JP6519502B2 - ヒンダードアミノ基含有有機ケイ素化合物、これを含む組成物およびヒンダードアミノ基含有有機ケイ素化合物の製造方法 - Google Patents

ヒンダードアミノ基含有有機ケイ素化合物、これを含む組成物およびヒンダードアミノ基含有有機ケイ素化合物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ヒンダードアミノ基含有有機ケイ素化合物、これを含む組成物およびヒンダードアミノ基含有有機ケイ素化合物の製造方法に関する。
多くの高分子体は、光の作用によって経時劣化することは周知である。この劣化は、光に含まれる紫外線が高分子中にラジカルを生じさせ、ラジカルによって化合物の結合鎖が破壊されることが原因であり、劣化を生じさせないためには、ラジカルの発生を抑制する、もしくはラジカルを無効化する必要がある。
ヒンダードアミノ基含有炭化水素化合物は、ラジカルを捕捉して無効化する性質を持っており、高分子の劣化防止のための耐光剤や防曇剤として用いられている。
しかし、この化合物には、有機無機複合材料やガラス等の表面処理に用いる場合、これらとの密着性が低いという問題があった。
この問題を解決するため、無機化合物と結合し、密着性を向上させたヒンダードアミノ基含有ケイ素化合物が開発され(特許文献1参照)、このヒンダードアミノ基含有ケイ素化合物を用いることで、複合材料からのブリードアウトや無機化合物等フィラーの表面の劣化を防ぐことができる。
一方、鏡やメガネ、窓に幅広く活用されている透明基材の表面は、湿度の高い場所や、気温差、湿度差のある場所で使用する際、曇りが生じて視界が遮られるという問題がある。曇りが引き起こされる原因は、ガラスやプラスチックの基材表面に付着した水が表面張力によって水滴を形成し、この水滴が光の散乱を引き起こすためである。
これまでに、基材に防曇性を施す方法が種々検討されており、防曇剤として親水性のポリビニルアルコールやポリエチレングリコールをコーティングして用いる方法が提案されているが(特許文献2参照)、耐水性が低いといった問題があった。
これを改善するため、シリカ微粒子の多孔質膜や吸水性の樹脂を使用した吸水性タイプの防曇剤も開発されており、防曇の耐水性を改善する開発が行われている(特許文献3参照)。
国際公開第2012/105103号 特開2005−194471号公報 特開2001−233638号公報
しかし、特許文献1のようなヒンダードアミノ基含有ケイ素化合物は、通常のアミノシラン化合物と同様に、自身の塩基性によりSi−O結合の解離が引き起こされる。そのため、耐水性が低く、無機化合物から遊離し、耐光性の持続時間が短かった。
また、特許文献3の技術では、基材との結合や密着性が不足しており、十分な耐久性が得られないという問題があった。
さらに、これらの防曇剤を窓や車のガラス部分のような屋外で使用した場合、酸素や紫外線によって防曇剤が劣化し、黄ばみの発生や防曇効果の低寿命化をひき起こすという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、無機化合物を処理した場合に、被処理部位の耐水性を向上させるとともに、持続性の耐光性を付与し得るヒンダードアミノ基含有有機ケイ素化合物、およびこれを含む組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、所定のヒンダードアミノ基含有有機ケイ素化合物を含む組成物を用いて無機化合物を処理した場合に、被処理部位の耐水性が向上するとともに、耐光性が付与され、さらに付与された耐候性が持続することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
1. 下記平均組成式(1)で示され、ゲルパーミエーションクロマトグラフィによるポリスチレン換算の重量平均分子量が2,000〜1,000,000であることを特徴とするヒンダードアミノ基含有有機ケイ素化合物、
Figure 0006519502
(式中、R1は、水素原子、炭素数1〜8の1価炭化水素基、または炭素数1〜8のアルコキシ基を表し、R2は、炭素原子の一部がヘテロ原子で置換されていてもよい、置換または非置換の炭素数1〜8の2価炭化水素基を表し、R3およびR5は、互いに独立して、炭素数1〜8の1価炭化水素基を表し、nは、0〜2の整数を表し、mは、0〜3の整数を表し、aおよびbは、1<a/b<100を満たす数である。)
2. 1のヒンダードアミノ基含有有機ケイ素化合物および溶媒を含む組成物、
3. 前記ヒンダードアミノ基含有有機ケイ素化合物が、0.1〜50質量%含まれる2の組成物、
4. アルコール含有量が1質量%以下である2または3の組成物、
5. 下記一般式(2)
Figure 0006519502
(式中、R4は、炭素数1〜8の1価炭化水素基を表し、R1〜R3、およびnは、前記と同じ意味を表す。)
で示されるヒンダードアミノ基含有アルコキシシラン化合物および下記一般式(3)
Figure 0006519502
(式中、R6は、炭素数1〜8の1価炭化水素基を表し、R5およびmは、前記と同じ意味を表す。)
で示されるアルコキシシラン化合物を共加水分解反応させる1のヒンダードアミノ基含有有機ケイ素化合物の製造方法、
6. 前記式(2)および式(3)で示される各化合物中のケイ素原子合計1モルに対し、3〜100倍モルの水を用いて共加水分解反応を行う5のヒンダードアミノ基含有有機ケイ素化合物の製造方法、
7. 前記共加水分解反応後、生成したアルコールおよび水を除去する5または6のヒンダードアミノ基含有有機ケイ素化合物の製造方法
を提供する。
本発明のヒンダードアミノ基含有有機ケイ素化合物を用いて無機化合物の表面処理をすることで、処理面の耐水性が向上するとともに、高い持続性を有する耐光性が発揮される。
このような特性を有する本発明のヒンダードアミノ基含有有機ケイ素化合物は、ガラス等の透明基材や、これを含む複合材料等の防曇剤等として好適に用いることができる。
実施例1−1のヒンダードアミノ基含有有機ケイ素化合物の1H−NMRスペクトル図である。 実施例1−1のヒンダードアミノ基含有有機ケイ素化合物のIRスペクトル図である。 実施例1−2のヒンダードアミノ基含有有機ケイ素化合物の1H−NMRスペクトル図である。 実施例1−2のヒンダードアミノ基含有有機ケイ素化合物のIRスペクトル図である。 実施例1−3のヒンダードアミノ基含有有機ケイ素化合物の1H−NMRスペクトル図である。 実施例1−3のヒンダードアミノ基含有有機ケイ素化合物のIRスペクトル図である。 実施例1−4のヒンダードアミノ基含有有機ケイ素化合物の1H−NMRスペクトル図である。 実施例1−4のヒンダードアミノ基含有有機ケイ素化合物のIRスペクトル図である。 実施例1−5のヒンダードアミノ基含有有機ケイ素化合物の1H−NMRスペクトル図である。 実施例1−5のヒンダードアミノ基含有有機ケイ素化合物のIRスペクトル図である。 実施例1−6のヒンダードアミノ基含有有機ケイ素化合物の1H−NMRスペクトル図である。 実施例1−6のヒンダードアミノ基含有有機ケイ素化合物のIRスペクトル図である。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明のヒンダードアミノ基含有有機ケイ素化合物は、下記平均組成式(1)で示される。
