JP5776607B2 - 誘導性負荷駆動装置 - Google Patents

誘導性負荷駆動装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5776607B2
JP5776607B2 JP2012080935A JP2012080935A JP5776607B2 JP 5776607 B2 JP5776607 B2 JP 5776607B2 JP 2012080935 A JP2012080935 A JP 2012080935A JP 2012080935 A JP2012080935 A JP 2012080935A JP 5776607 B2 JP5776607 B2 JP 5776607B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
short
determination signal
circuit
terminal
inductive load
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012080935A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013211711A (ja
Inventor
佑輔 高橋
佑輔 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2012080935A priority Critical patent/JP5776607B2/ja
Publication of JP2013211711A publication Critical patent/JP2013211711A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5776607B2 publication Critical patent/JP5776607B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、一対の電源線を通じて与えられる電力を誘導性負荷に供給し、その誘導性負荷に流れる電流をフィードバック制御して誘導性負荷を駆動する誘導性負荷駆動装置に関する。
従来、自動車などの車両に搭載される自動変速機の制御分野においては、変速用のアクチュエータとしてリニアソレノイド(誘導性負荷に相当)が用いられており、そのリニアソレノイドの駆動を制御することにより変速が実現されている。この場合、リニアソレノイドについて、精度の高い電流制御技術が必要となる。そのため、リニアソレノイドを駆動するための駆動装置(誘導性負荷駆動装置に相当)は、リニアソレノイドに流れる負荷電流を検出する電流検出回路を備え、その検出値を目標値に一致させるように負荷電流をフィードバック制御する構成となっている(例えば特許文献1参照)。また、上記駆動装置としては、リニアソレノイドに関する異常へのフェールセーフ対策が施されていることが一般的である。例えば、リニアソレノイドの短絡故障(ショート障害)などの異常発生を電気的に検出し、リニアソレノイドに流れる電流をカット(遮断)することにより、フェールセーフを実現する手法が知られている。
図9は、リニアソレノイドを駆動する駆動装置の一構成例を示している。図9に示す駆動装置101は、ハイサイドスイッチ102、ローサイドスイッチ103、シャント抵抗104、還流ダイオード105、ダイアグ検知回路106、電流検出回路107および制御回路108を備えている。駆動装置101は、電源線109およびグランド線110を通じて与えられる電力をリニアソレノイド111に供給し、リニアソレノイド111に流れる電流をフィードバック制御する。ハイサイドスイッチ102は、電源線109およびリニアソレノイド111の上流側端子CNHの間を開閉する。ローサイドスイッチ103は、リニアソレノイド111の下流側端子CNLおよびグランド線110の間を開閉する。
ダイアグ検知回路106は、リニアソレノイド111の下流側端子CNLの電圧と所定の判定電圧とを比較した結果に応じて変化する検知信号SDGを制御回路108に出力する。電流検出回路107は、シャント抵抗104の端子電圧に基づいてリニアソレノイド111に流れる電流Irを検出し、その検出値を示す検出電圧Vfbを制御回路108に出力する。制御回路108は、ハイサイドスイッチ102を常時オンするとともに、電流Irが外部から与えられる目標値(目標電流)に一致するように、ローサイドスイッチ103の開閉をPWM制御する。
また、制御回路108は、ダイアグ検知回路106から与えられる検知信号SDGを用いてリニアソレノイド111に関する異常発生の有無を判断している。具体的には、制御回路108は、検知信号SDGにエッジが存在する場合には異常が発生していないと判断し、エッジが存在しない場合には異常が発生していると判断する(エッジ検出)。制御回路108は、異常が発生していると判断すると、ハイサイドスイッチ102をオフすることにより、リニアソレノイド111に流れる電流を遮断する。
特開2011−23802号公報
図9に示す構成において、制御回路108は、上流側端子CNHの地絡(上流側端子CNHおよびグランド線110の短絡)、下流側端子CNLの天絡(下流側端子CNLおよび電源線109の短絡)または下流側端子CNLの地絡(下流側端子CNLおよびグランド線110の短絡)が生じた場合、検知信号SDGが一定レベル(HレベルまたはLレベル)に固定されるため、エッジ検出により、その異常を検知することができる。
しかし、制御回路108は、上流側端子CNHおよび下流側端子CNLの端子間ショートが生じた場合、その異常を検知することができない。なぜなら、端子間ショートの場合、検知信号SDGが、異常が生じていない状態のとき(通常時)と同様のパルス状の波形になるからである。リニアソレノイド111の各端子間ショートを検知することができない場合、次のような問題が発生するおそれがある。すなわち、例えばリニアソレノイド111がライン圧制御用として使用されている場合、端子間ショート故障を検知することができずに、その故障状態のまま動作を続けると、変速ショックなどが生じる可能性がある。
なお、制御回路108は、上流側端子CNHの天絡(上流側端子CNHおよび電源線109の短絡)が生じた場合にも、その異常を検知することができない。しかし、上流側端子CNHが天絡した状態は、車両動作(リニアソレノイド111を駆動する動作)について考えると、通常時と同等であるため、異常検知の優先度は低い。そのため、例えば、車両始動時などにおいて、ハイサイドスイッチSWHがオフされた状態でローサイドスイッチ103を開閉し、検知信号SDGのエッジを検出することにより上流側端子CNHの天絡を検知することができる。この場合、上流側端子CNHが天絡している場合に、検知信号SDGにエッジが存在することになる。
さて、リニアソレノイド111の各端子間がショートすると、リニアソレノイド111の下流側に設けられたシャント抵抗104に過大な電流(過電流)が流れる。これにより、電流検出回路107から出力される検出電圧Vfbは通常時に比べて高い値を示す。一般に、制御回路108は、検出電圧Vfbに基づいて過電流を検知する過電流検知機能を備えている。このような過電流検知機能により上記シャント抵抗104に流れる過電流が検知されるのであれば、各端子間ショートを検知できないとしても、その過電流検知機能によるフェールセーフ動作を期待することができると考えられる。
しかし、制御回路108が過電流を判定するための判定時間は、ノイズなどによる誤判定防止のため、比較的長い時間(例えば数百ms)に設定されることが多い。一方、制御回路108が、検出電圧Vfbに基づいてローサイドスイッチ103の駆動デューティを可変する制御周期は、上記判定時間に比べて短い。そのため、制御回路108において、判定時間が経過する前にローサイドスイッチ103のオンデューティが十分に低い値に設定され、その結果、リニアソレノイド111に流れる電流が低く抑えられてしまう。つまり、ローサイドスイッチ103のオン時間が非常に短くなるために過電流の状態が解消され、リニアソレノイド111に流れる電流値が通常の範囲内の値になる。従って、シャント抵抗104に流れる過電流を検知する過電流検知機能によるフェールセーフ動作は期待することができない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、誘導性負荷の各端子に関する短絡故障を確実に検出することができる誘導性負荷駆動装置を提供することにある。
請求項1に記載の手段によれば、一対の電源線を通じて与えられる電力を誘導性負荷に供給し、誘導性負荷に流れる電流をフィードバック制御して誘導性負荷を駆動する。ハイサイドスイッチは、一対の電源線のうち高電位側電源線と誘導性負荷の一方の端子との間に介在する。端子電圧検出部は、誘導性負荷の他方の端子電圧を検出し、その検出電圧値が判定電圧値未満である場合に第1レベルになるとともに、検出電圧値が判定電圧値以上である場合に第2レベルになる第1判定信号を出力する。ハイサイド電流検出部は、ハイサイドスイッチを通じて流れる電流を検出し、その検出電流値が判定電流値以上である場合に第1レベルになるとともに、検出電流値が判定電流値未満である場合に第2レベルになる第2判定信号を出力する。ローサイドスイッチは、誘導性負荷の他方の端子と一対の電源線のうち低電位側電源線との間の給電経路に介在する。負荷電流検出部は、誘導性負荷の他方の端子とローサイドスイッチとの間に流れる負荷電流を検出し、その検出値に応じた検出電圧を出力する。制御部は、ハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチの駆動を制御する。
