された前記容器本体の突き出た部分の外径より大きく前記容器本体の外径より小さいことを特徴とするものである。
この発明は、蓋の外径が容器本体の外径より小さく、容器本体と蓋との接合部は軸断面が上下非対称な開先形状であるので、溶接金属の垂れによって、蓋と溶接金属と容器本体の表面とが、滑らかな曲面を形成し、アンダーカットやオーバーラップといった溶接不良のない接合部を得ることができる。
実施の形態1.
図1は、本実施の形態1における密閉型容器の例として掲げる密閉型圧縮機の断面図である。具体的には、給湯機に用いられる炭酸ガスを冷媒とする密閉型スクロール圧縮機100を示す。密閉型スクロール圧縮機100は、電動モータによる駆動機構と圧縮機構とを容器本体103内部に固定し、容器本体103の上下端面を上蓋101と下蓋102により塞ぎ、容器本体103と上蓋101及び下蓋102とを溶接によって接合し、気密封止している。なお、容器本体103は、中心軸118を有し、この中心軸118に垂直な断面は同じ形状である。
上蓋101及び下蓋102は、鏡板であり、容器本体103と対向する面において、開先面を形成するように加工されている。ここで、鏡板とは、圧力容器の端面に使用される鏡餅形状の部材のことをいう。容器本体103は、概略円筒形状であり、上下端面が開口している。容器本体103の上下端面は、上蓋101及び下蓋102を嵌め合わせたときに開先を形成するように加工されている。また、上蓋101及び下蓋の外径は、容器本体103の外径よりも小さい。
電動モータによる駆動機構は、固定子104と回転子105からなる電動モータと、回転子が焼嵌固定され、電動モータによる駆動力を圧縮機構に伝える主軸106と、主軸106の端部を回転支持するサブフレーム107を有する。固定子104及びサブフレーム107は、容器本体103に焼嵌固定されている。
主軸106は、片側の端部をサブフレーム107内部に圧入固定した軸受108によって回転支持される。また、主軸106は、他方の端部を摺動性向上のため、スライダ(図示せず)を介して揺動スクロール109に接続されている。
また、主軸106は、揺動スクロール109と接続している側の端部近傍において、摺動性向上のため、スリーブ(図示せず)を介してフレーム110によって回転支持されている。
圧縮機構は、固定スクロール111と揺動スクロール109とがフレーム110によって支持されている。固定スクロール111は、フレーム110にボルト(図示せず)で固定されている。揺動スクロール109は、その外周近傍背面において、フレーム110によってスラスト方向(回転軸の軸方向)に摺動自在に支持されている。フレーム110は、容器本体103内部に焼嵌固定されている。
摺動スクロール109外周部は、オルダムリング112の爪1対を収容する収容部が2箇所に形成される。また、オルダムリング112は、収容部によって所定方向に摺動自在であり、かつ固定スクロール111に設けられた収容部により前記所定方向と直交する方向に摺動自在であるように形成されている。上記構成により、揺動スクロール109は、自転運動を阻止され、公転運動が可能となる。
ここで、オルダムリング112は、固定スクロール111と揺動スクロール109との間に設置しているため、固定スクロール111と揺動スクロール109の高い組立精度を得ることが可能である。揺動スクロール109背面とフレーム110との間には、耐焼付き性向上のため、スラスト受け113が配置されている。
容器本体103に固定された端子部203(図5に図示)に固定子からのリード線(図示せず)が接続されている。端子部203は、端子箱204(図5に図示)により保護されている。外部電源(図示せず)は、端子部203を介して電動モータへ電力を供給する。この電力供給により回転子105が回転し、電動モータが駆動される。主軸106は、回転子105とともに回転し、回転トルクを揺動スクロール109に伝える。揺動スクロール109は、オルダムリング112によって自転を阻止され、固定スクロール111に対して公転運動をする。
冷媒と潤滑油とが混合した状態の作動ガスは、吸入管114より吸入され、容器本体103内空間に拡散される。容器本体103内空間と圧縮機構部(揺動スクロール109と固定スクロール111とで形成される部分)とは、連通している。作動ガスは、潤滑油を含むので、作動ガスが、オルダムリング112上の空間又はオルダムリング112下の空間を通過することによって、揺動スクロール109とオルダムリング112の摺動面を潤滑する。さらに、作動ガスは、揺動スクロール109と固定スクロール111とで形成される圧縮機構部にて圧縮される。
