JP6497306B2 - 電子装置及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、第1接続部を有する被接続部材と、第2接続部を有し、自身のばね反力により、第2接続部が第1接続部に機械的に接続される端子と、第1接続部と第2接続部との接点を含んで形成された接合部と、を備える電子装置及びその製造方法に関する。
ばね性を有する端子として、たとえばプレスフィット端子が知られている。被接続部材としての基板とプレスフィット端子との接続では、基板の貫通孔の径よりも大きな幅のプレスフィット端子を貫通孔に圧入し、端子の弾性変形による反力(ばね反力)にて、プレスフィット端子と基板との接続を維持する。貫通孔の壁面には、めっき膜を含む第1接続部が形成されており、上記反力によりプレスフィット端子の第2接続部が第1接続部に加圧状態で接触(圧接)される。すなわち、第1接続部と第2接続部とが機械的に接続される。これにより、第1接続部と第2接続部とが電気的に接続される。
プレスフィット端子と基板との接続には、たとえば車両振動といった外力に耐えて、第1接続部と第2接続部との接触状態を維持する接続強度(保持力)が求められる。しかしながら、第1接続部と第2接続部との接触部分である接点の摩擦係数の変動にともなって接続強度が低下し、外力によってプレスフィット端子が抜けるという問題がある。
接続強度を高めるには、たとえば貫通孔の径を小さくすればよい。これにより、プレスフィット端子のばね反力が高まる。しかしながら、第1接続部と第2接続部とを機械的に接続する際、第1接続部及び第2接続部に与えるダメージが大きくなり、接続信頼性が低下するという問題が生じる。このように、十分な接続強度の確保と機械的に接続する際の損傷の抑制を両立させることが困難であった。
これに対し、特許文献1には、貫通孔の壁面に形成された第1接続部を有し、第1接続部として銅を構成材料とするめっき膜を含む基板と、銅又は銅合金を含んで構成された第2接続部を有するプレスフィット端子と、を備える電子装置が開示されている。第2接続部は、銅又は銅合金を構成材料として形成された母材と、母材の表面に錫を構成材料として形成されためっき膜と、を有している。この電子装置では、機械的な接続状態で、基板を構成するコア層の熱により、すなわち加熱により、両めっき膜の間に銅と錫の拡散現象を生じさせて、第1接続部と第2接続部とを拡散接合している。このため、電子装置が、第1接続部と第2接続部との接点を含んで形成された接合部を備えている。
特開2008−294299号公報
上記電子装置では、基板の第1接続部とプレスフィット端子の第2接続部との接合部が、プレスフィット端子の母材(銅)/めっき膜(錫)/銅錫合金/基板のめっき膜(銅)の順に連なった構造となる。母材表面に形成されためっき膜(錫)及び拡散接合によって形成された合金層(銅錫合金)は、第1接続部のめっき膜や第2接続部の母材を構成する銅に較べて、疲労寿命が短い。このため、接合部に外力が繰り返し付加されたときに、接合部の疲労寿命が短くなる虞がある。
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、接続強度の確保と機械的接続時の損傷抑制を両立しつつ、接合部の疲労寿命を向上できる電子装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
ここに開示される発明は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。なお、特許請求の範囲及びこの項に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、発明の技術的範囲を限定するものではない。
開示された発明のひとつは、銅又は銅合金を含んで構成された第1接続部(22,48)を有する被接続部材(11,12,43)と、
銅又は銅合金を含んで構成された第2接続部(30,52)を有し、自身のばね反力により、第2接続部が第1接続部に機械的に接続される端子(13,45)と、
第1接続部と第2接続部との接点を含んで形成される接合部(40,53)と、を備え、
第1接続部及び第2接続部の少なくとも一方は、自身の表面であって接合部の周辺に、酸化銅を構成材料として形成された酸化膜(24,31,47,51)を有し、
接合部は、第1接続部を構成する銅と第2接続部を構成する銅とが直接に冶金的に接合されてなり、
酸化銅を還元させる還元剤を構成材料とする還元膜(42)をさらに備え、
還元膜は、酸化膜の表面であって、接合部の周辺に形成されていることを特徴とする。
これによれば、第1接続部を構成する基板側の銅と第2接続部を構成する端子側の銅とが直接に冶金的に接合されており、接合部が銅のみによって構成されている。接合部に、錫や銅錫合金などの疲労寿命低下層が存在しないため、接合部の疲労寿命を従来よりも向上することができる。
また、基板の第1接続部と端子の第2接続部とを冶金的に接合するため、接合により接続強度(保持力)を確保することができる。接合によって接続強度を確保できる分、端子のばね反力を弱めることができる。したがって、機械的接続時において、第1接続部及び第2接続部の損傷を抑制することができる。
