JP6337187B1 - 押罫部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】様々な性状の段ボールシートに対して、高い精度で正確な位置に罫線を入れることができ、製造される段ボール箱の不良率を低減できる押罫部材を提供する。
【解決手段】押罫部11の表面に、頂部凸条12及びその両側に並行する複数本の側部凸条13が押罫部11の幅方向に並んで長さ方向に延びるように形成されると共に、これらの間に段ボールシートへの押圧方向である高さ方向に窪んだ凹溝14が形成され、頂部凸条12の頂部がその両側の側部凸条13の頂部に比較して段ボールシートへの押圧方向に最も突出して、頂部凸条12と側部凸条13の頂部が全体として山形状の凸形を形成する押罫部材において、頂部凸条12は、押罫部11の幅方向中央寄りに2本以上並んで長さ方向に延びているものとする。
【選択図】図4

Description

この発明は、段ボールシートに折曲用の罫線を入れる押罫部材に関するものである。
波状の中芯紙の両側にライナー紙を貼り合わせた段ボールシートには、段状に形成された波の高さ、波の形状、厚さ、品質等が相違する中芯紙と、厚さ、品質等が相違するライナー紙との組み合わせによって様々な性状を有する数多くの種類が存在し、硬さが合紙程度に硬いものもある。
例えば、一般的な中芯紙の波形の高さは、Aフルートの場合5mm、Cフルートの場合4mm、Bフルートの場合3mm、Eフルートの場合1.5mm、Fフルートの場合0.6mm、Gフルートの場合0.5mmであり、一般的な波形のピッチは、Aフルートにおける約8.5mmからGフルートにおける約1.8mmの範囲である。
また、段ボールシートには、波形の中芯紙を一層とする両面段ボールシート、これらのいずれかを組み合わせて二層とする複両面段ボールシート、これらのいずれかを組み合わせて三層とする複々両面段ボールシート(トリプルウォールシート)等がある。このような段ボールシートの一般的な厚さは、使用される紙の品質によっても異なるが、中芯紙の波形の高さに複数枚のライナー紙の厚さを加えた約0.5mm〜15mmとなっている。
そして、段ボールシートは、厚くなるに従って、弾性や剛性が大きくなる傾向にあるので、押圧による罫線を入れ難くなる。また、複両面段ボールシートや複々両面段ボールシートの場合、各層での空間部を有する中芯紙の波形状のどの部位が互いに合致して段ボールシートが形成されているのかは分からない。
このような多種類の段ボールシートを打ち抜くことによって、例えば、図8に示すような段ボール箱形成用のブランクAを形成する場合、木製の基盤にブランクAの輪郭形成用の外形打抜刃を取り付けると共に、その外形打抜刃の内側に、上記ブランクAの縦罫線L及び横罫線Lを罫入れする押罫部材を取り付けて抜型を形成し、その抜型によって段ボールシートに罫線を入れつつ打ち抜くようにしている。また、ロール状の罫入ロールを備えた罫線形成装置で罫線を形成する場合もある。
ここで、ブランクAの縦罫線Lは、段ボールシートAの波形の段状に成形された中芯紙Sの段目Wに縦方向にほぼ平行し、一方、横罫線Lは上記中芯紙Sの段目Wと直交する横方向に延びている。
上記のような縦罫線L及び横罫線Lを段ボールシートAに入れる押罫部材として、図9に示すようなものが一般的に使用されている。この押罫部材50は、金属製の帯板材の一方の端縁部を押罫部51とし、その押罫部51で段ボールシートAの一面を押し込むことにより、中芯紙Sの波形状部を押し潰して、溝状の縦罫線L及び横罫線Lを形成するものである。
押罫部材50の帯板材は、通常、上下方向の高さ寸法が20数mm程度とされ、両側面間の板厚である幅寸法については、段ボールシートの性状に応じて、0.5mm〜10mmのものが使い分けられる。
ところで、図9に示す押罫部材50は、押罫部51の表面が断面形状を凸形とする円弧状で全長にわたり凹凸のない滑らかな形状となっており、一方、段ボールシートAは、押圧力に抗して復元しようとする大きな弾性を有することから、押罫部材50の押罫部51により段ボールシートAの表面を厚さ方向に押し込んで罫線L、Lを形成する際、段ボールシートAの表面に対する押罫部51の押圧力が分散し、段ボールシートAの反発に負けて、鮮明な罫線L、Lを入れることができない場合が多い。
