JP6497340B2 - 防曇剤 - Google Patents
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Description
これまでに、基材に防曇性を施す方法が種々検討されており、防曇剤として親水性のポリビニルアルコールやポリエチレングリコールをコーティングして用いる方法が提案されている(特許文献1参照)。
また、シリカ微粒子の多孔質膜や吸水性の樹脂を使用した吸水性タイプの防曇剤も開発されており、防曇の耐水性を改善する開発も行われている(特許文献2参照)。
また、特許文献2のようなヒンダードアミノ基含有ケイ素化合物は、通常のアミノシラン化合物と同様に、自身の塩基性よりSi−O結合の解離が引き起こされる。そのため、耐水性が低く、無機化合物から遊離し、耐光性の持続時間が短いという問題がある。
1. 下記一般式(1)で示されるヒンダードアミノ基含有有機ケイ素化合物および/または下記平均組成式(2)で示され、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の重量平均分子量が1,000〜100,000のヒンダードアミノ基含有有機ケイ素化合物のオリゴマー、並びに溶媒を含むことを特徴とする防曇剤、
2. さらに、下記一般式(3)で示されるアルコキシシランを含む1の防曇剤、
3. 前記一般式(1)で示されるヒンダードアミノ基含有有機ケイ素化合物、平均組成式(2)で示される加水分解縮合物および前記一般式(3)で示されるアルコキシシランが、合計0.01〜30質量%含まれる2の防曇剤
を提供する。
このような特性を有する本発明の防曇剤は、ガラス等の透明基材や、これを含む複合材料等に好適に用いることができる。
本発明の防曇剤は、下記一般式(1)で示されるヒンダードアミノ基含有有機ケイ素化合物および/または下記平均組成式(2)で示され、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の重量平均分子量が1,000〜100,000のヒンダードアミノ基含有有機ケイ素化合物のオリゴマー、並びに溶媒を含む。
この2価炭化水素基は、その炭素原子の一部がヘテロ原子で置換されていてもよく、置換基の具体例としては、−NH−、−CO−、−S−、−O−、−COO−、−OOC−等が挙げられ、そのような置換された2価炭化水素基としては、−O−(CH2)3−、−NH−(CH2)3−、−S−(CH2)3−、−OOC−(CH2)3−が好ましい。
また、上記2価炭化水素基は、その水素原子の少なくとも一部が、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子で置換されていてもよい。
aは、8〜400の数を表すが、8〜100の数が好ましい。
なお、重量平均分子量は静的光散乱法により測定され、例えば、分子量測定システム(大塚電子(株)製、ELSZ−2000)を用いて、温度25℃、テトラヒドロフラン溶媒を用いて0〜10質量%の範囲で測定することができ、この解析に必要な屈折率は、高感度示唆屈折計(大塚電子(株)製、DRM-3000)を用いることができる。
トリメトキシシリルメトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−メトキシ−4−ピぺリジン、トリメトキシシリルメチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−メトキシ−4−ピぺリジン、トリメトキシシリルメトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−エトキシ−4−ピぺリジン、トリメトキシシリルメチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−エトキシ−4−ピぺリジン、トリメトキシシリルメトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロポキシ−4−ピぺリジン、トリメトキシシリルメチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロポキシ−4−ピぺリジン、トリメトキシシリルエトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピぺリジン、トリメトキシシリルエチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピぺリジン、トリメトキシシリルエトキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチル4−ピぺリジン、トリメトキシシリルエチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチル4−ピぺリジン、トリメトキシシリルエトキシ−2,2,6,6−テトラエチル−1−エチル−4−ピぺリジン、トリメトキシシリルエチルアミノ−2,2,6,6−テトラエチル−1−エチル−4−ピぺリジン、トリメトキシシリルエトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−プロピルピぺリジン、トリメトキシシリルエトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−メトキシ−4−ピぺリジン、トリメトキシシリルエチル−2,2,6,6−テトラメチル−1−メトキシ−4−ピぺリジン、トリメトキシシリルエトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−メトキシ−4−ピぺリジン、
トリメトキシシリルエチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−メトキシ−4−ピぺリジン、トリメトキシシリルエトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロポキシ−4−ピぺリジン、トリメトキシシリルエチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロポキシ−4−ピぺリジン、トリメトキシシリルプロポキシ−2,2,6,6−テトラメチルピぺリジン、トリメトキシシリルプロピルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピぺリジン、トリメトキシシリルプロポキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチル4−ピぺリジン、トリメトキシシリルプロピルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチル4−ピぺリジン、トリメトキシシリルプロポキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチル4−ピぺリジン、トリメトキシシリルプロピルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチル4−ピぺリジン、トリメトキシシリルプロポキシ−2,2,6,6−テトラエチル−1−エチル−4−ピぺリジン、トリメトキシシリルプロピルアミノ−2,2,6,6−テトラエチル−1−エチル−4−ピぺリジン、トリメトキシシリルプロポキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロピル−4−ピぺリジン、トリメトキシシリルプロピルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロピル−4−ピぺリジン、トリメトキシシリルプロポキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−メトキシ−4−ピぺリジン、トリメトキシシリルプロピルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