JP6495851B2 - エレベーターの乗り心地診断装置及びエレベーターの乗り心地診断方法 - Google Patents

エレベーターの乗り心地診断装置及びエレベーターの乗り心地診断方法 Download PDF

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Description

本発明は、エレベーターの乗り心地診断装置及びエレベーターの乗り心地診断方法に関する。
一般に、エレベーターの乗り心地が悪いと利用客に不快感や不安感を与えることがあるため、エレベーターを乗り心地良く運行させることは重要な条件である。例えば、エレベーター走行時の起動端においては、飛び出し走行や反転走行が発生しないよう、起動時の加速度を0から所定の加速度まで滑らかに増加させるようにエレベーターの調整を行う必要がある。また、走行全般においては、ロープ、レールガイド装置等の部品の劣化や故障に伴う振動は、早期に発見して改善する必要がある。
このような乗り心地異常を検出するためには、保守員などの専門技術者が現地のエレベーターに乗って体感的に異常を感じるか、または正確な振動を測定するために加速度センサを用いて、振動発生箇所を確認する必要があった。このように、乗り心地異常を技術者が発見する方法では、異常を検出できるのは定期点検の時などに限られており、先に利用者からクレームが発生する可能性が考えられる。また、加速度を計測するためには加速度センサ等の計測器が必要であり、計測器の準備や計測操作に手間が掛かるといった問題があった。
このため、エレベーター制御装置に、エレベーターの走行状態の異常を診断する装置を取付け、その装置での診断結果を監視装置に通知することが提案されている。
すなわち、エレベーターの走行状態の異常を診断する装置として、予め記憶した正常時の速度パターンと、実際の運転時の速度パターンとを比較して、その比較結果に基づいて、乗り心地が正常か否かを診断する。そして、診断結果で異常を検知したとき、エレベーターの監視装置に対して異常を通知するものである。
特許文献1には、このような走行状態の異常を診断する装置の一例についての記載がある。
特開平7−228444号公報
特許文献1に示す従来の乗り心地診断技術においては、エレベーター据付時や検査時の基準パターンと、通常運転時の通常パターンでの速度を比較するものであり、基準パターンと一致した同一パターンでの走行においてのみ診断可能であった。つまり、基準パターン時と異なる階床間運転の場合等、走行距離や走行時間の異なるパターンでは診断できないという問題があった。
近年、かご内積載負荷による釣り合い錘とのバランスに応じて、個々の走行毎にトップスピードや加速、減速時間を切り換えることのできる可変速制御エレベーターが開発されている。このような可変速制御エレベーターの場合にも、走行パターンが多数存在し、基準パターンが1種類だけでは、診断ができない。
また、上述した基準パターンを用いずに、リアルタイムでの速度指令値と実速度とを比較して診断することも考えられるが、実速度は速度指令値に対して応答遅れが生じるため、精度の良い診断ができないという問題があった。すなわち、一般的なエレベーターにおいては、速度指令に対して実速度が追いつくまでには数百ms程度の時間遅れがあるため、リアルタイムでの速度指令と実速度には、数m/minから10m/min程度の差が生じる。よって、実速度から判定するためには、速度指令と実速度との差があることを考慮して、異常判定閾値を大きくせざるを得ないのが現状であり、故障の兆候を事前には検出することは困難であった。
本発明の目的は、上記問題に鑑み、エレベーターの如何なるパターンの走行速度や階床間運転においても乗り心地診断を可能とし、速度指令と実速度とに乖離がないかを精度よく検出することが可能な乗り心地診断装置及び乗り心地診断方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、エレベーター走行時の速度指令と実速度とを記録する速度指令・実速度記録部と、エレベーター走行時の速度指令と実速度とに基づいて、速度指令に対する実速度の応答遅れ時間を計測して、当該応答遅れ時間に応じて速度指令及び実速度記録部に記録された実速度を時間補正実速度に補正する速度応答遅れ時間算出・補正部と、速度指令と時間補正実速度に所定の乖離が生じた場合、異常を検出したことを報知するための信号を出力する異常振動検出報知部とを備えたものである。
