JP6492672B2 - 負荷駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、誘導性負荷を駆動する負荷駆動装置に関する。
リニアソレノイドなどの誘導性負荷に流れる電流を電流検出手段によって検出し、その電流量をフィードバックしつつ誘導性負荷の駆動を制御する負荷駆動装置が知られている。ところで、このような負荷駆動装置における故障モードとして、誘導性負荷の上流側の短絡(電源ショート)や下流側の短絡(グランドショート)がある。これらショートの検出には種々の方法が検討されてきた。
特許文献1に記載の電子制御ユニットは、電流検出手段側に流れる電流の低下を検出することでグランドショートを検出しようとするものである。この電子制御ユニットは、負荷の下流側に、電流検出手段と直列にダイオードを設けて抵抗体として作用させるように構成されている。これによれば、負荷を流れる負荷電流が電流検出手段を経由しにくくすることができ、グランドショートによる電流の低下を検出しやすい。
特開2010−208579号公報
しかしながら、抵抗体として用いられるダイオードの抵抗値はダイオード自体のIV特性に依存するため、所望の抵抗値に調整することが容易ではない。また、抵抗値はIV特性の製造ばらつきや温度依存性によるノイズの影響を受ける。このため、短絡による負荷電流の変動がノイズに埋もれてしまい、十分な検出精度が得られない虞がある。
本発明は、上記問題点を鑑みてなされたものであり、より確実にグランドショートの検出が可能な負荷駆動装置を提供することを目的とする。
ここに開示される発明は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。なお、特許請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、発明の技術的範囲を限定するものではない。
上記目的を達成するために、本発明は、電圧源により電圧が供給される誘導性負荷(600)の駆動を制御する負荷駆動装置であって、誘導性負荷のハイサイド側に配置され、電圧源と誘導性負荷との間に介在して、誘導性負荷へ供給する電流を制御するスイッチング素子(10)と、誘導性負荷のローサイド側に配置され、誘導性負荷のローサイド側に流れる電流の電流値を検出する電流検出回路(20)と、を備え、さらに、電流検出回路とグランドとの間に介在する短絡検出抵抗(30)と、短絡検出抵抗と電流検出回路との間の中点から、スイッチング素子と誘導性負荷との間の中点に向かって順方向となる還流ダイオード(40)と、スイッチング素子がオンオフされたときに電流検出回路によって検出される電流値の変化に基づき、誘導性負荷とグランドとの間に抵抗成分を有するハーフショートが発生したことを判定する短絡判定部(60)と、を備え、短絡検出抵抗の抵抗値は、ハーフショート発生時の想定される抵抗成分の抵抗値と同等以上に設定され、それにより、スイッチング素子がオンオフされたときに電流検出回路によって検出される電流値に不連続変化が生じ、その不連続変化する電流値が、ハーフショートの発生時に、グランドショートの発生を判定するための閾値を超えることを特徴としている。
これによれば、ハーフショートの発生時には、スイッチング素子のオンオフの相互切り替えの際に、電流検出回路を流れる電流を不連続に変化させることができる。そして、その変化の大きさを短絡検出抵抗の抵抗値により規定できるので、ハーフショートによる電流の変動を、ノイズに埋もれることなく検出することができる。したがって、より確実にハーフショートの検出が可能である。
第1実施形態に係る負荷駆動装置およびその周辺装置の構成を示すブロック図である。 負荷駆動装置の詳細構成を示す回路図である。 従来構成における負荷電流の挙動を示す図である。 第1実施形態に係る負荷駆動装置における負荷電流の挙動を示す図である。 第2実施形態に係る短絡判定部が実行する判定方法を示す図である。 第3実施形態に係る短絡判定部が実行する判定方法を示す図である。 負荷電流のサンプリングを示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の各図相互において、互いに同一もしくは均等である部分に、同一符号を付与する。
(第1実施形態)
最初に、図1および図2を参照して、本実施形態に係る燃料噴射制御装置の概略構成について説明する。