また、特に、中芯紙Sの段目Wに平行する縦罫線Lを形成する場合には、中芯紙Sの波形状のどの部位を押罫部51で押し潰すことになるのかは分からないために、押し潰される形状もまちまちであるので、形成される縦罫線Lの鮮明度が異なることとなり、段ボールシートAを高精度に折り曲げることができない場合がある。
さらに、押罫部51の表面が凹凸を有さない滑らかな形状であることに起因して、押罫部51で押し潰す中芯紙Sの部位によっては、押罫部51の表面が段ボールシートAの表面に食い込むに従い、段ボールシートAの表面が押罫部51の表面上で滑って、縦罫線Lに対し左右方向にずれ動くことがあるので、段ボールシートAの表面上の予定した正確な位置に罫線を形成することができなかったり、形成される罫線に蛇行が生じたりするという問題が発生する。
ここで、図8に示すブランクAは、パネルPとパネルPとが、段目Wに平行する3本の縦罫線Lのうち、両側2本の縦罫線Lに沿って折り曲げられ、一側のパネルPに連続して形成された継代片Pと他側のパネルPの端縁部とが重ね合わされ、その重なり部が接着されることにより、偏平に折り畳まれた段ボール箱とされる。
このとき、縦罫線Lでの折曲精度が悪い場合、一側のパネルPと他側のパネルPに相対的な傾きが生じたり、対角位置の稜部をなす縦罫線Lの間の寸法に誤差が生じたりして、精度の高い段ボール箱を形成することができず、周壁を角筒状に開箱した際、歪んだ形状の箱体となることがあり、このような段ボール箱は不良品となる。
そのような不都合を解消して精度の高い折り曲げが得られるようにするため、本件特許出願と出願人及び発明者が同一である出願に係る下記特許文献1においては、図10に示すような押罫部材60が提案されている。この押罫部材60では、段ボールシートを押圧する押罫部61に、図示の方向において、幅方向の中央に位置し頂部が最も高くなっている1本の頂部凸条62と、この頂部凸条62を挟んで押罫部61の幅方向の両側にそれぞれ並行し頂部が押罫部61の側部へかけて漸次低くなっている複数本の側部凸条63とが設けられて、押罫部61の表面が凹凸形状に形成されている。なお、頂部凸条62及び側部凸条63は、押罫部材60の幅方向の中心線l上の一点から放射状に突出している。
そして、押罫部61の全体は、頂部凸条62及び側部凸条63の頂部が前記中心線l上の一点を中心とし、外方向に向けて山形状をなす円弧状の仮想曲線Cに内側から接することによって、頂部凸条62の頂部を押罫部61の頂部として外方向に向けた山形状の凸形に形成されている。また、頂部凸条62とその両側の側部凸条63の間、及び隣り合う側部凸条63同士の間には、高さ方向に窪んだ凹溝64が形成されて、頂部凸条62及び側部凸条63のそれぞれの頂部と凹溝64の底部との間の側面が傾斜面となっている。
なお、この押罫部材60の押罫部61における凹溝64の底部からの側部凸条63の高さは0.05mm〜1.0mmの範囲であって、0.1mm程度が好適とされ、比較的低いものとなっている。また、下記特許文献1には、中央の1本の頂部凸条62のみを仮想曲線Cから少し突出させた実施形態も記載されている。
このような押罫部材60で罫線を入れる加工を行うと、押罫部61で押圧された段ボールシートの表面は、頂部凸条62の頂部により最初に押し込まれ、押し潰されながらその両側の傾斜面に沿ってスムーズに凹溝64に入り込み、さらにその両側の側部凸条63に順次当接すると共に、各側部凸条63の側面の傾斜面に沿いつつ、隣り合う側部凸条63の間の凹溝64にスムーズに入り込んで、押罫部61の表面に波状に沿うことになる。このため、段ボールシートの表面が押罫部61の表面上で頂部凸条62の両側方向へずれ動く現象がある程度効果的に抑制される。
また、本件特許出願と出願人及び発明者が同一である出願に係る下記特許文献2においては、図11に示すように、頂部凸条62の両側のそれぞれに、頂部凸条62に交差する方向に延びる複数の交差溝65が押罫部61の長さ方向に間隔をあけて設けられ、この交差溝65により、頂部凸条62の両側に位置する側部凸条63が分断された形状となっているものが記載されている。
