JP6496932B2 - 被処理ガス中の可燃成分の酸化触媒、被処理ガス中の可燃成分の酸化触媒の製造方法、被処理ガス中の可燃成分の酸化方法、及び、被処理ガス中の窒素酸化物の除去方法 - Google Patents

被処理ガス中の可燃成分の酸化触媒、被処理ガス中の可燃成分の酸化触媒の製造方法、被処理ガス中の可燃成分の酸化方法、及び、被処理ガス中の窒素酸化物の除去方法 Download PDF

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Description

本発明は、被処理ガス中の可燃成分の酸化触媒、被処理ガス中の可燃成分の酸化触媒の製造方法、被処理ガス中の可燃成分の酸化方法、及び、被処理ガス中の窒素酸化物の除去方法に関し、特には、触媒の被毒物質となりうる水蒸気と硫黄酸化物とを含む被処理ガスに対する、酸化触媒及び酸化触媒の製造方法、被処理ガス中の可燃成分の酸化方法、並びに、被処理ガス中の窒素酸化物の除去方法に関する。
環境意識の高まりをうけ、排ガス中に含まれる一酸化炭素や、メタンや、一酸化窒素を除去することにより、環境負荷を低減するプロセスの開発が進められている。一酸化炭素及びメタンは、排ガスに残留する程度の濃度にあっては、酸素を含む条件にて燃焼が生じても排ガス温度を十分に上昇させることが出来ない。そのため、例えば一酸化炭素では発火点である650℃程度、メタンでも発火点の540℃程度まで昇温する必要性が生じ、コスト上昇の原因となる。よって、酸化触媒を用いてこれらの成分を燃焼することにより、発火点よりもより低温で効率的に二酸化炭素及び水蒸気に変換され、排ガスから除去される。
一酸化窒素は、還元剤との反応により窒素に還元されることで除去されるが、この反応の前段階において二酸化窒素に酸化する工程を設けることで除去効率を高める手法が知られている(例えば、下記の特許文献1を参照。)。このように、排ガス中に含まれる環境負荷の高い成分を除去する際には、酸化触媒を用いて排ガス中の可燃成分を酸化させる工程が非常に重要な役割を担っている。なお、ここで可燃成分とは、気相中の酸素と反応して酸化され、発熱反応を起こしうる成分のことを指す。
ガス中に含まれる微量の可燃性成分を燃焼させる際には、貴金属を活性種に含む酸化触媒を利用することが一般的であり、各種担体の上に担持された貴金属微粒子の表面において、反応が進行することが知られている。しかしながら、焼結炉に代表される工場排ガスや、脱硫不十分な燃料を用いた自動車・船舶の排ガス中には、硫黄酸化物に代表される多量の触媒被毒物質が含まれており、貴金属粒子が被覆されること等が原因となって酸化触媒が急速に劣化し、又は活性が低減する。
この問題に対応するために、反応温度を上昇させたり、担持させる貴金属の量を増大させたりするなどの対応を行うことが一般的である。焼結炉排ガスにて、一酸化炭素の燃焼熱を利用した脱硝プロセス開発でも、同様の対策が取られている(例えば、下記の特許文献2を参照。)。
こうした事情から、硫黄酸化物を含む被処理ガス中で利用する酸化触媒については、一定以上の表面積を持つ担体を利用して1質量%以上の貴金属を担持させたり、空間速度を50,000以下に低減したりすることで対応することが、一般的である。貴金属担持量を増大し過ぎたがゆえに二酸化硫黄の三酸化硫黄への酸化が増大することに対し、異種元素を添加することによって二酸化硫黄の酸化を抑制する試みも多数行われている(例えば、下記の特許文献3〜特許文献5を参照。)。
一方、酸化チタン担体は、硫黄耐性の高い担体として知られているが、白金等の貴金属を担持させる行程にて、貴金属が酸化され易いことが知られている。
ルチル型構造の酸化チタン担体を用いた場合に白金の酸化を抑制する手段として、担体の二酸化炭素に対してニオブを固溶させる方法が提案されている(例えば、以下の特許文献6及び特許文献7を参照。)。特許文献6及び特許文献7に記載の二酸化チタンは、各明細書中に明示されている通り、二酸化チタン、又は、二酸化チタンとタンタルやニオブとの混合物、或いはそれらの前駆体を、1000℃以上で焼成しており、全てルチル型構造となっていることは明らかである。
特許文献6及び特許文献7の双方において、ニオブ又はタンタルの添加による触媒の活性向上は、ニオブ又はタンタルの添加によってチタンが不安定化し酸素欠損が導入されることや、それに伴い電子不足が生じることにより、担体の半導体的性質が変化することが原因として示されている。しかしながら、形式電荷+5のニオブ又はタンタルを添加することによって酸素欠損の数は寧ろ減少し、更に自由電子の数が増大することは、半導体に関する研究において明らかとなっており、特許文献6及び特許文献7で提唱されているメカニズムは成立していない。
一方、ニオブを添加することにより、白金とイリジウムを担持したアナターゼ型二酸化チタン触媒の活性が向上することも報告されている(例えば、下記の特許文献8を参照。)。これは、白金、イリジウム及びニオブの前駆体を同時に担持させた場合にのみ活性向上がみられることや、予め700℃で焼成した二酸化チタンを用いて、焼成温度500℃にてニオブを添加しており、二酸化チタン中にニオブが固溶していないと考えられることから、ニオブを固溶させる上記の発明とは異なる発明であるといえる。より具体的には、かかる発明は、有機物の燃焼を目的とし、イリジウムのC−H結合解離活性と、ニオブ酸化物の強い固体酸性と、に着目したものであり、可燃性成分の対象として一酸化炭素も含んでいるものではない。
ニオブを二酸化チタンに固溶させることを利用した研究は、燃料電池電極としての利用を対象として行われており、二酸化チタンの持つ耐酸性に加え、ニオブを固溶させた二酸化チタンの持つ高い電気伝導性に着目して研究を行っているものが多い(例えば、特許文献9や、非特許文献1及び非特許文献2を参照。)。
しかしながら、燃料電池用途で用いられる場合には、白金を担持させる際に、析出還元法や有機物の界面活性剤を利用したミセル法などを利用することで白金担持後の加熱を避け、白金の凝集が生じないようにしている。これは、酸化雰囲気下で昇温することを想定した排ガス処理用の触媒とは決定的に異なっており、燃料電池触媒を他用途の触媒にそのまま適用することは困難であることを意味している。このことは、一般的に燃料電池用途で広く用いられる白金を担持した活性炭が、酸素を含むガス中で300℃程度まで加熱すると、白金の触媒作用により活性炭担体が燃焼してしまうことも明らかである。
また、燃料電池触媒は酸性溶液中にて利用されるため、白金粒子の溶出を抑制し、長寿命化を図るために白金粒子径を3nm以上となるように制御している。これは、白金粒子の臨界核半径がおよそ3nm程度であり、それ以下の粒子径になった場合には、高密度の電流が流れる条件において白金粒子が不安定となってしまうからである。
しかしながら、気相中で利用される触媒の場合には、そうした溶出の懸念がなく、3nm以上の粒子径を持つ白金粒子によって構成される場合には、白金粒子の比表面積が下がり、かえってコスト増大を招く。これは、担体の種類によらず、燃料電池用の触媒を気相反応の触媒に転用することは難しいことを意味する。
特開2013−002283号公報 特開昭61−161143号公報 特開2005−270821号公報 特開2000−300961号公報 特公昭55−35178号公報 特開平8−71418号公報 特開2000−237588号公報 特開2009−262132号公報 特表2013−540050号公報
Kyung−Won Park,Kwang−Su Seol,"Nb−TiO2 supported Pt cathode catalyst for polymer electrolyte membrane fuel cells",Electrochemistry Communications 9,2256−2260(2007) N.R.Elezovic,B.M.Babic,Lj.Gajic−Krstajic,V.Radmilovic,N.V.Krstajic,L.J.Vracar,"Synthesis,characterization and electrocatalytical behavior of Nb−TiO2/Pt nanocatalyst for oxygen reduction reaction",Journal of Power Sources,195(13),3961−3968(2010) E.Xue、K.Seshan、J.R.H.Ross、"Roles of supports, Pt loading and Pt dispersion in the oxidation of NO to NO2 and of SO2 to SO3"、Applied Catalysis B:Environmental、11(1996)65−79 H.Nogawa,A.Chikamatsu,Y.Hirose,S.Nakao,H.Kumigashira,M.Oshima,T.Hasegawa,"Carrier compensation mechanism in heavily Nb−doped anatase Ti1− xNbxO2+ δ epitaxial thin films"Journal of Physics D:Applied Physics,44(36),(2011)365404 S.Kodama,N.Ichikuni,K.K.Bando,T.Hara,S.Shimazu,"Preparation of supported NbC catalysts from peroxoniobic acid and in situ XAFS characterization"Applied Catalysis A:General,343(1),(2008)25−28 K.Rutha,M.Hayesa,R.Burch,S.Tsubota,M.Haruta,"The effects of SO2 on the oxidation of CO and propane on supported Pt and Au catalysts"、Applied Catalysis B:Environmental,24(2000)L133−L138 触媒学会参照触媒部会編(2011)参照触媒利用の手引(第五版)