圧縮機構部にて揺動スクロール109が公転運動することによって、作動ガスは、吸入口となる揺動スクロール109及び固定スクロール111の各2箇所あるスクロール歯の最外周開口部から取り込まれる。取り込まれた作動ガスは、揺動スクロール109の回転とともに徐々に圧縮されながら圧縮機構部の中心部に向かう。さらに、作動ガスは、スクロール最内周開口部に至ると、固定スクロール111に設けられた吐出ポートを通過し、吐出弁115を押し上げて高圧室116を経て、吐出管117から容器本体103の外へ吐出される。
また、固定子104への通電を停止すると、主軸106に回転トルクが発生せず、スクロール圧縮機は停止する。
図2は、容器本体103の中心軸118を鉛直方向に配置した場合における、上蓋101と容器本体103との接合部付近の断面図である。この断面は、詳細には、中心軸118を通り中心軸118に平行な平面で切断した断面である(以下、この断面のことを軸断面と呼ぶ。)。ここで、上蓋101と容器本体103との接合部を含む部分を開先部Hと呼ぶ。
図2において、上蓋101の開先部Hは、軸断面において、上蓋水平面101a、上蓋鉛直面101b、上蓋水平面101c及び上蓋101の内側の面101dを含む。また、上蓋鉛直面101bは、容器本体103の内側に嵌め合わされる形状となっている。上蓋水平面101aは、容器本体103と上蓋101とが接合した状態において、容器本体103の中心軸118に垂直な平面となる。また、上蓋水平面101aの軸断面の形状は、中心軸118に垂直な直線部となる。さらに、上蓋鉛直面101bは、上記状態において、容器本体103の中心軸118を中心軸とする円筒面である。また、上蓋鉛直面101bの軸断面形状は、直線部から中心軸118に平行に突き出た部分となる。さらに、上蓋鉛直面101bの内側には、上蓋101の内側の面101dがあり、これら上蓋鉛直面101b、上蓋101の内側の面101d及び上蓋水平面101cで円筒を形成する。
容器本体103の開先部Hは、軸断面において、容器本体水平面103a、容器本体鉛直面103b、容器本体傾斜面103c及び容器本体103の内側の面103dとからなる。容器本体103と上蓋101との接合は、上蓋水平面101aと容器本体水平面103aとが対向し、重ね合わされる。容器本体傾斜面103cは、水平面に対して、角度q傾斜している。さらに、容器本体傾斜面103cは、容器本体103の中心軸118に対して外側に位置し、凸の円錐面形状である。また、容器本体傾斜面103cの軸断面は、容器本体外側に向かって広がるように傾斜した傾斜部となる。容器本体水平面103aは、容器本体103の内側の面103dに接続し、この内側の面103d、容器本体鉛直面103b及び水平面103aは、円筒を形成する。また、容器本体鉛直面103bの軸断面は、傾斜部(容器本体傾斜面103c)から中心軸118に平行に突き出た部分となる。
上蓋水平面101aと容器本体水平面103aとが接するように、上蓋101と容器本体103とを嵌め合わせることによって、上蓋水平面101aと容器本体103の容器本体鉛直面103bと容器本体傾斜面103cとは、開先面Gを構成する。ここで、開先面Gは、溶接される部分の表面を表している。
図3は、容器本体103と上蓋101との接合部における開先面Gの軸断面を示している。接合部の軸断面は、周方向に一様な形状である。また、開先部Hは、図のように容器本体103と上蓋101との接合部のことを表し、開先面G、上蓋鉛直面101b、上蓋水平面101aから突き出た部分、容器本体水平面103a、及び容器本体鉛直面103bを含む部分をいう。
図4は、溶接後の接合部の軸断面図を示す。溶接時に溶融状態の溶接金属122に重力が作用し、溶接金属122が容器本体103と溶け合いつつ、容器本体傾斜面103cに沿って溶着固定されることによって、上蓋101と溶接金属122と容器本体103の表面とが、滑らかな曲面となる表面Lを形成する。ここで、表面Lは、上蓋101と溶接金属122と容器本体103の表面である。
また、容器本体水平面103aの幅が、1mm程度と薄いため、嵌め合い部が十分に溶け込み、十分な溶け込み深さを得ることができる。このため、上蓋101と容器本体103との接合部は、容器内部が高圧になっても耐えられ、十分な耐圧強度を持つことができる。ここで、嵌め合い部とは、容器本体円直面103bと容器本体水平面103aと容器本体103の内側の面とで構成される円筒の部分、及び上蓋鉛直面101bと上蓋101の内側の面で構成される円筒であって容器本体103の内側に接する部分である。特に、上蓋101の接合部で、容器本体の内側に接する部分の一部まで溶け込むので、耐圧強度が向上する。