このような交差溝65を設けておくと、押圧された段ボールシートの表面が交差溝65にも入り込むので、段ボールシートの表面が押罫部61の表面上で頂部凸条62の長さ方向へずれる現象も抑制され、罫線の加工精度をさらに高めることができる。
特許第5902353号公報 特許第5894343号公報
しかしながら、図10及び図11に示すような押罫部材60では、頂部凸条62が1本のみであることから、Aフルートのように中芯紙の波形のピッチが大きい段ボールシートにおいて、中芯紙の段目に並行する縦罫線L(図8参照)を形成する際、中芯紙の波形の隣り合う頂部間に頂部凸条62が入り込んで、中芯紙を波形に影響されずに強く押し潰すことができない場合がある。
また、ライナー紙や中芯紙の紙質が硬い場合や、中芯紙の段形状の両側面がその頂部と底部との間で急勾配となっている場合等においては、頂部凸条62による押潰作用が十分に得られない恐れがある。特に、縦罫線L(図8参照)の場合、上記のような理由により十分な押潰作用が得られなければ、段ボールシートを正確な位置において明瞭かつきれいな直線状に折り曲げられないという問題がある。
さらに、1本の頂部凸条62で複両面段ボールシートや複々両面段ボールシートのように厚みの大きい段ボールシートに罫線を形成する際には、正確かつ明瞭に折り曲げられるようにするため、頂部凸条62を段ボールシートに深く押し込むことになるが、このような場合、1本の頂部凸条62で段ボールシートを深く押し込むと、段ボールシートが破れてしまうという問題が生じる。
そこで、この発明は、様々な性状の段ボールシートに対して、破れを生じさせることなく、高い精度で正確な位置に明瞭かつきれいな直線状の罫線を入れることができ、段ボールシートを罫線の幅方向中央部で正確かつ容易に直線状に折り曲げられるようにして、製造される段ボール箱の不良率を低減できる押罫部材を提供することを課題とする。
上記のような課題を解決するため、この発明は、段ボールシートに押圧により折曲用の罫線を入れる押罫部の表面に、頂部凸条及びその両側に並行する複数本の側部凸条が押罫部の幅方向に並んで長さ方向に延びるように形成されると共に、これらの間に段ボールシートへの押圧方向である高さ方向に窪んだ凹溝が形成され、
前記頂部凸条の頂部がその両側の側部凸条の頂部に比較して段ボールシートへの押圧方向に最も突出して、前記頂部凸条と側部凸条の頂部が全体として山形状の凸形を形成する押罫部材において、
前記頂部凸条は、前記押罫部の幅方向中央寄りに2本以上並んで長さ方向に延びるように形成されているものとしたのである。
この発明に係る押罫部材は、頂部凸条を2本以上並行するように設けたので、段ボールシートが厚く中芯紙の波形のピッチが大きいものである場合や、硬い紙質のものである場合のほか、波状の中芯紙を2層とする複両面段ボールシートや3層とする複々両面段ボールシートのように厚いものである場合であっても、段ボールシートを最初に2本以上の頂部凸条によりある程度の幅をもって強く押し潰し、次いで側部凸条により順次押し潰すので、段ボールシートを破ることなく、鮮明かつ確実に罫線を入れることができる。
そして、段ボールシートが罫線の幅方向中央部で正確かつ容易にきれいな直線状に折り曲げられるようになり、材料の段ボールシートの性状に関わらず、製造される段ボール箱の不良率を低減することができる。
この発明に係る押罫部材を取り付けたプラテンダイカッタによる(1A)罫入前の状態を示す概略断面図、(1B)罫入状態を示す概略断面図 同上の罫入状態の拡大断面図 この発明の第1実施形態に係る押罫部材の押罫部を示す斜視図 同上の断面輪郭を示す概略図 上記第1実施形態に交差溝が形成された第2実施形態の押罫部材の押罫部を模式的に示す(5A)平面図、(5B)(5A)のX−X線に沿った断面図 上記各実施形態に係る押罫部材のロータリーダイカッタへの適用例を示す装置概略側面図 上記各実施形態に係る押罫部材の罫入ユニットへの適用例を示す装置概略側面図 段ボール箱形成用のブランクを示す図 従来の一般的な押罫部材を示す斜視図 特許文献1に記載の押罫部材の押罫部の断面輪郭を示す図 特許文献2に記載の押罫部材の押罫部を模式的に示す平面図