多量の硫黄酸化物や水蒸気などを含む排ガス中では、酸化触媒の活性が大きく低下することが知られており、高い活性を示す酸化触媒を得るためには、細孔径が大きい細孔の比率の高い担体を用いることが効果的であることが報告されている。しかしながら、細孔径の大きい細孔の比率が高い担体は、比表面積が小さいことが一般的であり、活性金属種の高い分散度を得ることが難しい。これは、触媒の貴金属コストを大きく増大させる原因となる。
本発明は、金属活性種の担持量を抑制しつつ、硫黄酸化物や水蒸気などの触媒被毒物質を含む被処理ガス中において、従来技術よりも高い空間速度でかつ低温で少なくとも一酸化炭素を効率的に酸化することが可能で、かつ、一酸化炭素以外の可燃性物質も効率的に酸化することが可能な酸化触媒を提供することを目的とする。
また、かかる酸化触媒の好ましい製造方法、及び、かかる酸化触媒を利用することによって、硫黄酸化物や水蒸気などの触媒被毒物質と少なくとも一酸化炭素を含む被処理ガス中において、可燃性物質を効率的に低温で酸化する方法を提供することを目的とする。
更にまた、かかる酸化触媒を用いて、被処理ガス中の窒素酸化物の除去方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、活性金属を担持させる担体と、活性金属を担持させた触媒について、比表面積・構成元素・結晶構造に着目して鋭意研究を行った。
そして、本発明者らは、担体の構成元素と、担持された白金の粒子径、並びに白金の電子状態とに着目し、ニオブ又はタンタルをアナターゼ型二酸化チタン担体に固溶させることにより、白金をより高分散とし、また、耐熱性を向上させる手法を見出し、本発明を完成した。
具体的には、本発明は、以下のようなものを提供する。
(1)可燃成分を含む被処理ガスについて、当該可燃成分の酸化を促進させる酸化触媒であって、アナターゼ型酸化チタンに対して、酸化ニオブ及び酸化タンタルからなる群から選ばれる遷移金属酸化物のうち少なくとも1種が、少なくとも一部固溶してなる酸化物担体と、前記酸化物担体に担持された白金と、を含み、酸化触媒における細孔半径2nm以上100nm以下の範囲の細孔において、当該範囲の細孔の全表面積に占める、細孔半径10nm以上の細孔の表面積の割合は、49%超過である、被処理ガス中の可燃成分の酸化触媒。
(2)前記酸化物担体に含まれる酸化ニオブ及び酸化タンタルからなる群から選ばれる遷移金属酸化物のうち、アナターゼ型酸化チタン担体に固溶している割合が、前記酸化触媒に含有される前記遷移金属酸化物の全量に対して、質量比で2/3以上である、(1)に記載の被処理ガス中の可燃成分の酸化触媒。
(3)前記酸化物担体に含まれる酸化ニオブ及び酸化タンタルからなる群から選ばれる遷移金属酸化物の全量が、アナターゼ型二酸化チタン担体に固溶している、(1)又は(2)に記載の被処理ガス中の可燃成分の酸化触媒。
(4)前記可燃成分として少なくとも一酸化炭素を含む被処理ガスについて、当該可燃成分の酸化を促進させる触媒である、(1)〜(3)の何れか一項に記載の被処理ガス中の可燃成分の酸化触媒。
(5)前記遷移金属酸化物が、酸化ニオブである、(1)〜(4)の何れか一項に記載の被処理ガス中の可燃成分の酸化触媒。
(6)前記遷移金属酸化物が、酸化タンタルである、(1)〜(4)の何れか一項に記載の被処理ガス中の可燃成分の酸化触媒。
(7)前記酸化触媒は、粒子径が3nm未満の白金粒子を含む、(1)〜(6)の何れか一項に記載の被処理ガス中の可燃成分の酸化触媒。
)前記遷移金属酸化物の比率は、前記酸化触媒に含有される前記酸化物担体全体に対する元素の酸化物換算での質量比として、0.02%以上15.0%以下である、(1)〜()の何れか1項に記載の被処理ガス中の可燃成分の酸化触媒。
)前記酸化触媒に担持される白金の金属換算での担持量は、触媒のBET比表面積10m/gあたり0.01質量%以上0.64質量%以下である、(1)〜()の何れか1項に記載の被処理ガス中の可燃成分の酸化触媒。
10)(1)〜()の何れか一項に記載の被処理ガス中の可燃成分の酸化触媒を製造する方法であって、ニオブ前駆体又はタンタル前駆体の少なくとも何れか一方を含む溶液を用いた含浸法によって、アナターゼ型二酸化チタンに前記ニオブ前駆体又は前記タンタル前駆体の少なくとも何れか一方を付着させる前駆体付着工程と、前記前駆体付着工程の生成物を、600℃超過850℃未満の温度で焼成して、酸化物担体を製造する焼成工程と、製造された前記酸化物担体に白金前駆体を付着させる白金付着工程と、前記白金付着工程の生成物を300℃以上700℃以下の温度で焼成して、白金を前記酸化物担体に担持させる担持工程と、を有する、被処理ガス中の可燃成分の酸化触媒の製造方法。
11)前記焼成工程では、前記前駆体付着工程の生成物を、600℃超過700℃以下の温度で焼成する、(10)に記載の被処理ガス中の可燃成分の酸化触媒の製造方法。
12)前記ニオブ前駆体として、ニオブ(V)酸シュウ酸アンモニウムが用いられる、(10)又は(11)に記載の被処理ガス中の可燃成分の酸化触媒の製造方法。
13)前記タンタル前駆体として、タンタルペンタエトキシドが用いられる、(10)又は(11)に記載の被処理ガス中の可燃成分の酸化触媒の製造方法。
14)(1)〜()の何れか1項に記載の被処理ガス中の可燃成分の酸化触媒に対して、少なくとも一酸化炭素と水蒸気と硫黄酸化物とを含有する被処理ガスを接触させて、前記被処理ガス中の可燃成分を酸化する、被処理ガス中の可燃成分の酸化方法。
15)前記被処理ガスは、前記可燃成分として、ベンゼン又はヘキサンを少なくとも含有する、(14)に記載の被処理ガス中の可燃成分の酸化方法。
16)前記被処理ガスが触媒と接触する際の温度は、250℃以上300℃未満である、(14)又は(15)に記載の被処理ガス中の可燃成分の酸化方法。
17)被処理ガスの温度を上昇させるガス加熱部と、被処理ガス中の窒素酸化物を除去する脱硝部と、を有するガス処理プロセスを用いて、窒素酸化物を含むと共に、水蒸気と硫黄酸化物と可燃性ガスとを含む被処理ガスから窒素酸化物を除去する方法であって、前記ガス加熱部と前記脱硝部との間に、(1)〜()の何れか1項に記載の被処理ガス中の可燃成分の酸化触媒が充填された燃焼触媒部を配置し、前記燃焼触媒部に前記ガス加熱部で加熱された被処理ガスを通過させて、前記被処理ガス中の可燃成分を燃焼させ、発生した燃焼熱により前記被処理ガスの温度を更に上昇させる、被処理ガス中の窒素酸化物の除去方法。
18)前記ガス加熱部は、熱交換器と、ガス加熱バーナー又は電熱ヒーターと、を有し、前記脱硝部から排出されたガスが、前記熱交換器の高温ガスとして使用される、(17)に記載の被処理ガス中の窒素酸化物の除去方法。
19)被処理ガスの温度を上昇させるガス加熱部と、被処理ガス中の窒素酸化物を除去する脱硝部と、を有するガス処理プロセスを用いて、窒素酸化物を含むと共に、水蒸気と硫黄酸化物と可燃性ガスとを含む被処理ガスから窒素酸化物を除去する方法であって、前記ガス加熱部は、熱交換器と、ガス加熱バーナー又は電熱ヒーターと、を有し、前記ガス加熱部及び前記脱硝部の後段に、(1)〜()の何れか1項に記載の被処理ガス中の可燃成分の酸化触媒が充填された燃焼触媒部を配置し、前記燃焼触媒部から排出されたガスを、前記熱交換器の高温ガスとして使用する、被処理ガス中の窒素酸化物の除去方法。
20)前記被処理ガスは、鉄鋼製造プロセスにおける焼結炉の排ガスである、(17)〜(19)の何れか1項に記載の被処理ガス中の窒素酸化物の除去方法。
