JP5747794B2 - 炭化水素選択酸化触媒及びその製造方法 - Google Patents
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Description
そこで、近年、非貴金属酸化物を用いた排ガス浄化触媒が開発されている(特許文献1参照)。
3d遷移金属の酸化物と5価又は6価の遷移金属の酸化物、及び/又は3d遷移金属と5価又は6価の遷移金属との酸化物固溶体を含有し、
上記3d遷移金属は、Fe及び/又はCuであり、
上記5価又は6価の遷移金属は、W、Mo、Nb、及びTaから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする炭化水素選択酸化触媒にある。
上記3d遷移金属の塩と、上記5価又は6価の遷移金属の塩とを水に溶解させて遷移金属水溶液を得る溶解工程と、
上記遷移金属水溶液を乾燥させ、焼成する水溶液乾燥焼成工程とを行うことを特徴とする炭化水素選択酸化触媒の製造方法にある。
上記3d遷移金属を含有する酸化物と、上記5価又は6価の遷移金属の塩とを水に混合することにより、上記3d遷移金属を含有する酸化物が水に分散し、上記5価又は6価の遷移金属の塩が水に溶解する混合液Aを得る液相混合工程Aと、
上記混合液Aを乾燥させ、焼成する乾燥焼成工程Aとを行うことを特徴とする炭化水素選択酸化触媒の製造方法にある。
上記3d遷移金属を含有する酸化物と、上記5価又は6価の遷移金属を含有する酸化物とを混合して混合物を得る混合工程と、
上記混合物を焼成する焼成工程とを行うことを特徴とする炭化水素選択酸化触媒の製造方法にある。
上記3d遷移金属の塩と、上記5価又は6価の遷移金属を含有する酸化物とを水に混合することにより、上記3d遷移金属の塩が水に溶解し、上記5価又は6価の遷移金属を含有する酸化物が水に分散する混合液Bを得る液相混合工程Bと、
上記混合液Bを乾燥させ、焼成する乾燥焼成工程Bとを行うことを特徴とする炭化水素選択酸化触媒の製造方法にある。
そのため、上記炭化水素選択酸化触媒は、炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、及び窒素酸化物(NOx)を少なくとも含む例えば自動車の排気ガスなどの混合ガスにおいて、一酸化炭素及び窒素酸化物をほとんど酸化することなく、炭化水素を選択的に酸化することができる。
溶解工程においては、3d遷移金属の塩と、5価又は6価の遷移金属の塩とを水に溶解させて遷移金属水溶液を得る。これにより、3d遷移金属(イオン)と5価又は6価の遷移金属(イオン)が均一に混じりあって水に溶解した遷移金属水溶液を得ることができる。
上記液相混合工程Aにおいては、3d遷移金属を含有する酸化物と、5価又は6価の遷移金属の塩とを水に混合する。これにより、3d遷移金属を含有する酸化物が水に分散し、5価又は6価の遷移金属の塩が水に溶解する混合液Aを得ることができる。
上記混合工程においては、3d遷移金属を含有する酸化物と、5価又は6価の遷移金属を含有する酸化物とを混合して混合物を得る。
また、上記焼成工程においては、上記混合物を焼成する。これにより、3d遷移金属の酸化物と5価又は6価の遷移金属の酸化物とを含有する炭化水素選択酸化触媒、及び/又は3d遷移金属と5価又は6価の遷移金属との酸化物固溶体を含有する炭化水素選択酸化触媒を得ることができる。このようにして得られる炭化水素選択酸化触媒は、炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、及び窒素酸化物(NOx)を少なくとも含む例えば自動車の排気ガスなどの混合ガスにおいて、一酸化炭素及び窒素酸化物をほとんど酸化することなく、炭化水素を選択的に酸化することができる。上記第4の発明の製造方法においては、特に浄化性能に優れた炭化水素選択酸化触媒を得ることができる。
