JP6493410B2 - メチオニンの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、2−アミノ−4−(メチルチオ)ブタンニトリルを原料として、一工程にてメチオニンを製造する方法に関する。
メチオニンを製造する方法としては、式(1)で示される2−アミノ−4−(メチルチオ)ブタンニトリルを加水分解して製造する方法が古くから知られている。しかしながら、加水分解条件として強塩基を用いた場合には、反応終了後に中和する段階で炭酸塩や硫酸塩等の無機塩類が生成するため、メチオニンを得るには塩を除去するための精製工程が必要となる。2−アミノ−4−(メチルチオ)ブタンニトリルの加水分解条件として、強塩基を使用しない条件が検討されているが、好収率でメチオニンを得るには2−アミノ−4−(メチルチオ)ブタンニトリルから式(2)で示される2−アミノ−4−(メチルチオ)ブタンニトリル(メチオニンアミド)を得る条件と、メチオニンアミドからメチオニンを得る条件とが異なるため、異なる反応条件で、反応させる必要があり(特許文献1参照)、必ずしも簡便な製造方法ではない。
金属亜鉛または亜鉛の酸化物の存在下に、α−アミノニトリルと水とを反応させてアミノ酸を直接得る方法(特許文献2参照)も知られているが、メチオニンの収率は、必ずしも満足のいくものではない。
Figure 0006493410
特表2003−522815号公報 特開昭54−46717号公報
本発明は、2−アミノ−4−(メチルチオ)ブタンニトリルからメチオニンを好収率で簡便に製造する方法を提供することを課題とする。
本発明者は、鋭意検討した結果、セリウムを含む酸化物触媒の存在下に2−アミノ−4−(メチルチオ)ブタンニトリルを水と接触させることにより、好収率でメチオニンを製造することができることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は、以下の態様を包含する。
1.セリウムを含む酸化物触媒の存在下、2−アミノ−4−(メチルチオ)ブタンニトリルと水とを接触させる工程を包含するメチオニンの製造方法。
2.前記セリウムを含む酸化物触媒が、酸化セリウムおよびセリウムを含む酸化物固溶体からなる群から選ばれる少なくとも1つである前項1に記載の製造方法。
3.前記工程が、0〜300℃で実施される前項1または2のいずれかに記載の製造方法。
4.アンモニアの存在下に、2−アミノ−4−(メチルチオ)ブタンニトリルと水を接触させる前項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
5.前記の2−アミノ−4−(メチルチオ)ブタンニトリルが、2−ヒドロキシ−4−(メチルチオ)ブタンニトリルとアンモニア水とを接触させて製造した2−アミノ−4−(メチルチオ)ブタンニトリルである、前項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
6.前記の2−アミノ−4−(メチルチオ)ブタンニトリルが、3−(メチルチオ)プロピオンアルデヒドと青酸とアンモニア水とを接触させて製造した2−アミノ−4−(メチルチオ)ブタンニトリルである、前項1〜4いずれかに記載の製造方法。
本発明の製造方法によって、2−アミノ−4−(メチルチオ)ブタンニトリルから、メチオニンを、簡便な工程により、好収率で製造することができる。
本発明の製造方法では、セリウムを含む酸化物触媒の存在下、2−アミノ−4−(メチルチオ)ブタンニトリルと水とを接触させることにより、メチオニンを製造することができる。
セリウムを含む酸化物触媒としては、セリウム(Ce)を含む酸化物、さらに、セリウムを含む複合酸化物およびセリウムを含む酸化物固溶体が例示される。
セリウム(Ce)を含む酸化物としては、例えば、酸化セリウムが例示される。酸化セリウムとして、例えば、酸化セリウム(III)(Ce)、酸化セリウム(IV)(CeO)、これらの混合物あるいは、これらの混相を有する酸化セリウム化合物が例示される。これらのうち、酸化セリウム(IV)CeOが好ましい。
セリウムを含む酸化物固溶体として、CeO−ZrO(セリア−ジルコニア)、CeO−Y、CeO−La等が挙げられ、酸化セリウムと固容する成分に限定はなく、また、3種以上の金属を含んでいてもよいが、これらのうちセリア−ジルコニアが最も好ましい。