本発明によれば、エレベーターの如何なるパターンの走行速度や階床間運転においても、運転毎の乗り心地の診断ができると共に、高い精度で速度指令と実速度とに乖離がないかを検出することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の一実施の形態例を示すエレベーターの乗り心地診断装置の構成図である。 本発明の一実施の形態例による速度指令データ・実速度データ記録部のデータ配列例を示す説明図である。 エレベーター走行時の速度指令と実速度の一例を示す速度遷移図である。 図3に示す速度遷移状態から、実速度に対する応答時間遅れ時間を補正した後の速度遷移図である。 本発明の一実施の形態例による乗り心地診断の流れを示すフローチャートである。 実速度に異常があった場合の例の速度遷移図である。
以下、本発明の一実施の形態例(以下、「本例」と称する。)を、図1〜図6を参照して説明する。
[1.システム全体の構成例]
図1は、本例のエレベーターの乗り心地診断装置が取り付けられたエレベーター全体の構成を示す。
エレベーターのかご1は、ワイヤーロープ2を介して釣り合い錘であるカウンタウェート3に接続される。電動巻上機4は、ワイヤーロープ2の巻上動作を行う。この電動巻上機4によるワイヤーロープ2の巻上動作で、かご1が昇降する。電動巻上機4には、エレベーターの速度検出器としてのロータリーエンコーダー5が取付けられる。ロータリーエンコーダー5は、電動巻上機4の回転量に比例してパルスを発生する。
電動巻上機4は、制御装置10内のモーター制御部12からの指令で、ワイヤーロープ2の巻上動作を行う。モーター制御部12は、速度指令部11からの指令に従って、電動巻上機4の周波数制御を行い、エレベーターのかご1を走行させる。速度指令部11は、不図示のエレベーターホールやかご1内のボタンなどの操作に基づいて、かご1を指示された階に移動させるための速度指令データをモーター制御部12に供給する。
また、本例の制御装置10は、上述した速度指令部11、モーター制御部12の他に、実速度検出部13、速度指令及び実速度記録部14、速度応答遅れ時間算出・補正部15、及び異常振動検出報知部16を備える。これらの各部は、エレベーターの乗り心地診断装置として機能する。
実速度検出部13は、ロータリーエンコーダー5が出力するパルスをカウントして、エレベーター走行時の実速度を検出する。実速度検出部13が検出した実速度データは、速度指令及び実速度記録部14に供給されると共に、速度応答遅れ時間算出・補正部15に供給される。
また、速度指令部11からの速度指令データが、速度指令及び実速度記録部14と速度応答遅れ時間算出・補正部15とに供給される。
速度指令及び実速度記録部14には、実速度検出部13から供給される実速度データと速度指令部11から供給される速度指令データが、かご1の走行開始前から走行停止まで系列データとして記録される。
速度応答遅れ時間算出・補正部15は、実速度検出部13から供給される実速度データと、速度指令部11から供給される速度指令データとを監視する。そして、速度応答遅れ時間算出・補正部15は、速度指令に対する実速度の応答遅れ時間を計測し、計測した応答遅れ時間に基づき、速度指令及び実速度記録部14に記録された実速度データを補正する。
したがって、速度指令及び実速度記録部14は、応答遅れが補正された実速度データを持つことになる。なお、速度応答遅れ時間算出・補正部15が応答遅れ時間を計測して、実速度データを補正する具体的な例については後述する。
異常振動検出報知部16は、速度指令及び実速度記録部14に記録された速度指令データと実速度データを読み出し、速度指令データで指示された指令速度と、実速度データで示された実速度とを比較し、両速度の差速度を得る。ここで比較する実速度データは、速度応答遅れ時間算出・補正部15で補正された実速度データである。
そして、異常振動検出報知部16は、指令速度と実速度との差速度が、予め設定された判定しきい値を超えるか否かを判断し、判定しきい値を越えている場合に、異常であると検知し、これを報知する。