上記液相混合工程Bにおいては、3d遷移金属の塩と、5価又は6価の遷移金属を含有する酸化物とを水に混合する。これにより、3d遷移金属の塩が水に溶解し、5価又は6価の遷移金属を含有する酸化物が水に分散する混合液Bを得ることができる。
また、上記乾燥焼成工程Bにおいては、上記混合液Bを乾燥させ、焼成する。乾燥により、5価又は6価の遷移金属を含有する酸化物に3d遷移金属を付着させ、焼成により3d遷移金属を酸化させることができる。その結果、3d遷移金属の酸化物と5価又は6価の遷移金属の酸化物とを含有する炭化水素選択酸化触媒、及び/又は3d遷移金属と5価又は6価の遷移金属との酸化物固溶体を含有する炭化水素選択酸化触媒を得ることができる。このようにして得られる炭化水素選択酸化触媒は、炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、及び窒素酸化物(NOx)を少なくとも含む例えば自動車の排気ガスなどの混合ガスにおいて、一酸化炭素及び窒素酸化物をほとんど酸化することなく、炭化水素を選択的に酸化することができる。上記第5の発明の製造方法においては、特に浄化性能に優れた炭化水素選択酸化触媒を得ることができる。
本発明において、炭化水素選択酸化触媒は、炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、及び窒素酸化物(NOx)を少なくとも含む混合ガス(例えば自動車の排気ガス)において、一酸化炭素及び窒素酸化物をほとんど酸化することなく、炭化水素を優先して選択的に酸化させることができる。
したがって、炭化水素選択酸化触媒は、排ガス浄化装置、炭化水素濃度センサ等に用いることができる。
また、炭化水素濃度センサにおいては、上記炭化水素選択酸化触媒によって、例えば排ガス中に含まれるHCを選択的に酸化し、このときの酸素濃度の変化を測定することにより、排ガス中のHC濃度を選択的に測定することが可能になる。
上記炭化水素選択酸化触媒においては、3d遷移金属の酸化物と5価又は6価の遷移金属の酸化物、及び上記酸化物固溶体が共存していてもよい。
5価又は6価の遷移金属が上記3d遷移金属に対して1.25atm%未満の場合には、炭化水素に対する選択的な酸化特性が低下するおそれがある。より好ましくは2.5atm%以上がよい。一方、75atm%を超える場合には、炭化水素に対する酸化特性自体が低下し、より高温での酸化が必要になるおそれがある。より好ましくは50atm%以下がよい。
好ましくは、上記3d遷移金属は、Fe及び/又はCuであることがよい。
この場合には、炭化水素に対する選択的な酸化特性をより向上させることができる。より好ましくは、3d遷移金属は、Feであることがよい。
この場合には、炭化水素に対する選択的な酸化特性をより向上させることができる。
この場合には、上記炭化水素選択酸化触媒を、例えばコージェライト等からなるハニカム体に担持させ易くなる。そのため、上記炭化水素選択酸化触媒を排ガス浄化装置に適用し易くなる。
上記溶解工程においては、3d遷移金属の塩と、5価又は6価の遷移金属の塩とを水に溶解させて遷移金属水溶液を得る。
3d遷移金属の塩及び5価又は6価の遷移金属の塩としては、水溶液中で3d遷移金属のイオン、5価又は6価の遷移金属のイオンを生成するものを採用することができる。また、後工程の水溶液乾燥焼成工程において、3d遷移金属、及び5価又は6価の遷移金属以外の成分(塩の陰イオン)は焼失するものであることが好ましい。
具体的には、3d遷移金属の塩、5価又は6価の遷移金属の塩としては、それぞれ、塩化物塩、硝酸塩、水酸化物、及びアンモニウム塩等を用いることができる。
この場合には、炭化水素に対する選択的な酸化特性により優れると共に、より低温で炭化水素の酸化が可能な炭化水素選択酸化触媒を製造することができる。より好ましくは、2.5atm%以上、50atm%以下がよい。
この場合には、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、二酸化珪素から選ばれる少なくとも1種をさらに含有する炭化水素選択酸化触媒を製造することができる。かかる炭化水素選択酸化触媒は、例えばコージェライト等からなるハニカム体に担持させ易くなる。そのため、上記炭化水素選択酸化触媒は、排ガス浄化装置に適用し易くなる。