開示された他の発明のひとつは、銅又は銅合金を含んで構成された第1接続部(22,48)を備える被接続部材(11,12,43)と、銅又は銅合金を含んで構成された第2接続部(30,52)を備え、ばね性を有する端子(13,45)と、を準備し、第1接続部の表面及び第2接続部の表面の少なくとも一方に、自身の一部として、酸化銅を構成材料とする酸化膜(24,31,47,51)を形成する酸化膜形成工程と、
酸化膜の表面に、酸化銅を還元させる還元剤(41)を塗布する塗布工程と、
塗布後、端子のばね反力により、第1接続部と第2接続部とを機械的に接続する接続工程と、
接続工程後、還元剤により酸化銅を銅に還元させながら、第1接続部と第2接続部との接点を含む部分において、第1接続部を構成する銅と第2接続部を構成する銅とを直接に冶金的に接合し、接合部(40,53)を形成する接合工程と、
を備えることを特徴とする。
これによれば、機械的な接続の後に、酸化銅を還元させて基板の第1接続部と端子の第2接続部とを冶金的に接合する。このように冶金的に接合するため、接続強度(保持力)を確保することができる。また、接合によって接続強度を確保できる分、端子のばね反力を弱めることができる。したがって、機械的接続時において、第1接続部及び第2接続部の損傷を抑制することができる。
また、たとえば第1接続部の表面に形成された酸化膜について、還元剤により酸化銅を銅に還元させると、還元された銅も第1接続部を構成する銅となる。同様に、第2接続部の表面に形成された酸化膜について、還元剤により酸化銅を銅に還元させると、還元された銅も第2接続部を構成する銅となる。したがって、還元により、第1接続部を構成する銅と第2接続部を構成する銅とを直接に冶金的に接合させることができる。これにより、基板の第1接続部と端子の第2接続部とが銅のみによって一体的に連なる。換言すれば、接合部が銅のみによって構成される。接合部に、錫や銅錫合金などの疲労寿命低下層が存在しないため、接合部の疲労寿命を従来よりも向上することができる。
第1実施形態に係る電子装置の概略構成を示す断面図である。 図1に示す領域IIを拡大した図である。 電子装置の製造方法を示す断面図である。 電子装置の製造方法を示す断面図である。 実施例1〜6についての還元率を示す図である。 実施例1についてのXPSの測定結果を示す図である。 第2実施形態に係る電子装置において、接合部周辺を示す断面図であり、図2に対応している。 第3実施形態に係る電子装置において、実施例7〜10についての還元率を示す図である。 第4実施形態に係る電子装置の概略構成を示す断面図である。 第1変形例を示す断面図であり、図2に対応している。
以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。なお、各実施形態において、共通乃至関連する要素には同一の符号を付与するものとする。以下において、基板11,12の厚み方向をZ方向、Z方向に直交する一方向をX方向、Z方向及びX方向の両方向に直交する方向をY方向と示す。
(第1実施形態)
先ず、図1に基づき、本実施形態に係る電子装置の概略構成について説明する。
図1に示す電子装置10は、車両に搭載される。電子装置10は、車両を制御する電子制御装置として構成されている。電子装置10は、たとえば車両に搭載されたエンジンを制御するエンジンECU(Electric Control Unit)として構成されている。
電子装置10は、貫通孔を有する基板と、貫通孔に挿入されるプレスフィット端子と、を少なくとも備える。基板とは、配線基板である。基板の枚数は特に限定されない。本実施形態の電子装置10は、基板11,12と、複数のプレスフィット端子13と、基板11に実装された電子部品14と、筐体15と、を備えている。基板11,12、プレスフィット端子13、及び電子部品14は、筐体15に収容されている。筐体15は、たとえば樹脂、金属を構成材料としている。基板11,12が被接続部材に相当し、プレスフィット端子13が端子に相当する。
複数のプレスフィット端子13の一部は、一方の基板11と他方の基板12とを電気的に中継している。このプレスフィット端子13は、Z方向に延設されており、その両端に後述する梁部30dをそれぞれ有している。複数のプレスフィット端子13が、基板11,12同士を電気的に接続しており、これらプレスフィット端子13は、X方向に並んで配置されている。
複数のプレスフィット端子13の残りは、電子部品14と基板11とを電気的に接続している。このプレスフィット端子13は、電子部品14の外部接続端子、所謂リードとして機能する。上記以外にも、たとえばコネクタの端子として、プレスフィット端子13を採用することができる。
各プレスフィット端子13には、拡幅部16が設けられている。拡幅部16は、プレスフィット端子13の他の部分よりも、Z方向に直交する一方向において幅の広い部分である。本実施形態の拡幅部16は、X方向に幅の広い部分となっている。拡幅部16は、Z方向において、基板11との接続部分の近くに設けられている。