以下、この発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1に示すように、この発明に係る押罫部材10を使用するプラテンダイカッタは、波形状の中芯紙Sを一層とする両面の段ボールシートAを支持するステンレス製のカッティングプレート1と、その上方に対向する罫入れ型2とが接離するものである。罫入れ型2は、木製の合板から成る基盤3にレーザー加工等によって溝状のスリット4を形成し、このスリット4に段ボール箱のブランクの輪郭を打ち抜く切刃(図示省略)と共に、押罫部材10を圧入したものとなっている。この押罫部材10により、図8に示すように、段目Wに並行する方向の縦罫線Lや、段目Wに直交する方向の横罫線L等の罫線Lを段ボールシートAに形成することになる。なお、上述のように、波形状の中芯紙Sには種々の寸法のものがあり、また、波形状は、その頂部と底部との間の側面が緩やかな傾斜のものもあれば、急な傾斜のものもあり、様々な形状がある。
押罫部材10は、上下方向の高さ寸法が20数mm程度、幅方向の寸法である両側面間の厚さが0.5mm〜10mmとされ、長さが適宜寸法とされた金属製の帯板材を素材としており、その帯板材の上下方向の一端部が押罫部11とされている。そして、多様な段ボールシートAの性状に応じて、適宜寸法に製作された押罫部材10が使用される。
図3及び図4に押罫部11が上方へ向いた状態で示すように、この発明の第1実施形態である押罫部材10の押罫部11の表面には、段ボールシートAへの押圧方向へ向けて両側の相反する方向に傾斜した傾斜面によって先細状に突出する状態で、2本の頂部凸条12が押罫部11の幅方向中央寄りに並んで長さ方向に延びるように形成され、その両側に複数本の側部凸条13が先細状になるように相反する方向に傾斜した両側の傾斜面を備えて、押罫部11の幅方向に並んで長さ方向に延びるように形成されている。そして、これらの頂部凸条12及び側部凸条13のそれぞれの間に、相反する方向に傾斜した両側の傾斜面によって押罫部材10の高さ方向に窪んだ凹溝14が形成されている。
このような構成により、縦罫線L(図8参照)を形成する際には、頂部凸条12と側部凸条13が中芯紙Sの波形状の傾斜した側面を横切るように並んだ配置となる。
2本の頂部凸条12は、図4に示すように、その頂部が同じ高さとなるように、両側の側部凸条13の頂部よりも、押罫部材10の高さ方向、すなわち段ボールシートAへの押圧方向へ最も突出し、後述の罫入れ加工時に、頂部凸条12の頂部が段ボールシートAに最初に当接するようになっている。このように、押罫部11は全体として、頂部凸条12及び側部凸条13の頂部が山形状の凸形をなすように配置された形状とされている。
両側の側部凸条13は、その頂部が段ボールシートAへの押圧方向とは逆方向(図4に示す方向では下方)へ向かって押罫部材10の側面方向である外側へ傾斜した勾配を有する円弧状の仮想線Cに内側から接するように放射状に配置されている。そして、両側の側部凸条13の頂部は、外側へ向かうに従って漸次低くなっている。
2本の頂部凸条12の間の凹溝14は、溝底部を結ぶ仮想線Cの中間部分に接し、頂部凸条12と側部凸条13の間の凹溝14と、側部凸条13同士の間の凹溝14の底部とは、中間部分に連続する仮想線Cの円弧状部分に外側から接している。
頂部凸条12のその両側の凹溝14に対する突出量αは、側部凸条13の側方の凹溝14の底部からの突出量βよりも大きくなっている。
なお、側部凸条13の突出量βは、0.05mm〜1.0mmの範囲が好ましく、突出量αは、突出量βよりも大きければよい。突出量α、βの実際の寸法は、段ボールシートAの性状、押罫部材10の幅寸法や形状によって適宜決めればよい。
また、この突出量α、βは、頂部凸条12と側部凸条13の頂部が押罫部11の全体として山形状をなすような範囲で決めればよい。
また、2本の頂部凸条12の間の凹溝14は、後述の罫入れ加工時に、段ボールシートAがその底部まで入り込む必要もないので、頂部凸条12と側部凸条13の間の凹溝14や側部凸条13同士の間の凹溝14よりも浅くても問題ない。