セリウムを含む酸化物としては、酸化セリウム、およびセリウムを含む酸化物固溶体が好ましく、酸化セリウムがより好ましい。
セリウムを含む酸化物触媒中、セリウムの含有量は、酸化セリウム(CeO)として5〜100重量%が好ましく、30〜100重量%がより好ましく、70〜100重量%がさらに好ましく、95〜100重量%がさらにより好ましい。
セリウムを含む酸化物触媒を、その他の触媒と混合して使用してもよい。その他の触媒は、特に限定されないが、例えば、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタンなどの酸化物や、ハイドロタルサイト等の粘土鉱物などが例示され、このうち酸化ジルコニウムが好ましい。
セリウムを含む酸化物触媒は、その組成および物性(形状、粒子径など)の異なる2種以上の触媒を併用してもよい。粉末状の触媒の平均粒子径は、好ましくは500nm以下、より好ましくは100nm以下、さらに好ましくは20nm以下である。BET法により測定される触媒の比表面積は、好ましくは10〜2000m/g、より好ましくは50〜1000m/g、さらに好ましくは100〜500m/gである。セリウムを含む酸化物としては、市販品を用いてもよい。例えば、セリウム化合物を含む前駆体を空気などの酸化性ガスの雰囲気化で焼成するなどの方法により調製したものを用いてもよい。ここで、セリウム化合物を含む前駆体としては、セリウム化合物やセリウム化合物を担体に含浸させたものが例示される。セリウム化合物としては、例えば、セリウムのハロゲン化物、無機塩(例えば、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、リン酸塩)、酢酸塩、シュウ酸塩、水酸化物などが例示される。セリウムを含む酸化物触媒は、例えば、セリウムを含む酸化物が担体に担持されたものでもよいし、セリウムを含む酸化物に他の成分を担持したものでもよい。
セリウムを含む酸化物触媒を、例えば、空気等の酸化性ガス、窒素、アルゴン等の不活性ガスや水素等の還元性ガス、二酸化炭素、スチームなどで加熱処理してもよい。処理温度は、特に限定されないが、200〜900℃が好ましく、400〜800℃がより好ましい。
セリウムを含む酸化物およびセリウムを含む酸化物触媒は、ペレット等の成形物に加工したものを使用してもよい。該成形物は、例えば、粉末状のセリウム化合物あるいは同化合物と固体担体との混合物あるいは両者の担持物に水等を加えてペースト状にした後、押出し成形して、得られたペレット状等の成形物を焼成することにより調製できる。
使用される2−アミノ−4−(メチルチオ)ブタンニトリルの製造方法は、必ずしも限定されるものではないが、通常、[A法]2−ヒドロキシ−4−(メチルチオ)ブタンニトリルとアンモニア水とを接触させることにより製造される2−アミノ−4−(メチルチオ)ブタンニトリルを使用するか、[B法]3−(メチルチオ)プロピオンアルデヒドと青酸(シアン化水素)とアンモニア水とを接触させることにより製造される2−アミノ−4−(メチルチオ)ブタンニトリルを使用する。
2−アミノ−4−(メチルチオ)ブタンニトリルと水とを接触させるメチオニンの製造工程においては、2−アミノ−4−(メチルチオ)ブタンニトリル1モルに対して、理論的に必要な水の量は2モルであるが、通常は、理論量より多い過剰量使用する。好ましくは、2−アミノ−4−(メチルチオ)ブタンニトリルが溶解するのに必要な量の水を使用する。具体的には2−アミノ−4−(メチルチオ)ブタンニトリル1重量部に対して、水0.5〜10重量部、より好ましくは、水2〜5重量部である。
前記工程においては、通常、水を溶媒量使用するが、必要であれば、水と混和又は非混和の有機溶媒を使用してもよい。水と混和する溶媒としては、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル溶媒、N−メチルピロリジノン、N−エチルピロリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、アセトン等が挙げられる。
水溶媒中での2−アミノ−4−(メチルチオ)ブタンニトリルの安定性の観点から、2−アミノ−4−(メチルチオ)ブタンニトリルと水とを接触させるメチオニンの製造工程においては、系中にアンモニアを溶解させておくことが好ましい。