プレスフィット端子13は、たとえば以下のようにして基板11,12に接続される。先ず拡幅部16に外力を印加することで、基板11の後述する貫通孔20に対し、基板11の一面11a側からプレスフィット端子13を圧入する。基板11に圧入後、基板11における一面11aと反対の裏面11bに外力を印加することで、基板12の貫通孔20に対し、基板12の一面12a側からプレスフィット端子13を圧入する。これにより、プレスフィット端子13を介して、基板11,12が電気的に接続される。
拡幅部16は、プレスフィット端子13を基板12の貫通孔20に圧入する際、基板11の一面11aに当て止まる。したがって、プレスフィット端子13と基板11との間に後述する接合部40が形成される前に、基板12の貫通孔20に圧入しても、プレスフィット端子13に基板11に対する圧接状態が解除されるのを抑制することができる。
次に、図2に基づき、電子装置10のうち、基板12とプレスフィット端子13との接続構造について説明する。なお、プレスフィット端子13と基板12との接続構造について説明するが、プレスフィット端子13と基板11との接続構造も同様である。
基板12は、貫通孔20と、貫通孔20の壁面21に形成された第1接続部22と、を有している。貫通孔20は、基板12に対してZ方向に沿って形成されており、一面12a及び一面12aと反対の裏面12bに開口している。貫通孔20は、プレスフィット端子13ごとに形成されている。
第1接続部22は、貫通孔20の壁面21を含む面に形成されている。第1接続部22は、銅又は銅合金を含んで構成されている。第1接続部22は、基板12におけるプレスフィット端子13との接続部分である。第1接続部22は、基板12において、電気的な接続機能を提供してもよい。この場合、第1接続部22は、ランドとも称される。一方、電気的な接続機能を提供しない第1接続部22を採用することもできる。この場合、第1接続部22は、ダミーランドとも称される。本実施形態では、基板11,12同士を電気的に接続するために、第1接続部22としてランドが形成されている。また、第1接続部22は、壁面21とともに、一面12a及び裏面12bにおける貫通孔20の周囲部分にも、一体的に形成されている。
第1接続部22は、めっき膜23と、第1酸化膜24と、を有している。めっき膜23は、銅を構成材料として形成されている。めっき膜23は、たとえば無電解銅めっき後、電解銅めっきを施すことで形成されている。めっき膜23は、スルーホールめっきとも称される。めっき膜23は、貫通孔20の壁面21に形成されている。さらに本実施形態では、めっき膜23が、一面12a及び裏面12bにおける貫通孔20の周囲部分にも、一体的に形成されている。
第1酸化膜24は、めっき膜23の表面に形成されている。第1接続部22は、自身の表面に第1酸化膜24を有している。第1酸化膜24は、酸化第二銅(CuO)を構成材料として形成されている。第1酸化膜24は、特許請求の範囲に記載の酸化膜に相当する。第1酸化膜24は、基板12とプレスフィット端子13との接合部40の周辺に形成されている。第1酸化膜24は、接合部40に隣接して形成されている。第1酸化膜24は、めっき膜23の表面のうち、接合部40を除く部分に形成されている。
プレスフィット端子13は、基板12の貫通孔20に圧入保持される。プレスフィット端子13は、母材30と、第2酸化膜31と、を有している。母材30は、銅又は銅合金を構成材料として形成されている。銅合金として、たとえばリン青銅を採用することができる。
プレスフィット端子13は、銅又は銅合金の金属板を打ち抜いて形成される板状体である。プレスフィット端子13は、貫通孔20内に保持される部分を含んで形成された開口部30aを有している。プレスフィット端子13の板厚方向はY方向であり、開口部30aはY方向に貫通している。開口部30aは、Z方向、すなわちプレスフィット端子13の長手方向に延設されている。開口部30aは、たとえば貫通孔20の長さよりも若干長く設けられている。プレスフィット端子13は、上記開口部30aに加えて、先端部30bと、後端部30cと、梁部30dと、を有している。
先端部30bは、開口部30aよりも貫通孔20への挿入先端側の部分である。先端部30bの幅、すなわちX方向の長さは、貫通孔20の内径よりも狭くなっている。先端部30bは、貫通孔20内にプレスフィット端子13を導く部分であるため、導入部とも称される。後端部30cは、開口部30aよりも後端側の部分である。後端部30cは、プレスフィット端子13において、基板11との接続部分と基板12との接続部分とをつなぐ部分に連なっている。
プレスフィット端子13は、開口部30aによって一対の梁部30dに分岐されている。先端部30bは、一対の梁部30dの一端同士を連結し、後端部30cは、梁部30dの他端同士を連結している。X方向において、一対の梁部30dの外表面間のうち、最も距離が長い部分の長さ、すなわち端子幅が、圧入前の状態で、貫通孔20の内径よりも広くなっている。圧入状態で、一対の梁部30dはお互いに近づく方向に変形し、梁部30dの弾性変形による反力が壁面21に対して作用する。これにより、後述する接合部40を形成する前において、プレスフィット端子13を基板12に保持することができる。このように、プレスフィット端子13は、ばね性を有している。
一対の梁部30dは、後端部30cから先端部30bに向けて端子幅が徐々に広がり、その途中から先端部30bに向けて端子幅が徐々に狭くなっている。電子装置10において、梁部30dのうち、貫通孔20内に配置された部分の少なくとも一部が、接合部40を構成している。
第2酸化膜31は、母材30の表面に形成されている。プレスフィット端子13は、自身の表面に第2酸化膜31を有している。第2酸化膜31は、酸化第二銅を構成材料として形成されている。第2酸化膜31も、特許請求の範囲に記載の酸化膜に相当する。電子装置10において、第2酸化膜31は、接合部40の周辺に形成されている。第2酸化膜31は、接合部40に隣接して形成されている。第2酸化膜31は、母材30の表面のうち、少なくとも梁部30dの外表面であって、接合部40を除く部分に形成されている。本実施形態では、先端部30b及び後端部30cの表面にも形成されている。なお、第2酸化膜31は、梁部30dの内表面、すなわち開口部30a側の表面に形成されてもよい。
プレスフィット端子13は、圧入状態で、自身のばね反力により、基板12の第1接続部と機械的に接続する第2接続部32を有している。第2接続部32は、銅又は銅合金を含んで構成されている。母材30及び第2酸化膜31のうち、接合部40を形成する部分及びその周辺部分により、第2接続部32が構成されている。たとえば貫通孔20内に配置される部分により、第2接続部32が構成されている。
圧入状態で、基板12とプレスフィット端子13との間には、接合部40が形成されている。接合部40は、基板12の第1接続部22を構成する銅と、プレスフィット端子13の第2接続部32を構成する銅とが、直接に冶金的に接合されてなる。したがって、第1接続部22の銅と第2接続部32の銅が連続して一体化されている。接合部40は、第1接続部22と第2接続部32の機械的な接続の接点を含んで形成されている。
この接合部40は、後述するように、第1酸化膜24及び第2酸化膜31を構成する酸化第二銅を銅に還元させることで、形成されている。このため、第1酸化膜24は、めっき膜23の表面のうち、接合部40を除く部分に形成されている。また、第2酸化膜31は、母材30の梁部30dの外表面のうち、接合部40を除く部分に形成されている。
次に、図3及び図4に基づき、上記した接続構造の形成方法、すなわち電子装置10の製造方法について説明する。
先ず、貫通孔20の壁面21にめっき膜23が形成された基板12と、プレスフィット端子13(母材30のみ)を準備する。そして、酸化膜形成工程を行う。酸化膜形成工程では、第1接続部22の表面及び第2接続部32の表面の少なくとも一方に、自身の一部として、酸化第二銅を構成材料とする酸化膜を形成する。
本実施形態では、図3に示すように、めっき膜23の表面に、酸化第二銅を構成材料とする第1酸化膜24を形成する。また、母材30の表面に、酸化第二銅を構成材料とする第2酸化膜31を形成する。すなわち、第1接続部22の表面及び第2接続部32の表面の両方に、酸化第二銅を構成材料とする酸化膜を形成する。第1酸化膜24及び第2酸化膜31は、加熱(熱酸化)により形成することができる。
第1酸化膜24は、少なくとも接合部40となる部分及びその周辺に形成すればよい。たとえば接合部40となる部分を含むように、めっき膜23の表面のうち、貫通孔20内に配置される部分に形成すればよい。本実施形態では、めっき膜23の表面全体に第1酸化膜24を形成する。第2酸化膜31も、少なくとも接合部40となる部分及びその周辺に形成すればよい。したがって、上記したように、貫通孔20内に配置される部分に形成すればよい。本実施形態では、母材30のうち、後端部30cを含んで後端部30cよりも先端側の表面全体に、第2酸化膜31を形成する。すなわち、先端部30b及び後端部30cの表面全体と、梁部30dの外表面全体とに、第2酸化膜31を形成する。
次いで、塗布工程を行う。塗布工程では、形成した酸化膜の表面に酸化第二銅を還元させる還元剤を塗布する。
還元剤は、第1酸化膜24の表面及び第2酸化膜31の表面の少なくとも一方に塗布すればよい。本実施形態では、図3に示すように、第1酸化膜24の表面に還元剤41を塗布する。還元剤41を水やエタノールなどの溶剤に溶かして溶液とし、塗布する。塗布方法としては、ディップ塗布、スプレー塗布、ディスペンサ塗布などを採用することができる。還元剤41自体が液状の場合には、塗布のために、必要に応じて溶剤を用いればよい。還元剤41の塗布位置は、少なくとも接合部40となる部分を含めばよい。本実施形態では、第1酸化膜24の表面であって少なくとも貫通孔20内の部分に、還元剤41を塗布する。
還元剤41としては、第1酸化膜24及び第2酸化膜31の構成材料、すなわち酸化第二銅を還元できるものを採用することができる。好ましくは、L−アスコルビン酸、D−アラボアスコルビン酸、アセトアルデヒド2,4−ジニトロフェニルヒドラゾン、4−ヒドラジノ安息香酸、ジエチルヒドロキシルアミン、1,3−ジヒドロキシアセトンダイマー、の少なくとも1つを用いるとよい。ここに例示した還元剤41については、後述する実施例に示すように、本発明者によって、酸化第二銅(CuO)の還元能が確認されている。
次いで、圧入工程を行う。圧入工程は、第1接続部22と第2接続部32とを機械的に接続する接続工程に相当する。圧入工程では、図4に示すように、プレスフィット端子13を貫通孔20に圧入する。このとき、先端部30bを挿入先端として、基板12の一面12a側から貫通孔20に挿入する。上記したように端子幅は貫通孔20の内径よりも広いため、梁部30dが貫通孔20に挿入されると、一対の梁部30dはお互いに近づく方向に変形し、梁部30dの弾性変形による反力、すなわちばね反力が、第1接続部22を介して壁面21に作用する。このばね反力により、プレスフィット端子13は壁面21に加圧状態で接触(圧接)される。すなわち、第1接続部22と第2接続部32とが機械的に接続される。この圧接状態で、第1接続部22と第2接続部32との接点間に、還元剤41が介在するのが好ましい。しかしながら、少なくとも接点の周辺に還元剤41が存在すれば、後述する接合が可能である。
次いで、接合工程を行う。接合工程では、上記圧入状態で、還元剤41により酸化膜を構成する酸化第二銅を銅に還元させながら、貫通孔20内において、第1接続部22を構成する銅と第2接続部32を構成する銅とを直接に冶金的に接合して接合部40を形成する。本実施形態では、第1酸化膜24の酸化第二銅と第2酸化膜31の酸化第二銅とを銅に還元させながら、接合部40を形成する。
第1酸化膜24及び第2酸化膜31のうち、還元された部分は銅になる。したがって、還元された銅の分、第1接続部22を構成する銅の表面と第2接続部32を構成する銅の表面とが近づき、表面間に原子間力が作用するようになり、接合部40が形成される。このように、冶金的接合とは、酸化第二銅が還元されながら、銅原子が近接して原子間力により生じる接合である。また、はんだなどの接合部材を介することなく、第1接続部22と構成する銅と第2接続部32を構成する銅とが直接接合することで、接合部40が形成される。
例示した還元剤41を用いると、常温(たとえば25℃)で所定時間放置することで、酸化第二銅を銅に還元させ、接合部40を形成することができる。すなわち、図2に示す接続構造を得ることができる。しかしながら、加熱してもよい。
次に、本実施形態に係る電子装置10の効果について説明する。
本実施形態では、圧入後に、還元によって基板11,12の第1接続部22とプレスフィット端子13の第2接続部32とを冶金的に接合する。このように冶金的に接合するため、接続強度(保持力)を確保することができる。また、接合によって接続強度を確保できる分、プレスフィット端子13のばね反力を弱めることができる。したがって、圧入時における第1接続部22及び第2接続部32の損傷を抑制することができる。たとえば、基板11,12のめっき膜23の損傷を抑制することができる。
また、還元剤41により酸化第二銅を銅に還元させながら、基板11,12の第1接続部22の銅とプレスフィット端子13の第2接続部32の銅とを直接に冶金的に接合させる。このため、第1接続部22と第2接続部32とが銅のみによって一体的に連なる。換言すれば、接合部40が銅のみによって構成される。接合部40に、錫や銅錫合金などの疲労寿命低下層が存在しないため、接合部40の疲労寿命を従来よりも向上することができる。
特に本実施形態では、常温で、還元剤41により酸化第二銅を銅に還元させる。すなわち、圧入後、常温で放置することで、接合部40を形成することができる。加熱を不要とすることができるため、製造コストを低減することもできる。また、還元剤41を溶剤に溶かして塗布する場合、常温だと溶剤が揮発しにくいため、還元反応が進行しやすくなる。
なお、第1接続部22の表面及び第2接続部32の表面の両方に酸化膜(第1酸化膜24及び第2酸化膜31)を形成する例を示した。しかしながら、第1接続部22の表面及び第2接続部32の表面の一方のみに酸化膜を形成してもよい。すなわち、酸化膜として、第1酸化膜24及び第2酸化膜31の少なくとも一方を形成してもよい。たとえば第1酸化膜24のみを形成する場合、第1酸化膜24の表面に還元剤41を塗布することとなる。第1酸化膜24及び第2酸化膜31の両方を形成する場合、第1酸化膜24の表面及び第2酸化膜31の表面の少なくとも一方に還元剤41を塗布すればよい。
次に、本発明者によって確認された具体的な実施例について説明する。
(実施例)
還元剤を溶剤(水、エタノール、ヘキサン、又はプソイドクメン)に溶かして溶液とし、この溶液中に酸化第二銅粉末を投入して混合し、常温(25℃)で一昼夜(24h)放置した。そして、一昼夜放置後の溶液を減圧濾過し、濾過により得られたサンプルをEPMA(Electron Probe Micro Analyzer)により定性分析した。また、分析結果から還元率を算出した。還元率は、下記式により算出した。
(数1)還元率=100−{(サンプルのO量(%)/CuOのO量(%))×100}
その際、上記した6つの還元剤41についてそれぞれ確認を行った。以下において、L−アスコルビン酸を実施例1、D−アラボアスコルビン酸を実施例2、アセトアルデヒド2,4−ジニトロフェニルヒドラゾンを実施例3、4−ヒドラジノ安息香酸を実施例4、ジエチルヒドロキシルアミンを実施例5、1,3−ジヒドロキシアセトンダイマーを実施例6と示す。
図5に示すように、実施例1〜6のいずれにおいても、常温で、酸化第二銅(CuO)を銅に還元できることが明らかとなった。なかでも、実施例1に示すL−アスコルビン酸と実施例2に示すD−アラボアスコルビン酸が顕著な効果を示した。以上のことから、実施例1〜6に示す還元剤41を用いれば、常温で第1酸化膜24及び第2酸化膜31を構成する酸化第二銅を銅に還元させ、第1接続部22を構成する銅と第2接続部32を構成する銅とを直接に冶金的に接合できることがわかる。
なお、本発明者は、顕著な効果を示した実施例1(L−アスコルビン酸)について、XPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy)による検証も行った。図6は測定結果を示している。縦軸は、1秒当たりの光電子のカウント数、横軸は結合エネルギーを示している。図6において、実線が濾過後サンプルの測定結果を示す、破線が測定結果の近似線を示している。また、一点鎖線が近似線から推定される第1ピーク、二点鎖線が近似線から推定される第2ピークを示している。
図6に示すように、測定結果(及びその近似線)には、2つのショルダーが確認できた。ショルダーの一方である第1ピークの結合エネルギーは934.6eVを示し、これは酸化第二銅に合致した。一方、ショルダーの他方である第2ピークの結合エネルギーは932.7eVを示し、これは銅(Cu)に合致した。このように、XPSによっても、L−アスコルビン酸による酸化第二銅の還元が確認できた。この点からも、常温で第1酸化膜24及び第2酸化膜31を構成する酸化第二銅を銅に還元させ、第1接続部22を構成する銅と第2接続部32を構成する銅とを直接に冶金的に接合できることがわかる。
(第2実施形態)
本実施形態は、先行実施形態を参照できる。このため、先行実施形態に示した電子装置10及びその製造方法と共通する部分についての説明は省略する。
本実施形態の電子装置10は、図7に示すように、還元剤41を構成材料とする還元膜42をさらに備えている。還元膜42は、第1酸化膜24及び第2酸化膜31の表面の少なくとも一方であって、接合部40の周辺に形成されている。還元膜42は、少なくとも接合部40の周辺に形成されている。還元膜42は、接合部40に隣接して形成されている。
図7に示す例では、還元膜42が、第1酸化膜24及び第2酸化膜31の両表面に形成されている。還元膜42が、接合部40を取り囲むように形成されている。
還元膜42は、上記した塗布工程において、多めに還元剤41を塗布することで、接合部40の周辺に残った還元剤41により形成されてもよい。また、接合部40の形成後、スプレー塗布などによって、新たに成膜してもよい。
これによれば、外部雰囲気中(大気中)の酸素によって、接合部40の銅が酸化されるのを抑制することができる。これにより、電気抵抗の増大を抑制することができる。
なお、還元膜42は、酸化膜の表面であって接合部40の周辺に形成されればよい。たとえば酸化膜として第1酸化膜24のみを有する場合、第1酸化膜24の表面であって接合部40の周辺に、還元膜42が形成されればよい。
(第3実施形態)
本実施形態は、先行実施形態を参照できる。このため、先行実施形態に示した電子装置10及びその製造方法と共通する部分についての説明は省略する。
本実施形態の電子装置10も、図示を省略するが、先行実施形態(図1,2参照)に示した電子装置10と同じ構成を有している。また、同じ製造方法を用いて形成される。先行実施形態では、酸化膜(第1酸化膜24及び第2酸化膜31)の構成材料を酸化第二銅としたが、本実施形態では酸化第一銅(CUO)を構成材料とする。酸化第一銅は、たとえば酸化第二銅よりも低温の熱酸化によって形成することができる。
還元剤41としては、酸化第一銅を還元できるものを採用することができる。好ましくは、シクロオクタン、ジシクロペンタジエン、トリフェニルメタン、1,4−ジヒドロナフタレン、の少なくとも1つを用いるとよい。ここに例示した還元剤41については、後述する実施例に示すように、本発明者によって、酸化第一銅の還元能が確認されている。
次に、本発明者によって確認された具体的な実施例について説明する。
(実施例)
還元剤を溶剤(水、エタノール、ヘキサン、又はプソイドクメン)に溶かして溶液とし、この溶液中に酸化第一銅粉末を投入して混合し、300°で2分間加熱した。そして、加熱後の溶液を減圧濾過し、濾過により得られたサンプルを蛍光X線分析装置(XRF)により分析した。また、分析結果から還元率を算出した。
その際、上記した4つの還元剤41についてそれぞれ確認を行った。以下において、シクロオクタンを実施例7、ジシクロペンタジエンを実施例8、トリフェニルメタンを実施例9、1,4−ジヒドロナフタレンを実施例10と示す。
図8に示すように、実施例7〜10のいずれにおいても、酸化第一銅(CUO)を銅に還元できることが明らかとなった。以上のことから、実施例7〜10に示す還元剤41を用いれば、加熱することで、第1酸化膜24及び第2酸化膜31を構成する酸化第一銅を銅に還元させ、第1接続部22を構成する銅と第2接続部32を構成する銅とを直接に冶金的に接合できることがわかる。
(第4実施形態)
本実施形態は、先行実施形態を参照できる。このため、先行実施形態に示した電子装置10及びその製造方法と共通する部分についての説明は省略する。