そのほか、全ての頂部凸条12の突出量αやこれらの間の凹溝14の深さ、及び全ての側部凸条13の突出量βやこれらの間の凹溝14の深さは、それぞれ同一に揃えるのが好ましいが、厳密に揃える必要はなく、例えば、±0.5mm程度のずれは実質的に同一であると見なすことができるので、作用効果上の問題はない。このため、製造に際し、過剰な高精度を追求する必要がなく、コストを抑制することができる。
また、押罫部11が全体として山形状の凸形をなすのであれば、両側のそれぞれの仮想線C,Cは、図4に示す方向において、押罫部11の外側に至るに従って漸次低くなるものであればよく、上述した円弧状のほか、例えば、曲率が変化するような曲線や、直線状であってもよい。
そして、頂部凸条12及び側部凸条13の各頂部は、段ボールシートAに罫線Lを入れる際に、段ボールシートAの破損を防止するため、それぞれ丸味を有するように面取りされ、それらの間の凹溝14の底部も丸味を有する形状とされている。また、頂部凸条12及び側部凸条13の側面は、それらの頂部から凹溝14の底部へ続く傾斜面とされ、押罫部11の表面は滑らかな形状となっている。
なお、頂部凸条12、側部凸条13の頂部及び凹溝14の底部の形状は、多角形状であってもよい。また、段ボールシートAへの押圧方向へ最も突出している頂部凸条12は、段ボールシートAを最も強く押圧して破損させやすいので、その頂部を面取りしておくことが好ましいが、側部凸条13は、頂部凸条12ほどは段ボールシートAを強く押し込まないので、必ずしもその頂部を面取りしておく必要はない。
上記のような押罫部材10により、図1に示すようなプラテンダイカッタで段ボールシートAに罫線Lを入れる際には、図1(1A)に示すように、押罫部材10の押罫部11が下向きになるように罫入れ型2をプラテンダイカッタに装着して、罫入れ型2をカッティングプレート1へ接近させる。
この加工において、図1(1B)及び図2に示すように、押罫部11で段ボールシートAを押し込む際、段ボールシートAは、横方向へのずれ動きが確実に防止されるように、最も突出した頂部を有する2本の頂部凸条12により、最初に罫線Lの中央寄りの位置である程度の幅をもって強く押し潰される。この際、段ボールシートAは、2本の頂部凸条12間で相反する方向に傾斜して向かい合う傾斜面に沿って凹溝14に入る。
その後、段ボールシートAは、2本の頂部凸条12のそれぞれの外側の傾斜面に沿って隣り合う側部凸条13との間の凹溝14にスムーズに入り込み、さらにその両側の側部凸条13に順次当接すると共に、各側部凸条13の相反する方向に傾斜する両側の傾斜面に沿いつつ、隣り合う側部凸条13の間の凹溝14にスムーズに入り込んで、押罫部11の表面に波状に沿う。
これにより、段ボールシートAが厚く中芯紙の波形のピッチが大きい場合や、紙質が硬く剛性が高い場合であっても、また、波状の中芯紙Sを3層とする複々両面段ボールシートのように相当厚いものである場合であっても、罫入れ加工時における段ボールシートAの横方向へのずれ動きが確実に防止されて、正確な位置で幅方向の中央部が最も強く押し潰され、その両側の部分が漸次弱く押し潰された鮮明な縦罫線Lや横罫線L(図8参照)等の罫線Lが形成され、例え、罫線を深く入れたとしても、段ボールシートAが破れることもない。仮に、このような条件の段ボールシートAを頂部凸条12が1本の押罫部材10で押圧すると、段ボールシートAが破れてしまう恐れがある。
特に、縦罫線Lを形成する際に、2本の頂部凸条12及び複数本の側部凸条13が中芯紙Sの段形状の側面を横切る方向に並んで配置されているので、中芯紙Sの段形状の側面が急勾配で傾斜していても、いずれかの頂部凸条12及び側部凸条13が中芯紙Sの段形状の側面を強く押圧することになり、中芯紙Sの波形部が十分に押し潰される。
このように、段ボールシートAを、材料の紙質の強弱や中芯紙Sの波形の高さやピッチに関わらず、また両面段ボールシート、複両面段ボールシート又は複々両面段ボールシートといった構造や紙質の強弱に関らず、さらに、形成する罫線Lが縦罫線Lであるか横罫線L(図8参照)であるかに関らず、表面に過剰な張力を作用させることなく十分に押し潰して、正確な位置に鮮明な罫線Lを入れることができる。