セリウムを含む酸化物の使用量は、通常、2−アミノ−4−(メチルチオ)ブタンニトリル1モルに対して、セリウムとして0.0010〜5.0モル、より好ましくは0.010〜3.0モル、さらに好ましくは0.020〜1.50モルである。
2−アミノ−4−(メチルチオ)ブタンニトリルと水とを接触させる工程は、通常、0〜300℃で行うが、40〜150℃が好ましく、50〜110℃がより好ましい。該工程は、加圧下で行なっても良く、その場合の圧力は、絶対圧で、0.1MPa〜2MPaが好ましく、0.2MPa〜0.5MPaの加圧下に反応を行うのがより好ましい。該工程は連続式、半連続式、回分式のいずれで行ってもよい。
反応終了後は、反応マスより触媒をろ別した後、副生したアンモニアを常圧濃縮または減圧濃縮により除去することにより、メチオニン水溶液を得ることができるが、更に濃縮することによりメチオニンの固体を得ることもできる。得られたメチオニンの固体は、再結晶に付すことにより、高純度のメチオニンとして得ることもできる。
反応により活性が低下した触媒は、反応マスから分離し、再生した後、使用してもよい。再生の方法として、洗浄や熱処理の方法をとることができる。洗浄は、例えば、水、酸、アルカリ、有機溶媒等により行うことができる。熱処理は、空気等の酸化性ガス、窒素、アルゴン等の不活性ガス、水素等の還元性ガス、二酸化炭素、またはスチームなどの雰囲気で通常、実施する。熱処理の雰囲気としては、酸化性ガス雰囲気下で実施することが好ましい。熱処理の温度は、200〜800℃が好ましく、300〜600℃がより好ましい。これらの洗浄や熱処理の方法を組み合わせてもよい。
2−アミノ−4−(メチルチオ)ブタンニトリルの製造方法としては、上記したA法およびB法の他、アクロレインと青酸とを接触させ、次いでメチルメルカプタンを反応させることで製造する方法も挙げられる。
次に、A法について、説明する。
2−ヒドロキシ−4−(メチルチオ)ブタンニトリル1モルに対して、アンモニアは、通常、1〜10モルの範囲である。反応温度は、通常、10〜80℃の範囲である。溶媒としては、通常、水を使用し、反応終了後、2−アミノ−4−(メチルチオ)ブタンニトリルは水溶液として得られる。必要ならば、脱アンモニアや部分濃縮を行って2−アミノ−4−(メチルチオ)ブタンニトリルを含有する水溶液を得て、得られたた水溶液を本発明のメチオニン製造方法において、原料として使用することができる。
次に、B法について、説明する。
3−(メチルチオ)プロピオンアルデヒド1モルに対して、青酸は、通常、1〜2モルの範囲、アンモニアは1〜10モルの範囲である。反応温度は、通常、10〜80℃の範囲である。溶媒としては、通常、水を使用し、反応終了後、2−アミノ−4−(メチルチオ)ブタンニトリルは水溶液として得られる。必要ならば、脱アンモニアや部分濃縮をして2−アミノ−4−(メチルチオ)ブタンニトリルを含有する水溶液を得て、得られた水溶液を、本発明のメチオニン製造方法において、原料として使用することができる。
以下、本発明を実施例にてさらに詳しく説明するが、本発明は以下の例のみに限定されるものではない。
実施例1:2−ヒドロキシ−4−(メチルチオ)ブタンニトリルからの2−アミノ−4−(メチルチオ)ブタンニトリルの調製
攪拌機、温度計及び滴下ロートを備えた1Lの三口フラスコに水72.00g(4.00mol)及び28%アンモニア水304.11g(5.00mol)を仕込み、45℃に加温した状態で、滴下漏斗より2−ヒドロキシ−4−(メチルチオ)ブタンニトリル142.52g(1.00mol)を20分かけて滴下した。滴下終了後、45℃で1時間攪拌し、2−アミノ−4−(メチルチオ)ブタンニトリルを反応収率88.0%で得た。得られた2−アミノ−4−(メチルチオ)ブタンニトリル水溶液は精製することなく、次工程の原料として用いた。
メチオニンの製造(CeOの使用量:1.27モル、以下の実施例も含め、CeOの使用量は、2−アミノ−4−(メチルチオ)ブタンニトリル1モル当たりのCeOの使用量を表す。)
熱電対及び攪拌機を備えたタンタル製反応容器に、酸化セリウム15.0g(87.15mmol;和光純薬工業社製)及び前記の方法で得られた2−アミノ−4−(メチルチオ)ブタンニトリル水溶液45.0g(68.69mmol)を加え、100℃で1時間撹拌した。その後、メンブレンフィルターで酸化セリウムを除去し得られた反応液を液体クロマトグラフィーで分析したところ、メチオニンの反応収率は93.2%であった。