Figure 0006519502
式(1)において、R1は、水素原子、炭素数1〜8の1価炭化水素基、または炭素数1〜8のアルコキシ基を表し、R2は、炭素原子の一部がヘテロ原子で置換されていてもよい、置換または非置換の炭素数1〜8の2価炭化水素基を表し、R3およびR5は、互いに独立して、炭素数1〜8の1価炭化水素基を表す。
ここで、R1の炭素数1〜8の1価炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−へキシル基、n−へプチル基、n−オクチル基等の直鎖状のアルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、イソへキシル基、イソへプチル基、イソオクチル基、tert−オクチル基等の分岐状のアルキル基;シクロペンチル基、シクロへキシル基等の環状のアルキル基などが挙げられるが、これらの中でも、炭素数1〜3の1価炭化水素基が好ましく、特に、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基がより好ましい。
炭素数1〜8のアルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペントキシ基、n−ヘキソキシ基、n−へプトキシ基、n−オキトキシ基等の直鎖状のアルコキシ基;イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、イソペントキシ基、ネオペントキシ基、イソへキソキシ基、イソへプトキシ基、イソオクトキシ基、tert−オクチル基等の分岐状のアルコキシ基が挙げられ、これらの中でも、炭素数1〜3のアルコキシ基である、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基が好ましい。
また、R2の炭素数1〜8の置換または非置換の2価炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基等の直鎖状のアルキレン基;イソプレン基、イソブテン基、sec−ブチレン基、イソペンテン基、ネオペンテン基、イソへキセン基、イソへプテン基、イソオクテン基、tert−オクテン基等の分岐状のアルキレン基;シクロペンタンジイル基、シクロへキサンジイル基等の環状のアルキレン基が挙げられ、これらの中でも、炭素数1〜4の2価炭化水素基が好ましく、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、イソプレン基がより好ましい。
この2価炭化水素基は、その炭素原子の一部がヘテロ原子で置換されていてもよく、置換基の具体例としては、−NH−、−CO−、−S−、−O−、−COO−、−OOC−等が挙げられ、そのような置換された2価炭化水素基としては、−O−(CH23−、−NH−(CH23−、−S−(CH23−、−OOC−(CH23−が好ましい。
また、上記2価炭化水素基は、その水素原子の少なくとも一部が、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子で置換されていてもよい。
3およびR5の炭素数1〜8の1価炭化水素基の具体例としては、上記R1で例示した基と同様のものが挙げられるが、加水分解速度の観点から、メチル基、エチル基、n−プロピル基が好ましい。
上記nは0〜2の整数を表すが、0〜1の整数が好ましい。
mは0〜3の整数を表すが、0〜1の整数が好ましい。
a/bは、1<a/b<100を満たす数であるが、1<a/b<10を満たす数が好ましい。
本発明において、上記平均組成式(1)で表されるヒンダードアミノ基含有有機ケイ素化合物のGPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量は、2,000〜1,000,000であるが、10,000〜100,000が好ましい。
なお、重量平均分子量は静的光散乱法により測定され、例えば、分子量測定システム(大塚電子(株)製、ELSZ−2000)を用いて、温度25℃、テトラヒドロフラン溶媒を用いて0〜10質量%の範囲で測定することができ、この解析に必要な屈折率は、高感度示唆屈折計(大塚電子(株)製、DRM−3000)を用いることができる。
本発明における上記平均組成式(1)で示されるヒンダードアミノ基含有有機ケイ素化合物の製造方法としては、例えば、一般式(2)で示されるヒンダードアミノ基含有アルコキシシラン化合物および一般式(3)で示されるアルコキシシラン化合物を共加水分解反応させる方法が挙げられる。
Figure 0006519502
(式中、R4およびR6は、炭素数1〜8の1価炭化水素基を表し、R1〜R3、R5、mおよびnは、上記と同じ意味を表す。)
ここで、R4およびR6の炭素数1〜8の1価炭化水素基の具体例としては、上記と同様のものが挙げられるが、炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基がより好ましい。
一般式(2)で示されるヒンダードアミノ基含有有機アルコキシシラン化合物の具体例としては、トリメトキシシリルメトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピぺリジン、トリメトキシシリルメチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピぺリジン、トリメトキシシリルメトキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチル4−ピぺリジン、トリメトキシシリルメトキシ−2,2,6,6−テトラエチル−1−エチル−4−ピぺリジン、トリメトキシシリルメトキシ−2,2,6,6−テトラエチル−1−エチル−4−ピぺリジン、トリメトキシシリルメチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−4−プロピルピぺリジン、トリメトキシシリルメトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−メトキシ−4−ピぺリジン、トリメトキシシリルメチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−メトキシ−4−ピぺリジン、トリメトキシシリルメトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−エトキシ−4−ピぺリジン、トリメトキシシリルメチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−エトキシ−4−ピぺリジン、トリメトキシシリルメトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロポキシ−4−ピぺリジン、トリメトキシシリルメチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロポキシ−4−ピぺリジン、トリメトキシシリルエトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピぺリジン、トリメトキシシリルエチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピぺリジン、トリメトキシシリルエトキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチル4−ピぺリジン、トリメトキシシリルエチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチル4−ピぺリジン、トリメトキシシリルエトキシ−2,2,6,6−テトラエチル−1−エチル−4−ピぺリジン、トリメトキシシリルエチルアミノ−2,2,6,6−テトラエチル−1−エチル−4−ピぺリジン、トリメトキシシリルエトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−プロピルピぺリジン、トリメトキシシリルエトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−メトキシ−4−ピぺリジン、トリメトキシシリルエチル−2,2,6,6−テトラメチル−1−メトキシ−4−ピぺリジン、トリメトキシシリルエトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−メトキシ−4−ピぺリジン、トリメトキシシリルエチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−メトキシ−4−ピぺリジン、トリメトキシシリルエトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロポキシ−4−ピぺリジン、トリメトキシシリルエチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロポキシ−4−ピぺリジン、トリメトキシシリルプロポキシ−2,2,6,6−テトラメチルピぺリジン、トリメトキシシリルプロピルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピぺリジン、トリメトキシシリルプロポキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチル4−ピぺリジン、トリメトキシシリルプロピルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチル4−ピぺリジン、トリメトキシシリルプロポキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチル4−ピぺリジン、トリメトキシシリルプロピルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチル4−ピぺリジン、トリメトキシシリルプロポキシ−2,2,6,6−テトラエチル−1−エチル−4−ピぺリジン、トリメトキシシリルプロピルアミノ−2,2,6,6−テトラエチル−1−エチル−4−ピぺリジン、トリメトキシシリルプロポキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロピル−4−ピぺリジン、トリメトキシシリルプロピルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロピル−4−ピぺリジン、トリメトキシシリルプロポキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−メトキシ−4−ピぺリジン、トリメトキシシリルプロピルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−メトキシ−4−ピぺリジン、トリメトキシシリルプロピルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−メトキシ−4−ピぺリジン、トリメトキシシリルプロポキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロポキシ−4−ピぺリジン、トリメトキシシリルプロピルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロポキシ−4−ピぺリジン、トリエトキシシリルメトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピぺリジン、トリエトキシシリルメチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピぺリジン、トリエトキシシリルメトキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチル4−ピぺリジン、トリエトキシシリルメチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチル4−ピぺリジン、トリエトキシシリルメトキシ−2,2,6,6−テトラエチル−1−エチル−4−ピぺリジン、トリエトキシシリルメチルアミノ−2,2,6,6−テトラエチル−1−エチル−4−ピぺリジン、トリエトキシシリルメトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロピル−4−ピぺリジン、トリエトキシシリルメチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロピル−4−ピぺリジン、トリエトキシシリルメトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−メトキシ−4−ピぺリジン、
トリエトキシシリルメチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−メトキシ−4−ピぺリジン、トリエトキシシリルメトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−エトキシ−4−ピぺリジン、トリエトキシシリルメチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−エトキシ−4−ピぺリジン、トリエトキシシリルメトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロポキシ−4−ピぺリジン、トリエトキシシリルメチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロポキシ−4−ピぺリジン、トリエトキシシリルエトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピぺリジン、トリエトキシシリルエチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピぺリジン、トリエトキシシリルエトキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチル4−ピぺリジン、トリエトキシシリルエチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチル4−ピぺリジン、トリエトキシシリルエトキシ−2,2,6,6−テトラエチル−1−エチル−4−ピぺリジン、トリエトキシシリルエトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−プロピルピぺリジン、トリエトキシシリルエチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−4−プロピルピぺリジン、トリエトキシシリルエトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−メトキシ−4−ピぺリジン、トリエトキシシリルエチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−メトキシ−4−ピぺリジン、トリエトキシシリルエトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−エトキシ−4−ピぺリジン、
トリエトキシシリルエチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−エトキシ−4−ピぺリジン、トリエトキシシリルエトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロポキシ−4−ピぺリジン、トリエトキシシリルエチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロポキシ−4−ピぺリジン、トリエトキシシリルプロポキシ−2,2,6,6−テトラメチルピぺリジン、トリエトキシシリルプロピルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピぺリジン、トリエトキシシリルプロポキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチル4−ピぺリジン、トリエトキシシリルプロピルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチル4−ピぺリジン、トリエトキシシリルプロポキシ−2,2,6,6−テトラエチル−1−エチル−4−ピぺリジン、トリエトキシシリルプロピルアミノ−2,2,6,6−テトラエチル−1−エチル−4−ピぺリジン、トリエトキシシリルプロポキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロピル−4−ピぺリジン、トリエトキシシリルプロピルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロピル−4−ピぺリジン、トリエトキシシリルプロポキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−メトキシ−4−ピぺリジン、トリエトキシシリルプロピルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−メトキシ−4−ピぺリジン、トリエトキシシリルプロポキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−エトキシ−4−ピぺリジン、トリエトキシシリルプロピルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−エトキシ−4−ピぺリジン、トリメトキシシリルプロポキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロポキシ−4−ピぺリジン、トリメトキシシリルプロピルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロポキシ−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルメトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルメチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルメトキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチル4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルメチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチル4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルメトキシ−2,2,6,6−テトラエチル−1−エチル−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルメチルアミノ−2,2,6,6−テトラエチル−1−エチル−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルメトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロピル−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルメチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロピル−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルメチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−メトキシ−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルメトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−メトキシ−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルメトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−エトキシ−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルメチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−エトキシ−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルメトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロポキシ−4−ピぺリジン、
トリプロポキシシリルメチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロポキシ−4−ピぺリジン、トリエトキシシリルプロピルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルエトキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチル4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルエチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチル4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルエトキシ−2,2,6,6−テトラエチル−1−エチル−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルエチルアミノ−2,2,6,6−テトラエチル−1−エチル−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルエトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロピル−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルエチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロピル−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルエトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−メトキシ−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルエチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−メトキシ−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルエチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−エトキシ−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルエトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロポキシ−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルエチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロポキシ−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルプロポキシ−2,2,6,6−テトラメチルピぺリジン、トリプロポキシシリルプロピルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルプロポキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチル4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルプロピルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチル4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルプロポキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−エチル−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルプロピルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−エチル−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルプロポキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロピル−4−ピぺリジン、
トリプロポキシシリルプロピルシリル−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロピル−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルプロポキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−メトキシ−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルプロピルシリル−2,2,6,6−テトラメチル−1−メトキシ−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルプロポキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−エトキシ−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルプロピルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−エトキシ−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルプロポキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロポキシ−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルプロピルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロポキシ−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルメトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピぺリジン、トリプロポキシシリルメチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルメトキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチル4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルメチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチル4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルメトキシ−2,2,6,6−テトラエチル−1−エチル−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルメチルアミノ−2,2,6,6−テトラエチル−1−エチル−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルメトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロピル−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルメチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロピル−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルメトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−メトキシ−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルメチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−メトキシ−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルメトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−エトキシ−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルメチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−エトキシ−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルメトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロポキシ−4−ピぺリジン、トリプロポキシシリルメチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−プロポキシ−4−ピぺリジン等が挙げられる。
一般式(3)で示されるアルコキシシラン化合物の具体例としては、テトラメトキシシラン、トリメトキシメチルシラン、ジメトキシジメチルシラン、メトキシトリメチルシラン、テトラエトキシシラン、トリエトキシメチルシラン、ジエトキシジメチルシラン、エトキシトリメチルシラン、トリプロポキシメチルシラン、ジプロポキシジメチルシラン、プロポキシトリメチルシラン、トリメトキシエチルシラン、ジメトキシジエチルシラン、メトキシトリエチルシラン、トリメトキシプロピルシラン、ジメトキシジプロピルシラン、メトキシトリプロピルシラン、トリエトキシエチルシラン、ジエトキシジエチルシラン、エトキシトリエチルシラン、トリエトキシプロピルシラン、ジエトキシジプロピルシラン、エトキシトリプロピルシラン、トリプロポキシエチルシラン、ジプロポキシジエチルシラン、プロポキシトリエチルシラン、トリプロポキシプロピルシラン、ジプロポキシジプロピルシラン、プロポキシトリプロピルシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルジメトキシメチルシラン、フェニルメトキシジメチルシラン、フェニルジメトキシエチルシラン、フェニルメトキシジエチルシラン、フェニルジプロポキシメチルシラン、フェニルプロポキシジメチルシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルジエトキシジメチルシラン、フェニルエトキシトリメチルシラン、フェニルジエトキシエチルシラン、フェニルエトキシジエチルシラン、フェニルジエトキシプロピルシラン、フェニルエトキシジプロピルシラン、フェニルトリプロポキシシラン、フェニルジプロポキシメチルシラン、フェニルプロポキシジメチルシラン、フェニルジプロポキシエチルシラン、フェニルプロポキシジエチルシラン、フェニルジプロポキシプロピルシラン、フェニルプロポキシジプロピルシラン等が挙げられる。
共加水分解反応に用いる水の量は、共加水分解速度の観点から、一般式(2)で示されるヒンダードアミノ基含有アルコキシシラン化合物および一般式(3)で示されるアルコキシシラン化合物の合計ケイ素原子1molに対して、3〜100molが好ましく、50〜100molがより好ましく、70〜100molがより一層好ましい。
共加水分解反応の反応温度は特に限定されないが、0〜120℃が好ましく、60〜120℃がより好ましい。
反応時間も特に限定されないが、1〜20時間が好ましく、1〜14時間がより好ましい。
共加水分解反応後、生成するアルコールおよび水は、化合物の安定性の観点から、減圧または常圧下で蒸気化、分離等の方法により除去することが好ましい。
このようにして得られたヒンダードアミノ基含有有機ケイ素化合物は、ランダム構造、かご状構造、ラダー構造等のいずれかの構造をとり得る。
本発明の組成物は、上述した平均組成式(1)で示されるヒンダードアミノ基含有有機ケイ素化合物および溶媒を含む。
溶媒としては、水、有機溶媒、およびこれらの混合溶媒から適宜選択して用いることができる。
使用可能な有機溶媒としては、メタノール、エタノール等のアルコール類;テトラヒドロフラン等のエーテル類;アセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類などの極性溶媒が挙げられる。