上記遷移金属水溶液の乾燥は、例えば温度80〜180℃で行うことができる。この乾燥により、水分を蒸発させることができる。上記水溶液乾燥焼成工程においては、乾燥後に得られる固形物を焼成する。焼成温度は、例えば温度300〜1050℃にすることができる。この焼成により、上記炭化水素選択酸化触媒を得ることができる。
即ち、3d遷移金属を含有する酸化物と、5価又は6価の遷移金属を含有する酸化物とを混合して混合物を得る混合工程と、上記混合物を焼成する焼成工程とを行うことによって、上記炭化水素選択酸化触媒を得ることができる。上記混合工程は、固相で行うこともできるが例えば水等の溶媒(液相)中で行うこともできる。この場合には、上記焼成工程の前に溶媒を蒸発させる乾燥工程を行うことにより、乾燥後の固形分として上記混合物を得ることができる。
即ち、3d遷移金属を含有する酸化物と5価又は6価の遷移金属の塩、又は3d遷移金属の塩と5価又は6価の遷移金属を含有する酸化物を水中で混合し、酸化物と塩との混合液を得る液相混合工程と、上記混合液を乾燥させ、焼成する乾燥焼成工程とを行うことによって、上記炭化水素選択酸化触媒を得ることができる。上記液相混合工程後に上記混合液を乾燥させると、3d遷移金属を含有する酸化物の表面に5価又は6価の遷移金属の塩が析出した複合体、又は5価又は6価の遷移金属を含有する酸化物の表面に3d遷移金属の塩が析出した複合体を得ることができる。この複合体を焼成することにより、上記炭化水素選択酸化触媒を得ることができる。
上記混合工程及び上記液相混合工程においてさらに添加する上述の酸化アルミニウム、酸化チタン等は、上記3d遷移金属を含有する酸化物、及び5価又は6価の遷移金属を含有する酸化物等とは別の粉末材料として添加することもできるが、上記3d遷移金属を含有する酸化物との複合体、及び5価又は6価の遷移金属を含有する酸化物等との複合体として添加することが好ましい。具体的には、例えば酸化アルミニウムを添加する場合には、3d遷移金属を含有する酸化物と酸化アルミニウムとの複合体、5価又は6価の遷移金属を含有する酸化物と酸化アルミニウムの複合体を用いることができる。
この場合には、焼成時に、3d遷移金属を含有する酸化物の粒子同士、又は5価又は6価の遷移金属を含有する酸化物の粒子同士が凝集することを抑制することができる。その結果、上記炭化水素選択酸化触媒の浄化性能の低下を抑制することができる。
これらの場合には、炭化水素に対する選択的な酸化特性をより向上させることができる。
次に、炭化水素選択酸化触媒の実施例につき、図1〜図5を用いて説明する。
本例においては、炭化水素を選択的に酸化する炭化水素選択酸化触媒を製造する。
図1(a)及び(b)に示すごとく、本例の炭化水素選択酸化触媒1は、3d遷移金属の酸化物2と5価又は6価の遷移金属の酸化物3、及び/又は3d遷移金属と5価又は6価の遷移金属との酸化物固溶体4を含有する。本例においては、3d遷移金属がFe、5価又は6価の遷移金属がWである炭化水素選択酸化触媒1を製造する。
また、本例の炭化水素選択酸化触媒1は、酸化アルミニウム5をさらに含有する。
本例の溶解工程においては、3d遷移金属の塩と、5価又は6価の遷移金属の塩とを水に溶解させて遷移金属水溶液を得る。
また、水溶液乾燥焼成工程においては、遷移金属水溶液を乾燥させ、焼成する。
まず、Feに対するWの量が50atm%となる配合割合で、硝酸鉄とタングステン酸アンモニウムパラ5水和物とを水に溶解させた。得られた水溶液に、水に酸化アルミニウムを分散させたアルミナ分散液を添加した。ここで添加する酸化アルミニウム量は、焼成後に得られる酸化鉄と酸化アルミニウムとの重量比が1:3となるような配合割合に調整した。