実施例2:メチオニンの製造(CeOの使用量:0.58モル)
撹拌機及び温度計を備えた二口フラスコに、酸化セリウム0.7g(4.07mmol;関東化学社製)及び水4.7gを仕込み、実施例1の方法で得られた2−アミノ−4−(メチルチオ)ブタンニトリル水溶液4.7g(7.02mmol)を加え、75℃で2時間撹拌した。その後、メンブレンフィルターで酸化セリウムを除去し得られた反応液を液体クロマトグラフィーで分析したところ、メチオニンの反応収率は95.2%であった。
実施例3:メチオニンの製造(CeOの使用量:2.04モル)
撹拌機及び温度計を備えた二口フラスコに、酸化セリウム5.2g(30.21mmol;和光純薬工業社製)及び水9.6gを仕込み、実施例1の方法で得られた2−アミノ−4−(メチルチオ)ブタンニトリル水溶液9.6g(14.78mmol)を加え、75℃で2時間撹拌した。その後、メンブレンフィルターで酸化セリウムを除去し得られた反応液を液体クロマトグラフィーで分析したところ、メチオニンの反応収率は92.6%であった。
実施例4:メチオニンの製造(回収CeOの使用)
撹拌機及び温度計を備えた二口フラスコに、実施例3で回収した酸化セリウム5.1g(29.63mmol)及び水9.5gを仕込み、実施例1の方法で得られた2−アミノ−4−(メチルチオ)ブタンニトリル水溶液9.5g(14.22mmol)を加え、75℃で2時間撹拌した。その後、メンブレンフィルターで酸化セリウムを除去し得られた反応液を液体クロマトグラフィーで分析したところ、メチオニンの反応収率は97.0%であった。
実施例5:3−(メチルチオ)プロピオンアルデヒドからの2−アミノ−4−(メチルチオ)ブタンニトリルの調製
撹拌機及び温度計を備えた500mLの3口フラスコに、青酸29.71g(1.10mmol)、28%アンモニア水182.46g(3.00mmol)及び3−(メチルチオ)プロピオンアルデヒド104.17g(1.00mol)を仕込み、45℃で1時間撹拌し、314.3gの反応混合物を得た。その後、反応混合物を液体クロマトグラフィーで分析したところ、2−アミノ−4−(メチルチオ)ブタンニトリルの含量は39.6%であった。
脱アンモニアした2−アミノ−4−(メチルチオ)ブタンニトリルの使用
前記の方法で調製した反応混合物20.03gに2時間1.15L/分の窒素をバブリングして、アンモニアを除去した。その結果、アンモニア含量は、8.84%から0.07%に低下し、反応液は16.55gに濃縮され、2−アミノ−4−(メチルチオ)ブタンニトリルの含量は41.8%となった。
撹拌機及び温度計を備えた二口フラスコに、酸化セリウム1.38g(8.02mmol;比表面積159.6m/g、第一稀元素化学工業社製)及び水5gを仕込み、脱アンモニア処理した該2−アミノ−4−(メチルチオ)ブタンニトリル水溶液5g(16.0mmol)を加え、75℃で2時間撹拌した。その後、メンブレンフィルターで酸化セリウムを除去し得られた反応液を液体クロマトグラフィーで分析したところ、メチオニンの反応収率は80.0%であった。
実施例6:メチオニンの製造(酸化セリウム)
撹拌機及び温度計を備えた二口フラスコに、酸化セリウム1.3g(比表面積159.6m/g、第一稀元素化学工業社製)及び水4.1gを仕込み、実施例5の方法で得られた2−アミノ−4−(メチルチオ)ブタンニトリル水溶液4.1g(12.5mmol)を加え、75℃で2時間撹拌した。その後、メンブレンフィルターで酸化セリウムを除去し得られた反応液を液体クロマトグラフィーで分析したところ、メチオニンの反応収率は94.4%であった。
実施例7:メチオニンの製造(セリア‐ジルコニア;78wt%CeO−22wt%ZrO
酸化セリウムに代えて、セリア‐ジルコニア固溶体(78wt%CeO−22wt%ZrO、比表面積72.0m/g、第一稀元素化学工業社製)とし、2−アミノ−4−(メチルチオ)ブタンニトリルを12.7mmolとした以外は、実施例6と同様の反応を行った。メチオニン反応収率は、94.5%であった。
実施例8:メチオニンの製造(セリア‐ジルコニア;40wt%CeO−60wt%ZrO
酸化セリウムに代えて、セリア‐ジルコニア固溶体(40wt%CeO−60wt%ZrO、比表面積54.1m/g、第一稀元素化学工業社製)とし、2−アミノ−4−(メチルチオ)ブタンニトリルを12.6mmolとした以外は、実施例6と同様の反応を行った。メチオニン反応収率は、92.5%であった。