上蓋101と下蓋102とは、同一の形状であり、容器本体103の上下端面も同一であるため、蓋の溶接についても上記と同様である。また、例えば、まず、下側端面を鉛直上方になるように容器本体103を固定し、下蓋102を鉛直上方より下側開口へ挿入し、溶接固定する。その後に、容器本体103の上下を反転し、上側端面が鉛直上方になるように容器本体103を固定し、上蓋101を鉛直上方より上側開口へ挿入し、溶接固定することで、密閉型容器を形成できる。
また、例えば、容器本体103に内蔵する圧縮手段としては、回転式(ロータリ、スクロール)でも、レシプロ(ピストン)式であっても良く、特定の圧縮方式、圧縮機構によらず効果がある。また、内部低圧型圧縮機だけでなく、内部高圧型圧縮機とすることもできる。
さらに、容器本体103の上下面が開口しているものではなく、例えば深絞りによって形成され、開口部が1箇所の形状でも良く、上蓋101のみによって容器本体103を気密封止する構成としても良い。また、上記は、密閉型圧縮機として説明したが、内部に圧縮機構を有しない密閉型容器として構成できる。さらに、上記では容器本体103が円筒として説明したが、上記と同様の軸断面を持つ非円筒容器であっても良い。
本実施の形態によれば、容器本体103の外径は、蓋101,102の外径より大きく、容器本体103の開先部Hの形状は、容器本体103外側に向かって広がるように傾斜した傾斜部を有し、蓋101の開先部Hの形状は、中心軸119に垂直な直線部を有するので、開先形状Gは全体として上下非対称である。このため、溶着金像の垂れによって蓋101,102と溶接金属122と容器本体103の表面とが滑らかな曲面となる表面Lを形成し、アンダーカットやオーバーラップといった溶接不良がない接合部を得る効果がある。
また、本実施の形態によれば、容器本体103の蓋101,102との接合する円筒部の水平面103の幅が、溶接によって溶け込む程度に薄いため、嵌め合い部が十分に溶け込み十分な溶け込み深さを持つ。このため、蓋101,102と容器本体103との接合部は、十分な耐圧強度を有する効果がある。
また、本実施の形態によれば、容器本体103の蓋101,102との接合する円筒部の水平面103の幅が、溶接によって溶け込む程度に薄く、さらに、容器本体103の内側に接する蓋101,102の部分が溶接によって溶け込む。これによって、嵌め合い部が十分に溶け込み十分な溶け込み深さを持つ。このため、蓋101,102と容器本体103との接合部は、十分な耐圧強度を有する効果がある。
実施の形態2.
本実施の形態は、密閉型容器の製造方法として、実施の形態1に記載した密閉型圧縮機の製造方法を説明する。図5は、上蓋101と容器本体103との溶接の様子を示す図である。図6は、開先面Gと溶接トーチ205との位置関係を示す説明図である。なお、実施の形態1と本質的に同様のものについては、同じ番号を付している。
まず、容器本体103、上蓋101及び下蓋102の開先部Hが、実施の形態1に記載した形状となるように加工される。次に、容器本体103の内側に、上蓋101又は下蓋102の開先部Hの突き出た部分を嵌め込む。以下、図を用いて工程を説明する。
図5は、本実施の形態の溶接装置の外観図である。図において、密閉型圧縮機100は、回転装置201上に設置され、保持装置202によって保持されている。回転装置201は、モータによって、密閉型圧縮機100の筐体の中心軸周りに、一定速度で密閉型圧縮機100を回転させる。密閉型圧縮機100の外形は、円筒形状である。この円筒形状の中心軸と回転装置201の回転軸とが一致するように、密閉型圧縮機100が回転装置201上に設置され、保持装置202によって保持される。このため、回転装置201の駆動に伴い、密閉型圧縮機100も、一定速度で回転する。したがって、回転装置201に対して、溶接トーチ121を予め決められた位置に決められた角度で設置すると、円周溶接が一定速度で実現できる。
具体的には、溶接ワイヤ206を容器本体103と上蓋101との嵌め合い部Pの方向に向けて、水平から角度rだけ上方に傾けた角度となるように、溶接トーチ205を開先面Gに対して設置する。溶接ワイヤが開先面Gを構成する上蓋水平面101aと容器本体傾斜面103cのどちらかに接近しすぎることがないように、角度rは、上蓋101の傾斜角qの半分であることが望ましい。この状態で横向き溶接すると、溶融状態の溶接金属122は、重力の作用によって、下方へと垂れ、開先面Gの容器本体傾斜面103cに沿って容器本体103と溶着する。このため、開先面Gの寸法に応じて、電流、電圧、回転装置の回転速度等の溶接条件を適切に設定することによって、上下非対称な形状である開先面Gに溝などの溶接欠陥を生じることなく、肉盛りすることができる。また、従来行われていた、容器本体103を水平または中心軸118を傾けた状態に保持することなく、肉盛りすることができる。