すなわち、異常振動検出報知部16は、異常を検知した場合に、外部の監視センター18に回線17を介して速度異常を報知する。回線17としては、例えば電話またはインターネットが使用される。なお、外部の監視センター18に報知すると同時に、制御装置10の制御状況記録部(不図示)に、異常の発生を記録するようにしてもよい。
[2.実速度の応答遅れ補正処理の実行例]
次に、速度応答遅れ時間算出・補正部15が実速度の補正処理を実行する例について説明する。
図2は、速度指令部11が出力する速度指令と、実速度検出部13が検出する実速度と、速度応答遅れ時間算出・補正部15が補正した実速度との変化を示す。この図2に示す各データは、速度指令及び実速度記録部14に記録される。
図2は、0.01秒ごとに各データをサンプリングして、速度指令及び実速度記録部14がデータを記録する例を示す。走行モードとしては、 “00”[停止]、“01”[加速]、“02”[定常走行]、及び“03”[減速]の4つのモードがある。
“01”[加速]の場合には、速度指令部11はほぼ一定状態で加速する速度を指示する。“02”[定常走行]の場合には、速度指令部11は同じ速度(ここでは47.00[m/min])を指示する。“03”[減速]の場合には、速度指令部11はほぼ一定状態で減速する速度を指示する。但し、停止から加速、加速から定常走行、定常走行から減速、及び減速から停止の各モードの移行時には、かご1の速度の変化が滑らかになるように、速度指令部11は徐々に速度を変える指示を行う。
図2では、速度指令部11が出力する速度指令をVとし、各サンプリング時間で検出される実速度Vと、応答遅れを補正した実速度Vhとを示す。図2に示すように、“01”[加速]の場合には、応答遅れにより速度指令Vを出したタイミングで、それより遅い実速度Vが検出される。例えば、サンプリング時間3.00[s]のとき、速度指令Vが22.35[m/min]であり、そのときに検出される実速度Vは、16.36[m/min]になる。ここで、速度応答遅れ時間算出・補正部15は、応答の遅れを考慮して、22.35[m/min]の速度指令Vが反映されるそれよりも所定時間後の実速度から、22.36[m/min]に補正される。
このように、それぞれのサンプリング時間での実速度Vが、それよりも所定時間後に補正された実速度データVhに補正される。
図3は、速度指令部11が出力する速度指令V(破線)と、実速度検出部13が検出する実速度V(実線)との関係を示す。図3の縦軸は速度[m/min]、横軸は時間[s]を示す。図3に示すように、かご1は、出発階に停止した状態(速度0)から一定速度(47.00[m/min])まで加速し、その後、一定速度で走行し、さらに停止階に近づくことで減速して、停止階に止まる。
図3から判るように、加速時と減速時のいずれの場合でも、破線で示す速度指令Vから遅れて、実線の実速度Vが変化している。
例えば、図3に示すように、あるタイミングでの速度指令値Va,Vb,Vc
に対して、それぞれの速度が実速度として検出されるまでの速度応答遅れ時間Ta,Tb,Tcが生じる。具体的には、速度応答遅れ時間Taは、速度指令Vaが発せられてから実速度Vが速度指令Vaと等しくなるまでの時間である。同様に、速度応答遅れ時間Tbは速度指令Vbが発せられてから実速度Vが速度指令Vbと等しくなるまでの時間を示す。また、速度応答遅れ時間Tcは速度指令Vcが発せられてから実速度Vが速度指令Vcに等しくなるまでの時間を示している。
本例の速度応答遅れ時間算出・補正部15は、加速中又は減速中の速度応答遅れ時間Ta,Tb,Tcの平均時間を算出して、その算出した平均値を応答遅れ時間Tとする。そして、算出した応答遅れ時間Tだけ後の実速度Vを、応答遅れ補正実速度データVhとする。
図4は、図3に示す制御状態の応答遅れを補正した例であり、応答遅れ補正実速度データVh(実線)と、速度指令V(破線)との関係を示したものである。
図4から判るように、応答遅れがない状態で、速度指令V(破線)と応答遅れ補正実速度データVh(実線)とを比較することで、本来の速度誤差が判るようになる。