X線回折(XRD)による分析結果から、本例の炭化水素選択酸化触媒1(試料E1)は、酸化鉄(3d遷移金属の酸化物2)と酸化タングステン(5価又は6価の遷移金属の酸化物3)とを含有すると共に、酸化鉄の一部は、その鉄の一部にタングステンが固溶した固溶体4を形成していると考えられる(図1(a)及び(b))。
具体的には、まず、図2(a)及び(b)に示すごとく、コージェライトセラミックスからなる円筒形上のハニカム構造体6を準備した。ハニカム構造体6は、四角形格子状に配された多孔質のセル壁61と、このセル壁61に囲まれた四角形状の多数のセル62とを有する。
このようにして、図2(a)及び(b)に示すごとく、セル壁61等に試料E1の炭化水素選択酸化触媒1が担持されたハニカム構造体6を得た。
各三元ガスの浄化率は、ハニカム構造体6を通過する前の排ガスG(G0)中における各三元ガスの濃度とハニカム構造体6を通過した後の排ガスG(G1)中における各三元ガスの濃度との差を求めると共に、この差を、ハニカム構造体6を通過する前の排ガスG(G0)中における各三元ガスの濃度で除し、100分率で表すことにより算出することができる。その結果を図4に示す。図4において、横軸は排ガスの温度(℃)を示し、縦軸は浄化率(%)を示す。なお、排ガスG中に含まれる各三元ガスの濃度は、HORIBA製のMEXA1500Dにより測定した。
かかる排ガス浄化触媒は、酸化鉄と酸化アルミニウムとを重量比が1:3となるような配合割合で水中に混合し、乾燥し温度600℃で加熱して得られたものである。これを試料C1とする。
試料C1についても、試料E1と同様にしてこれをハニカム構造体に担持し、排ガス(三元ガス)に対する浄化性能を評価した。その結果を図5に示す。図5において、横軸は排ガスの温度(℃)を示し、縦軸は浄化率(%)を示す。
このように、本例の炭化水素選択酸化触媒(試料E1)は、炭化水素(HC)を選択的に酸化することができる。
実施例1においては、3d遷移金属がFeで、5価又は6価の遷移金属がWである炭化水素選択酸化触媒を製造したが、本例においては、3d遷移金属がFeで、5価又は6価の遷移金属がMo、Nb、又はTaである3種類の炭化水素選択酸化触媒(試料E2〜E4)をそれぞれ作製する。
本例において、試料E2が5価又は6価の遷移金属としてMoを用いた炭化水素選択酸化触媒であり、試料E3が5価又は6価の遷移金属としてNbを用いた炭化水素選択酸化触媒であり、試料E4が5価又は6価の遷移金属としてTaを用いた炭化水素選択酸化触媒である。
XRDによる分析結果から、各炭化水素選択酸化触媒(試料E2〜試料E4)は、酸化鉄と、それぞれ酸化モリブデン、酸化ニオブ、又は酸化タンタルとを含有すると共に、酸化鉄の一部は、その鉄の一部にそれぞれモリブデン、ニオブ、又はタンタルが固溶した固溶体を形成していると考えられる。
したがって、本例によれば、実施例1のWだけでなく、Mo、Nb、及びTa等の5価又は6価の遷移金属を用いても、炭化水素を選択的に酸化して浄化できる炭化水素選択酸化触媒を製造できることがわかる。
実施例1においては、3d遷移金属としてFeを用いて炭化水素選択酸化触媒を製造したが、本例は、3d遷移金属としてCuを用いて炭化水素選択酸化触媒(試料E5)を製造する例である。
XRDによる分析結果から、本例の炭化水素選択酸化触媒(試料E5)は、酸化銅と、それぞれ酸化タングステンとを含有すると共に、酸化銅の一部は、その銅原子の一部にタングステンが固溶した固溶体を形成していると考えられる。
かかる排ガス浄化触媒は、酸化銅と酸化アルミニウムとを重量比が1:3となるような配合割合で水中に混合し、乾燥し温度600℃で加熱して得られたものである。これを試料C2とする。
試料C2についても、ハニカム構造体に担持し、排ガス(三元ガス)に対する浄化性能を評価した。その結果を図10に示す。図10において、横軸は排ガスの温度(℃)を示し、縦軸は浄化率(%)を示す。
したがって、本例によれば、実施例1のFeだけでなく、Cu等の3d遷移金属を用いても、炭化水素を選択的に酸化して浄化できる炭化水素選択酸化触媒を製造できることがわかる。
本例は、5価又は6価の遷移金属(W)の量の異なる複数の炭化水素選択酸化触媒を作製し、そのHCに対する選択的な浄化性能を評価する例である。
具体的には、まず、Feに対するWの量を変えて異なる配合割合で硝酸鉄と塩化タングステンとを水に溶解させた。次いで、実施例1と同様に、水溶液にアルミナ分散液を添加し、乾燥後焼成してW量が異なる複数の炭化水素選択酸化触媒を作製した。
選択性(%)は、次のようにして算出した。
具体的には、まず、実施例1の浄化性能の評価と同様に、本例の各炭化水素選択酸化触媒をそれぞれ担持した各ハニカム構造体をそれぞれ排気管内に配置し、排気管内に流量20L/分で排ガスを流通させた。排ガス中の三元ガス(CO、HC、NO)の濃度は、CO:4600ppm、HC:1700ppm、NO:2500ppmとした。次いで、ハニカム構造体に流入させる排ガスの温度を600℃まで上昇させた。そして、温度600℃の条件下において、ハニカム構造体に担持された各炭化水素選択酸化触媒による酸化によって浄化されたCO及びHCの浄化濃度を求めた。
CO及びHCの各浄化濃度は、ハニカム構造体を通過する前の排ガス中のCO及びHCの濃度とハニカム構造体を通過した後の排ガス中のCO及びHCの濃度との差から求めることができる。
そして、COの浄化濃度をCCO(ppm)、HCの浄化濃度をCHC(ppm)とすると、選択性S(%)は、S=CHC/(CCO+CHC)×100という式から算出することができる。
その結果を図12に示す。同図において、横軸は各炭化水素選択酸化触媒におけるFeに対するWの添加量(atm%)を示し、縦軸はHCの選択性(%)を示す。
本例においては、実施例1とは異なる製造方法により、複数の炭化水素選択酸化触媒(試料E6〜E8)を製造し、その性能を評価する例である。
まず、3d遷移金属を含有する酸化物と、5価又は6価の遷移金属の塩とを水に混合する液相混合工程(液相混合工程A)及び乾燥焼成工程(乾燥焼成工程A)を行って、炭化水素選択酸化触媒(試料E6)を製造する例について説明する。
上記液相混合工程Aにおいては、3d遷移金属(Fe)を含有する酸化物と、5価又は6価の遷移金属(W)の塩とを水に混合することにより、3d遷移金属を含有する酸化物が水に分散し、5価又は6価の遷移金属の塩が水に溶解する混合液Aを得る。
また、上記乾燥焼成工程Aにおいては、混合液Aを乾燥させ、焼成する。
まず、酸化アルミニウムを水に分散させた酸化アルミニウム分散液に、硝酸鉄を溶解させた。硝酸鉄は、Fe2O3量に換算したときの重量比がAl2O3:Fe2O3=60:20となるように溶解した。次いで、混合液を乾燥し、温度600℃で焼成することにより、酸化鉄と酸化アルミニウムとの複合体粉末(Fe2O3/Al2O3粉末)を得た。
混合工程においては、3d遷移金属(Fe)を含有する酸化物と、5価又は6価の遷移金属(W)を含有する酸化物とを混合して混合物を得る。
また、焼成工程においては、混合物を焼成する。
まず、酸化アルミニウムを水に分散させた酸化アルミニウム分散液に、硝酸鉄を溶解させた。硝酸鉄は、Fe2O3量に換算したときの重量比がAl2O3:Fe2O3=30:20となるように溶解した。次いで、得られた混合液を乾燥し、温度300℃で焼成することにより、酸化鉄と酸化アルミニウムとの複合体粉末(Fe2O3/Al2O3粉末)を得た。
また、酸化アルミニウムを水に分散させた酸化アルミニウム分散液に、タングステン酸アンモニウムパラ5水和物を溶解させた。タングステン酸アンモニウムは、WO3量に換算したときの重量比がAl2O3:WO3=30:47となるように溶解した。次いで、得られた混合液を乾燥し、温度300℃で焼成することにより、酸化タングステンと酸化アルミニウムとの複合体粉末(WO3/Al2O3粉末)を得た。
液相混合工程Bにおいては、3d遷移金属(Fe)塩と、5価又は6価の遷移金属(W)を含有する酸化物とを水に混合することにより、3d遷移金属の塩が水に溶解し、5価又は6価の遷移金属を含有する酸化物が水に分散する混合液Bを得る。