また、本実施の形態において、熱に弱い端子部203は、容器本体103の中央部付近に固定されているため、端子部203への溶接による熱の影響は少ない。したがって、容器本体103の板厚が厚い場合でも、入熱量の大きな溶接条件を設定することも可能である。この入熱量の大きい溶接条件では、溶接金属122に対する重力の影響が大きくなる。本実施の形態の構成によれば、開先面Gが上下非対称形であり、重力による溶接金属122の垂れ落ちを考慮に入れた形状であるので、問題なく入熱量の大きな溶接条件を設定できる。したがって、入熱量の大きな溶接条件が必要になる1パス溶接が可能であり、溶接工数を削減することができる。
上記溶接においては、例えば、溶接ワイヤ206を直径1.2mmのソリッドワイヤとし、溶接電流、溶接電圧、回転装置の回転速度などの溶接条件を適切な値に設定して、MAG溶接機による横向き1パス溶接を実施する。このような溶接をすることによって、従来必要であった溶接パス数を増やす、余盛りを削除する、または溶接姿勢を変更するといった対策を講じる必要がなくなる。したがって、単純な装置構成かつ1パス溶接で、アンダーカットやオーバーラップといった応力集中を伴う溶接不良のないビードを得て、容器本体103と上蓋101とを気密状態に接合することができる。
また、溶接ワイヤは、ソリッドワイヤに限ることはなく、フラックス入りワイヤを用いても良い。さらに、溶接ワイヤの径も、1.2mmに限ることはなく、容器本体103の板厚に応じて変更しても良い。また、溶接の種類も、MAG溶接に限ることはなく、炭酸ガスアーク溶接、MIG溶接、またはTIG溶接によって、溶接接合しても良い。また、上記説明では、密閉型圧縮機100だけでなく、密閉型容器についても、本実施の形態の製造方法を適用できる。
本実施の形態によれば、容器本体103の外径は、蓋101,102の外径より大きく、容器本体103の開先部Hの形状は、容器本体103外側に向かって広がるように傾斜した傾斜部を有し、蓋101の開先部Hの形状は、中心軸119に垂直な直線部を有するので、開先形状Gは全体として上下非対称に形成される。このため、溶着金像の垂れによって蓋101,102と溶接金属122と容器本体103の表面とが滑らかな曲面となる表面Lを形成し、アンダーカットやオーバーラップといった溶接不良がない接合部を得る効果がある。
また、本実施の形態によれば、容器本体103の蓋101,102との接合する円筒部の水平面103aの幅が、溶接によって溶け込む程度に薄く形成されるため、嵌め合い部が十分に溶け込み十分な溶け込み深さを持つ。このため、蓋101,102と容器本体103との接合部は、十分な耐圧強度を有する効果がある。
また、本実施の形態によれば、容器本体103の蓋101,102との接合する円筒部の水平面103の幅が、溶接によって溶け込む程度に薄く、さらに、容器本体103の内側に接する蓋101,102の部分が溶接によって溶け込む。これによって、嵌め合い部が十分に溶け込み十分な溶け込み深さを持つ。このため、蓋101,102と容器本体103との接合部は、十分な耐圧強度を有する効果がある。
さらに本実施の形態によれば、開先面Gが上下非対称形であり、重力による溶接金属122の垂れ落ちを考慮に入れた形状であるので、入熱量の大きな溶接条件を設定できる。このため、入熱量の大きな溶接条件が必要な1パス溶接が可能であり、溶接工数を削減する効果がある。
さらに、本実施の形態によれば、溶接電流、溶接電圧、トーチ移動速度などの溶接条件を適切な値に設定して、横向き1パス溶接を実施するので、余盛りを削除する、または溶接姿勢を変更するといった対策を講じる必要がなくなる効果がある。
本発明の実施の形態1による密閉型圧縮機の断面図である。 本発明の実施の形態1による蓋と容器本体の接合部の軸断面図である。 本発明の実施の形態1による開先面の軸断面図である。 本発明の実施の形態1による溶接後の接合部の軸断面図である。 本発明の実施の形態2による溶接装置の外観図である。 本発明の実施の形態2による開先面と溶接トーチの位置関係を示す図である。
符号の説明
100 密閉型圧縮機、101 上蓋、102 下蓋、103 容器本体、104 固定子、105 回転子、106 主軸、107 サブフレーム、108 軸受、109 揺動スクロール、110 フレーム、111 固定スクロール、112 オルダムリング、113 スラスト受け、114 吸入管、115 吐出弁、116 高圧室、117 吐出管、122 溶接金属、101a 上蓋水平面、101b 上蓋鉛直面、103a 容器本体水平面、103b 容器本体鉛直面、103c 容器本体傾斜面、q 傾斜角、r 溶接トーチ角度、P 容器本体と上蓋の嵌めあい部、G 開先面、L 表面、201 回転装置、202 保持装置、203 端子部、204 端子箱、205 溶接トーチ、206 溶接ワイヤ。