本実施形態における負荷駆動装置は例えば自動変速機に適用され、ギア比を制御する駆動装置である。図1に示すように、負荷駆動装置100は、変速機200に通信可能に接続されてギア比を自動で制御するようになっている。図1において、負荷駆動装置100はECUと表記している。変速機200は、エンジン300と駆動輪400とを仲介しており、トルクおよび回転数を変換してエンジン300の動力を駆動輪400に伝達する。変速機200はギアトレーン210とトルクコンバータ220とを有している。負荷駆動装置100は、油圧回路500を介して、ギアトレーン210を構成する複数のギア211の噛み合う組み合わせを制御し、ギア比を変更するようになっている。なお、ギア211は図示しないシャフトに固定されており、シャフトは供給されるオイルの油圧によって位置が変位する。ギア211はシャフトの変位に従って位置が変位するようになっている。すなわち、複数のギア211について、それぞれに供給される油圧を個別に制御することによって、ギア比を制御することができる。
油圧回路500は、図1に示すように、シャフトに続く油路510と、油路510に設けられ各シャフトへ供給される油圧を調整する油圧バルブ520と、油圧バルブ520より上流側の油路510の油圧を調整するライン圧バルブ530と、を有している。そして、各バルブ520,530は誘導性負荷としてソレノイド600を有している。ソレノイド600に通電する電流量を変化させることによりソレノイド600まわりに磁場が誘起され、その磁場の量に基づいてシャフトが変位し、ギア211の噛み合わせが変更可能になっている。
本実施形態に係る負荷駆動装置100は、ソレノイド600に流れる電流を制御するものである。この負荷駆動装置100は、図2に示すように、電源電圧を供給する電圧源VBとソレノイド600との間に介在するスイッチング素子10と、ソレノイド600と基準電位となるグランドGNDとの間に介在されソレノイド600に流れる電流を検出する電流検出回路20と、電流検出回路20とグランドGNDとの間に配置された短絡検出抵抗30と、ソレノイド600のローサイド側からハイサイド側に向かって電流を還流する還流ダイオード40と、を備えている。また、負荷駆動装置100は、スイッチング素子10をPWM制御する制御部50と、電流検出回路20により検出された電流値に基づいて所定のフィードバック信号を制御部50に出力する短絡判定部60と、を備えている。
なお、ハイサイド側とはソレノイド600に対して電圧源VB側を指し、ローサイド側とはソレノイド600に対してグランドGND側を指す。
また、図2において破線で示す抵抗成分700は、ソレノイド600とグランドGNDとの間に短絡(グランドショート)が発生した場合に、ソレノイド600とグランドGNDとの間に生じる擬似的な抵抗である。この抵抗成分700は、例えば車両に施された塗料などによって生じる。
以下、負荷駆動装置100の各要素について具体的に説明する。
スイッチング素子10は、本実施形態では例えばMOSトランジスタであり、ゲート端子に制御部50からパルス幅変調信号(以下、PWM信号という)が入力されることによって、PWM制御されたドレイン電流がソレノイド600に流れるようになっている。
電流検出回路20は、シャント抵抗器21と電流検出部22とを有している。電流検出部22は、シャント抵抗器21の両端の電位差とシャント抵抗器21の抵抗値からオームの法則に基づいて電流値を算出できるようになっている。電流検出回路20はソレノイド600に対してローサイド側に接続されており、ソレノイド600に流れる負荷電流はこの電流検出回路20、ひいてはシャント抵抗器21を経由してグランドGNDに流れる。
短絡検出抵抗30は、本実施形態では例えば電流検出回路20と同等の抵抗値が設定された抵抗器であり、電流検出回路20とグランドGNDとの間に挿入されている。すなわち、ソレノイド600に流れる電流は、短絡等の異常が発生していない場合には、電圧源VBからスイッチング素子10を経由してソレノイド600を流れ、その後電流検出回路20と短絡検出抵抗30をこの順で流れてグランドGNDに達する。
還流ダイオード40は、電流検出回路20と短絡検出抵抗30の間の中点から、ソレノイド600とスイッチング素子10との間の中点に向かって順方向に配置されている。仮に還流ダイオード40が配置されていない場合、スイッチング素子10がオンの状態からオフに遷移する場合に、ソレノイド600の自己誘導によってソレノイド600のハイサイド側の電位が過剰に低下してスイッチング素子10の両端に意図しない電圧が印加されることがある。還流ダイオード40はこれを抑制し、スイッチング素子10のターンオフに際してグランドGNDからソレノイド600のハイサイド側へ電荷を供給するようになっている。
制御部50は、スイッチング素子10の制御端子、例えばMOSトランジスタであればゲート端子、にスイッチング素子10のオンオフを制御するPWM信号を出力する。制御部50は、PWM信号のデューティ比を制御することによってスイッチング素子10の出力電流を調整し、ソレノイド600に流れる負荷電流を制御している。