制御部は、ハイサイドスイッチをオンに固定するとともに、検出電圧および負荷電流の目標値に基づいて負荷電流の検出値が目標値に一致するようにローサイドスイッチをPWM駆動する通常動作を実行する。すなわち、通常動作が実行されると、誘導性負荷に流れる負荷電流が目標値に一致するようにローサイドスイッチの駆動がフィードバック制御される(電流フィードバック制御)。また、制御部は、ハイサイドスイッチをオン/オフ繰り返すことにより電流制限する保護動作を実行する。すなわち、保護動作が実行されると、ハイサイドスイッチがオン/オフ繰り返されるため、誘導性負荷に流れる電流が制限される。そのため、ハイサイドスイッチを保護できる。
さらに、制御部は、第1判定信号および第2判定信号に基づいて、誘導性負荷の各端子に関する短絡故障を検出する短絡故障検出動作を実行する。第1判定信号および第2判定信号は、誘導性負荷の各端子に関する短絡故障の発生有無に応じて、その態様が次の(1)〜(5)のように変化する。
(1)上記短絡故障が生じていない状態(以下、非短絡状態とも称す)または誘導性負荷の一方の端子と高電位側電源線との間が短絡した状態(以下、第1天絡状態とも称す)において、第1判定信号は、第1レベルである状態および第2レベルである状態が交互に繰り返されるパルス信号となる。これは、ローサイドスイッチのスイッチング動作に伴い、誘導性負荷の他方の端子電圧(検出電圧値)が判定電圧値未満である状態および判定電圧値以上である状態が交互に繰り返されるためである。また、このとき、ハイサイドスイッチを通じて通常範囲の電流が流れるため、検出電流値が判定電流値未満となり、第2判定信号は第2レベルに固定される。
(2)誘導性負荷の一方の端子と低電位側電源線との間が短絡した状態(以下、第1地絡状態とも称す)において、第1判定信号は、検出電圧値が判定電圧値未満であるため、第1レベルに固定される。また、このとき、ハイサイドスイッチを通じて通常範囲を超える電流(過電流)が流れるため、検出電流値が判定電流値以上となり、第2判定信号は第1レベルに固定される。
(3)誘導性負荷の他方の端子と高電位側電源線との間が短絡した状態(以下、第2天絡状態とも称す)において、第1判定信号は、検出電圧値が判定電圧値以上であるため、第2レベルに固定される。また、このとき、ハイサイドスイッチのドレインおよびソースが同電位となるため、ハイサイドスイッチには電流が流れない。そのため、検出電流値が判定電流値未満となり、第2判定信号は第2レベルに固定される。
(4)誘導性負荷の他方の端子と低電位側電源線との間が短絡した状態(以下、第2地絡状態とも称す)において、第1判定信号は、検出電圧値が判定電圧値未満であるため、第1レベルに固定される。また、このとき、ハイサイドスイッチを通じて通常範囲の電流が流れるため、検出電流値が判定電流値未満となり、第2判定信号は第2レベルに固定される。
(5)誘導性負荷の各端子間が短絡した状態(以下、端子間短絡状態とも称す)において、第1判定信号は、第1レベルである状態および第2レベルである状態が交互に繰り返されるパルス信号となる。また、このとき、第2判定信号は、第1レベルである状態および第2レベルである状態が交互に繰り返されるパルス信号となる。これは、ローサイドスイッチのスイッチング動作に伴い、ハイサイドスイッチを通じて電流が流れない状態(検出電流値が判定電流値未満の状態)と、過電流が流れる状態(検出電流値が判定電流値以上の状態)とが交互に繰り返されるためである。
このように、第1判定信号および第2判定信号は、誘導性負荷の各端子に関する短絡故障の発生が生じていないとき(上記(1)のとき)と、生じているとき(上記(2)〜(5)のとき)とで、その態様が異なる。そして、制御部は、第1判定信号および第2判定信号の上述したような態様の違いに基づいて、誘導性負荷の各端子に関する短絡故障を検出する。なお、第1判定信号および第2判定信号は、非短絡状態および第1天絡状態において同様の態様を示す。つまり、第1判定信号および第2判定信号に基づいて、非短絡状態および第1天絡状態を区別することができない。しかし、第1天絡状態については、発明が解決しようとする課題の欄において述べたような理由から、検出すべき短絡故障の状態から除外することができる。そのため、本手段によれば、誘導性負荷の各端子に関する短絡故障を確実に検出することができると言える。
請求項2に記載の手段によれば、制御部は、短絡故障検出動作を実行する際、第1判定信号がパルス信号ではないという条件および第2判定信号がパルス信号であるという条件のうち少なくとも一方を満たす場合、短絡故障が生じていると判断する。このようにすれば、制御部は、第1判定信号および第2判定信号のエッジの有無を検出すること(エッジ検出)により、短絡故障の有無を判断することができる。そのため、制御部による制御内容が簡略化され、ソフトウェアにおける処理負荷が低減されるという効果が得られる。
請求項3に記載の手段によれば、制御部は、短絡故障検出動作を実行する際、非短絡故障状態または第1天絡状態、第1地絡状態、第2天絡状態、第2地絡状態および端子間短絡状態のうち、いずれの状態であるかを特定する。前述したとおり、第1判定信号および第2判定信号は、誘導性負荷の各端子に関する短絡故障の発生有無および短絡故障の内容に応じて、その態様が異なる。そのため、制御部は、第1判定信号および第2判定信号の態様の違いに基づいて、誘導性負荷の各端子に関する短絡故障の発生有無および短絡故障の内容(故障モード)を特定することができる。このように、故障モードを特定することができれば、特定された故障モードに合わせたフェールセーフ動作を適宜選択するといった対応を行うことが可能となる。
請求項4に記載の手段によれば、制御部は、短絡故障検出動作を実行する際、第1判定信号がパルス信号であるという条件および第2判定信号が第2レベルであるという条件を満たす場合、非短絡状態または第1天絡状態であると特定する。また、制御部は、この際、第1判定信号が第1レベルであるという条件および第2判定信号が第1レベルであるという条件を満たす場合、第1地絡状態であると特定する。また、制御部は、この際、第1判定信号が第1レベルであるという条件および第2判定信号が第2レベルであるという条件を満たす場合、第2地絡状態であると特定する。また、制御部は、この際、第1判定信号が第2レベルであるという条件および第2判定信号が第2レベルであるという条件を満たす場合、第2天絡状態であると特定する。また、制御部は、この際、第1判定信号がパルス信号であるという条件および第2判定信号がパルス信号であるという条件を満たす場合、端子間短絡状態であると特定する。このようにすれば、制御部は、第1判定信号および第2判定信号の態様の違いに基づいて短絡故障の内容(故障モード)を確実に特定することができる。
請求項5に記載の手段によれば、第1判定信号および第2判定信号の論理和である判定信号を出力するAND回路を備えている。そして、制御部は、短絡故障検出動作を実行する際、第1判定信号および第2判定信号に代えてAND回路から出力される判定信号に基づいて、誘導性負荷の各端子に関する短絡故障を検出する。このようにすれば、制御部は、短絡故障検出動作を行うために、外部から入力する信号の数を2つから1つに減らすことができる。これは、例えば、制御部がマイクロコンピュータを主体として構成される場合、短絡故障検出動作のために用いる信号により占有される入力ポートの数が2つから1つに低減されるということを意味する。また、判定信号の態様は、誘導性負荷の各端子に関する短絡故障が生じている場合と、短絡故障が生じていない場合とで異なる。そのため、第1判定信号および第2判定信号に代えて、それらの論理和である判定信号を用いた場合であっても、誘導性負荷の各端子に関する短絡故障の発生有無について確実に検出することができる。
請求項6に記載の手段によれば、制御部は、短絡故障検出動作を実行する際、判定信号がパルス信号ではないという条件を満たす場合、短絡故障が生じていると判断する。このようにすれば、制御部は、判定信号のエッジの有無を検出すること(エッジ検出)により、短絡故障の有無を判断することができる。そのため、制御部による制御内容が簡略化され、ソフトウェアにおける処理負荷が低減されるという効果が得られる。
請求項7に記載の手段によれば、端子電圧検出部は、オープンコレクタまたはオープンドレインのトランジスタにより出力段が構成される。また、ハイサイド電流検出部は、オープンコレクタまたはオープンドレインのトランジスタにより出力段が構成される。それら端子電圧検出部およびハイサイド電流検出部の各出力端子は、共通接続されるとともに、プルアップ抵抗を介して第2レベルに相当する電圧にプルアップされている。このようにすれば、論理回路を別途設けることなく、第1判定信号および第2判定信号の論理和である判定信号を出力するAND回路を構成することができるため、装置全体としての回路規模を小さく抑えることができる。
本発明の第1の実施形態を示すもので駆動装置の概略的な構成図 ハイサイドドライバの詳細構成を示す図 チョッピング回路の構成を示すブロック図 各部の信号波形および電圧波形を示す図 第1および第2判定信号の態様と短絡故障状態の判定結果との関係図 本発明の第2の実施形態を示す図1相当図 図4相当図 図5相当図 従来技術を示す図1相当図