先行実施形態では、被接続部材が基板11,12、端子がプレスフィット端子13を示した。しかしながら、被接続部材及び端子としては上記例に限定されない。端子としては、ばね性を有しており、自身のばね反力により、第2接続部を被接続部材の第1接続部に機械的に接続させることができるものであればよい。被接続部材としては、銅又は銅合金を含んで構成された第1接続部を有するものであればよい。
図9に示すように、電子装置10は、被接続部材としてのバスバー43と、端子としてのリード端子45を有する電子部品44と、を備えている。バスバー43は、銅又は銅合金を構成材料として形成された金属板である母材46と、母材46の表面に形成された第1酸化膜47と、を有している。第1酸化膜47は、酸化第二銅を構成材料として形成されている。また、母材46及び第1酸化膜47のうち、リード端子45との接合部分及びその周辺部分により、第1接続部48が構成されている。このため、第1接続部48は、銅又は銅合金を含んで構成され、自身の表面に第1酸化膜47を有している。
電子部品44において、リード端子45は、本体部49から延設されている。電子部品44は、一対のリード端子45を有している。各リード端子45は、銅又は銅合金を構成材料とする母材50と、母材50の表面に形成された第2酸化膜51と、を有している。母材50としては、たとえばリン青銅を採用することができる。リード端子45は、自身の先端部45aと本体部49との間に、第1屈曲部45b及び第2屈曲部45cを有している。第1屈曲部45bは本体部49側に位置し、第2屈曲部45cは、先端部45aと第2屈曲部45cとの間に設けられている。第2屈曲部45cの山側の頂点及びその周辺が、第1接続部48との接点をなす。
第1屈曲部45b及び第2屈曲部45cは、たとえば曲げ加工により形成されている。これら第1屈曲部45b及び第2屈曲部45cにより、先端部45aは、バスバーから離れた位置とされている。リード端子45は、バスバー43の板厚方向、換言すれば一対のリード端子45の並び方向に弾性変形可能となっている。
一対のリード端子45は、自身のばね反力により、第2屈曲部45c間にバスバー43を保持する。各リード端子45は、バスバ−43の第1接続部48と機械的に接続する第2接続部52を有している。そして、第1接続部48と第2接続部52の接点を含んで接合部53が形成されている。第2接続部52は、銅又は銅合金を含んで構成されている。母材50及び第2酸化膜51のうち、接合部53を形成する部分及びその周辺部分により、第2接続部52が構成されている。
接合部53は、接合部40同様、第1酸化膜47及び第2酸化膜51を構成する酸化第二銅が還元されることで、第1接続部48を構成する銅と第2接続部52を構成する銅とが直接に冶金的に接合されてなる。一対のリード端子45のそれぞれに接合部53が形成されている。
上記構成においても、先行実施形態と同様の効果を奏することができる。なお、ばね性を有する端子としては、上記以外にも、音叉端子、板ばねやコイルばねが形成された端子などを採用することができる。
また、第1酸化膜47及び第2酸化膜51を構成する酸化銅として、酸化第一銅を採用することもできる。バスバー43及びリード端子45の一方のみが酸化膜を有する構成を採用することもできる。
また、バスバー43において、母材46の表面に銅又は銅合金を構成材料とする皮膜(たとえばめっき膜)が形成され、皮膜上に第1酸化膜47が形成された構成を採用することもできる。皮膜及び第1酸化膜47により、第1接続部48が構成されることとなる。この場合、母材46の構成材料は、銅又は銅合金に限定されない。同様に、リード端子45において、母材50の表面に銅又は銅合金を構成材料とする皮膜(たとえばめっき膜)が形成され、皮膜上に第2酸化膜51が形成された構成を採用することもできる。皮膜及び第2酸化膜51により、第2接続部52が構成されることとなる。この場合、母材50の構成材料は、銅又は銅合金に限定されない。
上記実施形態の構造は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの記載の範囲に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものである。
第1実施形態では、各梁部30dに対して接合部40が1か所ずつ形成される例を示した。しかしながら、接合部40の個数は上記例に限定されない。たとえば図10に示す第1変形例のように、各梁部30dに対して接合部40が2か所ずつ形成されてもよい。このように、各梁部30dに複数箇所の接合部40が形成されてもよい。接合部53についても同様である。
10・・・電子装置、11,12…基板、11a,12a…一面、11b,12b…裏面、13…プレスフィット端子、14…電子部品、15…筐体、16…拡幅部、20…貫通孔、21…壁面、22…第1接続部、23…めっき膜、24…第1酸化膜、30…母材、30a…開口部、30b…先端部、30c…後端部、30d…梁部、31…第2酸化膜、32…第2接続部、40…接合部、41…還元剤、42…還元膜、43…バスバー、44…電子部品、45…リード端子、45a…先端部、45b…第1屈曲部、45c…第2屈曲部、46…母材、47…第1酸化膜、48…第1接続部、49…本体部、50…母材、51…第2酸化膜、52…第2接続部、53…接合部