Claims (4)

  1. 容器本体と蓋との接合部に構成される開先部を開先溶接した密閉型容器であって、
    前記容器本体の外径は、前記蓋の外径より大きく、
    前記容器本体の開先部の断面形状は、前記容器本体の外側に向かって開先部が広がるように傾斜する傾斜部分と、前記傾斜部分から前記容器本体の中心線に平行に突き出た部分とで構成され、
    前記蓋の開先部の断面形状は、前記中心線に垂直な直線部分と、この直線部分から前記中心線に平行に突き出た部分とで構成され、
    前記蓋の突き出た部分が前記容器本体の突き出た部分の内側に接し、
    前記蓋の外径が、前記容器本体の突き出た部分の外径より大きく前記容器本体の外径より小さいことを特徴とする密閉型容器。
  2. 前記蓋が前記容器本体の上下に2つ設けられ、前記蓋のそれぞれの開先部が同形状であることを特徴とする請求項1に記載の密閉型容器。
  3. 容器本体と蓋との接合によって構成される開先部を開先溶接する密閉型容器の製造方法であって、
    前記容器本体の外径が前記蓋の外径より大きく、開先部の断面形状が前記容器本体の外側に向かって開先部が広がるように傾斜した傾斜部、及びこの傾斜部から前記容器本体の中心線に平行に突き出た部分を有する前記容器本体を形成する工程と、
    前記開先部の断面形状が前記中心線に垂直な直線部分及び前記容器本体の内側に接して前記直線部分から前記中心線に平行に突き出た部分を有する前記蓋を形成する工程と、
    前記開先部を開先溶接する溶接工程と
    を備え、前記溶接工程は、容器本体を縦向き姿勢とし、溶接トーチを斜め上向けにした状態で1パス溶接して溶接固定する工程であり、前記蓋を形成する工程により製造された蓋の外径が、前記容器本体を形成する工程で製造された前記容器本体の突き出た部分の外径より大きく前記容器本体の外径より小さいことを特徴とする密閉型容器の製造方法。
  4. 前記溶接工程における前記溶接トーチの角度rが前記傾斜部分の傾斜角qの半分であることを特徴とする請求項3に記載の密閉型容器の製造方法。
JP2007066514A 2007-03-15 2007-03-15 密閉型容器及び密閉型容器の製造方法 Expired - Fee Related JP5012110B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007066514A JP5012110B2 (ja) 2007-03-15 2007-03-15 密閉型容器及び密閉型容器の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007066514A JP5012110B2 (ja) 2007-03-15 2007-03-15 密閉型容器及び密閉型容器の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008223716A JP2008223716A (ja) 2008-09-25
JP5012110B2 true JP5012110B2 (ja) 2012-08-29