短絡判定部60は制御部50、および電流検出回路20、とくに電流検出部22に接続されている。短絡判定部60は電流検出部22により算出された負荷電流を制御部50に対してフィードバックする。そして、制御部50は、短絡判定部60から入力される負荷電流に関する情報に基づいて、スイッチング素子10のオンオフ、および、PWM制御におけるデューティ比を制御する。
次に、図3および図4を参照して、電流検出回路20により検出される負荷電流の挙動について説明する。なお、各図、横軸を時間とし、縦軸を電流検出回路20に流れる負荷電流の電流値を示している。
まず、従来の構成と本実施形態における構成との差異を明確にするために、従来構成における負荷電流の挙動について図3を参照して説明する。従来の構成とは、図2において、短絡検出抵抗30を有さない構成である。
図3において、一点鎖線で示す波形Aは、短絡が発生していない状態における負荷電流の挙動を示している。スイッチング素子10にPWM信号が入力され、スイッチング素子10がオンしている状態では、ソレノイド600のインダクタンスに基づいて負荷電流が増加していく。一方、スイッチング素子10へのゲート電圧の供給が停止されるとスイッチング素子10はオフとなり、ソレノイド600のエネルギーが解放されつつ負荷電流が減少していく。
破線で示す波形Bは、短絡を含むソレノイド600の異常を検出するために設定される負荷電流の上限閾値である。破線で示す波形Cは下限閾値である。これらの閾値は、負荷のインダクタンス、電圧源VBの電圧、スイッチング素子10の特性などのばらつきを考慮して設定されている。短絡判定部60は、検出される負荷電流が上限閾値を上回る、あるいは下限閾値を下回るとソレノイド600に異常があると判断して制御部50にその旨報知する。
実線で示す波形Dは、ソレノイド600とグランドGNDの間に少なくとも抵抗成分700を有するハーフショートが発生した場合の負荷電流の挙動を示している。ソレノイド600を流れる電流は、電流検出回路20を介してグランドGNDに流れる電流と、抵抗成分700を介してグランドGNDに流れる電流と、に分流される。このため、電流検出回路20により検出される負荷電流は、図3に示すように波形Aに比べて低い電流値にオフセットする。
抵抗成分700の抵抗値が電流検出回路20を構成するシャント抵抗器の抵抗値よりも十分に小さい場合には、ソレノイド600を流れる電流の多くはショートにより形成された電流経路を流れるため、上記オフセットの量が大きくなる。よって、負荷電流は下限閾値を下回り、短絡判定部60がソレノイド600の短絡を判定することができる。しかしながら、ショートにより生じる抵抗成分700の抵抗値が電流検出回路20を構成するシャント抵抗器の抵抗値と同等程度の場合には、図3に示すように、上記オフセット量が下限閾値を下回るほどに確保できない。すなわち、抵抗成分700の抵抗値によっては、ソレノイド600の短絡が発生しているにもかかわらず、短絡を検出できない虞がある。
これに対して、本実施形態に係る負荷駆動装置100によれば、ハーフショートが発生した場合の負荷電流として、図4の実線で示す波形Eのように、スイッチング素子10のオンオフの切り替わりのタイミングで負荷電流が時間に対して不連続になる。後に詳述するが、不連続となる点の前後では、短絡検出抵抗30の抵抗値に依存した量の負荷電流の変化が生じる。よって、負荷電流が上限閾値を上回る、あるいは下限閾値を下回るように短絡検出抵抗30の抵抗値を設定することにより、確実にグランドショートを検出することができる。
以下、詳しく説明する。まず、図2に示すように、ソレノイド600を流れる電流I、電流検出回路20を流れる電流(負荷電流)I1、短絡検出抵抗30を流れる電流I2、抵抗成分700を流れる電流I3を定義する。I、I1、I2およびI3は、ハイサイド側からローサイド側へ流れる向きを正としている。また、電流検出回路20を構成するシャント抵抗器の抵抗値R1、短絡検出抵抗30の抵抗値R2、抵抗成分700の抵抗値R3を定義する。
キルヒホッフの法則に基づいて、負荷電流I1を計算すると、スイッチング素子10がオンしている状態、すなわち、スイッチング素子10にPWM信号が入力された状態にあっては、
I1=R3×I/(R1+R2+R3)
となる。一方、スイッチング素子10がオフの状態にあっては、
I1=(R2+R3)×I/(R1+R2+R3)
となる。すなわち、スイッチング素子10のオンオフの切り替えタイミングにおいて、負荷電流I1は不連続となる。定量的には、スイッチング素子10がオンからオフに遷移すると、負荷電流I1は(R2+R3)/R3倍となり、逆に、オフからオンに遷移すると、負荷電流I1はR3/(R2+R3)倍となる。なお、従来の構成はR2がゼロの場合に相当するので、図3に示す波形Dは連続となる。