そして、図4に示す速度上限判定値V及び速度下限判定値Vは、異常振動検出報知部16が異常を判断する際のしきい値を示す。すなわち、速度指令Vの値に対して一定の速度だけ上及び下の値が、速度上限判定値V及び速度下限判定値Vになる。この速度上限判定値Vよりも速い速度、又は速度下限判定値Vよりも遅い速度が検出されたとき、異常振動検出報知部16は異常を検知する。
[3.乗り心地の診断処理の実行手順の例]
図5は、本例の乗り心地診断装置として機能する制御装置10が乗り心地診断を行う実行手順の例を示すフローチャートである。
まず、制御装置10の速度指令及び実速度記録部14は、かご1の走行開始の所定時間前(停止中)から、速度指令部11からの速度指令Vと、実速度検出部13からの実速度Vとを所定のサンプリング時間毎に記録する(ステップS1)。そして、記録を開始した後、制御装置10は、エレベーターのかご1が走行を開始したか否かを判断し(ステップS2)、走行開始を検出するまで、ステップS1での走行開始前の記録を継続して行う。
ステップS2でかご1が走行を開始したと判断された場合には、制御装置10は、ステップS3の計測処理に移る。すなわち、制御装置10は、図3に示すように、かご1が加速中の所定の3つの速度指令値Va,Vb,Vcに、実速度Vが追従するまでの速度応答遅れ時間Ta,Tb,Tcを計測する。3つの速度指令値Va,Vb,Vcは、加速中又は減速中の値である。そして、計測を開始した後、制御装置10は、かご1が停止したか否かを判断し(ステップS4)、停止を検出するまで、ステップS3での速度指令及び実速度記録処理を継続して行う。
ステップS4でかご1が停止したと判断された場合には、制御装置10は、速度指令データVと実速度データVの記録を停止する(ステップS5)。そして、記録が停止した後、制御装置10の速度指令及び実速度記録部14は、実速度データの時間軸の補正処理を行う。すなわち、速度指令及び実速度記録部14は、ステップS6で、ステップS4で得た速度応答遅れ時間Ta,Tb,Tcの平均値を算出し、算出した平均値を応答遅れ時間Tとする。そして、速度指令及び実速度記録部14は、算出した応答遅れ時間Tを用いて記録済の実速度データVの時間軸を補正し、速度指令Vに同期させた応答遅れ補正実速度データVhを得、得られた補正実速度データVhを記録する(ステップS7)。
次に、異常振動検出報知部16が、速度指令及び実速度記録部14に記録されたデータから異常振動の検出処理を行う。すなわち、異常振動検出報知部16は、速度指令及び実速度記録部14に記録された時間補正実速度データVhと、速度指令データVを基に予め設定された所定の速度上限判定値Vとを比較する。この比較結果に基づいて、異常振動検出報知部16は、時間補正実速度データVhが速度上限判定値Vを越えているか否かを判断する(ステップS8)。さらに、ステップS8で時間補正実速度データVhが速度上限判定値Vを超えていないと判断した場合には、異常振動検出報知部16は、時間補正実速度データVhが速度下限判定値Vを超えている否かを判断する(ステップS9)。ここで、時間補正実速度データVhが速度下限判定値Vを超えているとは、速度値が速度下限判定値Vを下回っていることを意味する。
ステップS9の判断で、時間補正実速度データVhが所定の速度下限判定値Vを超えて(下回って)いなければ、異常振動検出報知部16は異常を検知せず、エレベーター乗り心地診断の一連の処理を終了する。
ステップS8で時間補正実速度データVhが速度上限判定値Vを超えていた場合、及びステップS9で時間補正実速度データVhが速度下限判定値Vを下回っていた場合には、異常振動検出報知部16は、ステップS10の異常振動検出報知処理に移る。
ステップS10では、異常振動検出報知部16は、エレベーターの乗り心地に異常があると判断し、回線17を介して接続された監視センター18に異常を報知する。
乗り心地異常の報知を受信した監視センター18は、例えば該当するエレベーターの運転状況の監視画面に、乗り心地異常を表示させる(ステップS11)。この表示を確認した監視作業者は、該当するエレベーターに技術者を出動させ、技術者がエレベーターの駆動機構の調整や部品の交換などの作業を行って、乗り心地を改善する。なお、ステップS10で異常を報知する場合には、単に乗り心地異常を示すデータを伝送するだけでもよいが、速度指令及び実速度記録部14が記録した詳細なデータを監視センター18に伝送して、監視センター18で異常の状態が判るようにしてもよい。
