JP6495959B2 - 打抜き刃 - Google Patents
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Description
また、それらの抜型を用いた加工方法としては、切断時、刃先を面板に軽く当ててキス・タッチで切断するハード・カット方式、ウレタンゴムに鋸切状の刃物を喰い込ませて切断するソフト・タッチの生産加工方式などが知られている。
シートを打抜く鋼材の帯板状の打抜き刃であって、
打抜き刃の刃板の一先端部に形成された所定の先端角度の切り刃を有し、
前記切り刃は、前記刃板の厚み方向に波打つ波形状部を有し、
前記波形状部は、隣接する波山の頂部の間隔が第1のピッチに規定されている複数の波山と、隣接する波山の頂部の間隔が前記第1のピッチよりも小さい第2のピッチに規定されている複数の波山とが繰り返し並設された構造を有し、
前記第1のピッチの波山における、前記刃板の厚み方向に沿った振幅が、前記第2のピッチの波山における、前記刃板の厚み方向に沿った振幅と略等しく、前記刃板の厚みよりも小さく規定されていることを特徴とする。
打抜き刃の刃板の一先端部に形成された所定の先端角度の切り刃を有し、
切り刃は、刃板の厚み方向に波打つ波形状部を有し、
前記波形状部は、隣接する波山の頂部の間隔であるピッチがそれぞれ、0.8mm以上、5.0mm以下の範囲内のランダムな値に規定され、且つ、前記波山における、前記刃板の厚み方向に沿った振幅が、前記刃板の厚みよりも小さく規定され、
前記波形状部は、所定区間内において、複数の波山を有し、前記隣接する波山の頂部の間隔であるピッチがそれぞれ、ランダムな値に規定され、且つ、複数の前記所定区間が繰り返し並設されていることにより、前記ピッチそれぞれが前記所定区間の長さを周期として繰り返し設けられており、前記複数の前記所定区間に亘って、前記波山の前記振幅がそれぞれ同じであり、
前記所定の先端角度の切り刃は、最先端部が前記所定の先端角度よりも大きい最先端角度に規定された二段刃であることを特徴とする。
また、この打抜き刃は、刃板の一先端部に形成された所定の先端角度の切り刃を有する。切り刃は、刃板の厚み方向に波打つ波形状部を有する。波形状部は、隣接する波山の頂部の間隔が第1のピッチに規定されている複数の波山と、隣接する波山の頂部の間隔が第1のピッチよりも小さい第2のピッチに規定されている複数の波山とが繰り返し並設された構造を有する。第1のピッチの波山における、刃板の厚み方向に沿った振幅が、第2のピッチの波山における、刃板の厚み方向に沿った振幅と略等しく、刃板の厚みよりも小さく規定されている。
例えば、比較例として、同一形状・同一ピッチで連続的に並列に配置された打抜き刃により打ち抜かれたシートの切断端部の縁は、画一的(単一的)で手触り感に変化がない直線的な手触り感である。
一方、本発明の実施形態に係る打抜き刃により打ち抜かれたシートの切断端部の縁では、手触り感に変化が生じ、手触りが優しい感触が得られる。
また、図1、図2、図3(b)に示したように、傾斜部14にはピッチに応じた大きさのプレス跡14aが形成されている。
尚、各波山11aの曲率半径は、上記実施形態に限られるものではなく、各曲率半径を中央値とした所定の幅を有する範囲内の値であってもよい。
図3(a)に示したように、刃板16の一方の先端部に先端角度θbで、最先端角度θaの傾斜部を有する二段刃、且つ両刃を準備する。そして、波形状型板を用いたプレス成形装置によりプレス成形を行い、図2(a)に示したように、刃板16の先端部に異なるピッチの波形状部18を形成する(図1、図2、図3(a)、図3(b)参照)。
なお、凹凸部を有する一対のギアの間を、図3(a)に示した刃板16の刃先を通しながら押圧することにより、波形状部18を形成してもよい。
打抜き刃10の所定位置の断面を観察すると、プレス成形による金型のプレス跡14aが、テーパー部である傾斜部14に形成されており、切り刃11の先端部がセンターからTcだけずれている。詳細には、図1、図2、図3、図4(b)に示された、傾斜部14に形成されたプレス跡14aは、僅かに凹んだ凹形状に形成されており、各ピッチに応じた大きさに形成されている。詳細には、ピッチが大きい区間では、大きなプレス跡14a、ピッチが小さい区間では、小さなプレス跡14aが形成されている。また、図4に示したように、打切り刃がきれいに形成されていることが確認できた。