以上説明したように本発明によれば、硫黄酸化物を含む被処理ガス中に含有される一酸化炭素を、従来技術に比べ低温において酸化させることが可能で、一酸化窒素やメタンのような可燃成分も比較的低温で酸化させることが可能であり、かつ、金属活性種担持量の少ない場合でも酸化させることが可能な触媒を提供できる。また、このような酸化触媒を用いて、効率良く被処理ガス中の一酸化炭素、一酸化窒素、メタンを酸化させることができる手法を提供できると共に、このような酸化触媒を製造する手法を提供できる。
DH法にて計算した、発明例の面積分布表示での細孔分布を示すグラフである。 試験例4、5の結果を示す図であって、反応時間と一酸化炭素転化率の関係を示すグラフである。 試験例4、5の結果を示す図であって、反応時間と一酸化炭素転化率の関係を示すグラフである。 試験例6の結果を示す図であって、透過型電子顕微鏡による試料の観察像である。 試験例7の結果を示す図であって、X線光電子分光による試料の分析結果を示すグラフである。 試験例8の結果を示す図であって、触媒活性に対する過熱処理の影響を示すグラフである。 試験例9の結果を示す図であって、触媒活性に対する過熱処理の影響を示すグラフである。 排ガス処理プロセスの流路を示す説明図である。 排ガス処理プロセスの流路を示す説明図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
本発明の実施形態に係る被処理ガスは、可燃成分として一酸化炭素、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、又はそれらの異性体、或いはベンゼンやベンゼン環を含む誘導体、その他の炭化水素を含む被処理ガス(例えば、好適には、少なくとも一酸化炭素と水蒸気と硫黄酸化物と、を可燃成分として含有する被処理ガス)であればよい。以下では、かかる被処理ガスとして、鉄鋼製造プロセスにおける焼結炉の工場排ガスを例に挙げて、説明を行うものとする。
焼結炉に代表される工場排ガス中には、二酸化硫黄、三酸化硫黄に代表される硫黄酸化物に加え、多量の水蒸気が含まれている。酸化触媒を用いて、これらのガスに含まれる可燃物質を燃焼させる際には、二酸化硫黄が酸化され三酸化硫黄の量が増大する他、濃硫酸が生成する。三酸化硫黄及び濃硫酸は、多くの酸化物と容易に反応して硫酸化物となることが知られており、この反応により触媒の活性が大きく損なわれることが知られている。
多くの酸化物担体のうち、二酸化チタンと酸化ジルコニウムは、硫酸化しにくい担体として知られている。二酸化チタンを濃硫酸中に溶解させる際には、二酸化チタン粒子表面に酸化硫酸チタンの膜が形成され、内部の硫酸化が妨げられることが知られている。また、二酸化チタンの原料となるイルメナイト鉱を溶解させる際には、熱濃硫酸中にて1000℃程度にまで昇温させる必要がある。
上記のように、二酸化チタンや酸化ジルコニウムは硫黄酸化物に対し高い耐性を示すが、これらを担体として用いただけでは、硫黄酸化物を含む被処理ガス中における活性低下を抑制することができない。この点について、本発明者らが検討を行った結果、特に細孔径の大きい担体を利用することで、初めて高い耐性が得られることが明らかになった。
しかしながら、細孔径の大きい担体は比表面積が小さく、同じ比表面積の担体と比べて、白金の粒子径を小さくして高分散させることが難しい。これは、実際に反応に関与することが出来る白金の比率が低下することを意味しており、さらなる貴金属コストの低減には、低比表面積でも白金をより高分散させる手法が必要となる。本発明者らは、さまざまな組成比にて作製した白金担持二酸化チタン触媒に対し、さまざまな焼成条件にて熱処理を加え、白金粒子の凝集に与える影響を調べた。その結果、大きく二つの興味深い知見が得られた。
第一は、アルミナ担体やシリカ担体を用いた場合に比べて、白金担持量を増大させた場合にも、白金の粒子径は小さく保たれやすいことである。二酸化チタン担体と白金は強い相互作用を示すことが知られており、今回明らかとなった現象は、白金粒子同士が凝集することによるエネルギー利得に比べて、担体と結合した白金原子の比率が高い状態が有利となるものと理解された。
第二は、二酸化チタン担体の耐熱性の低さである。白金などの貴金属を担持させるための焼成条件として広く利用される500℃での焼成においても、二酸化チタン担体の比表面積は低下する傾向がみられた。この傾向は、特にアナターゼ型構造の担体を用いた場合に顕著であった。
二酸化チタンの融点は1843℃と非常に高いものの、酸素の欠損が入りやすいことも原因となり、結晶構造が不安定となりやすいことが知られている。アナターゼ型構造は、700〜800℃で焼成することでルチル型構造に不可逆的に相転移することが知られており、ルチル型構造と比べて特に高温にて構造が不安定となりやすいものと考えられる。
一方、ルチル型の担体よりもアナターゼ型の担体を用いた場合において、白金の酸化が抑制され、還元処理を施さない場合においてより高い活性が得られることが報告されている。
以上の知見を踏まえ、本発明者らは、二酸化チタンと白金との相互作用を一定以上に強く維持したまま、アナターゼ型構造の結晶構造の安定性を高めることが出来れば、白金の分散度をさらに高めることが出来、触媒の活性を高めることが出来ると推察した。
鋭意研究の結果、ニオブ又はタンタルを固溶させたアナターゼ型二酸化チタンを用いることによって、白金の分散度を高めることが可能であり、さらに担持された白金の電子状態を制御することで触媒の耐熱性を高めることが可能であることを見出し、本発明を完成した。
なお、本明細書において後の試験例にて示すとおり、ルチル型二酸化チタンに対してニオブを固溶させた触媒において触媒活性が向上することは、触媒製造プロセスにおいて白金の酸化が抑制されることによるものであり、触媒反応に先立って還元処理を行った場合には、なんらニオブの添加による触媒活性向上の効果は得られない。また、ルチル型二酸化チタンの担体にニオブを固溶させた場合よりも、ニオブを固溶させたアナターゼ型二酸化チタン担体を用いた方が高い活性と高い耐熱性が得られることも、本明細書において後の実施例に示す通りである。また、タンタルを固溶したアナターゼ型二酸化チタンを担体として用いた場合にも、ニオブを固溶させた場合と同様の効果が得られることも、後の実施例に示す通りである。
また、上記特許文献8において、アナターゼ型二酸化チタン担体を用いた場合に、ルチル型二酸化チタン担体を用いた場合に比べて活性が高いと明記されていることからも、二酸化チタンによる白金の酸化が抑制されていないとも推察される。
上記のような知見に基づき完成された、本発明の実施形態に係る排ガス中の可燃成分の酸化触媒は、可燃成分として一酸化炭素、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン及びそれらの異性体、ベンゼンやベンゼン環を含む誘導体、その他の炭化水素を含む排ガスについて、かかる可燃成分の酸化を促進させる触媒である。この酸化触媒は、酸化ニオブ又は酸化タンタルとアナターゼ型酸化チタンとが固溶してなる酸化物担体と、酸化物担体に担持された白金と、を含む。
また、本発明者らが別途行った検討により、二酸化チタン担体が有する細孔の大きさを制御することで、硫黄酸化物に代表される触媒被毒物質を含むガス中における酸化触媒の活性低下を抑制可能であることが明らかとなっているが、本発明に係るニオブ(酸化ニオブ)やタンタル(酸化タンタル)の添加効果は、かかる担体の細孔形状による効果とは独立したものである。しかしながら、本発明者らが別途行った検討により得られた知見に基づき、酸化触媒における細孔半径10nm以上の細孔の表面積の割合を49%超過とすることによって、ニオブやタンタルの添加に伴うより一層高い効果を得ることができる。
二酸化チタンの安定な結晶構造にはアナターゼ型とルチル型があり、本発明においてはアナターゼ型が好ましいが、純粋なアナターゼ型を得ることは困難な場合もあるため、酸化物担体(以下、単に「担体」ともいう。)が少量のルチル型構造を含有することは許容される。しかしながら、二酸化チタンの両相は等電点などの物性値も近く、アナターゼ型構造の部分に選択的に貴金属を担持させることは難しいことから、粉末エックス線回折測定の最強回折線の相対比から計算した質量比で、50%超がアナターゼ型構造であることが好ましい。なお、アナターゼ型とルチル型の存在比は、X線回折測定のピーク強度のアナターゼ、ルチルの最強回折線強度をそれぞれ、I、Iとして、以下の式で示される。
アナターゼの割合(%)=100/(1+1.265I/I
活性金属種を担持させる量は特に限定されないが、経済的な観点から限定される。一般的に担持量を増大させるほど、活性点が増大し、触媒活性が増大するが、担持金属微粒子の粒子径が増大し、反応に寄与しない部分の割合が増大してしまう傾向がある。更に、貴金属粒子自身が細孔の閉塞・狭窄を引き起こし、反応に寄与しない部分の割合が更に増大する。