抵抗成分700の抵抗値R3は、ショートの状況により変化し得るが、短絡検出抵抗30の抵抗値R2は設計者が任意に設定することができる。例えば、抵抗値R2を想定される抵抗成分700の抵抗値R3と同等あるいはそれ以上に設定することにより、負荷電流が上限閾値を上回る、あるいは下限閾値を下回るようにできる。
(第2実施形態)
ソレノイド600が短絡の状態にあると判定する条件として、第1実施形態では、負荷電流と、上限閾値あるいは下限閾値との大小を基準としていたが、別の基準を設定することもできる。本実施形態における負荷駆動装置100では、ソレノイド600への電流供給のオンおよびオフが少なくとも1回含まれるサイクルにおいて、負荷電流の電流値の最大値と最小値との差分が所定の第1閾値を上回ることを条件に、ソレノイド600が短絡の状態にあると判定するようになっている。なお、回路の構成については、図2に示す第1実施形態の構成と同様であるので、詳しい説明を省略する。
周期的にオンオフされるスイッチング素子10の1サイクルにおいては、図5に示すように、ソレノイド600への電流供給のオンおよびオフが少なくとも1回含まれる。短絡判定部60は、1サイクルにおける負荷駆動の最大値と最小値とを取得し、その差分を算出する。また、第1閾値は任意に設定できるが、本実施形態では例えば、第1実施形態において説明した上限閾値の最大値と、下限閾値の最小値と、の差分としている。短絡判定部60は、負荷電流の電流値の最大値と最小値との差分が第1閾値を上回ることを条件に、ソレノイド600が短絡の状態にあると判定する。
(第3実施形態)
さらに、ソレノイド600が短絡の状態にあると判定する別の条件として、負荷駆動の時間微分の絶対値が所定の第2閾値を上回ることを条件にすることができる。
第1実施形態において説明したように、本実施形態に係る負荷駆動装置100は、短絡検出抵抗30を備えている。これにより、スイッチング素子10のオンからオフへの遷移、またはオフからオンへの遷移の時点で負荷電流が不連続となる。正確には、検出される負荷電流の電流値が時間に対して急峻に変化する。したがって、図6に示すように、負荷電流の時間微分の絶対値は、従来の構成に比べて大きい値となる。
本実施形態における短絡判定部60は、負荷電流の時間微分の絶対値と任意に設定された第2閾値とを比較し、負荷駆動の時間微分の絶対値が所定の第2閾値を上回ることを条件にソレノイド600が短絡の状態にあると判定する。
これによれば、負荷電流の絶対値ではなく、従来構成に比べて負荷電流の電流値が時間に対して急峻に変化する点を検出に利用するので、電圧源VBの電圧の変動やスイッチング素子10の温度特性など、時間的に急峻に変化しないノイズを除去したうえで短絡を検出することができる。
負荷電流の時間微分値を算出する具体的な方法について、図7を参照して以下説明する。
短絡判定部60は、図7の黒点に示すように、負荷電流を等時間間隔で常にサンプリングするようになっている。短絡判定部60は、サンプリングした負荷電流の離散的な値について、時間的に互いに隣り合うサンプリングポイントの負荷電流の差分を算出する。この差分値は、単位時間あたりの負荷電流の変化に相当するので、負荷電流の微分値を擬似的に示すものである。このようにして、短絡判定部60は、負荷電流の微分値を算出することができる。
なお、負荷電流の差分の算出において、時間的に互いに隣り合うサンプリングポイントの負荷電流の差分を求めることに限定されない。例えば、ある時間において、その時間のひとつ後ろのサンプリングポイントと、ひとつ先のサンプリングポイントの負荷電流と、の差分を負荷電流の微分値の定義としてもよい。このように、離散的に取得される負荷電流について、位時間あたりの負荷電流の変化に相当する物理量を計算するようにすれば、その計算方法は限定されるものではない。
(変形例)
サンプリングポイントの取得について、第3実施形態における短絡判定部60は、負荷電流を等時間間隔で常にサンプリングするようになっているが、一部の時間において選択的にサンプリングポイントを取得するようにしてもよい。
スイッチング素子10のオンオフは制御部50が制御しているので、短絡判定部60は、制御部50のPWM信号のオンオフを決定する制御信号に基づいて、負荷電流のサンプリングのタイミングを決定するようにできる。具体的には、短絡判定部60が、スイッチング素子10のオンからオフへの遷移、またはオフからオンへの遷移の時刻におけるサンプリングポイントと、その前後それぞれ1点のサンプリングポイントとを取得するように構成してもよい。
これによれば、ソレノイド600のグランド短絡時に負荷電流の電流値が時間に対して急峻に変化する可能性のあるサンプリングポイントのみを取得でき、外来ノイズに対するロバスト性が向上するとともに、急峻に変化しない時間帯についてはサンプリング動作を停止することができるので、短絡判定部60の処理負荷を軽減することができる。