組成物中における、平均組成式(1)で示されるヒンダードアミノ基含有有機ケイ素化合物の割合は、塗布しやすさ等の観点から、0.1〜50質量%が好ましく、1〜30質量%が好ましく、1〜15質量%がより一層好ましい。
また、組成物中におけるアルコール含有量は、塗布した際の仕上がりを良くする観点から、1質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましい。
以上説明した本発明の組成物を、ガラス等の防曇処理が要求される無機物表面に塗布した後、乾燥して防曇処理を施す。
塗布法は、特に限定されるものではなく、公知の各種コーティング法、例えば、ハケ塗り法、スプレーコーティング法、ワイヤーバー法、ブレード法、ロールコーティング法、ディッピング法等が採用できる。
また、乾燥条件も任意であり、常温から加熱下が採用できるが、加熱下で乾燥させることが好ましい。この際の温度は、基材に悪影響を与えない限り特に制限はないが、通常、50〜150℃程度である。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
なお、1H−NMRスペクトルは、600MHz、重クロロホルム溶媒により、IRスペクトルは、D−ATRにより測定した。
[1]ヒンダードアミノ基含有アルコキシシラン化合物の合成
[合成例1]
ジムロート式冷却凝縮器、撹拌機、温度計、滴下ロートを備えた500mLの四つ口フラスコを十分窒素置換した。次いで、4−アリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン293.5g、白金触媒975.5mgを仕込み、トリエトキシシラン184.6gをゆっくり滴下しながら60〜70℃で6時間加熱撹拌した。ガスクロマトグラフィで原料の消失を確認した後、蒸留によって精製を行い、トリエトキシシリルプロポキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンを得た。
[合成例2]
ジムロート式冷却凝縮器、撹拌機、温度計、滴下ロートを備えた500mLの四つ口フラスコを十分窒素置換した。次いで、4−アリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン293.5g、白金触媒975.5mgを仕込み、ジメトキシメチルシラン158.0gをゆっくり滴下しながら60〜70℃で6時間加熱撹拌した。ガスクロマトグラフィで原料の消失を確認した後、蒸留によって精製を行い、ジメトキシメチルシリルプロポキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンを443.7gで得た。
[合成例3]
ジムロート式冷却凝縮器、撹拌機、温度計、滴下ロートを備えた500mLの四つ口フラスコを十分窒素置換した。次いで、4−アリルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン488.6g、白金触媒1.5gを仕込み、トリエトキシシラン303.9gをゆっくり滴下しながら65〜75℃で4.5時間加熱撹拌した。ガスクロマトグラフィで原料の消失を確認した後、蒸留によって精製を行い、トリエトキシシリルプロポキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジンを得た。
[2]ヒンダードアミノ基含有有機ケイ素化合物の合成
[実施例1−1]
Figure 0006519502
ジムロート式冷却凝縮器、ディーンスターク、撹拌機、温度計、滴下ロートを備えた500mLの四つ口フラスコを十分窒素置換した。次いで、純水242.2gを仕込み、合成例1で製造したトリエトキシシリルプロポキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン35.0g、テトラエトキシシラン9.2gをゆっくり滴下した。常圧下、60℃で12時間熟成した後、120℃に昇温して副生したアルコールをゆっくりと抜き出した。得られた水溶液の水、残存アルコールを留去し、乾燥させて無色固体を得た。1H−NMR、IR分析の結果、下記平均組成式(4)の構造であることを確認した。重量平均分子量は18,050であった。1H−NMRスペクトル、IRスペクトルをそれぞれ図1,2に示す。
[実施例1−2]
Figure 0006519502
ジムロート式冷却凝縮器、ディーンスターク、撹拌機、温度計、滴下ロートを備えた300mLの四つ口フラスコを十分窒素置換した。次いで、純水52.0gを仕込み、合成例1で製造したトリエトキシシリルプロポキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン7.5g、テトラエトキシシラン2.6gをゆっくり滴下した。常圧下、60℃で12時間熟成した後、120℃に昇温して副生したアルコールをゆっくりと抜き出した。得られた水溶液の水、残存アルコールを留去し、乾燥させて無色固体を得た。1H−NMR、IR分析の結果、平均組成式(5)の構造であることを確認した。重量平均分子量は198,000であった。1H−NMRスペクトル、IRスペクトルをそれぞれ図3,4に示す。
[実施例1−3]
Figure 0006519502
ジムロート式冷却凝縮器、ディーンスターク、撹拌機、温度計、滴下ロートを備えた300mLの四つ口フラスコを十分窒素置換した。次いで、純水52.0gを仕込み、合成例2で製造したジメトキシメチルシリルプロポキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン7.3g、テトラエトキシシラン2.5gをゆっくり滴下した。常圧下60℃で12時間熟成した後、120℃に昇温して副生したアルコールをゆっくりと抜き出した。得られた水溶液の水、残存アルコールを留去し、乾燥させて無色固体を得た。1H−NMR、IR分析の結果、平均組成式(6)の構造であることを確認した。重量平均分子量は39,000であった。1H−NMRスペクトル、IRスペクトルをそれぞれ図5,6に示す。
[実施例1−4]
Figure 0006519502
ジムロート式冷却凝縮器、ディーンスターク、撹拌機、温度計、滴下ロートを備えた300mLの四つ口フラスコを十分窒素置換した。次いで、純水52.0gを仕込み、合成例3で製造したトリエトキシシリルプロポキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン7.3g、テトラエトキシシラン2.5gをゆっくり滴下した。常圧下60℃で12時間熟成した後、120℃に昇温して副生したアルコールをゆっくりと抜き出した。得られた水溶液の水、残存アルコールを留去し、乾燥させて無色固体を得た。1H−NMR、IR分析の結果、平均組成式(7)の構造であることを確認した。重量平均分子量は30,000であった。1H−NMRスペクトル、IRスペクトルをそれぞれ図7,8に示す。
[実施例1−5]
Figure 0006519502