以上説明したように、図5のフローチャートに示す手順で乗り心地診断を行うことで、速度指令と実速度とに乖離がないかを精度よく検出でき、高精度なエレベーターの乗り心地診断装置が得られる。
すなわち、本例の場合、速度指令Vと比較する対象が、実速度Vではなく応答遅れ補正実速度データVhであるため、精度の高い診断を行うことができる。例えば図4に示す速度上限判定値V及び速度下限判定値Vとして、速度指令Vとの差を小さく設定して、エレベーター駆動機構のわずかな不具合による乗り心地の悪化を検知できるようになる。
図6は、時間補正実速度データに異常があった場合の一例を示す。図6では、異常が発生した時間補正実速度データVh′を実線で示し、速度指令Vを破線で示している。
図6に示す時間補正実速度データVh′は、加速モードから定常走行モードに移行する際に、上限判定値Vを超えた場合を示している。このように時間補正実速度データVh′が上限判定値Vを超えたとき乗り心地異常が検知されるわけであるが、上限判定値Vと速度指令Vとの差を小さく制御することができるので、わずかな差による乗り心地異常であっても容易に検知することができるようになる。
また、本例の場合には、図5のフローチャートで説明したように、実際の記録データから応答遅れ時間Tを求めるようにしたため、エレベーターが如何なるパターンの走行速度や階床間運転であっても、運転毎の乗り心地診断が可能になる。したがって、走行パターンが多く存在する場合であっても、それぞれの走行パターン毎に正確な乗り心地診断が行えるようになる。例えば、特定の走行パターンのときだけ乗り心地異常が発生するような場合でも、的確に乗り心地異常を検知することができる。
[4.変形例]
なお、本発明は上述した実施の形態例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上述した実施の形態例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
例えば、上述した実施の形態例では、速度応答遅れ時間Tとして、加速中に速度指令値Va,Vb,Vcに実速度が追従するまでの速度応答遅れ時間Ta,Tb,Tcを計測し、計測した時間Ta,Tb,Tcの平均値を、速度応答遅れ時間Tとした。
これに対して、異常振動検出報知部16は、平均値以外の値から速度応答遅れ時間Tを求めるようにしてもよい。例えば、異常振動検出報知部16は、速度応答遅れ時間Ta,Tb,Tcの中央値を速度応答遅れ時間Tとして算出してもよい。この中央値を速度応答遅れ時間Tとすることで、エレベーター走行時の一時的な振動に伴う異常値や外れ値を除去することができる。また、3カ所の速度応答遅れ時間Ta,Tb,Tcから平均値を得る構成についても一例であり、その他の複数箇所の計測値から速度応答遅れ時間の平均値や中央値を得るようにしてもよい。
さらに、図3の例では、加速モードでの運転時の速度応答遅れ時間Ta,Tb,Tcを計測して、応答遅れ時間Tを得るようにしたが、減速モードでの運転時に応答遅れ時間を計測するようにしてもよい。この場合、加速モードで計測した時間と減速モードで計測した時間の平均又は中央値を得るようにしてもよい。
また、図5のフローチャートに示す手順では、異常振動検出報知部16は、1回のエレベーターの運転毎に、速度応答遅れ時間Tの算出を行い、その算出した速度応答遅れ時間Tで補正するようにした。これに対して、異常振動検出報知部16は、例えば乗り心地検知を行う際の運転パターンが、過去に速度応答遅れ時間Tを算出した運転パターンと同じであるとき、過去に算出した同じ運転パターンの速度応答遅れ時間Tを使用してもよい。
また、上述した実施の形態例では、異常振動検出報知部16は、図4に示すように、速度上限判定値Vや速度下限判定値Vとして、それぞれ速度指令値から一定値だけ離れた1つの閾値を設けるようにした。これに対して、異常振動検出報知部16は、速度上限判定値Vや速度下限判定値Vとして、複数の閾値を設定するようにしてもよい。例えば、第1の閾値と第2の閾値を設定して、第1の閾値を越えた場合には、異常振動検出報知部16は、乗り心地の悪化の兆候があると監視センターに報知し、第2の閾値を越えた場合に、監視センターが技術者を出動させるようにしてもよい。