(その他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
上記した各実施形態および変形例では、誘導性負荷として、自動変速機に供されるソレノイド600を例に説明した。しかしながら、本発明の適用用途はこれに限定されるものではない。本発明は、自動変速機のソレノイドのほかにも、例えばインジェクタの電磁弁に供されるソレノイドなど、誘導性負荷の駆動装置として適用可能である。
また、上記した各実施形態および変形例では、スイッチング素子10が周期的にオンオフする形態について説明したが、オンからオフへの遷移、あるいはオフからオンへの遷移が含まれていれば負荷電流の不連続性を発現させることができるので、その動作が周期的である必要はない。また、スイッチング素子10も、MOSトランジスタに限定されるものではなく、バイポーラトランジスタや絶縁ゲートバイポーラトランジスタであってもよい。
また、上記した各実施形態および変形例では、電流検出回路20として、シャント抵抗器の両端の電位差から負荷電流を検出する回路を例示したが、負荷電流を検出することができる構成であれば、電流検出回路20の回路構成は限定されない。
また、上記した各実施形態および変形例では、短絡検出抵抗30として、抵抗値がR2で一定の抵抗器を例示したが、可変抵抗器やMOSトランジスタなど、抵抗値を任意に可変できる素子を用いるとよい。これによれば、設計者が素子の実装後にR2を任意に変更することができるので、例えば、本発明に係る負荷駆動装置が採用されるシステムに見合った抵抗値を選択することができる。
10…スイッチング素子,20…電流検出回路,30…短絡検出抵抗,40…還流ダイオード,50…制御部,60…短絡判定部,100…負荷駆動装置,600…ソレノイド(誘導性負荷)

Claims (5)

  1. 電圧源により電圧が供給される誘導性負荷(600)の駆動を制御する負荷駆動装置であって、
    前記誘導性負荷のハイサイド側に配置され、前記電圧源と前記誘導性負荷との間に介在して、前記誘導性負荷へ供給する電流を制御するスイッチング素子(10)と、
    前記誘導性負荷のローサイド側に配置され、前記誘導性負荷のローサイド側に流れる電流の電流値を検出する電流検出回路(20)と、を備え、
    さらに、前記電流検出回路とグランドとの間に介在する短絡検出抵抗(30)と、
    前記短絡検出抵抗と前記電流検出回路との間の中点から、前記スイッチング素子と前記誘導性負荷との間の中点に向かって順方向となる還流ダイオード(40)と、
    前記スイッチング素子がオンオフされたときに前記電流検出回路によって検出される電流値の変化に基づき、前記誘導性負荷とグランドとの間に抵抗成分を有するハーフショートが発生したことを判定する短絡判定部(60)と、を備え、
    前記短絡検出抵抗の抵抗値は、ハーフショート発生時の想定される抵抗成分の抵抗値と同等以上に設定され、それにより、前記スイッチング素子がオンオフされたときに前記電流検出回路によって検出される電流値に不連続変化が生じ、その不連続変化する電流値が、ハーフショートの発生時に、グランドショートの発生を判定するための閾値を超えることを特徴とする負荷駆動装置。
  2. 前記短絡判定部は、前記スイッチング素子がオンからオフに遷移したときに前記電流値が上限閾値を上回る、あるいは、前記スイッチング素子がオフからオンに遷移したときに前記電流値が下限閾値を下回ることを条件に、前記誘導性負荷がハーフショートの状態にあると判定することを特徴とする請求項1に記載の負荷駆動装置。
  3. 前記短絡判定部は、前記誘導性負荷への電流供給のオフからオンへの遷移およびオンからオフへの遷移のそれぞれが少なくとも1回含まれるサイクルにおいて、前記電流検出回路によって検出される電流値の最大値と最小値との差分が所定の第1閾値を上回ることを条件に、前記誘導性負荷がハーフショートの状態にあると判定することを特徴とする請求項1に記載の負荷駆動装置。
  4. 前記短絡判定部は、前記電流検出回路によって検出される電流値の時間微分の絶対値が所定の第2閾値を上回ることを条件に、前記誘導性負荷がハーフショートの状態にあると判定することを特徴とする請求項1に記載の負荷駆動装置。
  5. 前記短絡判定部は、前記誘導性負荷への電流供給のオンオフの切り替え時に前記電流検出回路によって検出される電流値を取得して、取得した電流値の時間微分値を算出することを特徴とする請求項4に記載の負荷駆動装置。
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