ジムロート式冷却凝縮器、ディーンスターク、撹拌機、温度計、滴下ロートを備えた200mLの四つ口フラスコを十分窒素置換した。次いで、純水72.5g、テトラヒドロフラン31.0gを仕込み、合成例3で製造したトリエトキシシリルプロポキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン15.2gとトリエトキシオクチルシラン2.0gをゆっくり滴下した。常圧下60℃で12時間熟成した後、120℃に昇温して副生したアルコールをゆっくりと抜き出した。得られた溶液から水、残存アルコールを留去し、乾燥して、無色固体を得た。1H−NMR、IR分析の結果、平均組成式(8)の構造であることを確認した。重量平均分子量は39,000であった。1H−NMRスペクトル、IRスペクトルをそれぞれ図9,10に示す。
[実施例1−6]
Figure 0006519502
ジムロート式冷却凝縮器、ディーンスターク、撹拌機、温度計、滴下ロートを備えた200mLの四つ口フラスコを十分窒素置換した。次いで、純水63.5gを仕込み、合成例2で製造したジメトキシメチルシリルプロポキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン7.5gとトリエトキシオクチルシラン2.4gをゆっくり滴下した。常圧下60℃で15時間熟成した後、120℃に昇温して副生したアルコールをゆっくりと抜き出した。得られた溶液から水、残存アルコールを留去し、乾燥して、白色個体を得た。1H−NMR、IR分析の結果、平均組成式(9)の構造であることを確認した。重量平均分子量は38,000であった。1H−NMRスペクトル、IRスペクトルをそれぞれ図11,12に示す。
[3]組成物の調製
[実施例2−1]
実施例1−1で製造した化合物14.0gを水280.0gで溶解し、無色透明な溶液を得た。
[実施例2−2]
実施例1−1で製造した化合物14.0gを水196.0gとテトラヒドロフラン84.0gの混合溶液で溶解し、無色透明な溶液を得た。
[実施例2−3]
実施例1−2で製造した化合物2.5gを水33.6gとエタノール14.4gの混合溶液で溶解し、無色透明な溶液を得た。
[実施例2−4]
実施例1−2で製造した化合物2.5gを水33.6gとテトラヒドロフラン14.4gの混合溶液で溶解し、無色透明な溶液を得た。
[実施例2−5]
実施例1−3で製造した化合物2.5gを水33.6gおよびエタノール14.4gの混合溶液で溶解し、無色透明な溶液を得た。
[実施例2−6]
実施例1−3で製造した化合物2.5gを水33.6gおよびテトラヒドロフラン14.4gの混合溶液で溶解し、無色透明な溶液を得た。
[実施例2−7]
実施例1−4で製造した化合物2.5gを水33.6gおよびエタノール14.4gの混合溶液で溶解し、無色透明な溶液を得た。
[実施例2−8]
実施例1−4で製造した化合物2.5gを水33.6gおよびテトラヒドロフラン14.4gの混合溶液で溶解し、無色透明な溶液を得た。
[実施例2−9]
実施例1−5で製造した化合物5.0gを水68.4gとテトラヒドロフラン28.8gの混合溶液で溶解し、無色透明な溶液を得た。
[実施例2−10]
実施例1−6で製造した化合物5.0gを水11.2gとテトラヒドロフラン4.8gの混合溶液で溶解し、無色透明な溶液を得た。
〔防曇性評価〕
上記実施例2−1〜2−10で作製した溶液を用い、以下の手法により、ヒンダードアミノ基含有有機ケイ素化合物を防曇剤として用いる場合の防曇性を評価した。結果を表1に示す。
予め水、アセトンで表面を良く洗い、110℃のオーブンで3時間加熱した清潔なスライドガラスを、実施例2−1〜2−10で作製した各溶液に、室温でそれぞれ2時間浸漬した。その後、スライドガラスを引き上げ、窒素ブローした後、オーブンにより110℃で2時間加熱して防曇試料を作製した。
得られた防曇試料の外観および目視による防曇性を表1に示す。
なお、防曇試料の外観は、蛍光灯下目視による判断で行った。
また、目視による防曇性は、防曇試料に呼気を吹き掛け、防曇処理したスライドガラス表面の全面について目視による曇りが見られない場合を「◎」とし、目視による曇りが10〜20質量%見られた場合を「○」とした。
〔耐水性評価〕
上記実施例2−1〜2−10で作製した溶液を用い、以下の手法により、ヒンダードアミノ基含有有機ケイ素化合物を防曇剤として用いる場合の耐水性を評価した。結果を表1に併せて示す。
上記の方法により作製した防曇試料を40℃の水に浸漬し、又は水蒸気に20時間程度さらし、1時間経過するたびに防曇試料を引き上げ、110℃で乾燥した防曇試料に呼気を吹きかけて全面が曇る(防曇性を示さなくなる)までに要した時間を耐水性の目安とした。
Figure 0006519502
表1に示されるように、いずれの防曇試料も目視による防曇性が確認され、耐水時間も10時間以上であることがわかる。

Claims (7)

  1. 下記平均組成式(4)〜(9)のいずれかで示され、ゲルパーミエーションクロマトグラフィによるポリスチレン換算の重量平均分子量が18,050〜1,000,000であることを特徴とする固体状のヒンダードアミノ基含有有機ケイ素化合物。
    Figure 0006519502
    (式中、Meは、メチル基を意味する。)
  2. 請求項1記載のヒンダードアミノ基含有有機ケイ素化合物および溶媒を含む組成物。
  3. 前記ヒンダードアミノ基含有有機ケイ素化合物が、0.1〜50質量%含まれる請求項2記載の組成物。
  4. アルコール含有量が1質量%以下である請求項2または3記載の組成物。
  5. 下記一般式(2)
    Figure 0006519502
    (式中、R 1 は、水素原子またはメチル基を表し、R 2 は、トリメチレン基を表し、R 3 は、メチル基を表し、4は、炭素数1〜8の1価炭化水素基を表し、nは、0または1の整数を表す。)
    で示されるヒンダードアミノ基含有アルコキシシラン化合物および下記一般式(3)
    Figure 0006519502
    (式中、R6は、炭素数1〜8の1価炭化水素基を表し、 5 は、n−オクチル基を表し、mは、0または1の整数を表す。)
    で示されるアルコキシシラン化合物を共加水分解反応させる請求項1記載のヒンダードアミノ基含有有機ケイ素化合物の製造方法。
  6. 前記式(2)および式(3)で示される各化合物中のケイ素原子合計1molに対し、3〜100molの水を用いて共加水分解反応を行う請求項5記載のヒンダードアミノ基含有有機ケイ素化合物の製造方法。
  7. 前記共加水分解反応後、生成したアルコールおよび水を除去する請求項5または6記載のヒンダードアミノ基含有有機ケイ素化合物の製造方法。
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