−メトキシ−4−ピぺリジン、トリメトキシシリルプロピルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−メトキシ−4−ピぺリジン、トリメトキシシリルプロポキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロポキシ−4−ピぺリジン、トリメトキシシリルプロピルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロポキシ−4−ピぺリジン、トリエトキシシリルメトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピぺリジン、トリエトキシシリルメチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピぺリジン、トリエトキシシリルメトキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチル4−ピぺリジン、トリエトキシシリルメチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチル4−ピぺリジン、トリエトキシシリルメトキシ−2,2,6,6−テトラエチル−1−エチル−4−ピぺリジン、トリエトキシシリルメチルアミノ−2,2,6,6−テトラエチル−1−エチル−4−ピぺリジン、トリエトキシシリルメトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロピル−4−ピぺリジン、トリエトキシシリルメチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロピル−4−ピぺリジン、トリエトキシシリルメトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−メトキシ−4−ピぺリジン、トリエトキシシリルメチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−メトキシ−4−ピぺリジン、トリエトキシシリルメトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−エトキシ−4−ピぺリジン、トリエトキシシリルメチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−エトキシ−4−ピぺリジン、トリエトキシシリルメトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロポキシ−4−ピぺリジン、トリエトキシシリルメチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロポキシ−4−ピぺリジン、トリエトキシシリルエトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピぺリジン、トリエトキシシリルエチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピぺリジン、トリエトキシシリルエトキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチル4−ピぺリジン、トリエトキシシリルエチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチル4−ピぺリジン、トリエトキシシリルエトキシ−2,2,6,6−テトラエチル−1−エチル−4−ピぺリジン、トリエトキシシリルエトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−プロピルピぺリジン、トリエトキシシリルエチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−4−プロピルピぺリジン、トリエトキシシリルエトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−メトキシ−4−ピぺリジン、トリエトキシシリルエチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−メトキシ−4−ピぺリジン、トリエトキシシリルエトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−エトキシ−4−ピぺリジン、トリエトキシシリルエチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−エトキシ−4−ピぺリジン
、トリエトキシシリルエトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロポキシ−4−ピぺリジン、トリエトキシシリルエチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロポキシ−4−ピぺリジン、トリエトキシシリルプロポキシ−2,2,6,6−テトラメチルピぺリジン、トリエトキシシリルプロピルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピぺリジン、トリエトキシシリルプロポキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチル4−ピぺリジン、トリエトキシシリルプロピルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチル4−ピぺリジン、トリエトキシシリルプロポキシ−2,2,6,6−テトラエチル−1−エチル−4−ピぺリジン、トリエトキシシリルプロピルアミノ−2,2,6,6−テトラエチル−1−エチル−4−ピぺリジン、トリエトキシシリルプロポキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロピル−4−ピぺリジン、トリエトキシシリルプロピルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロピル−4−ピぺリジン、トリエトキシシリルプロポキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−メトキシ−4−ピぺリジン、トリエトキシシリルプロピルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−メトキシ−4−ピぺリジン、トリエトキシシリルプロポキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−エトキシ−4−ピぺリジン、トリエトキシシリルプロピルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−エトキシ−4−ピぺリジン、トリメトキシシリルプロポキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロポキシ−4−ピぺリジン、トリメトキシシリルプロピルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロポキシ−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルメトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルメチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルメトキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチル4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルメチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチル4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルメトキシ−2,2,6,6−テトラエチル−1−エチル−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルメチルアミノ−2,2,6,6−テトラエチル−1−エチル−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルメトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロピル−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルメチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロピル−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルメチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−メトキシ−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルメトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−メトキシ−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルメトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−エトキシ−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルメチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−エトキシ−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルメトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロポキシ−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルメチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロポキシ−4−ピぺリジン、トリエトキシシリルプロピルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルエトキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチル4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルエチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチル4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルエトキシ−2,2,6,6−テトラエチル−1−エチル−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルエチルアミノ−2,2,6,6−テトラエチル−1−エチル−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルエトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロピル−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルエチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロピル−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルエトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−メトキシ−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルエチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−メトキシ−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルエチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−エトキシ−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルエトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロポキシ−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルエチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロポキシ−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルプロポキシ−2,2,6,6−テトラメチルピぺリジン、トリプロポキシシリルプロピルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルプロポキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチル4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルプロピルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチル4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルプロポキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−エチル−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルプロピルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−エチル−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルプロポキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロピル−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルプロピルシリル−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロピル−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルプロポキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−メトキシ−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルプロピルシリル−2,2,6,6−テトラメチル−1−メトキシ−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルプロポキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−エトキシ−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルプロピルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−エトキシ−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルプロポキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロポキシ−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルプロピルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロポキシ−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルメトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピぺリジン、トリプロポキシシリルメチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルメトキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチル4−ピぺリジン
、トリプロポキシシリルメチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチル4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルメトキシ−2,2,6,6−テトラエチル−1−エチル−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルメチルアミノ−2,2,6,6−テトラエチル−1−エチル−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルメトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロピル−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルメチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロピル−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルメトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−メトキシ−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルメチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−メトキシ−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルメトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−エトキシ−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルメチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−エトキシ−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルメトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロポキシ−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルメチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロポキシ−4−ピぺリジン等が挙げられる。
加水分解反応に用いる水の量は、加水分解速度の観点から、一般式(1)で示されるヒンダードアミノ基含有有機ケイ素化合物のケイ素原子1molに対して、3〜100molが好ましく、50〜100molがより好ましく、70〜100molがより一層好ましい。
加水分解反応の反応温度は特に限定されないが、0〜120℃が好ましく、60〜120℃がより好ましい。
反応時間も特に限定されないが、1〜20時間が好ましく、1〜14時間がより好ましい。
加水分解反応後、生成するアルコールおよび水は、化合物の安定性の観点から、減圧または常圧下で蒸気化、分離等の方法により除去することが好ましい。
このようにして得られたヒンダードアミノ基含有有機ケイ素化合物のオリゴマーは、ランダム構造、かご状構造、ラダー構造等のいずれかの構造をとり得る。
使用可能な有機溶媒としては、メタノール、エタノール等のアルコール類;テトラヒドロフラン等のエーテル類;アセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類などの極性溶媒が挙げられる。
mは、0〜3の整数を表すが、1〜2の整数が好ましい。
また、一般式(3)で示されるアルコキシシランを用いる場合、その配合順序も任意である。
塗布法は、特に限定されるものではなく、公知の各種コーティング法、例えば、ハケ塗り法、スプレーコーティング法、ワイヤーバー法、ブレード法、ロールコーティング法、ディッピング法等が採用できる。
また、乾燥条件も任意であり、常温から加熱下が採用できるが、加熱下で乾燥させることが好ましい。この際の温度は、基材に悪影響を与えない限り特に制限はないが、通常、50〜150℃程度である。
[合成例1]
ジムロート式冷却凝縮器、撹拌機、温度計、滴下ロートを備えた500mLの四つ口フラスコを十分窒素置換した。次いで、4−アリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン293.5g、白金触媒975.5mgを仕込み、トリエトキシシラン184.6gをゆっくり滴下しながら60〜70℃で6時間加熱撹拌した。ガスクロマトグラフィで原料の消失を確認した後、蒸留によって精製を行い、トリエトキシシリルプロポキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンを得た。
ジムロート式冷却凝縮器、撹拌機、温度計、滴下ロートを備えた500mLの四つ口フラスコを十分窒素置換した。次いで、4−アリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン293.5g、白金触媒975.5mgを仕込み、ジメトキシメチルシラン158.0gをゆっくり滴下しながら60〜70℃で6時間加熱撹拌した。ガスクロマトグラフィで原料の消失を確認した後、蒸留によって精製を行い、ジメトキシメチルシリルプロポキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンを443.7gで得た。
ジムロート式冷却凝縮器、撹拌機、温度計、滴下ロートを備えた500mLの四つ口フラスコを十分窒素置換した。次いで、4−アリルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン488.6g、白金触媒1.5gを仕込み、トリエトキシシラン303.9gをゆっくり滴下しながら65〜75℃で4.5時間加熱撹拌した。ガスクロマトグラフィで原料の消失を確認した後、蒸留によって精製を行い、トリエトキシシリルプロポキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジンを得た。
[実施例1−1]
合成例1で製造したトリエトキシシリルプロポキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン36.2gを純水695.0gと混合し、濃度5質量%の無色透明なトリエトキシシリルプロポキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン水溶液である防曇剤を得た。