詳細には、コーティング前に、先端硬度560HVで75度の刃先の打抜き刃に対して、チタンコ−ティグを施すことにより、刃先硬度2400HVの240度に硬度が向上し、長期間使用した場合であっても、刃先の変形が小さく、耐久性が高い。
また、コーティングしていない打抜き刃と比較して、上記コーティングされた打抜き刃は、刃を新品に交換するまでの期間が長くなり、段ボールなどのシートの打ち抜き可能回数が約3〜4倍程度増加する。
すなわち、打抜き刃10の各ピッチの波山の個数は、段ボールの用途等により、適宜最適に規定してよい。
詳細には、図7は、ランダムなピッチの波形状部を有する本発明の一実施形態に係る打抜き刃の一例を示す模式図である。図7に示した打抜き刃の波形状部18は、所定区間CY内において、隣接する波山の頂部の間隔であるピッチがそれぞれ、0.8mm以上、5.0mm以下の範囲内のランダムな値Pr1、Pr2、Pr3、Pr4、Pr5に規定され、且つ、複数の所定区間CYが繰り返し並設されている。
また、波山における刃板16の厚み方向に沿った振幅Tsが、刃板16の厚みよりも小さく規定されている。
なお、所定区間CY内の波山の個数は、図7に示した実施形態に限られるものではなく、2以上の複数の波山であってもよい。
打抜き刃10の刃先に上述した波形状部が形成されていることを確認することができた。
シートSTの切断端部の縁は、手で触るとざらつきがなく、手触り感がよいことを確認することができた。
詳細には、打抜き刃としては、4mmピッチの区間が2つ、2mmピッチの区間が4つ、それが繰り返し並設された構造の波形状部を有するものを用いた。
上記打抜き刃を用いて、Bフルート(厚み3mm)の段ボールシートを、ラップランド形に打ち抜き、実際に、シートの切断端部に対して、手触り感などの評価を行った。
1.見た目はいかがですか。(選択肢:良い、普通、良くない)
2.手触り感(感触感)はいかがですか。(選択肢:良い、普通、良くない)
3.手の損傷はなかったですか。(選択肢:あった、ない)
4.手に優しい感じがありますか。(選択肢:ある、ない)
5.シートの切断端部の縁に沿って指を移動させた時にピッチの違いにより指に伝わる抵抗感の変化がありますか(つっかかる感じがありますか)。(選択肢:ある、ない)
上述した官能検査の結果を表1に示す。
1.見た目が良い57%、普通43%、良くない0%
2.手触り感がよい71.0%、普通29.0%、良くない0%
3.手の損傷があった0%、ない100%
4.手に優しい感じがある100%、ない0%
5.指に伝わる抵抗感の変化がある93%、ない7%
第1のピッチPaの波山11aにおける、刃板16の厚み方向に沿った振幅Taが、第2のピッチPbの波山11aにおける、刃板16の厚み方向に沿った振幅Tbと略等しく、刃板16の刃板の厚みTXよりも小さく規定されている。
すなわち、打抜き刃10は、波山11aの振幅Ta、振幅Tbが、刃板16の刃板の厚みTXよりも小さく規定されているので、この打抜き刃10により打抜かれた、段ボールシートや板紙などのシートの切断端部の縁は、手で触るとざらつきがなく、手触り感がよい。
また、打抜き刃10の波形状部18は、隣接する波山11aの頂部の間隔が第1のピッチPaに規定されている複数の波山11aと、隣接する波山11aの頂部の間隔が第1のピッチPaよりも小さい第2のピッチPbに規定されている複数の波山11aとが繰り返し並設された構造を有するので、この打抜き刃10により打抜かれた、段ボールシートや板紙などのシートの切断端部の縁に沿って指を移動させたとしても、第1のピッチの複数の波山に対応するシートの切断部分と第2のピッチの複数の波山に対応するシートの切断部分とで、非画一的な接触抵抗感があり、詳細には、指に伝わる抵抗の感じが変化し、それが交互に繰り返され、つっかかる感じがあり、滑りにくく、手の指が切れにくい。
また、シートの切断端部の縁に沿って指を移動させた場合、手に優しい感じがある。
第1のピッチの区間に対応するシートの切断端部の部分では感触的な抵抗感が大きく、第2のピッチの区間に対応するシートの切断端部の部分では感触的な抵抗感が小さい。
本発明の実施形態に係る打抜き刃10は、隣接する波山のピッチの異なる波形状部を有するので、簡単な構造であり、高い耐久性を有する。
また、本発明の実施形態に係る打抜き刃10は、簡単な構造であり、ランニングコストが低い。