Family

ID=39842608

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007066514A Expired - Fee Related JP5012110B2 (ja) 2007-03-15 2007-03-15 密閉型容器及び密閉型容器の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5012110B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5836160B2 (ja) * 2012-02-29 2015-12-24 三菱重工業株式会社 胴部接合方法および胴部
US10626870B2 (en) 2015-06-11 2020-04-21 Bitzer Kuehlmaschinenbau Gmbh Ring weld blocker in discharge check valve
JP2017089426A (ja) * 2015-11-05 2017-05-25 三菱重工業株式会社 スクロール圧縮機、スクロール圧縮機の製造方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5421826B2 (ja) * 1974-03-25 1979-08-02
JPS59125268A (ja) * 1982-12-30 1984-07-19 Sumikin Yousetsubou Kk 横向狭開先片面溶接法
JP2001289163A (ja) * 2000-04-04 2001-10-19 Toyota Autom Loom Works Ltd 圧縮機用中空ピストンおよびその製造方法
JP2005214110A (ja) * 2004-01-30 2005-08-11 Sanyo Electric Co Ltd 圧縮機

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008223716A (ja) 2008-09-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN108869280B (zh) 涡旋压缩机
KR101767062B1 (ko) 밀폐형 압축기 및 그의 제조방법
JP5012110B2 (ja) 密閉型容器及び密閉型容器の製造方法
CA2787312C (en) Fluid machine
JP2008190467A (ja) 密閉型電動圧縮機
JP6234308B2 (ja) 圧縮機容器の溶接方法及びそれを用いた圧縮機の製造方法
JP2007268609A (ja) 圧縮機の製造方法
JP6497365B2 (ja) 圧力容器、圧力容器を備えた圧縮機及び圧力容器の製造方法
JPWO2018154689A1 (ja) 圧縮機
US6687992B2 (en) Assembly method for hermetic scroll compressor
JPH0134313B2 (ja)
JP2009180107A (ja) 密閉型スクロール圧縮機
JP5935579B2 (ja) 容積形圧縮機
JP5222441B2 (ja) スクロール型流体機械
JP2010084688A (ja) 密閉型流体機械
JP4949811B2 (ja) 密閉型圧縮機の圧縮機構固定構造
JP2006291787A (ja) 圧縮機、圧縮機の組立方法
JP2005201168A (ja) スクロール圧縮機
KR101849138B1 (ko) 회전축 삽입부를 갖는 스크롤 압축기 및 그 제조방법
WO2018138772A1 (ja) 密閉型圧縮機
KR100430889B1 (ko) 밀폐형압축기
JP2004162657A (ja) 密閉型圧縮機
EP2781751B1 (en) Compressor having a lower frame and a method of manufacturing the same
JP2630069B2 (ja) スクロール圧縮機
KR20120013590A (ko) 밀폐형 압축기 및 그의 조립 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110809

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110811

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111006

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120508

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120521

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150615

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5012110

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150615

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees