JP2011023802A - 誘導性負荷制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】誘導性負荷制御装置にて、誘導性負荷のグランドショートを検出しフェイルセーフを実施することと、誘導性負荷の電流制御を精度良く実施することとを両立させる。
【解決手段】装置1では、負荷Lの上流側と下流側とにスイッチング素子QH,QL(以下単に、QH,QL)があり、負荷LとQLとの間に電流検出用抵抗R0がある。そして、還流用ダイオード11と、抵抗R0の両端電圧を入力とする差動増幅回路13と、マイコン15とを備え、マイコン15は、QH,QLの駆動信号DLH,DLLのデューティ比を上記回路13の出力電圧に基づき、負荷Lの電流が目標値となるように調節するが、駆動信号DLHの位相を微小一定時間だけ遅らせた信号を、駆動信号DLLとして出力する。更に、負荷Lの下流側電圧VLLがDLH=ハイ且つDLL=ローの期間にて規定値以上にならないと判定すると、グランドショートと判断しQHをオフに固定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、誘導性負荷に流す電流をフィードバック制御する誘導性負荷制御装置に関する。
従来より、例えば、自動車に搭載される自動変速機の制御分野においては、変速用のアクチュエータとしてリニアソレノイドが用いられており、変速ショックを低減するために、そのリニアソレノイドに対しては高精度の電流制御が要求される。
そして、そのようなリニアソレノイド等の誘導性負荷を制御する装置としては、誘導性負荷に流れる電流を、誘導性負荷の通電経路に設けた電流検出用抵抗の両端電圧というかたちで検出し、その検出電圧に基づいて、誘導性負荷に流れる電流が制御上の目標値となるように、通電用スイッチング素子のオンオフのデューティ比を調節する、といった電流フィードバック制御を行うものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
ここで、従来の誘導性負荷制御装置の構成例について、図9を用い具体的に説明する。尚、誘導性負荷の駆動方式としては、誘導性負荷よりも上流側(いわゆるハイサイド)に設けたスイッチング素子をデューティ制御でオンオフさせるハイサイド駆動方式と、誘導性負荷よりも下流側(いわゆるローサイド)に設けたスイッチング素子をデューティ制御でオンオフさせるローサイド駆動方式とがあるが、図9に示す誘導性負荷制御装置100は、ローサイド駆動方式の装置である。
図9に示すように、誘導性負荷制御装置100は、誘導性負荷Lの上流側と下流側とに、スイッチング素子QH、QLを備えている。
スイッチング素子QHは、電源電圧VBが印加される電源ラインと、誘導性負荷Lの一端である上流側端子との間に設けられ、オンすることで、電源ラインと誘導性負荷Lの上流側端子とを導通させる。そして、誘導性負荷Lの他端である下流側端子には、電流検出用抵抗R0の一端が接続されており、スイッチング素子QLは、その電流検出用抵抗R0の他端とグランドラインとの間に設けられ、オンすることで、電流検出用抵抗R0の他端とグランドラインとを導通させる。
このため、スイッチング素子QH,QLが両方共にオンすれば、「電源ライン→スイッチング素子QH→誘導性負荷L→電流検出用抵抗R0→スイッチング素子QL→グランドライン」の電流経路が形成される。つまり、電源ラインから誘導性負荷L及び電流検出用抵抗R0に電流が流れる。尚、この例において、電源電圧VBは、自動車のバッテリ電圧である。
更に、誘導性負荷制御装置100は、アノードが電流検出用抵抗R0とスイッチング素子QLとの接続点に接続され、カソードが誘導性負荷Lの上流側端子に接続された電流還流用のダイオード11と、電流検出用抵抗R0の上流側端子の電圧Vaと下流側端子の電圧Vbとを入力電圧とする差動増幅回路13と、スイッチング素子QH、QLを制御するマイコン15と、誘導性負荷Lの下流側端子の電圧VLL(=Va)をマイコン15にモニタさせるためのモニタ回路17と、差動増幅回路13の出力電圧Voを積分してマイコン15に入力させる積分回路19とを備えている。
差動増幅回路13は、オペアンプ(演算増幅器)21と、電流検出用抵抗R0の上流側端子に一端が接続され、他端がオペアンプ21の非反転入力端子(+端子)に接続された抵抗R1と、オペアンプ21の非反転入力端子とグランドラインとの間に接続された抵抗R2と、電流検出用抵抗R0の下流側端子に一端が接続され、他端がオペアンプ21の反転入力端子(−端子)に接続された抵抗R3と、オペアンプ21の反転入力端子と出力端子との間に接続された抵抗R4と、オペアンプ21の出力端子とグランドラインとの間に接続された抵抗R5(低電圧出力可能なオペアンプであれば不要)とを備えている。そして、オペアンプ21の出力端子から、電流検出用抵抗R0の両端に生じる電圧Va,Vbの差(=Va−Vb)に比例した電圧が、当該差動増幅回路13の出力電圧Voとして出力される。
積分回路19は、抵抗23とコンデンサ25とからなるローパスフィルタであり、差動増幅回路13の出力電圧Voの変化を緩やかにした電圧VLIを、マイコン15に出力する。
モニタ回路17は、コンパレータ(比較器)27と、そのコンパレータ27の出力端子と一定電圧Vdとの間に設けられたプルアップ用の抵抗29とからなる。尚、一定電圧Vdは、マイコン15の動作用電圧でもあり、当該誘導性負荷制御装置100内の電源回路(図示省略)により、電源電圧VBから生成される。
そして、コンパレータ27の非反転入力端子(+端子)には、誘導性負荷Lの下流側端子の電圧VLLが入力され、コンパレータ27の反転入力端子(−端子)には、しきい値電圧として、電源電圧VBを図示しない分圧抵抗で2分の1に分圧した電圧(=VB/2)が入力されている。
このモニタ回路17では、「VLL≧VB/2」ならば、コンパレータ27からマイコン15に出力されるダイアグ信号DIAGがハイになり、「VLL<VB/2」ならば、上記ダイアグ信号DIAGがローになる。
そして、この誘導性負荷制御装置100において、スイッチング素子QHは、マイコン15から出力される駆動信号DLHがアクティブレベル(この例ではハイレベル)のときにオンする。また、スイッチング素子QLは、マイコン15から出力されるPWM(パルス幅変調)信号である駆動信号DLLがアクティブレベル(この例ではハイレベル)のときにオンする。
次に、マイコン15によるスイッチング素子QH、QLの制御内容について、図10を用い説明する。
図10に示すように、マイコン15は、誘導性負荷Lのグランドショートを検出していない正常時には、ハイサイドのスイッチング素子QHに対する駆動信号DLHをハイのままにして、そのスイッチング素子QHをオン状態に固定する。このため、誘導性負荷Lの上流側端子の電圧VLHは、スイッチング素子QHでの電圧降下分を無視すれば、電源電圧VBのままとなる。
そして、マイコン15は、積分回路19からの電圧VLIをA/D変換することで、誘導性負荷Lに流れている電流を検出し、その電流検出値が制御上の目標値となるように、ローサイドのスイッチング素子QLに対する駆動信号DLLのデューティ比を制御する。尚、駆動信号のデューティ比とは、その駆動信号の1周期(=ハイ時間+ロー時間)におけるハイ時間の割合である。
つまり、駆動信号DLLがハイになってスイッチング素子QLがオンすると、電源ラインから誘導性負荷L及び電流検出用抵抗R0に電流が流れ、その後、駆動信号DLLがローになってスイッチング素子QLがオフすると、「誘導性負荷Lの下流側端子→電流検出用抵抗R0→ダイオード11→誘導性負荷Lの上流側端子」という還流経路が形成されて、誘導性負荷L及び電流検出用抵抗R0にフライバックエネルギーによる電流が還流する。このため、マイコン15は、電流検出用抵抗R0及び差動増幅回路13による電流検出値が目標値よりも小さければ、駆動信号DLLのデューティ比を大きくし、電流検出値が目標値よりも大きければ、駆動信号DLLのデューティ比を小さくする、といったフィードバック制御を行う。
一方、正常時には、駆動信号DLLがローになってスイッチング素子QLがオフすると、誘導性負荷Lの下流側端子の電圧VLLが、ほぼ電源電圧VB(詳しくは、誘導性負荷Lに還流する還流電流をIrとし、電流検出用抵抗R0の抵抗値をR0とし、ダイオード11の順方向電圧をVfとすると、「VB+Vf+Ir×R0」)になるため、モニタ回路17からマイコン15へのダイアグ信号DIAGはハイになる。また、駆動信号DLLがハイになってスイッチング素子QLがオンすると、誘導性負荷Lの下流側端子の電圧VLLは、ほぼ0V(詳しくは、スイッチング素子QLを介して誘導性負荷Lに流れる電流をIdとし、スイッチング素子QLでの電圧降下をVdとすると、「Id×R0+Vd」)となり、上記ダイアグ信号DIAGはローになる。このため、ダイアグ信号DIAGは、駆動信号DLLをレベル反転させた信号となる。
これに対して、誘導性負荷Lの下流側端子がグランド電位にショートしたとすると、その下流側端子の電圧VLLは0Vのままになり、上記ダイアグ信号DIAGもローのままになる。
このため、マイコン15は、駆動信号DLLをローにしたにも関わらずダイアグ信号DIAGがハイにならない、という矛盾事象の発生を判定し、その事象が発生していると判定したならば、誘導性負荷Lがグランド電位にショートしていると判断して、ハイサイドのスイッチング素子QHをオフし、その状態を保持する。なぜなら、誘導性負荷Lの下流側端子がグランド電位にショートした場合には、電流検出用抵抗R0が無効化されて電流検出ができなくなる上に、そもそもスイッチング素子QHをオンしていると、誘導性負荷Lに電流が流れたままになってしまうため、フェイルセーフとして、スイッチング素子QHをオフ状態に固定する。
つまり、この誘導性負荷制御装置100は、ローサイド駆動方式の装置であるため、本来の制御面では、ハイサイドのスイッチング素子QHは必要ないが、誘導性負荷Lの下流側端子がグランド電位にショートした場合に、誘導性負荷Lへの電源供給をカットして不定動作を防止するというフェイルセーフ用として、ハイサイドのスイッチング素子QHを設けている。
尚、誘導性負荷Lの上流側端子がグランド電位にショートした場合には、スイッチング素子QHに過電流が流れてしまうこととなるが、一般に、その対策としては、スイッチング素子QHに所定値以上の電流が流れたことを検知して該スイッチング素子QHを強制的にオフさせる、といった過電流保護回路が別途設けられる。
一方、図9において、ローサイドのスイッチング素子QLを削除すると共に、ダイオード11のアノードと電流検出用抵抗R0との接続点をグランドラインに接続すれば、ハイサイド駆動方式のハードウェア構成となる。そして、そのハイサイド駆動方式の場合、マイコン15は、電流検出値が制御上の目標値となるように、スイッチング素子QHに対する駆動信号DLHのデューティ比を制御することとなる。
但し、ハイサイド駆動方式の場合には、誘導性負荷Lの下流側端子の電圧VLLが、常に、グランド電位付近の電圧となるため、誘導性負荷Lの下流側端子がグランド電位にショートしたことを検出することができない。正常状態と区別することができないからである。そして、誘導性負荷Lの下流側端子がグランド電位にショートしてしまうと、電流検出用抵抗R0による電流検出ができず、電流検出値が0となってしまうため、電流フィードバック制御としては、必要以上に電流を流してしまうこととなる。
こうしたことから、グランド電位へのショートを検出して電源遮断というフェイルセーフを行う必要がある重要な誘導性負荷の制御には、ローサイド駆動方式が用いられる。
特開平11−327602号公報
ところで、誘導性負荷制御装置において、電流検出のために用いられる差動増幅回路は、差動入力電圧に比べて同相入力電圧が大きい場合に出力誤差(増幅誤差)が大きくなる、という性質を有している。このことを、図9に示した差動増幅回路13で具体的に説明する。尚、以下の説明及び式においては、抵抗Rn(nは0〜4の何れか)の抵抗値のことも、Rnと記載する。
図9の差動増幅回路13において、抵抗R3の一端への入力電圧(以下、マイナス側入力電圧という)をVzとし、電流検出用抵抗R0の両端電位差(=Va−Vb)をVrとすると、抵抗R1の一端への入力電圧(以下、プラス側入力電圧という)は「Vz+Vr」となる。
Vrは、プラス側入力電圧とマイナス側入力電圧との差であり、これが増幅対象の差動入力電圧である。また、Vzは、マイナス側入力電圧とプラス側入力電圧との両方に同じだけ加わる分の電圧であり、これが同相入力電圧である。
そして、差動増幅回路13の出力電圧Voは、下記の式1で表される(ただし、オペアンプの誤差は、含んでいない)。尚、式1において、「*」は乗算を示し、「/」は除算を示している。
この式1において、差動入力電圧Vrに乗算される数値が、ゲイン(増幅率)であり、その「Vr*ゲイン」の項に加算される「Vz*…」の項が、同相入力電圧Vzに起因する出力誤差(以下、同相誤差という)である。そして、式1から分かるように、その同相誤差は、同相入力電圧Vzが大きいほど、大きくなり、また、差動入力電圧Vrが小さいほど、その同相誤差の影響が大きくなる。
ここで、従来の誘導性負荷制御装置100においては、図10に示すように、駆動信号DLLをローにしている期間であって、誘導性負荷Lにダイオード11を介して電流を還流させている還流期間中ずっと、差動増幅回路13への同相入力電圧Vz(=Vb)が、ほぼ電源電圧VBとなるため、その差動増幅回路13の出力誤差、即ち電流検出誤差が大きくなる。特に、駆動信号DLLのデューティ比が小さく、駆動信号DLLの1周期に対する還流期間の割合が大きい場合ほど、電流検出誤差が大きくなる。このため、誘導性負荷の電流制御精度が低下してしまう。
例えば、電源電圧VBが約14Vであるとすると、一般に、差動増幅回路13への差動入力電圧Vrが0〜1V程度であるのに対して、同相入力電圧Vzは、上記還流期間中、約14Vとなり、非常に大きな誤差要因となる。更に具体例を挙げると、例えば、R1=R3=3kΩ、R2=R4=12kΩで、差動増幅回路13のゲインが4倍に設定されているとすると、R1〜R4が最悪方向に0.2%ばらついた場合、同相誤差は、Vz=14Vの条件で約90mVとなり、R0=0.5Ωであるとすると、電流検出値としては、約45mAの誤差が生じることとなる。
尚、従来の誘導性負荷制御装置100において、高い電流制御精度を確保するためには、例えば、差動増幅回路13を構成する各抵抗として、抵抗値が可変のものを用い、装置の製造時に、その各抵抗の抵抗値を、上記式1における同相誤差の項「Vz*…」が極力0となるように手作業で調整する、といった手法や、装置の製造時に、実際の差動増幅回路の出力誤差を測定して、その誤差を補正するための補正値をEEPROMに記憶しておき、マイコン15が、その補正値を用いて電流検出値を補正する、といった手法を採ることが考えられるが、何れの手法も、装置の製造工数を増加させてしまい、コスト増加を招いてしまうこととなる。
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、誘導性負荷制御装置において、誘導性負荷のグランド電位へのショートを検出してフェイルセーフを実施することと、誘導性負荷の電流制御を精度良く実施することとを、両立させることを目的としている。
請求項1の誘導性負荷制御装置は、ハイサイドスイッチと、電流検出用抵抗と、ローサイドスイッチと、還流手段と、差動増幅回路と、電流制御手段と、フェイルセーフ手段とを備えている。
ハイサイドスイッチは、電源電圧が印加される電源ラインと誘導性負荷の一端との間に設けられ、オンすることで、電源ラインと誘導性負荷の前記一端とを導通させる。
電流検出用抵抗は、それの一端が、誘導性負荷の他端(ハイサイドスイッチ側とは反対の端部)に接続されている。
ローサイドスイッチは、電流検出用抵抗の他端(誘導性負荷側とは反対の端部)とグランドラインとの間に設けられ、オンすることで、電流検出用抵抗の前記他端とグランドラインとを導通させる。
還流手段は、ハイサイドスイッチとローサイドスイッチとの両方がオンしている状態から、ハイサイドスイッチとローサイドスイッチとの少なくとも一方がオフした状態に変化すると、誘導性負荷の前記他端側から電流検出用抵抗を経由して誘導性負荷の前記一端側へと電流を還流させる。
このため、ハイサイドスイッチとローサイドスイッチとの両方がオンすれば、電源ラインから誘導性負荷及び電流検出用抵抗に電流が流れ、その後、ハイサイドスイッチとローサイドスイッチとの少なくとも一方がオフすれば、還流手段により、誘導性負荷の前記他端側から電流検出用抵抗を経由して誘導性負荷の前記一端側へと、フライバックエネルギーによる電流が還流する。
差動増幅回路は、電流検出用抵抗の両端の電圧を入力電圧とし、その2つの入力電圧の差を増幅した電圧を出力する。
電流制御手段は、ハイサイドスイッチとローサイドスイッチとをオンオフさせる手段である。そして、電流制御手段は、ハイサイドスイッチとローサイドスイッチとの両方をオンして電源ラインから誘導性負荷に電流を流す通電期間と、その後にハイサイドスイッチとローサイドスイッチとの少なくとも一方をオフして還流手段により誘導性負荷に電流を流す還流期間とを、交互に繰り返し発生させると共に、通電期間の発生間隔に対する該通電期間の割合を、差動増幅回路の出力電圧に基づいて、誘導性負荷に流れる電流が目標値となるように調節し、更に、還流期間として、ハイサイドスイッチがオンで且つローサイドスイッチがオフである一定の検査用期間と、ハイサイドスイッチがオフである非検査用期間とを発生させる。尚、非検査用期間において、ローサイドスイッチは、オフでも良いし、オンでも良い。
そして、フェイルセーフ手段は、誘導性負荷の前記他端の電圧が前記検査用期間において規定値以上になったか否かを判定し、前記規定値以上にならないと判定すると、誘導性負荷がグランド電位(即ち、グランドラインの電位)にショートしていると判断して、ハイサイドスイッチをオフ状態に固定する。誘導性負荷への電源供給をカットして不定動作を防止するためである。
このような誘導性負荷制御装置においては、還流期間であっても、そのうちの非検査用期間では、ハイサイドスイッチがオフされて誘導性負荷への電源電圧が遮断されるため、電流検出用抵抗の両端の各電圧が電源電圧付近にまで上昇せず、差動増幅回路の同相入力電圧を下げることができる。よって、差動増幅回路の同相誤差を抑制して、誘導性負荷の電流を目標値にする電流フィードバック制御を、精度良く実施することができる。
また、還流期間のうちの検査用期間では、ハイサイドスイッチがオンで且つローサイドスイッチがオフとなるため、誘導性負荷の前記他端の電圧は、正常ならば、ほぼ電源電圧となり、誘導性負荷がグランド電位にショートしたならば、ほぼグランド電位となる。つまり、正常時と異常時との電圧差が大きい。このため、フェイルセーフ手段により、誘導性負荷のグランドショート(グランド電位へのショート)を、正常状態と正確に区別して検出することができる。
尚、フェイルセーフ手段が判定に用いる上記規定値は、電源電圧と0Vとの間の電圧に設定すれば良く、電源電圧と0Vとの中間電圧付近に設定するのが好ましいが、中間電圧に設定するのが最も良いと考えられる。また、検査用期間の長さは、フェイルセーフ手段が誘導性負荷のグランドショートを検出可能な時間で且つ極力短い時間に設定すれば良い。
以上のように、請求項1の誘導性負荷制御装置によれば、誘導性負荷のグランド電位へのショートを検出してフェイルセーフを実施することと、誘導性負荷の電流制御を精度良く実施することとを、両立させることができる。
次に、請求項2の誘導性負荷制御装置では、請求項1の誘導性負荷制御装置において、ハイサイドスイッチは、電流制御手段から出力されるPWM(パルス幅変調)信号である第1の駆動信号がアクティブレベルのときにオンし、ローサイドスイッチは、電流制御手段から出力されるPWM信号である第2の駆動信号がアクティブレベルのときにオンする。
そして、電流制御手段は、第1の駆動信号と第2の駆動信号とのうちの一方の駆動信号の位相を、一定時間だけずらした信号を、第1の駆動信号と第2の駆動信号とのうちの他方の駆動信号として出力すると共に、前記2つの駆動信号のデューティ比を、差動増幅回路の出力電圧に基づいて、誘導性負荷に流れる電流が目標値となるように調節する。
この構成では、第1の駆動信号と第2の駆動信号との両方がアクティブレベルである期間が、通電期間となり、それ以外の期間が、還流期間となる。そして、その還流期間のうち、第1の駆動信号がアクティブレベルで且つ第2の駆動信号が非アクティブレベルである期間が、検査用期間となり、第1の駆動信号が非アクティブレベルで且つ第2の駆動信号がアクティブレベルである期間と両駆動信号が非アクティブレベルである期間とが、非検査用期間となる。
そして、この構成によれば、還流期間のうちの検査用期間と非検査用期間とを、簡単に発生させることができる。
ところで、本発明の誘導性負荷制御装置では、通電期間の発生間隔がデューティ制御の周期(いわゆる駆動周期)に該当し、その周期に対する通電期間の割合がデューティ制御のデューティ比に該当する。また、誘導性負荷に流す電流の目標値が同じであるとすると、電源電圧が低い場合ほど、デューティ比を大きくしなければならない。一方、本発明では、通電期間以外の還流期間として、一定の検査用期間を設けることから、少なくとも、その検査用期間の分は、デューティ比の可変範囲として用いることができず、デューティ比の100%未満における最大可変範囲が小さくなる。このため、電源電圧が低い場合に、誘導性負荷に目標値の電流を流すためのデューティ比を実現することができなくなる可能性がある。
そこで、請求項3の誘導性負荷制御装置では、請求項1,2の誘導性負荷制御装置において、電流制御手段は、電源電圧が所定値より低いか否かを判定し、電源電圧が所定値よりも低い場合には、還流期間として、検査用期間を発生させずに、非検査用期間だけを発生させ、更に、フェイルセーフ手段の前記判定動作を停止させる。
この構成によれば、電源電圧が所定値よりも低くなった場合に、デューティ比の100%未満における最大可変範囲を拡張することができ、上記の可能性を下げることができる。つまり、電源電圧が低い場合の電流制御範囲を確保することができる。
尚、この装置において、電源電圧が所定値よりも低くなった場合には、還流期間が非検査用期間だけになることで、差動増幅回路の同相誤差が一層抑制される。また、電源電圧が所定値よりも低くなった場合には、誘導性負荷の下流側端子がグランド電位にショートしたことを検出できなくなる。しかしながら、例えば車両を例に挙げると、電源となる車載バッテリは、走行時は10V以上あるのが正常であり、低電圧(例えば、判定電圧である上記所定値=8V)となるのは、エンジン始動時もしくは、なんらか異常が発生した場合にのみ、起きえるものであり、一般的には、低電圧において、フェイルセーフ手段の判定動作を停止させているため、従来構成から劣ることはない。
一方、請求項4の誘導性負荷制御装置では、請求項2の誘導性負荷制御装置において、電流制御手段は、第1の駆動信号と第2の駆動信号とのうちの一方の駆動信号が入力されて、その入力信号を前記一定時間だけ遅らせて出力する遅延回路を備え、その遅延回路の出力信号を、第1の駆動信号と第2の駆動信号とのうちの他方の駆動信号として出力する。
この構成によれば、第1の駆動信号と第2の駆動信号とのうちの一方の駆動信号を遅延させるための処理を行わなくても良い、という利点がある。また、電流制御手段の一部をマイコンによって実現した場合には、駆動信号を出力するためのマイコンのポートが1つで済む、という利点もある。
第1実施形態の誘導性負荷制御装置を表す構成図である。 第1実施形態のマイコンが実行する処理を表すフローチャートである。 第1実施形態の作用を表すタイムチャートである。 第2実施形態のマイコンが実行する出力パターン切り替え処理を表すフローチャートである。 第2実施形態の作用を表すタイムチャートである。 第3実施形態の誘導性負荷制御装置を表す構成図である。 変形例を説明する第1の説明図である。 変形例を説明する第2の説明図である。 従来の誘導性負荷制御装置を表す構成図である。 従来の誘導性負荷制御装置の作用及び問題点を説明する説明図である。
以下に、本発明が適用された実施形態の誘導性負荷制御装置について説明する。尚、本実施形態の誘導性負荷制御装置が制御する誘導性負荷は、自動車の自動変速機を変速させるためのリニアソレノイドである。
[第1実施形態]
図1に示すように、第1実施形態の誘導性負荷制御装置1は、図9に示した従来の誘導性負荷制御装置100と比較すると、ハードウェア面においては、ローサイドのスイッチング素子QLの出力端子間(換言すれば、ダイオード11のアノードとグランドラインとの間)にプルダウン用の抵抗31が追加されており、その点が異なっている。
尚、本実施形態において、スイッチング素子QLは、NチャネルMOSFETである。そして、スイッチング素子QLの出力端子のうち、ドレインが、電流検出用抵抗R0及びダイオード11のアノードに接続され、ソースが、グランドラインに接続されている。また、スイッチング素子QLのゲートとグランドラインとの間には、誤動作防止用の抵抗33が接続されており、そのスイッチング素子QLのゲートには、マイコン15からの駆動信号DLLが、ゲート保護用の抵抗35を介して供給される。
また、ハイサイドのスイッチング素子QHは、PチャネルMOSFETである。そして、スイッチング素子QHの出力端子のうち、ソースが、電源ラインに接続され、ドレインが、誘導性負荷Lの上流側端子に接続されている。また、スイッチング素子QHのゲートと電源ラインとの間には、誤動作防止用の抵抗37が接続されており、そのスイッチング素子QHのゲートには、抵抗39の一端が接続されている。そして、その抵抗39の他端は、エミッタがグランドラインに接続されたNPNトランジスタ41のコレクタに接続されている。更に、NPNトランジスタ41のベースとグランドラインとの間には、誤動作防止用の抵抗43が接続されており、そのNPNトランジスタ41ベースには、マイコン15からの駆動信号DLHが、抵抗45を介して供給されるようになっている。このため、駆動信号DLHがハイになると、NPNトランジスタ41がオンして、スイッチング素子QHがオンし、逆に、駆動信号DLHがローになると、NPNトランジスタ41がオフして、スイッチング素子QHもオフする。
そして更に、第1実施形態の誘導性負荷制御装置1は、図9に示した従来の誘導性負荷制御装置100と比較すると、ソフトウェア面においては、マイコン15が、ローサイドのスイッチング素子QLのオンオフタイミングに対して位相をずらしたタイミングで、ハイサイドのスイッチング素子QHをオンオフさせる、という点が異なっている。具体的には、図3に示すように、マイコン15は、ローサイドのスイッチング素子QLに対する駆動信号DLLの位相を、一定の位相ずれ時間Tpだけずらした信号を、ハイサイドのスイッチング素子QHに対する駆動信号DLHとして出力する。
このため、本実施形態では、図3に示すように、駆動信号DLH,DLLの両方がハイになる期間が、電源ラインから誘導性負荷Lに電流を流す通電期間となり、それ以外の期間が、ダイオード11により誘導性負荷Lに電流を還流させる還流期間となる。そして、その通電期間と還流期間とが交互に繰り返し発生する。また、その通電期間の発生間隔(=駆動信号DLH,DLLの周期)が、誘導性負荷Lに対するデューティ制御の周期(駆動周期)に該当し、その周期に対する上記通電期間の割合が、誘導性負荷Lに対するデューティ制御のデューティ比(以下、本当のデューティ比ともいう)に該当する。
次に、マイコン15の処理内容について説明する。
まず、図2(A)は、マイコン15が実行する電流フィードバック制御処理を表すフローチャートである。尚、この電流フィードバック制御処理は、駆動信号DLH,DLLの1周期(本実施形態では、例えば300Hz相当の3.33ms)と同じ長さの一定時間毎、あるいは、その1周期よりも長い一定時間毎に実行される。
そして、図2(A)に示すように、マイコン15が電流フィードバック制御処理を開始すると、まずS110にて、誘導性負荷Lに流れている電流を検出するための電流検出処理を行う。
具体的に説明すると、まず、マイコン15では、駆動信号DLH,DLLの1周期よりも短い一定時間毎に、内部のA/D変換器が起動されて、積分回路19からの電圧VLI(即ち、差動増幅回路13の出力電圧Voの変化を緩やかにした電圧であり、誘導性負荷Lに流れる電流を、電圧に変換した信号)がA/D変換されると共に、その各A/D変換値が内部のRAMに順次記憶されるようになっている。そこで、S110では、RAM内のA/D変換値を読み出して、例えば、それら各A/D変換値の平均値を電流検出値として求め、その後、RAM内のA/D変換値を消去する、という処理を行う。このため、前回の処理タイミングから今回の処理タイミングまでの各A/D変換値を平均することで、電流値を求めることとなる。
そして、次のS120にて、駆動信号DLH,DLLのデューティ比を設定する処理を行う。
この処理について説明すると、まず、マイコン15は、駆動信号DLH,DLLの各々を出力するための各回路として、周知のPWM信号出力回路を備えている。尚、PWM信号出力回路は、設定された周期とオン時間のPWM信号を生成して出力する回路である。また、オン時間とは、信号がアクティブレベルとなる時間のことであり、本実施形態では、ハイ時間と同じ意味である。
つまり、マイコン15内の各PWM信号出力回路によって生成されるPWM信号が、駆動信号DLH,DLLの各々として、当該マイコン15の出力ポートから前述の抵抗45,35へと出力される。
そして、S120では、誘導性負荷Lに流すべき電流の目標値から、上記S110で求めた電流検出値を引くことで、両者の差分(=目標値−電流検出値)を算出し、その差分から、駆動信号DLH,DLLのハイ時間を決定する。
具体的に説明すると、マイコン15内のROMには、上記差分と駆動信号のハイ時間との関係を示すデータマップであって、複数通りの各差分に対して、その差分を0にするための(つまり、実際の電流値を目標値にするための)ハイ時間がそれぞれ記録されたデータマップが記憶されている。そして、S120では、そのデータマップに上記算出した差分をあてはめて、ハイ時間を決定する。尚、そのデータマップは、差分が大きいほどハイ時間が大きくなるように設定されている。また、誘導性負荷Lに流すべき電流の目標値は、自動車の走行速度やエンジン回転数等の運転状態に基づいて、図示しない他の処理により算出されている。
そして更に、S120では、上記決定したハイ時間を、駆動信号DLHを出力するためのPWM信号出力回路と、駆動信号DLLを出力するためのPWM信号出力回路との、両方に設定する。そして、その後、当該電流フィードバック制御処理を一旦終了する。
尚、各PWM信号出力回路は、例えば、マイコン15が起動した直後に実行する初期化処理あるいは誘導性負荷Lの制御開始時に実行する制御開始時処理で起動されるが、その起動前に、周期として一定の時間が設定される。このため、S120で駆動信号(PWM信号)のハイ時間を設定するということは、駆動信号のデューティ比を設定しているとも言えるのである。
また、マイコン15は、各PWM信号出力回路を一定の位相ずれ時間Tpだけずらして起動するようになっている。本実施形態では、駆動信号DLHを出力するためのPWM信号出力回路を起動してから、位相ずれ時間Tpだけ待って、駆動信号DLLを出力するためのPWM信号出力回路を起動している。
このため、図3に示すように、駆動信号DLLは、駆動信号DLHに対して、位相ずれ時間Tpだけ位相が遅れた信号となる。逆に言えば、駆動信号DLHは、駆動信号DLLに対して、位相ずれ時間Tpだけ位相が早くなった信号となる。尚、位相ずれ時間Tpは、後述のグランドショート検出処理によって誘導性負荷Lのグランドショートを検出するのに必要な最小時間以上に設定されている。
また、本実施形態では、図9に示した従来の装置100と比べると、誘導性負荷Lに流す電流の目標値が同じ場合、駆動信号DLLのデューティ比は大きくなる。なぜなら、実際の通電期間は駆動信号DLLのオン時間よりも位相ずれ時間Tpだけ短くなるため、駆動信号DLLのデューティ比が同じだと、誘導性負荷Lに対するデューティ制御のデューティ比(本当のデューティ比)は小さくなるからである。そして、マイコン15は、以上の処理により、本当のデューティ比を、差動増幅回路13の出力電圧Voに基づいて、誘導性負荷Lに流れる電流が目標値となるように調節している。
ここで、本実施形態では、図3に示すように、還流期間のうち、駆動信号DLHがハイで且つ駆動信号DLLがローである位相ずれ時間Tp分の検査用期間(図3にて斜線を付した期間)において、ハイサイドのスイッチング素子QHがオンで且つローサイドのスイッチング素子QLがオフとなるため、正常ならば、誘導性負荷Lの下流側端子の電圧VLLが、ほぼ電源電圧VB(前述した「VB+Vf+Ir×R0」)となり、モニタ回路17からマイコン15へのダイアグ信号DIAGがハイになる。また、図3では示していないが、もし誘導性負荷Lがグランド電位にショートしたならば、誘導性負荷Lの下流側端子の電圧VLLは0Vのままとなるため、上記検査用期間においても、ダイアグ信号DIAGはローのままとなる。
そこで、マイコン15は、図2(B)のグランドショート検出処理を実行することで、ダイアグ信号DIAGに基づき誘導性負荷Lのグランドショートを検出する。尚、図2(B)のグランドショート検出処理は、駆動信号DLH,DLLの1周期よりも長い一定時間(例えば100ms)毎に実行される。
図2(B)に示すように、マイコン15がグランドショート検出処理の実行を開始すると、まずS150にて、ダイアグ信号DIAGにエッジが発生したか否かを判定する。尚、判定するエッジとしては、立ち上がりエッジと立ち下がりエッジとの一方でも両方でも良いが、本実施形態では、立ち上がりエッジが発生したか否かを判定する。
具体的に説明すると、まず、マイコン15は、入力信号に立ち上がりエッジが発生すると特定レジスタ内のエッジ発生フラグがセットされることとなるエッジラッチポートを備えており、モニタ回路17からのダイアグ信号DIAGは、そのエッジラッチポートに入力されるようになっている。このため、S150では、上記エッジ発生フラグを参照し、そのエッジ発生フラグがセットされていれば、ダイアグ信号DIAGに立ち上がりエッジが発生したと判定すると共に、そのエッジ発生フラグをクリアする。また、エッジ発生フラグがセットされていなければ、ダイアグ信号DIAGに立ち上がりエッジが発生していないと判定する。
そして、上記S150にて、ダイアグ信号DIAGに立ち上がりエッジが発生したと判定したならば、誘導性負荷Lの下流側端子の電圧VLLが上記検査用期間においてコンパレータ27のしきい値電圧(=VB/2)以上になったということであり、正常であることから、そのまま当該グランドショート検出処理を終了する。
これに対し、上記S150にて、ダイアグ信号DIAGに立ち上がりエッジが発生していないと判定したならば、誘導性負荷Lの下流側端子の電圧VLLが上記検査用期間においてコンパレータ27のしきい値電圧以上にならなかったということであるため、誘導性負荷Lがグランド電位にショートしていると判断して、S160に進む。
S160では、上記各PWM信号出力回路の動作を停止させて、その各PWM信号出力回路により出力される駆動信号DLH、DLLをローに固定することにより、スイッチング素子QH,QLをオフ状態に固定する。更に、図2(A)の電流フィードバック制御処理を以後は実行しないように内部設定する。そして、その後、当該グランドショート検出処理を終了する。尚、S160では、少なくともスイッチング素子QHをオフ状態に固定すればよい。
次に、前述した位相ずれ時間Tpの長さについて具体的に説明する。
位相ずれ時間Tpは、正常時においてモニタ回路17からハイのダイアグ信号DIAGを出力させることができ、且つ、そのハイのダイアグ信号DIAGをマイコン15に検知させることができる時間のうち、できるだけ短い時間に設定されている。
例えば、本実施形態では、コンパレータ27の入力に対する出力応答時間が、そのコンパレータ27の非反転入力端子への入力ラインに設けられるノイズフィルタ(図1では図示省略)も加味して、12μs程度(例えば、上記ノイズフィルタを成す抵抗とコンデンサの各定数が10kΩと1000pF)であり、また、マイコン15のエッジラッチポートのデジタルフィルタ時間が、4μs程度(マイコンにより異なる)である。よって、その両時間の合計である16μsが、位相ずれ時間Tpの必要最小値となる。つまり、位相ずれ時間Tpを16μsに設定すれば、図2(B)のグランドショート検出処理により、誘導性負荷Lのグランドショートを、正常と区別して検出することができる。
そこで、本実施形態では、位相ずれ時間Tpを16μsに設定している。そして、その16μsという長さは、デューティ制御の周期(=3.33ms)に対して、僅か0.48%に過ぎない。
以上のような第1実施形態の誘導性負荷制御装置1によれば、図3に示すように、還流期間のうちの、前述した検査用期間以外の期間であって、駆動信号DLHがローとなる非検査用期間(本実施形態では、駆動信号DLHがローで且つ駆動信号DLLがハイであるTp分の期間と両駆動信号DLH,DLLがローである期間との合計期間)では、ハイサイドのスイッチング素子QHがオフされて誘導性負荷Lへの電源電圧VBが遮断される。このため、その非検査用期間では、電流検出用抵抗R0の両端の各電圧Va,Vbが電源電圧VB付近にまで上昇せず、差動増幅回路13の同相入力電圧Vz(=Vb)を0V付近にすることができる。よって、差動増幅回路13の同相誤差を抑制して、電流検出精度を向上させることができ、誘導性負荷Lの電流を目標値にする電流フィードバック制御を、精度良く実施することができる。
そして、還流期間のうちの検査用期間では、前述した通り、ハイサイドのスイッチング素子QHがオンで且つローサイドのスイッチング素子QLがオフとなるため、モニタ回路17からのダイアグ信号DIAGにより、誘導性負荷Lがグランド電位にショートしたことを検出することができる。
また、検査用期間においては、差動増幅回路13の同相入力電圧Vz(=Vb)が、ほぼ電源電圧VBとなり、差動増幅回路13の同相誤差が大きくなるものの、その検査用期間は、還流期間の全てではなく短いため、電流検出精度の悪化を抑制することができる。
例えば、本実施形態では、前述したように検査用期間(=Tp)が16μsであり、デューティ制御の周期(=3.33ms)における僅か0.48%の間だけ、差動増幅回路13の同相入力電圧Vz(=Vb)が大きくなるに過ぎない(図3参照)。これに対し、従来の装置100において、例えば、デューティ制御のデューティ比が50%である場合には、デューティ制御の周期における50%の間、差動増幅回路13の同相入力電圧Vz(=Vb)が電源電圧VB付近にまで大きくなり、本実施形態と比較すると、差動増幅回路13の同相誤差が約100倍になってしまう。逆に言うと、本実施形態によれば、従来の装置100よりも、同相誤差を約100分の1に低減できる。
以上のように、本実施形態の誘導性負荷制御装置1によれば、誘導性負荷Lのグランド電位へのショートを検出してフェイルセーフを実施することと、誘導性負荷Lの電流制御を精度良く実施することとを、両立させることができる。また、ローサイド駆動方式でフェイルセーフ用に必要なハイサイドのスイッチング素子QHを利用しているので、電源供給遮断用のスイッチング素子を別途追加する必要もない。
尚、プルダウン用の抵抗31は、スイッチング素子QH,QLの両方がオフの時に、差動増幅回路13の入力電圧を安定させるために設けているが、差動増幅回路13の入力ライン(抵抗R0の両端のライン)は、差動増幅回路13内でも抵抗R2,R5によりグランド電位にプルダウンされているため、抵抗31は削除することも可能である。但し、耐ノイズ性を考慮すれば、抵抗31は設けた方が良い。
一方、本実施形態では、スイッチング素子QHがハイサイドスイッチに相当し、スイッチング素子QLがローサイドスイッチに相当し、ダイオード11が還流手段に相当している。また、駆動信号DLHが第1の駆動信号に相当し、駆動信号DLLが第2の駆動信号に相当している。そして、マイコン15が、電流制御手段とフェイルセーフ手段との各々に相当している。詳しくは、マイコン15が図2(A)の処理を実行することで実現される機能手段が、電流制御手段に相当し、マイコン15が図2(B)の処理を実行することで実現される機能手段が、フェイルセーフ手段に相当している。また、図2(B)におけるS150の判定が、フェイルセーフ手段の判定動作に相当し、コンパレータ27のしきい値電圧が規定値に相当している。
ところで、上記実施形態において、誘導性負荷Lのグランドショートを検出するための処理としては、誘導性負荷Lの下流側端子の電圧VLLが検査用期間において規定値以上になったか否かを、結果的に判定するものであれば、どういう処理でも良い。例えば、図2(B)のグランドショート検出処理が、駆動信号DLHの立ち上がりタイミング毎に起動されるようにすると共に、S150では、その時点でのダイアグ信号DIAGがハイか否かを判定し、ハイでなければ、グランドショートが発生していると判断するように構成しても良い。更に、その構成の場合、ダイアグ信号DIAGが所定回数連続してハイでなかった場合に、はじめてグランドショートと判断するようにしても良い。
また、マイコン15は、駆動信号DLH,DLLを、ソフトウェアの処理で出力しても良い。例えば、駆動信号DLH,DLLの各々について、下記(1)〜(3)のような処理及び設定を行うことが考えられる。
(1)駆動信号の周期毎にタイマ割込の処理が起動されるようにし、その処理で、駆動信号をローからハイにする。
(2)駆動信号の立ち上がりタイミングから、その駆動信号のオン時間後に、別のタイマ割込の処理が起動するようにし、その処理で、駆動信号をハイからローに戻す。