そして、段ボールシートAが罫線Lの幅方向の中央部で正確かつ容易に直線状に折り曲げられるようになり、製造される段ボール箱の不良率を低減することができる。
なお、頂部凸条12の本数が多すぎると、罫線Lの折り曲げの中心部が太くなってぼけてしまい、却って正確な位置での折り曲げができなくなる恐れがあるので、頂部凸条12の本数は、複数本とする場合でも、2本程度が好ましいが、段ボールシートAが非常に厚いものである場合等においては、3本以上としてもよく、段ボールシートAの性状に応じて、適宜決定すればよい。
また、側部凸条13の本数が多い程、側部凸条13とこれに続く凹溝14による凹凸部への段ボールシートAの接触面積が大きくなるので、段ボールシートAの横ずれをより確実に防止することができるが、側部凸条13の本数が多すぎると、小さな幅寸法の押罫部材10に多数本の側部凸条13を形成することになるから、押罫部材10の製造に手間がかかり、コストが上昇することになる。さらに、段ボールシートAの硬くて強い表面が上記凹凸部に沿い難くなり、正常な形状の罫線が形成されなくなる恐れがある。従って、側部凸条13の本数は、押罫部材10の幅寸法、また段ボールシートAの性状等によって、適宜決めればよい。
また、2本の頂部凸条12は、押罫部材10の高さ方向の中心軸線に平行するように段ボールシートAへの押圧方向へ突出し、側部凸条13は、押罫部材10の高さ方向の中心軸線のある点から段ボールシートAへの押圧方向へ放射状に突出しているが、頂部凸条12と側部凸条13の頂部の高さの関係を上述のように維持しつつ、2本の頂部凸条12を押罫部材10の高さ方向の中心軸線のある点から段ボールシートAへの押圧方向へ放射状に突出させてもよく、側部凸条13を押罫部材10の高さ方向の中心軸線に平行するように段ボールシートAへの押圧方向へ突出させてもよい。
なお、図示のものでは、押罫部11の表面において、幅方向の中央寄り部分に頂部凸条12が位置しているが、罫線の中央の位置で折り曲げる必要のない場合には、頂部凸条12は、所定の折曲位置に対応させて左右いずれかの方向へずれていてもよく、頂部凸条12を挟んだ左右が非対称の幅となっていてもよい。
また、頂部凸条12を挟んだ側部凸条13の本数が揃っているものを例示しているが、頂部凸条12及び側部凸条13の頂部が押罫部11の全体として山形状の凸形をなすような配置となっておれば、左右の側部凸条13の本数がそれぞれ異なっていてもよい。
特に、段ボールシートAの折り曲げに際し、罫線Lの一側部を固定し、他側部を揺動させる場合や、両端部を異なる折曲速度で折り曲げる場合には、段ボールシートAが罫線Lに沿って均等に折れ曲がるように、左右の側部凸条13の本数を変えておくとよい。
また、押罫部11の表面には、2本の並行する頂部凸条12の両側に、階段状の段部を設けて、各段部の表面に複数本の側部凸条13をそれぞれ並んで形成し、頂部凸条12及び側部凸条13のそれぞれの間に凹溝14を形成して、押罫部11の全体として山形状の凸形をなすようにしてもよい。
また、2本の並行する頂部凸条12の両側に、複数本の側部凸条13の頂部が水平状に並んだ平坦配置部を形成し、その外側に側部凸条13の頂部が段ボールシートへの押圧方向とは逆方向へ傾斜した仮想線に接するように配置された傾斜配置部を形成し、頂部凸条12及び側部凸条13のそれぞれの間に凹溝14を形成して、押罫部11の全体として山形状の凸形をなすようにしてもよい。
さらに、上記第1実施形態を基本とした図5に示す第2実施形態のように、押罫部11は、2本の頂部凸条12の両側のそれぞれに、頂部凸条12に交差する方向に延びる複数の交差溝15が押罫部11の長さ方向に間隔をあけて設けられ、交差溝15により頂部凸条12の両側の側部凸条13が分断された形状となるようにしてもよい。
このような交差溝15を設けておくと、段ボールシートAを押圧する際、段ボールシートAの表面が交差溝15へ入り込むために、押罫部11と段ボールシートAの接触面が大きくなって、押罫部材10の長さ方向への段ボールシートAのずれ動きが防止されると共に、段ボールシートAの表面が頂部凸条12に接近する方向へ寄せられて、2本の頂部凸条12により強く押し潰される。