また、乾燥焼成工程Bにおいては、混合液Bを乾燥させ、焼成する。
まず、酸化アルミニウムを水に分散させた酸化アルミニウム分散液に、タングステン酸アンモニウムパラ5水和物を溶解させた。タングステン酸アンモニウムは、WO3量に換算したときの重量比がAl2O3:WO3=60:47となるように溶解した。次いで、得られた混合液を乾燥し、温度600℃で焼成することにより、酸化タングステンと酸化アルミニウムとの複合体粉末(WO3/Al2O3粉末)を得た。
具体的には、試料E9は、Feに対するWの量が1.25atm%となる配合割合で硝酸鉄とタングステン酸アンモニウムパラ5水和物とを水に溶解させた点を除いては、実施例1の試料E1と同様にして作製した。
また、試料E10は、Feに対するWの量が75atm%となる配合割合で硝酸鉄とタングステン酸アンモニウムパラ5水和物とを水に溶解させた点を除いては、実施例1の試料E1と同様にして作製した。
なお、試料E9及び試料E10の作製にあたっては、焼成時の焼成時間を2時間とした。
また、実施例4と同様にして、各試料について、HCに対する浄化の選択性(%)を測定した。その結果を表1に示す。
一方、酸化鉄と酸化タングステンとを混合する混合工程を行って作製した炭化水素選択酸化触媒(試料E7)及び酸化タングステンと硝酸鉄とを水に混合する液相混合工程Bを行って作製した炭化水素選択酸化触媒(試料E8)は、実用上十分に優れた炭化水素に対する選択性を発揮できると共に、Feに対するW量が同じである試料E10と比較してT50がより低下しており、浄化性能がさらに向上していた。
また、上記試料E7のように、原料の混合時に、3d遷移金属を含有する酸化物と5価又は6価の遷移金属を含有する酸化物とを混合することにより、浄化性能が特に優れた炭化水素選択酸化触媒を得ることができることがわかる。
また、上記試料E8のように、原料の混合時に、3d遷移金属の塩と、5価又は6価の遷移金属を含有する酸化物とを水に混合する液相混合工程Bを行っても、浄化性能が特に優れた炭化水素選択酸化触媒を得ることができることがわかる。
2 3d遷移金属の酸化物
3 5価又は6価の遷移金属の酸化物
4 固溶体
Claims (15)
- 炭化水素を選択的に酸化する炭化水素選択酸化触媒であって、
3d遷移金属の酸化物と5価又は6価の遷移金属の酸化物、及び/又は3d遷移金属と5価又は6価の遷移金属との酸化物固溶体を含有し、
上記3d遷移金属は、Fe及び/又はCuであり、
上記5価又は6価の遷移金属は、W、Mo、Nb、及びTaから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする炭化水素選択酸化触媒。 - 請求項1に記載の炭化水素選択酸化触媒において、上記5価又は6価の遷移金属を、上記3d遷移金属に対して1.25atm%〜75atm%含有することを特徴とする炭化水素選択酸化触媒。
- 請求項1又は2に記載の炭化水素選択酸化触媒において、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、及び二酸化珪素から選ばれる少なくとも1種をさらに含有することを特徴とする炭化水素選択酸化触媒。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の炭化水素選択酸化触媒の製造方法であって、
上記3d遷移金属の塩と、上記5価又は6価の遷移金属の塩とを水に溶解させて遷移金属水溶液を得る溶解工程と、
上記遷移金属水溶液を乾燥させ、焼成する水溶液乾燥焼成工程とを行うことを特徴とする炭化水素選択酸化触媒の製造方法。 - 請求項4に記載の炭化水素選択酸化触媒の製造方法において、上記溶解工程においては、上記3d遷移金属に対する上記5価又は6価の遷移金属の量が1.25atm%〜75atm%となるように上記3d遷移金属の塩と上記5価又は6価の遷移金属の塩とを水に溶解させることを特徴とする炭化水素選択酸化触媒の製造方法。
- 請求項4又は5に記載の炭化水素選択酸化触媒の製造方法において、上記溶解工程においては、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、及び二酸化珪素から選ばれる少なくとも1種を水に添加することを特徴とする炭化水素選択酸化触媒の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の炭化水素選択酸化触媒の製造方法であって、
上記3d遷移金属を含有する酸化物と、上記5価又は6価の遷移金属の塩とを水に混合することにより、上記3d遷移金属を含有する酸化物が水に分散し、上記5価又は6価の遷移金属の塩が水に溶解する混合液Aを得る液相混合工程Aと、
上記混合液Aを乾燥させ、焼成する乾燥焼成工程Aとを行うことを特徴とする炭化水素選択酸化触媒の製造方法。 - 請求項7に記載の炭化水素選択酸化触媒の製造方法において、上記液相混合工程Aにおいては、上記3d遷移金属に対する上記5価又は6価の遷移金属の量が1.25atm%〜75atm%となるように上記3d遷移金属を含有する酸化物と上記5価又は6価の遷移金属の塩とを水に混合することを特徴とする炭化水素選択酸化触媒の製造方法。
- 請求項7又は8に記載の炭化水素選択酸化触媒の製造方法において、上記液相混合工程Aにおいては、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、及び二酸化珪素から選ばれる少なくとも1種を水に添加することを特徴とする炭化水素選択酸化触媒の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の炭化水素選択酸化触媒の製造方法であって、
上記3d遷移金属を含有する酸化物と、上記5価又は6価の遷移金属を含有する酸化物とを混合して混合物を得る混合工程と、
上記混合物を焼成する焼成工程とを行うことを特徴とする炭化水素選択酸化触媒の製造方法。 - 請求項10に記載の炭化水素選択酸化触媒の製造方法において、上記混合工程においては、上記3d遷移金属に対する上記5価又は6価の遷移金属の量が1.25atm%〜75atm%となるように上記3d遷移金属を含有する酸化物と上記5価又は6価の遷移金属を含有する酸化物とを混合することを特徴とする炭化水素選択酸化触媒の製造方法。
- 請求項10又は11に記載の炭化水素選択酸化触媒の製造方法において、上記混合工程においては、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、及び二酸化珪素から選ばれる少なくとも1種をさらに添加することを特徴とする炭化水素選択酸化触媒の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の炭化水素選択酸化触媒の製造方法であって、
上記3d遷移金属の塩と、上記5価又は6価の遷移金属を含有する酸化物とを水に混合することにより、上記3d遷移金属の塩が水に溶解し、上記5価又は6価の遷移金属を含有する酸化物が水に分散する混合液Bを得る液相混合工程Bと、
上記混合液Bを乾燥させ、焼成する乾燥焼成工程Bとを行うことを特徴とする炭化水素選択酸化触媒の製造方法。 - 請求項13に記載の炭化水素選択酸化触媒の製造方法において、上記液相混合工程Bにおいては、上記3d遷移金属に対する上記5価又は6価の遷移金属の量が1.25atm%〜75atm%となるように上記3d遷移金属の塩と上記5価又は6価の遷移金属を含有する酸化物とを水に混合することを特徴とする炭化水素選択酸化触媒の製造方法。
- 請求項13又は14に記載の炭化水素選択酸化触媒の製造方法において、上記液相混合工程Bにおいては、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、及び二酸化珪素から選ばれる少なくとも1種を水に添加することを特徴とする炭化水素選択酸化触媒の製造方法。
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