ジムロート式冷却凝縮器、ディーンスターク、撹拌機、温度計、滴下ロートを備えた300mLの四つ口フラスコを十分窒素置換した。次いで、純水114.5gを仕込み、合成例1で製造したトリエトキシシリルプロポキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン15.2gをゆっくり滴下した。常圧下、60℃で11時間熟成後、120℃に昇温して副生したエタノールの抜き出しを行った。その後、真空乾燥を行い、無色固体の加水分解縮合物を得た。重量平均分子量は2,000であった。得られた加水分解縮合物5.0gを水97.5gで溶解し、重量平均分子量2,000のトリエトキシシリルプロポキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンのオリゴマー水溶液である無色透明な防曇剤を得た。
実施例1−2で製造したトリエトキシシリルプロポキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンのオリゴマー水溶液16.2gに、合成例1で製造したトリエトキシシリルプロポキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン16.2gを加え、さらに濃度5質量%となるように水を加え、トリエトキシシリルプロポキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンのオリゴマーおよびトリエトキシシリルプロポキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの水溶液である無色透明な防曇剤を得た。
合成例1で製造したトリエトキシシリルプロポキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン12.9g、テトラエトキシシラン1.4g、テトラヒドロフラン(THF)140.4g、水140.2gを混合し、トリエトキシシリルプロポキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンおよびテトラエトキシシランの水/THF溶液である無色透明な防曇剤を得た。
合成例1で製造したトリエトキシシリルプロポキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン3.5g、実施例1−2で製造したトリエトキシシリルプロポキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンのオリゴマー3.5g、テトラエトキシシラン700mg、THF70.0g、水70.0gを混合し、トリエトキシシリルプロポキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、トリエトキシシリルプロポキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンのオリゴマーおよびテトラエトキシシランが、4.5/4.5/1質量%の水/THF溶液である無色透明な防曇剤を得た。
実施例1−2で製造したトリエトキシシリルプロポキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンのオリゴマー13.0g、テトラエトキシシラン1.4g、THF140.5g、水140.2gを混合し、トリエトキシシリルプロポキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンのオリゴマーおよびテトラエトキシシランの水/THF溶液である無色透明な防曇剤を得た。
合成例2で製造したジメトキシメチルシリルプロポキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン7.6g、THF50.5g、水24.0gを混合し、ジメトキシメチルシリルプロポキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの水/THF溶液である無色透明な防曇剤を得た。
合成例2で製造したジメトキシメチルシリルプロポキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン13.0g、テトラエトキシシラン1.5g、THF190.6g、水94.4gと混合し、ジエトキシメチルシリルプロポキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンおよびテトラエトキシシランの水/THF溶液である無色透明な防曇剤を得た。
合成例3で製造したトリエトキシシリルプロポキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン7.3g、THF98.8g、水44.0gを混合し、トリエトキシシリルプロポキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジンの水/THF溶液である無色透明な防曇剤を得た。
合成例3で製造したトリエトキシシリルプロポキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン5.3g、テトラエトキシシラン500mg、THF92.2g、水21.6gを混合し、トリエトキシシリルプロポキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジンとテトラエトキシシランの水/THF溶液である無色透明な防曇剤を得た。
合成例1で製造したトリエトキシシリルプロポキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン13.0g、トリエトキシオクチルシラン1.5g、THF192.0g、水88.2gを混合し、トリエトキシシリルプロポキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとトリエトキシオクチルシランの水/THF溶液である無色透明な防曇剤を得た。
上記実施例1−1〜1−11で作製した防曇剤を用い、以下の手法により、防曇性を評価した。結果を表1に示す。
予め水、アセトンで表面を良く洗い、110℃のオーブンで3時間加熱した清潔なスライドガラスを、実施例1−1〜1−11で作製した各溶液に、室温でそれぞれ2時間浸漬した。その後、スライドガラスを引き上げ、窒素ブローした後、オーブンにより110℃で2時間加熱して防曇試料を作製した。
得られた防曇試料の外観および防曇性を表1に示す。
なお、防曇試料の外観は、蛍光灯下目視による判断で行った。
また、防曇性は、防曇試料に呼気を吹き掛け、防曇処理した部分のスライドガラス表面の面積中、目視で、曇らない面積がおよそ100%であれば「◎」、曇らない面積がおよそ70〜90%であれば「○」とした。
また、上記実施例1−1〜1−11で作製した防曇剤を用い、以下の手法により、耐水性を評価した。結果を表1に併せて示す。
上記の方法により作製した防曇試料を40℃の水に浸漬し、又は水蒸気に20時間程度さらし、1時間経過するたびに防曇試料を引き上げ、呼気を吹きかけて全面が曇る(防曇性を示さなくなる)までに要した時間を耐水性の目安とした。ヒンダードアミノ基含有有機ケイ素化合物で処理されたスライドガラスは、防曇性を示すため、防曇性の有無を確認することにより、ヒンダードアミノ基含有有機ケイ素化合物の残存を簡易的に確認することが可能である。
Claims (3)
- 下記一般式(1)で示されるヒンダードアミノ基含有有機ケイ素化合物および/または下記平均組成式(2)で示され、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の重量平均分子量が1,000〜100,000のヒンダードアミノ基含有有機ケイ素化合物のオリゴマー、並びに溶媒を含むことを特徴とする防曇剤。
- 前記一般式(1)で示されるヒンダードアミノ基含有有機ケイ素化合物、平均組成式(2)で示される加水分解縮合物および前記一般式(3)で示されるアルコキシシランが、合計0.01〜30質量%含まれる請求項2記載の防曇剤。
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