このため、段ボールシートAを折り曲げて段ボール箱を製造する場合、罫線Lにおける折曲位置の精度がさらに向上し、製造時の不良発生率を著しく低減することができる。また、短い交差溝15によって、側部凸条13の少なくとも1本を分断するようにしても、同様の作用効果が得られる。
なお、押罫部11の2本の頂部凸条12を挟んだ両側の交差溝15は、頂部凸条12の長さ方向における位置が揃っている必要はなく、千鳥状にずれていてもよい。また、交差溝15が頂部凸条12に対して傾斜したものを例示しているが、交差溝15は、頂部凸条12に対して直交する方向に延びるものであってもよい。
ところで、上記各実施形態では、プラテンダイカッタに装着される罫入れ型の押罫部材10について例示したが、上記各実施形態のような押罫部11は、図6に示すように、ロータリーダイカッタに装着される罫入れ型の幅が大きくてロール状の押罫部材10に適用してもよい。
ロータリーダイカッタは、アンビルロール20に対向配置されたダイロール21の外周に沿って半円弧状で幅の大きい罫入れ型22を装着し、罫入れ型22の円弧状に湾曲した木製の幅広の基盤23に切刃24と上記各実施形態と同様の幅寸法(0.5mm〜10mm)を有する所定長さの円弧状の押罫部材10とを固設しておき、アンビルロール20とダイロール21の間に段ボールシートAを送り込んで切刃24により所定形状に打ち抜くと共に、押罫部材10の押罫部11により段ボールシートAに罫入加工を施すものである。
また、例えば、フォルダグルアに使用される図7に示すような罫入ユニットの罫入ロールを、上記各実施形態のような幅寸法(0.5mm〜10mm)を有する押罫部11を備えた押罫部材10としてもよい。
この罫入ユニットは、段ボールシートAを矢印方向に送る上下一対の搬送ローラ30の下流側に、互いに逆方向に回転する一対の回転軸31、32を上下に配置し、上側の回転軸31に幅の小さい罫入ロールとして押罫部材10を取り付け、下側の回転軸32に凹凸のない滑らかな表面を有する受ロール33を取り付け、押罫部材10と受ロール33の間に送り込まれた段ボールシートAに罫入加工を施すものである。
このように、段ボールシートAを送りつつ、回転に伴い段ボールシートAに罫入加工を施す押罫部材10においても、押罫部11を上記各実施形態のような形状とすることにより、正確な位置に鮮明な罫線を入れることができ、製造される段ボール箱の不良率を低減することができる。
A 段ボールシート
ブランク
L 罫線
縦罫線
横罫線
S 中芯紙
W 段目
1 カッティングプレート
2 罫入れ型
3 基盤
4 スリット
10 押罫部材
11 押罫部
12 頂部凸条
13 側部凸条
14 凹溝
15 交差溝
20 アンビルロール
21 ダイロール
22 罫入れ型
23 基盤
24 切刃
30 搬送ローラ
31,32 回転軸
33 受ロール

Claims (1)

  1. 幅寸法が0.5mm〜10mmである1本の金属製帯板材のみから成り、
    段ボールシートに押圧により折曲用の罫線を入れる押罫部(11)の表面に、頂部凸条(12)及びその両側に並行する複数本の側部凸条(13)が押罫部(11)の幅方向に並んで長さ方向に延びるように延長方向が互いに交わることなく形成されると共に、これらの間に段ボールシートへの押圧方向である高さ方向に窪んだ凹溝(14)が形成され、
    前記頂部凸条(12)の頂部がその両側の側部凸条(13)の頂部に比較して段ボールシートへの押圧方向に最も突出して、前記頂部凸条(12)と側部凸条(13)の頂部が全体として山形状の凸形を形成する押罫部材(10)において、
    前記頂部凸条(12)は、その両側の側部凸条(13)の間に挟まれ、前記押罫部(11)の幅方向中央寄りに2本以上並んで長さ方向に延びるように延長方向が互いに交わることなく形成され
    最初に、前記頂部凸条(12)が罫線の中央寄りに幅をもってずれや破れを生じさせないように段ボールシートを強く押し潰し、次に、前記頂部凸条(12)に続き前記側部凸条(13)が段ボールシートを漸次弱く押し潰すようにしていることを特徴とする押罫部材。
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