また、上述した実施の形態例では、制御装置10の異常振動検出報知部16は、異常を検知したとき、その検知した異常を監視センター18に報知する処理を行うようにした。これに対して、異常振動検出報知部16が異常を検知したとき、その異常を検知したことを、制御装置10内の速度指令及び実速度記録部14が記録するようにしてもよい。さらに、速度指令及び実速度記録部14は、異常振動検出報知部16が異常を検知したときの速度指令データや実速度データを通常のデータの記録領域とは別の領域に移して保存しておき、技術者が保存データを使って異常状態を解析できるようにしてもよい。
また、エレベーターの乗り心地診断装置を構成する制御装置10の各部又は全部は、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。あるいは、制御装置10の各部又は全部は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
また、図1に示す制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
1…かご、2…ワイヤーロープ、3…カウンタウェート、4…電動巻上機、5…ロータリーエンコーダー、10…制御装置、11…速度指令部、12…モーター制御部、13…実速度検出部、14…速度指令及び実速度記録部、15…速度応答遅れ時間算出・補正部、16…異常振動検出報知部、17…回線(電話回線またはインターネット回線)、18…監視センター

Claims (5)

  1. 所定の速度指令により速度制御を行う速度指令部と、巻上機に備えられるロータリーエンコーダーからの信号を基に実速度を検出する実速度検出部とを備えたエレベーターの乗り心地診断装置であって、
    エレベーター走行時の前記速度指令と前記実速度とを記録する速度指令及び実速度記録部と、
    前記エレベーター走行時の前記速度指令と前記実速度とに基づいて、前記速度指令に対する前記実速度の応答遅れ時間を計測し、当該応答遅れ時間に応じて前記速度指令及び実速度記録部に記録された前記実速度を時間補正実速度に補正する速度応答遅れ時間算出・補正部と、
    前記速度指令と前記時間補正実速度に所定の乖離が生じた場合、異常を検出したことを報知するための信号を出力する異常振動検出報知部と、
    を備えたエレベーターの乗り心地診断装置。
  2. 前記速度応答遅れ時間算出・補正部は、エレベーター加速中もしくは減速中の前記速度指令と前記実速度とを監視することにより、前記速度指令に前記実速度が追従するまでの時間を計測して前記応答遅れ時間を算出する
    請求項1に記載のエレベーターの乗り心地診断装置。
  3. 前記速度応答遅れ時間算出・補正部は、前記速度指令に前記実速度が追従するまでの時間を複数の所定速度毎に計測し、計測した平均値又は中央値を用いて、前記応答遅れ時間を算出する
    請求項1又は2に記載のエレベーターの乗り心地診断装置。
  4. 前記異常振動検出報知部は、前記速度指令に応じて予め設定した所定の上限判定値および下限判定値を用いて、前記時間補正実速度の異常を検出する
    請求項1に記載のエレベーターの乗り心地診断装置。
  5. 所定の速度指令により速度制御を行う速度指令部と、巻上機に備えられるロータリーエンコーダーからの信号を基に実速度を検出する実速度検出部とを備えたエレベーターの乗り心地診断方法であって、
    エレベーター走行時の前記速度指令と前記実速度とを記録する速度指令及び実速度記録処理と、
    エレベーター走行時の前記速度指令と前記実速度とに基づいて、前記速度指令に対する前記実速度の応答遅れ時間を計測して、当該応答遅れ時間に応じて前記実速度記録処理された前記実速度を時間補正実速度に補正する速度応答遅れ時間算出・補正処理と、
    前記速度指令と前記時間補正実速度に所定の乖離が生じた場合、異常を検出して報知する異常振動検出報知処理と、
    を含むエレベーターの乗り心地診断方法。
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