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図1〜図5を参照しながら説明する。
図1に示すように、駆動装置1(誘導性負荷駆動装置に相当)は、図示しないバッテリから電源線2およびグランド線3(一対の電源線に相当)を通じて与えられる電力をリニアソレノイド4(誘導性負荷に相当)に供給する。また、駆動装置1は、リニアソレノイド4に流れる負荷電流Irをフィードバック制御してリニアソレノイド4を駆動する。リニアソレノイド4は、例えば、自動車などの車両に搭載される自動変速機における変速用のアクチュエータとして用いられるものである。
駆動装置1は、ハイサイドドライバ5、ローサイドスイッチSWL、負荷電流検出部6、ダイオードD1、端子電圧検出部7、制御回路8(制御部に相当)などから構成される。ハイサイドドライバ5が備えるハイサイドスイッチSWHは、Nチャネル型のパワーMOSFETである。ハイサイドスイッチSWHのドレインは、電源端子Pd1を介して電圧VB(例えば+12V)が与えられる電源線2(高電位側電源線に相当)に接続されている。ハイサイドスイッチSWHのソースは、出力端子Pd2を介してリニアソレノイド4の上流側端子CNH(一方の端子に相当)に接続されている。つまり、ハイサイドスイッチSWHは、電源線2および上流側端子CNHの間に介在する。ハイサイドスイッチSWHのゲートには、制御ロジック9からゲート駆動信号Ghが与えられる。制御ロジック9は、制御回路8から抵抗R1および入力端子Pd3を通じて与えられる指令信号Shに基づいて、ゲート駆動信号Ghを生成する。
詳細は後述するが、ハイサイドドライバ5は、ハイサイドスイッチSWHを通じて流れる電流を検出し、その検出電流値に応じてトランジスタT1をオンまたはオフする機能(ハイサイド電流検出部に相当)を備えている。トランジスタT1は、Nチャネル型のMOSFETである。トランジスタT1のソースは、グランド端子Pd4を介してグランド線3に接続されている。トランジスタT1のドレインは、DIAG端子Pd5に接続されている。DIAG端子Pd5は、抵抗R2を介して電圧Vsが印加される電源端子10に接続されている。つまり、トランジスタT1のドレインは、電圧Vsにプルアップされている。電圧Vsは、例えば制御回路8の電源電圧と同じであり、例えば+5Vである。また、DIAG端子Pd5は、制御回路8の第2判定入力端子Pc2に接続されている。これにより、ハイサイドスイッチSWHを通じて流れる電流に応じて変化する第2判定信号DG2が制御回路8に与えられる。
ローサイドスイッチSWLは、Nチャネル型のパワーMOSFETである。ローサイドスイッチSWLのソースは、接地電位(0V)が与えられるグランド線3(低電位側電源線に相当)に接続されている。ローサイドスイッチSWLのドレインは、負荷電流検出部6のシャント抵抗Rsを介してリニアソレノイド4の下流側端子CNL(他方の端子に相当)に接続されている。つまり、ローサイドスイッチSWLは、リニアソレノイド4の下流側端子CNLとグランド線3との間の給電経路に介在する。ローサイドスイッチSWLのゲート・ソース間には、抵抗R3が接続されている。
リニアソレノイド4の上流側端子CNHおよびローサイドスイッチSWLのドレインの間には、ローサイドスイッチSWL側をアノードとしてダイオードD1が接続されている。ダイオードD1は、ハイサイドスイッチSWHおよびローサイドスイッチSWLの双方がオンしている状態から、ハイサイドスイッチSWHおよびローサイドスイッチSWLのうち少なくとも一方がオフした状態に移行した際、リニアソレノイド4の下流側端子CNLからシャント抵抗Rsを経由して上流側端子CNHへと電流(負荷電流Ir)を還流する。つまり、ダイオードD1は、還流ダイオードであり、リニアソレノイド4が断電された際に生じる逆起電力によるサージを抑制する。
端子電圧検出部7は、リニアソレノイド4の下流側端子CNLの端子電圧VNLに応じた第1判定信号DG1を出力する。端子電圧検出部7は、ローパスフィルタ回路11、コンパレータ12および抵抗R4を備えている。リニアソレノイド4の下流側端子CNLの電圧VNLは、抵抗R5およびコンデンサC1からなるローパスフィルタ回路11を通じてコンパレータ12の非反転入力端子に与えられる。コンパレータ12の反転入力端子には、判定電圧Vr1が与えられている。判定電圧Vr1は、電圧VBの1/2倍の電圧(VB/2)である。コンパレータ12の出力端子は、抵抗R4(プルアップ用抵抗に相当)を介して電源端子10に接続されている。つまり、コンパレータ12の出力端子は、抵抗R4を介して電圧Vsにプルアップされている。なお、図示しないが、コンパレータ12の出力段は、オープンドレインのトランジスタにより構成されている。
このような構成によれば、下流側端子CNLの端子電圧VNLが判定電圧Vr1未満である場合、コンパレータ12の出力がLレベル(グランド線3の電位=0V)になる。また、下流側端子CNLの端子電圧VNLが判定電圧Vr1以上である場合、コンパレータ12の出力がHレベル(電圧Vs)になる。このようなコンパレータ12の出力信号が第1判定信号DG1に相当する。なお、本実施形態の第1判定信号DG1においては、上記Lレベルが第1レベルに相当し、上記Hレベルが第2レベルに相当する。第1判定信号DG1は、制御回路8の第1判定入力端子Pc1に与えられる。これにより、下流側端子CNLの端子電圧VNLに応じて変化する第1判定信号DG1が制御回路8に与えられる。
負荷電流検出部6は、リニアソレノイド4の下流側端子CNLとローサイドスイッチSWLとの間に流れる負荷電流Irに応じた検出電圧Vfbを出力する。負荷電流検出部6は、シャント抵抗Rs、抵抗R7〜R11、オペアンプ13およびローパスフィルタ回路14を備えている。シャント抵抗Rsの各端子電圧は、それぞれ抵抗R7、R8を介してオペアンプ13の各入力端子に与えられている。オペアンプ13の非反転入力端子は、抵抗R9を介してグランド線3に接続されている。オペアンプ13の出力端子および反転入力端子の間には、抵抗R10が接続されている。オペアンプ13の出力端子は、抵抗R11を介してグランド線3に接続されている。オペアンプ13の出力信号は、抵抗R12およびコンデンサC2からなるローパスフィルタ回路14を通じて制御回路8の検出電圧入力端子Pc3に与えられる。この場合、ローパスフィルタ回路14の出力が検出電圧Vfbとなる。これにより、負荷電流Irの検出値に応じた検出電圧Vfbが制御回路8に与えられる。
制御回路8は、例えばマイクロコンピュータを主体として構成されている。制御回路8には、自動変速機による変速を制御する外部の制御装置(図示せず)から、リニアソレノイド4に流す電流の目標値(目標電流)が与えられる。また、制御回路8は、負荷電流検出部6から与えられる検出電圧Vfbに基づいて、リニアソレノイド4に流れる負荷電流Irの値を取得する。制御回路8は、目標値および負荷電流Irの検出値に応じたデューティ比を持つPWM信号Slを出力する。PWM信号Slは、抵抗R13を通じてローサイドスイッチSWLのゲートに与えられる。
制御回路8は、通常動作、保護動作および短絡故障検出動作を実行する。制御回路8は、通常動作を実行する際、ハイサイドドライバ5に対し、ハイサイドスイッチSWHをオンする指令を表す指令信号Shを出力する。また、制御回路8は、通常動作を実行する際、負荷電流Irの検出値を目標値に一致させるようにローサイドスイッチSWLを駆動するためのPWM信号Slを出力する。つまり、制御回路8は、通常動作を実行する際、ハイサイドスイッチSWHをオンした上で、ローサイドスイッチSWLを所定のオンデューティでスイッチング動作させる。
制御回路8は、保護動作を実行する際、ハイサイドドライバ5に対し、ハイサイドスイッチSWHをオフする指令を表す指令信号Shを出力する。これにより、ローサイドスイッチSWLの状態(オン/オフ)に関係なく、リニアソレノイド4に流れる負荷電流Irが遮断される。詳細は後述するが、制御回路8は、短絡故障検出動作を実行する際、第1判定信号DG1および第2判定信号DG2に基づいて、リニアソレノイド4の各端子に関する短絡故障を検出する。なお、制御回路8は、通常動作を実行する際、併せて短絡故障検出動作を実行する。そして、制御回路8は、短絡故障検出動作によりリニアソレノイド4の各端子に関する短絡故障が検出されると、例えば上記した保護動作などのフェールセーフ動作を実行する。
続いて、ハイサイドドライバ5の詳細な構成について説明する。図2に示すように、制御ロジック9は、コンパレータ21、チョッピング回路22およびAND回路23を備えている。コンパレータ21の反転入力端子には、ハイサイドスイッチSWHのソース電圧が与えられている。コンパレータ21の非反転入力端子には、所定の基準電位Vr2が与えられている。ハイサイドスイッチSWHのソース電圧は、ハイサイドスイッチSWHを通じて流れる電流が大きくなるほど低下する。すなわち、ハイサイドスイッチSWHのソース電圧は、ハイサイドスイッチSWHを通じて流れる電流の検出値(検出電流値)に相当する。
そのため、基準電位Vr2としては、ハイサイドスイッチSWHを通じて流れる電流が過電流を判定するための判定電流値になったときのソース電圧に相当する電圧に設定される。このような構成により、コンパレータ21の出力は、ハイサイドスイッチSWHを通じて流れる電流が判定電流値未満である場合にLレベルとなり、判定電流値以上である場合にHレベルとなる。
コンパレータ21の出力信号は、トランジスタT1のゲートに与えられている。これにより、トランジスタT1は、ハイサイドスイッチSWHを通じて流れる電流が判定電流値未満である場合にオフされ、判定電流値以上である場合にオンされる。従って、第2判定信号DG2は、ハイサイドスイッチSWHを通じて流れる電流が判定電流値未満である場合にHレベル(電圧Vs)になり、判定電流値以上である場合にLレベル(グランド線3の電位=0V)になる。なお、本実施形態の第2判定信号DG2においては、上記Lレベルが第1レベルに相当し、上記Hレベルが第2レベルに相当する。また、コンパレータ21の出力信号は、チョッピング回路22に入力されている。
図3に示すように、チョッピング回路22は、積分回路24、コンパレータ25およびカウンタ26を備えている。積分回路24には、コンパレータ21の出力信号およびカウンタ26の出力信号が入力される。コンパレータ25は、積分回路24の出力および所定の基準電位Vr3を比較する。コンパレータ25の出力信号はカウンタ26に入力される。カウンタ26の出力は、チョッピング回路22の出力信号とされる。
このような構成により、チョッピング回路22の出力信号は、ハイサイドスイッチSWHを通じて流れる電流が判定電流値未満である場合にLレベルに固定され、判定電流値以上である場合に、所定周期で発振する。チョッピング回路22の出力信号は、AND回路23の一方の入力端子に与えられている。AND回路23の他方の入力端子には、指令信号Shが与えられている。従って、ハイサイドスイッチSWHを通じて流れる電流が判定電流値未満である場合(定常時)、ハイサイドスイッチSWHは、指令信号Shに従ってオン/オフされる。
一方、ハイサイドスイッチSWHを通じて流れる電流が判定電流値以上である場合(過電流時)、ハイサイドスイッチSWHは、指令信号Shに関係なくオン/オフが繰り返される。このように、ハイサイドドライバ5は、過電流時、ハイサイドスイッチSWHの保護を行うために、出力を発振(チョッピング)させ、電流レベルを強制的に低減する機能を有している。
次に、制御回路8による短絡故障検出動作について説明する。
第1判定信号DG1および第2判定信号DG2は、リニアソレノイド4の各端子に関する短絡故障の発生有無および故障内容に応じて、その態様が次の(a)〜(f)のように変化する。
(a)非短絡状態
図4(a)に示すように、リニアソレノイド4の各端子に関する短絡故障が生じていない非短絡状態(通常の状態)では、リニアソレノイド4の下流側端子CNLの端子電圧VNLは、ローサイドスイッチSWLのゲート駆動信号(PWM信号Sl)に同期したパルス状の電圧となる。そのため、第1判定信号DG1は、LレベルおよびHレベルが交互に繰り返されるパルス信号となる。また、ハイサイドスイッチSWHを通じて流れる電流は、定常値(定常電流)である。そのため、第2判定信号DG2は、Hレベルに固定される。また、検出電圧Vfbは、目標電流に対応した任意の電圧となる。
(b)第1地絡状態
図4(b)に示すように、リニアソレノイド4の上流側端子CNHが、例えばグランド線3とショートするなどして地絡した場合、リニアソレノイド4には電流が流れない。そのため、リニアソレノイド4の下流側端子CNLも接地電位(グランド線3の電圧=0V)に固定される。従って、第1判定信号DG1は、Lレベルに固定される。また、ハイサイドスイッチSWHのソースが接地電位に固定される。そのため、ハイサイドドライバ5において過電流が検知され、第2判定信号DG2はLレベルに固定される。また、検出電圧Vfbは、シャント抵抗Rsに電流が流れないため、Lレベルに固定される。
(c)第1天絡状態
図4(c)に示すように、リニアソレノイド4の上流側端子CNHが、例えば電源線2とショートするなどして天絡した場合、第1判定信号DG1および第2判定信号DG2は、非短絡状態と同様の態様となる。
(d)第2地絡状態
図4(d)に示すように、リニアソレノイド4の下流側端子CNLが地絡した場合、リニアソレノイド4に電流が流れるものの、下流側端子CNLの端子電圧VNLが接地電位に固定される。そのため、第1判定信号DG1は、Lレベルに固定される。また、ハイサイドスイッチSWHに流れる電流は、リニアソレノイド4の抵抗成分により、過大な電流とはならない。そのため、ハイサイドドライバ5において過電流が検知されず、第2判定信号DG2はHレベルに固定される。また、検出電圧Vfbは、シャント抵抗Rsに電流が流れないため、Lレベルに固定される。
(e)第2天絡状態
図4の(e)に示すように、リニアソレノイド4の下流側端子CNLが天絡した場合、リニアソレノイド4には電流が流れず、リニアソレノイド4の下流側端子CNLの端子電圧VNLが電源線2の電圧(電圧VB)に固定される。そのため、第1判定信号DG1は、Hレベルに固定される。また、ハイサイドスイッチSWHのドレインおよびソースが同電位となるため、ハイサイドスイッチSWHにも電流が流れない。そのため、ハイサイドドライバ5において過電流が検知されず、第2判定信号DG2は、Hレベルに固定される。また、シャント抵抗Rsには、ローサイドスイッチSWLのスイッチング動作に同期して過大な電流が流れる。そのため、検出電圧Vfbは、通常時に比べて高い電圧を示す。ただし、実際には、制御回路8による電流フィードバック制御により、ローサイドスイッチSWLのオンデューティが低減されるため、検出電圧Vfbが通常時と同程度の電圧を示すこともある。
(f)端子間短絡状態
図4の(f)に示すように、リニアソレノイド4の各端子間が短絡した場合、リニアソレノイド4には電流が流れず、リニアソレノイド4の下流側端子CNLの端子電圧VNLがローサイドスイッチSWLのスイッチング動作に同期して電圧値が変動する。そのため、第1判定信号DG1は、LレベルおよびHレベルが交互に繰り返されるパルス信号となる。また、ハイサイドスイッチSWHには、ローサイドスイッチSWLのスイッチング動作に同期して過電流が流れる。そのため、第2判定信号DG2は、LレベルおよびHレベルが交互に繰り返されるパルス信号となる。また、シャント抵抗Rsには、ローサイドスイッチSWLのスイッチング動作に同期して過大な電流が流れる。そのため、検出電圧Vfbは、通常時に比べて高い電圧を示す。ただし、実際には、制御回路8による電流フィードバック制御により、ローサイドスイッチSWLのオンデューティが低減されるため、検出電圧Vfbが通常時と同程度の電圧を示すこともある。
このように、第1判定信号DG1および第2判定信号DG2は、リニアソレノイド4の各端子に関する短絡故障の有無および故障内容に応じて、その態様が異なる。制御回路8は、このような態様の違いに基づいて、リニアソレノイド4の各端子に関する短絡故障の有無および故障内容の切り分け(特定)を以下のようにして行う。なお、非短絡状態および第1天絡状態においては、第1判定信号DG1および第2判定信号DG2が同様の態様を示す。つまり、第1判定信号DG1および第2判定信号DG2に基づいて、非短絡状態および第1天絡状態のいずれの状態であるのかを特定することができない。しかし、第1天絡状態については、発明が解決しようとする課題の欄において述べたような理由から、検出するべき短絡故障の状態から除外することができる。従って、以降の説明では、第1天絡状態については短絡故障が生じていない状態(非短絡状態)と同等の状態として扱うことにする。ただし、第1天絡状態を検出する方法については別途説明する。
制御回路8は、短絡故障検出動作として、短絡故障の有無だけを判断する簡略モードと、短絡故障の内容(故障モード)を特定する詳細モードとを選択的に実行することができる。図5は、第1判定信号DG1および第2判定信号DG2の態様と、制御回路8による短絡故障の判定結果との関係を示している。
<簡略モード>
制御回路8は、簡略モードの短絡故障検出動作を実行する際、第1判定信号DG1がパルス信号ではないという第1条件および第2判定信号DG2がパルス信号であるという第2条件のうち、少なくとも一方の条件を満たす場合、短絡故障が生じていると判断する。また、制御回路8は、第1条件および第2条件のいずれの条件も満たさない場合、短絡故障が生じていないと判断する。すなわち、制御回路8は、第1判定信号DG1および第2判定信号DG2のエッジの有無を検出することにより、短絡故障の有無を判断する。
図5に示すように、第1地絡状態、第2地絡状態および第2天絡状態では、第1判定信号DG1がそれぞれLレベル固定、レベル固定およびHレベル固定であるため、第1条件を満たしている。そのため、通常モードによれば、短絡故障が生じていると正しく判断される。また、端子間短絡状態では、第1判定信号DG1がパルス信号であるため、第1条件を満たしていないが、第2判定信号DG2がパルス信号であるため、第2条件を満たしている。そのため、通常モードによれば、短絡故障が生じていると正しく判断される。
一方、非短絡状態および第1天絡状態では、第1判定信号DG1がパルス信号であるため、第1条件を満たしていない上、第2判定信号DG2がHレベル固定であるため、第2条件も満たしていない。そのため、通常モードによれば、短絡故障が生じていないと正しく判断される。
<詳細モード>
制御回路8は、詳細モードの短絡故障検出動作を実行する際、第1判定信号DG1がパルス信号であるとともに、第2判定信号DG2がHレベルである場合、非短絡状態であると特定する。また、制御回路8は、第1判定信号DG1および第2判定信号DG2がいずれもLレベルである場合、第1地絡状態であると特定する。また、制御回路8は、第1判定信号DG1がLレベルであるとともに、第2判定信号DG2がHレベルである場合、第2地絡状態であると特定する。また、制御回路8は、第1判定信号DG1および第2判定信号DG2がいずれもHレベルである場合、第2天絡状態であると特定する。また、制御回路8は、第1判定信号DG1および第2判定信号DG2がいずれもパルス信号である場合、端子間短絡状態であると特定する。このように、詳細モードによれば、短絡故障の発生有無が正しく判断されるだけでなく、短絡故障の内容が正しく特定される。
上記詳細モードにおいて、制御回路8は、第1判定信号DG1および第2判定信号DG2について、パルス信号であるか否かの判定(エッジ検出)だけでなく、信号レベル(L/H)を判定する必要がある。このような信号レベルの判定は、次のようにすることで、エッジ検出に置き換えることが可能である。この場合、制御回路8は、簡略モードと同様の判別方法により、短絡故障の有無を判断する。その判断により短絡故障が有ると判断された場合、さらに以下のように故障内容を特定する。
すなわち、制御回路8は、第1判定信号DG1にエッジが無いことが確認されるとともに、第2判定信号DG2にエッジが有ることが確認される場合、第1地絡状態であると特定する。この場合に検出(確認)される第2判定信号DG2のエッジは、非短絡状態から第1地絡状態に移行する際に、HレベルからLレベルに転じる際に生じるものである。また、このとき、検出電圧Vfbは任意の電圧値(0Vよりも高い電圧値)となる。
また、制御回路8は、第1判定信号DG1および第2判定信号DG2のいずれにもエッジが無いことが確認されるとともに、検出電圧VfbがLレベル(0V)に固定されていることが確認される場合、第2地絡状態であると特定する。また、制御回路8は、第1判定信号DG1および第2判定信号DG2のいずれにもエッジが無いことが確認されるとともに、検出電圧Vfbが任意の電圧値であることが確認される場合、第2天絡状態であると特定する。また、制御回路8は、第1判定信号DG1および第2判定信号DG2のいずれにも周期的なエッジが有ることが確認される場合、端子間短絡状態であると特定する。このように、エッジ検出を用いた詳細モードによっても、短絡故障の発生有無が正しく判断されるだけでなく、短絡故障の内容が正しく特定される。
また、制御回路8は、車両始動時などにおいて、次のような動作を行うことにより、第1天絡状態が生じているか否かを検出する。すなわち、制御回路8は、ハイサイドドライバ5に対し、ハイサイドスイッチSWHをオフする旨を表す指令信号Shを出力するとともに、ローサイドスイッチSWLを適当な周期でスイッチング動作する。この場合、リニアソレノイド4に異常(短絡故障)が生じていなければ、リニアソレノイド4およびシャント抵抗Rsに電流が流れない。そのため、第1判定信号DG1はLレベルに固定される。また、検出電圧VfbもLレベルに固定される。
これに対し、リニアソレノイド4の上流側端子CNHが天絡した状態では、リニアソレノイド4およびシャント抵抗Rsに電流が流れる。そのため、第1判定信号DG1は、ローサイドスイッチSWLのスイッチング動作に同期したパルス信号になる。また、検出電圧Vfbは任意の電圧値となる。従って、制御回路8は、第1判定信号DG1がパルス信号であるか否か(エッジの有無)に基づいて、第1天絡状態であるか否かを判断することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば次のような効果が得られる。
端子電圧検出部7は、リニアソレノイド4の下流側端子CNLの端子電圧VNLに応じて変化する第1判定信号DG1を出力する。また、ハイサイドドライバ5は、ハイサイドスイッチSWHに流れる電流に応じて変化する第2判定信号DG2を出力する。それら第1判定信号DG1および第2判定信号DG2は、リニアソレノイド4の各端子に関する短絡故障の発生有無および故障内容に応じて態様が変化するものである。そして、制御回路8は、第1判定信号DG1および第2判定信号DG2に基づいてリニアソレノイド4の各端子に関する短絡故障を検出する短絡故障検出動作を実行する。従って、本実施形態によれば、リニアソレノイド4の各端子に関する短絡故障を確実に検出することができる。
制御回路8は、簡略モードの短絡故障検出動作を実行する際、第1判定信号DG1および第2判定信号DG2のエッジの有無を検出すること(エッジ検出)により、短絡故障の有無を判断する。そのため、制御回路8を構成するマイクロコンピュータの制御内容が簡略化され、ソフトウェアにおける処理負荷が低減されるという効果が得られる。また、制御回路8は、詳細モードの短絡故障検出動作を実行する際、第1判定信号DG1および第2判定信号DG2の態様の違いに基づいて、非短絡故障状態、第1地絡状態、第2天絡状態、第2地絡状態および端子間短絡状態のうち、いずれの状態であるのかを特定する。このように、短絡故障の内容(故障モード)を特定することができれば、特定された故障モードに合わせたフェールセーフ動作を適宜選択するといった対応を行うことが可能となる。
なお、リニアソレノイド4の各端子に関する短絡故障を確実に検出するため、本実施形態の構成に代えて、次のような構成を採用することが考えられる。すなわち、リニアソレノイド4の上流側に流れる電流を検出する電流検出回路を設け、その電流検出回路により過電流が検出されると、リニアソレノイド4に流れる電流を強制的に遮断するという構成である。しかしながら、このような構成を採用した場合、車両としては変速を実行することが出来なくなってしまうにもかかわらず、故障の原因を特定することができない。故障の原因が不明であると、その修理が行われる際に、本来交換の必要のない部品まで交換をしなければならなくなるなどの問題が生じる。これに対し、本実施形態の構成によれば、リニアソレノイド4の各端子に関する故障の内容を確実に特定することができるため、上述した問題が生じることもない。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について、図6〜図8を参照しながら上記実施形態と異なる点を主体に説明する。
図6に示す駆動装置31は、図1に示した駆動装置1に対し、抵抗R2が省かれているとともに、制御回路8に代えて制御回路32(制御部に相当)を備えている点が異なる。制御回路32は、制御回路8に対し、第2判定入力端子Pc2が省かれている点が異なっている。これに伴い、ハイサイドドライバ5のDIAG端子Pd5(トランジスタT1のドレイン)は、制御回路32の第1判定入力端子Pc1に接続されるとともに、抵抗R4を介して電源端子10に接続されている。つまり、端子電圧検出部7(コンパレータ12)の出力端子およびハイサイドドライバ5のDIAG端子Pd5は、共通接続されるとともに、抵抗R4を介して電圧Vsにプルアップされている。
また、本実施形態では、端子電圧検出部7のコンパレータ12の各入力端子が入れ替えられている。すなわち、コンパレータ12において、反転入力端子にはローパスフィルタ回路11を通じて端子電圧VNLが与えられ、非反転入力端子には判定電圧Vr1が与えられている。
このような構成により、第1の実施形態における第1判定信号DG1および第2判定信号DG2の論理和に相当する判定信号DGが、制御回路32の第1判定入力端子Pc1に与えられる。すなわち、本実施形態では、トランジスタT1、コンパレータ12の出力段のトランジスタおよび抵抗R4により、AND回路33が構成されている。制御回路32は、短絡故障検出動作を実行する際、第1判定信号DG1および第2判定信号DG2に代えて、このような判定信号DGに基づいてリニアソレノイド4の各端子に関する短絡故障を検出する。
次に、制御回路8による短絡故障検出動作について説明する。
判定信号DGは、リニアソレノイド4の各端子に関する短絡故障の発生有無および故障内容に応じて、その態様が次の(a)〜(f)のように変化する。
(a)非短絡状態
図7(a)に示すように、非短絡状態では、端子電圧VNLがゲート駆動信号(PWM信号Sl)に同期したパルス状の電圧となるため、コンパレータ12の出力段のトランジスタは、オン/オフを繰り返す。また、ハイサイドスイッチSWHを通じて流れる電流が定常値であるため、ハイサイドドライバ5のトランジスタT1は、オフ状態となる。従って、判定信号DGは、LレベルおよびHレベルが交互に繰り返されるパルス信号となる。また、検出電圧Vfbは、目標電流に対応した任意の電圧となる。
(b)第1地絡状態
図7(b)に示すように、第1地絡状態では、リニアソレノイド4に電流が流れないため、端子電圧VNLが接地電位に固定される。そのため、コンパレータ12の出力段のトランジスタは、オフ状態となる。また、ハイサイドスイッチSWHのソースが接地電位に固定される。そのため、ハイサイドドライバ5において過電流が検知され、トランジスタT1は、オン状態となる。従って、判定信号DGは、Lレベルに固定される。また、検出電圧Vfbは、シャント抵抗Rsに電流が流れないため、Lレベルに固定される。
(c)第1天絡状態
図7(c)に示すように、第1天絡状態では、判定信号DGは、非短絡状態と同様の態様となる。
(d)第2地絡状態
図7(d)に示すように、第2地絡状態では、リニアソレノイド4に電流が流れるものの、端子電圧VNLが接地電位に固定される。そのため、コンパレータ12の出力段のトランジスタは、オフ状態となる。また、ハイサイドスイッチSWHに流れる電流は、リニアソレノイド4の抵抗成分により、過大な電流とはならない。そのため、ハイサイドドライバ5において過電流が検知されず、トランジスタT1は、オフ状態となる。従って、判定信号DGは、Hレベルに固定される。また、検出電圧Vfbは、シャント抵抗Rsに電流が流れないため、Lレベルに固定される。
(e)第2天絡状態
図7の(e)に示すように、第2天絡状態では、リニアソレノイド4に電流が流れず、端子電圧VNLが電源線2の電圧に固定される。そのため、コンパレータ12の出力段のトランジスタは、オン状態となる。また、ハイサイドスイッチSWHのドレインおよびソースが同電位となるため、ハイサイドスイッチSWHにも電流が流れない。そのため、ハイサイドドライバ5において過電流が検知されず、トランジスタT1は、オフ状態となる。従って、判定信号DGは、Lレベルに固定される。また、シャント抵抗Rsには、ローサイドスイッチSWLのスイッチング動作に同期して過大な電流が流れる。そのため、検出電圧Vfbは、通常時に比べて高い電圧を示す。ただし、実際には、制御回路8による電流フィードバック制御により、ローサイドスイッチSWLのオンデューティが低減されるため、検出電圧Vfbが通常時と同程度の電圧を示すこともある。
(f)端子間短絡状態
図7の(f)に示すように、端子間短絡状態では、リニアソレノイド4に電流が流れず、端子電圧VNLがローサイドスイッチSWLのスイッチング動作に同期して電圧値が変動する。具体的には、端子電圧VNLは、ローサイドスイッチSWLがオフのときにHレベル(電圧VB相当)になり、オンのときにLレベル(接地電位相当)になる。そのため、コンパレータ12の出力段のトランジスタは、ローサイドスイッチSWLがオフのときにオンになり、ローサイドスイッチSWLがオンのときにオフになる。
また、ハイサイドスイッチSWHには、ローサイドスイッチSWLのスイッチング動作に同期して過電流が流れる。具体的には、ローサイドスイッチSWLがオンのときに過電流が流れる。そのため、トランジスタT1は、ローサイドスイッチSWLがオフのときにオフになり、ローサイドスイッチSWLがオンのときにオンになる。従って、判定信号DGは、Lレベルに固定される。
また、シャント抵抗Rsには、ローサイドスイッチSWLのスイッチング動作に同期して過大な電流が流れる。そのため、検出電圧Vfbは、通常時に比べて高い電圧を示す。ただし、実際には、制御回路8による電流フィードバック制御により、ローサイドスイッチSWLのオンデューティが低減されるため、検出電圧Vfbが通常時と同程度の電圧を示すこともある。
このように、判定信号DGは、リニアソレノイド4の各端子に関する短絡故障の有無および故障内容に応じて、その態様が異なる。制御回路32は、このような態様の違いに基づいて、リニアソレノイド4の各端子に関する短絡故障の有無および故障内容の切り分け(特定)を以下のようにして行う。
制御回路32は、短絡故障検出動作として、短絡故障の有無だけを判断する簡略モードと、短絡故障の内容(故障モード)を特定する詳細モードとを選択的に実行することができる。図8は、判定信号の態様と、制御回路32による短絡故障の判定結果との関係を示している。
<簡略モード>
制御回路32は、簡略モードの短絡故障検出動作を実行する際、判定信号がパルス信号ではないという条件を満たす場合、短絡故障が生じている(短絡故障有り)と判断する。また、制御回路32は、上記条件を満たさない場合、短絡故障が生じていない(短絡故障無し)と判断する。すなわち、制御回路32は、判定信号DGのエッジの有無を検出することにより、短絡故障の有無を判断する。
図8に示すように、第1地絡状態、第2地絡状態、第2天絡状態および端子間短絡状態では、判定信号DGがそれぞれLレベル固定、Hレベル固定、Lレベル固定およびLレベル固定であるため、上記条件を満たしている。そのため、通常モードによれば、短絡故障が生じていると正しく判断される。一方、非短絡状態および第1天絡状態では、判定信号DGがパルス信号であるため、上記条件を満たしていない。そのため、通常モードによれば、短絡故障が生じていないと正しく判断される。
<詳細モード>
制御回路32は、詳細モードの短絡故障検出動作を実行する際、判定信号DGに加え、検出電圧Vfbに基づいて、非短絡故障状態または第1天絡状態と、第1地絡状態と、第2地絡状態と、第2天絡状態または端子間短絡状態とのいずれの状態であるのかを特定する。具体的には、制御回路32は、判定信号DGがパルス信号である場合、非短絡故障状態または第1天絡状態であると特定する。また、制御回路32は、判定信号DGがLレベルであるとともに、検出電圧VfbがLレベルである場合、第1地絡状態であると特定する。また、制御回路32は、判定信号DGがHレベルである場合、第2地絡状態であると特定する。また、制御回路32は、判定信号DGがLレベルであるとともに、検出電圧Vfbが任意の電圧値である場合、第2天絡状態または端子間短絡状態であると特定する。このように、詳細モードによれば、短絡故障の発生有無が正しく判断されるだけでなく、短絡故障の内容が正しく特定される。ただし、第2天絡状態および端子間短絡状態の切り分けはできない。
以上説明したように、本実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、リニアソレノイド4の各端子に関する短絡故障の有無を確実に検出することができる。また、制御回路32は、簡略モードの短絡故障検出動作を実行する際、判定信号DGのエッジの有無を検出すること(エッジ検出)により、短絡故障の有無を判断する。そのため、制御回路32を構成するマイクロコンピュータの制御内容が簡略化され、ソフトウェアにおける処理負荷が低減されるという効果が得られる。
また、制御回路32は、詳細モードの短絡故障検出動作を実行する際、判定信号DGおよび検出電圧Vfbの態様の違いに基づいて、非短絡故障状態と、第1地絡状態と、第2天絡状態と、第2地絡状態または端子間短絡状態とのうち、いずれの状態であるのかを特定することができる。
さらに、制御回路32は、第1の実施形態の制御回路8に対し、短絡故障検出動作のために用いる(入力する)信号により占有される入力端子の数が2つから1つに低減されている。これは、制御回路32を構成するマイクロコンピュータの入力ポートの数を1つ低減することができるということを意味する。近年、マイクロコンピュータなどのIC(カスタムIC)は、製造コストのうち、パッケージのコストが占める割合が非常に高い。従って、たとえICの内部回路のサイズが大きくなったとしても、ポート数を削減するほうが、全体としてのコスト削減効果が高い。このような事情から、本実施形態のように、入力端子の数を低減することができる構成を採用することによるメリットは大きいと言える。
端子電圧検出部7のコンパレータ12は、オープンドレインのトランジスタにより出力段が構成される。また、ハイサイドドライバ5のトランジスタT1は、オープンドレインの形態となっている。そして、コンパレータ12の出力端子およびトランジスタT1のドレインは、共通接続されるとともに、抵抗R4を介して電圧Vsにプルアップされている。このような構成により、論理回路を別途設けることなく、第1判定信号DG1および第2判定信号DG2の論理和に相当する判定信号DGを出力するAND回路を構成することができるため、駆動装置31全体としての回路規模を小さく抑えることができる。
(その他の実施形態)
なお、本発明は上記し且つ図面に記載した各実施形態に限定されるものではなく、次のような変形または拡張が可能である。
ハイサイドスイッチSWHおよびローサイドスイッチSWLは、Nチャネル型のパワーMOSFETに限らずともよく、バイポーラトランジスタやIGBTなど、他のスイッチング素子であってもよい。トランジスタT1は、MOSFETに限らずともよく、例えばバイポーラトランジスタなど、他のスイッチング素子であってもよい。
制御回路8および制御回路32は、通常モードおよび詳細モードの短絡故障検出動作のうち、少なくともいずれか一方を実行する構成であればよい。
端子電圧検出部および負荷電流検出部としては、図1などに示した構成に限らずともよい。
ハイサイドドライバ5は、第2判定信号DG2を反転した信号を出力する構成でもよい。また、端子電圧検出部7は、第1判定信号DG1を反転した信号を出力する構成でもよい。このようにする場合、Hレベルが第1レベルに相当し、Lレベルが第2レベルに相当する。
第2の実施形態の駆動装置31において、ハイサイドドライバ5のDIAG端子Pd5の信号およびコンパレータ12の出力信号を入力するAND回路を備え、そのAND回路の出力信号を判定信号DGとして制御回路32に与える構成としてもよい。
図面中、1、31は駆動装置(誘導性負荷駆動装置)、2は電源線(高電位側電源線)、3はグランド線(電源線、低電位側電源線)、4はリニアソレノイド(誘導性負荷)、5はハイサイドドライバ(ハイサイド電流検出部)、6は負荷電流検出部、7は端子電圧検出部、8、32は制御回路(制御部)、33はAND回路、R4は抵抗(プルアップ用抵抗)、SWHはハイサイドスイッチ、SWLはローサイドスイッチを示す。

Claims (7)

  1. 一対の電源線を通じて与えられる電力を誘導性負荷に供給し、前記誘導性負荷に流れる電流をフィードバック制御して前記誘導性負荷を駆動する誘導性負荷駆動装置であって、
    前記一対の電源線のうち高電位側電源線と前記誘導性負荷の一方の端子との間に介在するハイサイドスイッチと、
    前記誘導性負荷の他方の端子電圧を検出し、その検出電圧値が判定電圧値未満である場合に第1レベルになるとともに、前記検出電圧値が前記判定電圧値以上である場合に第2レベルになる第1判定信号を出力する端子電圧検出部と、
    前記ハイサイドスイッチを通じて流れる電流を検出し、その検出電流値が判定電流値以上である場合に第1レベルになるとともに、前記検出電流値が前記判定電流値未満である場合に第2レベルになる第2判定信号を出力するハイサイド電流検出部と、
    前記誘導性負荷の他方の端子と前記一対の電源線のうち低電位側電源線との間の給電経路に介在するローサイドスイッチと、
    前記誘導性負荷の他方の端子と前記ローサイドスイッチとの間に流れる負荷電流を検出し、その検出値に応じた検出電圧を出力する負荷電流検出部と、
    前記ハイサイドスイッチおよび前記ローサイドスイッチの駆動を制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記ハイサイドスイッチをオンに固定するとともに、前記検出電圧および前記負荷電流の目標値に基づいて前記負荷電流の検出値が前記目標値に一致するように前記ローサイドスイッチをPWM駆動する通常動作と、
    前記ハイサイドスイッチをオン/オフ繰り返すことにより電流制限する保護動作と、
    前記第1判定信号および前記第2判定信号に基づいて、前記誘導性負荷の各端子に関する短絡故障を検出する短絡故障検出動作と、
    を実行することを特徴とする誘導性負荷駆動装置。
  2. 前記制御部は、
    前記短絡故障検出動作を実行する際、
    前記第1判定信号がパルス信号ではないという条件および前記第2判定信号がパルス信号であるという条件のうち少なくとも一方を満たす場合、前記短絡故障が生じていると判断することを特徴とする請求項1に記載の誘導性負荷駆動装置。
  3. 前記制御部は、
    前記短絡故障検出動作を実行する際、
    前記短絡故障が生じていない非短絡状態または前記誘導性負荷の一方の端子と前記高電位側電源線との間が短絡した第1天絡状態、前記誘導性負荷の一方の端子と前記低電位側電源線との間が短絡した第1地絡状態、前記誘導性負荷の他方の端子と前記高電位側電源線との間が短絡した第2天絡状態、前記誘導性負荷の他方の端子と前記低電位側電源線との間が短絡した第2地絡状態、および前記誘導性負荷の各端子間が短絡した端子間短絡状態のうち、いずれの状態であるかを特定することを特徴とする請求項1または2に記載の誘導性負荷駆動装置。
  4. 前記制御部は、
    前記短絡故障検出動作を実行する際、
    前記第1判定信号がパルス信号であるという条件および前記第2判定信号が第2レベルであるという条件を満たす場合、前記非短絡状態または前記第1天絡状態であると特定し、
    前記第1判定信号が第1レベルであるという条件および前記第2判定信号が第1レベルであるという条件を満たす場合、前記第1地絡状態であると特定し、
    前記第1判定信号が第1レベルであるという条件および前記第2判定信号が第2レベルであるという条件を満たす場合、前記第2地絡状態であると特定し、
    前記第1判定信号が第2レベルであるという条件および前記第2判定信号が第2レベルであるという条件を満たす場合、前記第2天絡状態であると特定し、
    前記第1判定信号がパルス信号であるという条件および前記第2判定信号がパルス信号であるという条件を満たす場合、前記端子間短絡状態であると特定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の誘導性負荷駆動装置。
  5. 前記第1判定信号および前記第2判定信号の論理和である判定信号を出力するAND回路を備え、
    前記制御部は、
    前記短絡故障検出動作を実行する際、
    前記第1判定信号および前記第2判定信号に代えて前記AND回路から出力される判定信号に基づいて、前記誘導性負荷の各端子に関する短絡故障を検出することを特徴とする請求項1に記載の誘導性負荷駆動回路。
  6. 前記制御部は、
    前記短絡故障検出動作を実行する際、
    前記判定信号がパルス信号ではないという条件を満たす場合、前記短絡故障が生じていると判断することを特徴とする請求項5に記載の誘導性負荷駆動装置。
  7. 前記端子電圧検出部は、オープンコレクタまたはオープンドレインのトランジスタにより出力段が構成され、
    前記ハイサイド電流検出部は、オープンコレクタまたはオープンドレインのトランジスタにより出力段が構成され、
    前記端子電圧検出部の出力端子および前記ハイサイド電流検出部の出力端子が共通接続されるとともに、プルアップ用抵抗を介して前記第2レベルに相当する電圧にプルアップされることにより、前記AND回路が構成されていることを特徴とする請求項5または6に記載の誘導性負荷駆動装置。
JP2012080935A 2012-03-30 2012-03-30 誘導性負荷駆動装置 Active JP5776607B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012080935A JP5776607B2 (ja) 2012-03-30 2012-03-30 誘導性負荷駆動装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012080935A JP5776607B2 (ja) 2012-03-30 2012-03-30 誘導性負荷駆動装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013211711A JP2013211711A (ja) 2013-10-10
JP5776607B2 true JP5776607B2 (ja) 2015-09-09

Family

ID=49529191

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012080935A Active JP5776607B2 (ja) 2012-03-30 2012-03-30 誘導性負荷駆動装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5776607B2 (ja)

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015079842A1 (ja) * 2013-11-29 2015-06-04 日立オートモティブシステムズ株式会社 負荷駆動回路
JP5883480B2 (ja) * 2013-12-05 2016-03-15 ヤマハ発動機株式会社 内燃機関および鞍乗型車両
JP6212139B2 (ja) * 2014-02-06 2017-10-11 日立オートモティブシステムズ株式会社 負荷駆動回路
JP6254029B2 (ja) * 2014-03-27 2017-12-27 新電元工業株式会社 駆動制御装置及び故障検知方法
JP2015197390A (ja) * 2014-04-02 2015-11-09 株式会社東海理化電機製作所 磁気検出装置
JP6492672B2 (ja) 2015-01-14 2019-04-03 株式会社デンソー 負荷駆動装置
JP2016134832A (ja) * 2015-01-21 2016-07-25 株式会社デンソー 負荷駆動回路
JP6091566B1 (ja) * 2015-09-01 2017-03-08 三菱電機株式会社 車載電気負荷の給電制御装置及びその制御方法
JP6439653B2 (ja) * 2015-10-26 2018-12-19 株式会社デンソー 定電圧電源回路
DE102015222990A1 (de) 2015-11-20 2017-05-24 Zf Friedrichshafen Ag Sichere Steuerung eines Verbrauchers
WO2018047553A1 (ja) * 2016-09-12 2018-03-15 ボッシュ株式会社 制御装置
JP7042157B2 (ja) * 2018-05-22 2022-03-25 日立Astemo株式会社 車両用アクチュエータの制御装置
JP7247903B2 (ja) * 2019-05-09 2023-03-29 株式会社豊田自動織機 電気回路及び電源装置
JP6914396B1 (ja) * 2020-04-28 2021-08-04 三菱電機株式会社 誘導性負荷駆動回路
US11114842B1 (en) * 2020-05-27 2021-09-07 Rockwell Automation Technologies, Inc. Dual PWM relay driver with diagnostics for functional safety system
JP7461259B2 (ja) 2020-09-23 2024-04-03 日立建機株式会社 電磁誘導負荷の制御装置

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4329083B2 (ja) * 2005-05-30 2009-09-09 株式会社デンソー 車載電気負荷の駆動装置
JP2011023802A (ja) * 2009-07-13 2011-02-03 Denso Corp 誘導性負荷制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013211711A (ja) 2013-10-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5776607B2 (ja) 誘導性負荷駆動装置
US10640059B2 (en) Drive device
JP6353648B2 (ja) 半導体異常検出回路
WO2011019038A1 (ja) 負荷駆動制御装置及び負荷駆動制御方法
JPWO2015118772A1 (ja) 負荷駆動回路
US8427804B2 (en) Power amplifier
JP5609821B2 (ja) 負荷駆動装置
JP2015095442A (ja) スイッチ診断装置、スイッチ回路及びスイッチ診断方法
JP2015171305A (ja) 電源供給回路
KR102587391B1 (ko) 소비 장치의 안전한 제어
US8653782B2 (en) Motor driving device
JP6770986B2 (ja) 誘導性負荷制御装置
JP5099041B2 (ja) 燃料ポンプ制御装置
JP6048164B2 (ja) 過電流保護回路
JP6015586B2 (ja) Pwm制御装置およびそのpwm制御方法
JP2008276727A (ja) 負荷駆動装置
JP2007027465A (ja) リニアソレノイドの駆動回路
KR102100861B1 (ko) 로우 사이드 구동 ic 고장진단 장치 및 방법
JP6811163B2 (ja) 負荷駆動装置
JP7313183B2 (ja) 電子制御装置及び異常検出方法
CN112671053A (zh) 具有双电压供应电路的电子电路
JP6900185B2 (ja) スイッチ操作装置及びパワーウィンドウ制御装置
CN113841313A (zh) 用于致动器的电流控制的设备和方法
JP6424556B2 (ja) 電子制御装置
JP7313184B2 (ja) 電子制御装置及び異常検出方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140618

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150223

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150317

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150508

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150609

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150622

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5776607

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250