(3)駆動信号DLHを出力するための上記(1)の処理と、駆動信号DLLを出力するための上記(1)の処理とを、位相ずれ時間Tpだけずらして起動する。
[第2実施形態]
第2実施形態の誘導性負荷制御装置1は、第1実施形態と比較すると、マイコン15が、図4の出力パターン切り替え処理を一定時間毎に実行する点が異なっている。
そして、マイコン15は、図4の出力パターン切り替え処理の実行を開始すると、まずS210にて、電源電圧VBを検出すると共に、その検出した電源電圧VBが所定値(本実施形態では8V)よりも低いか否かを判定する。尚、マイコン15には、電源電圧VBを抵抗によって所定数分の1に分圧した電圧が入力されるようになっており、マイコン15は、その分圧された電圧をA/D変換し、そのA/D変換値を所定数倍した値を、電源電圧VBの検出値とする。
上記S210にて、電源電圧VBが8Vより低くないと判定した場合には、S220に進んで、駆動信号DLH,DLLを第1の出力パターンで出力するように設定する。その第1の出力パターンとは、図3に示した第1実施形態の出力パターンであり、駆動信号DLLの位相を、位相ずれ時間Tpだけ早くした信号を、駆動信号DLHとして出力する出力パターン(逆に言うと、駆動信号DLHの位相を、位相ずれ時間Tpだけ遅らせた信号を、駆動信号DLLとして出力する出力パターン)である。
そして、次のS230にて、図2(B)のグランドショート検出処理の実行を許可し、その後、当該出力パターン切り替え処理を終了する。
このため、電源電圧VBが8V以上の場合には、第1実施形態と同じになる。
一方、上記S210にて、電源電圧VBが8Vより低いと判定した場合には、S240に移行して、駆動信号DLH,DLLを第2の出力パターンで出力するように設定する。
その第2の出力パターンとは、還流期間として検査用期間を発生させずに非検査用期間だけを発生させるパターンであり、本実施形態では、図5に示すように、2つの駆動信号DLH,DLLを位相差無しで出力する出力パターンである。そして、このS240では、駆動信号DLHを出力するためのPWM信号出力回路と、駆動信号DLHを出力するためのPWM信号出力回路とを、同時に再起動させる。また、駆動信号DLH,DLLをソフトウェアの処理で出力する場合には、駆動信号DLHを出力するための上記(1)の処理と、駆動信号DLLを出力するための上記(1)の処理とが、同時に起動されるようにするか、あるいは、駆動信号DLH,DLLのうちの一方を、他方と同じレベルで出力するようにすれば良い。
そして、次のS250にて、図2(B)のグランドショート検出処理の実行を禁止し、その後、当該出力パターン切り替え処理を終了する。
このため、電源電圧VBが8Vよりも低い場合には、図5に示すように、還流期間が全て非検査用期間となる。そして、この場合には、正常であっても、ダイアグ信号DIAGがローのままになるため、グランドショート検出処理の実行を禁止している。つまり、ダイアグ信号DIAGに基づきグランドショートを判定する処理が行われないようにして、正常なのにグランドショートが発生していると誤判定してしまうのを防止している。
このような第2実施形態によれば、電源電圧VBが8Vよりも低くなった場合に、デューティ比の100%未満における最大可変範囲を拡張することができ、低電圧時の電流制御範囲を確保することができる。つまり、第1の出力パターンでは、少なくとも検査用期間の分(本実施形態ではTpの2倍の時間)はデューティ比の可変範囲として用いることができず、デューティ比の100%未満における最大可変範囲が小さくなるため、電源電圧VBが低い場合に、誘導性負荷Lに目標値の電流を流すためのデューティ比を実現することができなくなる可能性があるが、本第2実施形態によれば、第2の出力パターンに切り替えることにより、そのような可能性を下げることができる。
特に、EMIによるノイズや静電気の対策として、コンパレータ27の非反転入力端子への入力ラインや該コンパレータ27の出力ラインに設けられるノイズフィルタの時定数を大きい値に設定した場合には、前述した理由により、位相ずれ時間Tpを大きく設定することとなるため、本第2実施形態の構成が有効である。
尚、第2の出力パターンとしては、駆動信号DLLをハイのままにして、駆動信号DLHのデューティ比だけを制御する、というパターンでも良い。
[第3実施形態]
図6に示すように、第3実施形態の誘導性負荷制御装置3は、第1実施形態と比較すると、マイコン15からの駆動信号DLHが入力される遅延回路49を備えている点が異なっている。
その遅延回路49は、駆動信号DLHが一端に供給される抵抗51と、その抵抗51の他端とグランドラインとの間に接続されたコンデンサ53と、その抵抗51及びコンデンサ53からなる積分回路の出力を波形整形して出力するバッファ55とを備えている。
そして、遅延回路49は、駆動信号DLHを一定の遅延時間だけ遅らせてバッファ55から出力し、その遅延回路49の出力信号(バッファ55の出力信号)が、スイッチング素子QLに対する駆動信号DLLとして抵抗35に供給される。また、遅延回路49での遅延時間は、第1実施形態の位相ずれ時間Tpと同じ時間に設定されている。
このような第3実施形態の誘導性負荷制御装置3によっても、第1実施形態と同じ効果が得られる。また、マイコン15が、駆動信号DLHを遅延させるための処理や、駆動信号DLLを出力するための処理自体を行わなくても良いという利点がある。更に、駆動信号を出力するためのマイコン15のポートを1つ削減できるという利点もある。尚、本第3実施形態では、マイコン15と遅延回路49が電流制御手段に相当している。
[変形例]
上記各実施形態において、駆動信号DLH,DLLの出力パターン(第2実施形態においては第1の出力パターン)は、例えば、図7(A)〜(D)の各々に示すようなパターンでも良い。尚、図7(A)〜(D)における「Tp」は、前述した位相ずれ時間Tpと同じ長さの時間である。そして、図7(A)〜(D)において、斜線を付した部分が検査用期間である。
図7(A)のパターンは、駆動信号DLLの位相を、一定時間Tpだけ遅らせた信号を、駆動信号DLHとして出力する、というパターンであり、逆に言うと、駆動信号DLHの位相を、一定時間Tpだけ早くした信号を、駆動信号DLLとして出力する、というパターンである。
例えば、第1実施形態ならば、駆動信号DLLを出力するためのPWM信号出力回路又は処理を起動してから、一定時間Tpだけ待って、駆動信号DLHを出力するためのPWM信号出力回路又は処理を起動すれば良い。また、第3実施形態ならば、マイコン15から駆動信号DLLを出力すると共に、その駆動信号DLLを遅延回路49に入力し、その遅延回路49の出力を、駆動信号DLHとして抵抗45に供給すれば良い。
図7(B)のパターンは、駆動信号DLLをハイにするタイミングよりも一定時間Tpだけ前のタイミングで駆動信号DLHをハイにし、駆動信号DLLと駆動信号DLHを同時にローにする、というパターンであり、逆に言うと、駆動信号DLHをハイにするタイミングから一定時間Tpだけ後のタイミングで駆動信号DLLをハイにし、駆動信号DLLと駆動信号DLHを同時にローにする、というパターンである。
図7(C)のパターンは、駆動信号DLLと駆動信号DLHを同時にハイにし、駆動信号DLLをローにするタイミングから一定時間Tpだけ後のタイミングで駆動信号DLHをローにする、というパターンであり、逆に言うと、駆動信号DLLと駆動信号DLHを同時にハイにし、駆動信号DLHをローにするタイミングよりも一定時間Tpだけ前のタイミングで駆動信号DLLをローにする、というパターンである。
図7(D)のパターンは、両駆動信号DLH,DLLを同じタイミングでハイとローとに切り替えると共に、両駆動信号DLH,DLLがローになっている期間の途中で一定時間Tpだけ駆動信号DLHの方だけハイにする、というパターンである。
また、図3及び図7に示した各出力パターンにおいて、駆動信号DLHがローのときに、駆動信号DLLがハイになっても良い。
一方、ハイサイドのスイッチング素子QHとして、NチャネルMOSFETを用いるのであれば、そのスイッチング素子QHは、例えば、図8のような駆動回路で駆動すれば良い。
即ち、その駆動回路は、電源電圧VBから該電源電圧VBよりも高い昇圧電圧を生成する昇圧回路61と、駆動信号DLHがハイのときに昇圧電圧を出力し、駆動信号DLHがローのときに出力が0V又はハイインピーダンスになる出力回路63と、その出力回路63の出力端子に一端が接続され、他端がスイッチング素子QHのゲートに接続されたゲート保護用の抵抗65と、スイッチング素子QHのゲートとソースとの間に接続された誤動作防止用の抵抗67とからなる。そして、この駆動回路は、駆動信号DLHがハイになると、スイッチング素子QHのゲートに昇圧電圧を供給して、そのスイッチング素子QHをオンさせる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
例えば、上記各実施形態において、マイコン15の役割は、ハードウェア回路で実現しても良い。
また、スイッチング素子QH,QLは、MOSFETに限らず、例えばバイポーラトランジスタ等でも良い。
また、還流手段としては、ダイオード11に限らず、MOSFETやバイポーラトランジスタ等のスイッチング素子を用いても良い。その場合、還流手段としてのスイッチング素子は、通電期間以外の還流期間だけオンするように構成すれば良い。
また、制御対象の誘導性負荷Lは、自動変速機を変速させるためのリニアソレノイドに限らず、電流のフィードバック制御が必要な他の誘導性負荷でも良い。
1,3…誘導性負荷制御装置、L…誘導性負荷、QH…ハイサイドのスイッチング素子、QL…ローサイドのスイッチング素子、R0…電流検出用抵抗、R1〜R5,23,29,31〜39,43,45,51,65,67…抵抗、11…ダイオード、13…差動増幅回路、15…マイコン、17…モニタ回路、19…積分回路、21…オペアンプ、25,53…コンデンサ、27…コンパレータ、41…NPNトランジスタ、49…遅延回路、55…バッファ、61…昇圧回路、63…出力回路

Claims (4)

  1. 電源電圧が印加される電源ラインと誘導性負荷の一端との間に設けられ、オンすることで、前記電源ラインと前記誘導性負荷の前記一端とを導通させるハイサイドスイッチと、
    前記誘導性負荷の他端に一端が接続された電流検出用抵抗と、
    前記電流検出用抵抗の他端とグランドラインとの間に設けられ、オンすることで、前記電流検出用抵抗の前記他端と前記グランドラインとを導通させるローサイドスイッチと、
    前記ハイサイドスイッチと前記ローサイドスイッチとの両方がオンしている状態から、前記ハイサイドスイッチと前記ローサイドスイッチとの少なくとも一方がオフした状態に変化すると、前記誘導性負荷の前記他端側から前記電流検出用抵抗を経由して前記誘導性負荷の前記一端側へと電流を還流させる還流手段と、
    前記電流検出用抵抗の両端の電圧を入力電圧とする差動増幅回路と、
    前記ハイサイドスイッチと前記ローサイドスイッチとをオンオフさせる手段であって、前記ハイサイドスイッチと前記ローサイドスイッチとの両方をオンして前記電源ラインから前記誘導性負荷に電流を流す通電期間と、その後に前記ハイサイドスイッチと前記ローサイドスイッチとの少なくとも一方をオフして前記還流手段により前記誘導性負荷に電流を流す還流期間とを、交互に繰り返し発生させると共に、前記通電期間の発生間隔に対する該通電期間の割合を、前記差動増幅回路の出力電圧に基づいて、前記誘導性負荷に流れる電流が目標値となるように調節し、更に、前記還流期間として、前記ハイサイドスイッチがオンで且つ前記ローサイドスイッチがオフである一定の検査用期間と、前記ハイサイドスイッチがオフである非検査用期間とを発生させる電流制御手段と、
    前記誘導性負荷の前記他端の電圧が前記検査用期間において規定値以上になったか否かを判定し、前記規定値以上にならないと判定すると、前記誘導性負荷がグランド電位にショートしていると判断して、前記ハイサイドスイッチをオフ状態に固定するフェイルセーフ手段と、
    を備えることを特徴とする誘導性負荷制御装置。
  2. 請求項1に記載の誘導性負荷制御装置において、
    前記ハイサイドスイッチは、前記電流制御手段から出力されるPWM信号である第1の駆動信号がアクティブレベルのときにオンし、
    前記ローサイドスイッチは、前記電流制御手段から出力されるPWM信号である第2の駆動信号がアクティブレベルのときにオンし、
    前記電流制御手段は、前記第1の駆動信号と前記第2の駆動信号とのうちの一方の駆動信号の位相を、一定時間だけずらした信号を、前記第1の駆動信号と前記第2の駆動信号とのうちの他方の駆動信号として出力すると共に、前記2つの駆動信号のデューティ比を、前記差動増幅回路の出力電圧に基づいて、前記誘導性負荷に流れる電流が目標値となるように調節すること、
    を特徴とする誘導性負荷制御装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の誘導性負荷制御装置において、
    前記電流制御手段は、前記電源電圧が所定値より低いか否かを判定し、前記電源電圧が前記所定値よりも低い場合には、前記還流期間として、前記検査用期間を発生させずに、前記非検査用期間だけを発生させ、更に、前記フェイルセーフ手段の前記判定動作を停止させること、
    を特徴とする誘導性負荷制御装置。
  4. 請求項2に記載の誘導性負荷制御装置において、
    前記電流制御手段は、前記一方の駆動信号が入力されて、その入力信号を前記一定時間だけ遅らせて出力する遅延回路を備え、その遅延回路の出力信号を、前記他方の駆動信号として出力すること、
    を特徴とする誘導性負荷制御装置。
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