ここで、二酸化チタン担体が活性金属種として白金を担持する場合、担持される白金は、粒子径が3nm未満の白金粒子を含むことが好ましい。これは、気相反応にて一酸化炭素を酸化させる行程においては、燃料電池電極触媒における場合とは異なり、白金の粒子径が3nm未満となっても溶出による白金の損失が生じる心配がないことから、白金粒子の粒子径を小さくし、白金粒子の比表面積を増大することが好ましいためである。
また、白金を担持した場合には、白金の担持量を増大させるにつれて、二酸化硫黄が三酸化硫黄に酸化される比率が増大することも知られている。白金粒子径が大きくなるほど、活性金属粒子上にて、この副反応の速度が増大することも知られており(例えば、非特許文献3を参照。)、貴金属担持量を抑制することで三酸化硫黄の生成を抑制出来る。実際、実験室での反応試験にて、白金担持量が少ない条件では、反応試験後に反応管内壁に付着する硫酸ミストの量が少なくなっていた。
一方、担持量を一定以上少なくしても、金属微粒子のさらなる微細化は期待出来ず、全体として必要な触媒量が増大することとなり、かえってコストが増大する。担持量は0.01質量%未満となると貴金属コストよりも担体コストが高くなることから、白金の担持量は、触媒のBET比表面積10m/gあたり0.01質量%以上となることが好ましい。また、以下の実施例に示す通り、白金の担持量を0.1質量%とした場合にニオブ及びタンタルを固溶させることによって、触媒の活性が向上することが確認されている他、白金の担持量が触媒のBET比表面積10m/g当り0.16質量%以上の場合にニオブ及びタンタルの添加によって白金の粒子径が小さくなっていることが確認されており、発明の効果が強く表れる。一方、白金の担持量が触媒のBET比表面積10m/g当り0.64質量%を超えると、表面に対して均一に白金の膜が生成したとしても3nm以上の厚みとなることから、白金の粒子径を3nmよりも小さくすることは困難であり、本発明の手法を以てしても白金の高分散化は困難と考えられる。従って、白金の担持量は、触媒のBET比表面積10m/gあたり0.64質量%以下となることが好ましい。
本発明においては、二酸化チタン粒子にニオブ及び/又はタンタルが固溶していることが重要である。ニオブ及び/又はタンタルが二酸化チタンに固溶していることは、ニオブ及び/又はタンタルが全量固溶している場合には、XRD測定で二酸化チタン以外のピークが検出されないことを以て確認することができ、一部のニオブ及び/又はタンタルが固溶している場合には、チタンとニオブ及び/又はタンタルとが置換することによる結晶格子の膨張に伴うX線回折ピークの低角シフトを以て確認することができる。ニオブ及び/又はタンタルが二酸化チタンに固溶していれば、本発明の効果は発揮され、ニオブ及び/又はタンタルの一部が二酸化チタンに固溶せずに酸化物として残存しても構わない。ただし、二酸化チタン粒子に一つも固溶したニオブ及び/又はタンタルが存在しない場合には、本発明の効果が得られないと考えられる。
市販で入手可能な二酸化チタン担体のうち、粒子径が比較的小さいものは、粒子径8nm程度であるが、この粒子中のチタン原子一つをニオブ原子で置き換えたとしたとき、ニオブの固溶量はニオブ酸化物換算で約0.02質量%であることから、酸化触媒に含有される酸化物担体全体に対するニオブ酸化物換算の質量比で、少なくとも0.02%以上のニオブを固溶させることが好ましく、可能であれば、ニオブ酸化物換算の質量比で0.04%以上を固溶させることが好ましい。
同様の議論をタンタルについて適用すると、タンタルの固溶量はタンタル酸化物換算で約0.03質量%であることから、酸化触媒に含有される酸化物担体全体に対するタンタル酸化物換算の質量比で、少なくとも0.03%以上のタンタルを固溶させることが好ましく、可能であれば、タンタル酸化物換算の質量比で0.05%以上を固溶させることが好ましい。
一方、ニオブやタンタルの添加量の上限については、ニオブやタンタルの一部が二酸化チタンに固溶していれば本発明の効果が発揮されると予想されることから、基本的には上限はない。しかしながら、レアメタルであるニオブやタンタルの添加量増大はコストの上昇を招くほか、ニオブの固溶量増大に伴って結晶構造が乱れることが知られている(例えば、非特許文献4を参照。)。
また、研究の過程で作成した試料のうち、酸化ニオブを9質量%以上固溶させようとした二酸化チタン担体のうちの一部で、X線回折測定にて酸化ニオブのピークが観察されている。以上より、固溶状態と未固溶状態を合わせた触媒中のニオブの含有量は、酸化触媒に含有される酸化物担体全体に対するニオブ酸化物換算の質量比で、15.0%以下が好ましく、9.0%以下がより好ましく、7.0%以下が更に好ましい。
また、タンタルを固溶した場合には、30質量%以上固溶させようとした二酸化チタン担体のうちの一部で、X線回折測定にて酸化タンタルのピークが観察されている。上記と同様の議論によって、固溶状態と未固溶状態を合わせた触媒中のタンタルの含有量は、酸化触媒に含有される酸化物担体全体に対するタンタル酸化物換算の質量比で、30.0%以下が好ましく、20.0%以下がより好ましく、15.0%以下が更に好ましい。
このように、二酸化チタンに固溶されるニオブの比率は、酸化触媒に含有される酸化物担体全体に対する当該元素の酸化物換算の質量比として、0.04%以上7.0%以下であると、より好ましい。タンタルについても同様に、二酸化チタンに固溶されるタンタルの比率は、酸化触媒に含有される酸化物担体全体に対する当該元素の酸化物換算の質量比として、0.05%以上15.0%以下であると、より好ましい。また、二酸化チタン担体に担持される白金の金属換算での担持量が、触媒のBET比表面積10m/gあたり0.06質量%以上であると、その効果がより顕著に表れる。
なお、酸化触媒中に存在する各元素の存在量は、作成時に添加した量を用いて計算することが可能である他、得られた酸化触媒を種々分析法により測定することで特定することができる。具体的には、ICP発光分析法、ICP質量分析法を用いることで正確な元素比を測定することが出来るほか、エネルギー分散型X線分光、X線光電子分光を用いるとより簡便に元素比が計測可能である。
ニオブが二酸化チタン中に固溶した酸化物担体を得るための製造プロセスは、様々なものが適用可能である。例えば、ゾルゲル法や共沈法などを用いることで、酸化ニオブの前駆体と二酸化チタンの前駆体との混合溶液から生成する手法が挙げられる。しかしながら、これらの手法では、二酸化チタンの結晶相を制御することが困難な場合もあることから、ニオブを二酸化チタンに固溶させるプロセスとしては、アナターゼ型二酸化チタンに対し、ニオブの前駆体を含浸させる含浸法が簡便である。
ニオブの前駆体は様々であるが、ニオブ(V)酸シュウ酸アンモニウム・水和物が水に溶解可能であり、600℃まで加熱することで分解可能であることから、他の前駆体と比較し利用しやすい。例えば塩化ニオブ(V)を前駆体として利用する場合には、塩化ニオブ(V)が水と反応して分解されてしまうことから、水溶液を用いた試料調製を行うことが難しい。
塩化ニオブ(V)を一度エタノールに溶解させた後に、アンモニア水で緩やかに加水分解を行い、得られた粉末を十分に純水で洗浄後、過酸化水素水を用いて溶解させてペルオキソニオブ酸とすることでニオブの水溶性前駆体とする方法も提案されているが(例えば、非特許文献5を参照。)、必要となる試薬量が増大して好ましくない。ニオブが二酸化チタン中に固溶した状態とするためには、少なくとも酸化ニオブのタンマン温度以上に加熱することが好ましく、具体的にはニオブ前駆体を二酸化チタンに付着させた以降の行程で600℃超過に加熱することが好ましい。これにより、二酸化チタン担体中に、ニオブが酸化ニオブとして担持されることとなる。ニオブを固溶した二酸化チタンはルチル型に相転移を起こし難くなるものの、800℃超過に加熱した場合には、アナターゼ型二酸化チタンがルチル型に変化してしまう可能性があることから、800℃以下にすることが好ましい。800℃超過で加熱処理を行った場合、ルチル型二酸化チタンが一部に生成してしまう他、担体の比表面積が著しく小さくなってしまい、本発明の効果が発揮されないことは、以下の実施例で示す通りである。
タンタルが二酸化チタン中に固溶した酸化物担体を得るための製造プロセスについても、様々なものが適用可能であるが、ニオブの場合と異なり、水溶性のタンタル化合物が入手困難であることから、ニオブを固溶させるプロセスに比べて選択肢が少なくなる。例えば、入手容易なタンタル化合物として、塩化タンタルなどのハロゲン化物、タンタルエトキシドやタンタルブトキシドなどが挙げられるが、いずれも水と反応して加水分解されてしまう。そこで、同様に加水分解されやすい塩化チタン(IV)と前記タンタル化合物とを、無水エタノールなどの溶媒に溶解させ、十分な攪拌を行いながら水を滴下することによって双方の前駆体を加水分解させて共沈させる手法が考えられるが、多量の有機溶媒が必要となるといった問題がある。また、濾過分離などの工程が必要となることや、塩化チタンの加水分解時に塩化水素が発生するなどの問題もある。
本発明者らが検討した中では含浸法を用いる手法が最も簡便である。以下の実施例には、タンタル化合物を無水の有機溶媒に溶解させ、二酸化チタン粉末に滴下含浸したのちに、空気中の水分と反応させて加水分解する手法を示す。タンタルが二酸化チタン中に固溶した状態とするためには、少なくとも酸化タンタルのタンマン温度以上に加熱することが好ましく、具体的には、タンタル前駆体を二酸化チタンに付着させた以降の行程で600℃超過に加熱することが好ましい。これにより、二酸化チタン担体中に、タンタルが酸化タンタルとして担持されることとなる。一方、800℃超過に加熱した場合には、アナターゼ型二酸化チタンがルチル型に変化してしまう可能性があることから、800℃以下にすることが好ましい。
なお、ニオブとタンタルとを同時に添加する場合には、個々を添加する工程を設けるか、双方の前駆体を同時に含浸する方法が簡便である。
活性金属種として白金、パラジウム、ロジウムなどの貴金属元素が利用されうるが、特に高い触媒活性が得られるのは白金である。白金を担持する方法は特に限定されないが、析出還元法などのように担体への余分な熱処理を回避する方法を用いた場合には、担体の熱的安定性や、担体と白金との相互作用の効果が顕わになり難いため、本発明の効果が現れ難い。本発明の効果が顕著に表れるのは、含浸法などの加熱処理を伴う手法を用いた場合である。具体的には、活性金属種として白金を含浸法にて担持する場合、塩化白金酸を前駆体として用い、500℃程度にて焼成処理を行うことで白金担持触媒を得る方法などがある。
熱処理を行う温度は、ニオブやタンタルを固溶させた二酸化チタンにおいては、通常の二酸化チタンを用いた場合に比べて高くてもよく、具体的には700℃程度に加熱しても問題はない。以下の実施例に示す通り、ニオブやタンタルを固溶させていない二酸化チタンを大気下にて650℃で6時間焼成を行った場合には、細孔半径が10nmよりも小さいものの割合が増大してしまい、比表面積が増大する。おそらく、二酸化チタン粒子表面に荒れが生じているものと考えられる。一方、ニオブやタンタルを固溶させた二酸化チタンは、作成時に大気下にて650℃で6時間焼成を行っているが、細孔分布に大きな変化はなく、10nm以下の細孔径を持つ細孔の割合の増大も見られない。これは即ち、担体の熱的安定性向上を示すものである。
本発明に係る酸化触媒は、多くの被処理ガス中にて高い活性を示すが、硫黄酸化物と水蒸気とを含むガス中においてその効果が発揮されることは、以下の実施例に示す通りである。しかしながら、硫黄酸化物は、金属活性種に強く吸着することが知られており、その分圧が高すぎる場合には、金属活性種への一酸化炭素、一酸化窒素、メタンの吸着が殆ど生じなくなり、非処理物質の酸化反応が全く進行しない可能性がある。よって、被処理ガス中の硫黄酸化物の体積比は、少なくとも一酸化炭素、一酸化窒素、メタンの体積比の和よりも小さいことが好ましい。
被処理ガスの温度については、いずれの温度においても従来触媒と同等以上の活性が得られると期待されるが、被燃焼ガスの発火点以上の温度となると触媒が存在しない場合においても十分な速度で反応が進行すると予想されることから、本発明の効果が得られ難くなる。一酸化炭素の発火点はおよそ650℃であり、少なくとも発火点以下の温度とすることで、本発明の効果が発揮される。また、メタンの発火点はおよそ540℃であり、発火点以下の温度とすることでメタンに対しても本発明の効果が発揮される。なお、他ガス種の発火点は、各ガスのMSDSに記載されている他、日本化学会編「化学便覧応用化学編 第5版」(丸善)などの各種便覧に掲載されている。
一方、反応温度があまりに低いと、そもそも反応が進行せず、触媒量を増大させる必要が生じ、コストが増大する原因となる。二酸化硫黄の存在下においては、白金・金を金属活性種として利用し、質量比で1%担持した場合でも200℃程度まで反応温度を上昇させなければ高い活性が得られないことが知られており(例えば、非特許文献6を参照。)、本手法においても200℃以上に反応温度を上昇させることが好ましい。また、反応速度を高め、必要な触媒量を抑制するという観点から、反応温度は250℃以上がより好ましい。
上記のような性能を持つ触媒の適用先の一例として、可燃性ガスを含む排ガス脱硝法がある。このプロセスでは、脱硝触媒にてアンモニアと窒素酸化物との反応を進行させるために、脱硝触媒へ流入する排ガスを加熱昇温する必要がある。この加熱は通常天然ガスなどの燃焼熱を用いて行うが、かかる加熱を酸化触媒によって可燃性ガス成分の燃焼熱で代替することで、コストの低減が可能となる。図8及び図9にプロセスの概略を示す。燃焼触媒部の設置箇所は脱硝装置の上流、下流のいずれでも構わない。脱硝触媒部での反応を進行させるために必要となる温度は一定であることから、図8のプロセスでは燃焼触媒入口部での反応温度は200〜250℃程度となり、図9のプロセスでは250〜300℃程度となる。
次に、実施例及び比較例並びに試験例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は、当該実施例及び比較例並びに試験例により何ら限定されるものではない。
[触媒担体の作製]
(担体1〜4、8)
酸化チタン担体ST−01(石原産業)、酸化チタン担体TIO−6(触媒学会参照触媒)、酸化チタン担体TIO−2(触媒学会参照触媒)、酸化チタン担体FTL−200(石原産業)を用意し、それぞれを大気雰囲気下500℃にて1時間焼成した。得られた担体を担体1、3、4、8とした。なお、焼成後の担体は、いずれもステンレス篩を用いて粒径75μm以上150μm未満とし、以降の実験に利用した。担体の形状は、いずれも粉状である。また、酸化チタン担体ST−01(石原産業)を大気雰囲気下650℃にて6時間焼成した。得られた担体を、担体2とした。担体1〜4、8の各担体の物性を、以下の表1にまとめて示す。
なお、担体の結晶構造は、粉末エックス線回折測定によって決定した。液体窒素温度での窒素吸着等温線を用いて、BET法によって比表面積決定を行った。吸着等温線の相対分圧0.99の値を用いて細孔容積を計算した。得られたデータからDH法にて計算した面積分布(dV/dr)表示での細孔分布と、細孔半径2nm以上100nm以下の範囲の細孔からなる表面積のうち各細孔半径以下の細孔からなる表面積の割合(A/A2−100nm)の累積値を調べた。各々について、細孔半径2nm以上100nm以下の範囲の細孔からなる表面積のうち、細孔半径10nm以上の細孔で形成される表面積の割合を計算した値を、表1に示す。この値は、細孔半径10nmにおけるA/A2−100nmの値を100から差し引くことで計算した。以降、全ての実施例及び比較例において、上記と同様の手法で物性値を得た。
また、担体4については、入手時点にてニオブ酸化物が不純物として含まれている。その組成は公知であり、0.4質量%である(上記非特許文献7を参照。)。ただし、X線光電子分光測定を実施し、ピーク強度と元素毎の相対感度係数を用いてニオブの含有量を計算した場合には、ニオブの含有量は、酸化ニオブ(V)換算で2質量%であった。X線光電子分光測定は、主として物質の表面から3nm程度の深さまでの組成情報を得る情報であり、上記測定結果から、ニオブが酸化物担体の表面に濃化しているものと推察される。
(担体5〜7、9)
ニオブを固溶した二酸化チタンは、ニオブ(V)酸シュウ酸アンモニウム・水和物の水溶液を前駆体とした含浸法にて調製した。ニオブ(V)酸シュウ酸アンモニウム・水和物を0.1050g、0.2450g、0.2450g、0.5250g秤り取り、それぞれ5ml、7ml、7ml、7mlの純水に溶解させた。得られた溶液をそれぞれ、酸化チタン担体ST−01(石原産業)0.970g、酸化チタン担体ST−01(石原産業)0.930g、酸化チタン担体TIO−6(触媒学会参照触媒)0.930g、酸化チタン担体ST−01(石原産業)0.850g、に対して、十分な攪拌を行いながら全量滴下した。得られたスラリーを、マグネティックスターラーを用いて攪拌した状態で70℃まで昇温させ、乾燥させた。余分な水分が蒸発し、固形分のみが残ったことを確認したうえで、大気雰囲気下の電気炉にて100℃で15時間乾燥し、その後650℃まで昇温させ6時間焼成した。室温まで冷却し、得られた担体をそれぞれ担体5、6、7、9とした。ニオブの含有量は、酸化ニオブ(V)換算の質量比で、それぞれ3質量%、7質量%、7質量%、15質量%である。担体1〜4の場合と同様に測定した物性値を、以下の表1に示す。
(担体10〜13)
タンタルを固溶した二酸化チタンは、タンタルペンタエトキシドの無水エタノール溶液を前駆体とした含浸法にて調製した。グローブボックス内を工場窒素にて置換し、水分を除去したうえで試薬瓶を開封し、実験を行った。マイクロピペッターを用いて、タンタルペンタエトキシドを0.0354ml、0.0825ml、0.1768ml、0.0825ml秤り取り、それぞれに無水エタノールを加えて希釈し、0.5mlとした。得られた溶液をそれぞれ、酸化チタン担体ST−01(石原産業)0.970g、0.930g、0.850g、酸化チタン担体TIO−6(触媒学会参照触媒)0.930gに対して、十分な攪拌を行いながら全量滴下した。十分に攪拌を行ったうえで、グローブボックス内に外気を取り込み、空気中の水分を用いて二酸化チタン担体上のタンタルペンタエトキシドを加水分解した。試料を室温下で大気に1時間暴露した後に、大気雰囲気下の電気炉にて100℃で5時間乾燥し、その後650℃まで3時間かけて昇温させ6時間焼成した。室温まで冷却し、得られた担体をそれぞれ担体10、11、12、13とした。タンタルの含有量は酸化タンタル(V)換算の質量比で、それぞれ3質量%、7質量%、15質量%、7質量%である。担体1〜4の場合と同様に測定した物性値を、以下の表1に示す。
(担体14)
焼成条件を、大気雰囲気下の電気炉にて100℃で15時間乾燥し、その後850℃まで昇温させ6時間焼成したことを除いて、担体6と同様にして担体14を作成した。得られた担体について、担体1〜4の場合と同様に測定した物性地を、以下の表1に示す。650℃で焼成した試料6と異なり、比表面積が著しく小さくなり、触媒担体としての利用は困難であると判断した。
[触媒の作製]
(実施例1:白金担持触媒)
ヘキサクロロ白金酸0.00265gを0.30ml、0.40ml、0.30ml、0.30ml、0.40ml、0.40ml、0.40mlの純水に溶解させた。得られた白金前駆体溶液を、担体6、4、5、9、10、11、12の酸化物担体各1.00gに対して十分な混合を行いながらそれぞれ滴下し、含浸させた。得られた粉末を100℃にて10時間、500℃にて1時間焼成し、得られた触媒を試料1、3、4、5、6、7、8とした。白金の担持量はいずれも、金属状態の白金換算で0.1質量%である。試料1、3、4、5、6、7、8について、担体1〜4の場合と同様に測定した物性値を、以下の表2に示す。
(実施例2:高担持量白金担持触媒)
ヘキサクロロ白金酸0.02589gを0.3mlの純水に溶解させた。得られた白金前駆体溶液を、担体6の酸化物担体1.00gに対して十分な混合を行いながら滴下し、含浸させた。得られた粉末を100℃にて10時間、500℃にて1時間焼成し、得られた触媒を試料2とした。白金の担持量は、金属状態の白金換算で1質量%である。試料2について、担体1〜4の場合と同様に測定した物性値を、以下の表2に示す。
(比較例1:白金担持触媒)
ヘキサクロロ白金酸0.00265gを、表1に示す担体1、3、7の細孔容積と同量の純水に溶解させた他、0.3mlの純水に溶解させた。得られた白金前駆体溶液を、それぞれ担体1、3、7、8、13の酸化物担体各1.00gに対して十分な混合を行いながらそれぞれ滴下し、含浸させた。得られた粉末を100℃にて10時間、500℃にて1時間焼成し、得られた触媒を試料A、C、D、E、Fとした。白金の担持量はいずれも、金属状態の白金換算で0.1質量%である。試料A、C、D、E、Fについて、担体1〜4の場合と同様に測定した物性値を、以下の表3に示す。
(比較例2:高担持量白金担持触媒)
ヘキサクロロ白金酸0.02589gを、0.3mlの純水に溶解させた。得られた白金前駆体溶液を、担体1の酸化物担体1.00gに対して十分な混合を行いながら滴下し、含浸させた。得られた粉末を100℃にて10時間、500℃にて1時間焼成し、得られた触媒を試料Bとした。白金の担持量は、金属状態の白金換算で1質量%である。試料Bについて、担体1〜4の場合と同様に測定した物性値を、以下の表3に示す。
[担体性能評価]
(試験例1)
担体1〜14について、X線回折法(XRD)によって結晶構造の評価を行った。その結果、担体9のみ酸化ニオブに対応するピークが検出された。担体14は、アナターゼ型とルチル型の混相となっていることが確認されたが、その他いずれの担体もアナターゼ型、もしくはルチル型の二酸化チタンのみが観察された。ニオブを添加した担体5〜7では、酸化ニオブに由来するピークは観察されず、タンタルを添加した担体10〜13では、酸化タンタルに由来するピークが観察されなかったことから、酸化ニオブ及び酸化タンタルが二酸化チタンと固溶体を形成していると判断した。担体9は、担体5〜7と比較して担持量が多かったため、一部が二酸化チタン結晶格子内に固溶しきれなかったものと予想される。
(試験例2)
XRDスペクトルのピーク強度比から、二酸化チタン担体に固溶していない酸化ニオブの割合を見積もった。ニオブ(V)酸シュウ酸アンモニウム・水和物を600℃で焼成して分解して酸化ニオブ粉末を用意し、担体1と混合することによって参照試料とした。酸化ニオブ粉末と担体1を質量比で1:99、3:97、5:95とした混合粉末を用意し、純水を加えたビーカーに入れて白濁液としたうえで、マグネティックスターラーにて30分間攪拌した。その後、大気開放下でビーカー全体を80℃まで昇温して蒸発乾固させ、参照試料を得た。それぞれの試料でXRD測定を行い、酸化ニオブの(001)ピークと、アナターゼ型二酸化チタンの(101)ピークそれぞれのピーク面積を計算し、その比率と実際の混合比との関係式を得た。この式を用いて、試料5に残留する固溶していない酸化ニオブの質量比を計算すると、試料5の触媒全体に対しておよそ5質量%と見積もられた。添加した酸化ニオブの量は15質量%であることから、触媒全体に対して10質量%程度の酸化ニオブが固溶したものと予想される。
(試験例3)
担体1、2、5、6、9、11について、BET比表面積測定を行い、得られたデータからDH法にて計算した面積分布(dV/dr)表示での細孔分布を、図1に示す。担体1、2を比較すると、焼成温度を上昇させることによって、細孔径10nm以下の細孔の割合が増大している様子が理解できるが、酸化ニオブが固溶した担体5、6、9及び酸化タンタルが固溶した担体11では、担体2と同じ温度で焼成しているにも関わらず、その変化が小さく抑えられている。
[触媒性能評価]
(試験例4:還元前処理後加速試験)
試料1、3、7、及び、試料A、C、D、E、Fについて、一酸化炭素酸化反応試験を行った。
まず、6種類の各触媒10mgに対して、20mgの担体6、4、11、1、3、7、8、13をそれぞれ混合して希釈し、それぞれ石英ガラス管に充填した。次に、60cm/分の水素気流中、500℃にて1時間還元処理を行った後に、250℃まで降温した。100cm/分の窒素気流中にて10分間パージを行った後に、反応温度250℃、大気圧で流量100cm/分にて表4に示す組成のガスを流して、反応を行った。
ガスと触媒量の相対比を示す空間速度は、大凡600,000cm・時間(hour)−1・触媒質量(g)−1である。ガス流量及び組成の調整は、マスフローコントローラーを用いて行い、ガス源となるガスボンベは、一酸化炭素5%+窒素95%、二酸化硫黄200ppm+一酸化窒素200ppm+窒素残部、酸素(純度99.9999以上)、窒素(純度99.9999%以上)の四種類を用意した。また、水蒸気は、送水ポンプにて所要量の純水を導入することで調整した。以下、全ての試験にて、同様にしてガス組成を調整した。
反応試験の結果を、図2、図3に示す。試験結果の解釈については、次の試験例5にまとめて記述する。
(試験例5:前処理無し加速試験)
試料1、3、7、及び、試料A、C、D、E、Fについて、一酸化炭素酸化反応試験を行った。 まず、6種類の各触媒10mgに対して、20mgの担体6、4、11、1、3、7、8、13をそれぞれ混合して希釈し、それぞれ石英ガラス管に充填した。次に、100cm/分の窒素気流中にて反応温度250℃まで昇温させ、温度が安定したことを確認したうえで、大気圧にて流量100cm/分にて表4に示す組成のガスを流して、反応を行った。
ガスと触媒量の相対比を示す空間速度は、大凡600,000cm・時間(hour)−1・触媒質量(g)−1である。ガス流量及び組成の調整は、マスフローコントローラーを用いて行い、ガス源となるガスボンベは、一酸化炭素5%+窒素95%、二酸化硫黄200ppm+一酸化窒素200ppm+窒素残部、酸素(純度99.9999以上)、窒素(純度99.9999%以上)の四種類を用意した。また水蒸気は、送水ポンプにて所要量の純水を導入することで調整した。以下、全ての試験にて同様にしてガス組成を調整した。
反応試験の結果を、図2、図3に示す。
図2では、アナターゼ型二酸化チタン担体を用いた結果について、ニオブ固溶とタンタル固溶の効果を検証している。試料Aと試料1、試料Aと試料7をそれぞれ比較すると、ニオブ又はタンタルを固溶させることによって、触媒の活性が向上し、高いCO転化率が得られていることが分かる。細孔径10nm以上の細孔によって形成される表面積の割合が、試料A、1、7のいずれも49%以下となっており、細孔分布が変化したことによる活性向上は生じていないと考えられる。