すなわち、この打抜き刃10により打抜かれた、段ボールシートや板紙などのシートの切断端部の縁に沿って指を移動させた場合、シートの切断部分で、非画一的な接触抵抗感があり、詳細には、指に伝わる抵抗の感じがランダムに変化し、手の指が切れにくく、且つ、手触りが良好である。
また、上述の各図で示した実施形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。
また、各図の記載内容はそれぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
11…切り刃
11a…波山
16…刃板
18…波形状部
Pa…第1のピッチ
Pb…第2のピッチ
Ta、Tb、Ts…振幅
TL…硬質被覆層
TX…刃板の厚み
Claims (9)
- シートを打抜く鋼材の帯板状の打抜き刃であって、
打抜き刃の刃板の一先端部に形成された所定の先端角度の切り刃を有し、
前記切り刃は、前記刃板の厚み方向に波打つ波形状部を有し、
前記波形状部は、隣接する波山の頂部の間隔が第1のピッチに規定されている複数の波山と、隣接する波山の頂部の間隔が前記第1のピッチよりも小さい第2のピッチに規定されている複数の波山とが繰り返し並設された構造を有し、
前記第1のピッチの波山における、前記刃板の厚み方向に沿った振幅が、前記第2のピッチの波山における、前記刃板の厚み方向に沿った振幅と略等しく、前記刃板の厚みよりも小さく規定されていることを特徴とする
打抜き刃。 - 前記第1のピッチ、及び前記第2のピッチは、0.8mm以上、5.0mm以下の範囲内の値に規定されていることを特徴とする請求項1に記載の打抜き刃。
- 前記第1のピッチ及び第2のピッチの波山における、前記刃板の厚み方向に沿った振幅は、前記刃板の厚みの15%以上、45%以下の範囲内の値に規定されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の打抜き刃。
- 前記波形状部は、前記第1のピッチ、前記第2のピッチを含む複数の異なるピッチの複数の波山が繰り返し並設された構造を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の打抜き刃。
- 前記波形状部は、1mm、2mm、3mm、4mmのいずれか2つ以上のピッチの複数の波山が繰り返し並設された構造を有することを特徴とする請求項4に記載の打抜き刃。
- 前記所定の先端角度の切り刃は、最先端部が前記所定の先端角度よりも大きい最先端角度に規定された二段刃であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の打抜き刃。
- シートを打抜く鋼材の帯板状の打抜き刃であって、
打抜き刃の刃板の一先端部に形成された所定の先端角度の切り刃を有し、
切り刃は、刃板の厚み方向に波打つ波形状部を有し、
前記波形状部は、隣接する波山の頂部の間隔であるピッチがそれぞれ、0.8mm以上、5.0mm以下の範囲内のランダムな値に規定され、且つ、前記波山における、前記刃板の厚み方向に沿った振幅が、前記刃板の厚みよりも小さく規定され、
前記波形状部は、所定区間内において、複数の波山を有し、前記隣接する波山の頂部の間隔であるピッチがそれぞれ、ランダムな値に規定され、且つ、複数の前記所定区間が繰り返し並設されていることにより、前記ピッチそれぞれが前記所定区間の長さを周期として繰り返し設けられており、前記複数の前記所定区間に亘って、前記波山の前記振幅がそれぞれ同じであり、
前記所定の先端角度の切り刃は、最先端部が前記所定の先端角度よりも大きい最先端角度に規定された二段刃であることを特徴とする打抜き刃。 - 前記切り刃の先端角度は、52°以上、65°以下の範囲に規定されており、且つ、最先端部分の曲率半径が0.01mm以上〜0.03mm以下の範囲に規定されていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の打抜き刃。
- 前記切り刃は、硬質材料からなる硬質被覆層を有することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の打抜き刃。
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Family Applications (1)
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