Claims (10)

  1. 銅又は銅合金を含んで構成された第1接続部(22,48)を有する被接続部材(11,12,43)と、
    銅又は銅合金を含んで構成された第2接続部(32,52)を有し、自身のばね反力により、前記第2接続部が前記第1接続部に機械的に接続される端子(13,45)と、
    前記第1接続部と前記第2接続部との接点を含んで形成された接合部(40,53)と、を備え、
    前記第1接続部及び前記第2接続部の少なくとも一方は、自身の表面であって前記接合部の周辺に、酸化銅を構成材料として形成された酸化膜(24,31,47,51)を有し、
    前記接合部は、前記第1接続部を構成する銅と前記第2接続部を構成する銅とが直接に冶金的に接合されてなり、
    酸化銅を還元させる還元剤を構成材料とする還元膜(42)をさらに備え、
    前記還元膜は、前記酸化膜の表面であって、前記接合部の周辺に形成されていることを特徴とする電子装置。
  2. 前記被接続部材としての基板は、貫通孔(20)を有し、
    前記第1接続部は、前記貫通孔の壁面(21)に形成されるとともに、銅を構成材料とするめっき膜(23)を含み、
    前記端子は、前記貫通孔に圧入されて前記基板に保持されるプレスフィット端子であり、
    前記接合部は、前記貫通孔内において形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
  3. 前記酸化銅は、酸化第二銅であり、
    前記還元剤として、L−アスコルビン酸、D−アラボアスコルビン酸、アセトアルデヒド2,4−ジニトロフェニルヒドラゾン、4−ヒドラジノ安息香酸、ジエチルヒドロキシルアミン、1,3−ジヒドロキシアセトンダイマー、の少なくとも1つを用いることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子装置。
  4. 前記酸化銅は、酸化第一銅であり、
    前記還元剤として、シクロオクタン、ジシクロペンタジエン、トリフェニルメタン、1,4−ジヒドロナフタレン、の少なくとも1つを用いることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子装置。
  5. 銅又は銅合金を含んで構成された第1接続部(22,48)を備える被接続部材(11,12,43)と、銅又は銅合金を含んで構成された第2接続部(32,52)を備え、ばね性を有する端子(13,45)と、を準備し、前記第1接続部の表面及び前記第2接続部の表面の少なくとも一方に、自身の一部として、酸化銅を構成材料とする酸化膜(24,31,47,51)を形成する酸化膜形成工程と、
    前記酸化膜の表面に、酸化銅を還元させる還元剤(41)を塗布する塗布工程と、
    塗布後、前記端子のばね反力により、前記第1接続部と前記第2接続部とを機械的に接続する接続工程と、
    前記接続工程後、前記還元剤により酸化銅を銅に還元させながら、前記第1接続部と前記第2接続部との接点を含む部分において、前記第1接続部を構成する銅と前記第2接続部を構成する銅とを直接に冶金的に接合し、接合部(40,53)を形成する接合工程と、を備えることを特徴とする電子装置の製造方法。
  6. 前記被接続部材としての基板は、貫通孔(20)を有し、
    前記第1接続部は、前記貫通孔の壁面(21)に形成されるとともに、銅を構成材料とするめっき膜(23)を含み、
    前記端子は、プレスフィット端子であり、
    前記接続工程では、前記プレスフィット端子を前記貫通孔に圧入して前記第1接続部と前記第2接続部とを機械的に接続し、
    前記接合工程では、前記貫通孔内において前記接合部を形成することを特徴とする請求項5に記載の電子装置の製造方法。
  7. 前記酸化銅は、酸化第二銅であることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の電子装置の製造方法。
  8. 前記接合工程では、常温で、前記還元剤により酸化第二銅を銅に還元させることを特徴とする請求項7に記載の電子装置の製造方法。
  9. 前記還元剤として、L−アスコルビン酸、D−アラボアスコルビン酸、アセトアルデヒド2,4−ジニトロフェニルヒドラゾン、4−ヒドラジノ安息香酸、ジエチルヒドロキシルアミン、1,3−ジヒドロキシアセトンダイマー、の少なくとも1つを用いることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の電子装置の製造方法。
  10. 前記酸化銅は、酸化第一銅であり、
    前記還元剤として、シクロオクタン、ジシクロペンタジエン、トリフェニルメタン、1,4−ジヒドロナフタレン、の少なくとも1つを用いることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の電子装置の製造方法。
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