実施例9:メチオニンの製造(酸化セリウム)
酸化セリウム量を0.22g(比表面積159.6m/g、第一稀元素化学工業社製)、2−アミノ−4−(メチルチオ)ブタンニトリルを11.6mmolとした以外は、実施例6と同様の反応を行った。メチオニン反応収率は、60.9%であった。
実施例10:メチオニンの製造(酸化セリウム+酸化ジルコニウム併用)
酸化セリウムに代えて酸化セリウム0.22g(比表面積159.6m/g、第一稀元素化学工業社製)および酸化ジルコニウム0.22g(比表面積97.3m/g、第一稀元素化学工業社製)を併用し、2−アミノ−4−(メチルチオ)ブタンニトリルを12.8mmolとした以外は、実施例6と同様の反応を行った。メチオニン反応収率は、80.0%であった。
実施例11:メチオニンの製造(酸化セリウムと酸化ジルコニウム併用)
酸化セリウムに代えて酸化セリウム0.22g(比表面積159.6m/g、第一稀元素化学工業社製)および酸化ジルコニウム0.66g(比表面積97.3m/g、第一稀元素化学工業社製)を併用し、2−アミノ−4−(メチルチオ)ブタンニトリルを12.8mmolとした以外は、実施例6と同様の反応を行った。メチオニン反応収率は、88.6%であった。
実施例12:メチオニンの製造(空気焼成した酸化セリウムの使用)
酸化セリウム(比表面積159.6m/g、第一稀元素化学工業社製)を、マッフル炉にて、大気中、700℃で、10h保持し、焼成を行った。焼成していない酸化セリウムに代えて、空気焼成した酸化セリウム0.22gを用い、2−アミノ−4−(メチルチオ)ブタンニトリルを13.0mmolとした以外は、実施例6と同様の反応を行った。メチオニン反応収率は、67.7%であった。
実施例13:メチオニンの製造(窒素処理した酸化セリウムの使用)
酸化セリウム(比表面積159.6m/g、第一稀元素化学工業社製)を、管状炉にて、窒素供給下、700℃で、10h保持し、窒素処理を行った。処理していない酸化セリウムに代えて窒素処理した酸化セリウム0.22gを用い、2−アミノ−4−(メチルチオ)ブタンニトリルを13.0mmolとした以外は、実施例6と同様の反応を行った。メチオニン反応収率は、74.1%であった。
比較例:酸化亜鉛との比較
撹拌機及び温度計を備えた二口フラスコに、酸化亜鉛(粒径20nm;関東化学社製)2.0g(24.57mmol)及び水5.0gを仕込み、実施例1で得られた2−アミノ−4−(メチルチオ)ブタンニトリル水溶液5.0g(14.08mmol)を加え、65℃で4時間撹拌した。その後、メンブレンフィルターで酸化亜鉛を除去し得られた反応液を液体クロマトグラフィーで分析したところ、メチオニンの反応収率は17.0%であった。
一方、酸化亜鉛2.0gに代えて、酸化セリウム(粒径15−30nm;関東化学社製)2.0gを使用して、同様に行ったところ、メチオニンの反応収率は82.0%であった。
本発明の製造方法により、2−アミノ−4−(メチルチオ)ブタンニトリルから複雑な工程を経ることなく、メチオニンを好収率で得ることができる。

Claims (5)

  1. 酸化セリウムおよびCeO −ZrO (セリア−ジルコニア)からなる群から選ばれる少なくとも1つの触媒の存在下、2−アミノ−4−(メチルチオ)ブタンニトリルと水とを接触させることを特徴とするメチオニンの製造方法。
  2. 前記工程が、0〜300℃で実施される請求項に記載の製造方法。
  3. アンモニアの存在下に、2−アミノ−4−(メチルチオ)ブタンニトリルと水を接触させる請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記の2−アミノ−4−(メチルチオ)ブタンニトリルが、2−ヒドロキシ−4−(メチルチオ)ブタンニトリルとアンモニア水とを接触させて製造した2−アミノ−4−(メチルチオ)ブタンニトリルである、請求項1〜のいずれかに記載の製造方法。
  5. 前記の2−アミノ−4−(メチルチオ)ブタンニトリルが、3−(メチルチオ)プロピオンアルデヒドと青酸とアンモニア水とを接触させて製造した2−アミノ−4−(メチルチオ)ブタンニトリルである、請求項1〜いずれかに記載の製造方法。
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