続いて、試料1、3、7を比較すると、試料3にてより高いCO転化率が得られており、細孔径10nm以上の細孔によって形成される表面積の割合が49%超過であると、更に活性が向上することが理解出来る。
続いて、各試料に対する水素還元の効果を確認した。
試料A、1、3、7いずれについても、水素還元によって大きなCO転化率の上昇は確認されなかった。これにより、ニオブとタンタルのいずれも固溶していない試料Aにおいても、還元処理前の時点で十分に白金が還元状態にあることが示唆される。即ち、ニオブを固溶させることによって、白金の酸化抑制以外の効果が表れていることを意味する。この効果の詳細については、アナターゼ型二酸化チタンがニオブを固溶させることで安定化することから、反応中の担体形状の変化や、二酸化硫黄並びに複製する三酸化硫黄などとの反応が抑制されるほか、以下の(試験例6、7)に示す通り、白金と担体との結合が強固なものとなることで白金の分散度が向上することによるものと考察している。
続いて図3では、ルチル型二酸化チタン担体を用いた結果について、ニオブ固溶とタンタル固溶の効果を検証している。試料C、D、Fの比較より、ニオブ又はタンタルを固溶させた試料D、Fにて、試料CよりもCO転化率が上昇しており、触媒活性が向上していることが分かる。しかしながら、双方を還元処理すると同程度のCO転化率となった。これより、ニオブ又はタンタルをルチル型二酸化チタン担体に固溶させた試料では、ニオブ又はタンタルを含まないルチル型二酸化チタン担体を用いた場合に比べて、白金の酸化が抑制されていることが示唆され、還元処理を施すことによって白金が双方共に還元された場合には、ニオブやタンタルを固溶させることによる効果が無くなるものと考えられる。即ち、ルチル型二酸化チタン担体を用いた場合には、還元処理が無ければいずれも十分な活性は得られず、還元処理を行った場合には、ニオブを固溶させたことによる効果が得られないことを意味している。なお、還元処理を行った場合には、試料Cは試料1、3、7と同程度以上のCO転化率を示しているが、これは、細孔径10nm以上の細孔によって形成される表面積の割合が高い(49%超過である)ことに付随する効果によるものであり、本特許の主張する内容と相反しない。事実、細孔径10nm以上の細孔によって形成される表面積の割合が49%以下である試料Eでは、還元処理を行った場合においても試料Cのように高いCO転化率は得られていない。
[白金担持状態評価]
(試験例6:透過型電子顕微鏡による触媒観察)
触媒上での白金の担持状態を評価するために、透過型電子顕微鏡による試料観察を実施した。
白金担持量を0.1質量%とした試料A、C、1、3では、白金があまりに少なく、測定中に白金の粒子探索が困難であったことから、白金担持量を1.0質量%とした試料2、Bを測定して比較した。試料Bでは、図4左に示すとおり、粒子径3nm程度の白金粒子が散見されたが、試料2ではそうした3nm程度の粒子径を持つ白金粒子は観測されず、代わりに図4右に示すような粒子径2nm以下の粒子が多数観察された。以上の結果は、ニオブの固溶によって白金の分散度が向上したことを示唆している。このときの白金の担持量は、BET比表面積10m/gあたりで0.16質量%であった。
(試験例7:X線光電子分光による白金の酸化状態評価)
触媒上での白金の担持状態を評価するために、X線光電子分光による試料観察を実施した。
白金の担持量が0.1質量%の試料では白金の存在量が少なく、Ptのピークが得られなかったことから、白金の担持量を1.0%とした試料2、Bについて測定を行った。測定結果を図5に示す。試料2、Bの測定結果を比較すると、試料Bにおいて検出されていた71eV、74eV付近のピークが試料2では消失し、72eV、75eVのピークのみが観測されていることが分かる。白金は酸素原子との結合を介して担体上に固定されており、酸化状態となっているほど担体との結合が強固であることが知られている。アナターゼ型酸化チタンにNbを添加することによって、メカニズムは不明であるが、酸化チタン担体と白金との間の結合が強固となったものと推察される。
[耐熱性評価]
(試験例8:触媒の過熱処理後の触媒活性評価)
試料1、4、5、6、7、8、Aをそれぞれ100mg秤取り、電気炉で600℃まで3時間かけて昇温し、1時間過熱処理を行った。室温まで冷却し、過熱処理前後の試料1、4、5、6、7、8、Aそれぞれ10mgに対して、20mgの担体6、5、9、10、11、12、1をそれぞれ混合して希釈し、それぞれ石英ガラス管に充填した。次に、100cm/分の窒素気流中にて250℃まで昇温し、大気圧で流量100cm/分にて表4に示す組成のガスを流して、反応を開始した。その後、1時間毎に温度を10℃ずつ昇温し、250℃、260℃、270℃、280℃、290℃、300℃の各温度にて1時間ずつ反応試験を実施した。各反応温度における最後の5分間のCO転化率平均値をもって各温度におけるCO転化率とした。図6に、各試料の過熱処理前後の反応温度280℃におけるCO転化率を示す。試料Aと比較して、試料1、4、5、6、7、8のいずれの触媒も加熱処理後のCO転化率が高いことが分かる。
試験例7の試験結果からも推察された通り、ニオブ又はタンタルをアナターゼ型酸化チタンに添加することによって、担持された白金と担体との結合力が高まったことによって、過熱処理による白金粒子の凝集が抑制されたものと考えられる。試料5のように添加したニオブの一部が酸化ニオブとして残存した試料(試験例2での推測値で5質量%程度が固溶せずに残存)においても同様の効果が得られていることから、添加したニオブの一部が固溶していれば、本発明の効果が得られるものと考えられる。試料5では10質量%程度が固溶していると推察されることから、添加した酸化ニオブの2/3以上が固溶していると高い効果が得られると考えられる。
[耐熱性評価]
(試験例9:触媒の過熱処理後の触媒活性評価)
酸化ニオブの固溶量と耐熱性との関係を調べるために試料4と試料5をそれぞれ100mg秤取り、電気炉で600℃まで3時間かけて昇温し、20時間過熱処理を行った。室温まで冷却し、過熱処理前後の試料4、5それぞれ10mgに対して、20mgの担体5、9をそれぞれ混合して希釈し、それぞれ石英ガラス管に充填した。次に、100cm/分の窒素気流中にて250℃まで昇温し、大気圧で流量100cm/分にて表4に示す組成のガスを流して、反応を開始した。その後、1時間毎に温度を10℃ずつ昇温し、250℃、260℃、270℃、280℃、290℃、300℃の各温度にて1時間ずつ反応試験を実施した。各反応温度における最後の5分間のCO転化率平均値をもって各温度におけるCO転化率とした。図7に、各試料の過熱処理前後の反応温度280℃におけるCO転化率を示す。
試験例8にていずれの試料も酸化ニオブを添加していない試料Aと比較すると高い熱的安定性が得られていることが確認されているが、全量の酸化ニオブが二酸化チタン中に固溶した試料4と、酸化ニオブの一部が固溶せずに残留した試料5では、試料4の方がより高い熱的安定性を示すことが確認された。酸化ニオブは、酸化チタンと比較して白金との結合力が弱い酸化物であることが知られている。白金との結合力が弱く白金の移動が生じやすい部分が担体表面に残留したことによって、酸化ニオブと二酸化チタンの固溶による効果が得られにくくなったものと予想される。
[触媒活性試験]
(試験例10:有機物の燃焼試験)
試料1、Aそれぞれ10mgに対して、20mgの担体6、1をそれぞれ混合して希釈し、それぞれ石英ガラス管に充填した。次に、100cm/分の窒素気流中にて300℃まで昇温し、大気圧で流量100cm/分にて、ベンゼンもしくはヘキサンを900ppm、Oを10体積%、残部が窒素で構成されるガスを流通させ、有機物の触媒燃焼試験を開始した。その後、1.5時間経過してから温度を330℃まで昇温し、さらに1.5時間反応させた。反応後のガスのCO濃度を測定し、導入した有機物の900ppmが全量燃焼したと仮定した場合のCO濃度と比較して転化率を計算した。各反応温度における最後の5分間の転化率平均値をもって各温度における転化率とし、各触媒の有機物燃焼活性を見積もった。
表5に、得られた結果を示す。Nbを固溶させた試料1において、Nbを添加していない試料Aと比較して高い転化率が得られており、Nbを固溶させることによって触媒の有機物燃焼活性が高まることが理解できる。
(試験例11:脱硝プロセスへの適用)
試料1、3、7の粉末それぞれを、4.2mmピッチ(壁厚0.5mm)のコージェライト製ハニカム素材に対し、基材表面積当り200g/mでコートし、ハニカム状触媒1、2、3を得た。脱硝触媒には、3.3mmピッチのコージェライト製ハニカムに対し、二酸化チタン系脱硝触媒を基材表面積当り200g/mでコートした格子状触媒を用いた。
上記ハニカム状触媒1、2、3それぞれを用いて、図8に示す脱硝プロセスの検討を行った。
図8の装置構成において、ガス加熱バーナー2の代わりに投げ込み型の電熱ヒーターを使用し、熱交換部1には、シェルアンドチューブ型の熱交換器を用いた。装置全体を十分に保温した状態で、脱硝反応試験を行った。燃焼触媒部3に充填する燃焼触媒としては上記ハニカム状触媒1、2、3を用い、充填量は1.2Lとした。また、脱硝触媒部4には、上記格子状触媒を5L充填した。排ガスの組成は、鉄鋼製造プロセスの焼結炉排ガスを模擬した表6記載の組成のガスを用いた。
上記ハニカム状酸化触媒1、2、3を1.2リットル、脱硝触媒を1.6リットル充填し、熱交換部の入口から、表6の組成を持つ60℃の排ガスを30Nm/時間(hour)で流入させた。電熱ヒーターの電源を入れ、燃焼触媒部入口の温度が200℃に到達した時点で、脱硝装置部4の上流から、アンモニアを一酸化窒素に対する流量比が0.9となるように注入を開始し、電熱ヒーターの電源を切った。ハニカム状触媒1、2、3の全ての場合において、良好な脱硝率が維持された。得られた結果を、以下の表7に示す。
(試験例12:脱硝プロセスへの適用)
試料1、3、7の粉末それぞれを、4.2mmピッチ(壁厚0.5mm)のコージェライト製ハニカム素材に対し、基材表面積当り200g/mでコートし、ハニカム状触媒1、2、3を得た。
かかるハニカム状触媒1、2、3それぞれを用いて、図9に示す脱硝プロセスの検討を行った。
図9の装置構成において、ガス加熱バーナー12の代わりに投げ込み型の電熱ヒーターを使用し、熱交換部11にはシェルアンドチューブ型の熱交換器を用いた。脱硝触媒部13には3.3mmピッチの二酸化チタン系格子状触媒を充填し、装置全体を十分に保温した状態で脱硝反応試験を行った。燃焼触媒部14に充填する燃焼触媒としては、上記ハニカム状触媒1、2、3を用い、排ガスの組成は、試験例11と同様に表6記載の組成のガスを用いた。
ハニカム状触媒1、2、3を1.2リットル、脱硝触媒を1.6リットル充填し、熱交換部の入口から、表6の組成を持つ60℃の排ガスを30Nm/時間(hour)で流入させた。電熱ヒーターの電源を入れ、燃焼触媒部入口の温度が280℃に到達した時点で、脱硝装置部13の上流から、アンモニアを一酸化窒素に対する流量比が0.9となるように注入を開始し、電熱ヒーターの電源を切った。ハニカム状触媒1、2、3の全ての場合において、良好な脱硝率が維持された。得られた結果を、以下の表8に示す。
なお、脱硝装置部では、NOがNHと反応することで脱硝されるが、NOの濃度が低く発熱量も高くないことから、脱硝装置部の入口と出口での温度差は、わずかである。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1 熱交換部
2 ガス加熱バーナー
3 燃焼触媒部
4 脱硝装置部
11 熱交換部
12 ガス加熱バーナー
13 脱硝装置部
14 燃焼触媒部

Claims (20)

  1. 可燃成分を含む被処理ガスについて、当該可燃成分の酸化を促進させる酸化触媒であって、
    アナターゼ型酸化チタンに対して、酸化ニオブ及び酸化タンタルからなる群から選ばれる遷移金属酸化物のうち少なくとも1種が、少なくとも一部固溶してなる酸化物担体と、
    前記酸化物担体に担持された白金と、
    を含み、
    酸化触媒における細孔半径2nm以上100nm以下の範囲の細孔において、当該範囲の細孔の全表面積に占める、細孔半径10nm以上の細孔の表面積の割合は、49%超過である、被処理ガス中の可燃成分の酸化触媒。
  2. 前記酸化物担体に含まれる酸化ニオブ及び酸化タンタルからなる群から選ばれる遷移金属酸化物のうち、アナターゼ型酸化チタン担体に固溶している割合が、前記酸化触媒に含有される前記遷移金属酸化物の全量に対して、質量比で2/3以上である、請求項1に記載の被処理ガス中の可燃成分の酸化触媒。
  3. 前記酸化物担体に含まれる酸化ニオブ及び酸化タンタルからなる群から選ばれる遷移金属酸化物の全量が、アナターゼ型二酸化チタン担体に固溶している、請求項1又は2に記載の被処理ガス中の可燃成分の酸化触媒。
  4. 前記可燃成分として少なくとも一酸化炭素を含む被処理ガスについて、当該可燃成分の酸化を促進させる触媒である、請求項1〜3の何れか一項に記載の被処理ガス中の可燃成分の酸化触媒。
  5. 前記遷移金属酸化物が、酸化ニオブである、請求項1〜4の何れか一項に記載の被処理ガス中の可燃成分の酸化触媒。
  6. 前記遷移金属酸化物が、酸化タンタルである、請求項1〜4の何れか一項に記載の被処理ガス中の可燃成分の酸化触媒。
  7. 前記酸化触媒は、粒子径が3nm未満の白金粒子を含む、請求項1〜6の何れか一項に記載の被処理ガス中の可燃成分の酸化触媒。
  8. 前記遷移金属酸化物の比率は、前記酸化触媒に含有される前記酸化物担体全体に対する元素の酸化物換算での質量比として、0.02%以上15.0%以下である、請求項1〜の何れか1項に記載の被処理ガス中の可燃成分の酸化触媒。
  9. 前記酸化触媒に担持される白金の金属換算での担持量は、触媒のBET比表面積10m/gあたり0.01質量%以上0.64質量%以下である、請求項1〜の何れか1項に記載の被処理ガス中の可燃成分の酸化触媒。
  10. 請求項1〜の何れか一項に記載の被処理ガス中の可燃成分の酸化触媒を製造する方法であって、
    ニオブ前駆体又はタンタル前駆体の少なくとも何れか一方を含む溶液を用いた含浸法によって、アナターゼ型二酸化チタンに前記ニオブ前駆体又は前記タンタル前駆体の少なくとも何れか一方を付着させる前駆体付着工程と、
    前記前駆体付着工程の生成物を、600℃超過850℃未満の温度で焼成して、酸化物担体を製造する焼成工程と、
    製造された前記酸化物担体に白金前駆体を付着させる白金付着工程と、
    前記白金付着工程の生成物を300℃以上700℃以下の温度で焼成して、白金を前記酸化物担体に担持させる担持工程と、
    を有する、被処理ガス中の可燃成分の酸化触媒の製造方法。
  11. 前記焼成工程では、前記前駆体付着工程の生成物を、600℃超過700℃以下の温度で焼成する、請求項10に記載の被処理ガス中の可燃成分の酸化触媒の製造方法。
  12. 前記ニオブ前駆体として、ニオブ(V)酸シュウ酸アンモニウムが用いられる、請求項10又は11に記載の被処理ガス中の可燃成分の酸化触媒の製造方法。
  13. 前記タンタル前駆体として、タンタルペンタエトキシドが用いられる、請求項10又は11に記載の被処理ガス中の可燃成分の酸化触媒の製造方法。
  14. 請求項1〜の何れか1項に記載の被処理ガス中の可燃成分の酸化触媒に対して、少なくとも一酸化炭素と水蒸気と硫黄酸化物とを含有する被処理ガスを接触させて、前記被処理ガス中の可燃成分を酸化する、被処理ガス中の可燃成分の酸化方法。
  15. 前記被処理ガスは、前記可燃成分として、ベンゼン又はヘキサンを少なくとも含有する、請求項14に記載の被処理ガス中の可燃成分の酸化方法。
  16. 前記被処理ガスが触媒と接触する際の温度は、250℃以上300℃未満である、請求項14又は15に記載の被処理ガス中の可燃成分の酸化方法。
  17. 被処理ガスの温度を上昇させるガス加熱部と、被処理ガス中の窒素酸化物を除去する脱硝部と、を有するガス処理プロセスを用いて、窒素酸化物を含むと共に、水蒸気と硫黄酸化物と可燃性ガスとを含む被処理ガスから窒素酸化物を除去する方法であって、
    前記ガス加熱部と前記脱硝部との間に、請求項1〜の何れか1項に記載の被処理ガス中の可燃成分の酸化触媒が充填された燃焼触媒部を配置し、
    前記燃焼触媒部に前記ガス加熱部で加熱された被処理ガスを通過させて、前記被処理ガス中の可燃成分を燃焼させ、発生した燃焼熱により前記被処理ガスの温度を更に上昇させる、被処理ガス中の窒素酸化物の除去方法。
  18. 前記ガス加熱部は、熱交換器と、ガス加熱バーナー又は電熱ヒーターと、を有し、
    前記脱硝部から排出されたガスが、前記熱交換器の高温ガスとして使用される、請求項17に記載の被処理ガス中の窒素酸化物の除去方法。
  19. 被処理ガスの温度を上昇させるガス加熱部と、被処理ガス中の窒素酸化物を除去する脱硝部と、を有するガス処理プロセスを用いて、窒素酸化物を含むと共に、水蒸気と硫黄酸化物と可燃性ガスとを含む被処理ガスから窒素酸化物を除去する方法であって、
    前記ガス加熱部は、熱交換器と、ガス加熱バーナー又は電熱ヒーターと、を有し、
    前記ガス加熱部及び前記脱硝部の後段に、請求項1〜の何れか1項に記載の被処理ガス中の可燃成分の酸化触媒が充填された燃焼触媒部を配置し、
    前記燃焼触媒部から排出されたガスを、前記熱交換器の高温ガスとして使用する、被処理ガス中の窒素酸化物の除去方法。
  20. 前記被処理ガスは、鉄鋼製造プロセスにおける焼結炉の排ガスである、請求項1719の何れか1項に記載の被処理ガス中の窒素酸化物の除去方法。
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